JP2001311514A - 灰溶融炉を設置したボイラプラントおよび該ボイラプラントから回収した灰の処理方法 - Google Patents

灰溶融炉を設置したボイラプラントおよび該ボイラプラントから回収した灰の処理方法

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JP2001311514A
JP2001311514A JP2000128205A JP2000128205A JP2001311514A JP 2001311514 A JP2001311514 A JP 2001311514A JP 2000128205 A JP2000128205 A JP 2000128205A JP 2000128205 A JP2000128205 A JP 2000128205A JP 2001311514 A JP2001311514 A JP 2001311514A
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melting furnace
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combustion
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Hiroyuki Kako
宏行 加来
Keiji Ishii
敬二 石井
Takehiro Kobayashi
武弘 小林
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/34Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイラプラントで捕集した石炭灰を効果的に
溶融処理すると共に排ガス中の窒素酸化物を低減するこ
とができる溶融炉を提供すること。 【解決手段】 石炭を燃焼させて蒸気を発生させるボイ
ラ火炉3と、石炭燃焼に伴って発生する灰を捕集する集
塵機7を備えたボイラプラントにおいて、集塵機7で捕
集した灰を回収して燃焼及び溶融する灰溶融炉13をボ
イラプラントに別設し、灰溶融炉13には、回収した灰
とともに、灰の溶融に必要な燃料24と燃料24を燃焼
させる燃焼用空気21とが供給される灰溶融炉を設置し
たボイラプラント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に石炭等の化石
燃料を燃焼させて発電用の蒸気を発生させると共に前記
燃焼によって生じた排ガス中のNOx、SOx、石炭灰
等を除去する環境装置を有する石炭等の燃焼装置(以
下、ボイラプラントと称する)において、前記化石燃料
の燃焼に伴い多量に発生する石炭灰を回収して溶融処理
する溶融炉を設置したボイラプラントに係り、特に石炭
灰を効果的に溶融処理すると共に排ガス中の窒素酸化物
の低減に好適な溶融炉を設置したボイラプラントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】本発明は燃料として主に石炭等の化石燃
料を用いたボイラプラントを対象としているが、ここで
は石炭を燃料とするボイラプラントについて説明する。
【0003】図5は石炭を燃料とする一般的なボイラプ
ラントの系統構成図である。図示していない発電所の貯
炭場に積み置きまたはサイロ中に貯蔵されている石炭
は、図示していないコンベア等によって搬送されてボイ
ラ用石炭ホッパ1に供給される。前記石炭ホッパ1で一
旦貯蔵された石炭はボイラ3の起動に伴い石炭ホッパ1
の下部出口から切出され、図示していない給炭機を介し
てボイラ用石炭粉砕機2に供給される。前記ボイラ用石
炭粉砕機2に供給された石炭は粉砕、分級されて200
メッシュパス70%〜90%程度の粒度分布の微粉炭と
なり、ボイラ用石炭粉砕機2の出口から空気に同伴され
て給炭管を介してボイラ3の火炉壁に設置された図示し
ていない微粉炭燃焼バーナに搬送され、図示していない
ボイラ用燃焼用空気で燃焼される。
【0004】ボイラ3の火炉壁は内部を水が流通する多
数の水管とフラットバー等(図示していない)で構成さ
れており、前記水管内の水は前記燃焼による燃焼ガスと
の熱交換により熱吸収して水蒸気となる。さらに前記水
蒸気はボイラ3内の前記燃焼ガスの排出流路に設置され
た複数の伝熱管群を流通する間に高温の燃焼ガスの熱を
吸収して過熱蒸気となり、主にボイラプラント外に取り
出されて図示していない蒸気タービンに供給されて仕事
をし、タービン発電機により電気エネルギーに変換され
て利用される。
【0005】石炭の燃焼ガス中には石炭の性状や燃焼温
度に起因して発生した窒素酸化物(NOxと称する)、
硫黄酸化物(SOxと称する)、石炭灰等が含まれてお
り、これらを規定の濃度まで除去した後に煙突10から
排出する必要がある。図5に示す例では、ボイラ3出口
の排ガス流路中にはNOxに対して脱硝装置4、SOx
に対して脱硫装置8、石炭灰に対してボイラ用集塵機7
がそれぞれ設けられている。ボイラ3出口からの排ガス
は図示していないアンモニア供給装置によりアンモニア
が供給された後に前記脱硝装置4に流入する。前記脱硝
装置ではNOxが触媒の存在下でアンモニアにより還元
されて無害な窒素となる。
【0006】次に、排ガスは空気予熱器5、ガス冷却器
6を通過した後にボイラ用集塵機7に流入する。前記ボ
