JP2001305299A - 中性子発生装置 - Google Patents
中性子発生装置Info
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- JP2001305299A JP2001305299A JP2000123674A JP2000123674A JP2001305299A JP 2001305299 A JP2001305299 A JP 2001305299A JP 2000123674 A JP2000123674 A JP 2000123674A JP 2000123674 A JP2000123674 A JP 2000123674A JP 2001305299 A JP2001305299 A JP 2001305299A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】長寿命で簡素な構成の液体ターゲットを用いた
中性子発生装置を提供する。 【解決手段】液体金属9を中性子発生部3の管内を上下
に循環させて、その循環で生じた上部の自由表面10に
荷電粒子6を直接入射させる。液体金属の自由表面10
の上方に内面が蒸気蒸着部2となっている空間部を設け
ることで、荷電粒子6の入射で蒸発した金属を作動流体
とするゲッターポンプおよびヒートサイフォンを形成さ
せ真空排気と除熱および蒸発金属回収を同時に可能にす
る。
中性子発生装置を提供する。 【解決手段】液体金属9を中性子発生部3の管内を上下
に循環させて、その循環で生じた上部の自由表面10に
荷電粒子6を直接入射させる。液体金属の自由表面10
の上方に内面が蒸気蒸着部2となっている空間部を設け
ることで、荷電粒子6の入射で蒸発した金属を作動流体
とするゲッターポンプおよびヒートサイフォンを形成さ
せ真空排気と除熱および蒸発金属回収を同時に可能にす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速器で発生させ
た荷電粒子ビームを、ターゲットである液体金属に打ち
込んで生じる核破砕反応により中性子を発生させる中性
子発生装置に関する。
た荷電粒子ビームを、ターゲットである液体金属に打ち
込んで生じる核破砕反応により中性子を発生させる中性
子発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核破砕中性子源では、加速器で発生させ
た高エネルギ荷電粒子(通常プロトン)をタングステンや
タンタル等で作られたターゲットに打ち込み、高エネル
ギ荷電粒子とターゲット物質との核破砕反応により多数
の高エネルギ中性子を発生させる。
た高エネルギ荷電粒子(通常プロトン)をタングステンや
タンタル等で作られたターゲットに打ち込み、高エネル
ギ荷電粒子とターゲット物質との核破砕反応により多数
の高エネルギ中性子を発生させる。
【0003】発生した高エネルギ中性子は、液体水素や
重水でできた減速器で熱中性子や冷中性子に減速され、
中性子ビーム輸送系を介して利用実験室に供給され中性
子回折等の実験に利用されている。
重水でできた減速器で熱中性子や冷中性子に減速され、
中性子ビーム輸送系を介して利用実験室に供給され中性
子回折等の実験に利用されている。
【0004】例えば、英国ラザフォードアップルトン研
究所の核破砕中性子源ISISでは、800MeVのプ
ロトン、2.5×1013 個からなるパルスビームを50
Hzの周期で、水冷されたタンタル(Ta)製ターゲッ
トに打ち込むことにより約1015個/cm2s の中性子束
を得ている。すなわち、160kWのプロトンビームで
約1015個/cm2s の中性子束を得ている。
究所の核破砕中性子源ISISでは、800MeVのプ
ロトン、2.5×1013 個からなるパルスビームを50
Hzの周期で、水冷されたタンタル(Ta)製ターゲッ
トに打ち込むことにより約1015個/cm2s の中性子束
を得ている。すなわち、160kWのプロトンビームで
約1015個/cm2s の中性子束を得ている。
【0005】近年、中性子利用研究の重要性が急速に増
大しつつあり、次世代核破砕中性子源の計画が米国(S
NS計画),EC(ESS計画),日本(高エネ機構−
原研統合計画)で進められている。
大しつつあり、次世代核破砕中性子源の計画が米国(S
NS計画),EC(ESS計画),日本(高エネ機構−
原研統合計画)で進められている。
【0006】これら世界の3大計画は、いずれも1017
個/cm2s の中性子束を得るため、いまだ経験したこと
のない数MWのプロトンビームをターゲットに入射させ
る予定である。ここでプロトンのエネルギは1〜3Ge
Vである。
個/cm2s の中性子束を得るため、いまだ経験したこと
のない数MWのプロトンビームをターゲットに入射させ
る予定である。ここでプロトンのエネルギは1〜3Ge
Vである。
【0007】一般に数MW級ビームのターゲットは、タ
ーゲット内での発熱が数百MW/m3 に達するため、固
体金属を水冷する現行の方式は使えず、液体金属にせざ
るを得ないことが解っている。このため、世界の3大計
画とも水銀ターゲット方式を採用している。
ーゲット内での発熱が数百MW/m3 に達するため、固
体金属を水冷する現行の方式は使えず、液体金属にせざ
るを得ないことが解っている。このため、世界の3大計
画とも水銀ターゲット方式を採用している。
【0008】図8に米国SNS計画の水銀ターゲットを
示す。ここで、核破砕中性子源において加速器本体およ
び荷電粒子ビーム輸送系を加速器系と呼び、ターゲット
本体およびターゲット周りの機器を中性子発生装置と呼
ぶことにする。従って、核破砕中性子源は加速器系と中
性子発生装置からなる。
示す。ここで、核破砕中性子源において加速器本体およ
び荷電粒子ビーム輸送系を加速器系と呼び、ターゲット
本体およびターゲット周りの機器を中性子発生装置と呼
ぶことにする。従って、核破砕中性子源は加速器系と中
性子発生装置からなる。
【0009】SNS計画の中性子発生装置1では、ステ
ンレス鋼製ターゲット容器内に、ターゲット材である水
銀24を後方両側の水銀導入管25から導入、荷電粒子
(プロトンイオン)6の入射面で折り返し中央後方の水
銀出口管より排出させている。水銀は核破砕反応に使わ
れると同時に、発生した熱の除熱冷却材としても使われ
ている。
ンレス鋼製ターゲット容器内に、ターゲット材である水
銀24を後方両側の水銀導入管25から導入、荷電粒子
(プロトンイオン)6の入射面で折り返し中央後方の水
銀出口管より排出させている。水銀は核破砕反応に使わ
れると同時に、発生した熱の除熱冷却材としても使われ
ている。
【0010】図9は1.5GeV のプロトンを水銀に打
ち込んだ時の核破砕反応に伴う発熱分布を示している。
横軸は、プロトンの入射面からの深さ、縦軸は発熱密度
であり単位プロトンビーム入力(MW)あたり単位体積
(m3)あたりの発熱量である。
ち込んだ時の核破砕反応に伴う発熱分布を示している。
横軸は、プロトンの入射面からの深さ、縦軸は発熱密度
であり単位プロトンビーム入力(MW)あたり単位体積
(m3)あたりの発熱量である。
【0011】図9よりプロトン入射面から約5cmのとこ
ろで最大発熱密度400MW/m3MWに達すること、
1.5GeV のプロトンの飛程は、80cm程度であるこ
とがわかる。ここで、2倍のエネルギの3GeVのプロ
トンの飛程も90cm程度であり、2倍にならない。この
ことは、発熱分布にも当てはまり1〜3GeVの範囲で
はほぼ図9のようになると考えて大きな間違いはない。
ろで最大発熱密度400MW/m3MWに達すること、
1.5GeV のプロトンの飛程は、80cm程度であるこ
とがわかる。ここで、2倍のエネルギの3GeVのプロ
トンの飛程も90cm程度であり、2倍にならない。この
ことは、発熱分布にも当てはまり1〜3GeVの範囲で
はほぼ図9のようになると考えて大きな間違いはない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】中性子発生装置の使用
寿命は実用的な見地から1年以上あることが望ましい。
しかし、上述した現在計画されている水銀を用いた中性
子発生装置では、プロトンビーム入射面の窓材の損傷が
下記理由により激しく、寿命が0.5 年以下になること
が問題視されている。 プロトンによる照射損傷。 プロトンパルス入射時に発生する数百MPaの衝撃波
