JPH1157311A - 微生物由来凝集剤及びこれを用いた凝集方法 - Google Patents

微生物由来凝集剤及びこれを用いた凝集方法

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JPH1157311A
JPH1157311A JP22797697A JP22797697A JPH1157311A JP H1157311 A JPH1157311 A JP H1157311A JP 22797697 A JP22797697 A JP 22797697A JP 22797697 A JP22797697 A JP 22797697A JP H1157311 A JPH1157311 A JP H1157311A
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polysaccharide
flocculant
coagulant
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glucuronic acid
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JP22797697A
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Hitoshi Kakiya
均 柿谷
Masatake Oe
正剛 大江
Satoshi Hanzawa
敏 半澤
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Original Assignee
Tosoh Corp
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】微粒子の凝集が従来より用いられている高分子
凝集剤なみに迅速に起こり、安価であり、かつ二次公害
のおそれのない凝集剤及びこれを用いた凝集方法を提供
する。 【解決の手段】マンノ−ス、アロ−ス、ガラクト−ス、
グルコ−ス及びグルクロン酸を構成糖として含む多糖類
を主成分とする微生物由来凝集剤及びそれを用いた凝集
方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子の凝集、特
に水処理の際に好適な、微生物が生産する多糖類を含む
新規な凝集剤及びこれを用いた凝集方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】水処理、すなわち浄水の確保、工場排水
や生活排水の浄化、土木浚渫工事における水の清澄、活
性汚泥の廃棄などの分野において凝集剤は非常に重要な
役割を有しており、用途に応じて各種の無機系のあるい
は有機系高分子の凝集剤が使い分けられ、あるいは両者
を組み合わせて用いられている。特に高分子凝集剤は無
機系凝集剤に比べて少量で強力な活性を有すること、ま
た1μm程度の比較的大きな微粒子を100〜1000
μm程度の沈降しやすい粒子に凝集させる効果に優れて
いることから、様々な水処理用途において盛んに用いら
れている。
【0003】このような高分子凝集剤の主流をなすポリ
アクリルアミド系(ポリアクリルアミド、ポリアクリル
アミド/ポリアクリル酸共重合物、部分水解ポリアクリ
ルアミドを含む)の高分子凝集剤はその性能や経済性に
おいて優れているものの、その剤に微量混入している残
留モノマ−(アクリルアミド)には強力な神経毒性があ
り、取扱い上の安全性や環境面で必ずしも好ましいもの
ではない。また、これらを含むほとんどの有機高分子凝
集剤は生分解性がなく、この点でも環境への無制限な排
出は好ましくないと考えられていた。
【0004】一方、微生物の代謝産物として微粒子凝集
活性を持つものが知られており、これらは人体への毒性
のない凝集剤として注目されている。例えばロドコッカ
ス属細菌由来のNOC−1、アルカリゲネス属細菌由来
の多糖類(特開平3―56102に記載)、メチロバク
テリウム属細菌由来の多糖類などをあげることができる
が、いまだ実用化されるに至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術が有する問題を解決する、すなわち、微粒子
の凝集が従来より用いられている高分子凝集剤なみに迅
速に起こり、安価であり、かつ二次公害のおそれのない
凝集剤及びこれを用いた凝集方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安価で優
れた性質を有する微生物由来凝集剤を提供すべく鋭意検
討した結果、メチロフィルス(Methylophil
us)属細菌ATCC31504株が優れた凝集活性を
