JP2001314704A - 水処理用凝集剤 - Google Patents
水処理用凝集剤Info
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- JP2001314704A JP2001314704A JP2000143419A JP2000143419A JP2001314704A JP 2001314704 A JP2001314704 A JP 2001314704A JP 2000143419 A JP2000143419 A JP 2000143419A JP 2000143419 A JP2000143419 A JP 2000143419A JP 2001314704 A JP2001314704 A JP 2001314704A
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Abstract
ゲル化を遅らせ、長期間保存を可能にすること。 【解決手段】 脱アルカリ金属処理を施すことによって
Si/X(X:アルカリ金属)のモル比を10〜40と
した重合ケイ酸溶液を主成分とし、水溶性アルコールを
5〜30 vol%含有し、かつSiO2 濃度が1〜10重
量%、pH1〜4であることを特徴とする水処理用凝集
剤。
Description
処理に使用される水処理用凝集剤に関するものであり、
さらに詳しくは、保存安定性の向上した重合ケイ酸を含
有する水処理用凝集剤に関するものである。
物、リン酸イオンを除去するために広く水の凝集処理が
行われている。これらの水の凝集処理においては、凝集
剤として、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、
硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄などのアルミ
ニウム系もしくは鉄系の無機金属塩凝集剤が利用されて
いる。一方、これらの無機金属塩凝集剤を単独で使用す
ると十分な凝集力が得られないため、高分子凝集剤が用
いられることも多く、特に上水処理の分野においては安
全性の高い高分子凝集剤として重合ケイ酸溶液を使用す
ることが検討されているが、重合ケイ酸溶液を用いた凝
集剤は極めてゲル化しやすいという欠点があり実用化に
は至っていない。そこで、こうしたゲル化の問題を解消
し、長時間の保存が可能な凝集剤とするための種々の試
みがなされている。
二鉄イオンを安定剤として含有し、かつpH1.5以下で
あるケイ酸溶液からなる水処理用凝集剤が開示されてい
る。この公報において開示されている凝集剤は、水ガラ
スを酸性溶液に溶解させて得られるケイ酸溶液を重合さ
せた後、塩化第二鉄をはじめとする鉄塩を添加すること
によって安定化を図るものである。
カリ金属ケイ酸塩の水溶液に脱アルカリ金属処理を施し
た後、これを意図的にゲル化させ、再び液状化させて得
られる水処理用凝集剤が開示されている。ここで明らか
にされている凝集剤は、アルカリ金属濃度を低減させた
ケイ酸溶液のpHをいったん中性付近にすることによりゲ
ル化させ、再び液状化させることで長期間保存可能とし
たものである。
者らがこれらの技術を詳細に検討したところ、以下のよ
うな問題点があることが判明した。
イ酸溶液は、Si濃度が0.5〜2%という低濃度の重
合ケイ酸溶液に第二鉄塩を大量に添加することによって
ゲル化時間を伸ばし、長期間の保存を可能にしたもので
あるが、この重合ケイ酸溶液はSi濃度を低濃度に維持
している間は安定であるものの、2%より高めると不安
定な状態になりゲル化しやすくなる。また、第二鉄塩を
大量に添加することによって5000時間以上という長
期の保存を可能とした実施例が示されているが、鉄濃度
が下がると途端にゲル化するという非常に不安定な状態
であることも判明した。また、使用時には用排水の組成
に応じてシリカ及び鉄の濃度をそれぞれ調整する必要が
あるが、鉄の含有量が多すぎるとこうした調整が困難に
なるという問題点を有する。
合ケイ酸溶液は、脱アルカリ金属処理を施した水ガラス
のpHを中性付近まで上昇させることで重合させ、いった
んゲル化させた後、加熱することによって再溶解させて
安定状態の重合ケイ酸溶液を得るという、三段階にわた
