JP2001309764A - ポリフェノール類組成物 - Google Patents

ポリフェノール類組成物

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JP2001309764A
JP2001309764A JP2000132152A JP2000132152A JP2001309764A JP 2001309764 A JP2001309764 A JP 2001309764A JP 2000132152 A JP2000132152 A JP 2000132152A JP 2000132152 A JP2000132152 A JP 2000132152A JP 2001309764 A JP2001309764 A JP 2001309764A
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polyphenol
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polyphenols
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Hiroaki Yamaguchi
裕章 山口
Noriko Horie
典子 堀江
Hironobu Nanbu
宏暢 南部
Raju Juneja Reka
レカ・ラジュ・ジュネジャ
Nagahiro Yamazaki
長宏 山崎
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Taiyo Kagaku KK
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Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリフェノール類由来の渋味・苦味を低減
し、且つ安定性に優れたポリフェノール類組成物を提供
することを目的とする。 【解決手段】 ポリフェノール類、多価アルコール脂肪
酸エステル及び中性脂質を含有するポリフェノール類組
成物とすることにより上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェノール類
を生理活性成分として含有する組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリフェノール類は特異な生理作用によ
り食品の生理機能付加・増強又は酸化防止剤等に利用さ
れる他、医薬品、化粧品、飼料等広範な分野での応用が
期待されている。特に近年のポリフェノール類の研究成
果は目覚しく、ポリフェノール類の抗酸化作用に由来す
る発ガン予防、老化防止作用の他、血中LDL低下作
用、血圧上昇抑制作用、整腸作用、殺菌・抗菌作用、脱
臭作用等が報告されている。しかしながら、ポリフェノ
ール類は特異な苦味・渋味を有するため食品用途での利
用に制限を受けること及び酸化、熱、光に対して変色し
やすく不安定であるという欠点を有する。
【0003】ポリフェノール類の安定化法としては、ア
ルコール性水酸基を2つ以上持つ化合物を配合すること
によってポリフェノール類の変色を抑制する方法(特開
平6−239716)、植物ポリフェノール類を塩化セ
バコイル、塩化スクシニル、塩化アジポイル等の架橋剤
によって架橋し、それをベースとしたマイクロカプセル
を調製する方法(特表平8−508677)等が提案さ
れている。しかし、前者の方法によって調製される組成
物は、ポリフェノール類が遊離で溶存した状態にあり、
ポリフェノール類に由来する強烈な渋味・苦味を有し、
食品用途での利用に制限を受ける。また、後者の方法で
は、組成物の安定性は向上するもののマイクロカプセル
自体がポリフェノール架橋物によって構成されているた
め、ポリフェノール類に由来する渋味・苦味の低減がさ
れておらず、加えて架橋剤として用いる化合物について
は食品衛生法上制限を受ける等の欠点を有する。
【0004】また、融点50〜80℃の油脂で被覆する
方法(特公昭57−48050)をポリフェノール類の
安定化に応用することは可能であるが、ポリフェノール
類の固体粒子の表面を高融点の固体油脂が被覆してW/
O分散型の固体/固体界面を形成しているためにポリフ
ェノール類の安定性には優れるものの、使用するポリフ
ェノール結晶が数十μm以上の粗大粒子であり、剤形が
