JP2001303887A - ゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法 - Google Patents
ゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法Info
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- JP2001303887A JP2001303887A JP2000118209A JP2000118209A JP2001303887A JP 2001303887 A JP2001303887 A JP 2001303887A JP 2000118209 A JP2000118209 A JP 2000118209A JP 2000118209 A JP2000118209 A JP 2000118209A JP 2001303887 A JP2001303887 A JP 2001303887A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 工事時の泥水中の粒子性状を調整する添加剤
の最適添加量を従来法より簡易に推定する方法を提供す
る。 【解決手段】 工事時の泥水あるいは濁水中の粒子の分
散・凝集性を調整する添加剤の最適添加量を推定する添
加剤最適添加量推定方法であって、泥水のゼータ電位が
所望の電位となる量を最適添加量と推定する。より具体
的には、添加剤を過剰添加し、そのときのゼータ電位と
添加剤無添加時のゼータ電位とを測定して、これら2つ
のゼータ電位を用いてゼータ電位を添加剤添加量を変数
とした一次関数で近似し、該一次関数上でゼータ電位が
所望の電位となる量を最適添加量と推定する。
の最適添加量を従来法より簡易に推定する方法を提供す
る。 【解決手段】 工事時の泥水あるいは濁水中の粒子の分
散・凝集性を調整する添加剤の最適添加量を推定する添
加剤最適添加量推定方法であって、泥水のゼータ電位が
所望の電位となる量を最適添加量と推定する。より具体
的には、添加剤を過剰添加し、そのときのゼータ電位と
添加剤無添加時のゼータ電位とを測定して、これら2つ
のゼータ電位を用いてゼータ電位を添加剤添加量を変数
とした一次関数で近似し、該一次関数上でゼータ電位が
所望の電位となる量を最適添加量と推定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木工事などの工
事中に発生する泥水中の粒子の分散・凝集性を調整する
ための添加剤の最適添加量を推定する方法に関する。
事中に発生する泥水中の粒子の分散・凝集性を調整する
ための添加剤の最適添加量を推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば泥水式シールド工法の余剰泥水処
理時のように、工事で発生する泥水中の土粒子やシルト
等の粒子をフィルタープレスで取り出すことで泥水を処
理する場合が多々ある。泥水中に存在する粒子は表面に
マイナス電荷を帯びた状態で互いに反発して非常に細か
い状態で分散している。このため、フィルター上に粒子
が堆積することで生成するマッドケーキは、極めて目が
細かくなり、透水性が小さくなる。このため、泥水をそ
のままフィルターにかけると濾過に時間がかかる。この
ため、泥水中にポリ塩化アルミニウム(PAC)などの
凝集剤を添加する場合がある。これら凝集剤の添加は、
粒子表面のマイナス電荷を中和して凝集させやすくする
ことで、粒子を見かけ上大きくして上述した問題を解決
することを目的としている。
理時のように、工事で発生する泥水中の土粒子やシルト
等の粒子をフィルタープレスで取り出すことで泥水を処
理する場合が多々ある。泥水中に存在する粒子は表面に
マイナス電荷を帯びた状態で互いに反発して非常に細か
い状態で分散している。このため、フィルター上に粒子
が堆積することで生成するマッドケーキは、極めて目が
細かくなり、透水性が小さくなる。このため、泥水をそ
のままフィルターにかけると濾過に時間がかかる。この
ため、泥水中にポリ塩化アルミニウム(PAC)などの
凝集剤を添加する場合がある。これら凝集剤の添加は、
粒子表面のマイナス電荷を中和して凝集させやすくする
ことで、粒子を見かけ上大きくして上述した問題を解決
することを目的としている。
【0003】ここで、コストや効率等の面から、凝集剤
の添加量を最適にすることが好ましい。従来、添加剤の
最適添加量は土質毎に大別した目安がある。この目安
は、例えば砂質土では25kg/t・ss、粘土質では
40kg/t・ss、表面電荷の高いベンドナイト層で
は100kg/t・ss程度である。しかし、実際の地
盤には、砂やシルト及び粘土が混在しているため、これ
らの目安はあくまでも参考程度にすぎない。そこで、厳
密に添加剤の最適添加量を推定するためには、掘削地盤
毎にファンネル粘度やB型粘度等の粘度を測定したり、