有する物質を大量に生産することをつきとめた。本菌株
はグルクロン酸を含む高分子量多糖類を大量に生産する
ことが報告されていたが(特開昭55−75401)、
この多糖類の工業的用途に関しては不明であった。本発
明者らは上記凝集活性の本体がこの多糖類にあることを
つきとめ、本発明を完成した。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明において用いられる微生物として
は、本発明で用いられる多糖類を生産できるものであれ
ば特にその属、種については限定されることはないが、
その培養が容易であり、また栄養源として安価な材料よ
り生育できる点から、メチロフィルス属、メチロボラス
属、メチロバクテリウム属などのメタノール資化性細菌
が好ましく用いられる。さらにこれらの細菌の内、多糖
類、特にグルクロン酸を含む高分子量の多糖を大量に生
産することから、メチロフィルス属細菌ATCC315
04株が好ましく用いられる。この細菌は培養が容易で
あり、大量に培養して凝集活性物質を製造するのに適し
た性質を備えている。すなわちメタノ−ルを唯一の炭素
源とした無機塩類のみよりなる培地で良好に生育し、培
養物自体あるいは低級アルコ−ル類によって沈殿、濃縮
しうる画分に強力な凝集活性を有する。ここで、メチロ
フィルス属細菌ATCC31504株は土壌中より分離
されて、かつてシュ−ドモナス・ビスコゲナ(Pseu
domonas viscogena)TS−1004
株と命名され(特開昭53−118585)、工業技術
院生物工業技術研究所に微工研菌寄第3811号として
寄託されたものであるが、本発明者らによって再同定さ
れ、メチロフィルス(Methylophilus)属
ATCC31504株と改名された。本菌株はまたAT
CC(アメリカン・タイプ・カルチャ−・コレクショ
ン)にATCC31504として寄託されており、この
ATCC31504株は住商ファーマ インターナショ
ナル株式会社を通じてATCCより入手することができ
るものである。
【0009】微生物の培養方法については、通常微生物
の培養に用いられる培地で良いが、培地に含まれる微生
物の成育に必要な炭素源としてはメタノールが好ましく
用いられ、その濃度は0.1〜5容量%程度、より好ま
しくは0.5〜1.5容量%程度である。また、窒素源
としてはアンモニウム塩が好ましく用いられ、特にpH
緩衝能やリン分の補給の点からリン酸アンモニウムが好
ましい。また、培養が進行すると培地のpHが低下する
ため、アルカリを滴下してpH6〜8、より好ましくは
6.5〜7.5の範囲となるように調整して培養を行う
ことが好ましい。この際使用されるアルカリとしては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、アミ
ン化合物など任意のものが使用できるが、細胞増殖のた
めの窒素源を補給する面からアンモニアが好ましく用い
られる。また、培地にはビタミン類などの補給のため酵
母エキスを添加しても良い。また、炭素源のメタノール
も細胞増殖につれて徐々に減少していくので、順次追加
していく必要があるが、この際にアンモニアとメタノー
ルの混合液を追加することもできる。追加の方法として
は、一定量ずつ断続的に追加する方法、連続的に追加す
る追加する方法などあらゆる方法を採用することができ
る。また、培養温度としては、細胞の増殖速度の面から
通常0〜50℃で行うが、より好ましくは25〜35℃
付近である。
【0010】このようにして培養した培養液から多糖類
が回収されるが、回収に先立って微生物菌体を遠心分離
などの操作で培養液から予め除去しておくこともでき
る。多糖類の回収には、塩化セチルピリジニウム、臭化
セチルトリメチルアンモニウム等の4級アミンの塩を利
用する方法やメタノール、イソプロパノール等の低級ア
ルコールを添加する方法が利用でき、より高純度の製品
を得るには前者の方法が、より迅速に標品を得るために
は後者の方法が好ましく用いられ、また、これら両方法
を併用することもでき、その順序はどちらでも良い。こ
の方法で回収された多糖類は公知の方法により乾燥した
粉末として、あるいは再度水に溶解して水溶液として利
用される。
【0011】本発明の凝集剤に主成分として含まれる多
糖類としては、上記記載の微生物が生産する高分子の多
糖類であればものであれば特に限定されないが、凝集剤
としての作用が顕著であり、またその微生物が生産した
後の培養液より該多糖類を回収する際の微生物菌体との
分離が容易となることから、その構成する単糖としてマ
ンノ−ス、アロ−ス、ガラクトース、グルコ−ス及びグ
ルクロン酸からなるものであることが好ましく、さらに
多糖類を構成する単糖のモル比がマンノ−ス1に対して
アロ−ス、ガラクトース、グルコ−ス、グルクロン酸が
