JP2001311154A - 植生ネット及び植生袋 - Google Patents

植生ネット及び植生袋

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JP2001311154A
JP2001311154A JP2000131296A JP2000131296A JP2001311154A JP 2001311154 A JP2001311154 A JP 2001311154A JP 2000131296 A JP2000131296 A JP 2000131296A JP 2000131296 A JP2000131296 A JP 2000131296A JP 2001311154 A JP2001311154 A JP 2001311154A
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vegetation
weft
warp
vegetation net
net
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JP2000131296A
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Inventor
Kenichi Horikawa
健一 堀川
Takeaki Hagiwara
武明 萩原
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Yasui Corp
Original Assignee
Yasui Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物の成長を妨げることなく、法面の崩落を
防止できる安価な植生ネット及び植生袋を提供する。 【解決手段】 植生ネット1は、土壌への同質化速度の
異なる緯糸5と経糸6とから編み込む。緯糸5の土壌へ
の同質化速度は、経糸6のそれよりも早く、植物の成長
とともに緯糸5が溶解して網の目が拡大するように形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緯糸と経糸とによ
り編み込まれた植生ネット及び植生袋に関し、主に道路
工事や宅地造成などにより生じる法面などを保護・緑化
するために使用される植生ネット及び植生袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、法面の保護又は緑化工事を行う際
には、植生ネットや植生袋が使用される。この植生ネッ
トや植生袋の素材としては、ポリエチレンやポリプロピ
レンなどの合成高分子繊維が通常用いられている。この
ような合成高分子繊維は強度が高く、法面を保護する役
割を十分に果たすことができる。
【0003】ところが、この合成高分子繊維は雨水に濡
れても溶けず、自然界での分解性に乏しいという難点が
ある。このため、植生ネット等が法面の上にそのまま半
永久的に残ることとなる。その結果、法面上に残った植
生ネット等によって植物の成長が抑制されるとともに、
植物が十分成長するまでの間、法面の景観を損なわせ、
逆に環境緑化を阻害しかねない状況を招いている。
【0004】本来、植生ネット等に要求されていること
は、植物の成長を妨げることなく、植物が十分根を張っ
て法面の崩落を防止することである。つまり、植物が十
分に根付くまで植生ネット等により法面を保護し、その
後に植生ネット等が土壌と同質化することが要請され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この要請を満たすた
め、微生物によって分解される生分解性樹脂繊維を用い
て、植生ネットや植生袋を作る技術が種々提案されてい
る(例えば、特開平11−61826号、特開平11−
280074号、特開平11−323940号公報所
載)。しかしながら、植生ネット等の素材として生分解
性樹脂繊維を用いた場合、生分解性樹脂繊維の強度が比
較的小さいため、植生ネット等の網の目を細かく形成す
る必要がある。また生分解性樹脂繊維は、分解するのに
少なくとも2〜3年以上を要するものが多いことから、
植物の成長を長く抑制することが懸念されている。さら
に、植生ネット等の土木資材には低いコストが要求され
るが、生分解性樹脂繊維は高価であるためコスト的に実
用化し難く、未だ一般に広く普及していない現状にあ
る。
【0006】本発明は上記のような従来の課題に鑑み、
植物の成長を妨げることなく、植物の根が張るまでの間
法面の崩落を確実に防止でき、かつ実用化が容易な植生
ネット及び植生袋を安価に提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明の植生ネ
ット及び植生袋は、土壌への同質化速度が互いに異なる
緯糸と経糸とにより編み込まれ、緯糸の同質化速度は、
経糸の同質化速度よりも早いことを特徴とする。
【0008】緯糸は、有機質系の腐蝕性物質、あるいは
けん化度90〜100%のポリ酢酸ビニル樹脂からなる
繊維を用いて形成できる。ここで、けん化度とは、ポリ
酢酸ビニルをけん化(加水分解)して得られる水酸基の