による損傷。 水銀による窓材の腐食ないしは液体金属脆性による損
傷。 上記3点の複合効果による損傷。
寿命は実用的な見地から1年以上あることが望ましい。
しかし、上述した現在計画されている水銀を用いた中性
子発生装置では、プロトンビーム入射面の窓材の損傷が
下記理由により激しく、寿命が0.5 年以下になること
が問題視されている。 プロトンによる照射損傷。 プロトンパルス入射時に発生する数百MPaの衝撃波
による損傷。 水銀による窓材の腐食ないしは液体金属脆性による損
傷。 上記3点の複合効果による損傷。
【0013】プロトンビーム入射面の窓材が存在しない
公知例として、特開昭58−10700号公報や特開平7−2
49498号公報に掲載された中性子発生装置がある。
公知例として、特開昭58−10700号公報や特開平7−2
49498号公報に掲載された中性子発生装置がある。
【0014】これらの公知例は、真空度や熱管理などの
中性子発生源環境を良好に保つに大掛かりな設備が必要
である。
中性子発生源環境を良好に保つに大掛かりな設備が必要
である。
【0015】本発明の目的は、簡素で寿命が長くできる
中性子発生装置を提供することにある。
中性子発生装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の基本構成は、問
題となっている荷電粒子ビーム入射窓部を無くし、荷電
粒子ビームを直接液体金属の自由表面に入射させ、さら
には、液体金属自由表面の上方に空間を設け蒸発した金
属を作動流体とするゲッターポンプ又は/およびヒート
サイフォンを形成させ真空排気と除熱および蒸発金属回
収を同時に可能にする。
題となっている荷電粒子ビーム入射窓部を無くし、荷電
粒子ビームを直接液体金属の自由表面に入射させ、さら
には、液体金属自由表面の上方に空間を設け蒸発した金
属を作動流体とするゲッターポンプ又は/およびヒート
サイフォンを形成させ真空排気と除熱および蒸発金属回
収を同時に可能にする。
【0017】その他の特徴点は、加速器系出口または中
性子発生装置入口に高周波加熱器と電場E,磁場Bを互
いに垂直に印加できる電磁場発生装置を設け、蒸発面か
ら加速器系側に迷走してくる弱電離プラズマを強電離プ
ラズマにするとともにE×Bドリフトにより中性子発生
器側に排出する。
性子発生装置入口に高周波加熱器と電場E,磁場Bを互
いに垂直に印加できる電磁場発生装置を設け、蒸発面か
ら加速器系側に迷走してくる弱電離プラズマを強電離プ
ラズマにするとともにE×Bドリフトにより中性子発生
器側に排出する。
【0018】ここで高周波加熱器と電磁場発生装置を併
せたものをE×Bドリフト排気装置と呼ぶ。
せたものをE×Bドリフト排気装置と呼ぶ。
【0019】本発明では、極めて短寿命の荷電粒子ビー
ム入射窓部を無くしているので入射窓材の問題は当然解
消されるが、その他としては、束縛のない液体金属自由
表面に直接荷電粒子ビームを打ち込むので、衝撃波の問
題も解消され、他の構造材の使用環境も緩和させる作用
を持つ。
ム入射窓部を無くしているので入射窓材の問題は当然解
消されるが、その他としては、束縛のない液体金属自由
表面に直接荷電粒子ビームを打ち込むので、衝撃波の問
題も解消され、他の構造材の使用環境も緩和させる作用
を持つ。
【0020】また、蒸発面の上方に適当な空間を設け金
属蒸気が蒸着する面を広く取ることにより常に新鮮な活
性金属表面を充分に確保でき、ゲッターポンプとして真
空排気できる作用がある。
属蒸気が蒸着する面を広く取ることにより常に新鮮な活
性金属表面を充分に確保でき、ゲッターポンプとして真
空排気できる作用がある。
【0021】同時に、蒸発した金属原子は、大きな気化
熱を持ち音速で蒸着面に到達するので極めて伝熱効率の
良いヒートサイフォンの作動流体の作用を持つ。
熱を持ち音速で蒸着面に到達するので極めて伝熱効率の
良いヒートサイフォンの作動流体の作用を持つ。
【0022】ヒートサイフォンは中性子発生部のような
構造が複雑で空間的に余裕のない場所から効率よく熱を
別の空間的余裕のある場所(上方に設けた空間部)に運
びそこで容易に冷却できるようにする作用がある。
構造が複雑で空間的に余裕のない場所から効率よく熱を
別の空間的余裕のある場所(上方に設けた空間部)に運
びそこで容易に冷却できるようにする作用がある。
【0023】また、広い蒸着面は蒸着金属分子により持
ち込まれる入熱密度を下げ冷却を容易にする作用を持
つ。
ち込まれる入熱密度を下げ冷却を容易にする作用を持
つ。
【0024】加速器系終端部と中性子発生装置の荷電粒
子ビーム入射部を直結すると、蒸発した金属原子の一部
は、弱電離プラズマ化した状態で加速器系側に逆流する
が、本発明のE×Bドリフト排気装置はつぎの実施例に
おいて詳細に説明する原理により、これら迷走してきた
金属原子を加速器系から排出する作用を持つ。
子ビーム入射部を直結すると、蒸発した金属原子の一部
は、弱電離プラズマ化した状態で加速器系側に逆流する
が、本発明のE×Bドリフト排気装置はつぎの実施例に
おいて詳細に説明する原理により、これら迷走してきた
金属原子を加速器系から排出する作用を持つ。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例である中性子
発生装置について図1を用いて説明する。本発明の中性
子発生装置1は大略、適当な内面積を有する蒸気蒸着部
2と液体金属が充填された中性子発生部3および液体金
属9が貯えられたリザーバ4で構成される。
発生装置について図1を用いて説明する。本発明の中性
子発生装置1は大略、適当な内面積を有する蒸気蒸着部
2と液体金属が充填された中性子発生部3および液体金
属9が貯えられたリザーバ4で構成される。
【0026】これら構成機器の外面にはそれらが適当な
温度に保持できるよう適当に冷却管等の冷却手段とヒー
タ等の加熱手段が設けてある。また加速器系の終端部ま
たは中性子発生装置1の荷電粒子ビーム入射口部には、
加速器系と中性子発生装置1側の真空を直結したり切り
離したりするための電磁弁が設けられている。
温度に保持できるよう適当に冷却管等の冷却手段とヒー
タ等の加熱手段が設けてある。また加速器系の終端部ま
たは中性子発生装置1の荷電粒子ビーム入射口部には、
加速器系と中性子発生装置1側の真空を直結したり切り
離したりするための電磁弁が設けられている。
【0027】もちろん中性子発生装置1の蒸気蒸着部2
と中性子発生部3の内部を真空排気したり大気開放する
ための通常の真空ポンプ系とパージ系は装備されている
が図面が複雑になるため略されている。
と中性子発生部3の内部を真空排気したり大気開放する
ための通常の真空ポンプ系とパージ系は装備されている
が図面が複雑になるため略されている。
【0028】本実施例では、高エネルギ荷電粒子ビーム
6と液体金属9にそれぞれ3GeVプロトンビーム、鉛
を例に取り説明する(図中の符号番号はそれぞれ同一の
ものを使用する。以下の実施例でも同様に扱う。)。プ
ロトンビームはパルス幅1μs繰り返し数20Hzのパ
ルスビームとする。
6と液体金属9にそれぞれ3GeVプロトンビーム、鉛
を例に取り説明する(図中の符号番号はそれぞれ同一の
ものを使用する。以下の実施例でも同様に扱う。)。プ
ロトンビームはパルス幅1μs繰り返し数20Hzのパ
ルスビームとする。
【0029】装置の初期立上げ、照射中の動作、
定期検査などで停止する場合の順で説明する。 先ず、リザーバ4内に貯蔵されている鉛9を融点(3
27℃)以上、例えば350℃に加熱し溶融させる。リ
ザーバ4は開口部13が設けられ大気開放されているた
め、蒸気蒸着部2及び中性子発生管3の内部を真空排気
すると溶融した鉛9は中性子発生管3内を上昇し液面1
0と大気開放されたリザーバ4内の液面12の差がh=
Patm/ρgになったところで所望する一定の位置に保
たれる。
定期検査などで停止する場合の順で説明する。 先ず、リザーバ4内に貯蔵されている鉛9を融点(3
27℃)以上、例えば350℃に加熱し溶融させる。リ
ザーバ4は開口部13が設けられ大気開放されているた
め、蒸気蒸着部2及び中性子発生管3の内部を真空排気
すると溶融した鉛9は中性子発生管3内を上昇し液面1
0と大気開放されたリザーバ4内の液面12の差がh=
Patm/ρgになったところで所望する一定の位置に保
たれる。
【0030】ここでPatm は大気圧で1013.25h
Pa 、ρは液体金属密度で鉛の密度は350℃で10.