それぞれ0.8〜1.5、5.0〜10.0、1.0〜
5.0、0.5〜2.0であることが好ましい。特に、
平均分子量として50万以上の分子量を有する高分子で
あることが好ましく、このような高分子量の多糖類はそ
の凝集剤としての効果が大きくなる。ここで、平均分子
量の測定には例えばレーザー散乱計、ゲルろ過等の公知
の方法により求めることができ、本発明においては実施
例において記載するように、ゲルろ過法により求めた。
【0012】本発明の凝集剤は、上記に記載の微生物が
生産する多糖類を主成分とするが、多糖類を生産した微
生物の培養液をそのままあるいは多糖類を精製したもの
が用いられる。特に凝集剤を少量で用いる場合には精製
することで凝集剤中の多糖類の濃度を高めることができ
効果的である。また、凝集剤中の他の成分としては、微
生物の培養液成分があり、また凝集剤としてその効果を
高めるために種々の添加剤を用いてもよい。添加剤とし
ては、凝集剤の剤型を保つためや多糖類が分解等により
その効果を減じてしまうのを防ぐために安定化剤を用い
たり、実際の使用を容易とするために水等の液体を用い
ることもできる。また、凝集剤の剤型としては、液状、
固定状のいずれも用いることができるが、使用時の容易
さから液状の剤型とすることが好ましい。
【0013】次に、上記記載の微生物が生産する多糖類
を含む凝集剤を微粒子を含有する被処理物に接触させる
ことで処理する、すなわち微粒子を凝集させる方法につ
き説明する。
【0014】本発明の方法の対象となる微粒子を含有す
る被処理物(以下、単に「被処理物」という)として
は、本発明の凝集剤が凝集作用を示すものであれば特に
限定されるものではないが、種々の用途において用いら
れているラテックス、各種無機微粉末懸濁液や、セメン
ト工場のような粉体処理工場の廃液などの被処理物が挙
げられる。このような被処理物に含まれる微粒子は沈降
性が悪く、たとえ沈降するにしても時間がかかりその後
処理や次工程において問題となっているが、本発明の凝
集剤は、このような被処理物中に含まれる微粒子の粒子
径が0.1 〜から100μm程度の場合、好適に凝集さ
せることができる。
【0015】本発明の方法においては、凝集剤が被処理
物に接触させる際の条件としては、その効果が発揮でき
る条件であればいかなる条件であってもよいが、処理コ
スト面や環境面から常温常圧程度の条件で実施すること
がより望ましい。また、その処理時間としては、被処理
物中の微粒子の大きさや、共存するイオンの種類、イオ
ン強度、pH、温度、添加する凝集剤の量などにより左
右され一定しないが、数分から数10時間程度で十分で
ある。被処理物の凝集処理を行うがほぼ終了したか否か
を確認するには、被処理物の濁度等を測定することで知
ることができ、具体的には分光光度計などを用いてその
吸光度を測定することでも達成できる。
【0016】本発明の凝集剤を被処理物に加える際の両
者の量比については、前記した微生物の培養液を用いる
場合には、添加後の全量に対して、培養液の量が0.0
01重量%以上、さらに0.005〜2重量%の範囲と
なる量が好ましい。また、凝集剤として微生物の培養液
より精製された多糖類を含む液状物もしくは固体状物を
用いる場合には、その添加後の全量に対して、0.00
1ppm以上、さらに0.005〜100ppmの範囲
が好ましい。このような範囲にあれば十分な凝集効果が
期待できる。
【0017】さらに、本発明の凝集剤を被処理物と接触
させる際に、従来より使用されている凝集剤と併用して
用いることで更に凝集効果を高めることができる。例え
ば、無機系凝集剤や有機高分子凝集剤との併用が挙げら
れるが、これらの内でも環境面を考慮すると無機系凝集
剤との併用が好ましく、さらにポリ塩化アルミニウム
(PAC)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、アルミ
ン酸ナトリウム、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、塩化コ
ッパラスなどのアルミニウム化合物や鉄化合物が、特に
ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄が好まし
く用いられる。
【0018】その際の本発明の凝集剤及び従来より使用
されている凝集剤と被処理物との量比については、例え
ば本発明の凝集剤として微生物の培養液より精製された
多糖類を含む液状物もしくは固体状物を用いる場合に
は、その添加後の全量に対して、0.001ppm以
上、さらに0.005〜100ppmの範囲が好まし
い。一方、従来より使用されている凝集剤の添加量とし
ては、その添加後の全量に対して、1〜100ppm程
