JP2001304732A - 降雪可能空間を生成する方法及び生成装置並びに人工雪の降雪方法及び人工降雪機 - Google Patents

降雪可能空間を生成する方法及び生成装置並びに人工雪の降雪方法及び人工降雪機

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JP2001304732A
JP2001304732A JP2000117689A JP2000117689A JP2001304732A JP 2001304732 A JP2001304732 A JP 2001304732A JP 2000117689 A JP2000117689 A JP 2000117689A JP 2000117689 A JP2000117689 A JP 2000117689A JP 2001304732 A JP2001304732 A JP 2001304732A
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snowfall
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snow
less
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Takumi Ichinomiya
卓美 一ノ宮
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YOMEI DENKI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工降雪機は、従来、性能が良いものでも、
湿球温度が−5℃付近以下でないと、降雪させることが
できない。 本発明の目的は、より高い湿球温度(例え
ば、0℃付近以下)でも降雪を可能にすることにある。 【解決手段】 温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥
空気を(エアーノズル6から)大気中に放出することに
よって、人工雪の降雪を可能にする降雪可能空間を作り
だす。この空間の中に(スノーガン17で)降雪させる
と、湿球温度が高くとも降雪(*)可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】人工降雪機(以下、「降雪
機」ということもある)で人工雪(以下、「雪」という
こともある)を降雪する場合、降雪が可能か、それとも
雪にならずに雨になるかは、気象条件(特に気温と湿
度)に左右される。
【0002】本発明は、従来不可能な気象条件でも人工
雪の降雪を可能にする降雪可能空間(以下、「S空間」
ということもある)を生成する方法、S空間の生成装置
(以下、S装置と言うこともある)、並びにS装置を使
った人工雪の降雪方法、S装置を備えた人工降雪機に関
する。
【0003】
【従来の技術】日本では、スキー場は、冬になって自然
に雪が降り、所定の積雪量が得られて初めてオープンす
る。しかし、雪は気温が低くなっても雪雲がないと降ら
ない。そのため、一度オープンしても、その後、雪が降
らないと、積雪量が不足し、そのためスキー場を閉鎖し
なければならないこともある。しかし、降雪は当然のこ
とながら自然条件(気象条件)に依存している。そのた
め、スキー場の経営は自然条件に左右されて安定しない
問題があった。
【0004】そこで、近年、スキー場では、降雪機で人
工雪を降らせることが行われるようになった。降雪機に
は、大きく分けて、ファン方式とスノーガン方式があ
る。
【0005】ファン方式の降雪機(図4参照)は、円筒
状の本体(11)を備えている。ファン方式は、例え
ば、特開平5─79740、同6─43245、同8─
327202等に記載されている。円筒状の本体(1
1)内部又は前方へ、ノズル(12)を通して高圧空気
を噴出させる。すると、高圧空気は、断熱膨張して冷た
い空気(0℃以下)に変わる。この冷たい空気をファン
(13)で大気中へ放出する。ファンはモータ(14)
によって回転する。ただ、ファン式にも各種あって高圧
空気を使用しないタイプもある。冷たい大気をそのまま
取り入れてファンで前方へ放出するタイプもある。
【0006】他方、ポンプ(不図示)が、水源から水を
汲み上げて、ホース(不図示)を通じて水ノズル(1
5)に高圧水を送る。水温は0℃〜8℃が適当である。
水ノズルは本体に取り付けられている。水ノズルを通じ
て、高圧水を本体内部又は本体前方へ噴出させる。これ
により水は水滴(ミスト)となり、その水滴(ミスト)
が冷たい空気(0℃以下)によって冷やされて雪に変わ
る。ファン方式は湿球温度が−5℃付近以下でないと、
降雪しないと言われている。
【0007】湿球温度とは、湿度計が示す温度Th のこ
とであり、その湿度計とは、温度計の球部を「水で濡ら
したガーゼ」で包んだものである。このガーゼに風速3
m/分以上の風を当てた状態で測定した温度Th のこと
を湿球温度と言う。風が「ガーゼを濡らしている水」を
蒸発させ、このとき水が蒸発熱を奪うので、球部が冷
え、温度Th は気温より下がる。つまり、温度Th は水
の蒸発と相関があり、空気が乾燥している程、水の蒸発
が多く、気温より低くなる。また、気温が低ければ、水
の蒸発は少ない訳であり、それだけ温度Th は余り低く
ならない。結局、温度Thはその温度での空気の乾燥状
態を示すので湿度計と言われている。しかし、温度Th
(湿球温度)は、むしろ水の蒸発度合いを示す尺度と言
うことができ、人工降雪機で降雪可能な条件か否かを示
す尺度として好適である。
【0008】スノーガン方式の降雪機は、高圧水と高圧
空気を混ぜて噴出する点に特徴がある。そのため、降雪
