JP2001319635A - セパレータとその製造方法及びそれを用いた非水系電池 - Google Patents

セパレータとその製造方法及びそれを用いた非水系電池

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JP2001319635A
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Toru Yamamoto
徹 山本
Satoshige Nanai
識成 七井
Kenichi Morigaki
健一 森垣
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微多孔性セパレータでは空孔を化学的に形成
するため表面での空孔形状に大きなばらつきを生じる。
このため電極表面での反応が不均一となり電池の寿命特
性が低下した。また、セパレータ内部でのLiイオンの
移動経路が複雑で高率放電特性も悪くなるという課題を
有する。 【解決手段】 ポリプロピレン繊維からなる織布を熱プ
レスするかポリオレフィンフィルムにレーザー照射や機
械加工で空孔を形成することで表面の空孔形状がほぼ一
定で厚さのばらつきの少ないセパレータが得られる。こ
のセパレータによって電極表面での反応が均一化され、
寿命特性が向上する。またセパレータ内部のLiイオン
の移動経路も短くなり、高率放電特性も改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高率放電特性・寿命
特性に優れた電池用セパレータであり、これを用いるこ
とで高性能なLiポリマー電池など非水系電池を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポータブル機器やコードレス機器
の発展に伴い、その電源である電池には長時間駆動を実
現させるため、より一層の高エネルギ−密度が要求され
る。この要求に対して近年負極に炭素材料、正極にコバ
ルト酸リチウムを用いたLiイオン電池が多く使用され
ている。さらに最近では電槽にアルミラミネートフィル
ムを用いたLiポリマー電池も実用化されている。
【0003】電池においてセパレータは、高率放電特性
や寿命特性さらには保存特性に大きな影響を与える。特
に非水系電池であるLiイオン電池やLiポリマー電池
では、電解液のイオン伝導度が水系電池に比べて低いた
め、セパレータの性能が電池特性を大きく左右する。
【0004】一般的にセパレータには(1)電子伝導性
を持たないこと(2)分解電圧が高いこと(3)電解液
を含めたイオン伝導度が高いこと(4)安全且つ無害な
こと(5)安価なこと(6)活物質と反応しないこと
(7)適度の柔軟性を持つことなどが要求される。セパ
レータの膜厚が厚かったり、空孔率(一定体積に占める
空隙の比率)が小さいとLiイオンの移動が妨げられる
ため、高率放電特性が低下する。
【0005】また、セパレータの空孔部形状(特に電極
に接する界面)のばらつきは、Liイオンの移動し易さ
及び電極での活物質の反応の不均一をもたらし、それに
よって充放電サイクルにおいて極板の一部が早く活性を
失い、寿命特性の低下を引き起こす要因の一つとなる。
【0006】セパレータとして水系電池では古くは紙が
使用されてきたが、それ以外に繊維を織った織布タイプ
のもの(例えば特開昭52−3120号公報及び特開平
200−11758号公報)と抄紙法等で繊維をランダ
ムに集めた不織布タイプ、オレフィン系フィルムにミク
ロ相分離を利用して細孔を形成した微多孔性フィルム
(例えば、特開平11−269289号公報及び特開2
000−44709号公報)が提案され、広く使用され
ている。
【0007】従来、Liイオン電池及びLiポリマー電
池などの非水系電池においては、電解液のイオン伝導度
が水系に比べて低いため電極間距離を極力狭くし、且つ
短絡や電解液との反応を起こさないものが要求される。
そのため、薄膜化が可能で短絡を起こしにくく、化学的
に安定なオレフィン系微多孔性フィルムが主に用いられ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、織布の場合は
セパレータ表面での空孔形状はほぼ均一であるが繊維の
重なり部で厚さが厚くなり電極間距離が離れ、これが原
