JP2001311716A - 電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子

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JP2001311716A
JP2001311716A JP2000129104A JP2000129104A JP2001311716A JP 2001311716 A JP2001311716 A JP 2001311716A JP 2000129104 A JP2000129104 A JP 2000129104A JP 2000129104 A JP2000129104 A JP 2000129104A JP 2001311716 A JP2001311716 A JP 2001311716A
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platinum electrode
stabilized zirconia
electrode film
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JP2000129104A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
Masao Maki
正雄 牧
Katsuhiko Uno
克彦 宇野
Takashi Niwa
孝 丹羽
Takahiro Umeda
孝裕 梅田
Makoto Shibuya
誠 渋谷
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出感度や応答性の優れた一酸化炭素センサ
等の電気化学素子を得るための、白金電極膜と安定化ジ
ルコニア電解質体の結晶構造を提供すること。 【解決手段】 安定化ジルコニア体6と、安定化ジルコ
ニア体6の表面に形成されている白金電極膜7、8を、
少なくとも有する構造である。白金電極膜7、8は、白
金をX線回折法によって結晶構造解析した際の、(11
1)面検出ピーク強度をaとし(200)面検出ピーク
強度をbとすると、その比率(b/a)が0.01〜
0.1である。比率(b/a)を最適化したため、一酸
化炭素や酸素を多く吸着して検出感度の高い、一酸化炭
素センサ等の電気化学素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中の一酸化炭
素や酸素の濃度を検出する一酸化炭素センサおよび酸素
センサ等の電気化学素子に関し、特に検出感度の優れた
これらセンサを得るための白金とジルコニアからなる電
気化学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般大気中や各種燃焼機器排ガス中の一
酸化炭素や酸素の濃度を、酸素イオン導電性固体電解質
を用いて検出する一酸化炭素センサおよび酸素センサ等
の電気化学素子がある。この電気化学素子は、図14の
特開昭58−124943号公報に記載されたように、
安定化ジルコニア体1の表裏面に白金電極膜2、3を形
成する構成が基本構造となっている。そして、安定化ジ
ルコニア体1の片側に、白金電極膜2への酸素供給量を
制限ししかも電気絶縁する酸素拡散制限体4を設け、さ
らに酸素拡散制限体4の上にヒータ5を設けて、限界電
流式酸素センサとして使用されている。
【0003】白金電極膜は、上記の特開昭58−124
943号公報に記載されたように白金のターゲットを真
空アルゴン雰囲気中で放電して膜とするスパッタ法、特
開昭61−45962号公報に記載されたように白金の
粒子を有機溶媒と混合したペーストを印刷して膜とし乾
燥後に焼成する厚膜印刷法、など種々の方法で一般に形
成される。しかしながらこれら従来例には、白金の結晶
構造に関する具体的数字が何ら開示されていない。
【0004】また、雑誌「表面技術」Vol.41、N
o4、1990年号の338ページには、「電極表面の
原子・分子の吸着とその挙動」のタイトルで白金単結晶
の結晶構造が記載されている。しかしながら、記載され
ている白金単結晶は、(111)面は有するが(20
0)面や(220)面といった面は有せず、これら結晶
面に関する具体的数字が何ら開示されていない。白金の
結晶構造に関しては、雑誌「表面」Vol.28、No
2、1990年号の87ページのタイトル「NO吸着特
性と直接分解反応」でも記載されているが、(111)
面だけが言及されて(200)面や(220)面は全く
言及されておらず、これら結晶面に関する具体的数字は
不明である。
【0005】一方、安定化ジルコニア体は、焼結板やス
パッタ膜として使用され、特開昭58−124943号
公報には焼結板で使用される方法、特開昭61−155
751号公報にはスパッタ膜で使用されその結晶方位
(111)や(220)が特定方向に配列することが記
載されている。そしてこれら従来例には、安定化ジルコ
ニア体の結晶構造に関する具体的数字が何ら開示されて