0.2〜2mm程度の粒状形態をためすために応用範囲
が限定され、特に液状製品への応用は極めて難しくな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
フェノール類を長期間安定に保ち、且つ呈味性に優れた
ポリフェノール組成物を提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するために鋭意検討を行った結果、ポリフェノ
ール類、多価アルコール脂肪酸エステル及び中性脂質を
含有するポリフェノール組成物が、ポリフェノール類特
有の異味をマスキングでき、且つ安定性に優れる事を見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、ポリフェノール類を多価ア
ルコール脂肪酸エステル及び中性脂質を含有するポリフ
ェノール組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリフェノール類
は人体に摂取可能なものであれば特に限定するものでは
く、フラボン、フラボノール、フラバノン、イソフラボ
ン、アントシアニン、フラバノール等のフラボノイド
類、その他の非フラボノイド類、及びこれらの誘導体、
重合体等、更に前記化合物を含有する植物体及び該植物
体抽出物等何れを使用しても差し支えないが、好ましく
は油脂に不溶の固体で且つ物理的破砕によってレーザー
回折型粒度分布測定機による平均粒径が3μm以下の微
粒子とすることができる性質のものが良い。ポリフェノ
ール類の具体例を以下に示すがこれらに限定するもので
はない。
【0009】ポリフェノール類の具体例として、カテキ
ン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、
エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガ
ロカテキンガレート、エピガロカテキン、タンニン酸、
ガロタンニン、エラジタンニン、カフェー酸、ジヒドロ
カフェー酸、クロロゲン酸、イソクロロゲン酸、ゲンチ
シン酸、ホモゲンチシン酸、没食子酸、エラグ酸、ロズ
マリン酸、ルチン、クエルセチン、クエルセタギン、ク
エルセタゲチン、ゴシペチン、アントシアニン、ロイコ
アントシアニン、プロアントシアニジン、エノシアニ
ン、及びこれらの誘導体、重合体、立体異性体から選ば
れる少なくとも1種又は2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0010】本発明におけるポリフェノール類を含有す
る植物体は、特に限定するものではない。即ち、光合成
を行う植物はおよそポリフェノール類を含有するもので
あり、ポリフェノール類を抽出し得るもの、且つ該抽出
物が人体に摂取可能なものであれば良い。植物の具体例
を以下に示すがこれらに限定するものではない。
【0011】植物の具体例として、茶等のツバキ科植
物、ブドウ等のブドウ科植物、コーヒー等のアカネ科植
物、カカオ等のアオギリ科植物、ソバ等のタデ科植物、
グーズベリー、クロフサスグリ、アカスグリ等のユキノ
シタ科植物、ブルーベリー、ホワートルベリー、ブラッ
クハクルベリー、クランベリー、コケモモ等のツツジ科
植物、赤米、ムラサキトウモロコシ等のイネ科植物、マ
ルベリー等のクワ科植物、エルダーベリー、クロミノウ
グイスカグラ等のスイカズラ科植物、プラム、ヨーロッ
パブラックベリー、ローガンベリー、サーモンベリー、
エゾイチゴ、セイヨウキイチゴ、オオナワシロイチゴ、
オランダイチゴ、クロミキイチゴ、モレロチェリー、ソ
メイヨシノ、セイヨウミザクラ、甜茶、リンゴ等のバラ
科植物、エンジュ、小豆、大豆、タマリンド、ミモザ、
ペグアセンヤク等のマメ科植物、紫ヤマイモ等のヤマイ
モ科植物、カキ等のカキ科植物、ヨモギ、春菊等のキク
科植物、バナナ等のバショウ科植物、ヤマカワラムラサ
キイモ等のヒルガオ科植物、ローゼル等のアオイ科植
物、赤シソ等のシソ科植物、赤キャベツ等のアブラナ科
植物等が挙げられ、これらの植物に応じて果実、果皮、
花、葉、茎、樹皮、根、塊根、種子、種皮、等の部位が
任意に選ばれる。また、該植物体から得られる抽出物の
形態としては、固体であり、好ましくは油脂に不溶で且
つ物理的破砕によってレーザー回折型粒度分布測定機に
よる平均粒径が3μm以下の微粒子とすることができる
性質を有するものが良い。