る製造工程が必要となる。またアルカリ金属ケイ酸溶液
の脱アルカリ金属処理にイオン交換樹脂を用いるため、
イオン交換樹脂の再生が必要となる。そのため操作が非
常に煩雑であり製造コストも高くなる。また、重合装置
内でいったんゲル化させる工程を経るとなると、機器の
取扱い上の問題があり工業的に生産することは困難であ
る。
れたものであり、その目的は、長時間にわたってゲル化
しにくく保存安定性の向上した水処理用凝集剤を提供す
ることである。
状況に鑑み、種々研究を重ねた結果、本発明者らは、脱
アルカリ金属処理を施しアルカリ金属濃度を低減させた
重合ケイ酸溶液に水溶性アルコールを含有させることに
よって、重合ケイ酸を含有する凝集剤がゲル化しにくい
安定な状態になることを見出し、本発明を完成させた。
脱アルカリ金属処理を施すことによってSi/X(X:
アルカリ金属)のモル比を10〜40とした重合ケイ酸
溶液を主成分とし、水溶性アルコールを5〜30 vol%
含有し、SiO2 濃度が1〜10重量%、pHが1〜4で
あることを第一の特徴とするものであり、水溶性アルコ
ールが、メタノール、エタノール、プロパノールおよび
エチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも
一種であることを第二の特徴とする。また、前記水処理
用凝集剤中に、金属塩を0.1〜10重量%含有するこ
とを第三の特徴とするものであり、金属塩が第二鉄塩で
あることを第四の特徴とする。
集剤を詳細に説明する。
属処理を施すことによってSi/X(X:アルカリ金
属)のモル比が10〜40である重合ケイ酸溶液を主成
分とし、水溶性アルコールを5〜30 vol%含有するこ
とを特徴としている。
が、例えば、酸性溶液(塩酸、硫酸等の強酸)中に、水
ガラス原液を水で希釈したアルカリ金属ケイ酸水溶液を
添加することにより得られたものを用いることができ
る。
ルカリ金属)のモル比は10〜40とすることが好まし
い。10より小さい領域では、アルカリ金属の含有量が
多いため安定化の効果が得られにくい傾向にあり、40
を超える領域まで脱アルカリ金属処理を施すと、安定化
には効果があるものの、脱アルカリ金属処理に要する時
間が長くなりコストアップにつながるからである。通
常、アルカリ金属ケイ酸水溶液中には、Na,K等のア
ルカリ金属がSi/X(X:アルカリ金属)のモル比で
2.5〜5含まれているが、このアルカリ金属濃度を低
減させることによって、重合ケイ酸溶液のゲル化を遅ら
せることができ、凝集剤の保存安定性が向上する。
vol%含有することが好ましい。5vol%より小さい
と、安定化の効果が見られにくい傾向にあり、30 vol
%を超えて添加すると、安定化には効果があるもののコ
ストアップにつながるからである。
ないが、炭素数が1〜6の低級アルコールが好適であ
り、特に、メタノール、エタノール、プロパノールおよ
びエチレングリコールが好ましい。これらの水溶性アル
コールは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
濃度が1〜10重量%、pHが1〜4の範囲内であること
を特徴としている。
力が小さすぎて実用に供さないし、10%を超えるとゲ
ル化しやすくなり、長期間保存することが困難となる。
また、凝集剤のpHが1より小さいかもしくは4より大き
い領域では、ケイ酸の反応性が非常に高くゲル化しやす
くなるという理由から、pHを1〜4の範囲内に調整する
必要がある。
可能であるが、用排水処理に使用する場合には、金属塩
と併用することで十分な凝集力が発揮される。
ポリ塩化アルミニウムなどのアルミニウム塩、あるいは
硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄などの第二鉄
塩が好適であるが、その中でも特に第二鉄塩が好まし
い。
なるように含有させるのが好ましい。0.1重量%より
少ないと凝集力が十分でなく実用に供さないし、10重
量%を越えて過剰に添加すると、用排水中における懸濁
物質の荷電状態が変化し、凝集力を失ってしまうからで
ある。
に使用時に添加してもよいが、あらかじめ凝集剤中に添
加した状態で保存してもよい。特に、第二鉄塩は重合ケ
イ酸溶液を安定化する作用を有しており、脱アルカリ金