モルパーセント(mol%)と定義する。また、経糸
は、けん化度90%未満のポリ酢酸ビニル樹脂、あるい
は脂肪族ポリエステル樹脂からなる繊維を用いて形成で
きる。そして、本発明の植生ネットを袋状に形成するこ
とで、法面を保護・緑化するための植生袋を得ることが
できる。
【0009】本発明の技術手段は、土壌への同質化速度
(自然状態で土壌と同質化するのに必要な期間の指標と
なる値)の異なる少なくとも2種類の繊維を採用し、こ
れら繊維を緯糸と経糸とに使い分けたことを要旨とす
る。さらにいうと、緯糸に用いる繊維の同質化速度は、
経糸に用いる繊維のそれに比べて早いものとする。同質
化速度の早い緯糸用繊維の素材としては、例えばけん化
度90%以上のポリ酢酸ビニル樹脂(けん化度100%
のけん化物を含む。)、麻、綿などのセルロース系繊維
ならびに毛糸などの有機質系腐蝕性繊維などが挙げられ
る。これら樹脂繊維を素材とした緯糸の同質化速度、即
ち土壌への同質化に要する期間は、植生ネット等が設置
される法面の土壌水分、酸性度及びアルカリ性度、温度
などの条件によっても異なるが、ほぼ3年以内、好まし
くは2年以内とする。この期間内に緯糸が自然界で完全
に溶解または加水分解することで、土壌中で自然に腐蝕
し同質化するものである。
【0010】一方、緯糸に比し同質化速度の遅い経糸用
繊維の素材としては、例えばけん化度90%未満の繊維
(けん化度0%の繊維を含む。)、例えば、けん化度9
0%未満のポリ酢酸ビニル樹脂、ポリブチレンアジベー
ト、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステ
ルが挙げられる。これらの樹脂繊維を素材とした経糸の
土壌への同質化に要する期間は、同時に使用した緯糸よ
りも遅く、好ましくは3年超から5年以内とする。この
期間内に経糸が自然界で完全に溶解または加水分解する
ことで、土壌中で自然に腐蝕し同質化するものである。
【0011】このように本発明では、土壌への同質化速
度の異なる繊維を緯糸用と経糸用に別々使い分け、しか
も同質化速度については、緯糸用繊維の方が経糸用繊維
よりも大きいことを要件としている。それ故、この緯糸
及び経糸で織られた植生ネット及び植生袋を使用すれ
ば、同質化速度の早い緯糸は、経糸と違って、植物の根
が張ったり茎が延びるにつれて、1〜3年以内に溶解ま
たは分解し、これにより編み目の大きさが実質的に大き
くなる。したがって、緯糸と経糸のなす編み目を細かく
形成しても、植物の成長と共に編み目が大きくなり、植
物の成長を何ら妨害することがない。
【0012】一方、同質化速度の遅い経糸の方は、少な
くともその間に完全に溶解または分解することがない。
つまり、植物が成長して十分根を張るまでの2〜3年の
間、土壌に残り、法面の崩落を確実に防止できる。そし
て、植物の根が十分張った後に、経糸は完全に溶解また
加水分解して土壌中に同質化することとなる。
【0013】本発明の植生ネット及び植生袋では、高価
な生分解性樹脂繊維ではなく、安価な合成高分子化合物
や有機質系腐蝕性繊維を用いるので、材料コストが大幅
に低減する。つまり、容易に実用化可能なレベルに達
し、幅広く普及し得る低価格の植生ネット及び植生袋を
得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例により説明する。図1は本発明に係る植生
ネットの緯糸及び経糸を示す説明図、図2は同植生ネッ
トの緯糸が土壌に同質化したときの状態を示す説明図、
図3は同植生ネットの設置状態を示す斜視図、図4は本
発明に係る植生袋を示す断面図である。
【0015】
【実施例1】本実施例は、図3に示すように、フェンス
3を隔てた道路4沿いの法面2に設置された植生ネット
1に適用したものである。植生ネット1は、図1に示す
ように、経糸6と緯糸5とを互いに縦横に編み込んで作
製した。植生ネット1の寸法規格は、たとえば幅1m、
長さ5m、編み目の大きさが10ミリmm角となるよう
に編成設定した。緯糸5の素材繊維と経糸6の素材繊維
は、その土壌への同質化速度を互いに異ならせて、緯糸
5の同質化速度を経糸6のそれよりも大きくした。具体
的には、緯糸5が土壌と同質化するまでの期間を2〜3
年未満とし、かつ経糸6が土壌と同質化するまでの期間
を3年過ぎから5年以下となるように設定した。
【0016】土壌への同質化速度が比較的に早い緯糸5
を得るため、緯糸5の素材としては有機質系腐蝕性物
質、あるいはけん化度90%以上のポリ酢酸ビニル樹脂
を主成分とする繊維を使用した。尚、必要により緯糸5
には、植生ネット1の早期溶解を防止するために、ある
いは溶解時期を調整するために、同質化速度の遅い繊維
を一部混織させることもできる。また、同速度が比較的
に遅い経糸6を得るために、経糸6の素材として、けん
化度90%未満のポリ酢酸ビニル樹脂若しくは脂肪族ポ
リエステル樹脂を主成分とする繊維を使用した。これら
緯糸5及び経糸6は、偏平糸、モノフィラメント、マル
チフィラメントの各形態で使用した。
【0017】このようにして編成された植生ネット1
に、通常の植生基材、すなわち薄紙に植物種子、肥料、
土壌改質剤などをポリビニルアルコールのり剤によって
