JP2001305555A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその製造方法

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JP2001305555A
JP2001305555A JP2000119271A JP2000119271A JP2001305555A JP 2001305555 A JP2001305555 A JP 2001305555A JP 2000119271 A JP2000119271 A JP 2000119271A JP 2000119271 A JP2000119271 A JP 2000119271A JP 2001305555 A JP2001305555 A JP 2001305555A
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朗裕 三橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶層の厚さが粒状スペーサによって正確に
制御された両用型液晶表示装置およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 絵素領域が、反射モードで表示を行う反
射領域と、透過モードで表示を行う透過領域とを有する
両用型液晶表示装置において、絵素領域の液晶層の厚さ
は、粒状スペーサによって規定されており、且つ、透過
領域の液晶層の厚さは、反射領域の液晶層の厚さよりも
厚く、粒状スペーサの散布面密度は、100個/mm2
+200個/mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面
積)〜400個/mm2+200個/mm2×(透過領域
の面積/絵素領域の面積)の範囲内にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、特に、透過モードの表示と反射モードの表示とを行
うことが可能な透過反射両用型液晶表示装置およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置は、薄型で低消費電
力という特徴を生かし、パーソナルコンピュータなどの
OA機器やビデオカメラなどのAV機器に広く利用され
ている。
【0003】液晶表示装置は、透過モードで表示を行う
透過型液晶表示装置と、反射モードで表示を行う反射型
液晶表示装置とに大別される。透過型液晶表示装置は、
バックライトを有するので、消費電力が大きいという欠
点がある。また、周囲が非常に明るい場合に、表示品位
が低下するという問題もある。一方、反射型液晶表示装
置は、バックライトを必要としないので、低消費電力で
ある反面、周囲が暗い場合に表示品位が低下するという
欠点がある。
【0004】近年、本願出願人は、絵素領域のそれぞれ
が、透過モードで表示を行う透過領域と反射モードで表
示を行う反射領域とを備えた、透過反射両用型(以下、
「両用型」と称する。)液晶表示装置を提案した(例え
ば、特開平11−101992号公報)。この両用型液
晶表示装置は、周囲光の状況に応じて、透過型または反
射型の液晶表示装置として利用できるとともに、周囲が
非常に明るい場合に透過型液晶表示装置の表示品位が低
下するという欠点を解消することができる。
【0005】液晶表示装置は、一般に、それぞれの表示
モードに応じて、表示品位を最適化するために、液晶層
の厚さが調整されている。一対の基板(例えば、TFT
基板とカラーフィルタ基板)との間に配置される粒状ス
ペーサによって液晶層の厚さを制御する方法が広く採用
されている。
【0006】粒状スペーサとしては、ファイバ状のもの
と球状のものとがある。いずれも、プラスチックやガラ
スから形成されている。プラスチックから形成された球
状スペーサ(「プラスチックビーズ」と呼ばれることも
ある。)が広く利用されている。
【0007】粒状スペーサは、一方の基板のほぼ全面
(一般に、表示領域外も含む)に散布される。なお、必
要に応じて、一対の基板を互いに貼り合せるために表示
領域外に設けられるシール部(液晶層を実質的に包囲す
る)を形成するシール剤に粒状スペーサが混入されるこ
ともある。散布された粒状スペーサ(典型的には、プラ
スチックビーズ)は、表示領域を含む基板のほぼ全面に
存在するので、表示品位を低下しないように、散布面密
度などが設定される。これに対し、シール部には表示領
域内に形成されるTFTや配線およびカラーフィルタな
どが存在しないので、シール剤に混入される粒状スペー
サは、一般に、散布用粒状スペーサと異なるもの(典型
的には、ガラスファイバ)が用いられる。但し、散布ス
ペーサを省略して、シール剤に粒状スペーサを高密度で
混入するだけでは、表示領域全体に亘って液晶層の厚さ
を均一に維持することは不可能であり、基板のほぼ全面
に粒状スペーサを散布する必要がある。なお、本願明細
書において、「絵素領域の液晶層の厚さを規定する粒状
スペーサ」は、基板のほぼ全面に散布された粒状スペー
サを指すものとする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】両用型液晶表示装置
は、上述したように、周囲の明るさに関らず高品位の表
示を実現することができるが、従来の反射型や透過型の
液晶表示装置と同じ散布面密度で粒状スペーサを散布し
ても、その液晶層の厚さを正確に制御することができ
ず、十分な表示品位が得られない場合があるという問題
を本願発明者は見出した。
【0009】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、液晶層の厚さが粒状ス
ペーサによって正確に制御された両用型液晶表示装置お
よびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、第1基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2