因で不均一な電極反応を引き起こす課題があった。一
方、不織布では当初からセパレータ表面での空孔部の形
状が不均一であるため、前記理由により寿命特性に課題
を有した。
【0009】微多孔性フィルムの場合、空孔率(単位体
積あたりの空孔体積比率)が45%〜65%程度で膜厚
を20μm程度まで下げられる利点があるが、空孔を形
成するために膜中に分散した造孔成分をフィルム延伸
後、化学的に溶出・除去する工程が取られる。このた
め、その空孔形状は安定しておらず、特に電極と接する
膜表面での空孔部の形状の均一性が悪い。
【0010】特開2000−44709号公報のような
超高分子量ポリオレフィン樹脂で構成したフィルムから
空孔を形成する方法では三次元的な空孔形状の均一性は
やや向上するが、セパレータ表面での空孔形状の均一性
はまだまだ不十分であった。このため電極表面での反応
性が場所によって不均一となり、寿命特性(特に高温)
において課題を有した。また空孔がセパレータ内部で複
雑に形成されており、Liイオンの移動経路が複雑で高
率放電特性が悪くなる課題もあった。さらに空孔形成を
造孔剤の化学的な抽出で行うため空孔形状が不安定であ
るため、表面検査でその空孔形状の確認を要し、コスト
の大幅な上昇を伴う課題もあった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題の解決のため
鋭意検討した結果、樹脂繊維の織布を熱プレスしたり、
樹脂フィルムにレーザー照射あるいは機械加工すること
で電極に接する空孔部のセパレータ表面形状をほぼ同一
とし且つ厚みが5μm以上30μm以下で、その厚みのば
らつきが±15%以内である微多孔性樹脂フィルムから
なるセパレータが、電池の高率放電特性及び寿命特性の
点から有効であることがわかった。
【0012】これらの方法では安定した表面形状の空孔
が形成できる。均一性の目安としてセパレータ表面の空
孔面積の標準偏差(σ)を平均値(μ)で割った比率
(S)で寿命特性との相関を調べた。その結果、S値が
0.2以下において寿命特性が大きく向上することがわ
かった。従来の微多孔性フィルムの場合は、フィルム表
面での空孔面積のS値は均一性の高いものでもせいぜい
0.4程度であった。
【0013】またセパレータ厚みのばらつきも寿命特性
に大きな影響があり、厚みの薄い部分で充放電が優先的
に起こるためその部分での劣化が進む。このため厚みの
ばらつきとしては±15%以内であることが重要であ
る。織布を重ね熱プレスした場合は、空孔率をあまり落
とすことなくセパレータの空孔面積を小さくできるた
め、電極からの活物質の脱落による短絡を防げる利点が
ある。また、高率放電特性の観点からはセパレータ厚み
は30μm以下が望ましい。但し、5μmより厚みが薄く
なると短絡を起こす確率が高くなる。
【0014】また、セパレータの材質としては有機溶媒
に強いオレフィン系樹脂、特に織布ではポリプロピレン
が適していた。
【0015】
【発明の実施の形態】本願発明ではセパレータの空孔部
は、樹脂繊維の織布を熱プレスしたり、樹脂フィルムに
レーザー照射あるいは機械的加工を加えて形成するた
め、セパレータの電極に接する表面の空孔形状にばらつ
きが殆どない。しかもその厚みが5μm以上30μm以下
で、その厚みのばらつきも±15%以下に抑えること
で、電極表面での充放電反応が電極全面でほぼ均一に起
こる。このため特に高温での寿命特性が大幅に向上す
る。
【0016】従来の微多孔性フィルムでは、化学的に塩
化メチレン等を用いて可溶部(流動パラフィン等)を抽
出除去し、空孔を形成するため空孔形状はあまり均一に
ならない。特に電極反応を支配する電極との界面部(セ
パレータ表面)での空孔形状は不均一となり、S値とし
ては良いものでも0.4程度であった。
【0017】このため、充放電サイクル寿命試験を行う
とセパレータ表面の空孔径の大きな部分での反応が優先
的に起こり、その部分の劣化が早くなり寿命特性が低下
した。特に45℃以上の高温での寿命特性にはセパレー
タ表面の空孔形状の均一性の影響が強く現れた。以下の
実施例でも示すが、S値が0.2以下の場合において寿
命特性の向上が顕著となった。
【0018】また、従来微多孔性フィルムでは空孔を有
する膜が層状に多数重なった構造をしており、その分L
iイオンの移動経路が複雑となり高率放電特性が悪くな