API基準に定めた濾過試験を行う必要がある。
の添加量を最適にすることが好ましい。従来、添加剤の
最適添加量は土質毎に大別した目安がある。この目安
は、例えば砂質土では25kg/t・ss、粘土質では
40kg/t・ss、表面電荷の高いベンドナイト層で
は100kg/t・ss程度である。しかし、実際の地
盤には、砂やシルト及び粘土が混在しているため、これ
らの目安はあくまでも参考程度にすぎない。そこで、厳
密に添加剤の最適添加量を推定するためには、掘削地盤
毎にファンネル粘度やB型粘度等の粘度を測定したり、
API基準に定めた濾過試験を行う必要がある。
【0004】粘度を指標とする場合には、例えば、図7
のファンネル粘度による推定結果のグラフに示すよう
に、粘度が極大値になる添加量を最適添加量と推定す
る。また、濾過試験による場合には、例えば図8に示す
ように、所定の条件下で規定時間内に得られる濾過液の
量が飽和した際の添加量を最適添加量と推定する。
のファンネル粘度による推定結果のグラフに示すよう
に、粘度が極大値になる添加量を最適添加量と推定す
る。また、濾過試験による場合には、例えば図8に示す
ように、所定の条件下で規定時間内に得られる濾過液の
量が飽和した際の添加量を最適添加量と推定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
例においては、一つのグラフを描くのに凝集剤の添加量
を変えた試験を数多く行う必要があり、手間および時間
を必要としていた。これは、特に濾過試験による場合に
顕著であった。また、試験回数を十分増やした場合で
も、例えば図9のB型粘度を指標とした結果に例示する
ように、極値を判断しづらく最適添加量を判断しにくい
場合もあった。さらに、試験回数をこなすうちに泥水性
状が変化し、施工時の泥水性状と試験結果時の泥水性状
が異なる場合もあった。これに対応して試験回数を実用
的な回数に落とした場合には、十分な精度を有する結果
を得ることは難しかった。
例においては、一つのグラフを描くのに凝集剤の添加量
を変えた試験を数多く行う必要があり、手間および時間
を必要としていた。これは、特に濾過試験による場合に
顕著であった。また、試験回数を十分増やした場合で
も、例えば図9のB型粘度を指標とした結果に例示する
ように、極値を判断しづらく最適添加量を判断しにくい
場合もあった。さらに、試験回数をこなすうちに泥水性
状が変化し、施工時の泥水性状と試験結果時の泥水性状
が異なる場合もあった。これに対応して試験回数を実用
的な回数に落とした場合には、十分な精度を有する結果
を得ることは難しかった。
【0006】そこで、本発明は、上記した問題を解決す
るため、工事時の泥水中の粒子性状を調整する添加剤の
最適添加量を従来法より簡易に推定する添加剤の最適添
加量推定方法方法を提供することを目的とする。
るため、工事時の泥水中の粒子性状を調整する添加剤の
最適添加量を従来法より簡易に推定する添加剤の最適添
加量推定方法方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は工事時の泥水あるいは濁水中
の粒子の分散・凝集性を調整する添加剤の最適添加量を
推定するゼータ電位による添加剤最適添加量推定方法で
あって、泥水のゼータ電位が所望の電位となる量を最適
添加量と推定することを特徴とする。
め、請求項1記載の発明は工事時の泥水あるいは濁水中
の粒子の分散・凝集性を調整する添加剤の最適添加量を
推定するゼータ電位による添加剤最適添加量推定方法で
あって、泥水のゼータ電位が所望の電位となる量を最適
添加量と推定することを特徴とする。
【0008】ゼータ電位とは、固体と液体の界面におけ
る電位差のうち界面導電現象に有効に作用する部分であ
り、例えば図1に示す方法で測定される。すなわち、石
英セル100の内部に濁水等の試料を充填し、石英セル
100の両側に電極101をそれぞれ取り付ける。そし
て、電極101に電圧を加える。すると、例えば試料中
の粒子102がマイナス電荷を帯びている場合、粒子1
02はプラス側の電極101に向けて移動し、粒子10
2がプラス電荷を帯びている場合、粒子103はマイナ
ス側の電極101に向けて移動する。このときの粒子1
02の移動速度を平均した値を、ゼータ電位を求める周
知の計算式に代入することで、ゼータ電位を測定する。
ここで、凝集剤・分散材を濁水に添加すると濁水中の粒
子は凝集・分散するため、濁水のゼータ電位も変化す
る。すなわち、ゼータ電位を測定することで、泥水或い
は濁水中の粒子の分散・凝集性を定量的に把握できる。
従って、請求項1記載の発明のように、ゼータ電位を用
いて添加剤の最適添加量を推定すると、精度良く最適添
加量を推定できる。
る電位差のうち界面導電現象に有効に作用する部分であ
り、例えば図1に示す方法で測定される。すなわち、石
英セル100の内部に濁水等の試料を充填し、石英セル
100の両側に電極101をそれぞれ取り付ける。そし
て、電極101に電圧を加える。すると、例えば試料中
