JP2001317993A - 室間音圧レベル差の測定方法及びその装置 - Google Patents

室間音圧レベル差の測定方法及びその装置

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JP2001317993A
JP2001317993A JP2000139054A JP2000139054A JP2001317993A JP 2001317993 A JP2001317993 A JP 2001317993A JP 2000139054 A JP2000139054 A JP 2000139054A JP 2000139054 A JP2000139054 A JP 2000139054A JP 2001317993 A JP2001317993 A JP 2001317993A
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Masanao Owaki
雅直 大脇
Takeshi Zaima
健史 財満
Ryoji Yamase
良治 山瀬
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OYO GIJUTSU SHIKENJO KK
Kumagai Gumi Co Ltd
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OYO GIJUTSU SHIKENJO KK
Kumagai Gumi Co Ltd
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 音圧レベルの測定精度を低下させることな
く、音源室内の作業環境を改善する。 【解決手段】 音源室A内の音圧レベルを測定する際
に、広帯域雑音発生器11と電力増幅器12との間に、
上記広帯域雑音発生器11から出力される雑音のレベル
を所定レベルだけ減衰させるアッテネータ14を設け
て、広帯域雑音発生器11から出力される雑音のレベル
を減衰させ、スピーカ13の出力レベルを下げて測定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸建て住宅や集合
住宅における部屋の遮音性能を調べるための音圧レベル
差の測定方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】戸建て住宅あるいはビル,マンション等
の集合住宅を建造する際には、隣りの室の音が洩れない
ように、遮音性能の設計あるいは材料・構造選定にあた
っては充分な配慮がなされなければならない。したがっ
て、このような設計,材料・構造選定に際しては、1つ
の住宅内あるいは同じ階の異なる住居の各室相互間の音
圧レベルがどの程度かをより正確に測定することが重要
となる。従来、戸建て住宅やビル,マンション等集合住
宅における部屋の遮音性能を評価するための室間音圧レ
ベル差の測定方法としては、法律で定める一定の工業基
準規格に規定された方法によって行われている。図3
は、上記従来の測定に使用される室間音圧レベル差の測
定方法とその装置の構成を示す図で、室間音圧レベル差
の測定装置は、音源室Aに設置された、音圧レベルの測
定に使用される雑音を発生させる音源発生器51と電力
増幅器52とスピーカ53とを備えた音源装置54と、
上記音源室A及び上記音源室Aとは異なる受音室Bとに
それぞれ設置され、上記音源室A内と上記受音室B内の
音圧信号を採取する2つのマイクロホン55a,25b
を備えた受音装置56とから構成される。音源発生器5
1は、125Hzを基本周波数とし、周波数が1オクターブ
ずつ増加する6種類の周波数( f1=125Hz,f2=250
Hz, f3=500Hz, f4=1000Hz,f5=2000Hz,f6=4000
Hz )をそれぞれ中心周波数とした1オクターブの幅を
持つ雑音を発生させるもので、室間音圧レベル差の測定
時には、上記6種類の雑音を1種類ずつ発生させる。音
源発生器51で発生された雑音は電力増幅器52で増幅
されスピーカ53から音源室A内に放射される。なお、
上記スピーカ53は、音源室A内の音圧レベルがほぼ一
定となるように、また、上記雑音が受音室Bに直接入射