る課題があった。本発明ではセパレータ内部でのLiイ
オンの移動経路が短いため高率放電特性にも優れてい
る。高率放電特性の観点からセパレータの厚みとしては
5μm以上30μm以下、空孔率としては45%〜65%
が好ましい。
【0019】また織布では、これを複数枚重ね熱プレス
することで空孔率はほぼ維持したままで目が細かくなり
電極から欠落した活物質による短絡を防ぐことが可能と
なる。
【0020】本発明のセパレータは電解液のイオン伝導
度の低い非水系電池において有効となり、ゲル電解質を
用いるLiポリマー電池においては特に有効となる。中
でも重合反応で化学架橋を作りゲル化する反応型ゲルや
ゲル化剤で後から電解液をゲル化させるポリマー電池に
おいて製造上適している。
【0021】以下に本発明の実施例を具体的に説明す
る。
【0022】(実施例1)繊維径20μmからなるポリ
プロピレン繊維を機械的に70μmの間隔で織った織布
をロール温度160℃、ロール間隔20μmの一対の熱
ロールでプレスし、縦糸と横糸の交差部を熱融着し、表
面空孔形状がほぼ同一のセパレータを得た(織布のパタ
ーンは表1参照)。この織布を電子顕微鏡で撮影し、1
00カ所の空孔の大きさを測定し、その分布を調べた。
その結果、平均空孔面積は約2280μm2で標準偏差は
430μm2、ばらつきを表す標準偏差を平均値で割った
値Sで見るとS=0.189となった。また厚さは22
μm±3μm(ばらつき13.6%)、空孔率は48%
(水銀ポロシメータで測定)であった。
【0023】正極活物質としてLiCoO2、導電材と
してアセチレンブラック(AB)粉末、結着材としてポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)を85:5:1
0(重量比)で混合し、これにn-メチルピロリドン(N
MP)を適当量加えてペースト化し、膜厚40μmのア
ルミニウム箔上の片面に塗布(塗布厚約60μm)、乾
燥、プレス、熱処理して正極とした。
【0024】負極としては高結晶性炭素とABとPTF
Eを85:3:12(重量比)で混合し、これにNMP
を加えてペースト化し、膜厚40μmの銅箔の両面に塗
布(塗布厚各々約150μm)、乾燥、プレス、熱処理
して負極を作製した。
【0025】正、負極の端部に各々アルミニウム、銅の
リード線を超音波溶接した。負極を前記セパレータで袋
状に覆った後、両側に正極を張り合わせ、リード線を外
部に引き出し、アルミラミネートフィルム(アルミニウ
ム箔をオレフィン系樹脂等で被覆したフィルム)の三方
を封止した袋内に挿入した。次にアクリロニトリル基と
エチレンオキシド基を有するオリゴマー(8wt%)と
架橋剤(トリメチロールプロパントリアクリレートエリ
スリトール)(2wt%)とエチレンカーボナート(E
C)/エチルメチルカーボナート(EMC)/LiPF
6(30wt%/50wt%/9.8wt%)と熱重合開
始剤(ジアゾニウム系)(0.2wt%)からなるゲル
電解質の原液を適当量(袋から溢れない程度)注液し真
空含浸後、余剰の液を取り除き仮封口した。これに45
℃で3時間、75℃で2時間加熱を行い、熱重合反応で
ゲル化を行った。発生したガスを取り除いた後、本封口
し、容量約100mAhのLiポリマー電池(ゲル電解
質タイプ)を作製した。
【0026】この電池を45℃で充電電流20mA
(0.2C)、4.2Vまで定電流充電し、その後定電圧
充電(7時間カット)を行い、次に放電電流50mA
(0.5C)、3.0Vカットの条件で放電をし、充放電
試験を行った。100サイクル後での容量劣化率(10
0サイクル後容量/1サイクル容量)を寿命特性とした。20℃
において、充電条件は同じで放電電流を200mA(2
C)にした時の放電容量と20mA(0.2C)の時の
放電容量比(2C容量/0.2C容量)を高率放電特性
として、それぞれ表1に示す。
【0027】比較としてセパレータに厚さ22μm±3
μm(ばらつき13.6%)、平均空孔面積約25μm2
標準偏差が18μm2で面積のばらつきS=0.72、空
孔率45%のポリプロピレン繊維からなる不織布(比較
例1)と厚さ27μm±1μm(ばらつき3.7%)、表
面の平均空孔面積0.52μm2(電子顕微鏡での表面写
真で繊維径0.1μm以下のものは無視して面積を測
定)、標準偏差が0.25μm 2、面積のばらつきS=0.