イラ用集塵機7では排ガスに同伴されてきた石炭灰の粒
子が除去される。前記ボイラ用集塵機7で除去される石
炭灰の粒子はフライアッシュと称される。なお、前記空
気予熱器5では排ガスが有する顕熱との熱交換によりボ
イラ用の燃焼用空気を予熱し、前記ガス冷却器6では前
記空気予熱器5出口の130℃〜160℃程度になった
排ガスをさらに80℃〜100℃まで冷却した後に前記
ボイラ用集塵機7に供給することにより排ガスの容積を
減少させると共に石炭灰の有する電気抵抗値を下げ集塵
効率を改善している。前記ボイラ用集塵機7には電気式
のもの、バグフィルター式等が有る。
【0007】前記ボイラ用集塵機7からの排ガスは前記
脱硫装置8に流入してSOxが除去される。前記脱硫装
置8には湿式、乾式等がある。前記脱硫装置8を出た排
ガスは、ガス加熱器9に流入して排ガス中に含まれる水
蒸気の飽和温度以上に加熱された後、煙突10から大気
に放出される。なお、前記ガス冷却器6と前記ガス加熱
器9とを、互いの間で熱媒体の循環による熱交換、熱輸
送を行なう一対のノンリーク型の熱交換器としているも
のもある。
【0008】以上説明したような排ガス流路に設置され
た各装置において、石炭灰はそのほとんどがボイラ用集
塵機7で捕集され下部のホッパ部から排出されるが、石
炭灰の一部はボイラ3の火炉底部(炉底と称する)やボ
イラ3の出口下部のホッパ部からも排出される。
【0009】このうち前記ボイラ用集塵機7から回収さ
れた石炭灰はフライアッシュと呼ばれ100μm以下で
大部分は10〜50μm程度の粒子であり、ボイラプラ
ントにおける石炭灰の約90%を占める。ボイラ3の炉
底から排出される灰はクリンカーアッシュと呼ばれ、ボ
イラ3の炉内で灰が溶融固化したものであり、粉砕され
て25mm以下の粒径になるが大部分は1mm〜10m
m程度の粒径範囲である。
【0010】また、ボイラ3の出口下部のホッパ部から
排出される灰はシンダアッシュと呼ばれ1mm以下の粒
径であるが大部分は0.1mm〜1mm程度の粒径範囲
である。これらの石炭灰は多量に発生するがその一部が
セメントの原料、煉瓦、瓦、土壌改良材等に有効利用さ
れているが、残りの多量の灰が埋め立て処理されている
のが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】現状では多量の石炭灰
が産業廃棄物として埋め立て処理されているが、その理
由として石炭灰の性状が均一ではないために付加価値の
高い製品として利用できないことが挙げられる。例え
ば、前記フライアッシュと称される石炭灰は略球体状の
ケイ酸組成物であるがその内部には石炭性状やボイラの
燃焼条件によって異なるが、数重量%〜20%程度の未
燃分が含まれており、該未燃分が前記性状不均一の要因
となっている。前記未燃分を低減させるのに理想的には
灰分が少なくかつ良燃焼性の、いわゆる燃えきりの良い
良質の石炭を燃料として、過剰の燃焼用空気により大型
の火炉で燃焼時間を確保しながら高温で燃焼させること
が考えられる。
【0012】しかしながら、実際には難燃性の石炭を使
わざるをえないこと、大型の火炉は設備費用が増大する
こと、高温燃焼によりNOxの発生量が増大するなどの
問題があり、未燃分を皆無にすることは現実的には難し
い。図4にボイラプラントにおける未燃分と窒素酸化物
との関係を示す。図4のグラフからも分かるように、発
生する窒素酸化物を低くすると未燃分は高くなる傾向が
ある。
【0013】一方、石炭を燃焼するボイラプラントでは
燃焼時に発生するNOxの排出量が厳しく制限されてい
る。図5において示したようにボイラプラントでは脱硝
装置4が設けられているが、燃焼時に発生するNOxを
低減することにより前記脱硝装置4の装置性能面及び運
用面での余裕度が改善できると共にアンモニアの消費量
を低減することができることから燃焼時に発生するNO
xを低減することは有効である。
【0014】燃焼時に発生するNOxには燃焼温度に起
因するサーマルNOxがある。燃焼温度を低減させて燃
焼を行なうことはNOxの発生を低減するのに有効であ
る。しかしながら、燃焼温度を低減させることは逆に未
燃分が増加することとなり燃焼性能の低下につながる。
このようにNOxの低減と未燃分の低減とは相反する結
果となる(図4を参照)。これら両方を満足させるため
には、燃焼温度の低下に伴う燃焼性能の低下を防止する
ために、少なくともボイラ火炉を大型化して燃焼時間を
確保し、大型微粉砕機により微粉炭粒度を超微粉化する
ことなどの対策が必要となるが、設備費や運転費の増大
を招くことになる。
【0015】石炭の燃焼により生成した排ガスからフラ
イアッシュを分離捕集してスラグタップ式燃焼炉に酸素
富化空気と共に供給し、前記スラグタップ式燃焼炉内で
酸素富化燃焼を行い溶融スラグを生成させる方法が特公
平8−24902号公報において開示されている。
【0016】図8に前記公報に記載されたスラグタップ
式燃焼炉を設けた灰処理系統図を示す。前記公報3頁5
欄20行目〜35行目の記載によれば、集塵機10で回
収したフライアッシュは空気またはダクトからの排ガス
またはライン22からの酸素富化空気などにより気流搬
送されてフライアッシュライン16を経てスラグタップ
式燃焼炉17に送られ、フライアッシュの未燃炭素分が
スラグタップ燃焼に十分な場合には(補助燃料なしの)
