JP2001317817A - 給湯機 - Google Patents

給湯機

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JP2001317817A
JP2001317817A JP2000134083A JP2000134083A JP2001317817A JP 2001317817 A JP2001317817 A JP 2001317817A JP 2000134083 A JP2000134083 A JP 2000134083A JP 2000134083 A JP2000134083 A JP 2000134083A JP 2001317817 A JP2001317817 A JP 2001317817A
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water
heat exchanger
water supply
water heater
acid
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Nobuhiko Kanekuni
伸彦 兼国
Hiroyuki Togawa
裕行 砥川
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強固な一次結合したスケールの形成を防止
し、引いては長期に亘り給湯機の熱伝達の低下や出湯温
度の低下や燃料の浪費を生じないスケール形成防止給湯
機を提供すること。 【解決手段】 熱交換機においてスケール成分の核発生
手段を熱交換機の前段に、設け、熱交換機の銅または銅
合金製基材からなる部分と前記部分の少なくとも使用時
に水と接しうる面に被膜したことを特徴とするスケール
形成防止給湯機。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器表面への
スケール形成を防止し、以って、熱伝達効率の経時的な
低下を抑制した給湯機に関する。
【0002】
【従来の技術】給湯機の水と接する部分には、主に無機
物の炭酸カルシウムからなる堆積物(以下、「スケー
ル」という)が付着しやすい。そのメカニズムは以下の
ように考えられている。すなわち、水中に溶解されてい
る炭酸カルシウムが、給湯機内部、特に熱交換機におけ
る水温上昇により溶解度が低下し、過飽和状態となるた
めに、特に温度の高い熱交換器表面に析出し固着する。
一方、熱交換器における接水部分は熱伝導性、耐熱性に
優れたリン酸脱酸銅を使用しているが、この材質が炭酸
カルシウムと極めて親和性が良好である。そのために、
その最表面層と炭酸カルシウムとが一次結合し強固なス
ケールとなる。そして、強固な一次結合したスケールの
形成は、給湯機の熱伝達を低下させ、出湯温度の低下や
燃料の浪費となる原因となっていた。そこで、従来より
給湯機配管内を水と一緒にスポンジボールを定期的に流
してスケールを掻き取ったり、スケール析出の溶解度の
低下を抑えるため最高出湯温度を低下させるなどが取ら
れていたが、抜本的な解決には至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
熱交換器表面に強固な一次結合したスケールの形成を防
止し、引いては長期に亘り給湯機の熱伝達の低下や出湯
温度の低下や燃料の浪費を生じない給湯機を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、給水手段に接続するための給水口と、水を
加熱するための熱交換器と、出湯手段に接続するための
出湯口と、前記給水口と前記熱交換器とを接続するため
の給水側配管と、前記熱交換器と出湯口とを接続するた
めの出湯側配管とを具備する給湯機において、前記給水
側配管の途上に水に対して難溶性のCa化合物の核を発
生させる手段が設けられていることを特徴とする給湯機
を提供する。給水側配管の途上に水に対して難溶性のC
a化合物の核を発生させる手段を設けることにより、熱
交換機に至る水中におけるCaの濃度が減少するので、
熱交換器表面でCaが過飽和状態になりにくくなり、難
溶性のCa化合物が析出しにくくなる。従って、熱交換
器表面への難溶性のCa化合物の固着が抑制され、長期
に亘り給湯機の熱伝達の低下や出湯温度の低下や燃料の
浪費を生じない給湯機を提供することが可能となる。
【0005】本発明の好ましい態様においては、前記水