48、空孔率52%の微多孔性ポリオレフィンフィルム
を用いて本実施例と同様の電極、電池構成でLiポリマ
ー電池(比較例2)を作製した。
【0028】また、実施例1において熱ロールの間隔を
25μmとして厚さ25μm±4μm(膜厚ばらつき16.
0%)、平均面積約2295μm2、標準偏差448μ
m2、S=0.195、空孔率51%の織布をセパレータ
に用いたLiポリマー電池(比較例3)も作製した。
【0029】これらの結果を表1に示すが、実施例1と
比べて比較例1の電池では寿命特性が悪く、100サイ
クルで初期容量の43%まで容量低下をした。比較例2
では高率放電特性が実施例1に比べて低く、寿命特性は
8%程度低下した。
【0030】また、比較例3の場合は実施例1と比べ厚
みのばらつきが若干大きくなったもので45℃での寿命
特性において実施例1より劣ることがわかった。ロール
間隔を微妙に振って厚さばらつきの影響を調べたとこ
ろ、±15%以下で寿命特性が向上することがわかっ
た。これは厚みのばらつきによって電池反応に不均一性
が生じたためと考えられる。このことよりセパレータの
厚みのばらつきは±15%以下に抑える必要があると思
われる。
【0031】
【表1】
【0032】(実施例2)繊維径5μmからなるポリプ
ロピレン繊維を機械的に17μmの間隔で織った織布を
温度160℃、ロール間隔5μmの熱ロールでプレス
し、織り糸の交差部を熱融着し、表面空孔形状がほぼ同
一のセパレータを得た(織布のパターンは表1参照)。
この織布を電子顕微鏡で撮影し、100カ所の空孔の大
きさを測定し、その分布を調べた。その結果、セパレー
タ表面の平均空孔面積は約132μm2で標準偏差は26
μm2、S=0.197、空孔率48%となった。厚みは
5μm±0.7μm(ばらつき14%)であった。このセ
パレータを用い、実施例1と同様の方法でLiポリマー
電池を作製した。
【0033】実施例2においてロールの間隔を4μmに
して熱ロールプレスを行ったセパレータを作製し、実施
例2と同様にLiポリマー電池(比較例4)を作製し
た。セパレータ表面空孔の平均面積は約130μm2で標
準偏差26μm2、S=0.20、空孔率は47%、厚み
は4μm±0.6μm(ばらつき15%)であった。
【0034】この結果も表1に示す。実施例2において
はセパレータの厚みが5μmと薄いため高率放電特性は
91%と高くなり、寿命特性においては実施例1よりや
や低くなったが問題のないレベルであった。一方、比較
例4においては寿命特性の点でかなり悪くなった。これ
はセパレータ厚みが4μmまで薄くなると、短絡を起こ
し易くなったためと思われる。
【0035】(実施例3)繊維径15μmからなるポリ
プロピレン繊維を機械的に60μmの間隔で三角形に織
った織布(織布のパターンは表1参照)をロール温度1
60℃、ロール間隔20μmの熱ロールでプレスし、織
り糸の交差部を熱融着して、表面空孔形状が三角形状で
ほぼ同一のセパレータを得た。平均空孔面積は約428
μm2で標準偏差は33μm2、S=0.077、空孔率5
7%となった。膜厚は19μm±1.8μm(膜厚ばらつ
き9.5%)であった。このセパレーターを用い、実施
例1同様の製造方法、構成で電池を作製した。
【0036】結果を表1に示す。高率放電特性は91
%、寿命特性においても91%の値が得られた。従って
織布の空孔形状は電池特性に影響がなく、空孔形状の均
一性が電極反応の偏りを防ぐのに有効に働くものと思わ
れる。
【0037】(実施例4)繊維径2μmからなるポリプ
ロピレン繊維を機械的に14.14μmの間隔で織った織
布と繊維径2μmからなるポリプロピレン繊維を10μm
の間隔で織った織布を交互に交叉角度を45゜ずらしな
がら9枚重ね温度165℃、平板熱プレス(ギャップ3
0μm)を行い織り糸の交差部を熱融着し、表面空孔形
状がほぼ同一のセパレータを得た。この織布は平均面積
約132μm2で標準偏差は21μm2、S=0.159、
厚さは30μm±1.8μm(ばらつき6%)、空孔率6