単独で、不充分な場合にはライン18からの微粉炭等の
補助燃料と予混合されて、スラグタップ式燃焼炉17へ
噴射投入され、ライン22を通して送られて噴射された
酸素富化空気によって高温燃焼される、旨の記載があ
る。
【0017】しかしながら、前記公報に開示された処理
方法においては、石炭灰の燃焼および溶融を酸素富化空
気による酸素富化燃焼により行なうものであるが、石炭
性状の変動に伴う石炭灰の融点の変動や石炭灰量の変動
時に対応して、溶融炉の雰囲気温度または溶融灰の温度
を調整するための手段として酸素富化空気量の調整しか
有しておらず、このため酸素富化空気量の供給量の変動
に伴って燃焼および溶融が不安定になる点が考慮されて
いなかった。
【0018】そして、前記公報においては、フライアッ
シュを気流搬送する際に空気等を使用することが記載さ
れているが、ここで使用される空気等は搬送する石炭灰
の重量や詰まり防止、配管の摩耗防止、配管を通過する
際の圧損、炉内への噴射を考慮し、流速を押さえ、高圧
化されたものである。また、石炭灰の搬送用空気の温度
は石炭灰中の未燃分が搬送用の配管の中で燃焼する危険
があるため100℃以下に抑えられている。これとは逆
に、燃焼用空気は極力高温化し燃焼の安定化と石炭灰の
溶融に寄与することが有効である。そのため通常、搬送
用空気量は燃焼に必要な空気量に対して10%以下が望
ましく、搬送用空気としての気体としての目的は達成で
きるが燃焼用としては寄与することができない。
【0019】本発明の目的は、ボイラプラントで捕集し
た石炭灰を効果的に溶融処理すると共に排ガス中の窒素
酸化物を低減することができる溶融炉をボイラプラント
に別設することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0021】燃料として主に石炭を燃焼させて蒸気を発
生させるボイラ火炉と、石炭燃焼に伴って発生する灰を
捕集する手段を備えたボイラプラントにおいて、前記捕
集した灰を回収して燃焼および溶融する灰溶融炉を前記
ボイラプラントに別設し、前記回収した灰とともに、前
記灰の燃焼および溶融に必要な燃料と直接加熱手段によ
り加熱された後の空気とが、前記灰溶融炉に供給される
灰溶融炉を設置したボイラプラント。
【0022】また、燃料として主に石炭を燃焼させて蒸
気を発生させるボイラ火炉と、石炭燃焼に伴って発生す
る灰を捕集する手段を備えたボイラプラントにおいて、
前記捕集した灰を回収して燃焼および溶融する灰溶融炉
を前記ボイラプラントに別設し、前記回収した灰ととも
に、前記灰の燃焼および溶融に必要な燃料と、空気およ
び酸素、または空気および酸素富化空気とが、前記灰溶
融炉に供給される灰溶融炉を備えたボイラプラント。
【0023】また、燃料として主に石炭を燃焼させて蒸
気を発生させるとともに石炭燃焼に伴って発生する灰を
捕集する設備を備えたボイラプラントから回収した灰の
処理方法において、前記ボイラプラントに別設した灰溶
融炉に前記回収した灰を搬送用空気で供給し、前記灰溶
融炉内の雰囲気温度を高温にするのに必要な燃料と空気
とを前記灰溶融炉に供給し、さらに前記空気は直接加熱
する手段により加熱された後の空気とするか、または前
記直接加熱手段に代えて前記空気とは別に酸素または酸
素富化空気を供給して前記灰を燃焼および溶融する回収
灰の処理方法。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る灰溶融炉
を設置したボイラプラントおよび前記ボイラプラントお
よび前記ボイラプラントから回収した灰の処理方法につ
いて図面を用いて以下説明する。まず最初に、本発明の
機能乃至作用を詳述する。
【0025】石炭灰をボイラプラントと別置きの灰溶融
炉に供給して燃焼させて溶融スラグにする際に、石炭性
状の変動に伴い石炭灰の融点が例えば1000℃〜15
00℃以上に変動する。さらに石炭性状の変動やボイラ
の負荷変化に伴い石炭灰の捕集量が大きく変動する。こ
のような石炭灰を回収して別置きの灰溶融炉に搬送して
燃焼、溶融させるのに、搬送されてきた石炭灰の量とは
独立して供給できる発熱源としての石炭等の燃料を、前
記燃料と同様に独立して供給できる前記燃料の燃焼用空
気とを共に溶融炉に供給して前記燃料を燃焼させること
で燃焼状態を安定させた上で、換言すれば石炭溶融炉内
のベースとなる雰囲気温度を確保した上で、さらに石炭
灰の溶融に必要なだけの前記燃料等の供給量の調整を行
なうことにより石炭灰を確実に溶融させることができ
る。前記燃焼用空気としては、大気から吸引した空気を
目標の温度に加熱して使用する。
【0026】すなわち、石炭灰の融点が変動したときに
は、前記燃焼用空気を溶融炉に供給するよりも上流側で
目標の温度に調整した後に燃料と共に溶融炉に供給する
ことで灰の融点の変動に対応できる。例えば融点が上昇
したときには燃焼用空気を加熱して燃料とともに溶融炉
に供給することにより、より高温度の雰囲気温度を確保
することができる。また石炭灰の供給量と融点の変動が
同時に生じた場合にも前記燃焼用空気量および燃料量は
石炭灰の供給量とは独立して制御できることと燃焼用空
気を溶融炉に供給するよりも上流側で加熱することで両
方の変動にも対応できる。例えば石炭灰の供給量が増大
すると共に融点が上昇した場合には燃焼用空気量および
燃料量を増加させるとともに燃焼用空気を加熱すること