機は、図6に示すようなガンと、他に圧縮装置、ポンプ
を備えている。圧縮装置は、大気から空気を取り入れて
一般に圧力:539〜686KPa(キロ・パスカル)
=5.5〜7Kgf/平方センチメートル程度の高圧空
気を作る。ポンプは水源から水を吸い上げて、一般に、
686〜3430KPa(キロ・パスカル)=7〜35
Kgf/平方センチメートル程度の高圧水を作る。水温
は0℃〜8℃が適当である。このようなガンの例として
は、ラチモント社(米国)から発売されているラーチモ
ントZ−1移動式又はタワー式がある。
【0009】圧縮装置からホースを通してガンに送られ
た高圧空気は、そのままガンの内部を通って「絞られた
ガン開口部」へ向かう。ガンの内部では、高圧空気の流
路に高圧水が斜め下から渦を巻いて合流する。合流した
高圧水は、高圧空気を巻き込んで進み、「絞られたガン
開口部」から勢い良く大気中に噴出する。その結果、水
は水滴(ミスト)へと分散すると共に、高圧空気は断熱
膨張によって急激に冷える。そのため、水滴は雪に変わ
り、この雪が地上に降り注ぐ。この方式も、湿球温度が
−5℃付近以下でないと、降雪しないと言われている。
なお、降雪可能な湿球温度は、単位時間当たりに放出す
る水量や大気の湿度によっても左右される。少なくと
も、水量が毎分80リットルのときに−5℃付近以下の
湿球温度が必要である。
【0010】また、米国では、単相流方式(図10参
照)の降雪機も比較的普及している。単相流方式は、高
圧空気を勢い良く噴出させる第1ノズル(20)と、噴
出して断熱膨張により厳しく冷えた空気空間の中に、高
圧水を勢い良く噴出して水滴(ミスト)へと分散し放出
する第2ノズル(21)からなる。第1ノズルと第2ノ
ズルとは隣接し、後方から高圧空気を噴出させるのが特
徴である。水滴は冷たい空気空間の中で雪に変わる。こ
の方式も湿球温度が−5℃付近以下でないと、降雪しな
いと言われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、湿球温
度が−5℃付近以下になる時期及び地域は、日本では制
限される。 降雪機を使うとき、もし、湿球温度がより
高くても降雪可能であれば、スキー場の経営は安定す
る。逆にスキー場を安定的に経営できる領域が広がる。
【0012】本発明の目的は、より高い湿球温度(例え
ば、0℃付近以下)でも降雪を可能にすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の考
え方を全く変えて、つまり、降雪機の改良ではなく、降
雪機で雪を降らせる場合に、気温が高い場合でも、降雪
を可能にする降雪可能空間(S空間)を人工的に作るも
のである。
【0014】そのため、本発明は第1に、温度0℃以下
露点0℃以下の冷たい乾燥空気を大気中に放出すること
によって、人工雪の降雪を可能にする降雪可能空間を生
成する方法(請求項1)」を提供する。 本明細書で
は、以下、「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空
気」を単に「S空気」ということもある。
【0015】また、本発明は、「前記乾燥空気を筒状に
放出することを特徴とする請求項1記載の方法(請求項
2)」を提供する。
【0016】更に、本発明は、 「前記乾燥空気を放出
することによりエアーカーテンを作り、大気と前記カー
テン内部を隔離することを特徴とする請求項1記載の方
法(請求項3)」を提供する。
【0017】更に、本発明は、「空気を温度0℃以下に
冷却する冷却装置、空気を露点0℃以下に乾燥させる除
湿装置、順序は問わないが前記冷却装置及び前記除湿装
置によって生成された「温度0℃以下露点0℃以下の冷
たい乾燥空気」を大気中に放出する放出機構、並びに、
前記冷却装置、前記冷却装置及び前記放出機構をつなぐ
ホースを備えた降雪可能空間の生成装置(請求項4)」
を提供する。
【0018】更に、本発明は、「圧縮装置、該圧縮装置
から供給された高圧空気を温度0℃以下に冷却する冷却
装置、前記高圧空気を露点0℃以下に乾燥させる除湿装
置、順序は問わないが前記冷却装置及び前記除湿装置に
よって生成された「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい
乾燥空気」を大気中に放出するためのエアーノズル、並
びに、前記圧縮装置、前記冷却装置、前記除湿装置及び
前記エアーノズルをつなぐホースを備えた降雪可能空間
の生成装置(請求項5)」を提供する。
【0019】更に、本発明は、「圧縮装置、該圧縮装置
から供給された高圧空気を温度0℃以下に冷却し露点0
℃以下に除湿する冷却・除湿装置、該冷却・除湿装置で
作られた「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空
気」を大気中に放出するエアーノズル、並びに、前記圧
縮装置、前記冷却・除湿装置及び前記エアーノズルをつ
なぐホースを備えた降雪可能空間の生成装置(請求項
6)」を提供する。
【0020】更に、本発明は、「前記乾燥空気を筒状に
放出することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記
載の降雪可能空間の生成装置(請求項7)」を提供す
る。
【0021】更に、本発明は、「前記除湿装置がヒート
レス・エアドライヤーであることを特徴とする請求項4
又は5に記載の降雪可能空間の生成装置(請求項8)」
を提供する。
【0022】更に、本発明は、「請求項1〜3のいずれ
かに記載の方法で作られた降雪可能空間の中、又は筒状
の内部、又はカーテン内部に、人工降雪機で雪を降らせ
ることを特徴とする人工雪の降雪方法(請求項9)」を