2%であった。
【0038】このセパレータを用い、実施例1と同様の
製造法、構成でアルミラミネートフィルム袋に電池セル
を挿入し、ここに電解液としてEC/EMC/LiPF
6(28wt%/60wt%/12wt%)を適当量注
液、真空含浸後、開口部を封口し、Liイオン電池を作
製した。
【0039】比較として実施例4において対ロールの間
隔を31μmにして熱ロールプレスを行ったセパレータ
を作製し、実施例4と同様にLiポリマー電池(比較例
5)を作製した。セパレータ表面空孔の平均面積は約1
30μm2で標準偏差22μm2、S=0.169、セパレ
ータ厚みは31μm±2.0μm(ばらつき6.5%)、空
孔率は63%であった。
【0040】これらの結果を表1に示すが実施例4では
寿命特性は90%と高く、高率放電特性もセパレータの
厚みが厚くなったが、イオン伝導度の高い電解液系であ
るため92%とやや高くなった。織布を重ねたものでは
空孔率を下げずに目が細かくなるため活物質の滑落によ
る電極間の短絡を防ぐことができる。一方、比較例5に
おいてはセパレータ厚みが31μmと厚いため高率放電
特性が85%と実施例4に比べて低くなった。このこと
よりセパレータ厚みとしては高率放電特性の点から30
μm以下が望ましい。織布の交叉角度としては30°〜
60°が好ましかった。
【0041】(実施例5)Tダイからの押出成型でまず
厚さ25μm±2μm(ばらつき8.0%)のポリプロピ
レンフィルムを作製した。次にCO2レーザー(パルス
幅4ms、出力2.6W)で口径20μmの穴をフィルム
に均一(穴間隔25μm)にあけ、表面空孔形状がほぼ
同一のセパレータを得た(パターンは表1参照)。平均
空孔面積は314μm2で標準偏差は15μm2、S=0.
048、空孔率58%と空孔形状の非常に均一なセパレ
ータを得た。
【0042】比較としてレーザーパルス幅を故意に振っ
て空孔径にばらつきを有する微多孔性フィルムを作製し
た。このフィルムの平均空孔面積は315μm2で標準偏
差は64μm2、S=0.203、空孔率59%であった
(比較例6)。
【0043】次に実施例1と同様の正極、負極、ゲル電
解液を用い、同様の製造方法でLiポリマー電池を作製
した。結果を表1に示すが、実施例5では高率放電特性
は92%および寿命特性が93%の優れた電池となっ
た。一方、比較例6では高率放電特性は変わらなかった
が、寿命特性の低下を生じた。これはセパレータの表面
空孔形状の不均一さが電極反応の不均一さを招き、寿命
特性の低下をもたらしたものと考えられる。
【0044】(実施例6)実施例5と同様の方法でポリ
エチレンフィルム(厚さ25μm±2μm、膜厚ばらつき
8.0%)を作製し、次にピン径50μm、ピン間隔70
μmで1列200本、5列並んだ打ち抜き治具を用いて
フィルムに均一に50μmの穴(空孔)を形成し、表面
空孔形状がほぼ同一のセパレータを得た。平均空孔面積
は1962μm2で、標準偏差は85μm2、S=0.04
3、空孔率57%であった。
【0045】次に実施例1と同様の構成、製造方法でL
iポリマー電池を作製した。結果を表1に示すが、高率
放電特性は93%、寿命特性は92%となった。なお、
空孔形成は電子線照射法を用いても有効であった。
【0046】(実施例7)実施例5の微多孔性フィルム
の両側を、繊維径5μmからなるポリプロピレン繊維を
機械的に12.5μmの間隔で織った織布を温度160
℃、ロール間隔5μmの熱ロールでプレスし、織り糸の
交差部を熱融着したシートで挟んだ。次に前記微多孔性
フィルムと織布シートを165℃、間隔30μmで平板
熱プレスし、前記微多孔性フィルムと織布シートを熱融
着しセパレータを作製した。このセパレータの電極と接
する織布部の平均空孔面積は約133μm2で標準偏差は
25μm2、S=0.188、空孔率55%となった。ま
た、その厚みは30μm±2.5μm(ばらつき8.3%)
であった。このセパレータを用い、実施例1と同様の方
法でLiポリマー電池を作製した。結果を表1に示す