基板との間に設けられた液晶層とを有し、前記第1基板
の前記液晶層側に設けられた第1電極と、前記第2基板
に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介して対向する
第2電極とによって、それぞれが規定される複数の絵素
領域を有し、前記複数の絵素領域のそれぞれは、反射モ
ードで表示を行う反射領域と、透過モードで表示を行う
透過領域とを有し、前記複数の絵素領域の前記液晶層の
厚さは、粒状スペーサによって規定されており、且つ、
前記透過領域の前記液晶層の厚さは、前記反射領域の前
記液晶層の厚さよりも厚く、前記粒状スペーサの散布面
密度は、100個/mm2+200個/mm2×(透過領
域の面積/絵素領域の面積)〜400個/mm2+20
0個/mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)の
範囲内にあり、そのことによって上記目的が達成され
る。
【0011】前記第1電極は、前記反射領域を規定する
反射電極領域と、前記透過領域を規定する透過電極領域
とを有し、前記反射電極領域の前記液晶層側の表面は、
拡散反射特性を有する凹凸状表面であって、前記粒状ス
ペーサは、球状スペーサであって、前記粒状スペーサの
散布面密度は、200個/mm2+200個/mm2×
(透過領域の面積/絵素領域の面積)以上である構成と
することが好ましい。
【0012】前記球状スペーサの直径は、2μm〜10
μmの範囲内にあることが好ましい。
【0013】前記反射領域の前記液晶層の厚さは、前記
透過領域の前記液晶層の厚さの1/2であることが好ま
しい。
【0014】前記反射領域は、前記絵素領域の30%以
上を占めることが好ましい。
【0015】本発明の液晶表示装置の製造方法は、第1
基板と、第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との
間に設けられた液晶層とを有し、前記第1基板の前記液
晶層側に設けられた第1電極と、前記第2基板に設けら
れ前記第1電極に前記液晶層を介して対向する第2電極
とによって規定される絵素領域を複数有し、前記絵素領
域は、反射モードで表示を行う反射領域と、透過モード
で表示を行う透過領域とを有する液晶表示装置の製造方
法であって、第1電極を有する第1基板と、第2電極を
有する第2基板とを用意する工程と、前記第1基板また
は前記第2基板の表面に、100個/mm2+200個
/mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)〜40
0個/mm2+200個/mm2×(透過領域の面積/絵
素領域の面積)の範囲内の面密度で、粒状スペーサを散
布する工程と、前記散布された粒状スペーサを間に挟ん
で、前記第1基板と前記第2基板とを貼り合せ、前記第
1基板と前記第2基板との間に間隙を形成する工程と、
前記第1基板と前記第2基板との間に形成された前記間
隙に液晶材料を注入する工程とを包含し、そのことによ
って上記目的が達成される。
【0016】前記第1電極は、前記反射領域を規定する
反射電極領域と、前記透過領域を規定する透過電極領域
とを有し、前記反射電極領域の前記液晶層側の表面は、
拡散反射特性を有する凹凸状表面であって、前記粒状ス
ペーサが球状スペーサである場合、前記粒状スペーサの
散布面密度は、200個/mm2+200個/mm2×
(透過領域の面積/絵素領域の面積)以上であることが
好ましい。
【0017】以下に、本発明の作用を説明する。
【0018】本発明の液晶表示装置は、反射モードで表
示を行う反射領域と、透過モードで表示を行う透過領域
とを有する両用型液晶表示装置であって、絵素領域の液
晶層の厚さ(セルギャップ)は、粒状スペーサによって
規定されている。液晶層を介して対向配設されている基
板は、一般に利用されているガラス基板などの剛直な基
板である。
【0019】本願明細書においては、液晶層に電圧を印
加するための電極としての機能と光を反射する機能とを
備えた領域(基板上に規定される領域)を「反射電極領
域」と称し、液晶層に電極を印加するための電極として
の機能と光を透過する機能とを備えた領域を「透過電極
領域」と称する。透明電極領域は、透明電極で規定さ
れ、反射電極領域は、典型的には、反射電極によって規
定される。但し、反射電極領域は、透明電極と反射層と
の組合せによって構成することもできる。
【0020】両用型液晶表示装置においては、透過領域
を通過する表示光に対する光路長と、反射領域を通過す
る表示光に対する光路長を整合させるために、透過領域
の液晶層の厚さは、反射領域の液晶層の厚さよりも厚く
設定されている。典型的には、透過領域の液晶層の厚さ
は反射領域の液晶層の厚さの約2倍となるように設定さ
れている。
【0021】両用型液晶表示装置においては、散布され
た粒状スペーサの内、液晶層の厚さが狭い反射領域に存
在する粒状スペーサは、液晶層の厚さを規定するように
作用するが、液晶層の厚さが反射領域よりも厚い透過領
域に存在する粒状スペーサは、液晶層の厚さを規定する
ように作用しない。従って、両用型液晶表示装置におい
て、液晶層の厚さを安定に維持するために、反射領域に
配置されるべき粒状スペーサの数(面密度)は、透過領
域の占有率(絵素領域の面積に対する比率)が大きくな
るにつれて増大させる必要がある。本発明の両用型液晶
表示装置においては、粒状スペーサが、100個/mm
2+200個/mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面
積)〜400個/mm2+200個/mm2×(透過領域
の面積/絵素領域の面積)の範囲内の面密度で散布され
ているので、反射領域に存在する粒状スペーサが液晶層
の厚さを、再現性良く、均一に、安定に維持し、良好な
表示品位を得ることができる。また、上記に面密度で散