で対応できる。
【0027】このとき石炭灰の融点は褐炭では1100
℃〜1300℃と比較的低いが、ボイラプラントに一般
的に使用されるのは瀝青炭であり、その融点は1500
℃を越えるものもあり比較的高い。さらに溶融炉の燃料
として石炭や油等を用いても高温の雰囲気温度を維持す
ることが難しく溶融スラグの粘度を流下させるのに十分
な粘度に低減できないものもある。従って、そのような
場合には灰溶融炉に供給する燃料を空気不足の状態で還
元燃焼させ、燃焼によって生じた未燃分を灰溶融炉の排
ガス出口に至るまでの間に残りの空気をトータルで過剰
になるように段階的に投入し燃焼させるようにする。こ
のような空気の投入を行うことで還元燃焼によって生じ
た未燃分を減少できる。還元燃焼を行なうことによりN
Oxの発生量も抑えることができるとともに、灰の融点
が酸化燃焼の場合に比べて50℃〜100℃程度低下す
るので空気の加熱を容易にできるので効果的である。な
お、前記空気の加熱はバーナや電気炉等により直接加熱
することで行なうが、ボイラプラントでは電気が使用で
きるので電気炉を使用して行なうことが有効である。
【0028】さらに燃焼用空気は灰溶融炉からの排ガス
との熱交換により予熱することが有効である。この場
合、本発明では灰溶融炉からの排ガスの熱量を最大限利
用するために灰溶融炉からの排ガス流路にガス冷却器等
の排ガスの減温手段を設けずに空気の予熱器に投入し排
ガスの熱量の吸収を行なわせる。このとき前記予熱器に
使用される伝熱管の材料は耐熱材料が必要となるが、予
熱器の後流側で空気を加熱するための電気炉等の直接加
熱手段の負荷を低減するのに有効である。前記予熱器は
気体(排ガス)と気体(空気)との熱交換であり、予熱
器出口の空気温度を上昇させるための伝熱面積の増加に
は限度があり、予熱器では空気を予熱するのみであり前
記目標とする温度まで上昇させるには電気炉等の空気を
直接加熱する手段が必要である。
【0029】また、本発明の他の実施形態においては、
灰溶融炉に燃焼用空気および燃料を供給すると共に、酸
素または酸素富化空気を前記燃焼用空気とは別に灰溶融
炉に供給するものも含まれる。この実施形態において
も、安定化燃焼のために供給されるのはあくまでも燃焼
用空気と燃料であり、酸素または酸素富化空気は灰の融
点が変動した場合の調整用に使用される。例えば、灰の
融点が上昇した場合には酸素または酸素富化空気を供給
して灰の燃焼、溶融温度を確保する。
【0030】この実施形態において酸素又は酸素富化空
気は酸素の濃度が高いため、伝熱管の酸化による劣化が
大となり予熱器が使用できない。従って、この実施形態
のように空気を予熱する際に、灰溶融炉からの排ガスを
冷却しないまま予熱器での熱交換に使用することで空気
を極力高温化でき酸素又は酸素富化空気の使用量を低減
できるので経済性が高くなる。また、石炭の搬送用空気
は可燃物である石炭と供給するため高温化できない。従
って、搬送用空気は燃焼温度を低下させることになるた
め極力使用量を減らす必要がある。
【0031】以上説明したように、安定化燃焼のために
供給されるのはあくまでも燃焼用空気と燃料であること
から、該燃焼用空気と燃料の灰溶融炉への投入部は石炭
灰の炉への投入部の近傍に設けられ、これに対して前記
酸素または酸素富化空気の灰溶融炉への投入部は前記燃
料と燃焼用空気の投入部より離間して設けられる。
【0032】また、灰の溶融炉への投入部は、灰溶融炉
への燃料と燃焼用空気の投入部、すなわちバーナの高さ
位置を基準とした場合、バーナの近傍であればよく前記
バーナの上に設けても下に設けてもよい。要するに、灰
が投入された後に溶融スラグとなって炉壁に沿って旋回
しながら流下する方向となればどこでも構わない。
【0033】また、前記燃焼用空気を上流側で加熱する
手段と前記酸素または酸素富化空気を供給する手段との
両方を設け、灰の融点が大幅に上昇した時などに前記燃
焼用空気の加熱では対応できない場合に前記酸素または
酸素富化空気を併給することもでき、これも本発明の他
の実施形態に含まれる。ここで、前記灰溶融炉用の燃料
は、石炭等の固体燃料でも重油等の液体燃料でもよい
が、石炭を主燃料としたボイラプラントの場合には燃料
の貯蔵、供給設備等が既に設置されている等の関係で石
炭を使用することが望ましい。
【0034】次に、本発明の実施形態を図1〜図3を用
いて説明する。図1は本発明の実施形態に係る灰溶融炉
を設置したボイラプラントの系統構成図であり、図2は
本発明の実施形態に係る灰溶融炉を中心とした構成を示
す図である。
【0035】図1において、従来技術として説明した図
5と重複するものは冗長になるのを防ぐためここで記述
しないがその説明は援用する。ボイラ用集塵機7から回
収した石炭灰は気流搬送、機械輸送、重力による搬送に
より灰ホッパ11に供給される。図1ではボイラ用集塵
機7から回収した石炭灰の搬送系統しか示していない
が、ボイラ3出口やボイラ3火炉底部から回収した石炭
灰を搬送する系統を有するものも本実施形態に含まれ
る。前記灰ホッパ11に供給された石炭灰は搬送用空気
の流路22に切り出され、搬送用空気に同伴して溶融炉
13に供給される。
【0036】また、石炭等の燃料が灰溶融炉用石炭粉砕
機12に供給され、微粉砕されて微粉炭となり灰溶融炉
13に搬送用空気により供給され、燃焼用空気流路21