度添加すればよい。このような範囲にあれば十分な凝集
効果が期待できる。
【0019】凝集剤と被処理物とを接触させる際、凝集
剤を加えた後通常撹拌してあるいは撹拌せず混和する
が、撹拌する場合、その方法については公知の方法を用
いればよく、撹拌を所定時間実施した後に静置して生じ
た沈殿を熟成することもできる。さらにこの撹拌、静置
の操作を繰り返しても良い。また凝集剤を加える際に凝
集剤を一度に加えても徐々に少量ずつ加えてもよく、い
かなる実施の形態も採用できる。
【0020】このようにして被処理物に凝集剤が加えら
れ処理されるが、処理された後、沈殿部分と上清部分と
を分離する必要がある場合には、公知の分離方法を用い
ればよい。
【0021】一般に高分子凝集剤は水溶液中での電荷に
よってアニオン系、カチオン系、ノニオン系に分類され
るが、本発明の凝集活性物質はアニオン系に属すると考
えられる。アニオン系高分子凝集剤は通常無機系凝集剤
と共に用いられる。これは、無機系凝集剤がマイナスに
荷電した微粒子のゼ−タ電位を低下させ、粒子間に働く
ファンデルワ−ルス力による凝結を促進し、こうして生
じたミクロンオ−ダ−の粒子をアニオン系高分子凝集剤
がイオン的に橋架けすることによってフロックと呼ばれ
る沈殿しやすい粒子の形成を促進すると考えられてい
る。
【0022】しかしながら、このような推察は本発明を
なんら限定するものではない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0024】実施例1 <微生物の培養> メチロフィルス属細菌ATCC31504株の培養は5
00ml容のバッフル付三角フラスコ中、表1に示す組
成の培地100mlで24時間30℃で振盪培養した
後、8Lの同様の組成をもつ本培養培地に1/100容
量植菌し、42時間、30℃で通気培養することによっ
て行った。
【0025】
【表1】
【0026】本培養においてはpHコントロ−ルを7.
0±0.1に設定し、メタノ−ル/アンモニア混合液
(モル比15:1)がpHを設定値に保つ量だけフィ−
ドされるようにした。これにより適当量のC源およびN
源が培養液に継続的に供給した。培養終了後、8000
xG、20℃、20分間にて遠心分離して微生物菌体を
含む不溶性成分を除去した。
【0027】実施例2 <培養液の凝集活性> 酸性白土(Japanese acid clay、和
光純薬製)1.5gをイオン交換水300mlに懸濁し
て撹拌子で30分間以上撹拌し、人工濁水(I)とし
た。人工濁水(I)3mlを内径9mm、高さ74mm
の試験管に分注して、これに対し0.5重量%塩化第二
鉄を40μl加えて良く撹拌した後5分間静置した。こ
れに実施例1で得た培養液を所定量加えてよく撹拌した
後5分間静置した。撹拌/静置をさらに2回繰り返すこ
とでフロック生成を熟成させた。この後、改めて10秒
間撹拌してから5分間静置し、試験液の中ほどから0.
8mlほど抜き出し、速やかにOD550を測定した。
凝集活性(FA)は以下の(1)式により算出した。
【0028】FA=1/(サンプルのOD550)−1
/(コントロ−ルのOD550) (1)ここで、コントロ−ルは塩化第二鉄も培養液も加
えずに同様の処理を施したものである。図1にこの結果
を示す。なお塩化第二鉄のみを加えたものの凝集活性は
0.34であった。図1より、培養液をごく少量添加す
るだけで高い凝集活性が観察され、またこの凝集活性は
培養液の添加量の広い範囲において認められた。
【0029】実施例3 <多糖類の調製> 実施例1に記載した培養液に1.4倍容量のイソプロパ
ノ−ルを加え、4℃で16時間静置した。生じた沈殿を
8000xG、20℃、20分間にて遠心分離して集
め、遠心分離した上清部分の1/5容量のイオン交換水
に懸濁した。懸濁物をホモジナイザー(井内盛栄堂社
製、型式:EYELA MAZELA Z−1200)
を用いて均一化したのち、等容量のイソプロパノ−ルを
加え、30分間撹拌した。これを遠心分離にかけて沈殿
する画分を除き、さらに等量のイソプロパノ−ルを加え
て撹拌し、30分間静置した。これを8000xG、2
0℃、20分間にて遠心分離して沈殿する画分を得、凍
結乾燥して標品を得た。上記培養液の上清1Lからの収
量は約2gであった。これはアンスロン硫酸及びカルバ
ゾ−ル硫酸による呈色反応を示し、グルクロン酸を含む
多糖類であることが示された。またゲル濾過クロマトグ
ラフィ−により分子量を測定した。カラムはTSKge
lG6000PWXL(東ソー製)、溶離液は0.2Mリ
ン酸ナトリウム−0.05重量%アジ化ナトリウム、検
出はRI検出器(東ソー製、型式RI−8000)を用
いた。多糖類試料を上記溶離液に0.5mg/mlの濃
度となるように溶解したものを100μl注入し、0.