布されたスペーサのうち透過領域に存在する粒状スペー
サの数は、表示品位を低下させない範囲内にある。
【0022】すなわち、透過領域の占有率が異なる液晶
表示装置(透過領域の占有率が0%、50%、60%、
70%)を作製して液晶層の厚さと表示品位との関係を
検討した結果、液晶層の厚さを再現性良く、均一に、安
定に維持し、良好な表示品位を得るために必要な粒状ス
ペーサの散布密度は、100個/mm2+200個/m
2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)〜400個
/mm2+200個/mm2×(透過領域の面積/絵素領
域の面積)の範囲であることを見出した。このことは、
以下の様に説明することが出来る。
【0023】絵素領域が反射領域だけからなる場合、1
00個/mm2から400個/mm2の範囲内の面密度で
粒状スペーサを散布すれば、粒状スペーサの凝集による
表示品位の低下(例えば、液晶層の厚さが不均一になる
ことによる色むら)が発生せず、且つ、十分に安定に、
再現性良く液晶層の厚さを制御することができる。透過
領域の占有率に応じて増大させるべき粒状スペーサの密
度は、200個/mm 2×(透過領域の面積/絵素領域
の面積)で与えられる。透過領域の面積占有率の増加に
対応して、上記の関係式で表されるように散布する粒状
スペーサの量を増すことによって、透過領域の面積の増
加に伴う実際に液晶層の厚さを規定する粒状スペーサの
数(支持点)の減少および反射領域に散布された粒状ス
ペーサが液晶材料を注入する工程において反射領域から
透過領域に移動することによる実際に液晶層の厚さを規
定する粒状スペーサの数の減少を補償し、粒状スペーサ
の凝集による表示品位の低下が発生せず、且つ、十分に
安定に、再現性良く液晶層の厚さを制御することができ
る。
【0024】なお、透過領域の液晶層に存在する粒状ス
ペーサの面密度は、液晶材料の注入時に反射領域から移
動してくる粒状スペーサの影響で、反射領域よりも粒状
スペーサの面密度が高くなるが、透過領域の液晶層の厚
さは粒状スペーサの粒径よりも大きいので、透過領域の
液晶層内の粒状スペーサの占有面積は十分に低い範囲に
あり、表示品位の低下を起こさない。例えば、典型的な
例として、透過領域の液晶層の厚さが反射領域の液晶層
の厚さの2倍である場合、粒状スペーサの粒径は、透過
領域の液晶層の厚さの1/2なので、透過型液晶表示装
置の液晶層中に存在する、液晶層の厚さと同じ粒径の粒
状スペーサ(同じ数密度)の占有面積の1/4(スペー
サ粒径の比率(1/2)の2乗)に過ぎず、占有体積で
は、透過型液晶表示装置の液晶層に対する粒状スペーサ
の体積占有率の1/8にしか過ぎないので、上記の範囲
内の散布面密度では、透過領域の表示品位の低下は問題
にならない。
【0025】また、拡散反射特性を有する凹凸状表面が
液晶層に接するように設けられた構成を有する両用型液
晶表示装置においては、粒状スペーサの散布面密度を最
適化する必要がある。
【0026】本願出願人による特願平10−29744
9号に記載されているように、拡散反射特性を有する凹
凸状表面が液晶層に接するように設けられた反射型液晶
表示装置の液晶層の厚さを規定するために球状スペーサ
を用いると、凹凸状表面の凹部に存在する球状スペーサ
が液晶層の厚さを規定するように作用しないという問題
がある。また、液晶材料注入時に球状スペーサが移動す
る結果、球状スペーサの凝集が発生し、液晶層の厚さに
分布が生じ表示品位が低下するという問題がある。例え
ば、偏光を利用する表示モード(「偏光モード」と呼ば
れる。)では、着色現象や輝度むらが観察され、その他
の表示モード(例えば、吸収モード)では、黒表示状態
の表示品位の低下や、応答速度、しきい値電圧の不良が
観察される。上記出願は、球状スペーサを200個/m
2〜400個/mm2の範囲内の面密度で散布すること
によって、上記の問題を解決できることを記載してい
る。
【0027】本願発明の両用型液晶表示装置において、
反射領域の液晶層に接するように拡散反射特性を有する
凹凸状表面を設けた場合、200個/mm2+200個
/mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)〜40
0個/mm2+200個/mm 2×(透過領域の面積/絵
素領域の面積)の範囲内の面密度で球状スペーサを散布
することによって、球状スペーサの凝集による表示品位
の低下が発生せず、且つ、十分に安定に、再現性良く液
晶層の厚さを制御することができる。なお、凹凸状表面
が液晶層に接する構成を採用した場合に、反射領域に散
布された球状スペーサが透過領域に移動する割合は、液
晶材料の注入方法に依存し、また、平坦な表面で形成さ
れている構成と異なり得るが、上記の範囲内の散布面密
度で球状スペーサを散布することによって、十分に安定
に、再現性良く、液晶層の厚さを制御することができ
る。
【0028】凹凸状表面が液晶層に接する構成において
は、特に、球状スペーサの直径が2μm〜10μmの範
囲内にあり、且つ、拡散反射特性を有する表面の凹凸の
高さの差の平均が球状スペーサの直径の1/10〜1/
3の範囲内にあり、隣接する凸部間の距離が球状スペー
サの直径以上で且つ10倍以下の範囲内にある場合に、
特に良好な表示特性が得られる。
【0029】典型的には、反射領域の液晶層の厚さは、
透過領域の液晶層の厚さの1/2に制定される。すなわ
ち、反射領域の液晶層と透過領域の液晶層とにそれぞれ
同じ電圧を印加する場合には、上記のように液晶層の厚
さを設定することによって、反射領域および透過領域の
電圧−輝度(相対的な変化)特性を互いに一致させるこ
とができる。少なくとも、反射モードと透過モードの表
示における、黒表示と中間調の表示を相対的に一致させ
ることが重要である。
【0030】但し、例えば、反射領域内の液晶層に電圧
を印加する反射電極領域において、電極上に誘電体層が
形成されている構成を採用した場合、この電極と対向電