から供給される燃焼用空気により燃焼されて高温の燃焼
ガスとなる。前記燃焼用空気は灰溶融炉13からの排ガ
ス23により予熱されているが、さらに灰融点により必
要に応じて加熱手段19(図2を参照)により加熱され
た後に灰溶融炉13に供給される。前記構成により灰溶
融炉13内の雰囲気温度を供給される石炭灰の融点以上
に維持することにより石炭灰を安定して燃焼、溶融させ
ることができる。
【0037】灰溶融炉13から排出された高温の排ガス
23は前記したように燃焼用空気を予熱し、前記排ガス
に同伴して排出された石炭灰を溶融炉用集塵機15によ
り除去した後に、排ガス中の石炭焚きボイラ3からの排
ガス流路の任意の場所に戻される。ここで、前記任意の
場所とは、排ガス23中に含まれるNOx量がボイラプ
ラントからの排ガス中のNOxよりも高ければ少なくと
も脱硝装置4の上流側であり、低ければ脱硝装置4の負
荷を低減するために前記脱硝装置4の後流側(ただしガ
ス加熱器9の上流側)が選択できる。ここで、前記灰溶
融炉13からの排ガスは燃焼用空気を予熱した後も余裕
の熱量がある場合には、水との熱交換により蒸気にして
蒸気の利用系に供給する系統を設けてもよい。
【0038】図2により灰溶融炉を中心に本発明の実施
形態を説明する。図示していないボイラプラントの各部
から搬送されてきた石炭灰は灰ホッパ11に一旦貯蔵さ
れる。灰溶融炉の起動と共に該記灰ホッパ11から搬送
用空気の流路22に切り出された石炭灰は気流搬送によ
り灰溶融炉13に供給される。また、ボイラ用石炭粉砕
機2(図1参照)と同様に、発電所の貯炭場に積み置き
またはサイロ中に貯蔵された石炭が、図示していないコ
ンベア等によって搬送され灰溶融炉用石炭ホッパ17に
供給されて前記ホッパ17で一旦貯蔵された石炭は灰溶
融炉13の起動に伴い灰溶融炉用ホッパ17の下部出口
から切出され図示していない給炭機を介して灰溶融炉用
石炭粉砕機12に供給される。
【0039】前記灰溶融炉用石炭粉砕機12に供給され
た石炭は粉砕、分級されて微粉炭となり、灰溶融炉用石
炭粉砕機12の出口から搬送用空気に同伴されて給炭管
24を介して灰溶融炉13の壁に設置された灰溶融炉用
バーナ16に搬送され、燃焼用空気により燃焼される。
【0040】また、前記燃焼用空気が灰溶融炉13から
の排ガス23との熱交換により予熱された後、燃焼用空
気流路21から前記灰溶融炉用バーナ16に供給されて
前記石炭を燃焼し灰溶融炉13内を高温雰囲気に維持す
る。この高温雰囲気中に前記石炭灰を供給することにな
る。
【0041】石炭灰は灰溶融炉内で燃焼、溶融されてス
ラグ(以下、溶融した灰を溶融スラグと称することにす
る)となり流下して灰溶融炉の下部に設けられた溶融ス
ラグ溜め25に排出される。前記石炭および石炭灰は灰
溶融炉13の内壁に沿って旋回するように供給され、石
炭灰は燃焼ガスの出口への流れとは分離して内壁に沿っ
て燃焼されて流下しさらに内壁上で溶融しスラグとなっ
て前記溶融スラグ溜め25に排出される。なお、図示し
ていないが前記溶融スラグ溜め25からは一次製品スラ
グとなって外部に搬送される。
【0042】ボイラプラントにおいては各種の燃料を燃
焼するが、石炭においても渇炭、亜瀝青炭、瀝青炭等な
ど各種石炭を燃焼する。石炭の種類により灰の融点も大
きく異なる。融点が高い石炭灰が供給された場合には燃
焼用空気流路21に加熱手段19を設けることで燃焼用
空気の温度を高めることができるので石炭灰を溶融でき
灰溶融炉内を流下させることができる。前記加熱手段1
9としては排ガスや蒸気等により間接的に加熱するもの
は昇温効率や即応性の面で実用的でないため、電気炉や
バーナ等による直接的に加熱するものが望ましく、特に
ボイラは発電設備であり電気の供給は容易であることか
ら電気炉とすることが望ましい。
【0043】前記バーナ16に供給する燃焼用空気は石
炭の供給量に対して空気比が1未満(例えば0.8〜
0.9)で供給して還元燃焼させる。還元燃焼により低
NOx燃焼が可能になるとともに、酸化雰囲気での燃焼
と比較して灰の融点を低減させることができるので、燃
焼用空気の温度を低減できるメリットがある。ただし、
このとき石炭の燃焼に伴う未燃分が増加するので前記バ
ーナ16の燃焼により生じた燃焼ガスの後流側に完全燃
焼に必要な残りの空気を混合効率を考慮して過剰に(例
えばトータルで1.3〜1.5となるように)段階的に
供給することで、未燃分を減少させることができる。
【0044】石炭灰を灰溶融炉で溶融する場合、石炭灰
の融点の違いにより溶融スラグの粘性が変り流動性が変
化する。融点が高い石炭灰が供給された場合には溶融ス
ラグの粘度が上がり流下を阻害するため、融点が最も高
い石炭灰を想定しておき運転すれば問題はないが、加熱
に要するユーティリティーの増大や炉材の耐久性の問題
等があり経済的ではない。同一の石炭種を恒常的に使用
できるのであれば、事前に試験等により石炭灰の融点に
関する性状を把握した運用を行なうことができるが、産
地が同じでも採掘時期や層が異なれば石炭性状、ひいて
は石炭灰の融点に関する性状が異なるため、これを事前
に把握しておくことは実際的ではない。また灰溶融炉1
3の運転中は石炭灰の融点の変化を連続的に計測するこ
とができない。この対策として、溶融スラグの粘性の変
化に着目して溶融炉に画像解析装置を設け、溶融スラグ
石炭灰の流下時の形状を画像解析することにより検知す