8ml/分の流速で送液した。なお分子量の標準試料と
してはプルラン(ShodexStandard P−
82、昭和電工製)を用いた。これにより本多糖類は平
均分子量50万以上の高分子であることが示された。以
下、本多糖類をPS1004と表記する。
【0030】実施例4 <多糖類標品の構成糖の分析> 100mgのPS1004標品をポッター型ホモジナイ
ザーを用いて10mlの2N硫酸に溶解させ1.0%の
溶液を調製し、蓋付きのバイアル瓶に分注した。水流ア
スピレ−タ−を用いてデシケ−タ−内で30分減圧、窒
素置換することにより酸素を除去した。100℃にて3
時間加水分解を行なった後、これに炭酸バリウムを適量
加えて中和、ろ紙でろ過した後ろ液にイオン交換樹脂A
mberlite IR−120(H+)を200mg
加え、ろ紙でろ過した。なお中和が不十分である場合は
2N水酸化ナトリウムにて中和した。ろ液をロータリー
エバポレーター(東京理化製、型式:N−1−AJ)に
て、50℃、30分間水を除去した後、真空ポンプで良
く乾燥させた。このようにして得た加水分解物455m
gを5mlの水に溶解し、室温にて水素化ホウ素ナトリ
ウムを適当量加え、3時間撹拌した。反応液にイオン交
換樹脂Amberlite IR−120(H+)を泡
が出なくなるまで加えた後、ろ紙(東洋ろ紙、No.
2)でろ過し、ろ液をロ−タリ−エバポレ−タ−で減圧
下留去して、メタノ−ルにより2回共沸させた。得られ
た沈殿を真空ポンプで乾燥し、無水ピリジンを3ml加
え、撹拌しながら無水酢酸3mlを加えて16時間反応
させた。反応終了後、水およびクロロホルムを加えて抽
出した後、有機層を水で2回洗浄した。これを無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、ろ紙でろ過し、GC−MS(ヒ
ューレット・パッカード社製、型式:G1800A、カ
ラム:HP−5、0.25mm(内径)x30m(長
さ))にてPS1004標準品中の中性糖を分析したと
ころ、この標準品のマンノ−ス、アロ−ス、ガラクト−
ス、グルコ−スに一致するピ−ク(保持時間として、そ
れぞれ、15.11分、15.39分、15.47分、
15.54分)が観察され、そのピーク面積比は1:
0.8:6.2:1.1であった。この比はこれらの糖
のアルジト−ルアセテ−ト体のモル量を反映している。
【0031】グルクロン酸の定量はカルバゾ−ル硫酸法
によって行った。すなわち、まずカルバゾ−ル125m
gをメタノ−ル100mlに溶解したカルバゾ−ル溶液
およびホウ酸ナトリウム(10水和物)0.95gを硫
酸100mlに溶解したホウ酸ナトリウム入り硫酸を調
製した。ホウ酸ナトリウム入り硫酸2.5mlを試験管
にとり、氷水中で良く冷却した。これに予め氷水で冷却
しておいた試料もしくは標準品のグルクロン酸0.5m
lを静かに加え、氷水中でゆっくりと撹拌し、発熱が収
まるのを待ってからボルテックスミキサ−で十分に撹拌
した。これを沸騰湯浴中で10分間加熱してから氷冷
し、カルバゾ−ル溶液0.1mlを加えて撹拌した。再
び沸騰湯浴に移して15分間加熱してから氷冷し、53
0nmの吸収を測定した。コントロ−ルとしてカルバゾ
−ル溶液の代わりにメタノ−ルを用いて同様の操作を行
い、この吸光度を差し引いて実測値とし、濃度既知のグ
ルクロン酸で作成した検量線より多糖類標品1g中に
0.15gのグルクロン酸が含まれていた。
【0032】実施例5 <多糖類標品の凝集活性−1> 実施例3に記載した多糖類標品を所定濃度に希釈し、4
0ppmとなる塩化第二鉄と共に用い、実施例2に記載
した方法に従って凝集活性を測定した。また多糖類単独
あるいは塩化第二鉄単独で、所定濃度にてその凝集活性
を同時に測定した。結果を図2に示す。
【0033】さらに塩化第二鉄の代わりにPAC(東ソ
−製、商品名:水道用ポリ塩化アルミニウム)を用い、
実施例3に記載した多糖類標品を所定濃度に希釈し、1
7ppmとなるPACと共に用い、実施例2に記載した
方法に従って凝集活性を測定した。また多糖類単独ある
いはPAC単独で、所定濃度にてその凝集活性を同時に
測定した。結果を図3に示す。