6×103kg/m3 である。gは、重力加速度9.8m/
s2である。
Pa 、ρは液体金属密度で鉛の密度は350℃で10.
6×103kg/m3 である。gは、重力加速度9.8m/
s2である。
【0031】したがって鉛の場合,h=0.975m 、
すなわち約1mとなる。蒸気蒸着部2内の真空が所定の
真空度に達した後、加速器系と中性子発生装置の真空を
仕切っている電磁弁を開き加速器系と直結する。
すなわち約1mとなる。蒸気蒸着部2内の真空が所定の
真空度に達した後、加速器系と中性子発生装置の真空を
仕切っている電磁弁を開き加速器系と直結する。
【0032】その他冷却設備や加熱設備を作動させ、E
×Bドリフト排気装置5の電源を投入し所定値の電磁場
を発生させると3GeVプロトンビーム6の照射準備が
完了する。 3GeVプロトンビーム6は、偏向電磁石7で偏向さ
れ上方より液体鉛自由表面10に入射される。3GeV
プロトンビーム6は中性子発生管3の導管3′の軸中心
に深さ約90cmまで打ち込まれる。
×Bドリフト排気装置5の電源を投入し所定値の電磁場
を発生させると3GeVプロトンビーム6の照射準備が
完了する。 3GeVプロトンビーム6は、偏向電磁石7で偏向さ
れ上方より液体鉛自由表面10に入射される。3GeV
プロトンビーム6は中性子発生管3の導管3′の軸中心
に深さ約90cmまで打ち込まれる。
【0033】3GeVプロトンビーム6のビーム直径
は、2cm前後であるので中性子発生管3の導管3′の直
径は、5〜10cm前後が適当である。3GeVプロトン
ビーム6と鉛9との核破砕反応により発生する高エネル
ギ中性子は、鉛自由表面10から深さ5〜10cmあたり
で最も強い。
は、2cm前後であるので中性子発生管3の導管3′の直
径は、5〜10cm前後が適当である。3GeVプロトン
ビーム6と鉛9との核破砕反応により発生する高エネル
ギ中性子は、鉛自由表面10から深さ5〜10cmあたり
で最も強い。
【0034】この周りに中性子減速器8を配置し発生し
た高エネルギ中性子を熱中性子ないしは冷中性子以下ま
で減速し中性子輸送管を介して利用実験室までこれら低
エネルギ中性子を輸送し利用する。
た高エネルギ中性子を熱中性子ないしは冷中性子以下ま
で減速し中性子輸送管を介して利用実験室までこれら低
エネルギ中性子を輸送し利用する。
【0035】3GeVプロトンビーム6の照射が開始さ
れると鉛自由表面10から鉛が蒸発する。鉛蒸気11
は、蒸気蒸着部2の内面で冷却されて再び液化し内面に
沿って中性子発生管3の導管3′の外側を通ってリザー
バ4に還流される。
れると鉛自由表面10から鉛が蒸発する。鉛蒸気11
は、蒸気蒸着部2の内面で冷却されて再び液化し内面に
沿って中性子発生管3の導管3′の外側を通ってリザー
バ4に還流される。
【0036】ここで導管3′内部では蒸発のため失われ
た分の鉛が大気圧により自動的に供給されるため上昇流
が存在すると同時に導管3′の外側では、逆に下降流が
存在する。すなわち、大気圧を駆動力としプロトンビー
ムによる入熱を駆動エネルギとする自然循環ポンプが形
成されている。
た分の鉛が大気圧により自動的に供給されるため上昇流
が存在すると同時に導管3′の外側では、逆に下降流が
存在する。すなわち、大気圧を駆動力としプロトンビー
ムによる入熱を駆動エネルギとする自然循環ポンプが形
成されている。
【0037】この時蒸気蒸着部2の内面は、常に活性金
属表面になっておりゲッターポンプのゲッター面を形成
している。すなわち、気体分子を吸着する真空ポンプの
役割を果たす。
属表面になっておりゲッターポンプのゲッター面を形成
している。すなわち、気体分子を吸着する真空ポンプの
役割を果たす。
【0038】通常では、プロトンビームパルスが入射す
るたびにガス放出のため急激に真空が悪化し加速器系に
悪い影響を与える危険性がある。本発明では、プロトン
ビームパルスが入射するたびにゲッターポンプが作動す
ることになり真空度は、逆に改善される。
るたびにガス放出のため急激に真空が悪化し加速器系に
悪い影響を与える危険性がある。本発明では、プロトン
ビームパルスが入射するたびにゲッターポンプが作動す
ることになり真空度は、逆に改善される。
【0039】もちろんターボモレキュラポンプ等他のポ
ンプと並列で真空排気するのも有効である。また、加速
器系に差動排気系を設けるのもまた有効である。
ンプと並列で真空排気するのも有効である。また、加速
器系に差動排気系を設けるのもまた有効である。
【0040】次に蒸気発生,蒸着液化,還流のプロセス
を熱力学的に見ればヒートサイフォンを形成しているこ
とが解る。蒸発部で気化熱を受け取った蒸発原子は蒸着
面で液化し気化熱を蒸着面に与える。
を熱力学的に見ればヒートサイフォンを形成しているこ
とが解る。蒸発部で気化熱を受け取った蒸発原子は蒸着
面で液化し気化熱を蒸着面に与える。
【0041】すなわち、原子一個一個が大きな気化熱を
音速で運ぶという最も効率の良い熱伝達が行われる。ま
た蒸着面は空間的余裕がある場所に設置してあるので冷
却が容易でかつ面積が広いため入熱密度を下げることが
でき冷却がより容易になる利点をヒートサイフォンは有
している。
音速で運ぶという最も効率の良い熱伝達が行われる。ま
た蒸着面は空間的余裕がある場所に設置してあるので冷
却が容易でかつ面積が広いため入熱密度を下げることが
でき冷却がより容易になる利点をヒートサイフォンは有
している。
【0042】照射中、安定した分布の中性子を発生させ
るためには鉛の自由表面10の高さを一定に保つことは
重要である。本発明では図1中の液面差hは、自動的に
一定に保たれるので鉛の自由表面10の高さも実際上問
題のない範囲で一定に保たれるという利点を持つ。
るためには鉛の自由表面10の高さを一定に保つことは
重要である。本発明では図1中の液面差hは、自動的に
一定に保たれるので鉛の自由表面10の高さも実際上問
題のない範囲で一定に保たれるという利点を持つ。
【0043】例えば、最も厳しい場合として照射初期を
考える。照射の初期、蒸発した液体金属が上方で留まっ
ており、還流がまだ始まらないとき、中性子発生管3内
とリザーバ4内を満たしている全液体金属量が減少す
る。このため、液面差hは一定であるが中性子発生管3
内およびリザーバ4内の両方の液面が共に低下する。
考える。照射の初期、蒸発した液体金属が上方で留まっ
ており、還流がまだ始まらないとき、中性子発生管3内
とリザーバ4内を満たしている全液体金属量が減少す
る。このため、液面差hは一定であるが中性子発生管3
内およびリザーバ4内の両方の液面が共に低下する。
【0044】この低下量を概算し実用上問題のないこと
を確認する。いま導管3′の上端(蒸発面)からX(c
m)分の鉛が蒸発しこの分の液体が回収されず欠損して
いる状態の時、導管3′の上端(蒸発面)10の液面高
さの低下量Y(cm)を求めてみる。導管3′の断面積を
a(cm2)とすると欠損量はXa(cm3)となる。
を確認する。いま導管3′の上端(蒸発面)からX(c
m)分の鉛が蒸発しこの分の液体が回収されず欠損して
いる状態の時、導管3′の上端(蒸発面)10の液面高
さの低下量Y(cm)を求めてみる。導管3′の断面積を
a(cm2)とすると欠損量はXa(cm3)となる。
【0045】この欠損量を補うためリザーバ4内の自由
表面12の高さが低下する量δ(cm)は、リザーバ4の断
面積をA(cm2)とすると δ=Xa/A となる。
表面12の高さが低下する量δ(cm)は、リザーバ4の断
面積をA(cm2)とすると δ=Xa/A となる。
【0046】ここで導管3′の上端(蒸発面)10の液
面高さとリザーバ4内の自由表面12の高さの差h(c
m)は一定であるので結局求める導管3′の上端(蒸発
面)10の液面高さの低下量Y(cm)は、Y=δ=Xa
/Aとなる。
面高さとリザーバ4内の自由表面12の高さの差h(c
m)は一定であるので結局求める導管3′の上端(蒸発