ることができる。
【0045】すなわち溶融スラグの粘度が増加し流動性
が悪くなると流下速度が遅くなり流下している溶融スラ
グの幅が大きくなる。この状態を画像解析装置により検
知して前記加熱手段19により燃焼用空気の加熱温度を
高くする。前記画像解析装置に代えて高温粘度計を用い
て溶融スラグの粘度を直接的に(炉外に引出すものも含
む)計測することにより前記加熱手段を制御してもよ
い。
【0046】ここで、図2の例では灰溶融炉13からの
排ガスを灰溶融炉の上部から抜出すものを示したが、下
部の溶融スラグ溜め25から抜出しても構わない。溶融
スラグが流下するにつれて冷却されることで硫化するの
を防止するためには下部から抜出す方法が溶融スラグの
冷却を防止する上で有効である。
【0047】次に、本発明の他の実施形態を図3に示
す。本発明の実施形態として説明した図2と重複するも
のは冗長になるのを防ぐためここで記述しないがその説
明は援用する。
【0048】図3が図2とその構成上異なるのは、燃焼
用空気流路21に加熱手段19を設ける代わりに、空気
から酸素を分離する酸素分離器18を備えた酸素富化空
気流路26を設け灰溶融炉13に供給したことである。
前記酸素分離器18は例えば圧力スイング吸着法による
酸素濃縮装置等であり、空気中の酸素を濃縮するもので
あるが、本実施形態においては酸素ボンベ等からの酸素
でも構わない。石炭灰の融点が低いときには酸素の供給
は必要としないが、融点が高いものが供給された場合に
は酸素を供給することになる。この酸素または酸素富化
空気量の制御は前記実施形態で述べた溶融スラグの粘度
を検出する方法が採用される。
【0049】ここで、特に注意すべきは酸素または酸素
富化空気を燃焼用空気と混合して供給すると酸素の供給
量の変化に伴い石炭の燃焼が不安定になることである。
酸素または酸素富化空気は燃焼用空気とは別に炉内に供
給する必要がある。図3において、バーナ16から石炭
と前記石炭の燃焼用空気が灰溶融炉内に供給され燃焼ガ
スが発生する。前記燃焼においては燃焼性が良い揮発分
から燃焼し燃焼性が悪い炭素分が残る。前記炭素分と石
炭灰中の未燃分を燃焼用空気による燃焼が経過し燃焼ガ
スにより高温化した領域に集中的に酸素または酸素富化
空気を供給することで溶融温度以上に高温化し前記炭素
分と前記未燃分とを燃焼させるとともに灰を溶融する。
【0050】図3の実施形態では、灰溶融炉内の温度を
高温化するための基礎となる温度上昇は燃焼用空気で行
い、それに加温するための燃焼を酸素または酸素富化空
気で行なうことから、石炭の種類、性状の変動に伴う石
炭灰の融点の変化を考慮して、石炭の燃焼を完全燃焼に
必要な空気量の8〜9割の空気量の燃焼用空気を供給す
ることで行い、1200℃〜1400℃の高温を維持し
ておき、後流側の石炭灰が溶融して流下する側に酸素ま
たは酸素富化空気を供給する。このとき酸素または酸素
富化空気を融点の最も高い灰に合わせて十分に供給する
ことで灰の融点の変化にかかわらずに画一的に高温(例
えば1800℃)を得て溶融させる方法も行なうことが
できる。ただし、融点に応じて燃焼用空気、酸素または
酸素富化空気量を調整する方法が炉材の耐久性、経済性
の点で望ましい。
【0051】次に、本発明の実施形態に係る灰溶融炉1
3としてスラグタップ方式とサイクロン方式が考えられ
る。いずれも褐炭など融点が低い灰を含む石炭灰を燃焼
するのに用いられている。スラグタップ方式の灰溶融炉
を図6に示す。スラグタップ方式では灰溶融炉13の上
部にバーナ30が取り付けられている。石炭灰を溶融す
る場合にはこのバーナ30に石炭灰と灰溶融炉を高温雰
囲気にするための手段、すなわち本発明でいえば石炭等
の燃料と該燃料の燃焼用空気、を供給することになる。
灰溶融炉内では石炭が燃焼すると同時に灰が溶融し一部
は溶融炉の炉底に落下し残りは高温の燃焼排ガスと共に
伝熱管で構成されたスクリーン31を通り反転して熱回
収部32に入る。前記スクリーン31で排ガスが冷却さ
れるためスクリーン31出口において溶融した灰は冷却
され固体のスラグになり熱回収部32の後続に設置され
ている図示していない電機集塵機で捕集され回収するこ
とになる。
【0052】溶融したスラグは灰溶融炉13の図示して
いない炉底の反転部で慣性力により炉底に一部落下する
ことになるが、スラグの粒径が20〜40μm程度と小
さくスラグタップ方式は旋回力が弱いため炉底に落下し
て回収されるスラグは全体の50〜60%程度であり、
灰溶融灰の回収率が低く採用できない。
【0053】本発明の実施形態で採用する灰溶融炉は、
前記スラグタップ方式ではなくサイクロン方式のもので
ある。図7にサイクロン方式の灰溶融炉13の断面平面
図を示す。図7では、灰溶融炉の高温雰囲気をさらに灰
の融点に応じた温度にするための手段として、酸素また
は酸素富化空気を使用した場合の例を示す。石炭灰、石
炭および燃焼用空気、酸素または酸素富化空気を円筒型
の炉壁に沿って供給し、バーナ16の近傍から供給され
た石炭灰をバーナ16に供給された石炭および燃焼用空
気により燃焼させた燃焼ガスで燃焼、溶融させると同時
に灰溶融炉13の炉壁に沿った旋回流を形成させる。
【0054】旋回流が形成されると強い慣性力により細
かい石炭灰の粒子は壁面に集められ、壁面上を旋回しな
がら溶融し流れることになる。融点が高い灰を溶融させ
る場合は溶融炉の内部をさらなる高温条件に維持しなけ