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構成品は、白金電極膜の結晶構造が最適になっていない
ため検出感度が悪い問題点があった。この理由について
説明する。
【0007】白金電極膜の結晶構造について説明する。
標準的な白金粉末をX線回折法回折装置で結晶構造を解
析すると、2θ=40°に(111)面の大きな検出ピ
ークが、2θ=46°に(200)面の中程度の検出ピ
ークが、2θ=67°に(220)面の小さな検出ピー
クが現れる。そして、(111)面の検出ピーク強度を
aとし、(200)面の検出ピーク強度をbとすると、
その比率(b/a)は0.5となる。また同様に、(2
20)面の検出ピーク強度をcとすると、その比率(c
/a)は0.3となる。一方、白金は、上記の検出ピー
クの中で特に第1ピークの(111)面が酸素などのガ
スを最も吸着すると言われている。従がって私見ではあ
るが(111)面が多いほど、つまり第2ピーク(22
0)検出ピーク強度bがこの(111)面検出ピーク強
度aより小さい、即ち比率(b/a)が小さいほど一酸
化炭素や酸素を多く吸着して、検出感度の高い酸素イオ
ン導電性固体電解質利用の一酸化炭素センサおよび酸素
センサ等の電気化学素子が得られることが考えられる。
【0008】これに対して、従来のスパッタ法で形成し
た白金電極膜は、スパッタ条件によってその結晶構造が
多種多様に変化して(111)面が多くないので、充分
な検出感度が得られない課題がある。また、従来の厚膜
印刷法で形成した白金電極膜は、前述の標準的な白金粉
末と結晶構造が同じで(111)面が少ないので、充分
な検出感度が得られない課題がある。
【0009】次に、安定化ジルコニア体(例えば、酸化
イットリウムの8モル%と酸化ジルコニア92モル%か
らなる組成の場合)について説明する。標準的な安定化
ジルコニア粉末をX線回折法回折装置で結晶構造を解析
すると、2θ=30°に(111)面の大きな検出ピー
クが、2θ=50°に(220)面の中程度の検出ピー
クが現れる。そして、(111)面の検出ピーク強度を
mとし、(220)面の検出ピーク強度をnとすると、
その比率(n/m)は0.6となる。そのため、これら
粉末を成形して焼成した焼結板は、上記と同じ比率が得
られるが焼成により緻密体となるためその表面は凹凸の
少ない平滑面となっている。従がって、凹凸の少ない平
滑面の安定化ジルコニア焼結板の表面に白金電極膜を形
成しても、白金電極膜との密着性が悪いので、充分な応
答速度が得られない課題がある。また、その表面を微細
に研磨して凹凸の多い粗面の安定化ジルコニア焼結体に
すれば応答速度がわずかに向上するが、この微細研磨は
高度で複雑な研磨技術と品質管理技術を必要とするため
生産性が向上しない課題がある。さらにスパッタ膜で使
用する際、その結晶方位(111)や(220)の配列
を凹凸の多い粗面形成にしていないため、充分な応答速
度が得られない課題がある。
【0010】本発明は、前記する従来の問題を解決し、
検出感度の高い一酸化炭素センサおよび酸素センサ等の
電気化学素子を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、安定化ジルコニア体と、前記安定化ジルコ
ニア体の表面に対となって形成されている白金電極膜を
少なくとも有し、前記白金電極膜は、X線回折法による
結晶構造解析における(111)面検出ピーク強度をa
とし(200)面検出ピーク強度をbとすると、その比
率(b/a)が0.01〜0.1である白金とした。
【0012】この構成にすると、比率(b/a)が小さ
いため、(111)面検出ピーク強度aが(200)面
検出ピーク強度bより多くなる。そのため、一酸化炭素
や酸素を多く吸着して検出感度の高い一酸化炭素センサ
および酸素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、各請求項に記載した形
態で実施することができる。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明は、安定化
ジルコニア体と、前記安定化ジルコニア体の表面に対と
なって形成されている白金電極膜を少なくとも有し、前
記白金電極膜は、X線回折法による結晶構造解析におけ
る(111)面検出ピーク強度をaとし(200)面検
出ピーク強度をbとすると、その比率(b/a)が0.
01〜0.1である白金からなる電気化学素子とするこ
とで実施できる。
【0015】この構成にすると、比率(b/a)が小さ
いため、(111)面検出ピーク強度aが他面(20
0)検出ピーク強度bより高くなる。そのため、一酸化
炭素や酸素を多く吸着して検出感度の高い白金電極膜を
有する、一酸化炭素センサおよび酸素センサ等の電気化
学素子が得られる。
【0016】また、請求項2記載の発明は、白金電極膜
が、X線回折法による結晶構造解析における(111)
面検出ピーク半価幅が0.40°を超えない請求項1記
載の白金とジルコニアからなる電気化学素子とすること
で実施できる。