面)10の液面高さの低下量Y(cm)は、Y=δ=Xa
/Aとなる。
【0047】いま導管3′の直径を5cm、リザーバ4の
直径を50cmとし、導管3′の上端(蒸発面)から10
cmの鉛が蒸発し欠損したとしてもY=0.1cm の低下し
かなく実際上問題とならず液面高さは実効的に一定とで
きることが解る。
直径を50cmとし、導管3′の上端(蒸発面)から10
cmの鉛が蒸発し欠損したとしてもY=0.1cm の低下し
かなく実際上問題とならず液面高さは実効的に一定とで
きることが解る。
【0048】金属蒸気がプロトンビーム入射口を通して
加速器系側に迷走する場合について考える。荷電粒子に
より加熱蒸発した金属蒸気は、弱電離プラズマ化してい
る。
加速器系側に迷走する場合について考える。荷電粒子に
より加熱蒸発した金属蒸気は、弱電離プラズマ化してい
る。
【0049】そこでこれをE×Bドリフト排気装置5を
用いて高周波加熱することにより強電離プラズマ化し図
1に示した方向の電場Eと磁場BによるE×Bドリフト
によりプラズマを下方に排出することができる。
用いて高周波加熱することにより強電離プラズマ化し図
1に示した方向の電場Eと磁場BによるE×Bドリフト
によりプラズマを下方に排出することができる。
【0050】E×Bドリフトの原理については本実施例
1の最後のところで詳細に説明する。金属蒸気11がプ
ラズマ化しているためプロトンビームが入射する毎に発
光する。従って、蒸気蒸着部2の一部にポートを設ける
ことによりパルスビームに同期した発光が取り出せオプ
ティカルトリガやその他中性子実験と同期させた利用が
可能となる。 停止する場合を考える。通常の停止は、3GeVプロ
トンビーム6を停止し安全のため電磁弁を閉めて加速器
系と中性子発生装置1の真空を切り離した状態にしてお
く。この時、液面差hは保持されたままである。
1の最後のところで詳細に説明する。金属蒸気11がプ
ラズマ化しているためプロトンビームが入射する毎に発
光する。従って、蒸気蒸着部2の一部にポートを設ける
ことによりパルスビームに同期した発光が取り出せオプ
ティカルトリガやその他中性子実験と同期させた利用が
可能となる。 停止する場合を考える。通常の停止は、3GeVプロ
トンビーム6を停止し安全のため電磁弁を閉めて加速器
系と中性子発生装置1の真空を切り離した状態にしてお
く。この時、液面差hは保持されたままである。
【0051】定期検査等、長期に停止する場合は、先ず
電磁弁を閉止し真空を切り離した後、蒸気蒸着部2をパ
ージガスにより大気開放する。大気開放すると中性子発
生管3の液面は下がりリザーバ4内の液面と等しくな
る。その後加熱および冷却装置をOFFにして停止が完
了する。
電磁弁を閉止し真空を切り離した後、蒸気蒸着部2をパ
ージガスにより大気開放する。大気開放すると中性子発
生管3の液面は下がりリザーバ4内の液面と等しくな
る。その後加熱および冷却装置をOFFにして停止が完
了する。
【0052】ここでリザーバ4内の大気は常に圧力を調
整したパージガスを流し使用中の蒸発液面の安定や液体
金属の劣化防止や更に冷却などの機能をもたせることは
有効である。
整したパージガスを流し使用中の蒸発液面の安定や液体
金属の劣化防止や更に冷却などの機能をもたせることは
有効である。
【0053】以上が実施例1の動作の説明である。
【0054】ここで第1実施例のその他の利点について
考える。 自由表面にプロトンビームを打ち込んでいるため衝撃
波が問題にならなく構造材の使用環境が大幅に改善され
る。 上方からプロトンビームを打ち込んでいるため中性子
減速器8を360度配置可能なので中性子収集効率が向
上する。 プロトンビームをターゲットに打ち込んだ際、制動X
線が前方方向に強く放射される。このため放射線遮蔽が
大きな問題となるが本実施例では、地中方向に放射線が
放出されるために放射線遮蔽が容易になる利点がある。
またリザーバ4の鉛9そのものが遮蔽材の役割を果たす
利点もある。 据え置き式のコンパクトなカセット方式の中性子発生
装置にすることができるためメンテナンス時の交換作業
が容易であることも利点の一つである。このことは実施
例4で説明する。 中性子発生装置は強力な放射線場の中に置かれる。こ
のため周りは厳重な遮蔽ブロックなどに囲まれるので容
易にアクセスできない。また制御のためのセンサなども
放射線場で損傷を受けるので高度なメカニズムをもつ機
器は不向きである。
考える。 自由表面にプロトンビームを打ち込んでいるため衝撃
波が問題にならなく構造材の使用環境が大幅に改善され
る。 上方からプロトンビームを打ち込んでいるため中性子
減速器8を360度配置可能なので中性子収集効率が向
上する。 プロトンビームをターゲットに打ち込んだ際、制動X
線が前方方向に強く放射される。このため放射線遮蔽が
大きな問題となるが本実施例では、地中方向に放射線が
放出されるために放射線遮蔽が容易になる利点がある。
またリザーバ4の鉛9そのものが遮蔽材の役割を果たす
利点もある。 据え置き式のコンパクトなカセット方式の中性子発生
装置にすることができるためメンテナンス時の交換作業
が容易であることも利点の一つである。このことは実施
例4で説明する。 中性子発生装置は強力な放射線場の中に置かれる。こ
のため周りは厳重な遮蔽ブロックなどに囲まれるので容
易にアクセスできない。また制御のためのセンサなども
放射線場で損傷を受けるので高度なメカニズムをもつ機
器は不向きである。
【0055】制御方式も原始的であっても出来るだけ単
純であることが望ましい。本発明では液面高さの制御等
も高度なメカニズムを使わず原理的に成り立つものを採
用しており、構造および制御が単純である利点がある。 万一地震等事故が起こって、中性子発生装置1が破損
しても、リザーバ4を充分強度のあるものにしておけば
受け皿として機能し外部に放射化したものが漏れ出すこ
となく安全である利点がある。
純であることが望ましい。本発明では液面高さの制御等
も高度なメカニズムを使わず原理的に成り立つものを採
用しており、構造および制御が単純である利点がある。 万一地震等事故が起こって、中性子発生装置1が破損
しても、リザーバ4を充分強度のあるものにしておけば
受け皿として機能し外部に放射化したものが漏れ出すこ
となく安全である利点がある。
【0056】最後にE×Bドリフトについて説明する。
図2にE×Bドリフトの原理を示す。最初、磁場Bだけ
紙面裏側から表側に印加されていたとするとプラスの電
気を持ったイオン14は紙面上右回りに半径r=mv/
eBで等速円運動をする。
図2にE×Bドリフトの原理を示す。最初、磁場Bだけ
紙面裏側から表側に印加されていたとするとプラスの電
気を持ったイオン14は紙面上右回りに半径r=mv/
eBで等速円運動をする。
【0057】ここで、mは、イオン14の質量、vは、
運動速度、eは、電気素量である。しかし次に電場Eを
紙面上左から右の方向に印加するとイオン14は左に行
く時電場Eに逆らって進むので運動エネルギを失い(位
置エネルギに貯えられる。)vが小さくなり回転半径r
が小さくなる。
運動速度、eは、電気素量である。しかし次に電場Eを
紙面上左から右の方向に印加するとイオン14は左に行
く時電場Eに逆らって進むので運動エネルギを失い(位
置エネルギに貯えられる。)vが小さくなり回転半径r
が小さくなる。
【0058】この結果図で示すように下方にシフトす
る。イオン14が紙面右方向に行くと今度は電場Eに加
速されるのでvが大きくなり回転半径rが逆に大きくな
る。これによりやはり紙面下方にシフトすることにな
る。
る。イオン14が紙面右方向に行くと今度は電場Eに加
速されるのでvが大きくなり回転半径rが逆に大きくな
る。これによりやはり紙面下方にシフトすることにな
る。
【0059】電子15も全く同じように説明できる。こ
の場合電荷が負であるので回転が逆向きで紙面左に進む
時イオン14とは逆に加速され右に行く時減速される。