に対して難溶性のCa化合物の核を発生させる手段は、
水路と、該水路に面して対向して配置された複数の電極
とを具備するようにする。そうすることで、電極に電圧
を印加するだけで、陰極付近にCaCO3核が生成しや
すくなる。そのメカニズムは以下のように考えられる。
まず、電極に電圧を印加すると、水の電離が促進され
る。 2H2O → 2H++ 2OH- …… そして、陰極側で水素イオンと電子との反応により水素
ガスが発生する。 2H++ 2e- → H2↑ ………… 水素ガスが発生する結果、陰極付近のpHが上昇する。
それにより、水中に溶解するCaイオンと炭酸イオンが
反応して炭酸カルシウムの核を生成するのである。 Ca2++ HCO3 + OH-→ CaCO3↓ + H2O ……
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記水
に対して難溶性のCa化合物の核を発生させる手段への
給水状態を検知する手段を備え、前記微弱電流を強制的
に印可する手段による電極への印可は給水中にのみ作動
させるようにする。そうすることにより、核生成器の誤
作動による故障を防止できる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記熱
交換器は、銅または銅合金からなる熱伝達性基材を有
し、前記基材の少なくとも使用時に水と接しうる面には
被膜が形成されているようにする。そうすることによ
り、炭酸カルシウムが親和性の高い銅または銅合金と直
接接触せず、一次結合に基づく強固なスケールが熱交換
器上に生じにくくなる。従って、熱交換器表面への難溶
性のCa化合物の固着が抑制され、長期に亘り給湯機の
熱伝達の低下や出湯温度の低下や燃料の浪費を生じない
給湯機を提供することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の給湯機の具体的
構成について図に基づき詳細に説明する。本発明の一実
施態様においては、図1に示すように、水道等の給水手
段に接続するための給水口1と、給水側配管2aと、水
に対して難溶性のCa化合物の核を発生させる手段3
と、給水側配管2bと、水を加熱するための熱交換器4
と、出湯側配管5と、水栓、シャワー等の出湯手段に接
続するための出湯口6とが設けられている。
【0009】水に対して難溶性のCa化合物の核を発生
させる手段3は、水路と、該水路に面して対向して配置
された複数の電極と、前記電極間に微弱電流を強制的に
印可する手段(電源)7とを具備している。そして、電
源7をONの状態にし、微弱電流を印加することで一方
の電極表面近傍の流水が給水pHよりもアルカリ性を呈
するようになり、炭酸カルシウム結晶を陰極付近に核生
成させる。それにより、熱交換器4表面でCaが過飽和
状態になりにくくなり、難溶性のCa化合物が析出しに
くくなる。従って、熱交換器表面への難溶性のCa化合
物の固着が抑制され、長期に亘り給湯機の熱伝達の低下
や出湯温度の低下や燃料の浪費を生じないようになる。
さらに、熱交換器4は、銅または銅合金からなる熱伝達
性基材を有し、前記基材の少なくとも使用時に水と接し
うる面には被膜が形成されているようにすると、溶解残
存したCaイオンも熱交換器4表面に固着しにくくなる
ので、より一層熱交換器表面への難溶性のCa化合物の
固着が抑制され、長期に亘り給湯機の熱伝達の低下や出
湯温度の低下や燃料の浪費を生じないようになる。
【0010】さらに、難溶性のCa化合物の核を発生さ
せる手段3の水路に圧力センサーを設けるなどして、手
段3への給水状態を検知し、給水状態にあるときのみ電
源7が作動するようにON/OFFスイッチを設けるよ
うにしてもよい。
【0011】電極材料には、Pt、C、Al、Ir、T
iなどの周知の材料が利用可能であり、陰極と陽極は同
種材料を用いても異種材料を用いてもよい。同種材料を
用いた場合は、電極間に所定時間のサイクルで逆電圧を
かけるようにしてもよい。そうすることで、電極の長寿
命化を図ることができる。
【0012】熱交換機2の接水部品の水と接する面に被
膜を形成する方法としては、例えば、スプレー法、印刷
法、ディッピング法等が好適に利用できる。このうち、
特に、熱交換機の内表面にコーティングするには、デイ
ッピング法が優れている。酸洗浄に使用する酸には、例
えば、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、フッ酸、ピクリン酸、
