JP2001303141A5 - - Google Patents

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【特許請求の範囲】
【請求項1】 チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ並びにそれらの合金でできた金属製電極基材の表面に、貴金属酸化物を含有する電極物質の被覆層を設けた金属電極のうち、前記被覆層から貴金属を回収する処理方法において、
金属電極を予め所定の大きさに切断した後、共擦りによる研磨を行なって電極基材の表面から被覆層を剥離し、その後、酸洗いによって表面に残留する被覆層物質を除去することを特徴とする金属電極から貴金属を回収する処理方法。
【請求項2】 請求項1記載の金属電極を2〜7cm角に切断した後に、バレル研磨により被覆層の剥離を行なうことを特徴とする金属電極から貴金属を回収する処理方法。
【請求項3】 請求項1又は2記載の酸洗いを、フッ酸と硝酸との混合水溶液で行なうことを特徴とする金属電極から貴金属を回収する処理方法。
【請求項4】 請求項1又は2記載の酸洗いを、硼フッ酸と過酸化水素との混合水溶液で行なうことを特徴とする金属電極から貴金属を回収する処理方法。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属電極から貴金属を回収する処理方法に係り、特に工業用電解に使用されて使用済となったチタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ並びにそれらの合金でできた金属製電極基材上に、貴金属酸化物を含有する電極物質の被覆層を設けた不溶性金属電極等から貴金属を回収する回収プロセスにおける金属電極の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、使用済となったチタン等の金属製電極基材上に、貴金属酸化物を含有する電極物質の被覆層を設けた不溶性金属電極等から貴金属を回収することは知られている。例えば、寸法安定性電極(DSE)と称される表面に白金族系の貴金属酸化物を被覆した金属電極は、表面被覆層が安定なセラミックであるが、電極基材は、ある種の化学結合を有するため物理的にも化学的にも極めて安定であることは知られているが、長年の使用において徐々に腐食による消耗が進行し、一定の性能を維持できなくなって使用不能となり、最終的には廃棄処分される。
そこで、本願発明者等は、白金族金属酸化物がアルカリ溶融塩に溶解することを利用して、電極基材を保護しながら表面の白金族金属酸化物を含有する被覆層を溶解するように当該電極基材の表面に高濃度のアルカリ水溶液を塗布し、それを炉中で加熱して水分を蒸発させると共にアルカリが実質上溶融状態となるようにして被覆層をアルカリ中に溶解するとう実用化に向けた開発を行なってきた。
しかし、この方法では高価な白金族金属の回収が実質上困難で、しかも、大きな処理設備が必要になる等の問題がある。又、電極基材をそのまま使う場合は問題にならないが、電極基材と白金族金属酸化物を含有する被覆層との双方を回収しようとする場合には実質上殆ど不可能であった。
又、電極基材の表面を腐食性の酸により溶解して電極基材から被覆層を剥離する方法が提案されている(例えば特開昭59-123730号公報等において提案されている)。
ところが、この方法では理屈上は可能であるものの、実際の問題として電極基材と被覆層の間に介在する酸化物が強固であるために思うように被覆層が剥離しないばかりか、電極基材(チタン)の回収率が悪い。又、使用する酸の量が極めて多く不経済であるとう問題が残されている。
又、溶解された電極基材を含む酸中には白金族金属酸化物のスラッジが含まれており、この貴金属金属酸化物の濃度が相対的に小さくなってしまうことから、この回収が困難になるとった問題をも合せ持っていた。
ところで、電極基材の回収においてはセラミックからなる被覆層を完全に取り除かなければ、チタンとして再生することはできないが、従来では完全に剥離が行なえないため、通常はフェロアロイ等のように付加価値の低い合金材料(鉄合金)としてしか使用することができず、価値が下がるとう問題をも合せ持っていた。
更に、電極側から見れば、チタン、被覆用白金族金属、又はその酸化物用原材料とも実質的に過去に経歴を持たない方が望ましく、取扱いも容易であるので、チタンを再溶解した新しいチタンを用いることが結局は安価であり、取扱いも容易であるとう点から従来法では満足できるものではなかった。