【0012】本発明のポリフェノール類の平均粒径は、
特に限定するものではないが、好ましくは3μm以下、
より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以
下、最も好ましくは0.5μm以下である。平均粒径が
3μmより大きくなると、中性脂質中での分散安定性が
低下し、ポリフェノール類の粒子が沈殿分離する。物理
的破砕方法に関しては、ビーズミル等の湿式摩砕機やジ
ェットミル等の乾式破砕機、又は液体窒素を利用する凍
結粉砕等等の使用が挙げられるが、レーザー回折型粒度
分布測定機による平均粒径が3μm以下の微粒子化がで
きる性能のものであれば特に限定するものではない。
【0013】本発明のポリフェノール類の含有量は特に
限定するものではないが、該組成物中1〜70重量%で
ある事が好ましく、より好ましくは10〜50重量%で
あり、更に好ましくは10〜40重量%である。ポリフ
ェノール類の含有量が1重量%より少ない場合は、主剤
であるポリフェノール類が微量となりポリフェノール組
成物としての用を成さない。また、ポリフェノール類の
含有量が70重量%より多い場合には、該組成物の構造
粘度が極度に高まり流動性を失ってしまうために後の加
工特性及び応用範囲を著しく狭める事となる。
【0014】本発明に用いる多価アルコール脂肪酸エス
テルは食品に供することのできるものであれば特に限定
するものではないが、好ましくはグリセリン脂肪酸エス
テルが用いられる。多価アルコール脂肪酸エステルの具
体例を以下に示すがこれらに限定するものではない。多
価アルコール脂肪酸エステルの具体例として、モノグリ
セリンモノ脂肪酸エステル,モノグリセリンジ脂肪酸エ
ステル,モノグリセリン脂肪酸有機酸エステル,ポリグ
リセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステル、特にモノグリセリンモノステアリン
酸エステル,モノグリセリンモノオレイン酸エステル,
モノグリセリンモノミリスチン酸エステル,モノグリセ
リンモノカプリル酸エステル,モノグリセリンジステア
リン酸エステル,モノグリセリンジオレイン酸エステ
ル,モノグリセリンステアリン酸クエン酸エステル,モ
ノグリセリンステアリン酸酢酸エステル,モノグリセリ
ンステアリン酸コハク酸エステル,モノグリセリンカプ
リル酸コハク酸エステル、モノグリセリンステアリン酸
乳酸エステル,モノグリセリンステアリン酸ジアセチル
酒石酸エステル,平均重合度2〜10のポリグリセリン
と炭素数6〜22の脂肪酸エステル及び平均重合度2〜
10のポリグリセリンと縮合度2〜4のポリリシノレイ
ン酸のエステル等のグリセリン脂肪酸エステル類、プロ
ピレングリコールモノステアリン酸エステル,プロピレ
ングリコールモノオレイン酸エステル等のプロピレング
リコール脂肪酸エステル類、ソルビタンジステアリン酸
エステル,ソルビタントリステアリン酸エステル,ソル
ビタンセスキオレイン酸エステル、ソルビタンジオレイ
ン酸エステル,ソルビタントリオレイン酸エステル等の
ソルビタン脂肪酸エステル類等から選ばれる1種または
2種以上の混合物が挙げられるが、より好ましくは前記
グリセリン脂肪酸エステル類から選ばれる1種または2
種以上の混合物、更に好ましくはHLBが4以下のモノ
グリセリン脂肪酸有機酸エステル、同じくHLBが4以
下のポリグリセリン脂肪酸エステル及び同じくHLBが
4以下のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルか
ら選ばれる1種または2種以上の混合物が良い。
【0015】本発明に用いる多価アルコール脂肪酸エス
テルは中性脂質に対して0.1〜100重量%配合する
が、好ましくは0.2〜50重量%、より好ましくは
0.5〜20重量%が良い。添加量が0.1重量%未満
の場合はポリフェノール類固体微粒子を十分に分散させ
る事が不可能であり、100重量%より多い場合には該
組成物を改めて水系に分散させる際、乳化転相により内
包するポリフェノール類微粒子の溶出が生じ易くなり、
安定なW/O/W分散系を構成するに支障を来たす。
【0016】本発明に用いる中性脂質は特に限定するも
のではないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂
や大豆、米、菜種、カカオ、椰子等の油糧種子から得ら