しないように、通常音源室Aの隅の床上に設置される。
また、受音装置56は、上記マイクロホン55a,25
bで採取した音圧信号の入力切換えを行う切換スイッチ
57と、上記入力した音圧信号を帯域制限するフィルタ
であるオクターブ帯域フィルタ58と上記音圧信号のレ
ベルを表示するレベル表示器59とを有する騒音計60
とを備え、マイクロホン55aまたはマイクロホン55
bで採取され、切換スイッチ57を介して入力された音
圧信号を、上記オクターブ帯域フィルタ58により帯域
制限するとともに、この帯域制限された上記音圧信号の
音圧レベル(dB)を検出してレベル表示器59に上記
音圧レベル(dB)をアナログ表示する。
【0003】次に、室間音圧レベル差の測定方法につい
て説明する。まず、音源室Aにおいて、音源装置54に
より、f1=125Hzを中心周波数とした1オクターブの幅
の帯域を持つ雑音をスピーカ53から発生させるととも
に、音源室Aの測定点A1において、マイクロホン55
aにより上記測定点A1での音圧信号を採取する。一
方、受音室Bでは、マイクロホン55bにより上記測定
点B1での音圧信号を採取する。音圧レベルを測定する
際には、受音装置56のオクターブ帯域フィルタ58の
中心周波数をf1=125Hzに合わせるとともに、はじめ
に、切換スイッチ57をマイクロホン55a側に接続
し、マイクロホン55aで採取した測定点A1での音圧
信号を騒音計60に入力させ、騒音計60で検出された
測定点A1での音圧レベルLA11(dB)をレベル表示器
59から読み取り記録用紙に記録する。次に、切換スイ
ッチ57を操作して騒音計60への入力信号を切換え、
マイクロホン55bで採取した測定点B1での音圧信号
の音圧レベルLB11(dB)を騒音計60のレベル表示
器59から読み取り記録用紙に記録する。なお、以下に
おいて、LAij(dB)は、測定点がAiで、雑音の中心
周波数がfjである音圧レベルを表わし、LBij(dB)
は、測定点がBiで、雑音の中心周波数がfjである音圧
レベルを表わすものとする。次に、受音室B内のマイク
ロホン55bを次の測定点である測定点B2に移動さ
せ、測定点A1,B2において、音源室A内及び受音室B
内の音圧信号を測定し、マイクロホン55aで採取した
測定点A1での音圧信号の音圧レベルLA11(dB)とマ
イクロホン55bで採取した測定点B2での音圧信号の
音圧レベルLB21(dB)とをそれぞれ騒音計60のレ
ベル表示器59から読み取り記録用紙に記録する。この
ように、測定点A1〜A5及び測定点B1〜B5に順次マイ
クロホン55a,25bをそれぞれ移動させて各測定点
での音圧信号を採取し、音源室A内及び受音室B内の音
圧信号の音圧レベルLA11(dB)〜LA51(dB)及び
音圧レベルLB11(dB)〜LB51(dB)をそれぞれ検
出し記録用紙に記録する。中心周波数f1=125Hzの雑音
に対する音圧レベルの測定が終了すると、発生させる雑
音の中心周波数をf2=250Hzに設定し、上述した作業と
同様の作業により、各測定点(A1〜A5及びB1〜B5
の音圧信号を採取し、各測定点(A1〜A5及びB1
5)の音圧レベルLA12(dB)〜LA52(dB)及び
音圧レベルLB1 2(dB)〜LB52(dB)をそれぞれ検
出し記録用紙に記録する。このようにして、6種類の周
波数fj(j=1〜6)について、測定点A1〜A 5及び
測定点B1〜B5における音圧レベルLAij(dB)及び
Bij(dB)を検出し記録用紙等に記録する。
【0004】次に、室間平均音圧レベル差の算出方法に
ついて説明する。まず、上記音圧レベルLAij(dB)
及びLBij(dB)を、以下の式(1)を用いて音圧実
効値PAij,PBijに変換した後、以下の式(2)により
各周波数(f1〜f6)についての音圧実効値の平均値P
Aj,PBjを算出する。なお、以下の数式においては、音
源室Aまたは受音室Bを示す添字A,Bを省略してあ
る。 P2 ij=P2 0log10 -1(Lij/10)=P2 0・10(Lij/10)‥‥(1 ) P2 j =(1/n)・ΣP2 ij =(P2 0/n)・Σ10(Lij/10) ‥‥(2) 但し、P0は基準音圧でP0=20μPaであり、Σは測
定点AiまたはBi(i=1〜n)についての和を示す。
なお、ここでは、n=5である。周波数fjについての