【0017】この構成にすると、白金(111)面の結
晶性が高くなるので、応答性に優れた白金電極膜を有す
る一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0018】また、請求項3記載の発明は、白金電極膜
が、X線回折法による結晶構造解析における(200)
面検出ピーク半価幅が0.50°を超えない請求項1記
載の白金とジルコニアからなる電気化学素子とすること
で実施できる。
【0019】この構成にすると、白金(200)面の結
晶性が高くなるので、応答性に優れた白金電極膜を有す
る一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0020】また、請求項4記載の発明は、白金電極膜
が、X線回折法による結晶構造解析において(220)
面の検出ピーク強度をcとすると、その比率(c/a)
が0.01〜0.1である請求項1記載の白金とジルコ
ニアからなる電気化学素子とすることで実施できる。
【0021】この構成にすると、比率(c/a)が小さ
いため、(111)面検出ピーク強度aが他面(22
0)検出ピーク強度cより高くなる。そのため、一酸化
炭素を一層多く吸着して低濃度における検出感度を高め
た白金電極膜を有する、一酸化炭素センサ等の電気化学
素子が得られる。
【0022】また、請求項5記載の発明は、白金電極膜
が、X線回折法による結晶構造解析における(220)
面検出ピーク半価幅が0.60°を超えない請求項4記
載の白金とジルコニアからなる電気化学素子とすること
で実施できる。
【0023】この構成にすると、白金(220)面の結
晶性が高くなるので、応答性の高い白金電極膜を有する
一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0024】また、請求項6記載の発明は、安定化ジル
コニア体のX線回折法による結晶構造解析における(1
11)面検出ピーク強度をmとし(220)面検出ピー
ク強度をnとすると、その比率(n/m)が0.1〜
0.5である請求項1記載の白金とジルコニアからなる
電気化学素子とすることで実施できる。
【0025】この構成にすると、比率(n/m)が小さ
いので、(111)面検出ピーク強度mが他面(22
0)検出ピーク強度nより大きくなる。そのため、凹凸
の多い粗面の安定化ジルコニア体が形成され、その表面
に白金電極膜が良好に密着するので応答速度のさらに高
い一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0026】また、請求項7記載の発明は、安定化ジル
コニア体のX線回折法による結晶構造解析における(1
11)面検出ピーク半価幅が、0.6゜を超えない請求
項6記載の白金とジルコニアからなる電気化学素子とす
ることで実施できる。
【0027】この構成にすると、安定化ジルコニア体
(111)面の結晶性が高くなるので酸素イオン導電性
が向上して内部抵抗が小さい一酸化炭素センサ等の電気
化学素子が得られる。
【0028】また、請求項8記載の発明は、安定化ジル
コニア体のX線回折法による結晶構造解析における(2
20)面検出ピーク半価幅が0.7 °を超えない請求
項6記載の白金とジルコニアからなる電気化学素子とす
ることで実施できる。
【0029】この構成にすると、安定化ジルコニア体
(220)面の結晶性が高くなるので検出感度のさらに
高い一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0031】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
である電気化学素子の断面図であり、起電力検出型の一
酸化炭素センサとして作動する様にしている。この電気
化学素子(以下、一酸化炭素センサと記す)は、安定化
ジルコニア体6と、安定化ジルコニア体6の表面に対と
なって形成されている白金電極膜7、8を、少なくとも
有する。白金電極膜7、8は、白金をX線回折法によっ
て結晶構造解析した際の、(111)面検出ピーク強度
をaとし(200)面検出ピーク強度をbとすると、そ
の比率(b/a)が0.01〜0.1である。また、片
方に配置した白金電極膜7を囲む様にして、白金粒子を
無機接着材に混合した酸化触媒膜9を、安定化ジルコニ
ア体6に接着固定している。この一酸化炭素センサの検
知メカニズムを説明する。酸化触媒膜9を配置した白金
電極膜7の側では、一酸化炭素ガスは酸化触媒膜9の触
媒作用で酸素ガスと反応して二酸化炭素ガスとなり消耗
して無くなるが、酸素濃度はその濃度が圧倒的に高いた
め略雰囲気濃度のままである。
【0032】一方、他方の白金電極膜8の側では、その
触媒作用で一酸化炭素ガスと酸素ガスが反応して二酸化
炭素ガスとなり、表面における酸素ガス濃度が減少す
る。このため、酸素濃度に着目すると、白金電極膜7側
の方が白金電極膜8より高濃度となり、白金電極膜7よ
り白金電極膜8に向かって、酸素ガスが安定化ジルコニ
ア体6の中を酸素イオンとなって移動し、この酸素移動