れる一般的な植物性油脂及び牛脂、乳脂、豚脂等の動物
性油脂の何れでも使用でき、これらに本来含まれている
リン脂質、ステロール類、ワックス類等が共存しても一
向に差し支えないが、好ましくは融点が45℃以下、よ
り好ましくは融点が35℃以下、更に好ましくは融点が
30℃以下、最も好ましくは融点が25℃以下の油成分
を用いる。即ち、融点が45℃より高い中性脂質を用い
るとポリフェノール組成物の調製及び食品等への添加時
に加熱工程が必要となるため、無用の熱履歴をポリフェ
ノール類に与える事となり、応用範囲も狭められる事と
なる。以下に実施例及び試験例によって本発明を説明す
るが、その内容に制限されるものではない。
【0017】
【実施例】実施例1 中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMC
T−6、太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818
H、太陽化学株式会社製)を混合し、茶ポリフェノール
40重量部(サンフェノンDCF−1、平均粒子径約1
00μm、太陽化学株式会社製)を加えた油性懸濁液を
調製し、これをコボールミル(神鋼パンテック株式会社
製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定により茶ポリ
フェノールの平均粒子径が0.4μmとなった本発明の
茶ポリフェノール組成物を得た。
【0018】実施例2 菜種白絞油70重量部、ポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステル5重量部(サンソフト818H,太陽化学
株式会社製)及びポリグリセリンステアリン酸エステル
5重量部(サンファットPS−68,太陽化学株式会社
製)を混合し、茶ポリフェノール20重量部(サンフェ
ノン100S、平均粒子径約100μm、太陽化学株式
会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをダイノー
ミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製)に掛
け、レーザー回折型粒度分布測定により茶ポリフェノー
ルの平均粒子径が0.35μmとなった本発明の茶ポリ
フェノール組成物を得た。
【0019】実施例3 中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMC
T−6、太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル5重量部(サンソフト818H,
太陽化学株式会社製)、クエン酸モノグリセリド5重量
部(サンソフト623M,太陽化学株式会社製)を混合
し、エピガロカテキンガレート40重量部(純度95
%、平均粒子径約100μm、太陽化学株式会社製)を
加えた油性懸濁液を調製し、これをレディミル(株式会
社アイメックス製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測
定によりエピガロカテキンガレートの平均粒子径が0.
4μmとなった本発明のエピガロカテキンガレート組成
物を得た。
【0020】試験例1 中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMC
T−6,太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818
H,太陽化学株式会社製)を混合し、10%茶ポリフェ
ノール(サンフェノンDCF−1、太陽化学株式会社
製)水溶液40重量部を加えながらホモミキサー(特殊
機化工業株式会社製)にて高速攪拌を行い、レーザー回
折型粒度分布測定により内部水相の平均粒子径が0.4
μmとなったW/O乳化液を調製した。これを対照とし
て実施例1の茶ポリフェノール組成物中における茶ポリ
フェノールの残存率を測定した。
【0021】両者各200gをそれぞれ耐圧ビンに封じ
て121℃、30分間の加熱殺菌を行い、放冷後に20
gを分取し、水200mlとn−へキサン200mlを
加えて室温下に振盪抽出を実施し、得られた水層部分を
回収して0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過
して試験液とした。次に試験液中のエピガロカテキンガ