音圧レベルのパワー平均Ljは、上記式(2)の音圧実
効値の平均値Pjを用いて以下の式(3)で表わせる。 Lj=10log10(P2 j/P2 0) =10log10(Σ10(Lij/10))−10log10n ‥‥(3 ) したがって、周波数fjでの室間平均音圧レベル差Dj
以下の式(4)で表わせる。 Dj=LAj−LBj ‥‥(4) なお、室間平均音圧レベル差Djの算出においては、音
源室A内と受音室B内の音圧レベルのパワー平均LAij
とLBijとの差をとるので、上記式(3)の第2項であ
る測定点数nに関する項は相殺される。したがって、L
Aij及びLBijの計算では上記式(3)の第2項を省略し
ても良い。なお、音源室A内及び受音室B内での各測定
点における音圧レベルLAij(dB)及びLBij(dB)
の最大値と最小値との差が5dB以下の場合には、計算
の手間を省く目的で、室間平均音圧レベル差を以下の式
(5)で表される算術平均の差で近似してもよいことに
なっている。 Dj={(1/n)・ΣLAij−(1/n)・ΣLBij} ‥‥(5 )
【0005】しかしながら、上記従来の測定方法では、
各中心周波数fj毎に各測定点A1〜A5及び測定点B1
5にて音圧レベルLAij(dB)及びLBij(dB)を
1個ずつ測定しているため、作業効率が著しく低いとい
った問題点があった。そこで本出願人は、図4に示すよ
うに、音源室Aにおいて、広帯域雑音発生器11を用い
て音圧レベルの測定に使用する複数の周波数(f1
6)を含む雑音を発生させるとともに、マイクロホン
15を音源室A内と受音室B内においてそれぞれ所定の
ルート、例えば室の中央部を中心にして8の字を描くよ
うに、10〜30秒間移動させて音源室A内及び受音室
B内での音圧信号を採取し、音圧レベルの演算装置20
により、この採取された音圧信号から、上記各周波数f
j(j=1〜6)毎にそれぞれ帯域制限した音圧信号を
抽出し、上記抽出された音圧信号から上記各周波数毎の
音圧信号の平均音圧レベルLAj(dB)と受音室Bの平
均音圧レベルLBj(dB)を演算することにより、測定
に必要な全周波数帯域での音圧レベルの測定を1回の測
定で行う方法を提案している(特開2000−0057
30号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの測定においても、音源室A内において音圧レベル
を測定する際には、大音量の音の中で作業を行う必要が
あるため、作業者の聴覚及び精神的負担が大きかった。
この対策として、例えば、単に音源室Aで発生させる雑
音のレベルを下げて測定しただけでは、受音室Bで採取
される音圧レベルも同様に低下するので、音圧レベルの
測定精度が低下してしまい正確な室間音圧レベル差を得
ることができないといった問題点があった。
【0007】本発明は、従来の問題点に鑑みてなされた
もので、音圧レベルの測定精度を低下させることなく、
音源室内の作業環境を改善することのできる音圧レベル
差の測定方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の音圧レベル差の測定方法は、音源室において発生させ
た雑音の音圧レベルを測定する際に、音源室で発生させ
る雑音のレベルを所定レベルだけ下げて測定するととも
に、上記発生雑音レベルに基づいて音源室内で測定され
た雑音の音圧レベルを補正し、室間音圧レベル差を算出
するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2に記載の音圧レベル差の測
定装置は、音圧レベルの測定に使用される雑音を発生さ
せる音源発生手段と、上記音源室内及び上記音源室とは
異なる受音室内で上記雑音の音圧信号を採取する受音手
段と、この受音手段で採取した音圧信号から、音源室内
及び受音室内で音圧レベルを測定する音圧レベルの演算
手段と、上記音源発生手段の出力レベルを調整する出力
調整手段とを備えるとともに、上記調整された出力レベ
ルに基づいて音源室内で測定された雑音の音圧レベルを
補正し、室間音圧レベル差を算出するようにしたもので
ある。
【0010】請求項3に記載の音圧レベルの装置は、上
記出力調整手段を減衰器とするとともに、音源室内の音
圧レベルを測定する際に、上記音源発生手段の出力レベ