極との間に印加される電圧が、上記誘電体層と液晶層と
の間で分割(主に誘電分割)されるので、反射領域の液
晶層に印加される電圧と透過領域の液晶層に印加される
電圧とが互いに異なる。このような場合には、反射領域
および透過領域の液晶層の厚さを調整して、それぞれの
領域の電圧−輝度(相対値)特性が互いに略一致するよ
うに構成することが好ましい。
【0031】上記の条件は、粒状スペーサの散布密度の
範囲は、反射領域が絵素領域の30%以上を占める場合
に、好適な結果が得れることが確認されているが、反射
領域の占有率が30%未満になると、反射領域内に配置
された粒状スペーサでは、安定に液晶層の厚さを規定で
きない、すなわち、十分な強度(支持点数)がなく、液
晶層が設計値よりも狭くなる可能性がある。
【0032】本願発明の両用型液晶表示装置の製造方法
は、粒状スペーサの散布密度を上述した範囲に設定する
工程を包含する以外は、公知の方法で実施することがで
きる。粒状スペーサを散布する方法としては、細管気流
型スペーサ散布方法を用いることが好ましい。この方法
は、例えばプラスチックビーズを細い金属製の配管内を
高圧ガスによって移動させることによって、プラスチッ
クビーズを衝突帯電させるので、帯電されたプラスチッ
クビーズ間の静電的な反発力によって、プラスチックビ
ーズの凝集が防止(ばらばらに散布)される。粒状スペ
ーサを散布する基板は、反射電極領域と透過電極領域を
有する基板(例えば、TFT基板)であってもよいし、
他方の基板(例えば、カラーフィルタ基板)であっても
よい。
【0033】
【発明の実施の形態】本願発明は、両用型液晶表示装置
における粒状スペーサの散布面密度と表示品位との関係
を詳細に検討した結果得られた。まず、粒状スペーサの
散布面密度と表示品位との関係および両用型液晶表示装
置における特有の問題を説明する。
【0034】粒状スペーサは、液晶層の厚さ、すなわ
ち、一対の基板の間隔(「セルギャップ」とも言われ
る。)を正確に制御できるだけ十分な面密度で配置する
必要がある。しかしながら、粒状スペーサの散布密度が
高すぎると、表示品位を低下することがある。特に、粒
状スペーサが凝集すると表示品位が顕著に低下する。粒
状スペーサの散布密度が高い場合の表示品位の低下は、
反射型液晶表示装置よりも透過型液晶表示装置において
顕著である。これは、以下の理由による。
【0035】透過型液晶表示装置は、一対の偏光板の間
に設けられた液晶層によって偏光方向が変化することを
利用して表示を行うのに対し、粒状スペーサを透過した
光は所定の偏光方向を有しないので、黒表示状態におい
ては光抜けが、白表示状態においては輝度の低下が発生
し、表示品位を低下させる。これに対し、反射型液晶表
示装置では、液晶層を通過した外光(周囲光またはフロ
ントライト)は、拡散反射層(例えば、例示する反射電
極の凹凸状表面)で拡散反射され、再び液晶層を通過す
る。拡散反射された光は種々の方向に進行するので、粒
状スペーサの影響が表示品位の低下として視認され難
い。
【0036】次に、両用型液晶表示装置の構造を図1お
よび図2を参照しながら説明する。
【0037】図1は、本発明に実施形態の両用型液晶表
示装置100を模式的に示す断面図であり、図2は、両
用型液晶表示装置100のTFT基板20を模式的に示
す平面図である。図1は、図2のA−A’線に沿った断
面図に相当する。なお、本発明は、この両用型液晶表示
装置に限らず、他の公知の両用型液晶表示装置に適用す
ることができる。
【0038】図1に例示した両用型液晶表示装置100
は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(以下、
「TFT」と称する。)を有するTFT型液晶表示装置
であり、TFT基板20と、カラーフィルタ基板40
と、これらの間に設けられた液晶層30とを有してい
る。TFT基板20は、マトリクス状に配置された複数
の絵素電極20aを有し、カラーフィルタ基板40は、
液晶層30を介して複数の絵素電極20aに対向するよ
うに配置される対向電極(共通電極)44を有する。複
数の絵素電極20aのそれぞれと、それに対向する対向
電極44の部分が、絵素領域を規定する。
【0039】なお、本願明細書においては、表示の最小
単位である「絵素」に対応する液晶表示装置の領域を
「絵素領域」と呼ぶことにする。単純マトリクス型液晶
表示装置においては、ストライプ状の走査電極とストラ
イプ状の信号電極とが互いに交差する領域が絵素領域を
規定する。
【0040】TFT基板20は、透明基板(例えばガラ
ス基板(厚さ0.7mm))11と、透明基板11上に
設けられたTFT21と、TFT21のドレイン電極
(例えばTi層)26に接続された絵素電極20aと、
TFT21のゲート電極(例えばTa層)23に接続さ
れた走査線としてのゲートバスライン(例えばTa層)
22と、TFT21のソース電極(例えばTi層)25
に接続された信号線としてソースバスライン(例えばT
i層)24とを有している。TFT21は、ゲート絶縁
膜(例えばSiNx層)11aと、半導体層(チャネ
ル、ソースおよびドレイン領域を含む、例えばa−Si
層)27と、ソースコンタクト層およびドレインコンタ
クト層(例えばn型a−Si層、いずれも不図示)とを
備えている。TFT21として公知のTFTを広く用い
ることができる。
【0041】両用型液晶表示装置100の絵素電極20
aは、透明電極(例えばITO層)18と反射電極(例
えばAl層)19とから構成されている。なお、反射電
極19に代えて、光を反射するための反射層と液晶層3
0に電圧を印加するための透明電極とを別々に設ける構
成を採用することができる。本願明細書においては、液
晶層に電圧を印加するための電極としての機能と光を反
射する機能とを備えた領域(基板上に規定される領域)
を「反射電極領域」と称し、液晶層に電極を印加するた
めの電極としての機能と光を透過する機能とを備えた領
域を「透過電極領域」と称する。すなわち、両用型液晶