提供する。
【0023】更に、本発明は、「建物内で行うことを特
徴とする請求項9記載の降雪方法(請求項10)」を提
供する。
【0024】更に、本発明は、「建物内を「0℃より低
い温度Tdを持ち、この温度Tdより低い露点を持つ乾
燥空気」で満たし、その中に人工降雪機で雪を降らせる
ことを特徴とする降雪方法(請求項11)」を提供す
る。
【0025】更に、本発明は、「前記人工降雪機が、フ
ァン方式又はスノーガン方式又は単相流方式であること
を特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の方法
(請求項12)」を提供する。
【0026】更に、本発明は、「請求項4〜8のいずれ
かに記載の生成装置を付加したことを特徴とするファン
方式又はスノーガン方式又は単相流方式の人工降雪機
(請求項13)」を提供する。
【0027】更に、本発明は、「(1)請求項4〜8の
いずれかに記載の生成装置、並びに(2)円筒状の本
体、該本体内の後方又は中央付近に設けられたファン、
ファンを回転させるモータ、圧縮装置、該圧縮装置から
供給された高圧空気を前記本体内又は本体の前方に噴出
するノズル、ポンプ、該ポンプから供給された高圧水を
本体内又は本体の前方に噴出する水ノズル、前記圧縮装
置から前記ノズルに高圧空気を供給するホース、及び前
記ポンプから前記水ノズルに高圧水を供給するホースを
備えたファン方式からなる人工降雪機であって、前記生
成装置で作られた降雪可能空間の中に、前記方式で雪を
降らせることを特徴とする人工降雪機(請求項14)」
を提供する。
【0028】更に、本発明は、「(1)請求項4〜8の
いずれかに記載の生成装置、並びに(2)圧縮装置、ポ
ンプ、前記圧縮装置から供給された高圧空気に前記ポン
プから供給された高圧水を合流させ、高圧空気を巻き込
んだ水を噴出するガン、前記圧縮装置と前記ガンをつな
ぐホース、及び前記ポンプと前記ガンをつなぐホースを
備えたスノーガン方式からなる人工降雪機であって、前
記生成装置で作られた降雪可能空間の中に、前記方式で
雪を降らせることを特徴とする人工降雪機(請求項1
5)」を提供する。
【0029】更に、本発明は、「(1)温度0℃以下露
点0℃以下の冷たい乾燥空気を筒状に高速で大気中に放
出する降雪可能空間の生成装置、並びに(2)「水滴を
含む空気」を噴出するスノーガン方式からなる人工降雪
機であって、前記乾燥空気を高速で放出することにより
相対的に低圧の筒状の降雪可能空間を作り出し、それに
より噴出した相対的に高圧の前記「水滴を含む空気」を
前記空間に向けて膨張させることを特徴とする人工降雪
機(請求項16)」を提供する。
【0030】更に、本発明は、「(1)請求項4〜8の
いずれかに記載の生成装置、並びに(2)ポンプ、圧縮
装置、該圧縮装置から供給された高圧空気を噴出する第
1ノズル、及び、その噴出による断熱膨張により冷えた
空気空間の中に、前記ポンプから供給された高圧水を噴
出する第2ノズルを備え、前記圧縮装置と前記第1ノズ
ルとはホースでつながれ、前記ポンプと前記第2ノズル
とは別のホースでつながれ、かつ、第1ノズルと第2ノ
ズルとは隣接している単相流方式からなる人工降雪機で
あって、前記生成装置で作られた降雪可能空間の中に、
前記方式で雪を降らせることを特徴とする人工降雪機
(請求項17)」を提供する。
【0031】更に、本発明は、「請求項4〜8のいずれ
かに記載の生成装置、高圧水を作るポンプ、前記降雪可
能空間の生成装置に隣接した水ノズル及び前記ポンプと
前記水ノズルをつなぐホースからなり、前記生成装置で
作られた降雪可能空間の中に、前記水ノズルから水滴を
噴出させることを特徴とする、改良された単相流方式の
人工降雪機(請求項18)」を提供する。
【0032】更に、本発明は、「冷却除湿以外の除湿方
法、例えば、化学的除湿法や物理的又は化学的吸着法で
除湿された「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空
気」を大気中に放出することによって、冷たい乾燥空気
の空間を生成する方法(請求項19)」を提供する。冷
却除湿法とは、水分を含んだ空気を冷却することによっ
て露結させ除湿する方法であるが、この場合、温度と露
点が等しい冷たい乾燥空気が得られる。それに対し、化
学的除湿法や物理的又は化学的吸着法で除湿した空気
は、温度より低い露点を持つ乾燥空気が得られること特
徴である。吸着式除湿装置は、吸着式エアードライヤー
又はヒートレス・エアードライヤーとも呼ばれ、既にオ
リオン機械株式会社、日本精機株式会社、日立製作所等
から市販されている。この発明(請求項19)は、こう
して除湿する前に又は除湿した後に冷却することで得ら
れる「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空気」を
使う点に特徴があり、この空気は0℃以下の温度Tdを
持ち、Tdより低い露点を持つ。
【0033】更に、本発明は、「前記乾燥空気を筒状に
放出すること特徴とする請求項19記載の方法(請求項
20)」を提供する。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明は、S空間を作りだすこと
に特徴がある。このS空間内に在来型又は今後開発され
るであろう新型の降雪機で人工雪を降らせることによ
り、従来より、高い湿球温度(例えば、0℃付近以下)
でも、降雪させることが可能になる。
【0035】本発明者は、本発明が優れた効果を示す理
由を次のように予想している。 即ち、降雪機から噴出
した「水滴を含む高圧空気」は、断熱膨張によって、急
激に冷える。これにより、水滴が氷(雪)に変わる訳で