の粒子102がマイナス電荷を帯びている場合、粒子1
02はプラス側の電極101に向けて移動し、粒子10
2がプラス電荷を帯びている場合、粒子103はマイナ
ス側の電極101に向けて移動する。このときの粒子1
02の移動速度を平均した値を、ゼータ電位を求める周
知の計算式に代入することで、ゼータ電位を測定する。
ここで、凝集剤・分散材を濁水に添加すると濁水中の粒
子は凝集・分散するため、濁水のゼータ電位も変化す
る。すなわち、ゼータ電位を測定することで、泥水或い
は濁水中の粒子の分散・凝集性を定量的に把握できる。
従って、請求項1記載の発明のように、ゼータ電位を用
いて添加剤の最適添加量を推定すると、精度良く最適添
加量を推定できる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載のゼ
ータ電位による添加剤の最適添加量推定方法において、
添加剤を過剰添加し、そのときのゼータ電位と添加剤無
添加時のゼータ電位とを測定して、これら2つのゼータ
電位を用いてゼータ電位を添加剤添加量を変数とした一
次関数で近似し、該一次関数上でゼータ電位が所望の電
位となる量を最適添加量と推定することを特徴とする。
ータ電位による添加剤の最適添加量推定方法において、
添加剤を過剰添加し、そのときのゼータ電位と添加剤無
添加時のゼータ電位とを測定して、これら2つのゼータ
電位を用いてゼータ電位を添加剤添加量を変数とした一
次関数で近似し、該一次関数上でゼータ電位が所望の電
位となる量を最適添加量と推定することを特徴とする。
【0010】凝集剤であるPAC剤を添加すると、例え
ば図2に示すように、その添加量の増大に伴ってゼータ
電位は、一次関数的に+に増大するが、ある量を超える
とほとんど変化しなくなることが分かった。この傾向は
凝集剤一般にある。同様に、分散剤を添加すると、例え
ば図3に示すように、その添加量の増大に伴ってゼータ
電位は、一次関数的に−に低下するが、ある量を超える
とほとんど変化しなくなることが分かった。このため、
例えば図4に示すように、通常の添加量の範囲内におい
ては、凝集剤・分散剤の添加量とゼータ電位とは一次関
数で近似できることが分かった。
ば図2に示すように、その添加量の増大に伴ってゼータ
電位は、一次関数的に+に増大するが、ある量を超える
とほとんど変化しなくなることが分かった。この傾向は
凝集剤一般にある。同様に、分散剤を添加すると、例え
ば図3に示すように、その添加量の増大に伴ってゼータ
電位は、一次関数的に−に低下するが、ある量を超える
とほとんど変化しなくなることが分かった。このため、
例えば図4に示すように、通常の添加量の範囲内におい
ては、凝集剤・分散剤の添加量とゼータ電位とは一次関
数で近似できることが分かった。
【0011】すなわち、請求項2記載の発明のように、
添加剤を過剰添加し、そのときのゼータ電位と添加剤無
添加時のゼータ電位とを測定して、これら2つのゼータ
電位を用いてゼータ電位を添加剤添加量を変数とした一
次関数で近似することができる。従って、請求項2記載
の発明によれば、最小回数のゼータ電位測定で精度良く
最適添加量を推定できるため、最適添加量の推定に必要
な時間は短縮され、また、泥水性状が変化してもそれに
対応して添加剤の最適添加量を追随推定できる。
添加剤を過剰添加し、そのときのゼータ電位と添加剤無
添加時のゼータ電位とを測定して、これら2つのゼータ
電位を用いてゼータ電位を添加剤添加量を変数とした一
次関数で近似することができる。従って、請求項2記載
の発明によれば、最小回数のゼータ電位測定で精度良く
最適添加量を推定できるため、最適添加量の推定に必要
な時間は短縮され、また、泥水性状が変化してもそれに
対応して添加剤の最適添加量を追随推定できる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法に
おいて、添加剤を、泥水或いは濁水中の粒子を凝集させ
る凝集剤とし、ゼータ電位が0Vとなる量を最適添加量
と推定することを特徴とする。この請求項3記載の発明
によれば、最低量の凝集剤の添加で、泥水あるいは濁水
中の粒子の表面の電位を中性にできるため、最も安価な
方法で粒子を最も凝集しやすい状態にできる。
記載のゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法に
おいて、添加剤を、泥水或いは濁水中の粒子を凝集させ
る凝集剤とし、ゼータ電位が0Vとなる量を最適添加量
と推定することを特徴とする。この請求項3記載の発明
によれば、最低量の凝集剤の添加で、泥水あるいは濁水
中の粒子の表面の電位を中性にできるため、最も安価な
方法で粒子を最も凝集しやすい状態にできる。
【0013】請求項3記載の発明における凝集剤として
は、例えば請求項4に記載するように、ポリ塩化アルミ
ニウムを用いる。
は、例えば請求項4に記載するように、ポリ塩化アルミ