ればならないが局部的な高温は炉材を溶融焼損させるた
め避けなければならない。図7においては石炭灰は石炭
灰供給管によりバーナ16近傍に供給され、前記バーナ
16には石炭がバーナ16の中心部に設けた石炭供給管
より供給されると共に、燃焼用空気が前記石炭供給管の
外周より供給される。灰溶融炉内で形成される火炎は対
峙する炉壁に衝突すると炉壁が高温になり焼損すること
になり、また短炎にすると石炭灰が不十分に溶融し前記
炉壁に到達しないことになる。
【0055】そこで炉壁に火炎が到達する直前で該火炎
が消滅するような燃焼条件とすることが望ましく、その
ためには高温条件を安定して維持できるとともに、石炭
灰の融点の変動に対応できるようにした、図7に示す本
発明の構成が効果的である。すなわち、融点が1500
℃の石炭灰を溶融させるためには1700℃程度の雰囲
気温度が必要になり、炉材の損傷防止の観点からは炉材
表面温度は2000℃以下にすることが望ましいが、例
えば、比較例として前記バーナ16に酸素または酸素富
化空気を石炭灰供給管の外周から供給して燃焼する方法
を想定すると生成する火炎は3000℃以上の高温にな
ってしまう。このとき石炭灰中の未燃分の量は炭種によ
り変化しており、未燃分が多いものは火炎の長さが長く
なり、逆に未燃分の少ないものは短くなるなど、火炎の
長さを調整することが困難となり炉壁の損傷を防止する
ことが難しくなる。また、石炭灰の融点に合わせて酸素
の富化割合を調整することになるが、これにより火炎の
長さが変化してしまう課題がある。
【0056】これに対して、本発明では、燃焼用空気を
空気不足の条件下でバーナ16に供給して燃焼させ火炎
温度を2000℃程度と前記酸素又は酸素富化空気を供
給した場合に比べてかなり低い温度に維持する。空気不
足の状態で燃焼すると空気中に含まれる空気の量に見合
った燃料だけが燃焼するため石炭灰中の未燃分の量には
影響されない。さらに窒素酸化物の発生量も低く押さえ
ることができる。
【0057】図7に示すようにバーナでの燃焼用空気に
よる石炭の燃焼後、灰を供給し、さらに酸素に富むガス
を逐次供給することにより局部的な高温領域を無くし灰
溶融炉内を安定した高温条件とし、融点の高い石炭灰を
溶融すると共に炉材の損傷を防止することができる。
【0058】図7に示す実施形態の他に灰を周方向以外
にも、高さ方向でバーナ近傍の上方や下方に供給しても
図7と同様の作用を奏することができる。また、図7で
は石炭を石炭供給管から供給しているが、バーナ内で燃
焼用空気と混合して、石炭(微粉炭)と空気との混合流
体としたものを供給しても良い。なお、さらに図7の石
炭供給管を灰供給管として灰を中心に供給しその外周に
燃焼用空気を供給するバーナとして石炭をバーナ近傍に
供給することも考えられるが、灰の未燃分が高ければ良
いが、数%と低い場合には燃焼性を阻害することになる
ため好ましくない。
【0059】このように灰溶融炉としてサイクロン方式
を採用した場合、石炭と未燃分を含む石炭灰が炉内で燃
焼排ガスから分離して炉壁近傍に集められたところに集
中的に後流側で(図7でバーナ16近傍での燃焼領域か
ら旋回流に沿ってその後流側で)酸素または酸素に富む
ガスを供給することにより効果的な燃焼ができ、また、
雰囲気温度に比べ約100℃から200℃程度高い溶融
温度を得ることができるため灰を安定して溶融させるこ
とができる。
【0060】なお、石炭灰の成分はシリカ、アルミナ、
炭酸カルシューム、炭酸マグネシュ―ム、鉄および微量
のアルカリ金属の混合物であり、最初の溶融には多少高
温が必要となるが、一旦溶融し固相反応が起こり化合物
になると、約100℃から200℃程度融点が下がり容
易に流下することができる。
【0061】
【発明の効果】石炭等を燃料とするボイラプラントにお
いて石炭灰の一部はセメント等に有効利用されている
が、残りの大部分が埋め立て処理されている。石炭灰は
有効利用することが望ましく、石炭灰を溶融処理するこ
とで例えば路盤材や川砂代替材として再利用可能な材料
にすることができる。
【0062】本発明のようなボイラプラントとは別置き
の灰溶融炉を設置することは、ボイラプラント毎の処理
量が異なること、立地条件により利用形態が異なること
等から有効である。必要に応じた小型の溶融炉を設置す
れば設備費が低減できるメリットがある。また、ボイラ
での燃焼において今までは未燃分を考慮した低NOx運
転しか行なえなかったが、灰溶融炉で未燃分を焼却、溶
融することができるので、低NOx運転条件の余裕度が
改善できる。
【0063】その中でも、本発明によれば、ボイラプラ
ントの運転中に石炭灰の融点が変化した場合にも、融点
に合わせて溶融炉内の雰囲気温度の調整を容易にしかも
安定して行なうことができるので、溶融炉等の設備の耐
久性、運転に伴う経済性の点で大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る灰溶融炉を設置したボ
イラプラントの系統構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る灰溶融炉を中心とした
構成を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る灰溶融炉を中心と
した構成を示す図である。
【図4】ボイラプラントにおける未燃分と窒素酸化物と