【0010】
【課題を達成するための手段】
課題を達成するために本発明は、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ並びにそれらの合金でできた金属製電極基材の表面に、貴金属酸化物を含有する電極物質の被覆層を設けた金属電極のうち、前記被覆層から前記貴金属を回収する処理方法において、金属電極を予め所定の大きさに切断した後、共擦りによる研磨を行なって電極基材の表面から被覆層を剥離し、その後、酸洗いによって電極基材の表面に残留する被覆層物質を除去するようにしたことである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の具体例を説明する。
金属電極としては、例えばエクスンドメッシュ、或いはパンチドプレート等のチタン製電極基材の表面に、貴金属酸化物を含有する電極物質の被覆層を設けた例えば食塩電解装置等に組み込み内蔵されて使用される工業電解用の不溶性金属電極である。
そして、本発明ではこの金属電極を予めスリッターを通し、更にチッピング機を通して所定の大きさに切断した後、バレル研磨機等に入れて共擦りによる研磨を行なって電極基材の表面から被覆層を剥離し、その後、酸洗いを行なって電極基材の表面に残留する被覆層を完全に除去せしめてチタン製電極基材と被覆層を回収する。
尚、電極基材の基材金属としては、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ並びにそれらの合金等が挙げられる。
そして、チタン又はチタン合金製金属電極では電極基材の表面が平滑でなく、通常はラストやエッチング加工等により凸凹になっている。そして、この凸凹な表面の凹みには前述の共擦りによる研磨処理では取り除くことができない被覆層の一部が残っている。即ち、物理的処理では取り除くことが困難な表面の凹みに残る被覆層物質をも完全に取り除く化学的処理として酸洗いを行なうものである。
ところで、電極基材の表面は、前述した物理的処理により傷つき表面積が大きくなっている。換言すれば、凸部部分が削られて凹部部分の深さが浅くなっているものと予測される。又、チタンやチタン合金金属面の露出が大きくなる。従って、表面をエッチングする作用を有する酸により比較的に容易に酸化物電極物質の被覆層を当該表面から剥離せしめて取り除くことができる。
又、硼フッ酸を剥離液として使う場合、電極基材の腐食が激しくなるので、過酸化水素を液中に添加すると良い。この場合、添加量は硼フッ酸に対して5〜10%程度が望ましい。特に、酸素発生用電極では表面に鉛化合物等の不純物がついている時には有効である。硼フッ酸の場合は、反応が若干弱いようであり、反応が遅いことで、その分、電極基材の溶解が起り難いとう特徴があり、取扱が容易である。
この場合、反応条件は特に限定されないが、温度は室温で良く、時間は1時間程度で良い。但し、剥離条件は金属電極によって変わってくるので調節する必要がある。例えば、表面に鉛等の重金属が僅かに付いている場合は室温で1時間程度の処理で殆ど電極基材(チタン)の溶出が無い状態で被覆層のみをスラッジ状態で取り出すことができる。
而して、以上の如く詳述した本発明の処理方法では、電極基材表面からの被覆層の剥離を共擦りによる研磨によって行なう物理的処理により予め被覆層を剥離回収し、その後、化学的処理によって電極基材の表面から付着残留する被覆層物質を完全に回収取り除くことによって、比較的に容易に電極基材の表面から被覆層を剥離せしめて電極基材(チタン材料)と分離することができることから、電極基材と被覆層との両者を効率的に回収することが可能になる。又、チタン等の溶出が最低限に抑えることができることで、極めて処理液の消耗が少なくなり、経済性、公害問題等の面から有利となる。
次に、具体的な各実施例1〜3について更に説明するが、この実施例詳述に限定されるものではないことをまず始めに述べておく。
実施例1
イオン交換膜法食塩電解用として例えば10年間使用され、初期量の60〜70%の被覆層が残る厚さを略1mmにロール掛けした表面に酸化イリジウムと酸化ルテニウムを含む被覆層を有する金属電極を3cm角に切断した。そして、この3cm角の金属電極片をステンレス製のバレル研磨機に入れ、更に僅かに水を加えて3時間研磨を行なった。この時、研磨機内に研磨剤は入れなかったが、処理後に軽く研磨機を回しながら高圧水で洗浄し、水と共に出てきたスラッジを濾過器を通して採集した。すると、採集した電極基材片の表面は見掛け上で金属光沢を示していた。更に、蛍光エックス線分析法を用いて表面の残留被覆量を測定してみたところ、バレル研磨以前の約40%であることが分かった。即ち、60%の被覆層がバレル研磨により除去され、スラッジとして回収されたことが分かった。