表示装置100の絵素電極20aは、透過電極領域(こ
こでは透明電極18)と反射電極領域(ここでは反射電
極19)とから構成される。反射電極領域は、絵素領域
の内、反射モードで表示を行う反射領域Rを規定し、透
過電極領域は、絵素領域の内、透過モードで表示を行う
透過領域Tを規定する(図1参照)。
【0042】透明電極18は、下地導電層(例えばIT
O層)12を介してドレイン電極26に電気的に接続さ
れている。勿論、透明電極18と下地導電層12とを一
体に形成してもよい。反射電極19の下部には、層間絶
縁膜16が設けられており、反射電極19は、層間絶縁
膜16に設けられたコンタクトホール29においてドレ
イン電極26に電気的に接続されている。絵素電極20
aが備える反射電極19と透過電極18との配置は、図
示した例に限られない。但し、ゲートバスライン22お
よび/またはソースバスライン24の一部と反射電極1
9が重なるように配置すると、実効開口率を向上するこ
とができるという利点が得られる。
【0043】層間絶縁膜16は、凹凸状表面を有してお
り、その上に形成された反射電極19は、層間絶縁膜1
6の凹凸状表面に沿って凹凸状の反射面を形成してい
る。この凹凸状の反射面が光を拡散反射することによっ
て、反射光に適度な配光分布を与え、ペーパホワイト性
の高い反射モードの表示が実現される。また、この拡散
反射特性を有する反射面は、液晶層30に近接して設け
られているので、視差の影響が無く、反射層を基板の外
側(液晶層30とは反対側)に設ける構成に比較して、
鮮明な表示が実現できる。
【0044】凹凸状表面を有する層間絶縁膜16は、例
えば、以下のようにして形成することができる。感光性
樹脂(例えば、OFPR−800:東京応化社製のポジ
型感光性樹脂)を用いて、直径が5〜10μmの円形
で、隣接する円の中心間の距離が8〜20μmの範囲内
(平均約12μm)でランダムに配置されたパターンを
有するフォトマスクを用いたフォトリソグラフィプロセ
スで、高さの高い凸部14aと低い凸部14bを形成す
る。これらの凸部14を覆うように樹脂層15を形成す
る。このようにして、例えば、平均厚さが約2.5μ
m、凹凸表面の高さの差が約0.5μmで、連続した波
状の凹凸表面を有する層間絶縁層19が得られる。な
お、凸部14の高さは同じでもよく、一体に形成しても
よい。
【0045】この凹凸状表面の上に、反射率の高い材料
(例えばAl)を堆積し、パターニングすることによっ
て、コンタクトホール29においてドレイン電極26に
電気的に接続された反射電極19を形成する。反射電極
19の表面は、層間絶縁膜16の表面に沿った凹凸状表
面となり、拡散反射特性を有する。
【0046】両用型液晶表示装置100においては、層
間絶縁膜16は、反射領域R内の液晶層30の厚さを調
整する機能を有する。典型的には、反射モードの表示を
行う光の光路長と、透過モードの表示を行う光の光路長
とを互いに一致させるために、反射領域R内の液晶層3
0の厚さdrが、透過領域T内の液晶層30の厚さdt
の1/2となるように、層間絶縁膜16の厚さが設定さ
れている。なお、例示したように、反射面が凹凸形状を
有する場合には、反射面上に位置する液晶層30の平均
の厚さを反射領域Rの液晶層30の厚さとする。
【0047】カラーフィルタ基板40は、透明基板(例
えばガラス基板(厚さ0.7mm))41と、透明基板
41上に形成されたカラーフィルタ層42と、カラーフ
ィルタ層42上に形成された対向電極44とを有してい
る。必要に応じて、カラーフィルタ層42はブラックマ
トリクス(不図示)を有する。カラーフィルタ基板40
として、公知のカラーフィルタ基板を用いることができ
る。
【0048】液晶層30は、公知の種々の液晶層を用い
ることができる。例えば、TNモードやECBモードな
どの偏光モード用の液晶層を用いることができる。これ
らの表示モードの液晶層を用いる場合は、よく知られて
いるように、位相差板や偏光板(いずれも不図示)が液
晶層30の外側に配置される。なお、ゲストホストモー
ド(吸収モード)の液晶層を用いる場合には、位相差板
や偏光板を省略することができる。
【0049】なお、液晶表示装置100は、ゲートバス
ライン22やソースバスライン24に所定の信号を供給
するための駆動回路や、透過モードの表示を行うための
バックライトをさらに備える。こられには、公知のもの
を利用できるので、ここでは説明を省略する(いずれも
不図示)。
【0050】液晶層30の厚さは、粒状スペーサによっ
て維持されている。勿論、液晶表示装置100の表示領
域(マトリクス状に配置された絵素領域から構成される
領域)外に設けられるシール部(不図示)を形成するシ
ール剤に粒状スペーサを混入してもよい。シール剤に混
入する粒状スペーサの種類や密度は、適宜設定され得
る。本発明の効果は、シール剤に混入される粒状スペー
サの種類や密度に、実質的に影響されない。なお、TF
T基板20のシール部に対応する領域に層間絶縁膜16
を設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0051】次に、図3A、図3Bおよび図3Cを参照
しながら、液晶表示装置において表示領域内に散布され
た粒状スペーサの分布(配置)および密度と表示品位と
の関係を説明する。図3Aは、本発明の両用型液晶表示
装置100の模式的な断面図、図3Bおよび図3Cはそ
れぞれ比較例の両用型液晶表示装置200および300
の模式的な断面図である。両用型液晶表示装置200お
よび300は、粒状スペーサの散布面密度が異なる以外
は、図1および図2を参照しながら上述した実施形態の
液晶表示装置100と同じ構造を有している。
【0052】図3Aに示した両用型液晶表示装置100
における表示領域内の粒状スペーサ32の散布密度は、
200個/mm2+200個/mm2×(透過領域の面積
/絵素領域の面積)〜400個/mm2+200個/m
2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)の範囲内に