の関係を示す図である。
【図5】石炭を燃料とする一般的なボイラプラントの系
統構成図である。
【図6】スラグタップ方式の灰溶融炉の主要部を示す図
である。
【図7】サイクロン方式の灰溶融炉の主要部を示す図で
ある。
【図8】従来技術の灰溶融炉を設置したボイラプラント
の系統図である。
【符号の説明】
1 ボイラ用石炭ホッパ 2 ボイラ用石炭粉砕機 3 ボイラ火炉 4 脱硝装置 7 ボイラ用集塵機 8 脱硫装置 10 煙突 11 灰ホッパ 12 溶融炉用石炭粉砕機 13 溶融炉 14 加熱器 15 溶融炉用集塵機 16 バーナ 18 酸素分離器 19 加熱手段 21 燃焼用空気流路 22 搬送用空気流路 23 灰溶融炉排ガス 24 給炭管 26 酸素富化空気流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/50 ZAB F23G 7/00 ZAB 7/00 ZAB 103Z 103 B09B 3/00 303L (72)発明者 小林 武弘 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉事業所内 Fターム(参考) 3K061 AA23 AB03 AC03 AC19 BA05 BA10 CA08 DA12 DA18 DA19 DB16 GA05 LA03 LA08 NB03 3K062 AA23 AB03 AC03 AC19 BA02 CB03 DA40 DB05 DB30 3K065 AA23 AB03 AC03 AC19 BA05 BA10 JA05 JA13 JA15 4D004 AA36 AA37 AC04 AC07 BA02 CA28 CA29 CB02 CB32 CB34 CB47 CC01 CC02 CC15 DA01 DA02 DA06 DA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料として主に石炭を燃焼させて蒸気を
    発生させるボイラ火炉と、石炭燃焼に伴って発生する灰
    を捕集する手段を備えたボイラプラントにおいて、 前記捕集した灰を回収して燃焼および溶融する灰溶融炉
    を前記ボイラプラントに別設し、 前記回収した灰とともに、前記灰の燃焼および溶融に必
    要な燃料と直接加熱手段により加熱された後の空気と
    が、前記灰溶融炉に供給されることを特徴とする灰溶融
    炉を設置したボイラプラント。
  2. 【請求項2】 燃料として主に石炭を燃焼させて蒸気を
    発生させるボイラ火炉と、石炭燃焼に伴って発生する灰
    を捕集する手段を備えたボイラプラントにおいて、 前記捕集した灰を回収して燃焼および溶融する灰溶融炉
    を前記ボイラプラントに別設し、 前記回収した灰とともに、前記灰の燃焼および溶融に必
    要な燃料と、空気および酸素、または空気および酸素富
    化空気とが、前記灰溶融炉に供給されることを特徴とす
    る灰溶融炉を備えたボイラプラント。
  3. 【請求項3】 燃料として主に石炭を燃焼させて蒸気を
    発生させるとともに石炭燃焼に伴って発生する灰を捕集
    する設備を備えたボイラプラントから回収した灰の処理
    方法において、 前記ボイラプラントに別設した灰溶融炉に前記回収した
    灰を搬送用空気で供給し、 前記灰溶融炉内の雰囲気温度を高温にするのに必要な燃
    料と空気とを前記灰溶融炉に供給し、さらに前記空気は
    直接加熱する手段により加熱された後の空気とするか、
    または前記直接加熱手段に代えて前記空気とは別に酸素
    または酸素富化空気を供給して前記灰を燃焼および溶融
    することを特徴とする回収灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の回収灰の処理方法にお
    いて、 前記灰溶融炉内の雰囲気温度または溶融した石炭灰の流
    下形状または溶融灰の粘度を計測し、該形状または計測
    値に応じて前記燃焼用空気による加熱を制御するかまた
    は前記酸素または酸素富化空気の供給量を制御すること
    を特徴とする回収灰の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の灰溶融炉を設
    置したボイラプラントにおいて、 前記灰溶融炉からの排ガスの流路に前記排ガスの熱量で
    前記灰溶融炉に供給する空気を予熱する予熱器を設け、
    前記予熱器に供給する排ガスは冷却装置を介していない
    排ガスとしたことを特徴とする灰溶融炉を設置したボイ
    ラプラント。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014149148A (ja) * 2014-03-10 2014-08-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水銀除去システム及び水銀含有高温排ガスの水銀除去方法
CN108592634A (zh) * 2018-04-10 2018-09-28 华电电力科学研究院有限公司 一种固硫灰旋风炉熔融及烟气余热发电一体化系统及方法

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