レート含量を高速液体クロマトグラフィー(日本分光株
式会社)で定量し、ポリフェノール残存率を算出した。
高速液体クロマトグラフィーによる測定は、カラム:C
APCELLPAK C18 UG120 S3、(株
式会社資生堂)、カラム温度:40℃、流速0.8mL
/min、移動相:メタノール/水/リン酸(50/5
0/0.1)、検出は、UV280nmの条件で行っ
た。その後、両者を50℃で3ヶ月間保存し、1ヶ月毎
に上記と同様の測定を行うと共に乳化状態を観察した。
その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】その結果、表1に示すように実施例1の茶
ポリフェノール組成物においては茶ポリフェノールの減
衰が殆ど生じず、優れた安定化性を示した。
【0024】試験例2 菜種白絞油70重量部、ポリグリセリン縮合リシノレイ
ン酸エステル10重量部(サンソフト818H,太陽化
学株式会社製)を混合し、2%茶ポリフェノール(サン
フェノン100S、太陽化学株式会社製)水溶液20重
量部を加えながらホモミキサー(特殊機化工業株式会社
製)にて高速攪拌を行い、レーザー回折型粒度分布測定
により内部水相の平均粒子径が0.35μmとなったW
/O乳化液を調製した。これを対照として実施例2の茶
ポリフェノール組成物を10人のパネラーにより官能試
験を実施して茶ポリフェノールの渋味のマスキング性を
比較した。その結果を表2に示す。尚、渋味の評価点は
次のように定めた。{0点;渋味を全く感じない、1
点;殆ど渋味を感じない、2点;やや渋味を感じる、3
点;強く渋味を感じる、4点;非常に強く渋味を感じ
る。}
【0025】
【表2】
【0026】その結果、表2に示すように実施例2の茶
ポリフェノール組成物においては茶ポリフェノール特有
の渋味を殆ど感じさせない、優れた呈味性を示した。
【0027】試験例3 中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMC
T−6,太陽化学株式会社製)、ポリグリセリン縮合リ
シノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818
H,太陽化学株式会社製)を混合し、10%エピガロカ
テキンガレート(純度95%、太陽化学株式会社製)水
溶液40重量部を加えながらホモミキサー(特殊機化工
業株式会社製)にて高速攪拌を行い、レーザー回折型粒
度分布測定により内部水相の平均粒子径が0.4μmと
なったW/O乳化液を調製した。これをショ糖脂肪酸エ
ステル5重量部(リョートーシュガーエステルS−16
70,三菱化学株式会社製)を溶解させた水1000重
量部中に加えて攪拌してW/O/W乳化液を調製した。
【0028】同様に実施例3のエピガロカテキンガレー
ト組成物もショ糖脂肪酸エステル5重量部(リョートー
シュガーエステルS−1670,三菱化学株式会社製)
を溶解させた水1000重量部中に加えて攪拌してW/
O/W乳化液を調製し、両者各200gをそれぞれ耐圧
ビンに封じて121℃、15分間の加熱殺菌を行い、放
冷後に50gを分取し、水200mlとn−へキサン2
00mlを加えて室温下に振盪抽出を実施し、得られた
水層部分を回収して0.45μmのメンブレンフィルタ
ーにて濾過して試験液とした。次に試験液中のエピガロ
カテキンガレート含量を高速液体クロマトグラフィー
(日本分光株式会社)で定量し、ポリフェノール残存率
を算出した。高速液体クロマトグラフィーによる測定
は、カラム:CAPCELLPAK C18 UG12
0 S3、(株式会社資生堂)、カラム温度:40℃、
流速0.8mL/min、移動相:メタノール/水/リ
ン酸(50/50/0.1)、検出は、UV280nm
の条件で行った。その後、両者を40℃で3週間保存
し、1週間毎に上記と同様の測定を行うと共に乳化状態
を観察した。その結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】その結果、表3に示すように実施例3のエ
ピガロカテキンガレート組成物は、W/O/W型の不安
定な乳化条件下においてもポリフェノールの減衰が殆ど
生じず、優れた安定性を示した。
【0031】応用例1 実施例1の茶ポリフェノール組成物3重量部を市販のプ
レーンヨーグルト100重量部に添加して攪拌混合し、
1200mg/100gの茶ポリフェノール強化ヨーグ
