JP2001303011A - 接着フィルム及びこれを用いた多層プリント配線板の製造法 - Google Patents

接着フィルム及びこれを用いた多層プリント配線板の製造法

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JP2001303011A
JP2001303011A JP2000116620A JP2000116620A JP2001303011A JP 2001303011 A JP2001303011 A JP 2001303011A JP 2000116620 A JP2000116620 A JP 2000116620A JP 2000116620 A JP2000116620 A JP 2000116620A JP 2001303011 A JP2001303011 A JP 2001303011A
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adhesive film
resin
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solid
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Shigeo Nakamura
茂雄 中村
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 ハンドリング容易な結晶性固体を加熱等により溶融させ
た後、再結晶化阻害する成分を共存させた樹脂組成物 【課題】常温液体成分を必須とせずとも樹脂流れ性に優
れた樹脂組成物を得る 【目的】耐熱性に優れたビルドアップ方式の多層プリン
ト配線板を簡便に製造すること及びそれに用いる樹脂組
成物を開発する。 【構成】パターン加工された内層回路基板上にラミネー
トするための支持ベースフィルムと常温固形の樹脂組成
物層からなる接着フィルムであって、該樹脂組成物層を
形成する常温固形の樹脂組成物が、 (A)結晶性固体である多官能エポキシ樹脂 (B)エポキシ硬化剤 (C)重量平均分子量が5000乃至100000であ
るバインダーポリマー を必須成分とし、(A)成分が加熱溶融又は溶剤により
溶解された後、該常温固形の樹脂組成物層中で溶融状態
叉は溶解状態を維持することを特徴とする接着フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導体回路層と絶縁層と
を交互に積み上げたビルドアップ方式の多層プリント配
線板において、ハンドリングが容易でかつ硬化後の耐熱
性に優れた接着フィルム及びこれを用いた多層プリント
配線板の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多層プリント配線板の製造方法と
して、内層回路板の導体層上に有機絶縁層を交互に積み
上げていくビルドアップ方式の製造技術が注目されてい
る。熱硬化性樹脂付き銅箔を使用し真空積層プレスによ
り多層プリント配線板を製造する工法は、携帯用電子機
器向けに広く行われるようになった。また、作業環境、
作業効率に優れたフィルム状の熱硬化性樹脂を使用し真
空積層にて絶縁層を形成する工法も広がり始めている。
特開平11ー87927は内層回路パターンの被覆と表
面ビアホール及び/又はスルーホール内の樹脂充填を同
時に一括して行うことのできる多層プリント配線板用層
間接着フィルム、及びこれを用いた多層プリント配線板
の製造法を開示している。該発明の接着フィルムにおけ
るエポキシ樹脂系組成物の場合、常温固形のエポキシ樹
脂を主成分とし、常温液体の成分を一定量以上添加して
可とう性を発揮させフィルムとしてのハンドリング性
と、真空積層時の優れた樹脂流れ性を両立させたもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】可とう性を有し、さら
にハンドリング性の向上と真空積層時の優れた樹脂流れ
性を有する接着フィルムの開発にある。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を続
け、常温液体成分を一定量以上必須とせずともフィルム
としてハンドリング性と樹脂流れ性に優れた樹脂系の検
討を行った。その結果、常温固形の樹脂であっても結晶
性固体構造を有するものであれば、それを加熱等により
溶融させた後、再び結晶化するのを阻害する他成分の共