ルを所定のレベルに減衰させたものである。
【0011】請求項4に記載の音圧レベルの装置は、音
源発生手段を、音圧レベルの測定に使用する周波数を中
心周波数とする雑音を発生させる音源装置とするととも
に、音圧レベルの演算手段に、受音手段で採取した音圧
信号から、予め設定された複数の周波数毎にそれぞれ帯
域制限した音圧信号を抽出する手段と、上記抽出された
音圧信号から上記各周波数毎の音圧レベルを算出して室
間音圧レベル差を演算する手段とを設けたものである。
【0012】請求項5に記載の音圧レベルの装置は、音
源室内及び受音室内において、上記受音手段をそれぞれ
所定のルートで移動させて音圧信号を採取するようにし
たものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係わる室間音圧レベル差の測定方法と室間音圧レベ
ル差の測定装置を示す図である。室間音圧レベル差の測
定装置は、音源室Aに設置された、音圧レベルの測定に
使用される複数の周波数を含んだ雑音を発生させる広帯
域雑音発生器11と電力増幅器12とスピーカ13と、
上記広帯域雑音発生器11と電力増幅器12との間に設
けられ、上記広帯域雑音発生器11から出力される雑音
のレベルを所定レベルだけ減衰させる出力調整手段であ
るアッテネータ14とを備えた音源装置10と、音源室
A内及び上記音源室Aとは異なる受音室B内の音圧信号
を採取する受音手段である1個のマイクロホン15と、
上記マイクロホン15の出力と、上記アッテネータ14
の減衰率から、音源室A内及び受音室B内のそれぞれの
音圧信号の平均値を演算し室間音圧レベル差を算出する
音圧レベルの演算装置20とから構成される。
【0014】音圧レベルの演算装置20は、上記マイク
ロホン15からの音圧信号を増幅する低雑音増幅器21
と、この低雑音増幅器21で増幅された音圧信号を所定
のサンプリング周波数でA/D変換するA/D変換器2
2と、A/D変換器22でA/D変換された音圧信号
(以下、音圧データという)を記憶するRAM23と、
上記RAM23に格納された音源室A内及び受音室B内
の音圧データに対して、上記従来例で示した6つの周波
数f1〜f6のいずれかを中心周波数とし、上記中心周波
数の1オクターブ帯域の上限を遮断周波数fc1とするデ
ジタルローパスフィルタ25と、上記中心周波数の1オ
クターブ帯域の下限を遮断周波数fc2とするデジタルハ
イパスフィルタ26と、上記デジタルローパスフィルタ
25及びデジタルハイパスフィルタ26に上記遮断周波
数fc1,fc2を通知する周波数設定手段24と、上記デ
ジタルハイパスフィルタ26から出力される帯域制限さ
れた音圧信号と上記アッテネータ14の減衰率から、音
源室A内または受音室B内の当該中心周波数f0におけ
る平均音圧レベルLAj(dB),LBj(dB)を演算す
る音圧レベル演算手段27と、上記平均音圧レベルLAj
(dB),LBj(dB)から各周波数毎の室内音圧レベ
ル差Dj(dB)を算出する音圧レベル差算出手段28
とを備えている。
【0015】次に、上記構成の室間音圧レベル差の測定
装置を用いて室間音圧レベル差を測定する方法について
説明する。まず、音源室Aにおいて、広帯域雑音発生器
11を用いて音圧レベルの測定に使用する複数の周波数
i(i=1〜6)を含む雑音を発生させるとともに、
マイクロホン15を音源室A内と受音室B内において、
それぞれ所定のルート、例えば室の中央部を中心にして
8の字を描くように、10〜30秒間移動させて音源室
A内と受音室B内の音圧信号を採取する。本実施の形態
では、音源室A内で音圧信号を測定する際には、アッテ
ネータ14を用いて広帯域雑音発生器11から出力され
る雑音のレベルを減衰させて、スピーカ13の出力レベ
ルを10dBだけ下げることにより、音源室A内で作業
する作業員に対して聴覚などの負担がかからない環境で
作業ができるようにしている。また、受音室B内で音圧
信号を測定する際には、音圧信号の測定レベルが低下し
ないように、アッテネータ14の減衰率を0dBとし、
スピーカ13の出力レベルを通常のレベルに戻して測定
する。
【0016】音圧レベルの演算装置20では、上記マイ
クロホン15で採取した音源室A内及び受音室B内の音
圧信号を低雑音増幅器21で増幅した後、A/D変換器