結果的に全く同じドリフト速度vd=E/B で下方にド
リフトする(プラズマ物理入門、チェン著内田訳丸善p
56)。
の場合電荷が負であるので回転が逆向きで紙面左に進む
時イオン14とは逆に加速され右に行く時減速される。
結果的に全く同じドリフト速度vd=E/B で下方にド
リフトする(プラズマ物理入門、チェン著内田訳丸善p
56)。
【0060】例えば、E=500V/0.05m,B=
0.1 Teslaとするとドリフト速度vdはvd=E/B=
105m/sとなる。ここで3GeVプロトンビーム6
の磁場Bによる回転半径は、130m程度であり磁場B
の入射プロトンビームに与える影響は無視できる。
0.1 Teslaとするとドリフト速度vdはvd=E/B=
105m/sとなる。ここで3GeVプロトンビーム6
の磁場Bによる回転半径は、130m程度であり磁場B
の入射プロトンビームに与える影響は無視できる。
【0061】第1実施例において加速器系に金属蒸気1
1が迷走しても液化し還流できるのでE×Bドリフト排
気装置5は本発明の必須の要件ではない。また、3Ge
Vプロトンビーム6は、照射頻度が高々50Hzでパル
ス幅1μsのパルスビームであるので加速器系出口近傍
にメカニカルなビームシャッターを設けタイミングをあ
わせて迷走してきた金属蒸気11を阻止することも有効
である。
1が迷走しても液化し還流できるのでE×Bドリフト排
気装置5は本発明の必須の要件ではない。また、3Ge
Vプロトンビーム6は、照射頻度が高々50Hzでパル
ス幅1μsのパルスビームであるので加速器系出口近傍
にメカニカルなビームシャッターを設けタイミングをあ
わせて迷走してきた金属蒸気11を阻止することも有効
である。
【0062】ここで金属蒸気11の飛行速度は約100
0m/sであるから液体金属表面10からビームシャッ
ターまでの距離を例えば1mとするとパルスビームが液
体金属表面10からビームシャッターまで到達する時間
は1ms前後となる。
0m/sであるから液体金属表面10からビームシャッ
ターまでの距離を例えば1mとするとパルスビームが液
体金属表面10からビームシャッターまで到達する時間
は1ms前後となる。
【0063】また第1実施例では荷電粒子ビーム6は垂
直に上方から入射させているが、荷電粒子ビーム6を斜
め方向から入射させるのも有効である。金属蒸気11は
Cosnθ分布している。ここでθは鉛直方向と蒸気原子の
方向がなす角、nは、n=4〜5である。
直に上方から入射させているが、荷電粒子ビーム6を斜
め方向から入射させるのも有効である。金属蒸気11は
Cosnθ分布している。ここでθは鉛直方向と蒸気原子の
方向がなす角、nは、n=4〜5である。
【0064】荷電粒子ビーム6を斜めから入射させても
金属蒸気11は、上方にほぼ同じ分布で上昇する。した
がって垂直方向よりも斜めからビームを入射させた方が
金属蒸気の加速器系への迷走も少なくなる利点を有す
る。また、高エネルギビームの偏向する角度が緩やかに
なり荷電粒子ビーム輸送系の設計が楽になる利点も有す
る。
金属蒸気11は、上方にほぼ同じ分布で上昇する。した
がって垂直方向よりも斜めからビームを入射させた方が
金属蒸気の加速器系への迷走も少なくなる利点を有す
る。また、高エネルギビームの偏向する角度が緩やかに
なり荷電粒子ビーム輸送系の設計が楽になる利点も有す
る。
【0065】もちろん荷電粒子ビーム6を斜めに入射さ
せる場合、中性子発生管3は、軸方向が荷電粒子ビーム
6の入射方向と一致するように斜めに設置される。
せる場合、中性子発生管3は、軸方向が荷電粒子ビーム
6の入射方向と一致するように斜めに設置される。
【0066】本発明の第2実施例である中性子発生装置
について図3を用いて説明する。液体金属を強制対流さ
せる例である。
について図3を用いて説明する。液体金属を強制対流さ
せる例である。
【0067】ポンプ17により噴流管16に液体金属9
を送り込む。還流した液体金属9は、熱交換器19で冷
却され、フィルタ部18で浄化された後、ポンプ17に
より再び噴流管16に送られる。ここでポンプ駆動によ
り液体金属9を噴流させる中性子発生管のことを強制冷
却式中性子発生管と呼ぶ。強制対流させることにより冷
却能を高くすることが出来る。
を送り込む。還流した液体金属9は、熱交換器19で冷
却され、フィルタ部18で浄化された後、ポンプ17に
より再び噴流管16に送られる。ここでポンプ駆動によ
り液体金属9を噴流させる中性子発生管のことを強制冷
却式中性子発生管と呼ぶ。強制対流させることにより冷
却能を高くすることが出来る。
【0068】第2実施例では、連通管21を設置するこ
とにより中性子発生管内の液体金属自由表面10の液面
高さを中性子発生管3の外部でモニタすることが出来
る。
とにより中性子発生管内の液体金属自由表面10の液面
高さを中性子発生管3の外部でモニタすることが出来
る。
【0069】液面の高さをモニタすることにより同時に
ポンプの駆動力を制御し、中性子発生管内の液体金属自
由表面10の液面の高さを制御することができる。
ポンプの駆動力を制御し、中性子発生管内の液体金属自
由表面10の液面の高さを制御することができる。
【0070】また、ポンプの駆動力を変えることなく液
面高さ調整器20により液面高さを調整することが出来
る。これは、連通管21による液面のモニタに応答し、
リザーバ4の液体金属9中に浸漬した浸漬体20′の浸
漬深さを変化させ、リザーバ4内の液面高さを変化させ
ることにより中性子発生管3内の液面10の高さを制御
するものである。
面高さ調整器20により液面高さを調整することが出来
る。これは、連通管21による液面のモニタに応答し、
リザーバ4の液体金属9中に浸漬した浸漬体20′の浸
漬深さを変化させ、リザーバ4内の液面高さを変化させ
ることにより中性子発生管3内の液面10の高さを制御
するものである。
【0071】これらの液面のモニタおよび高さ制御方式
は、原始的であるが単純であり強力な放射線場では信頼
性が高いという利点がある。
は、原始的であるが単純であり強力な放射線場では信頼
性が高いという利点がある。
【0072】図4に第2実施例の熱計算結果の一例を示
す。図4の上図のごとくパラメータh(上昇高さ),h1
(大気圧による液面高さ),h2(ポンプによる吹き上げ
高さ)を定義する。中性子発生管入口の液体金属温度を
Tin(℃),照射後の平均温度上昇をΔT(deg),液体
金属流量をM(kg/s),密度をρ(kg/m3),比熱を
Cp(j/kg/deg),中性子発生管での全発熱量をQ
(W)とすると,照射後の液体金属平均温度(出口温
度)Tout(℃)は次式で示される。
す。図4の上図のごとくパラメータh(上昇高さ),h1
(大気圧による液面高さ),h2(ポンプによる吹き上げ
高さ)を定義する。中性子発生管入口の液体金属温度を
Tin(℃),照射後の平均温度上昇をΔT(deg),液体
金属流量をM(kg/s),密度をρ(kg/m3),比熱を
Cp(j/kg/deg),中性子発生管での全発熱量をQ
(W)とすると,照射後の液体金属平均温度(出口温
度)Tout(℃)は次式で示される。
【0073】 Tout=Tin+ΔT=Tin+Qt/(MCp) (1)式 したがって、出口温度を設定した場合、液体金属の必要
質量流量Mは(1)式を変形して M=Qt/(Tout−Tin)/Cp (2)式 このとき、中性子発生管の直径をd(m)、液体金属の
平均流速をu(m/s)とすると u=4M/(ρπd2) (3)式 液体金属の上昇高さhは、次式で示される。
質量流量Mは(1)式を変形して M=Qt/(Tout−Tin)/Cp (2)式 このとき、中性子発生管の直径をd(m)、液体金属の
平均流速をu(m/s)とすると u=4M/(ρπd2) (3)式 液体金属の上昇高さhは、次式で示される。
【0074】 h=h1+h2=Patm/(ρg)+u2/(2g) (4)式 式(1)−(4)より,出口温度Toutをパラメータ