ある。ここでは、反射領域Rと透過領域Tとの面積が互
いに等しい構成を採用したので、300個/mm2〜5
00個/mm2の面密度となるように、直径が約2.5
μmの球状スペーサ32をTFT基板20上に細管気流
型スペーサ散布方式で散布したあと、球状スペーサ32
を介して対向するように、TFT基板20とカラーフィ
ルタ基板40とをシール剤34を用いて互いに貼り合せ
た。得られた液晶セルに液晶材料を真空注入方で注入
し、両用型液晶表示装置100を得た。
【0053】同様の方法で、比較例の両用型液晶表示装
置200および300を作製した。図3Bに示した比較
例の両用型液晶表示装置200における表示領域内の粒
状スペーサの散布面密度は、300個/mm2未満であ
り、図3Cに示した比較例の両用型液晶表示装置300
における表示領域内の粒状スペーサ32の散布面密度
は、500個/mm2を越えている。
【0054】球状スペーサ32の散布面密度が異なる、
実施形態の両用型液晶表示装置および比較例の両用型液
晶表示装置をそれぞれ複数作製し、透過領域Tの液晶層
30の厚さdtを回転検光子法を用いて測定した結果を
図4に示す。図4の横軸は球状スペーサ32の散布面密
度で、縦軸は透過領域Tの液晶層30の厚さdtを示
す。
【0055】各散布面密度の複数の両用型液晶表示装置
のそれぞれについて、表示領域内の液晶層30の厚さd
tを測定した。2型〜5型の液晶表示装置については、
各パネル毎に3〜5点、5型〜10型の液晶表示装置に
ついは、各パネル毎に5〜12点測定した。それぞれの
散布面密度の両用型液晶表示装置のなかで、色むらが観
察された試料について、色むらが発生した領域の液晶層
の厚さの最小値と最大値を図4中に黒丸で示している。
また、図4中の実線は、目視観察によって色むらが少な
かった領域の液晶層30の厚さdtの値を結んだ線であ
る。色むらの少ない領域は、液晶層30の厚さdtのば
らつきが少ない範囲であり、この領域の液晶層30の厚
さdtをそれぞれの両用型液晶表示装置の液晶層30の
厚さdtを代表する値とする。
【0056】図4の実線から分かるように、球状スペー
サ32の散布面密度が少ないと、設定値である約5μm
(層間絶縁膜の厚さ約2.5μm+球状スペーサ32の
直径約2.5μm)よりも小さな値になるが、散布面密
度が300個/mm2以上では、約5μmで一定してい
る。また、散布面密度が500個/mm2以上では、液
晶層30の厚さdtのばらつきが大きく(設定値よりも
約5%(約0.25μm)以上大きく)なり、表示品位
の低下が視認された。散布面密度が600個/mm2
超えると、液晶層30の厚さdtのばらつきがさらに大
きく(設定値よりも約10%(約0.5μm)以上大き
く)なり、表示品位の低下が顕著であった。
【0057】球状スペーサ32の散布面密度が小さい
と、図3Bに示したように、球状スペーサ32のほとん
どが凹凸表面の凹部に落ち込み、その結果、液晶層30
の厚さが設定よりも低くなると考えられる。また、球状
スペーサ32の散布密度が大きいと、図3Cに示したよ
うに、凝集する球状スペーサ32の割合が多くなり、液
晶層30の厚さが設定値よりも大きくなる。それに対
し、図3Aに示した本発明の実施形態の液晶表示装置1
00では、凹凸表面上に適度な密度で球状スペーサ32
が存在するので、液晶層30の厚さdtは凹凸表面の平
均の高さを反映した厚さ(層間絶縁膜の平均厚さと球状
スペーサ32の直径との和)になる。
【0058】上記の結果から分かるように、散布面密度
が300個/mm2未満では、所定に液晶層の厚さを得
ることが困難で、500個/mm2を越えると液晶層の
厚さのむらが大きく、液晶表示装置の製造歩留まりが低
下する。これに対し、散布密度が300個/mm2以上
500個/mm2以下の場合には、均一に、設定値に近
い厚さを有する液晶層30を再現性良く得ることができ
る。
【0059】上述したように凹凸状表面を有する反射電
極19を液晶層30側に配置した構成の両用型液晶表示
装置について、透過領域の占有率が0%、50%、60
%、70%を作製して液晶層の厚さと表示品位との関係
を検討した結果、200個/mm2+200個/mm2×
(透過領域の面積/絵素領域の面積)〜400個/mm
2+200個/mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面
積)の範囲内にあれば、液晶層の厚さを再現性良く、均
一に、安定に維持することができることが分かった。
【0060】本発明の実施形態の両用型液晶表示装置1
00の電気光学特性の例を図5に示す。図5の横軸は、
入力画像信号の階調値を示し、縦軸は、両用型液晶表示
装置100の相対輝度(透過領域を基準)を示し、反射
領域の相対輝度(反射率)を実線で、透過領域の相対輝
度(透過率)を破線で示している。
【0061】図5から分かるように、両用型液晶表示装
置100では、液晶層30の厚さが設計通りに制御され
ており、透過領域Tの液晶層30の厚さdtが反射領域
Rの液晶層30の厚さdrの約2倍となっているので、
入力階調に対する相対輝度の変化の仕方がほぼ一致して
いる(縦軸方向に曲線をずらすと互いにほぼ重なる)。
また、反射領域Rと透過領域Tとの面積比が1:1なの
で、相対輝度の値もほぼ一致している。このように、本
発明によると、液晶層の厚さが粒状スペーサ32によっ
て正確に制御され、優れた表示特性を有する両用型液晶
表示装置を効率良く製造することができる。
【0062】本発明は、反射電極19が凹凸状表面を有
し、反射電極19が拡散反射層としても機能する上記の
実施形態の両用型液表示装置100に限られず、平坦な
表面を有する両用型液晶表示装置に適用することができ
る。
【0063】図6に本発明の実施形態の他の両用型液晶
表示装置400の模式的な断面図を示す。両用型液晶表
示装置400は、層間絶縁膜16’が平坦な表面を有
し、その上に形成されている反射電極19’の反射面も