存下では常温以下でも液状が維持されるため、所望のハ
ンドリング性と樹脂流れ性を発揮することを見出し本発
明を完成させた。すなわち本発明はパターン加工された
内層回路基板上にラミネートするための支持ベースフィ
ルムと常温固形の樹脂組成物層からなる接着フィルムで
あって、該樹脂組成物層を形成する常温固形の樹脂組成
物が、 (A)結晶性固体である多官能エポキシ樹脂 (B)エポキシ硬化剤 (C)重量平均分子量が5000乃至100000であ
るバインダーポリマーを必須成分とし、(A)成分が加
熱溶融又は溶剤により溶解された後、該常温固形の樹脂
組成物層中で溶融状態叉は溶解状態を維持することを特
徴とする接着フィルム及びその製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における(A)成分;結晶
性固体である多官能エポキシ樹脂としては、ビフェニル
型エポキシ樹脂、ジ-t-ブチルハイドロキノン型エポキ
シ樹脂など公知慣用のものが挙げられる。結晶性エポキ
シ樹脂とは、明確な融点を有しており融点以上で低粘度
の液体となるものを言う。具体的には、油化シェルエポ
キシ(株)製YX−4000(H)、YL−6121
(H)や東都化成(株)製YDC−1312(A)とし
て市販されている。なかでも、ビフェニル型のYX−4
000は溶融後の再結晶性が他に比べて低く好ましい。
(A)成分の配合量については、併用される他の樹脂成
分、樹脂組成物中に残留する有機溶剤量によって好適値
が設定されるが、一般的には樹脂組成物中5〜55重量
%の範囲である。
【0006】(B)成分;エポキシ硬化剤としては、ア
ミン系硬化剤、グアニジン系硬化剤、イミダゾール系硬
化剤またはこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセ
ル化したものであって、室温以下でのポットライフが長
いエポキシ硬化剤が選択される。具体的には、ジシアン
ジアミド、2ーフェニルー4ーメチルー5ーヒドロキシ
メチルイミダゾール、2ーフェニルー4、5ービス(ヒ
ドロキシメチル)イミダゾール、2、4ージアミノー6
ー(2ーメチルー1ーイミダゾリルエチル)ー1、3、
5ートリアジン、2、4ージアミノー6ー(2ーメチル
ー1ーイミダゾリルエチル)ー1、3、5ートリアジン
・イソシアヌル酸付加物、2、4ージアミノー6ー(2
ーウンデシルー1ーイミダゾリルエチル)ー1、3、5
ートリアジンなどが挙げられる。これらエポキシ硬化剤
の添加量は、エポキシ樹脂に対して2〜12重量%の範
囲にあるのが好ましい。2重量%より少ないと硬化不足
であるし、12重量%を超えると硬化しすぎて脆くなり
好ましくない。また、フェノール系硬化剤を使用するこ
ともできる。例えば、フェノールノボラック樹脂、アル
キルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボ
ラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、
Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール
樹脂、ポリビニルフェノール類、トリアジン構造含有ノ
ボラック樹脂などが挙げられる。添加量としては、エポ
キシ樹脂のエポキシ基に対してフェノール性水酸基が
0.6〜1.0当量の範囲に調整される。さらに、上記の
エポキシ硬化剤は単独あるいは2種以上組み合わせて使
用したり、イミダゾール系化合物、有機ホスフィン系化
合物等の公知慣用の硬化促進剤を併用することもでき
る。
【0007】(C)成分;重量平均分子量が5000乃
至100000であるバインダーポリマーとしては、フ
ェノキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リアミドイミド樹脂、ポリシアネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、熱硬化型ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げ
られる。中でも(A)成分との相溶性に優れるフェノキ
シ樹脂が好ましい。該フェノキシ樹脂としては、2官能
エポキシ樹脂とビスフェノールを反応させ公知慣用の方
法で種々得ることができるが、とりわけビフェニル型エ
ポキシ樹脂とビスフェノールからなるフェノキシ樹脂を