が、高率放電特性が91%、寿命特性は94%と良くな
った。
【0047】以上のようにセパレータの表面空孔部形状
がほぼ一定で且つ厚みが5μm以上30μm以下で、その
厚みのばらつきが±15%以内であるセパレータを用い
ることで、高率放電特性及び寿命特性に優れた電池が得
られた。セパレータの材質としては、ポリプロピレンや
ポリエチレン等のオレフィン系樹脂が耐電解液性の点で
優れていた。また、織布の場合、均一な形状が得られる
ものならどのような空孔形状でも有効である。
【0048】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように非水系電
池において、セパレータの表面空孔形状及び厚さを均一
化する事で電極表面での反応が平均的に起こり、電池と
しての寿命特性が改善される。また、セパレータ内部で
のLiイオンの移動経路が従来の微多孔性フィルムに比
べて短いため高率放電特性にも優れる。さらに、本発明
の製造方法では空孔形状が正確に定まるため検査工程が
省け、セパレータの製造コストの削減にもつながる利点
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森垣 健一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H021 AA06 BB01 BB02 BB04 BB11 BB15 BB19 CC02 CC04 CC08 EE04 HH01 HH03 5H029 AJ05 AJ06 AJ14 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 AM16 BJ04 BJ12 CJ02 CJ03 CJ05 DJ04 DJ12 DJ14 DJ15 EJ12 HJ04 HJ07 HJ09 HJ12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂繊維の織布または微多孔性樹脂フィル
    ムからなり、電極に接する空孔部の表面形状がほぼ同一
    であって且つ厚みが5μm以上30μm以下で、その厚み
    のばらつきが±15%以内であることを特徴とするセパ
    レータ。
  2. 【請求項2】セパレータが樹脂繊維の織布ないしは樹脂
    フィルムにレーザー照射あるいは機械加工で細孔を形成
    したものであり、その表面空孔面積の標準偏差(σ)を
    平均値(μ)で割った比率(S)が0.2以下であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のセパレータ。
  3. 【請求項3】樹脂がポリオレフィン系であることを特徴
    とする請求項1記載のセパレータ。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン系繊維の織布の交点を熱プ
    レスあるいは複数枚重ねて熱プレスしたことを特徴とす
    る請求項1記載のセパレータ。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン系繊維の織布と微多孔性樹
    脂フィルムを熱プレスしたことを特徴とする請求項1記
    載のセパレータ。
  6. 【請求項6】ポリオレフィン系繊維の織布を複数枚交叉
    角度を変えて重ね、熱プレスしたことを特徴とする請求
    項1記載のセパレータの製造方法。
  7. 【請求項7】正極、負極とこの両極の間に配した樹脂繊
    維の織布または微多孔性樹脂フィルムよりなるセパレー
    タからなり、セパレータは電極に接する空孔部の表面形
    状がほぼ同一であって且つ厚みが5μm以上30μm以下
    で、その厚みのばらつきが±15%以内にあり、その空
    孔部に非水系の電解液あるいはゲル状電解質を保持して
    いる非水系電池。
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