ニウムを用いる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項3または4
記載のゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法に
おいて、泥水あるいは濁水処理時に添加する凝集剤の最
適添加量を推定する際に適用されることを特徴とする。
この請求項5記載の発明によれば、例えば泥水式シール
ド工法の余剰泥水等の泥水から土粒子等の粒子を除去す
る作業、すなわち泥水の処理を最も効率よくかつ安価に
行える。
記載のゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法に
おいて、泥水あるいは濁水処理時に添加する凝集剤の最
適添加量を推定する際に適用されることを特徴とする。
この請求項5記載の発明によれば、例えば泥水式シール
ド工法の余剰泥水等の泥水から土粒子等の粒子を除去す
る作業、すなわち泥水の処理を最も効率よくかつ安価に
行える。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1または2
記載のゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法に
おいて、泥水式シールド工法の泥水の品質を調整する添
加剤の最適添加量を推定する際に適用することを特徴と
する。この請求項6記載の発明によれば、より精度良
く、さらには短時間で添加剤の最適添加量を推定でき
る。従って、施工中に地山粘土や混入地下水の性状変化
によって泥水性状が変化しても、迅速に泥水性状を所望
の状態に調整することが可能になる。
記載のゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法に
おいて、泥水式シールド工法の泥水の品質を調整する添
加剤の最適添加量を推定する際に適用することを特徴と
する。この請求項6記載の発明によれば、より精度良
く、さらには短時間で添加剤の最適添加量を推定でき
る。従って、施工中に地山粘土や混入地下水の性状変化
によって泥水性状が変化しても、迅速に泥水性状を所望
の状態に調整することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図4〜図6を用いて本発明
の一実施例について詳細に説明する。本実施例は、泥水
式シールド工法の余剰泥水中の土粒子・シルト等の粒子
をフィルタープレスで除去することを想定して、上記粒
子の凝集剤であるポリ塩化アルミニウム(以下PACと
記載)の添加量を決定したものである。
の一実施例について詳細に説明する。本実施例は、泥水
式シールド工法の余剰泥水中の土粒子・シルト等の粒子
をフィルタープレスで除去することを想定して、上記粒
子の凝集剤であるポリ塩化アルミニウム(以下PACと
記載)の添加量を決定したものである。
【0017】上記粒子を最も効率よく凝縮させるために
は、粒子の表面電位を0V、すなわちゼータ電位を0V
に調節して粒子同士の電気的反発力を0にすることが必
要である。
は、粒子の表面電位を0V、すなわちゼータ電位を0V
に調節して粒子同士の電気的反発力を0にすることが必
要である。
【0018】そこで、本実施例では、まず、サンプリン
グした余剰泥水中の粒子のゼータ電位をPAC無添加状
態で測定し、その後PACを例えば75kg/t・ss
(粒子1t当たり75kg)と過剰添加して余剰泥水中
の粒子のゼータ電位を+にして、そのときの粒子のゼー
タ電位を測定した。
グした余剰泥水中の粒子のゼータ電位をPAC無添加状
態で測定し、その後PACを例えば75kg/t・ss
(粒子1t当たり75kg)と過剰添加して余剰泥水中
の粒子のゼータ電位を+にして、そのときの粒子のゼー
タ電位を測定した。
【0019】そして、図5に示すように、PAC無添加
状態でのゼータ電位とPACのゼータ電位とを、PAC
添加量を変数としたグラフにプロットし、これらのゼー
タ電位を直線で結んで一次関数で近似し、この直線とX
軸の交点すなわち前記した一次関数上でゼータ電位が0
Vとなる量、すなわち47kg/t・ssを、PACの
最適添加量と推定した。
状態でのゼータ電位とPACのゼータ電位とを、PAC
添加量を変数としたグラフにプロットし、これらのゼー
タ電位を直線で結んで一次関数で近似し、この直線とX
軸の交点すなわち前記した一次関数上でゼータ電位が0
Vとなる量、すなわち47kg/t・ssを、PACの
最適添加量と推定した。
【0020】上記した推定方法の精度について、図6を
用いて検証した。図6は、図5のグラフにおける2点間
を細かく埋めるようにPAC添加量を変えてゼータ電位
を測定した結果である。図6によると、図5のグラフを
用いてゼータ電位が0Vとなると推定した添加量は、ほ
とんど誤差がなかったといえる。
用いて検証した。図6は、図5のグラフにおける2点間
を細かく埋めるようにPAC添加量を変えてゼータ電位
を測定した結果である。図6によると、図5のグラフを