として、中性子発生管管径dと液面の上昇高さhの関係
を求める。
として、中性子発生管管径dと液面の上昇高さhの関係
を求める。
【0075】計算条件はつぎのとおりである。 1.プロトンビームによる全発熱量:3MW 2.液体金属:鉛(Pb)−ビスマス(Bi)合金(44.5
%Pb−55.5%Bi) 融点 123.6℃、 比熱 147J/Kg/K 密度 10525kg/m3 at 149℃,10237kg
/m3 at 371℃ 2点で外挿 3.入口温度:200℃ 4.大気圧:103kPa(液面高さh1=0.986
m) 図4の下図に計算結果を示す。図中管径の単位はcmに換
算してある。図4の下図より、中性子発生管の管径を1
0cmとすれば、上昇高さhは何れの出口温度でも1m程
度になり十分実用に適していることが解る。
%Pb−55.5%Bi) 融点 123.6℃、 比熱 147J/Kg/K 密度 10525kg/m3 at 149℃,10237kg
/m3 at 371℃ 2点で外挿 3.入口温度:200℃ 4.大気圧:103kPa(液面高さh1=0.986
m) 図4の下図に計算結果を示す。図中管径の単位はcmに換
算してある。図4の下図より、中性子発生管の管径を1
0cmとすれば、上昇高さhは何れの出口温度でも1m程
度になり十分実用に適していることが解る。
【0076】出口温度400℃の場合、上昇高さhは、
1.07m でこのうち、大気圧による高さh1は0.98
6m、ポンプによる吹き上げ高さh2は0.084mであ
る。平均流速uは、1.3m/s である。出口温度を5
00℃でも良いとすると、h=1.02m,u=0.8m
/sである。
1.07m でこのうち、大気圧による高さh1は0.98
6m、ポンプによる吹き上げ高さh2は0.084mであ
る。平均流速uは、1.3m/s である。出口温度を5
00℃でも良いとすると、h=1.02m,u=0.8m
/sである。
【0077】第2実施例の方法は、大気圧をベースの圧
力とし、ポンプ圧力で流量と液面高さを調整できるので
ポンプ負荷が少なくて済むという利点がある。もちろ
ん、本実施例2は、液体金属の種類によっては取扱上リ
ザーバ4を大気開放せず、閉ループにすることも可能で
ある。
力とし、ポンプ圧力で流量と液面高さを調整できるので
ポンプ負荷が少なくて済むという利点がある。もちろ
ん、本実施例2は、液体金属の種類によっては取扱上リ
ザーバ4を大気開放せず、閉ループにすることも可能で
ある。
【0078】本発明の第3実施例である中性子発生装置
について図5を用いて説明する。図5は蒸気蒸着部2の
内部に蒸着表面積を大きくするためのフィン23を設け
た実施例を示している。
について図5を用いて説明する。図5は蒸気蒸着部2の
内部に蒸着表面積を大きくするためのフィン23を設け
た実施例を示している。
【0079】本実施例の中性子発生装置は蒸気蒸着部2
の容器の外部容積を小さくできかつ容器形状も製作しや
すくメンテナンス時の取扱も容易なものにすることが出
来るという利点がある。
の容器の外部容積を小さくできかつ容器形状も製作しや
すくメンテナンス時の取扱も容易なものにすることが出
来るという利点がある。
【0080】以上の第1〜3実施例で説明してきた本発
明では加速器系と中性子発生装置は真空的に直結されて
いる。一方、メンテナンス時には、中性子発生装置を設
置場所から別の場所に取り出す必要がある。
明では加速器系と中性子発生装置は真空的に直結されて
いる。一方、メンテナンス時には、中性子発生装置を設
置場所から別の場所に取り出す必要がある。
【0081】これらの作業は残留放射能が強いため、大
部分リモートハンドリングにせざるを得ない。したがっ
て、如何に簡単に真空容器を切り離すかまた、接続する
かが要点である。
部分リモートハンドリングにせざるを得ない。したがっ
て、如何に簡単に真空容器を切り離すかまた、接続する
かが要点である。
【0082】本発明の第4実施例として本発明の中性子
発生装置の真空容器の切り離しおよび接合方法を示す。
発生装置の真空容器の切り離しおよび接合方法を示す。
【0083】図6を用いて説明する。先ず切り離す場合
を考える。加速器系と中性子発生装置の間に設けられた
電磁弁を閉め加速器系と中性子発生装置を真空的に切り
離す。
を考える。加速器系と中性子発生装置の間に設けられた
電磁弁を閉め加速器系と中性子発生装置を真空的に切り
離す。
【0084】次に蒸気蒸着部2を大気開放すれば、中性
子発生管3内液体金属はリザーバ4に落ちる(図6左図
の状態)。次に中性子発生装置の上方にある加速器ビー
ムラインのダクトを解体する(もちろんここにも電磁弁
ないしは手動のバルブが必要。)。
子発生管3内液体金属はリザーバ4に落ちる(図6左図
の状態)。次に中性子発生装置の上方にある加速器ビー
ムラインのダクトを解体する(もちろんここにも電磁弁
ないしは手動のバルブが必要。)。
【0085】その後、図6の右図のごとく蒸気蒸着部2
および中性子発生管3を引き上げて切り離し完了。
および中性子発生管3を引き上げて切り離し完了。
【0086】逆に容器を接続する場合は、全くこれと逆
の手順にすれば良い。これまで荷電粒子ビームを垂直な
いしは斜めから液体金属に照射する場合について考えて
きたが、最後に水平に荷電粒子を入射させる場合の第5
実施例について図7を用いて説明する。
の手順にすれば良い。これまで荷電粒子ビームを垂直な
いしは斜めから液体金属に照射する場合について考えて
きたが、最後に水平に荷電粒子を入射させる場合の第5
実施例について図7を用いて説明する。
【0087】ポンプ17から中性子発生管3に液体金属
9を送り込む。ここで中性子発生管3は、実施例2にお
ける噴流管16の役割をしている。中性子発生管3を出
た液体金属9は捕集管27に集められリザーバ4に送ら
れる。
9を送り込む。ここで中性子発生管3は、実施例2にお
ける噴流管16の役割をしている。中性子発生管3を出
た液体金属9は捕集管27に集められリザーバ4に送ら
れる。
【0088】ここで捕集管27は実施例2の中性子発生
管の外管のように大気開放されたリザーバ4に浸漬され
ている。リザーバ4に送られた液体金属9は、さらに熱
交換器で冷却された後、供給用リザーバ28に貯えられ
た後、ポンプ17に吸い上げられフィルタ18を介し再
び中性子発生管3に送られる。
管の外管のように大気開放されたリザーバ4に浸漬され
ている。リザーバ4に送られた液体金属9は、さらに熱
交換器で冷却された後、供給用リザーバ28に貯えられ
た後、ポンプ17に吸い上げられフィルタ18を介し再
び中性子発生管3に送られる。
【0089】ここで中性子発生管3が水平方向に向いた
ものを水平放流型中性子発生管と呼ぶ。
ものを水平放流型中性子発生管と呼ぶ。
【0090】この方式では、中性子の発生状況のモニタ
等で内部状態を常時チェックしており、例えばポンプ1
7が故障し中性子発生管3内の液体金属9が喪失した場
合、速やかにビームを停止することができる。
等で内部状態を常時チェックしており、例えばポンプ1
7が故障し中性子発生管3内の液体金属9が喪失した場
合、速やかにビームを停止することができる。
【0091】同時に、万一空打ちになった場合でも緊急
用ダンパ29があるので安全である。
用ダンパ29があるので安全である。
【0092】水平方式の場合、加速器系と簡単に切り離
すためにボルトレス大口径フランジ30を用いる。これ
はボルトを用いず大気圧を用いて真空容器の気密性を保
つフランジである。
すためにボルトレス大口径フランジ30を用いる。これ
はボルトを用いず大気圧を用いて真空容器の気密性を保
つフランジである。
【0093】例えば直径1mのフランジにかかる大気圧
による全圧力は、約8kg重である。この圧力を例えば、
直径1mのバイトンOリングが幅5mmで受けたとすると
500kg重/m2 の圧力となり十分気密性が保たれること
が解る。
による全圧力は、約8kg重である。この圧力を例えば、