によって起電力が発生する。この起電力がセンサ出力で
あり、一酸化炭素ガス濃度の対数値に略比例した値が得
られる。
【0033】本発明品を試作してその効果の確認を行っ
た。安定化ジルコニア体6は、前述記載の酸化イットリ
ウム8モル%と酸化ジルコニウム92モル%の固溶体で
ある酸素イオン導電性固体電解質の焼成板である。白金
電極膜7、8は、白金をスパッタして形成した白金の多
孔質薄膜である。この白金電極膜7、8をX線回折法回
折装置で結晶構造を解析したところ、下記の3つの検出
ピークが現れた。2θ=40°に現れる(111)面の
大きな検出ピーク(ピーク強度31465cps、半価幅
0.26)。2θ=46°に現れる(200)面の中程
度の検出ピーク(ピーク強度900cps、半価幅0.3
4)。2θ=67°に現れる(220)面の小さな検出
ピーク(ピーク強度900cps、半価幅0.38)。そ
して、(111)面検出ピーク強度aと(200)面検
出ピーク強度bの比率(b/a)は0.03である。ま
た同様に(220)、面検出ピーク強度cとの比率(c
/a)は0.03である。
【0034】酸化触媒膜9は、白金粒子を無機接着材に
混合して塗布した厚膜である。最後に、白金電極膜7、
8に白金リード線(記載せず)を接合して完成である。
【0035】なお比較品として、前述と同じ安定化ジル
コニア体を別途用意しこの安定化ジルコニア体に、白金
をスパッタして結晶配異の異なる白金電極膜を形成し
た。
【0036】また従来品として、前述と同じの安定化ジ
ルコニア体を別途用意しこの安定化ジルコニア体に、白
金粒子97部と安定化ジルコニア粒子3部と有機溶媒の
適量からなるペーストを印刷し1300゜で焼成して白
金電極膜を形成した。これら白金電極膜をX線回折法回
折装置で結晶構造解析した結果を(表1)に示す。
【0037】
【表1】
【0038】本発明品は、比較品や従来品と比較して、
(111)面ピーク強度が他面ピーク強度と比較して大
きいことがわかる。(111)面検出ピーク強度aと
(200)面検出ピーク強度bの比率(b/a)を算出
し、その大きさを数値化した。比較品は0.20で従来
品は0.54であるのに対し、本発明品は0.03であ
り、(111)面ピーク強度が他面ピーク強度と比較し
て大きいため、その値は小さな数値を示した。この(表
1)記載の比較品および従来品の白金電極膜を有する一
酸化炭素センサも試作し、比較対象として使用した。
【0039】評価は、一酸化炭素センサを450゜電気
炉に保持し、大気から一酸化炭素2000ppm(大気バ
ランス)ガスさらに大気と、順々に雰囲気を変化させた
場合の起電力の過渡変化を測定した。
【0040】第2図は、この一酸化炭素センサの起電力
過渡特性である。本発明品(比率b/aが0.03)
は、大きな起電力が得られるので、感度の向上が図れ
た。また、起電力が短時間で安定するため、応答が早い
利点も有った。一方、比較品(比率b/aが0.20)
および従来品(比率b/aが0.56)は、起電力が小
さいので感度が小さく、しかもなかなかその値が安定し
ないので応答が遅い欠点を有った。
【0041】次に、スパッタ条件を変化させて結晶構造
の異なる各種の白金電極膜を試作した。そして、X線回
折法により(111)面検出ピーク強度aと(200)
面検出ピーク強度bを測定し、検出ピーク強度の比率
(b/a)を算出した。この白金電極膜を利用した一酸
化炭素センサを450゜電気炉に保持し、大気中から一
酸化炭素2000ppm(空気バランス)ガスさらに大気
中と、順々に雰囲気を変化させて、起電力の過渡変化を
測定した。そして、一酸化炭素2000ppm中と大気中
との起電力の差(以下、起電力増加と称す)を算出し
た。
【0042】図3は、白金電極膜の検出ピーク強度の比
率(b/a)と起電力増加の関係である。起電力増加
は、比率(b/a)が0.01〜0.1の時に、大きな
値が得られた。これは、(200)面と(111)面の
検出ピーク強度の比率(b/a)がこの範囲にある時
に、一酸化炭素を吸着して二酸化炭素に酸化する特性に
優れた白金電極膜が得られるためと思われる。一方、比
率(b/a)が0.01未満の時は小さな起電力しか得
られず、これは(200)面が少ないためと思われる。
また、比率(b/a)が0.1を超えると小さな起電力
しか得られず、これは(111)面が少ないためと思わ
れる。このことより、以後の検討は、比率(b/a)が
0.01〜0.1である白金電極膜を使用して行った。
【0043】白金電極膜の(111)面および(20
0)面の検出ピーク半価幅がセンサ特性に与える影響
を、結晶構造の異なる各種の白金電極膜を用いて解明し
た。その結果、(111)面の半価幅は大気中から一酸
化炭素2000ppmへの応答特性に、(200)面の半
価幅は一酸化炭素2000ppmから大気への応答特性
に、影響を与えることが判明した。
【0044】図4は、(111)面の半価幅と、大気中
から一酸化炭素2000ppmへの90%応答時間の関係
である。90%応答時間は、半価幅が0.4°を境に大