ある。このとき、水1gが79.7calの熱量を発生
するが、この熱量を膨張と言う運動エネルギーが奪う訳
である。しかし、運動エネルギーだけでは弱いようだ。
水滴が蒸発するときに、水1gは0℃のとき597c
alの熱量を奪う。もし、蒸発を促進すれば、大量の熱
量が奪われ、その結果、水→氷化が促進され、人工雪を
降らせることができる。
【0036】しかし、周囲の大気の湿度が高いと水滴は
蒸発しない。ここで、露点について説明する。露点は、
湿度と同じ意味で、空気中にどのくらいの水分が含まれ
ているかを示す術語である。空気は温度が高いほど、水
蒸気を抱え込む能力が高く、単位体積の空気に含まれる
水分は多い(つまり、湿度が高い)。湿度のある空気を
冷すと、ある温度で露が発生して目に見えるようにな
る。この温度を露点と言う。ある空気が+5℃の露点を
持つと言うことは、その空気は+5℃に冷やすと露がで
きるような量の水分(湿度)を持つと言う意味である。
従って、露点が−75℃と言う空気は、極端に乾燥した
空気と言うことができる。
【0037】本発明は、露点0℃以下のS空気を放出す
る。放出するS空気の露点は低いほど良いが、それだけ
の乾燥空気を作るのにコストがかかるようになるので、
−70℃程度が実用的な下限であろう。好ましい露点範
囲は、−5℃〜−70℃、特に言えば−10℃〜−70
℃、更に言えば、−20℃〜−70℃である。
【0038】他方、水→氷化を促進するために、本発明
は、放出するS空気の温度を0℃以下としている。これ
により水滴を冷やすのである。従って、放出するS空気
の温度は低いほど良いが、それだけ冷たい空気を作るの
にコストがかかるようになるので、−70℃程度が下限
として実用的であろう。しかし、極端に冷たい空気によ
る冷却作用は、水→氷化にとって余り効果的ではないと
考えられる。極端に冷たいと、水滴の蒸発が少なくなる
からである。実際、本発明者の研究によれば、むしろ−
7℃〜−15℃程度の方が効果的であった。従って、好
ましい温度範囲は、−2℃〜−70℃、特に言えば−5
℃〜−50℃、更に言えば、−7℃〜−15℃である。
つまり、好ましいS空気は、0℃より低い温度Tdを持
ち、Tdより低い露点を持つ空気である。この好ましい
S空気を建物内に満たし、その中に人工雪を降らせる方
法(請求項11)もある。
【0039】放出するS空気の量は、0.01〜100
立法メートル/分程度が実用的である。そのうち、好ま
しい範囲は、1〜7立法メートル/分程度である。放出
するS空気の圧力は、490〜9800KPa(キロ・
パスカル)=5〜100Kgf/平方センチメートル)
程度が実用的である。そのうち、好ましい範囲は、53
9〜1960KPa(キロ・パスカル)=5.5〜20
Kgf/平方センチメートル)程度である。
【0040】本発明のS装置は、降雪機に併設又は合体
することが好ましい。併設又は合体された降雪機は、改
良された降雪機と呼ぶことができる。本発明はまたその
ような改良された降雪機も提供する。
【0041】本発明の特徴であるS空気を放出するエア
ーノズルは、筒状(円筒、楕円筒、角筒など)に空気を
放出する形状のものが好ましい。これにより筒状のS空
間が作られ、このS空間がエアーカーテンのように働き
をし、内部を外部大気から遮断する。内部は、大気とは
異なる特別空間(これもS空間と言える)となり、人工
雪の降雪が促進される。 従って、エアーノズルの多数
を環状に配置した構造や、二重筒の構造を備えたエアー
ノズルも使用される。後者のタイプでは、二重筒の隙間
からS空気が放出される。
【0042】エアーノズルと目的とするS空気を作る各
種要素(例えば、冷却装置や除湿装置、圧縮装置)との
間は、ホースでつながれる。ホースは本発明では空気や
水を流す流路を確保するものであれば、何でもよく、パ
イプや配管と呼ばれるものでよい。ホースの語感に限定
されてはならない。ホースの長さも、各種要素を短くし
たければ、1m以下のホースでもよいし、エアーノズル
をスキーをする現場(ゲレンデ)に配置し、他の要素を
スキーロッジの近くに配置し、両者を長いホースでつな
いでもよい。この場合は、1000m以上と長いかもし
れない。長いホースの場合、途中で空気が温められるこ
とがあるので、注意を要する。温められるのを計算して
予めより冷たいS空気を冷却装置から供給してもよい。
ホースの材質も高圧空気や高圧水、低温に耐えるもので
あれば、何でもよい。硬質又は軟質プラスチック、耐圧
ゴムや金属などのホースが使われる。以下、実施例によ
り本発明を具体的に説明する。
【0043】
【実施例1】本実施例にかかるS装置(請求項4、5の
例に相当)の構成を図1を用いて説明する。この装置
は、大気を取り入れて高圧空気を作るコンプレッサー
(1)、1種又は2種以上のフィルター(2)、熱を発
生させずに除湿するヒートレス・エアドライヤー
(3)、熱交換機(4)、冷凍機(5)、エアーノズル
(6)及び各要素をつなぐ各種パイプ(7)からなる。
コンプレッサーは圧縮装置の一種であり、ヒートレス・
エアドライヤーは除湿装置の一種である。熱交換機は冷
却装置の一種である。コンプレッサーとエアーノズルと
両者をつなぐパイプが放出機構(8)を構成する。
【0044】コンプレッサーは一個ではなく、圧力が不
足するならば、適宜、要素と要素との間に付加してもよ
い。フィルターは、ごみ、ちり、油等の不純物や高熱を
除去するためのもので、本発明では必須ではない。高圧
空気は、圧縮のときに発熱して温度が上がるので、先に
冷却装置で冷却した後、除湿しても良い。この除湿の
後、また冷却装置で冷却してもよい。
【0045】コンプレッサーは、各種あるが、ここで
は、INGERSOLLRAND社製のエンジンコンプ
レッサーを用いた。コンプレッサーで作られた高圧空気