用いてゼータ電位が0Vとなると推定した添加量は、ほ
とんど誤差がなかったといえる。
【0021】さらに、本実施例における泥水性状は、図
7及び図8における泥水性状と同じであり、PACの最
適添加量は、図7からは45〜50kg/t・ssと、
図8からは約50kg/t・ssと、それぞれ推定され
る。
7及び図8における泥水性状と同じであり、PACの最
適添加量は、図7からは45〜50kg/t・ssと、
図8からは約50kg/t・ssと、それぞれ推定され
る。
【0022】すなわち、本実施例によるPACの最適添
加量は非常に精度よく推定されたことがわかる。
加量は非常に精度よく推定されたことがわかる。
【0023】また、本実施例に従ってPACの添加量を
決定すると、最小限のゼータ電位測定回数で、PACの
最適添加量を決定できるため、PACの添加量決定時間
を短縮して、施工時の泥水性状と試験結果時の泥水性状
とをより近づけることができる。また、試験回数の最小
化、PACの添加量決定時間の短縮、PACの過剰添加
防止等によるコスト削減効果も得られる。
決定すると、最小限のゼータ電位測定回数で、PACの
最適添加量を決定できるため、PACの添加量決定時間
を短縮して、施工時の泥水性状と試験結果時の泥水性状
とをより近づけることができる。また、試験回数の最小
化、PACの添加量決定時間の短縮、PACの過剰添加
防止等によるコスト削減効果も得られる。
【0024】従って、本実施例を適用することにより余
剰泥水中の粒子を、コスト・時間等の面で効率よく凝集
させることで、より迅速且つ低コストで処理することが
可能になる。
剰泥水中の粒子を、コスト・時間等の面で効率よく凝集
させることで、より迅速且つ低コストで処理することが
可能になる。
【0025】なお、本発明は本実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形で
きる。例えば、泥水式シールド工法の余剰泥水のみでは
なく、他の任意の工事時に発生する泥水あるいは濁水を
処理する際の凝集剤添加時に適用できる。
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形で
きる。例えば、泥水式シールド工法の余剰泥水のみでは
なく、他の任意の工事時に発生する泥水あるいは濁水を
処理する際の凝集剤添加時に適用できる。
【0026】また、目的とするゼータ電位を所望の泥水
性状を実現する値に設定し、添加剤として、PACとい
った凝集剤のみならずベントナイト、CMC(カルボキ
シメチルセルロース)、分散剤、重曹、ソーダ灰等を用
いて、上記した値と図5に例示した一次関数との交点を
求めることで、例えば泥水式シールド工法の泥水等を所
望の泥水性状にするための添加剤量を容易且つ迅速に得
られる。すなわち、泥水式シールド工法においても、地
山粘土や混入地下水の性状変化によって泥水性状が変化
しても、迅速に泥水性状を所望の状態に調整することが
可能になる。
性状を実現する値に設定し、添加剤として、PACとい
った凝集剤のみならずベントナイト、CMC(カルボキ
シメチルセルロース)、分散剤、重曹、ソーダ灰等を用
いて、上記した値と図5に例示した一次関数との交点を
求めることで、例えば泥水式シールド工法の泥水等を所
望の泥水性状にするための添加剤量を容易且つ迅速に得
られる。すなわち、泥水式シールド工法においても、地
山粘土や混入地下水の性状変化によって泥水性状が変化
しても、迅速に泥水性状を所望の状態に調整することが
可能になる。
【0027】
【発明の効果】以上より、本発明によれば、工事時の泥
水中の粒子性状を調整する添加剤の最適添加量を従来法
より簡易に推定することができる。また、請求項2記載
の構成にすると、最適添加量の推定に必要な時間は短縮
され、また、泥水性状が変化してもそれに対応して添加
剤の最適添加量を追随推定できる。
水中の粒子性状を調整する添加剤の最適添加量を従来法
より簡易に推定することができる。また、請求項2記載
の構成にすると、最適添加量の推定に必要な時間は短縮
され、また、泥水性状が変化してもそれに対応して添加
剤の最適添加量を追随推定できる。
【図1】ゼータ電位の測定原理を説明する図である。
【図2】本発明を説明するグラフである。
【図3】本発明を説明するグラフである。
【図4】本発明を説明するグラフである。
【図5】本発明の一実施例を説明するグラフである。
【図6】図4で得られた値の精度を検証するグラフであ
る。
る。
【図7】従来例を説明するグラフである。
【図8】従来例を説明する他のグラフである。
【図9】従来例を説明する他のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 仁司 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 西松 好郎 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 Fターム(参考) 2D054 AC05 DA33 DA35 4D059 AA09 BE16 BE55 BE56 CA28 DA01 DA16 DA38 DA52 DB19 EB11 4D062 BA19 BA21 BB05 CA10 DA04 DA32 DB33 DB41 DC02 EA03 FA03 FA19