22において、例えば、サンプリング周波数FS0=44.1
kHzでサンプリングして量子化し、量子化されたデータ
(音圧データ)をRAM23に記憶する。次に、周波数
設定手段24において、中心周波数をfj=4kHzに設定
するとともに、所定の測定箇所の音圧データを上記RA
M23から読み出し、上記中心周波数の1オクターブ帯
域の上限値fc1を遮断周波数とするデジタルローパスフ
ィルタ25に送りフィルタリングする。更に、上記フィ
ルタリングされた音声データに対して、上記中心周波数
の1オクターブ帯域の下限を遮断周波数fc2とするデジ
タルハイパスフィルタ26によりフィルタリングし、中
心周波数fi=4kHzにおける1オクターブ帯域の音声デ
ータを抽出する。
【0017】次に、音圧レベル演算手段27において、
上記帯域制限された音圧データを2乗平均化処理し、音
源室A内または受音室B内での音圧データの大きさLs
Aij及びLBij(i;測定点、j;周波数)を求め、この
s Aij及びLBijを用いて、音源室A内または受音室B
内の中心周波数fiでの平均音圧レベルLs Aj及びLBj
下記の式(6)により算出する。 Ls Aij=10log10(Σ10(LAij/10)) LBj=10log10(Σ10(LBij/10))‥‥‥‥(6) このとき、上記式(6)で算出された音源室A内での平
均音圧レベルLs Ajは、スピーカ13の出力レベルが1
0dBだけ低い状態での値なので、以下の式(7)を用
いて、上記Ls Ajを通常の出力レベルでの音源室A内の
平均音圧レベルLAjに相当する値になるように補正す
る。 LAij=Ls Aij+ΔLatt‥‥‥‥(7) LAij;補正した音圧レベル(dB) Ls Aij;音圧データの実測値から求めた音圧レベル(d
B) ΔLatt;アッチネータの減衰量(dB)
【0018】上記(7)式が成り立つのは、下記に示す
ように、音源の出力レベルLpと実際に測定される室内
の音圧レベルLwとが線形の比例関係にあるためであ
る。すなわち、室内における任意の点での音圧レベルL
w(dB)は、音源の出力レベルをLp(dB),音源と
測定点との距離をr,室定数をRとすると、下記の式
(8)で表わせる。
【数1】 ここで、Sは室内表面積(m2)で、αは室内平均吸音
率である。上記式(8)において、右辺はLw以外は定
数とみなせるので、図2に示すように、音源の出力レベ
ルLpと室内の音圧レベルLwとは比例関係にある。した
がって、上記式(7)に示すように、実測値から求めた
音圧レベルLs Aijにアッチネータの減衰量を加える(減
衰分を戻してやる)補正を行うことにより、アッチネー
タ14を用いない場合に相当する音源室A内の音圧レベ
ルLAjを求めることができる。上記演算を、各中心周波
数fjについて行った後、音圧レベル差算出手段28に
おいて、以下の式(9)により室間音圧レベル差Dj
算出する。 Dj=LAj−LBj‥‥‥‥(9) LAj;音源室A内の平均音圧レベル LBj;受音室B内の平均音圧レベル
【0019】このように、本実施の形態によれば、音源
室A内の音圧レベルを測定する際に、広帯域雑音発生器
11と電力増幅器12との間に、上記広帯域雑音発生器
11から出力される雑音のレベルを所定レベルだけ減衰
させるアッテネータ14を設けて、広帯域雑音発生器1
1から出力される雑音のレベルを減衰させ、スピーカ1
3の出力レベルを10dBだけ下げて測定するようにし
たので、作業者は大音量の音の中で作業を行う必要がな
く、作業環境を大幅に改善することができる。また、受
音室B内で音圧信号を測定する際には、アッテネータ1
4の減衰率を戻して測定するとともに、室間音圧レベル
差Djを求める際には、音源室A内の平均音圧レベルと
して、実測値であるLs Aijを上記減衰率により補正した
Aijを用いたので、スピーカ13の出力レベルを下げ
て測定しても室間音圧レベル差を精度よく求めることが
できる。
【0020】なお、本実施の形態においては、測定に必
要な全周波数帯域を1回の測定で行う場合について説明
したが、本発明の測定方法は、上述した従来の室間音圧
レベル差の測定方法に対しても適応可能である。すなわ
ち、上記図3において、音源発生器51と電力増幅器5
2との間に、アッテネータを設け、音源室A内の音圧レ