直径1mのバイトンOリングが幅5mmで受けたとすると
500kg重/m2 の圧力となり十分気密性が保たれること
が解る。
【0094】圧力を受けるOリングの幅がほぼ一定とす
ると大気圧による全圧力はフランジの直径の2乗で大き
くなるのに対してOリングの圧力を受ける面積は、直径
に比例するだけであるので、フランジ径が大きくなれば
なるほどOリングの締め付け圧力は増大する。
ると大気圧による全圧力はフランジの直径の2乗で大き
くなるのに対してOリングの圧力を受ける面積は、直径
に比例するだけであるので、フランジ径が大きくなれば
なるほどOリングの締め付け圧力は増大する。
【0095】したがって、ボルトレス大口径フランジ3
0の径は出来るだけ大きい方が望ましい。もちろんこの
フランジは、大気開放するだけで取り外すことが出来
る。また、このボルトレス大口径フランジ30に蒸気発
生部2の機能を持たせることも有効である。
0の径は出来るだけ大きい方が望ましい。もちろんこの
フランジは、大気開放するだけで取り外すことが出来
る。また、このボルトレス大口径フランジ30に蒸気発
生部2の機能を持たせることも有効である。
【0096】以上第1実施例から第5実施例では、鉛お
よび鉛(Pb)−ビスマス(Bi)合金を例にとって説
明したが本発明は水銀等他の中性子発生量の多い液体金
属にも有効である。
よび鉛(Pb)−ビスマス(Bi)合金を例にとって説
明したが本発明は水銀等他の中性子発生量の多い液体金
属にも有効である。
【0097】また、中性子発生装置を中性子散乱施設に
用いた例をとって説明をしてきたが、本発明の中性子発
生装置は超ウラン元素の核破砕消滅処理施設や材料中性
子照射試験施設等の他の施設の中性子発生装置としても
もちろん応用可能である。
用いた例をとって説明をしてきたが、本発明の中性子発
生装置は超ウラン元素の核破砕消滅処理施設や材料中性
子照射試験施設等の他の施設の中性子発生装置としても
もちろん応用可能である。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、核破砕反応による中性
子発生数の多い液体金属をターゲット材としながらも、
プロトンをはじめとする荷電粒子ビームによる構成材料
の損傷が少なく、構成の簡素な中性子発生装置が提供出
来る。
子発生数の多い液体金属をターゲット材としながらも、
プロトンをはじめとする荷電粒子ビームによる構成材料
の損傷が少なく、構成の簡素な中性子発生装置が提供出
来る。
【図1】本発明の第1実施例を表す図である。
【図2】E×Bドリフト排気装置の動作原理を説明する
図である。
図である。
【図3】本発明の第2実施例を表す図である。
【図4】本発明の熱計算の説明を表す図であり、(a)
図はパラメータを表す図であり、(b)図は熱計算結果
を表すグラフ図である。
図はパラメータを表す図であり、(b)図は熱計算結果
を表すグラフ図である。
【図5】本発明の第3実施例を表す図であり、(a)図
はフィンの水平配置を、(b)図はフィンの垂直配置を
表す図である。
はフィンの水平配置を、(b)図はフィンの垂直配置を
表す図である。
【図6】本発明の第4実施例を表す図である。
【図7】本発明の第5実施例を表す図である。
【図8】従来法を説明する図である。
【図9】核破砕反応により発生する発熱のターゲット深
さ方向分布を表す図である。
さ方向分布を表す図である。
1…中性子発生装置、2…蒸気蒸着部、3…中性子発生
部、3′…導管、4…リザーバ、5…E×Bドリフト排
気装置、6…高エネルギー荷電粒子、7…偏向電磁石、
8…中性子減速器、9…液体金属、10…液体金属自由
表面、11…蒸発金属原子、12…大気開放部自由表
面、13…開口部、14…イオン、15…電子、16…
噴流管、17…ポンプ、18…フィルタ部、19…熱交
換器、20…液面高さ調整器、20′…浸漬体、21…
連通管、22…鉛−ビスマス液体、23…フィン、24
…水銀、25…水銀導入管、26…水銀出口管、27…
捕集管、28…供給用リザーバ、29…緊急用ダンパ、
30…ボルトレス大口径フランジ。
部、3′…導管、4…リザーバ、5…E×Bドリフト排
気装置、6…高エネルギー荷電粒子、7…偏向電磁石、
8…中性子減速器、9…液体金属、10…液体金属自由
表面、11…蒸発金属原子、12…大気開放部自由表
面、13…開口部、14…イオン、15…電子、16…
噴流管、17…ポンプ、18…フィルタ部、19…熱交
換器、20…液面高さ調整器、20′…浸漬体、21…
連通管、22…鉛−ビスマス液体、23…フィン、24
…水銀、25…水銀導入管、26…水銀出口管、27…
捕集管、28…供給用リザーバ、29…緊急用ダンパ、
30…ボルトレス大口径フランジ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21K 5/04 G21K 5/04 A 5/08 5/08 N H05H 3/06 H05H 3/06 6/00 6/00 (72)発明者 土田 一輝 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 内川 貞夫 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 田川 久人 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 小川 雪郎 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 大橋 正久 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 Fターム(参考) 2G085 BA17 BD06 BE01 BE02 BE05 EA01 EA06
Claims (10)
- 【請求項1】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、タ
ーゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じる
核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置に
おいて、 前記液体金属の自由表面の上部にゲッターポンプの蒸着
面またはヒートサイフォンの冷却部として機能する空間
部を設けたことを特徴とする中性子発生装置。 - 【請求項2】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、タ
ーゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じる
核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置に
おいて、 前記荷電粒子ビームの入射口近傍にE×Bドリフト排気
装置を有することを特徴とする中性子発生装置。 - 【請求項3】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、タ
ーゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じる
核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置に
おいて、 大気開放されたリザーバ内に充填された液体金属中に中
性子発生管の下端を浸漬して当該中性子発生管内上部の
液体金属の自由表面の高さを所望の高さに保持すること
を特徴とする中性子発生装置。 - 【請求項4】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、タ
ーゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じる
核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置に