Claims (6)
- 【請求項1】工事時の泥水あるいは濁水中の粒子の分散
・凝集性を調整する添加剤の最適添加量を推定する添加
剤の最適添加量推定方法であって、 泥水のゼータ電位が所望の電位となる量を最適添加量と
推定することを特徴とするゼータ電位による添加剤の最
適添加量推定方法。 - 【請求項2】添加剤を過剰添加し、そのときのゼータ電
位と添加剤無添加時のゼータ電位とを測定し、これら2
つのゼータ電位を用いて添加剤添加量を変数とした一次
関数でゼータ電位を近似し、該一次関数上でゼータ電位
が所望の電位となる量を最適添加量と推定することを特
徴とする請求項1記載のゼータ電位による添加剤の最適
添加量推定方法。 - 【請求項3】添加剤を、泥水あるいは濁水中の粒子を凝
集させる凝集剤とし、ゼータ電位が0Vとなる量を最適
添加量と推定することを特徴とする請求項1または2記
載のゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法。 - 【請求項4】凝集剤としてポリ塩化アルミニウムを用い
ることを特徴とする請求項3記載のゼータ電位による添
加剤の最適添加量推定方法。 - 【請求項5】泥水あるいは濁水処理時に添加する凝集剤
の最適添加量を推定する際に適用されることを特徴とす
る請求項3または4記載のゼータ電位による添加剤の最
適添加量推定方法。 - 【請求項6】泥水式シールド工法の泥水の品質を調整す
る添加剤の最適添加量を推定することを特徴とする請求
項1または2記載のゼータ電位による添加剤の最適添加
量推定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000118209A JP2001303887A (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | ゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000118209A JP2001303887A (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | ゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001303887A true JP2001303887A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18629394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000118209A Pending JP2001303887A (ja) | 2000-04-19 | 2000-04-19 | ゼータ電位による添加剤の最適添加量推定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001303887A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012040536A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 凝集磁気分離装置 |
CN106032755A (zh) * | 2015-03-09 | 2016-10-19 | 北京市政路桥股份有限公司 | 复合地层土压平衡盾构施工添加剂选择及配比方法 |
US11130686B2 (en) | 2017-01-10 | 2021-09-28 | Vermeer Manufacturing Company | Systems and methods for dosing slurries to remove suspended solids |
-
2000
- 2000-04-19 JP JP2000118209A patent/JP2001303887A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012040536A (ja) * | 2010-08-23 | 2012-03-01 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 凝集磁気分離装置 |
CN106032755A (zh) * | 2015-03-09 | 2016-10-19 | 北京市政路桥股份有限公司 | 复合地层土压平衡盾构施工添加剂选择及配比方法 |
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