ベルを測定する際には、上記アッテネータによりスピー
カ53の出力レベルを下げて測定し、受音室B内で音圧
信号を測定する際には、上記アッテネータの減衰率を戻
して測定する。また、音源室A内の音圧レベルを補正す
るには、出力レベルを下げたときの音圧信号の音圧レベ
ルLs Aj(dB)を再掲する下記の式(3)により算出
した後に、上記算出されたLs Aj(dB)をアッチネー
タの減衰量ΔLatt(dB)を用いて、下記の式
(3)’により補正すればよい。 Ls Aj=10log10(P2 Aj/P2 0) =10log10(Σ10(LAij/10))−10log10n ‥‥( 3) LAj=Ls Aj+ΔLatt ‥‥‥‥(3) ’
【0021】また、上記例では、出力調整手段として、
減衰率が段階的に切り変わる減衰器であるアッテネータ
14を用いたが、発生雑音の出力レベルの値、すなわち
減衰率が検出可能であれば、減衰率が連続的に変わる出
力調整手段を用いてもよい。また、出力調整手段は発生
雑音の出力レベルを減衰させるものに限るものではな
く、前段増幅器のように、発生雑音の出力レベルを増幅
させるものでもよい。その場合には、音源室A内の音圧
レベルを測定するときの増幅率を、受音室B内で音圧信
号を測定する際の増幅率よりも小さくすればよい。
【0022】また、上記例では、音源室A内の音圧レベ
ルを測定するときの雑音の出力レベルを−10dBとし
たが、アッテネータ14の減衰率はこれに限るものでは
なく、音源室Aあるいは受音室Bの室の大きさや音源室
Aと受音室Bとの位置関係等に応じて適宜決定する。ま
た、例えば、上記受音室Bとともに、音源室Aから離れ
ている図示しない受音室Cも測定する場合などには、音
源発生器51あるいは電力増幅器52の出力レベルを予
め上げておき、音源室A内の音圧レベルを測定するとき
の雑音の出力レベルを−10dB、受音室B内で音圧信
号を測定するときの雑音の出力レベルを0dB、受音室
C内で音圧信号を測定するときの雑音の出力レベルを+
10dBとなるように設定して室間音圧レベル差の測定
を行うようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、音源室において発生させた雑音の音圧レ
ベルを測定する際に、音源室で発生させる雑音のレベル
を所定レベルだけ下げて測定するとともに、上記発生雑
音レベルに基づいて音源室内で測定された雑音の音圧レ
ベルを補正し、室間音圧レベル差を算出するようにした
ので、作業者は大音量の音の中で作業を行う必要がな
く、また、音源室内の音圧レベルを通常状態での音圧レ
ベルに相当する値に適切に補正することができる。した
がって、音圧レベルの測定精度を低下させることなく、
音源室内の作業環境を改善することができる。
【0024】また、請求項2に記載の発明によれば、室
間音圧レベル差の測定装置に音源発生手段の出力レベル
を調整する出力調整手段とを備えるとともに、上記調整
された出力レベルに基づいて音源室内で測定された雑音
の音圧レベルを補正し、室間音圧レベル差を算出するよ
うにしたので、音圧レベルの測定精度を低下させること
なく、音源室内の作業環境を改善することのできる室間
音圧レベル差の測定装置を提供することができる。
【0025】請求項3に記載の発明によれば、上記出力
調整手段を減衰器とするとともに、音源室内の音圧レベ
ルを測定する際に、上記音源発生手段の出力レベルを所
定のレベルに減衰させるようにしたので、音源室内の作
業環境を確実に改善することができる。
【0026】請求項4に記載の発明によれば、音源発生
手段を、音圧レベルの測定に使用する周波数を中心周波
数とする雑音を発生させる音源装置とするとともに、音
圧レベルの演算手段に、受音手段で採取した音圧信号か
ら、予め設定された複数の周波数毎にそれぞれ帯域制限
した音圧信号を抽出する手段と、上記抽出された音圧信
号から上記各周波数毎の音圧レベルを算出して室間音圧
レベル差を演算する手段とを設けたので、測定に必要な
全周波数帯域での音圧レベルの測定を1回の測定で行う
ことができ、作業効率を向上させることができるととも
に、音圧レベルの測定精度を低下させることなく、作業
環境を改善することができる。
【0027】請求項5に記載の発明によれば、音源室内
及び受音室内において、上記受音手段をそれぞれ所定の