(約686KPa=7Kgf/平方センチメートル程
度)は、次にフィルターで不純物を除去した後、ヒート
レス・エアドライヤー(日立製作所製:型式HDK−2
00A)で露点−20℃〜−30℃に除湿される。除湿
された高圧空気は、続いて熱交換機(アルファラバル社
製:型式CB76−140HX)で−10℃〜−25℃
に冷却される。熱交換機の中では、高圧空気と冷媒とが
二重管内で間接的に接触し、冷媒が高圧空気を冷却す
る。逆に冷媒は温められる。冷凍機(日立製作所製:型
式KX−M16AL3)は、温められた冷媒を冷却し熱
交換機へ冷えた冷媒を供給する。なお、コンプレッサー
で作られた高圧空気を先に熱交換機で冷やし、その後、
除湿装置で乾燥させてもよい。
【0046】熱交換機で冷却されたS空気はエアーノズ
ルから大気中に放出される。ここでは、エアーノズルか
ら2.8〜5.5立方メートル/分の量のS空気が放出
される。エアーノズル本体は、直径φ=20〜30mm
の円筒状又は楕円筒状で、先端の開口部の直径φは、
0.1〜0.3mmである。図示していないが、8本の
エアーノズルを用意し、これらを直径φ=100〜15
0mmの円環状に配置した(請求項3又は7)。これに
より、図2に示すように、放出方向に、高さ5m以下、
長さ50m以下のS空間(9)が作り出される。連続運
転しても、放出されるS空気は乾燥しているので、ノズ
ルが氷つくことがなく、連続運転が可能である。
【0047】また、本発明のS装置を複数用意し、これ
らを所定の距離(例えば、20〜100m)離して対向
配置してもよい。こうすることにより、より大きなS空
間を作り出すことができる。
【0048】
【実施例2】(請求項6の例)図3を用いて説明する。
本実施例のS装置は、大気を取り入れて高圧空気を作る
コンプレッサー(1)、冷却・除湿装置(10)、冷た
い乾燥空気を放出するエアーノズル(6)、該エアーノ
ズルと前記冷却・除湿装置と前記圧縮装置とをつなぐホ
ース(7)からなる。コンプレッサーとエアーノズルと
両者をつなぐパイプが放出機構(8)を構成する。コン
プレッサーは一個ではなく、圧力が不足するならば、適
当に複数配置してもよい。
【0049】目的とするS空気(ここでは温度及び露
点:−10〜─72℃、圧力:686KPa=7Kgf
/平方センチメートル程度)が1つの装置で作られる。
このような冷却・除湿装置は、例えば、特開2000─
73953や特開平10─235132に記載されてお
り、公知である。空気を冷却すると、空気中の水分は凝
縮して露(水)となる。そのような冷却・除湿装置は冷
凍室を備え、その中に冷却フィンが配置されている。冷
却フィンは冷凍室外の冷凍機とパイプでつながってい
る。冷凍機と冷却フィンとの間をパイプを通じて冷媒が
循環している。これにより、冷凍室内は、例えば、−1
0℃〜−72℃に冷えている。冷凍室の上部に、高圧空
気の入口が設けられ、この入口とは遠い位置に、出口が
設けられている。高圧空気を入口から冷凍室内に導入
し、高圧空気を−60℃〜−72℃に冷却する。そうす
ると、空気中の水分が凝縮して露(水)となり、冷却室
の下部に水(ドレン)がたまる。そこで、この水を室外
に捨てる。
【0050】これより高圧空気は乾燥する。そこで、出
口を通じて冷凍室から高圧空気を排出すると、排出され
た空気はS空気で、これは露点:−10℃〜−72℃に
乾燥しており、かつ、温度:−10℃〜−72℃に冷え
ている。このS空気をホースを通じてエアーノズルに導
き、エアーノズルから大気中に放出する。放出されたS
空気は、周囲にS空間を作りだす。
【0051】
【実施例3】(請求項14=ファン方式)これは、S装
置を備えたファン方式、つまり改良された降雪機の例で
ある。この降雪機は、従来のファン式の円筒状本体(1
1)の周囲に、10個のエアーノズル(6)を円環状に
配置したものである。 図4に示すように、円筒状の本
体(11)があり、その中にノズル(12)を通して高
圧空気を噴出させる。すると、高圧空気は断熱膨張して
冷たい空気(0℃以下)に変わる。この冷たい空気をフ
ァン(13)で大気中へ放出する。ファンはモータ(1
4)によって回転する。他方、ポンプ(不図示)が、水
源から水を汲み上げて、ホース(不図示)を通じて水ノ
ズル(15)に高圧水を送る。水温は0℃〜8℃が適当
である。水ノズルは本体に取り付けられている。水ノズ
ルを通じて、高圧水が本体内又は本体前方へ噴出する。
これにより水は水滴(ミスト)となり、その水滴(ミス
ト)が冷たい空気によって冷やされて氷(雪)に変わ
る。
【0052】エアーノズル(6)は実施例1のS装置に
つないである。S装置で作られたS空気(高圧空気)
は、ホース(7)を通じて多数のエアーノズル(6)に
供給される。そして、エアーノズルから、円筒状の高圧
空気がファン方式の前方に放出される。円筒状に放出さ
れたS空気は、円筒状のエアーカーテンを作り、その中
にS空間を作る。
【0053】ファン方式で作られる雪は、このS空間の
中に降る。仮に、大気が降雪可能な条件を備えていなく
とも、大気から遮断されたS空間は、降雪可能な人工空
間なので、雪が降るのである。なお、ファン方式で圧縮
装置からノズル(12)に供給する高圧空気をS装置か
ら供給する「冷たい乾燥空気」に変えてもよい。また、
ファン方式とS装置との間で部品(例えば、圧縮装置)
を兼用してもよい。
【0054】
【実施例4】(請求項15=スノーガン方式)これは、
S装置を備えたスノーガン方式つまり改良された降雪機
の例である。スノーガン方式はそれ自体公知であり、図
5に示すように、水源から水を吸い上げて高圧水を作る
ポンプ(16)、高圧水をガンに送るホース(7)、大