平坦である。反射モードでペーパホワイトな白表示を行
うための拡散反射層45は、カラーフィルタ基板40’
側に設けられている。拡散反射層45のハッチング部
は、例えば、マトリクス樹脂の屈折率異なる屈折率を有
する粒子をマトリクス樹脂中に分散した複合材料を用い
て形成されおり、拡散反射特性を有している。その他の
構成は、両用型液晶表示装置100と実質的に同じであ
り、共通の参照符号で示し、その説明をここでは省略す
る。
【0064】この両用型液晶表示装置400の反射電極
19’の液晶層30側の表面は平坦なので、液晶層30
の厚さを正確に制御するために必要な、粒状スペーサ3
2の散布面密度の範囲が先の実施形態と異なる。上述し
たように、凹凸状表面が液晶層に接する構成を有する両
用型液晶表示装置100では、反射電極19の凹凸状表
面の凹部に存在する粒状スペーサ32は液晶層30の厚
さを規定するように作用しないのに対し、両用型液晶表
示装置400の反射電極19’の平坦な表面上に位置す
る粒状スペーサ32の全てが液晶層30の厚さを規定す
るように作用する。従って、表面が平坦な反射電極1
9’を備える両用型液晶表示装置においては、粒状スペ
ーサ32の散布面密度の下限値を100個/mm2+2
00個/mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)
としても十分に安定に、正確に液晶層30の厚さを制御
することができる。例えば、両用型液晶表示装置100
と同様に、反射領域Rと透過領域Tとの面積比が1:1
の場合、粒状スペーサ32の散布面密度が200個/m
2から500個/mm2の範囲内で、良好な結果が得ら
れる。
【0065】上述した本発明に実施形態の両用型液晶表
示装置100および400の透過領域Tないの液晶層3
0に存在する粒状スペーサ32の影響について説明す
る。上述したように、両用型液晶表示装置の透過領域T
内の液晶層30に存在する粒状スペーサ32は液晶層3
0の厚さを規定するように作用しない。また、一般に、
透過型液晶表示装置の液晶層に存在する粒状スペーサ3
2は、反射型液晶表示装置の液晶層に存在する粒状スペ
ーサ32よりも、表示品位を低下させやすい。従って、
両用型液晶表示装置の透過領域内Tの液晶層30に存在
する粒状スペーサ32の数はできるだけ少ないほうが好
ましい。
【0066】例えば、図7に断面図を模式的に示した従
来の透過型液晶表示装置500において、直径5μmの
粒状スペーサ32を300個/mm2以上の面密度で散
布すると、粒状スペーサ32の凝集による表示品の低下
が確認された。なお、液晶表示装置500は、絵素電極
が透明電極18のみで構成されている以外は、両用型液
晶表示装置100と実質的に同じ構造を有しており、T
FT基板20とカラーフィルタ基板40との間に液晶層
30を有している。
【0067】これに対し、上述した本発明による両用型
液晶表示装置100および400では、500個/mm
2の面密度で粒状スペーサ32を散布しても透過領域T
に存在する粒状スペーサ32の凝集による表示品位の低
下は見られ無かった。
【0068】これは、透過型液晶表示装置500の液晶
層30においては、約5μmの液晶層を得るために、直
径が5μmの球状スペーサ32を用いているのに対し、
両用型液晶表示装置100および400の液晶層30で
用いられている球状スペーサ32の直径は約2.5μm
であり、透過領域T内の液晶層30の厚さdtの約1/
2のである。従って、両用型液晶表示装置100および
400の透過領域T内の粒状スペーサ32が占める面積
率は、透過型液晶表示装置500の絵素領域内の粒状ス
ペーサ32が占める面積率の(500/300)×
(2.5/5)2=5/12と非常に小さいからであ
る。さらに、液晶層30に対する体積率で比較すると、
透過型液晶表示装置500の液晶層30に対する球状ス
ペーサ32の体積率の5/24となり、非常に小さい。
粒状スペーサ32の凝集による表示品位の低下は、液晶
分子の配向の乱れに起因し、表示モードにも依存するの
で、定量的に議論することは難しいが、両用型液晶表示
装置100および400において、上述の散布面密度内
であれば、反射領域Rの液晶層30の厚さdrよりも厚
く設定される透過領域Tの液晶層30(厚さdt)に存
在する粒状スペーサ32の凝集が表示品位を低下する原
因となることはない。すなわち、両用型液晶表示装置1
00および400における散布面密度の上限は、上述し
たように、反射領域Rに存在する粒状スペーサ32の凝
集による液晶層30の厚さのばらつきが起こらないよう
に設定すればよい。
【0069】
【発明の効果】本発明によると、液晶層の厚さが粒状ス
ペーサによって正確に制御され、優れた表示特性を有す
る両用型液晶表示装置および表示品位の優れた両用型液
晶表示装置を効率良く製造する方法が提供される。本発
明の両用型液晶表示装置は、粒状スペーサの散布面密度
を透過領域と反射領域との面積比を考慮して所定の範囲
内に設定するだけで、従来の製造方法を用いて製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態の両用型液晶表示装置1
00の模式的な断面図である。
【図2】本発明による実施形態の両用型液晶表示装置1
00の模式的な平面図である。
【図3A】本発明による実施形態の両用型液晶表示装置
100における球状スペーサの分布を説明するための模
式的な断面図である。
【図3B】比較例の両用型液晶表示装置200における
球状スペーサの分布を説明するための模式的な断面図で
ある。
【図3C】比較例の両用型液晶表示装置300における
球状スペーサの分布を説明するための模式的な断面図で
ある。
【図4】球状スペーサの散布面密度と液晶層の厚さとの
関係を示すグラフである。
【図5】本発明による実施形態の両用型液晶表示装置1
00の電気光学特性を示す図である。
【図6】本発明による実施形態の他の両用型液晶表示装
置400の模式的な断面図である。
【図7】従来の透過型液晶表示装置500における球状