使用すれば、樹脂そのもののガラス転移点が高い上に、
(A)成分との相溶性がさらに良好となり好ましい。ま
た、重量平均分子量については5000未満であると機
械的強度、可とう性不足するし、100000を超える
と有機溶剤への溶解性、エポキシ樹脂との相溶性が悪く
なり使用できなくなる。これらのバインダーポリマー
(C)の配合量については、樹脂組成物中5〜50重量
%の範囲でありその骨格により最適な配合量が選択され
る。
【0008】さらに本発明に用いるエポキシ樹脂組成物
には上記必須成分の他に、熱硬化性樹脂や公知慣用の添
加剤を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、
(A)成分以外のエポキシ樹脂、ブロックイソシアネー
ト樹脂、キシレン樹脂、ラジカル発生剤と重合性樹脂な
どが挙げられる。(A)成分以外のエポキシ樹脂として
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ
樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノー
ル類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドと
の縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレ
ート、脂環式エポキシ樹脂など公知慣用のものを、単独
あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
添加剤としては、例えば硫酸バリウム、チタン酸バリウ
ム、酸化ケイ素粉、無定形シリカ、タルク、クレー、雲
母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの
無機充填剤、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フ
ッ素パウダーの如き有機充填剤、アスベスト、オルベ
ン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高
分子系の消泡剤及び/又はレベリング剤、イミダゾール
系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリン
グ剤等の密着性付与剤、リン系難燃剤のような添加剤を
使用できる。また、必要に応じてフタロシアニン・ブル
ー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリー
ン、ジスアゾイエロー、酸化チタン、カーボンブラック
等の公知慣用の着色剤を用いることができる。
【0009】本発明の接着フィルムに用いる樹脂組成物
を使用し、ベースフィルムを支持体としその表面に所定
の有機溶剤に溶解した該樹脂ワニスを塗布後、加熱及び
/又は熱風吹き付けにより溶剤を乾燥させて接着フィル
ムを作製することができる。(A)成分の結晶性固体で
ある多官能エポキシ樹脂は有機溶剤に溶解するか又は加
熱乾燥時に溶融すると非常に低粘度の液体となる。乾燥
後は、(C)成分のバインダーポリマーにより、再び結
晶化して固体になるのを防がれるため常温以下で液状が
維持され、樹脂組成物中で可塑剤的に働き、フィルム状
接着剤としての可とう性が発揮される。これにより、樹
脂ワレ等の発生が抑えられ、フィルムとしてのハンドリ
ング性に優れるようになる。(A)成分の結晶性固体で
ある多官能エポキシ樹脂は必要により接着フィルムを製
造する各工程で溶融状態にすることができる。たとえば
樹脂混合前の予備加熱、ロール練り時、溶媒存在下での
加熱時などがある。溶媒に溶解した後溶媒を殆ど除去し
ても(C)成分のバインダーポリマーにより接着フィル
ムの樹脂組成物中で溶解状態を維持しているし、叉配合
時に結晶性
【0010】本発明の接着フィルムの支持ベースフィル
ムとしては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオ
レフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリイミド、さらには離型紙や
銅箔、アルミニウム箔の如き金属箔などが挙げられる。
なお、支持フィルムにはマッド処理、コロナ処理の他、
離型処理を施してあってもよい。有機溶剤としては、通
常溶剤例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロ
ソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エ
ステル類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソル
ブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビト
ール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素の他、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど単独
又は2種以上組み合わせて使用することができる。具体
的には、10〜200μm厚の支持ベースフィルムに、
樹脂組成物層の厚みがラミネートする内層回路板の導体
厚以上で、10〜150μmの範囲であり、樹脂層の他
の面に5〜40μm厚の支持フィルムの如き保護フィル
ムをさらに積層し、ロール状に巻きとって貯蔵される。
【0011】本発明の接着フィルムの樹脂組成物層にお
ける好ましい物性は、動的粘弾性率を測定しこの温度と
溶融粘度との関係で示すことができ、本願明細書添付図
面、図1の斜線領域Sはこの樹脂組成物層の好ましい範
囲である。動的粘弾性率測定は(株)ユー・ビー・エム
社製型式Rheosol-G3000を用いて測定した曲線であり、
樹脂組成物層の溶融粘性を示している。実験的にこの曲
線に挟まれる領域で、かつ溶融粘度10万Poise以下及
び温度140℃以下の領域が本願発明の真空積層に好ま
しく用いられる樹脂組成物層の物性をあらわしている。
溶融粘度10万Poise以上の樹脂では樹脂組成物層が硬
過ぎるため、本願発明の接着フィルムの真空積層を実施
した場合回路基板上のパターンへの該樹脂組成物層の埋
め込み性が悪い上に密着性が劣る。温度140℃を超え
る温度で真空積層すると支持ベースフィルムと樹脂組成
物の熱膨張率の差により積層後しわが発生しやすく好ま
しくない。また、斜線領域Sの最低溶融粘度より低粘度
となる樹脂組成物の場合、熱硬化中に樹脂ダレが発生す
るなどの問題がある。
【0012】本願明細書添付図面、図1に示した動的粘
弾性率測定は昇温速度5℃/分で測定されたが、昇温速
度が異なると曲線の形状も当然異なってくる。接着フィ
ルム製造例1で得られた樹脂組成物層について異なる昇
温速度で測定した動的粘弾性率測定曲線を図2に示し
た。したがって、該樹脂組成物層の好ましい物性の範囲
は測定条件を一定にして動的粘弾性率測定曲線を測定し
なくてはならない。
【0013】本発明の接着フィルムを用いて多層プリン
ト配線板の製造するには、パターン加工された内層回路
基板に該接着フィルムをラミネートする。ラミネート
は、保護フィルムが存在している場合には保護フィルム
を除去後、接着剤層を加圧、加熱しながら貼り合わせ
る。ラミネート条件は、フィルム及び内層回路基板を必
要によりプレヒートし、圧着温度が70〜140℃、圧
着圧力が1〜11kgf/cm2であって、減圧下で積層する
のが好ましい。また、ラミネートはバッチ式であっても
ロールでの連続式であってもよい。ラミネート後、室温
付近に冷却してから銅箔以外の支持ベースフィルムを使
用している場合にはそれを剥離し、内層回路基板上にエ
ポキシ樹脂組成物を転写した後、加熱硬化させて絶縁層
を形成し多層プリント配線板を製造することができる。
熱硬化の条件は一般に100〜200℃で10〜90分
の範囲で選択される。
【0014】本発明に従って積層回路基板を得た後、所
定のスルーホール及び/又はビアホール部にレーザー及
び/又はドリルによる穴開けを行い、必要に応じて穴内
を乾式及び/又は湿式法によりクリーニングした後、蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メ
ッキ及び/又は無電解、電解メッキ等の湿式メッキによ
り導体層を形成し、多層プリント配線板が製造できる。
【0015】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0016】
【比較例1】<比較接着フィルム製造例1>液状ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)
製エピコート828EL)20部、臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(東都化成(株)製YDBー50