気から空気を取り入れて高圧空気を作る圧縮装置(1)
及び高圧空気をガン(17)に送るホース(7)からな
る。ガン(17)は、図6に示すように、主として、高
圧空気が流れる円筒(内径φ=40mm)状の本体(1
7a)と、これに斜め下から高圧水が合流する円筒(内
径φ=22mm)状の側筒(17b)を有する。本体
(17a)は先端に長径φ=31mm×短径φ=28m
mの楕円形開口部を有する。側筒の中には特別な仕掛け
(不図示)があって、側筒の中を流れる高圧水はスクリ
ュー状に回転して高圧空気の流れに合流する。こうし
て、空気を巻き込んだ高圧水は、引き続き本体内をスク
リュー状に回転しながら流れ、やがて、開口部(17
c)より噴出する。このとき、開口部の前方には、長さ
1m程度の白い水柱様(スクリュー状に回転している)
が出現する。高圧水は、この水柱様の先へ達すると、高
圧空気を巻き込んでいるので、急速に膨張(断熱膨張)
してミスト状の水滴へと分散する。このとき、膨張は断
熱膨張のなので、急速に冷えて、水滴は雪となり、雪が
地上に降り注ぐ。
【0055】S装置は、実施例1と同種のもので、8本
のエアーノズル(6)を有する。エアーノズル本体は、
内径φ=20mmの円筒状で、直径φ=1.2mmの開
口部(6a)を有する。8本のエアーノズル(6)は、
中空ドーナツ状の空気ヘッダー(18)に植えつけら
れ、図8(正面図)に示すようにφ=100mmの円環
状に配置されている。空気ヘッダーの裏面には、図7に
示すように、S空気の導入口(18a)が1個設けられ
ている。 ホースを通じて導入口から空気ヘッダー内部
に導入された高圧のS空気は、8本のエアーノズルから
大気中に放出される。 ガン(17)は、ドーナツ状の
空気ヘッダー(18)の中心部を貫いており、ガンの先
端部はエアーノズルより先にある。ガン(17)は、空
気ヘッダー(18)に着脱可能に取り付けられている。
エアーノズル(6)の外側には、円筒状のフード(1
9)が設けられて、横から風雨・風雪がノズルにぶつか
るのを防いでいる。フードはエアーノズル(6)から放
出されたS空気が早めに大気中に拡散し消滅するのを防
ぐ効果もある。
【0056】ここでは、S空気は円筒状に配置された複
数のエアーノズルから相対的に高速で放出される。それ
に対して、ガンから噴出した水滴(ミスト)又は水滴を
含む高圧空気は相対的に低速である。そのため、円筒状
に形成されるS空間は相対的に低圧で、内部は相対的に
高圧になると推定される。その結果、水滴を含む高圧空
気は外側のS空間に向けて膨張(断熱膨張)させられる
と推定される。何故なら、S空気を放出させないと、ガ
ンのすぐ前方に前記水柱様が出現し、S空気を放出させ
ると、水柱様が消える事実が観測されているからであ
る。もし、推測が正しければ、円筒の内部は(断熱膨
張)によって冷えるほか、圧力が下がり、単位体積当た
りの水分量(湿度)が下がる。そのため、水はより冷
え、かつ、蒸発し易くなり、雪になり易くなる。更に、
相対的に高速で流れるS空気は、相対的に低速の内部に
対して、エアーカーテンを作り易い。ガンは水滴(ミス
ト)又は水滴を含む高圧空気を噴出するため大きな騒音
をもたらす。しかし、エアーカーテンが騒音を消す効果
(消音効果)を示すことが判った。実際、実験でもS空
気の放出を止めると、騒音が大きくなった。同じような
ことは、ターボファン・ジェット・エンジンでも報告さ
れている。エンジンで燃焼した排気ガスを大気中に噴出
してできるジェット流を、ファンからの気流が外側から
包み込む。このファンからの気流が、ジェット流の騒音
を消すと報告されている。
【0057】本実施例の降雪機を用いて広島県の山間部
で冬季に2ヵ月近く実験を行った。実験では、S装置を
機能させなかった場合(従来例)と、機能させた場合
(本実施例)を比較した。ガンに供給する水量(水温2
〜5℃)は、250リットル/分である。これにより、
湿球温度と降雪の関係を調べた。その結果、従来例では
湿球温度が−5℃以下のときしか降雪しなかった。それ
に対して、実施例では、湿球温度が0℃以下のときでも
降雪させることができた。(なお、湿球温度が0℃〜−
2℃付近では気温はプラスであり、そのためか、S空間
が消滅すると思われる約10m以上先では、雪になら
ず、雨になっていた。)実験中、湿球温度が−5℃以下
の時間は133時間であったのに対して、0℃以下の時
間は485時間であった。従って、本実施例は、降雪可
能なチャンスを約3.6倍増やしたことになる。これは
スキー場経営者に福音をもたらす。
【0058】なお、ガン方式の圧縮装置からガンに供給
する高圧空気を、S装置から供給する冷たい乾燥空気に
変えてもよい。また、ガン方式とS装置で部品例えば圧
縮装置(1)を兼用にしてもよい。
【0059】
【実施例5】(請求項17=単相流方式)これは、S装
置を備えた単相流方式つまり改良された人工降雪機の例
である。単相流方式は、図10に示すように、高圧空気
を噴出する第1ノズル(20)と高圧水を噴出する第2
ノズル(21)とを備え、両ノズルは隣接している。第
1ノズルは、円筒状のジャケット(22)を着ており、
ジャケットの先端に第2ノズルを有する。
【0060】コンプレッサー(不図示)からホース(不
図示)を通して供給された高圧空気(温度:2〜10
℃、圧力:539〜686KPa(キロ・パスカル)=
5.5〜7Kgf/平方センチメートル)は、第1ノズ
ルから大気中に噴出される。ここで、高圧空気は断熱膨
張して冷えて、極めて冷たい空気となり、その当たりに
冷たい空気空間を作りだす。他方、ポンプ(不図示)か
らホース(不図示)を通して供給された高圧水は、ジャ
ケット(22)を通り第2ノズル(21)から噴出す
る。高圧水の温度は0〜8℃、圧力は539〜2450