付着保持させたものを接着させた。この場合、植生ネッ
ト1を二枚用いてその間に植生基材を挟んでも良い。
【0018】前記植生ネット1は、道路工事で形成され
た山腹などの法面2に敷設し、アンカーピンなどの治具
を用いて固定した。その際、固定用治具の素材も、植生
ネット1の素材と同質のものを適宜使用することによ
り、植生ネット1と同様に土中に同質化させることがで
きる。また、植生ネット1を法面2に敷設した後、植生
ネット1上に上記植生基材を吹き付けても構わない。
【0019】このように植生ネット1を法面2に敷設固
定すると、緯糸5は2年乃至3年未満の間に溶解し、図
2に示すように、経糸6だけが残って植生ネット1の編
み目が消失する。その間に植物の根がしっかり張った状
態となり、自然現象または人工的に地盤が緩むようなこ
とがあった場合でも、法面2が崩落するおそれもなくな
る。そして、植物が所定の大きさまで十分伸び、3年乃
至5年経過すると、今度は緯糸5に遅れて、経糸6も溶
解して土壌と同質化することになる。その結果、植物の
さらなる成長を促進させることができる。
【0020】
【実施例2】本実施例は、上記植生ネット1を用いて、
これを袋状に形成することで、法面緑化用の植生袋7を
作製したものである。図4に示すように、各植生袋7の
中に土壌と植生基材を入れ、これらを法面2に並べて布
設した。このようにしても、緯糸5の方は3年未満に完
全に溶解したが、経糸6の方はそのまま残った。その間
に植物は十分に大きく生育し、法面2の地盤が強固にな
って、雨水等による滑落のおそれがなくなった。
【0021】尚、本発明は上記実施例に限定されない。
例えば、上記実施例では、植生ネットを、道路工事で形
成された山腹の法面に敷設したが、土地造成や露天掘り
等で生じた法面に敷設することも勿論可能である。ま
た、緯糸5と経糸6の交差する角度は通常90度である
が、交差角を45度以上に設定した植生ネットも本発明
に包含されることは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、植生ネッ
ト及び植生袋を、土壌への同質速度の早い緯糸と遅い経
糸とから編成したことにより、植物の成長と共に緯糸が
消えて網の目が拡大または消失するので、植物の成長を
なんら妨げることなく、植物が土中にしっかり根を張
り、地盤を強化して法面の崩落を確実に防止することが
できる。しかも本発明は、従来のように高価な生分解性
樹脂繊維を使用しないので、生産費のコスト削減効果が
大きく、広く一般に普及させることができるという優れ
た効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植生ネットの緯糸及び経糸を示す
説明図である。
【図2】同植生ネットの緯糸が土壌に同質化したときの
状態を示す説明図である。
【図3】同植生ネットの設置状態を示す全体斜視図であ
る。
【図4】本発明に係る植生袋を示す断面図である。
【符号の説明】
1 植生ネット 2 法面 3 フェンス 4 道路 5 緯糸 6 経糸 7 植生袋

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌への同質化速度が互いに異なる緯糸
    と経糸とにより編み込まれ、緯糸の同質化速度は、経糸
    の同質化速度よりも早いことを特徴とする植生ネット。
  2. 【請求項2】 緯糸が有機質系腐蝕性物質からなること
    を特徴とする請求項1記載の植生ネット。
  3. 【請求項3】 緯糸がけん化度90〜100%のポリ酢
    酸ビニル樹脂からなる繊維であることを特徴とする請求
    項1記載の植生ネット。
  4. 【請求項4】 経糸がけん化度90%未満のポリ酢酸ビ
    ニル樹脂からなる繊維であることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の植生ネット。
  5. 【請求項5】 経糸が脂肪族ポリエステル樹脂からなる
    繊維であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の植生ネット。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の植生ネットを用いて袋状に形成したことを特徴とする
    植生袋。
JP2000131296A 2000-04-28 2000-04-28 植生ネット及び植生袋 Pending JP2001311154A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106613837A (zh) * 2016-11-23 2017-05-10 杭州市园林绿化股份有限公司 一种利用保水性生态袋进行城市河岸绿化的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106613837A (zh) * 2016-11-23 2017-05-10 杭州市园林绿化股份有限公司 一种利用保水性生态袋进行城市河岸绿化的方法

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