おいて、 大気開放または密封されたリザーバ内に充填された液体
金属中に強制冷却式中性子発生管の下端を浸漬してある
ことを特徴とする中性子発生装置。 - 【請求項5】請求項4において、ポンプ駆動制御または
液面高さ調整器により液体金属の自由表面の高さを所望
の高さに保持することを特徴とした中性子発生装置。 - 【請求項6】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、タ
ーゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じる
核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置に
おいて、 中性子発生装置の上流の加速器ビームダクトに差動排気
装置と複数組みの真空測定装置および電磁弁を備えてあ
ることを特徴とした中性子発生装置。 - 【請求項7】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、タ
ーゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じる
核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置に
おいて、 前記液体金属の自由表面の上部にゲッターポンプの蒸着
面を有する空間部を設け、 前記蒸着面の一部にポートを設けて前記空間部から前記
ポートを通過させて前記空間部内部の発光を取り出すこ
とを特徴とした中性子発生装置。 - 【請求項8】請求項3又は請求項4又は請求項5におい
て、大気開放されたリザーバのリザーバ上蓋面に中性子
発生管の外径より大きな開口部を設け、中性子発生管を
当該開口部を通して液体金属中に浸漬した構造を有する
ことを特徴とした中性子発生装置。 - 【請求項9】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、タ
ーゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じる
核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置に
おいて、 中性子発生管を通る前記液体金属の自由表面の上部にゲ
ッターポンプの蒸着面またはヒートサイフォンの冷却部
として機能する空間部を設け、 前記中性子発生管が水平放流型中性子発生管であること
を特徴とする中性子発生装置。 - 【請求項10】加速器で発生させた荷電粒子ビームを、
ターゲットである液体金属の自由表面に打ち込んで生じ
る核破砕反応により中性子を発生させる中性子発生装置
において、 前記液体金属の自由表面の上部にゲッターポンプの蒸着
面またはヒートサイフォンの冷却部として機能する空間
部を設け、 前記空間部内に複数のヒィンを設けたことを特徴とする
中性子発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000123674A JP2001305299A (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | 中性子発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000123674A JP2001305299A (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | 中性子発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001305299A true JP2001305299A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18633920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000123674A Pending JP2001305299A (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | 中性子発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001305299A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009229181A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Ihi Corp | 地下式電子線照射設備 |
CN103096610A (zh) * | 2012-12-11 | 2013-05-08 | 中国科学院近代物理研究所 | 加速器与无窗散裂靶界面耦合系统及液面稳定方法 |
CN104853515A (zh) * | 2015-06-12 | 2015-08-19 | 中国科学院近代物理研究所 | 上旋式液态无窗中子散裂靶件的自由液面形成构件 |
CN104978462A (zh) * | 2015-07-10 | 2015-10-14 | 兰州大学 | 一种基于gpu硬件加速的散裂靶可视化辅助系统及方法 |
KR101574203B1 (ko) * | 2014-10-13 | 2015-12-04 | 한국원자력연구원 | 중성자 발생 장치 |
RU2703449C1 (ru) * | 2019-04-17 | 2019-10-17 | Федеральное Государственное Унитарное Предприятие "Всероссийский Научно-Исследовательский Институт Автоматики Им.Н.Л.Духова" (Фгуп "Внииа") | Блок излучателя нейтронов |
-
2000
- 2000-04-19 JP JP2000123674A patent/JP2001305299A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009229181A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Ihi Corp | 地下式電子線照射設備 |
JP4697250B2 (ja) * | 2008-03-21 | 2011-06-08 | 株式会社Ihi | 地下式電子線照射設備 |
CN103096610A (zh) * | 2012-12-11 | 2013-05-08 | 中国科学院近代物理研究所 | 加速器与无窗散裂靶界面耦合系统及液面稳定方法 |
KR101574203B1 (ko) * | 2014-10-13 | 2015-12-04 | 한국원자력연구원 | 중성자 발생 장치 |
CN104853515A (zh) * | 2015-06-12 | 2015-08-19 | 中国科学院近代物理研究所 | 上旋式液态无窗中子散裂靶件的自由液面形成构件 |
CN104978462A (zh) * | 2015-07-10 | 2015-10-14 | 兰州大学 | 一种基于gpu硬件加速的散裂靶可视化辅助系统及方法 |
RU2703449C1 (ru) * | 2019-04-17 | 2019-10-17 | Федеральное Государственное Унитарное Предприятие "Всероссийский Научно-Исследовательский Институт Автоматики Им.Н.Л.Духова" (Фгуп "Внииа") | Блок излучателя нейтронов |
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