KPa(キロ・パスカル)=5.5〜25Kgf/平方
センチメートル、流量は1.4〜3.5リットル/分で
ある。高圧水は、第2ノズルからミスト状に「冷たい空
気空間」に向けて噴出する。そのため、ミストは冷たい
空気で冷やされ、雪に変わる。
【0061】S装置のエアーノズル(6)の複数をこの
第1ノズル(20)の周囲に環状に配置する。これによ
り複数のエアーノズルから冷たい乾燥空気を円筒状に放
出させる。これによりS空間が作り出されるが、S空間
は、第1ノズルから作られる「冷たい空気空間」を取り
囲んでいる。そのため、従来では不可能な気象条件でも
降雪が可能となる。
【0062】
【実施例6】(請求項18=単相流方式)これは、S装
置を備えた単相流方式つまり改良された人工降雪機の例
である。ここでは、図11に示すように、第1ノズル
(20)に実施例1のS装置から冷たい乾燥空気(温
度:−15〜25℃、露点:─60〜70℃、圧力:5
39〜2450KPa(キロ・パスカル)=5.5〜7
Kgf/平方センチメートル)が供給される。この場
合、S装置からS空間が作りだされ、その空間の中に第
2ノズルから高圧水(温度:0〜8℃、圧力:539〜
686KPa(キロ・パスカル)=5.5〜25Kgf
/平方センチメートル)が噴出される。噴出された水は
ミスト状にS空間の中に拡散する。水はS空間で冷やさ
れて雪に変わる。
【0063】
【発明の効果】以上の通り、本発明は、全く新しく着想
した概念に基づき、人工的に降雪可能な空間(S空間)
を作りだしてしまうので、「湿球温度が0℃付近以下と
高く従来の降雪機では降雪が不可能な気象条件」のとき
にも、降雪を可能にする。そのため、本発明は、スキー
の可能な時期及び地域を拡大し、スキー場の経営を安定
にする。
【0064】温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空
気(S空気)を筒状に放出することによりS空間を作り
だすことは特に効果的である。何故なら、S空間がエア
ーカーテンとなって、外気から隔離した特別空間(これ
もS空間と言える)を作りだすからである。特別空間は
降雪に適した条件を備えている。そのため、特別空間の
中に降雪機で雪を降らせると、極端に言えば、気象条件
に寄らずに雪が生成する。場合により、本発明の降雪方
法を建物内で実施してもよい(請求項10)。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(請求項4、5の例)にかかるS装置
の構成を示すブロック図
【図2】S装置でS空間を生成する様子を示す概念図
【図3】実施例2(請求項6の例)にかかるS装置の構
成を示すブロック図
【図4】実施例3(請求項14−ファン方式の例)にか
かる降雪機の一部(断面)を示す概念図
【図5】実施例4(請求項15−ガン方式の例)にかか
る降雪機の構成を示すブロック図
【図6】一般的なガンの断面を示す概念図
【図7】実施例4で用いたガンとエアーノズルの断面を
示す概念図
【図8】実施例4で用いたガンとエアーノズルの正面を
示す概念図
【図9】実施例5(請求項17─単相流方式の例)にか
かる降雪機の一部(側面)を示す概念図
【図10】実施例6(請求項18─単相流方式の例)に
かかる降雪機の一部(側面)を示す概念図
【符号の説明】
1 コンプレッサー(圧縮装置の一種)又は圧縮装置 2 フィルター 3 除湿装置 4 冷却装置 5 冷凍機 6 エアーノズル 7 ホース 8 放出機構 9 降雪可能空間(S空間) 10 冷却・除湿装置 11 ファン式の筒状本体 12 ノズル 13 ファン 14 モータ 15 水ノズル16 ポンプ 17 ガン 18 空気ヘッダー 19 フード 20 第1ノズル(高圧空気又はS空気) 21 第2ノズル(高圧水) 22 ジャケット

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥
    空気を大気中に放出することによって、人工雪の降雪を
    可能にする降雪可能空間を生成する方法。
  2. 【請求項2】 前記乾燥空気を筒状に放出することを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記乾燥空気を放出することによりエア
    ーカーテンを作り、大気と前記カーテン内部を隔離する
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 空気を温度0℃以下に冷却する冷却装
    置、空気を露点0℃以下に乾燥させる除湿装置、順序は
    問わないが前記冷却装置及び前記除湿装置によって生成
    された「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空気」
    を大気中に放出する放出機構、並びに、前記冷却装置、
    前記冷却装置及び前記放出機構をつなぐホースを備えた
    降雪可能空間の生成装置。
  5. 【請求項5】 圧縮装置、該圧縮装置から供給された高
    圧空気を温度0℃以下に冷却する冷却装置、前記高圧空
    気を露点0℃以下に乾燥させる除湿装置、順序は問わな
    いが前記冷却装置及び前記除湿装置によって生成された
    「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空気」を大気
    中に放出するためのエアーノズル、並びに、前記圧縮装
    置、前記冷却装置、前記除湿装置及び前記エアーノズル
    をつなぐホースを備えた降雪可能空間の生成装置。
  6. 【請求項6】 圧縮装置、該圧縮装置から供給された高
    圧空気を温度0℃以下に冷却し露点0℃以下に除湿する