きく変化し、0.4°未満の場合に早い応答が得られ
た。これは、半価幅が0.4°未満であると結晶性に優
れるので、一酸化炭素を最も吸着し二酸化炭素に酸化す
る特性に優れた(111)面を多く白金電極膜が得られ
るためである。一方、半価幅が0.4°を超えると結晶
性が悪いので、一酸化炭素の吸着性や二酸化炭素への酸
化性が悪い(111)面を持つ白金電極膜が得られるた
めである。
【0045】図5は、(200)面の半価幅と、一酸化
炭素2000ppmから大気中への90%応答時間の関係
である。90%応答時間は、半価幅が0.5°を境に大
きく変化し、0.5°未満の場合に早い応答が得られ
た。これは、半価幅が0.5°未満であると結晶性に優
れるので、酸素吸着特性に特に優れた(200)面を多
く持つ白金電極膜が得られるためである。一方、半価幅
が0.5°を超えると結晶性が悪いので、酸素吸着特性
が悪い(200)面を多く持つ白金電極膜が得られるた
めである。
【0046】白金電極膜は(220)面も有する。そこ
で、(220)面検出ピーク強度cおよびその半価幅が
センサ特性に与える影響を解明した。解明のための評価
条件は、前述通りであるが、大気中から一酸化炭素20
0ppm(空気バランス)ガスさらに大気中と、順々に雰
囲気を変化させて起電力の過渡変化を測定することを追
加している。その結果、(220)面の共存は、一酸化
炭素の低濃度検知特性を向上させることが判明した。
【0047】図6は、(111)面検出ピーク強度aと
(220)面検出ピーク強度cの比率(c/a)と、起
電力増加の関係である。起電力増加は、一酸化炭素20
00ppmと200ppmとで異なる挙動を示しており、一酸
化炭素200ppmの起電力変化は、比率(c/a)が
0.01〜0.1の時に、大きな値が得られた。これ
は、(220)面と(111)面の検出ピーク強度の比
率(c/a)がこの範囲にある時に、低濃度の一酸化炭
素を吸着して二酸化炭素に酸化する特性に優れた白金電
極膜が得られるためと思われる。一方、比率(c/a)
が0.01未満の時は小さな起電力しか得られず、これ
は(200)面が少ないためと思われる。また、比率
(c/a)が0.1を超えると小さな起電力しか得られ
ず、これは(111)面が少ないためと思われる。この
ことより以後の検討は、比率(c/a)が0.01〜
0.1である白金電極膜を使用して行った。
【0048】図7は、(220)面の半価幅と、大気中
から一酸化炭素200ppmへの90%応答時間の関係で
ある。90%応答時間は、半価幅が0.6°を境に大き
く変化し、0.6°未満の場合に早い応答が得られた。
これは、半価幅が0.6°未満であると結晶性に優れた
(220)面を多く持つ白金電極膜が得られるためであ
る。一方、半価幅が0.4°を超えると結晶性が悪い
(200)面の白金電極膜が得られるためである。
【0049】次に、安定化ジルコニア体6をスパッタ法
で形成し、アルミナを主成分とする絶縁膜10の上部に
積層する構成の発明品について検討した。この発明品
は、絶縁膜10が、スパッタ法を用いて形成されてお
り、アルミナを主成分の耐熱性絶縁基板11の上部にス
パッタ法で形成された白金ヒータ膜12の上部に、積層
されている。
【0050】安定化ジルコニア体6は、酸化イットリウ
ム8モル%と酸化ジルコニウム92モル%の固溶体であ
る酸素イオン導電性固体電解質であり、スパッタ法で形
成したのちに1000゜で数時間熱処理した薄膜であ
る。安定化ジルコニア体6をX線回折法回折装置で結晶
構造解析すると、2θ=30°に(111)面の大きな
検出ピーク(ピーク強度2930cps、半価幅0.2
3)が、2θ=50°に(220)面の中程度の検出ピ
ーク(ピーク強度959cps、半価幅0.46)が現れ
る。そして、(111)面の検出ピーク強度をmとし、
(220)面の検出ピーク強度をnとすると、その比率
(n/m)は0.33となった。
【0051】白金電極膜7、8は、白金をスパッタして
形成した白金の多孔質薄膜であり、その結晶構造は前述
(表1)の本発明の記載通りである。酸化触媒膜9は、
白金粒子を無機接着材に混合して塗布した厚膜である。
耐熱性絶縁基板10は、アルミナが96wt%以上で各
種金属酸化物が残部組成である焼成基板である。絶縁膜
10は、アルミナが96wt%以上で各種金属酸化物が
残部組成のスパッタ膜である。白金ヒータ膜12は、白
金のスパッタ膜である。また、安定化ジルコニア体6の
焼結板を用いた起電力検出型一酸化炭素センサも試作
し、比較対象に使用した。その結晶構造解析結果を(表
2)に示す。
【0052】
【表2】
【0053】第8図は、この構成の一酸化炭素センサを
450゜電気炉に保持し、大気中から一酸化炭素200
0ppm(大気バランス)ガスさらに大気と、順々に雰囲
気を変化させた場合の起電力の過渡変化である。本発明
品(比率n/mが0.33)は、起電力が短時間で安定
して応答時間が短いの利点が有った。これは、安定化ジ
ルコニア体6はこの結晶構造とすることで凹凸の多い多
孔質膜となって白金電極膜を良好に密着させ、酸素分子