ニトロベンゼン、ギ酸、クロロ酢酸、酪酸、シュウ酸、
マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、フタル酸、フェノ
ール、乳酸、リンゴ酸、炭酸、吉草酸、クロム酸、重ク
ロム酸、チタン酸、アルミン酸、マンガン酸、ケイ酸、
アルミノケイ酸、ホウ酸、アルミノホウ酸、ホウケイ
酸、脂肪酸等或いはそれらの混合液が利用できる。とり
わけ、重クロム酸ナトリウムと硫酸の混合液が洗浄力が
強く好ましい。被膜としては、炭酸カルシウムの固着し
にくい材質が好ましく、特にフッ素樹脂被膜、フッ素化
合物被膜、シリコーン被膜、ガラス被膜等の撥水性の被
膜が好ましい。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。実施例について説明する。給水は水道水中に
スケール成分の一つである炭酸カルシウムを飽和濃度に
なるように溶解させた調整水(pH7)を作成した。そ
の調整水を以下の3条件に送液した。一つ目は従来の給
湯機(比較例1)、二つ目は核発生手段を設けた場合
(実施例1)、三つ目は核発生手段と熱交換機にシリコ
ーンを被膜した場合(実施例2)である。核発生手段は
白金からなる電極を用意し、微弱電流を流して水の電気
分解を起こさせ、陰極側を調整水よりもアルカリ側(p
Hは約10〜11)とした。また、シリコーン被膜した
熱交換機2は、酸洗浄を施したのちにシリコーンレジン
を約1μm被膜した。スケール付着実験は上記調整水を
常温から約80℃にまでの加温を約1分間行い、5分間
休止の繰り返しを約1ヶ月行った。試験終了後、各熱交
換機を取り出し、熱交換機にスケール付着しているかど
うかを観察した。スケール付着状況を付着非常に少ない
が○、付着少ないが△、付着が多いがXの3段階で評価
した。
【0014】表1にスケール防止結果を示す。核発生器
を熱交換機に取り付けることで、スケール防止効果が発
揮された。また、実施例2では実施例1と同様にスケー
ル付着が僅かに見られたものの熱交換機部のスケール剥
離が容易であった。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、熱交換器表面へのスケ
ール形成を防止し、以って、熱伝達効率の経時的な低下
を抑制した給湯機が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる給湯機の一実施態様の配列を
示すものである。
【符号の説明】 1…給水手段に接続するための給水口 2a、2b…給水側配管 3…水に対して難溶性のCa化合物の核を発生させる手
段 4…熱交換器 5…出湯側配管 6…出湯手段に接続するための出湯口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水手段に接続するための給水口と、水
    を加熱するための熱交換器と、出湯手段に接続するため
    の出湯口と、前記給水口と前記熱交換器とを接続するた
    めの給水側配管と、前記熱交換器と出湯口とを接続する
    ための出湯側配管とを具備する給湯機において、前記給
    水側配管の途上に水に対して難溶性のCa化合物の核を
    発生させる手段が設けられていることを特徴とする給湯
    機。
  2. 【請求項2】 前記水に対して難溶性のCa化合物の核
    を発生させる手段は、水路と、該水路に面して対向して
    配置された複数の電極と、前記電極間に微弱電流を強制
    的に印可する手段とを具備し、微弱電流の印加により一
    方の電極表面近傍の流水が給水pHよりもアルカリ性を
    呈することを可能としたことを特徴とする請求項1に記
    載の給湯機。
  3. 【請求項3】 前記水に対して難溶性のCa化合物の核
    を発生させる手段への給水状態を検知する手段を備え、
    前記微弱電流を強制的に印可する手段による電極への印
    可は給水中にのみ作動させることを特徴とする請求項2
    に記載の給湯機。
  4. 【請求項4】 前記熱交換器は、銅または銅合金からな
    る熱伝達性基材を有し、前記基材の少なくとも使用時に
    水と接しうる面には被膜が形成されていることを含むこ
    とを特徴とする請求項1〜3に記載の給湯機。
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