ルートで移動させて音圧信号を採取するようにしたの
で、各測定点毎に音圧信号を採取する手間が省け、作業
効率を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる室間音圧レベル
差の測定装置と測定方法を示す図である。
【図2】 音源装置から発生する雑音の出力レベルと室
内で測定される音圧レベルとの関係を示す図である。
【図3】 従来の室間音圧レベル差の測定方法を示す図
である。
【図4】 従来の室間音圧レベル差の他の測定方法を示
す図である。
【符号の説明】 10 音源装置、11 広帯域雑音発生器、12 電力
増幅器、13 スピーカ、14 アッテネータ、15
マイクロホン、20 音圧レベルの演算装置、21 低
雑音増幅器、22 A/D変換器、23 RAM、24
周波数設定手段、25 デジタルローパスフィルタ、
26 デジタルハイパスフィルタ、27 音圧レベル演
算手段、28 音圧レベル差算出手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 財満 健史 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 山瀬 良治 東京都荒川区西日暮里5−11−7 株式会 社応用技術試験所内 Fターム(参考) 2G064 AA05 AB15 BA12 CC21 DD23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源室において発生させた雑音を、上記
    音源室内及び上記音源室とは異なる受音室内で採取し、
    この採取した雑音の音源室内及び受音室内での音圧レベ
    ルを測定して室間音圧レベル差を算出する室間音圧レベ
    ル差の測定方法において、音源室内の音圧レベルを測定
    する際に、音源室で発生させる雑音のレベルを所定レベ
    ルだけ下げて測定するとともに、上記発生雑音レベルに
    基づいて音源室内で測定された雑音の音圧レベルを補正
    し、室間音圧レベル差を算出するようにしたことを特徴
    とする音圧レベル差の測定方法。
  2. 【請求項2】 音圧レベルの測定に使用される雑音を発
    生させる音源発生手段と、上記音源室内及び上記音源室
    とは異なる受音室内で上記雑音の音圧信号を採取する受
    音手段と、この受音手段で採取した音圧信号から、音源
    室内及び受音室内で音圧レベルを測定する音圧レベルの
    演算手段とを備えた室間音圧レベル差の測定装置におい
    て、上記音源発生手段の出力レベルを調整する出力調整
    手段を設けるとともに、上記調整された出力レベルに基
    づいて音源室内で測定された雑音の音圧レベルを補正
    し、室間音圧レベル差を算出するようにしたことを特徴
    とする音圧レベル差の測定装置。
  3. 【請求項3】 上記出力調整手段を減衰器とするととも
    に、音源室内の音圧レベルを測定する際に、上記音源発
    生手段の出力レベルを所定のレベルに減衰させたことを
    特徴とする請求項2に記載の音圧レベル差の測定装置。
  4. 【請求項4】 音源発生手段を、音圧レベルの測定に使
    用する周波数を中心周波数とする雑音を発生させる音源
    装置とするとともに、音圧レベルの演算手段に、受音手
    段で採取した音圧信号から、予め設定された複数の周波
    数毎にそれぞれ帯域制限した音圧信号を抽出する手段
    と、上記抽出された音圧信号から上記各周波数毎の音圧
    レベルを算出して室間音圧レベル差を演算する手段とを
    設けたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載
    の音圧レベル差の測定装置。
  5. 【請求項5】 音源室内及び受音室内において、上記受
    音手段をそれぞれ所定のルートで移動させて音圧信号を
    採取するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の
    音圧レベル差の測定装置。
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