の吸脱着が円滑に進行するためと思われる。一方、比較
品(比率n/mが0.58)は、起電力が安定しないの
で応答が遅い欠点も有った。これは、凹凸の少ない緻密
な焼成体の安定化ジルコニア体であるため白金電極膜と
の密着が不充分であり、酸素分子の吸脱着が円滑に進行
しないためと思われる。
【0054】なお、アルミナ主成分の耐熱性絶縁基板1
1の上部に直接に、安定化ジルコニア体6をスパッタ法
で形成した構成品(参考品)も試作しその効果の確認を
行ったところ、本発明品とほぼ同等の特性が得られた。
そこで以後の検討は、絶縁膜10の上部に安定化ジルコ
ニア体6をスパッタ法で形成した図1記載の構成品で行
った。
【0055】安定化ジルコニア体6の検出ピーク強度の
比率(n/m)が応答性に深く関与していることが判明
したため、その比率(n/m)と応答性との関係を測定
した。
【0056】図9は、スパッタ条件を変化させて安定化
ジルコニア体の結晶構造を変化させ(111)、面検出
ピーク強度mと(220)面検出ピーク強度nの比率
(n/m)と、応答時間の関係を測定した結果である。
評価条件は、前述の通りである。90%応答時間は、比
率(n/m)0.5を境に大きく変化し、0.5未満の
場合に短い応答時間が得られた。これは、比率(n/
m)が0.5未満であると、安定化ジルコニア体の結晶
構造が凹凸の多い多孔質となって白金電極膜を良好に密
着させ、酸素分子の吸脱着が円滑に進行するためと思わ
れる。一方、比率(n/m)が0.5以上であると、安
定化ジルコニア体の結晶構造が凹凸の少ない緻密質とな
って白金電極膜との密着性が低下し、酸素分子の吸脱着
が円滑に進行しないためと思われる。そこで、以後の検
討は、比率(n/m)が0.5未満である安定化ジルコ
ニア体を使用して行なった。
【0057】次に、スパッタ条件およびその後の熱処理
条件を変化させて安定化ジルコニア体の結晶性を変化さ
せ、(111)面および(220)面の検出ピーク半価
幅が、センサ特性に及ぼす影響の解明を行った。その結
果、(111)面検出ピーク半価幅は安定化ジルコニア
体の抵抗に、(220)面検出ピーク半価幅は起電力増
加に深く関与していることが判明した。
【0058】図10は、(111)面検出ピーク半価幅
と安定化ジルコニア体の抵抗の関係である。安定化ジル
コニア体の抵抗は、半価幅が0.6°を境に大きく変化
し、0.6°未満の場合に小さな抵抗が得られた。これ
は、半価幅が0.6°未満であると結晶性に優れた(1
11)面を多く持つ安定化ジルコニア体が得られるた
め、酸素イオン電導性が良くなり抵抗が小さくなるので
ある。一方、半価幅が0.6°以上であると結晶性が悪
い(111)面を多く持つ安定化ジルコニア体が得られ
るため、抵抗が大きくなる。
【0059】図11は、(220)面検出ピーク半価幅
と起電力増加の関係である。起電力増加は、半価幅が
0.7°を境に大きく変化し、0.7°未満の場合に起
電力増加が得られた。これは、半価幅が0.7°未満で
あると結晶性に優れた(220)面を多く持つ安定化ジ
ルコニア体が得られるため、起電力増加が得られるので
ある。一方、半価幅が0.7°以上であると結晶性が悪
い(220)面を多く持つ安定化ジルコニア体が得られ
るため、起電力増加が小さくなる。
【0060】なおここで、白金電極膜6、8の(11
1)面や(200)面さらに(220)面のピーク検出
半価幅、安定化ジルコニア体6の(111)面や(22
0)面のピーク検出半価幅について説明する。これは、
X線回折法によって結晶構造解析した際の、検出ピーク
強度の半分値に対応するX線の角度(2θ)であり、こ
の値が小さいほど結晶性に優れることを意味する。その
ため、この値は、本発明の実施例に記載された値に関わ
らず、製造可能な範囲においてできるだけ小さい値が望
ましいことは言うまでもない。
【0061】(実施例2)図12は、本発明の第2の実
施例である電気化学素子の断面図であり、電流検出型と
して作動する様にしている。電気化学素子は、安定化ジ
ルコニア体6と、安定化ジルコニア体6の表面に対とな
って形成されている白金電極膜7、8を、少なくとも有
する。白金電極膜7、8は、白金をX線回折法によって
結晶構造解析した際の、(111)面検出ピーク強度を
aとし(200)面検出ピーク強度をbとすると、その
比率(b/a)が0.01〜0.1である。この構成の
電気化学素子を試作し、効果判定を行った。安定化ジル
コニア体6は、酸化イットリウム8モル%と酸化ジルコ
ニウム92モル%の固溶体である酸素イオン導電性固体
電解質の焼成板である。
【0062】次に、これら電気化学素子の電流過渡特性
を評価した。評価は、450゜電気炉に電気化学素子を
保持し酸素濃度20%(窒素バランス)を流した状態で
電圧1.0Vを0.9分後に印加し、電流の過渡変化を
測定している。その特性を第13図に示す。本発明品
(比率b/aが0.03)は、比較品(比率b/aが
0.20)、従来品(比率b/aが0.56)と比べ
て、短時間の安定時間で大きな電流が得られていること
がわかる。