属処理および水溶性アルコール類による安定化作用との
相乗効果によって、より良好な保存安定性が得られる。
を以下に示す。
溶液は、酸性溶液中にアルカリ金属ケイ酸水溶液を添加
し、室温〜60℃において撹拌することによって得られ
る。
液を水で希釈し、SiO2 濃度2〜20重量%となるよ
うに調整したものを用いるのがよい。SiO2 濃度が2
重量%より小さくなると重合に長時間必要となる傾向が
あり、20重量%を越えると重合中にゲル化しやすくな
る傾向があるからである。
酸、硫酸等の強酸を使用するのが好ましい。
アルカリ性のアルカリ金属ケイ酸水溶液を添加するのに
伴ってpHが上昇する。この際、アルカリ金属ケイ酸水溶
液を急速に添加するとpHの局所的な上昇によって反応が
進行しゲル化しやすくなるため、pHが緩やかに上昇する
ように適度な速度で滴下することが好ましい。
施すことによってアルカリ金属濃度を低減させることを
特徴とするが、重合前のアルカリ金属ケイ酸水溶液に脱
アルカリ金属処理を施しても良く、また、重合後の重合
ケイ酸溶液に対して脱アルカリ金属処理を施しても良
い。
に限定されないが、電気透析法が好適である。この電気
透析法においては、陽極と陰極の間に陽イオン交換膜と
陰イオン交換膜を交互にならべて構成される電気透析装
置を用いる。例えば、重合ケイ酸溶液を脱アルカリ金属
処理する場合には、脱塩室に重合ケイ酸溶液を、濃縮室
に電解質水溶液をそれぞれ供給する。さらに、両極に直
流電流を通電すると、脱塩室中のアルカリ金属イオンは
陽イオン交換膜を介して隣接する濃縮室へ透過し、脱ア
ルカリ金属処理された重合ケイ酸溶液が得られる。アル
カリ金属ケイ酸水溶液を脱アルカリ金属処理する場合も
同様である。
理された重合ケイ酸溶液に水溶性アルコールを含有させ
ることによって本発明の水処理用凝集剤が完成する。
に添加してもよく、また、酸性溶液中に添加しておいて
もよい。前者の場合は、重合ケイ酸溶液のゲル化を遅ら
せる作用によって凝集剤の保存安定化が図られ、また、
後者の場合には、重合中にゲル化しにくくなるという効
果がある。さらに、水溶性アルコールをケイ酸の重合前
及び重合後のいずれにも添加すれば、重合中のゲル化ト
ラブルを回避でき、かつ得られた凝集剤の保存安定化も
図られ、いっそう効果的である。
はこれらの実施例に限定されるものではない。
ベローデ粘度計を用いて測定した比粘度からHuggi
ns式を用いて算出した。
学工業製)を水道水で希釈し、SiO2 濃度7重量%、
Si/Naのモル比4.7のケイ酸ソーダ水溶液250
0mlを作成した。これを溶液(A)とする。
の脱塩室に溶液(A)1000mlを、濃縮室に2重量%
の水酸化ナトリウム水溶液1000mlを各々導入し、電
流密度1.0A/dm2 で、1時間通電し、脱塩室から、
SiO2 濃度7重量%、Si/Naのモル比11.3の
ケイ酸ソーダ水溶液1000mlを得た。
3N−HCl 500ml中に滴下しながら室温中で撹拌
混合し、pH1.5、SiO2 濃度3.5重量%、Si/
Naのモル比11.3の重合ケイ酸溶液1000mlを得
た。これをビーカーに168ml分取し、水道水12mlと
エタノール20mlを加え、SiO2 濃度2.4重量%、
Si/Naのモル比11.3、エタノール10 vol%、
pH1.8、極限粘度0.10の凝集剤200mlを得た。
分取し、塩化第二鉄を4.8g加え、SiO2 濃度2.
4重量%、Si/Naのモル比11.3、エタノール1
0 vol%、pH1.5、極限粘度0.20、鉄濃度1重量
%の凝集剤100mlを得た。
を3時間とした以外は同様の方法で溶液(A)1000
mlに電気透析を施し、脱塩室から、SiO2 濃度7重量
%、Si/Naのモル比35.3のケイ酸ソーダ水溶液
1000mlを得た。
5N−HCl 500ml中に滴下しながら室温中で撹拌
混合し、pH1.5、SiO2 濃度3.5重量%、Si/
Naのモル比35.3の重合ケイ酸溶液1000mlを得
た。これをビーカーに168ml分取し、水道水12mlと
エタノール20mlを加え、SiO2 濃度2.4重量%、
Si/Naのモル比35.3、エタノール10 vol%、
pH1.8、極限粘度0.10の凝集剤200mlを得た。
分取し、塩化第二鉄を4.8g加え、SiO2 濃度2.