0)20部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量215、軟化点78℃、大日本インキ化学
(株)製エピクロンNー673)20部、末端エポキシ
化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業(株)製デナレ
ックスR−45EPT)15部とをメチルエチルケトン
(MEK)20部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ
臭素化フェノキシ樹脂ワニス(不揮発分40重量%、臭
素含有量25重量%、重量平均分子量32000、溶剤
組成、キシレン:メトキシプロパノール:メチルエチル
ケトン=5:2:8、東都化成(株)製YPBー40ー
PXM40)50部、エポキシ硬化剤として2、4ージ
アミノー6ー(2ーメチルー1ーイミダゾリルエチル)
ー1、3、5ートリアジン・イソシアヌル酸付加物4
部、さらに微粉砕シリカ2部、三酸化アンチモン4部、
炭酸カルシウム5部を添加し樹脂組成物ワニスを作製し
た。そのワニスを厚さ38μmのポリエチレンテレフタ
レート上に、乾燥後の樹脂厚みが70μmとなるように
ダイコーターにて塗布、80〜120℃(平均100
℃)で乾燥した後、幅507mmにスリットしロール状
接着フィルムを得た。その後、507x336mmサイ
ズのシート状にした。上記により得られた接着フィルム
の樹脂組成物層の動的粘弾性率測定は(株)ユー・ビー
・エム社製型式Rheosol-G3000を用いて測定した。図1
は動的粘弾性率曲であり、上限は平均乾燥温度100℃
で10分、同じく下限の曲線は平均乾燥温度100℃で
4分間処理した樹脂組成物の物性を示している。図2は
昇温速度を5℃/分、10℃/分及び20℃/分にした時
の動的粘弾性率測定曲線である。
【0017】<比較製造実施例1>パターン加工された
厚さ0.4mm、サイズ510x340mmのガラスエ
ポキシ内層回路基板に(導体厚35μm)、比較製造例
1で得られたシート状接着フィルムを基板両面に枚葉し
た。次に(株)名機製作所製真空プレス機MVLPによ
り、真空度1ミリバール、温度100℃、圧力6kg/
cm2、15秒プレスで両面同時にラミネートした。そ
の後、支持ベースフィルムを剥離し、積層回路板を17
0℃で60分熱硬化させ両面に絶縁層を形成した。内層
回路基板導体上の絶縁層のガラス転移点を、ペネトレー
ション法で測定したところ130℃であった。
【0018】
【比較例2】比較接着フィルム製造例1により得られた
樹脂組成物を平均乾燥温度100℃で2分、乾燥した樹
脂組成物層の動的粘弾性率測定曲線を図3に示した。明
らかに図1で示された斜線領域Sの外側である。この樹
脂組成物層を支持ベースフィルム上に形成した接着フィ
ルムはラミネート工程は実施できたものの、次の熱硬化
工程で樹脂ダレが発生し、このために樹脂組成物層に層
厚が不均一となったため本発明の目的には使用できなか
った。
【0019】
【比較例3】比較接着フィルム製造例1により得られた
樹脂組成物を平均乾燥温度100℃で15分、乾燥した
樹脂組成物層の動的粘弾性率測定曲線を図3に示した。
明らかに図1で示された斜線領域Sの外側で高粘度側に
シフトした。この樹脂組成物層を支持ベースフィルム上
に形成した接着フィルムを回路基板のパターン部分に積
層することを試みたが、樹脂流れが悪くボイドなく真空
積層できる条件を見出すことができなかった。
【0020】
【実施例1】<接着フィルム製造例1>(A)成分とし
てビフェニル型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ
(株)製YX−4000H(エポキシ当量193、融点
107℃);35部、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(エピクロンNー673)30部、MEK20部、
さらに(C)成分としてYX−4000とビスフェノー
ルAからなるフェノキシ樹脂ワニス(不揮発分30重量
%、重量平均分子量30000、溶剤シクロヘキサノ
ン、油化シェルエポキシ(株)製YL6742H30)
70部を加え加熱溶解させ、室温付近に冷却後(B)成
分のエポキシ硬化剤として2、4ージアミノー6ー(2
ーメチルー1ーイミダゾリルエチル)ー1、3、5ート