    冷却・除湿装置、該冷却・除湿装置で作られた「温度0
    ℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空気」を大気中に放出
    するエアーノズル、並びに、前記圧縮装置、前記冷却・
    除湿装置及び前記エアーノズルをつなぐホースを備えた
    降雪可能空間の生成装置。
  7. 【請求項7】 前記乾燥空気を筒状に放出することを特
    徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の降雪可能空間
    の生成装置。
  8. 【請求項8】 前記除湿装置がヒートレス・エアドライ
    ヤーであることを特徴とする請求項4又は5に記載の降
    雪可能空間の生成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で
    作られた降雪可能空間の中、又は筒状の内部、又はカー
    テン内部に、人工降雪機で雪を降らせることを特徴とす
    る人工雪の降雪方法。
  10. 【請求項10】 建物内で行うことを特徴とする請求項
    9記載の降雪方法。
  11. 【請求項11】 建物内を「0℃より低い温度Tdを持
    ち、この温度Tdより低い露点を持つ乾燥空気」で満た
    し、その中に人工降雪機で雪を降らせることを特徴とす
    る降雪方法。
  12. 【請求項12】 前記人工降雪機が、ファン方式又はス
    ノーガン方式又は単相流方式であることを特徴とする請
    求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 請求項4〜8のいずれかに記載の生成
    装置を付加したことを特徴とするファン方式又はスノー
    ガン方式又は単相流方式の人工降雪機。
  14. 【請求項14】 (1)請求項4〜8のいずれかに記載
    の生成装置、並びに(2)筒状の本体、該本体内の後方
    又は中央付近に設けられたファン、該ファンを回転させ
    るモータ、圧縮装置、該圧縮装置から供給された高圧空
    気を前記本体内又は本体の前方に噴出するノズル、ポン
    プ、該ポンプから供給された高圧水を本体内又は本体の
    前方に噴出する水ノズル、前記圧縮装置から前記ノズル
    に高圧空気を供給するホース、及び前記ポンプから前記
    水ノズルに高圧水を供給するホースを備えたファン方式
    からなる人工降雪機であって、前記生成装置で作られた
    降雪可能空間の中に、前記方式で雪を降らせることを特
    徴とする人工降雪機。
  15. 【請求項15】 (1)請求項4〜8のいずれかに記載
    の生成装置、並びに(2)圧縮装置、ポンプ、前記圧縮
    装置から供給された高圧空気に前記ポンプから供給され
    た高圧水を合流させ、高圧空気を巻き込んだ高圧水を噴
    出するガン、前記圧縮装置と前記ガンをつなぐホース、
    及び前記ポンプと前記ガンをつなぐホースを備えたスノ
    ーガン方式からなる人工降雪機であって、前記生成装置
    で作られた降雪可能空間の中に、前記方式で雪を降らせ
    ることを特徴とする人工降雪機。
  16. 【請求項16】 (1)温度0℃以下露点0℃以下の冷
    たい乾燥空気を筒状に高速で大気中に放出する降雪可能
    空間の生成装置、並びに(2)「水滴を含む空気」を噴
    出するスノーガン方式からなる人工降雪機であって、前
    記乾燥空気を高速で放出することにより相対的に低圧の
    筒状の降雪可能空間を作り出し、それにより噴出した相
    対的に高圧の前記「水滴を含む空気」を前記空間に向け
    て膨張させることを特徴とする人工降雪機。
  17. 【請求項17】 (1)請求項4〜8のいずれかに記載
    の生成装置、並びに(2)ポンプ、圧縮装置、該圧縮装
    置から供給された高圧空気を噴出する第1ノズル、及
    び、その噴出による断熱膨張により冷えた空気空間の中
    に、前記ポンプから供給された高圧水を噴出する第2ノ
    ズルを備え、前記圧縮装置と前記第1ノズルとはホース
    でつながれ、前記ポンプと前記第2ノズルとは別のホー
    スでつながれ、かつ、第1ノズルと第2ノズルとは隣接
    している単相流方式からなる人工降雪機であって、前記
    生成装置で作られた降雪可能空間の中に、前記方式で雪
    を降らせることを特徴とする人工降雪機。
  18. 【請求項18】 請求項4〜8のいずれかに記載の生成
    装置、高圧水を作るポンプ、前記降雪可能空間の生成装
    置に隣接した水ノズル及び前記ポンプと前記水ノズルを
    つなぐホースからなり、前記生成装置で作られた降雪可
    能空間の中に、前記水ノズルから水滴を噴出させること
    を特徴とする、改良された単相流方式の人工降雪機。
  19. 【請求項19】 冷却除湿以外の除湿方法で除湿された
    「温度0℃以下露点0℃以下の冷たい乾燥空気」を大気
    中に放出することによって、冷たい乾燥空気の空間を生
    成する方法。
  20. 【請求項20】 前記乾燥空気を筒状に放出すること特
    徴とする請求項19記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008075689A1 (ja) * 2006-12-20 2008-06-26 Iceman Co., Ltd. 造雪促進装置及び造雪促進方法
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