次に、バレル研磨された電極基材片をフッ硝酸エッチング液に浸漬した。すると、浸漬から2分後において激しく反応が始まり、10分経過後に電極基材片を取り出したところ、温度は40℃になっていた。この時用いたフッ硝酸エッチング液は(100gHNO3+40gHF)/からなる水溶液であり、この水溶液は加温は行なわずに室温(約25℃)であった。
又、電極基材片を取り出したエッチング液は紫色を呈し、液中には黒色の沈殿物が残っていた。そして、取り出した電極基材片の表面にも黒色物が付着していたため、これを高圧水で洗浄して濾過器に集めた。又、黒色沈殿物が残るエッチング液をも濾過器に集めた。
これらの操作により、電極基材片の表面はくすんだ灰色となり、蛍光エックス線分析法を用いて測定してみたところRu,Irの何れもが全く検出されなかった。これにより、電極基材から被覆層が完全に剥離されていることが分かった。即ち、被覆層が剥離されて回収された電極基材片は略純粋なチタンであることが分かった。
又、バレル研磨機から水と共に出てきたスラッジはルテニウム、イリジウム及びチタンからなり、酸化物であることが分かった。
この酸化物を700℃で水素処理を行なってルテニウムとイリジウムを還元金属とした後に、銀粉末と共に加熱溶解して、銀、イリジウム、ルテニウムの三元合金としてチタンを除いた。そして、銀を溶解した後に、700℃まで加熱して塩素ガスを吹き込み、塩化物に転換して塩酸に溶解して塩化イリジウム酸と塩化ルテニウム酸との混合液としてイリジウムとルテニウムとを回収した。
実施例2
又、本発明では前述した実施例1と同様にバレル研磨による共擦りによる研磨を行なって表面から略60%の被覆層を剥離した電極基材片を沸騰する20%塩酸エッチング液に浸漬した。すると、浸漬から5分後において反応が始り激しく気泡が発生し始めた。そして、この様に激しい反応が始まってからこの状態を15分間保持した後に電極基材片を取り出したところ、電極基材片の表面は灰色となっていた。この時の電極基材片の重量を測定したところ、重量の減少はなく、浸漬する前の重量の6%であった。尚、電極基材片の表面に付着していた被覆層の残量は2%程度であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の金属電極から貴金属を回収する処理方法は叙上の如く構成してなることから下記の作用効果を秦する。
1.本発明では所定の大きさに切断した金属電極同士の共擦りによる研磨により電極基材の表面から貴金属酸化物を含有する電極物質の被覆層を剥離した後に、物理的処理では取り除くことができない表面の凹みに残留する被覆層物質をも完全に除去する化学的処理として酸洗いを行なうようにしたことから、電極基材の表面からの被覆層の剥離回収を確実に行なうことができる。換言すれば、従来では困難とされた電極基材と白金族金属酸化物を含有する被覆層との双方から純粋な貴金属として回収することができる。
2.又、本発明では金属電極を2〜7cm角の大きさに切断した後に、共擦りによる研磨によって電極基材の表面から被覆層を剥離除去するようにしたことから、金属電極の切断面が、被覆層が付いている被覆面(表面積)に比較して大きくなり、そのために、研磨中に当該切断面同士の共擦りが多くなりすぎて電極基材を作る基材金属例えばチタンの廃スラッジ中への混入が大きくなってその回収率が減ったり、逆に共擦り面積が減って表面の被覆層の剥離が十分でなくなるとったこともなく、被覆層を電極基材の表面から効率的に剥離回収することができる。それにより、回収率の向上が期待できる。
従って、本発明によれば、電極基材表面からの被覆層の剥離を共擦りによる研磨によって行なう物理的処理により予め被覆層を剥離回収し、その後、酸洗いによる化学的処理によって電極基材の表面から付着残留する被覆層物質を完全に回収取り除くことによって、比較的に容易に電極基材の表面から被覆層を剥離せしめて電極基材と分離することができることから、電極基材と被覆層との両者を効率的に回収することが可能になる。又、電極基材の溶出が最低限に抑えることができることで、極めて処理液の消耗が少なくなり、経済性、公害問題等の面からも有利な処理方法を提供することができる。
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