4重量%、Si/Naのモル比35.3、エタノール1
0 vol%、pH1.5、極限粘度0.20、鉄濃度1重量
%の凝集剤100mlを得た。
し、1.3NのHCl 100ml中に、30分間かけて
滴下しながら室温下で撹拌混合した後、水137mlを加
え、SiO2 濃度2.4重量%、Si/Naのモル比
4.7、pH1.5、極限粘度0.10の凝集剤337ml
を得た。
00mlを分取し、塩化第二鉄を4.8g加え、SiO2
濃度2.4重量%、Si/Naのモル比4.7、pH1.
3、極限粘度0.30、鉄濃度1重量%の凝集剤100
mlを得た。
て、以下の方法で安定化試験、凝集力試験を行った。
するために、以下のような安定性試験を行なった。実施
例1〜4および比較例1〜2の各凝集剤を25℃の恒温
槽中に保存し、ゲル化時間及び一定時間毎の極限粘度を
測定した。尚、ゲル化時間は凝集剤がゼリー状に固まり
流動性を失った時点までの時間とした。この結果を表1
に示し、さらに図1にグラフ化した。
が720時間であったのに対して、実施例1〜4ではい
ずれも2000時間を越える著しく長いゲル化時間を有
していた。この結果から、脱アルカリ金属処理と水溶性
アルコール類の添加が重合ケイ酸溶液の安定化に作用
し、凝集剤を安定な状態で長時間保存できることが確認
された。
例2で得た水処理用凝集剤の凝集力をジャーテストによ
り評価した。水道水にカオリンを添加して原水濁度10
0度としたものを処理対象原水とし、凝集剤添加率0.
5ml/L、水温21℃、120rpm 3分の条件で撹拌
し、フロック出現時間、フロック粒径及び上澄み液濁度
を測定した。これらの試験の結果を表2に示す。
現時間、フロック粒径および上澄液濁度の各項目につい
て従来の凝集剤と同じく十分な凝集力を有することも確
認された。
よってアルカリ金属濃度を低減させ、さらに水溶性アル
コールを含有させることによって、重合ケイ酸溶液のゲ
ル化を遅らせることができ、長期間保存可能な水処理用
凝集剤が得られる。したがって、重合ケイ酸を含有する
凝集剤を容易に量産化することが可能となり、工業的に
も非常に有益である。
ラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 脱アルカリ金属処理を施すことによって
Si/X(X:アルカリ金属)のモル比を10〜40と
した重合ケイ酸溶液を主成分とし、水溶性アルコールを
5〜30 vol%含有し、かつSiO2 濃度が1〜10重
量%、pH1〜4であることを特徴とする水処理用凝集
剤。 - 【請求項2】 水溶性アルコールが、メタノール、エタ
ノール、プロパノールおよびエチレングリコールからな
る群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とす
る請求項1記載の水処理用凝集剤。 - 【請求項3】 金属塩を0.1〜10重量%含有するこ
とを特徴とする請求項1または2記載の水処理用凝集
剤。 - 【請求項4】 金属塩が第二鉄塩であることを特徴とす
る請求項3記載の水処理用凝集剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143419A JP4375880B2 (ja) | 2000-05-11 | 2000-05-11 | 水処理用凝集剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000143419A JP4375880B2 (ja) | 2000-05-11 | 2000-05-11 | 水処理用凝集剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001314704A true JP2001314704A (ja) | 2001-11-13 |
JP4375880B2 JP4375880B2 (ja) | 2009-12-02 |
Family
ID=18650242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000143419A Expired - Lifetime JP4375880B2 (ja) | 2000-05-11 | 2000-05-11 | 水処理用凝集剤 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115010231A (zh) * | 2022-07-07 | 2022-09-06 | 江苏富淼科技股份有限公司 | 一种聚铁类混凝剂的稳定剂及其应用 |
-
2000
- 2000-05-11 JP JP2000143419A patent/JP4375880B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115010231A (zh) * | 2022-07-07 | 2022-09-06 | 江苏富淼科技股份有限公司 | 一种聚铁类混凝剂的稳定剂及其应用 |
CN115010231B (zh) * | 2022-07-07 | 2023-12-29 | 江苏富淼科技股份有限公司 | 一种聚铁类混凝剂的稳定剂及其应用 |
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JP4375880B2 (ja) | 2009-12-02 |
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