【0034】図2、3に示す通り本多糖類標品は塩化第
二鉄あるいはPAC単独での凝集活性を著しく増強する
ことが明らかになった。
【0035】実施例6 <多糖類標品の凝集活性−2> 実施例5に記載したと同様に多糖類標品を所定濃度に希
釈し、17ppmとなるPACと共に用い、人工濁水
(I)の代わりにカオリン(和光純薬製)5000pp
m懸濁液(=人工濁水(II))を用いた以外は、実施
例2に記載した方法と同様に凝集活性を測定した。また
多糖類単独あるいはPAC単独で、所定濃度にてその凝
集活性を同時に測定した。結果を図4に示す。
【0036】図4に示す通り人工濁水(II)に対して
も凝集効果があり、特にPACの作用が見られない領域
においても著しい相乗効果を発揮することが明らかにな
った。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、少量の凝集剤でも被処
理物中の微粒子の凝集、特に鉱物性微粒子の凝集沈殿に
よる水の清澄が迅速に行える。また二次公害のおそれの
なく、有機高分子凝集剤の代替品として好適な素材とな
り、工業利用上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】メチロフィルス属細菌ATCC31504株の
培養液所定量(横軸(X軸:対数表示))における48
ppmの塩化第二鉄添加によって観察された人工濁水
(I)の凝集活性(縦軸(Y軸))を表す。
【図2】PS1004標品と塩化第二鉄による人工濁水
(I)の凝集活性を表す。図中、白丸はPS1004標
品、黒丸は塩化第二鉄、三角はPS1004標品と塩化
第二鉄(40ppm使用)との混合物を使用した場合の
結果である。図において、横軸(X軸:対数表示)はこ
れらの添加物の濃度(ppm)を、縦軸(Y軸)は凝集
活性を表す。
【図3】PS1004標品とPACによる人工濁水
(I)の凝集活性を表す。図中、白丸はPS1004標
品、黒丸はPAC、三角はPS1004標品とPAC
(17ppm使用)との混合物を使用した場合の結果で
ある。図において、横軸(X軸:対数表示)はこれらの
添加物の濃度(ppm)を、縦軸(Y軸)は凝集活性を
表す。
【図4】PS1004標品とPACによる人工濁水(I
I)の凝集活性を表す。図中、白丸はPS1004標
品、黒丸はPAC、三角はPS1004標品とPAC
(2ppm使用)との混合物を使用した場合の結果であ
る。図において、横軸(X軸:対数表示)はこれらの添
加物の濃度(ppm)を、縦軸(Y軸)は凝集活性を表
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:01)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンノ−ス、アロ−ス、ガラクト−ス、グ
    ルコ−ス及びグルクロン酸を構成糖として含む多糖類を
    主成分とする微生物由来凝集剤。
  2. 【請求項2】多糖類の構成糖がマンノ−ス、アロ−ス、
    ガラクト−ス、グルコ−ス及びグルクロン酸であり、そ
    のモル比がそれぞれ1:0.8〜1.5:5.0〜1
    0.0:1.0〜5.0:0.5〜2.0であり、かつ
    多糖類の平均分子量が50万以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載の微生物由来凝集剤。
  3. 【請求項3】多糖類がメチロフィルス属細菌ATCC3
    1504株が生産するものであることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の微生物由来凝集剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の微生物由
    来凝集剤と被処理物とを接触させることを特徴とする凝
    集方法。
  5. 【請求項5】微生物由来凝集剤に加えて無機系凝集剤を
    被処理物に接触させることを特徴とする請求項4に記載
    の凝集方法。
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