【0063】さて、この電流検出型の電気化学素子は、
片側に配置した白金電極膜7を囲む様にして、酸素分子
の流入を抑制する微細孔を有する酸素拡散体(図12で
は記載せず)を、安定化ジルコニア体6にガラス溶融等
を利用して接着固定すると、限界電流式酸素センサとし
て作動する。この原理について説明する。白金電極膜
7、8に電場を印加すると酸素ポンピング作用により、
酸素分子が微細孔を経由して白金電極膜7に到達し安定
化ジルコニア体6をイオンとして通過したのちに白金電
極膜8から放出される。酸素拡散体に設けた微細孔によ
って酸素分子の流入が抑制されるため、電圧を変化させ
ても電流値が変化しない領域(この電流を限界電流と称
する)が現れる。この限界電流は、酸素濃度に略比例す
るため、酸素センサとして使用できる訳である。限界電
流式酸素センサにおいて限界電流値は、酸素拡散体に設
けた微細孔の寸法(穴径に比例、長さに反比例)で決ま
られる。そして、この微細孔寸法で決まられる限界電流
値よりも、白金電極膜で得られる電流値が大きくない
と、限界電流値特性は得られない。そこで、限界電流式
酸素センサを試作しその効果を確認した。
【0064】電流値が大きい本発明品を用いた限界電流
式酸素センサは、微細孔の穴径寸法を大きくして大きな
限界電流値(2mA)が得られる様にすることができ、感
度の向上が図れた。また、電流値が短時間で安定するた
め、暖気安定時間が30秒と短く、酸素濃度90%応答
時間が20秒と短いの利点も有った。一方、比較品は、
電流値が小さいので、微細孔の穴径寸法を小さくして小
さな限界電流値(0.4mA)が得られる様にしかできず
感度が小さかった。また、電流の安定性が悪いため、暖
気安定時間が5分で酸素濃度90%応答時間が3分と長
いの問題が有った。また、従来品は、電流値が小さいの
で小さな限界電流値(0.2mA)が得られる様にしかで
きず感度が小さかった。また、電流の安定性が悪いた
め、暖気安定時間が4分で酸素濃度90%応答時間が4
分と長いの問題が有った。なお、安定化ジルコニア体6
は、実施例では焼成板を使用したが、セラミック多孔体
に前述のごとくスパッタして薄膜化してもよい。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の白金とジルコニアからなる電気化学素子によれば、次
の効果が得られる。
【0066】請求項1記載の発明によれば、白金電極膜
は、X線回折法による結晶構造解析における(111)
面検出ピーク強度をaとし(200)面検出ピーク強度
をbとすると、その比率(b/a)が0.01〜0.1
である。そのため、一酸化炭素や酸素を多く吸着して検
出感度の高い、一酸化炭素センサおよび酸素センサ等の
電気化学素子が得られる。
【0067】請求項2記載の発明によれば、白金電極膜
は、X線回折法による結晶構造解析における(111)
面検出ピーク半価幅が0.40°を超えない。そのた
め、白金(111)面の結晶性が高くなるので、高濃度
の一酸化炭素を高速応答性で検出できる白金電極膜を有
する一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0068】請求項3記載の発明によれば、白金電極膜
は、X線回折法による結晶構造解析における(200)
面検出ピーク半価幅が0.50°を超えない。そのた
め、白金(200)面の結晶性が高くなるので、一酸化
炭素高濃度から低濃度への復帰が早い白金電極膜を有す
る、一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0069】請求項4記載の発明によれば、白金電極膜
は、X線回折法による結晶構造解析において(220)
面の検出ピーク強度をcとするとその比率(c/a)が
0.01〜0.1である。そのため、(111)面検出
ピーク強度aが(220)面検出ピーク強度cより高く
なり、一酸化炭素を低濃度から検出できる白金電極膜を
有する、一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られ
る。
【0070】請求項5記載の発明によれば、白金電極膜
は、X線回折法による結晶構造解析における(220)
面検出ピーク半価幅が0.60°を超えない。そのた
め、白金(220)面の結晶性が高くなり、低濃度の一
酸化炭素を高速応答性で検出できる白金電極膜を有す
る、一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得られる。
【0071】請求項6記載の発明によれば、安定化ジル
コニア体は、X線回折法による結晶構造解析における
(111)面検出ピーク強度をmとし(220)面検出
ピーク強度をnとすると、その比率(n/m)が0.1
〜0.5である。そのため、凹凸の多い粗面の安定化ジ
ルコニア体が形成され、その表面に白金電極膜が良好に
密着するので応答速度のさらに高い、一酸化炭素センサ
等の電気化学素子が得られる。
【0072】請求項7記載の発明によれば、安定化ジル
コニア体は、X線回折法による結晶構造解析における