ルトを調製した。対照として実施例1で用いた茶ポリフ
ェノール1.2重量部を同様のプレーンヨーグルト10
0重量部に添加溶解したヨーグルトを調製して、両者に
おける風味、製品形態及び茶ポリフェノールの残存率に
ついて比較したところ、対照品においては茶ポリフェノ
ール特有の渋味が著しく顕著であったが、実施例1の茶
ポリフェノール組成物を添加したものでは、本来の風味
を殆ど損なう事はなかった。
【0032】また、両者のポリフェノール残存率を試験
例3の測定法に準拠して分析したところ、対照品では残
存率48.1%であったに対し、実施例1の茶ポリフェ
ノール組成物を添加したものでの残存率は93.2%で
あり、水系の酸性食品中における本発明の効果を十分に
確認できた。
【0033】応用例2 実施例2の茶ポリフェノール分散組成物3重量部を市販
のケーキプレミックス100重量部に添加して攪拌混合
し、160℃、30分間焼成してパウンドケーキを調製
した。対照として実施例2で用いた茶ポリフェノール
0.6重量部を同様のケーキプレミックス100重量部
に添加溶解したパウンドケーキを調製して、両者におけ
る風味、製品形態及び茶ポリフェノールの残存率につい
て比較したところ、対照品においては茶ポリフェノール
特有の渋味が著しく顕著であり、ケーキの起泡性が低下
して嵩の低い状態となったが、実施例2の茶ポリフェノ
ール組成物を添加したものでは、本来の風味及び起泡性
を殆ど損なう事はなかった。
【0034】また、両者の茶ポリフェノール残存率を試
験例3の測定法に準拠して分析したところ、対照品では
残存率34.4%であったに対し、実施例3のエピガロ
カテキンガレート組成物を添加したものでの残存率は8
1.8%であり、加熱工程下での本発明の効果を十分に
確認できた。
【0035】
【発明の効果】本発明のポリフェノール類組成物は、そ
のままでは不安定な種々のポリフェノール類が極めて安
定化されたものであり、更に水系食品中に分散させた場
合においても、乳化転相により内包するポリフェノール
類が溶出する事なく、安定なW/O/W乳化系を構成す
る事を特徴とするものである。また、本発明ポリフェノ
ール類組成物は、それ自体が渋味を感じさせないもので
あると同時に、該ポリフェノール類組成物を添加した食
品に対しても、食品本来の風味を損なわないことを可能
とするものであり、産業上の意義は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23C 9/13 A23C 9/13 (72)発明者 レカ・ラジュ・ジュネジャ 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 山崎 長宏 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 Fターム(参考) 4B001 AC15 AC31 AC36 EC05 4B018 MD08 MD09 MD10 MD48 MD60 ME02 4B032 DB05 DK06 DK10 DK18 DK29 DL08 DL20 4C076 AA17 AA22 BB01 CC11 CC16 CC26 CC31 CC40 DD46 EE23 FF43 FF52 GG45 4C088 AB12 AB13 AB14 AB15 AB24 AB26 AB34 AB38 AB44 AB45 AB51 AB56 AB59 AB66 AC01 BA11 CA03 MA02 NA03 NA09 ZA36 ZA66 ZB21 ZB35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェノール類、多価アルコール脂肪
    酸エステル及び中性脂質を含有するポリフェノール類組
    成物。
  2. 【請求項2】 ポリフェノール類が平均粒径3μm以下
    の固体である事を特徴とする請求項1記載のポリフェノ
    ール類組成物。
  3. 【請求項3】 多価アルコール脂肪酸エステルがHLB
    4以下のグリセリン脂肪酸エステルである事を特徴とす
    る請求項1または2記載のポリフェノール類組成物。
JP2000132152A 2000-05-01 2000-05-01 ポリフェノール類組成物 Pending JP2001309764A (ja)

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