スペーサの分布を説明するための模式的な断面図であ
る。
【符号の説明】
20 TFT基板 30 液晶層30 32 球状スペーサ 34 シール剤 40 カラーフィルタ基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市岡 真千恵 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森田 朋宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H089 LA07 LA19 LA20 NA06 NA25 PA05 QA14 RA05 RA06 RA07 SA01 SA17 TA05 TA09 TA12 TA14 TA17 TA18 2H092 GA12 HA03 HA05 JA24 NA01 PA03 PA08 PA10 PA12 QA07 QA08 QA09 5C094 AA43 AA47 BA03 BA43 CA19 DA12 EA05 EA06 EB02 EC03 ED03 ED11 FA01 FA02 FB15 GB10 JA01 JA08 JA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1基板と、第2基板と、前記第1基板
    と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、 前記第1基板の前記液晶層側に設けられた第1電極と、
    前記第2基板に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介
    して対向する第2電極とによって、それぞれが規定され
    る複数の絵素領域を有し、 前記複数の絵素領域のそれぞれは、反射モードで表示を
    行う反射領域と、透過モードで表示を行う透過領域とを
    有し、 前記複数の絵素領域の前記液晶層の厚さは、粒状スペー
    サによって規定されており、且つ、前記透過領域の前記
    液晶層の厚さは、前記反射領域の前記液晶層の厚さより
    も厚く、前記粒状スペーサの散布面密度は、100個/
    mm2+200個/mm2×(透過領域の面積/絵素領域
    の面積)〜400個/mm2+200個/mm2×(透過
    領域の面積/絵素領域の面積)の範囲内にある、液晶表
    示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1電極は、前記反射領域を規定す
    る反射電極領域と、前記透過領域を規定する透過電極領
    域とを有し、前記反射電極領域の前記液晶層側の表面
    は、拡散反射特性を有する凹凸状表面であって、 前記粒状スペーサは、球状スペーサであって、前記粒状
    スペーサの散布面密度は、200個/mm2+200個
    /mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)以上で
    ある、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記球状スペーサの直径は、2μm〜1
    0μmの範囲内にある請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記反射領域の前記液晶層の厚さは、前
    記透過領域の前記液晶層の厚さの1/2である、請求項
    1から3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記反射領域は、前記絵素領域の30%
    以上を占める、請求項1から4のいずれかに記載の液晶
    表示装置。
  6. 【請求項6】 第1基板と、第2基板と、前記第1基板
    と前記第2基板との間に設けられた液晶層とを有し、前
    記第1基板の前記液晶層側に設けられた第1電極と、前
    記第2基板に設けられ前記第1電極に前記液晶層を介し
    て対向する第2電極とによって規定される絵素領域を複
    数有し、前記絵素領域は、反射モードで表示を行う反射
    領域と、透過モードで表示を行う透過領域とを有する液
    晶表示装置の製造方法であって、 第1電極を有する第1基板と、第2電極を有する第2基
    板とを用意する工程と、 前記第1基板または前記第2基板の表面に、100個/
    mm2+200個/mm2×(透過領域の面積/絵素領域
    の面積)〜400個/mm2+200個/mm 2×(透過
    領域の面積/絵素領域の面積)の範囲内の面密度で、粒
    状スペーサを散布する工程と、 前記散布された粒状スペーサを間に挟んで、前記第1基
    板と前記第2基板とを貼り合せ、前記第1基板と前記第
    2基板との間に間隙を形成する工程と、 前記第1基板と前記第2基板との間に形成された前記間
    隙に液晶材料を注入する工程と、を包含する液晶表示装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1電極は、前記反射領域を規定す
    る反射電極領域と、前記透過領域を規定する透過電極領
    域とを有し、前記反射電極領域の前記液晶層側の表面
    は、拡散反射特性を有する凹凸状表面であって、 前記粒状スペーサは、球状スペーサであって、前記粒状
    スペーサの散布面密度は、200個/mm2+200個
    /mm2×(透過領域の面積/絵素領域の面積)以上で
    ある、請求項6に記載の液晶表示装置の製造方法。
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KR101066134B1 (ko) * 2004-05-28 2011-09-20 쿄세라 코포레이션 액정표시장치

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