(111)面検出ピーク半価幅が、0.6゜を超えな
い。そのため、安定化ジルコニア体(111)面の結晶
性が高くなるので、酸素イオン導電性が向上して内部抵
抗が小さい一酸化炭素センサ等の電気化学素子が得ら
れ、センサ出力の検出回路が簡単となる。
【0073】請求項8記載の発明は、安定化ジルコニア
体は、X線回折法による結晶構造解析における(22
0)面検出ピーク半価幅が0.7゜を超えない。そのた
め、安定化ジルコニア体(220)面の結晶性が高くな
るので、検出感度のさらに高い一酸化炭素センサ等の電
気化学素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電気化学素子の断面
【図2】同素子の起電力の過渡特性を示す効果特性図
【図3】同素子の比率(b/a)と起電力増加の関係を
示す効果特性図
【図4】同素子(111)面半価幅と90%応答時間の
関係を示す効果特性図
【図5】同素子(200)面半価幅と90%応答時間の
関係を示す効果特性図
【図6】同素子の比率(c/a)と起電力増加の関係を
示す効果特性図
【図7】同素子の(220)面半価幅と90%応答時間
の関係を示す効果特性図
【図8】同素子の起電力の過渡特性を示す効果特性図
【図9】同素子の比率(n/m)と90%応答時間の特
性を示す効果特性図
【図10】同素子(111)面半価幅と安定化ジルコニ
ア抵抗の関係を示す効果特性図
【図11】同素子(220)面半価幅と起電力増加の関
係を示す効果特性図
【図12】本発明の実施例2における電気化学素子の断
面図
【図13】同素子の電流の過渡特性を示す効果特性図
【図14】従来の電気化学素子の一部断面斜視図
【符号の説明】
6 安定化ジルコニア体 7、8 白金電極膜 9 酸化触媒膜 10 絶縁膜 11 耐熱性絶縁基板 12 白金ヒータ膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 克彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 梅田 孝裕 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 渋谷 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA18 CA01 GA14 MA05 NA18 2G004 BB04 BC03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】安定化ジルコニア体と、前記安定化ジルコ
    ニア体の表面に対となって形成されている白金電極膜を
    有し、前記白金電極膜は、X線回折法による結晶構造解
    析における(111)面検出ピーク強度をaとし(20
    0)面検出ピーク強度をbとすると、その比率(b/
    a)が0.01〜0.1である電気化学素子。
  2. 【請求項2】白金電極膜が、X線回折法による結晶構造
    解析における(111)面検出ピーク半価幅が0.40
    °を超えない請求項1記載の電気化学素子。
  3. 【請求項3】白金電極膜が、X線回折法による結晶構造
    解析における(200)面検出ピーク半価幅が0.5°
    を超えない請求項1記載の電気化学素子。
  4. 【請求項4】白金電極膜が、X線回折法による結晶構造
    解析において(220)面の検出ピーク強度をcとする
    と、その比率(c/a)が0.01〜0.1である請求
    項1記載の電気化学素子。
  5. 【請求項5】白金電極膜が、X線回折法による結晶構造
    解析における(220)面検出ピーク半価幅が0.60
    °を超えない請求項4記載の電気化学素子。
  6. 【請求項6】安定化ジルコニア体が、酸化イットリウム
    の8モル%と酸化ジルコニア92モル%を主成分とした
    組成であり、X線回折法による結晶構造解析における
    (111)面検出ピーク強度をmとし(220)面検出
    ピーク強度をnとすると、その比率(n/m)が0.1
    〜0.5である請求項1記載の電気化学素子。
  7. 【請求項7】安定化ジルコニア体の、X線回折法による
    結晶構造解析における(111)面検出ピーク半価幅が
    0.6゜を超えない請求項6記載の電気化学素子。
  8. 【請求項8】安定化ジルコニア体の、X線回折法による
    結晶構造解析における(220)面検出ピーク半価幅が
    0.7゜を超えない請求項6記載の電気化学素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002122565A (ja) * 2000-08-07 2002-04-26 Denso Corp ガスセンサ素子及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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