リアジン・イソシアヌル酸付加物4部、さらに微粉砕シ
リカ2部、炭酸カルシウム8部を添加し樹脂組成物ワニ
スを作製した。そのワニスを厚さ38μmのポリエチレ
ンテレフタレート上に、乾燥後の樹脂厚みが70μmと
なるようにダイコーターにて塗布、80〜120℃(平
均100℃)で乾燥した後、幅507mmにスリットし
ロール状接着フィルムを得た。その後、507x336
mmサイズのシート状にした。上記により得られた接着
フィルムの樹脂組成物層の動的粘弾性率測定は(株)ユ
ー・ビー・エム社製型式Rheosol-G3000を用いて測定し
た。図4に動的粘弾性率曲線を示す。図1の斜線領域S
に含まれていることがわかる。また、その曲線に(A)
成分YX−4000Hの融点付近で急激な粘度低下が観
察されないことから、樹脂組成物中で溶融状態にあるこ
とが確認された。さらに、フィルムとしてのハンドリン
グ性も、樹脂ワレ等の発生無く比較接着フィルム製造例
1と同等であった。なお、170℃、30分熱硬化後の
重量減少測定からその樹脂組成物中の残留溶剤量は約
3.7%であった。
【0021】
【製造実施例1】パターン加工された厚さ0.4mm、
サイズ510x340mmのガラスエポキシ内層回路基
板に(導体厚35μm)、製造例1で得られたシート状
接着フィルムを基板両面に枚葉した。次に(株)名機製
作所製真空プレス機MVLPにより、真空度1ミリバー
ル、温度100℃、圧力6kg/cm2、15秒プレスで
両面同時にラミネートした。該樹脂組成物層は回路基板
のパターン部分にボイドなく真空積層できた。その後、
支持ベースフィルムを剥離し、積層回路板を170℃で
60分熱硬化させ両面に絶縁層を形成した。内層回路基
板導体上の絶縁層のガラス転移点を、ペネトレーション
法で測定したところ142℃であった。
【0022】実施例1の結果から明らかなように本発明
の方法に従えば、常温液体成分を一定量以上必須とせず
ともフィルムとしてハンドリング性と樹脂流れ性に優
れ、かつ熱硬化後の耐熱性に優れた接着フィルムを製造
することが可能である。また、該接着フィルムを使用し
てビルドアップ方式により簡便に多層プリント配線板の
絶縁層を製造することが可能である。
【0023】
【発明の効果】さらに、結晶性固体の多官能エポキシ樹
脂はその構造上、一般の液状多官能エポキシ樹脂をした
場合よりも硬化物の耐熱性に優れるものであった。本発
明の方法に従うと、ビルドアップ方式により簡便に耐熱
性に優れた多層プリント配線板を製造することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】動的粘弾性率測定を示し,(株)ユー・ビー・
エム社製型式Rheosol-G3000を用いて測定した曲線であ
り、動的粘弾性率の上限の曲線(1)の平均乾燥温度10
0℃で10分、同じく下限の曲線(2)は平均乾燥温度1
00℃で4分間処理した樹脂組成物の物性を示してい
る。測定条件は昇温速度は5℃/分、開始温度60℃、
測定温度間隔2.5℃、振動1Hz/degである。
【図2】動的粘弾性率測定を示し,(株)ユー・ビー・
エム社製型式Rheosol-G3000を用いて測定した曲線であ
り、比較接着フィルム製造例1により得られた樹脂組成
物層を平均乾燥温度100℃で5分間処理した樹脂組成
物の物性を示している。昇温速度は5℃/分(曲線II
I)、10℃(曲線II)及び20℃(曲線I)である。測
定条件は開始温度60℃、測定温度間隔2.5℃、振動
1Hz/degである。
【図3】動的粘弾性率測定を示し,(株)ユー・ビー・
エム社製型式Rheosol-G3000を用いて測定した曲線であ
り、比較接着フィルム製造例1により得られた樹脂組成
物層を平均乾燥温度100℃で2分(曲線A)、8分
(曲線B)及び15分間(曲線C)で処理した樹脂組成
物の物性を示している。測定条件は昇温速度は5℃/
分、開始温度60℃、測定温度間隔2.5℃、振動1Hz
/degである。
【図4】動的粘弾性率測定を示し,(株)ユー・ビー・
エム社製型式Rheosol-G3000を用いて測定した曲線であ
り、接着フィルム製造例1により得られた樹脂組成物層
の物性を示している。測定条件は昇温速度は5℃/分、
開始温度60℃、測定温度間隔2.5℃、振動1Hz/deg
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 171/10 C09J 171/10 H05K 3/46 H05K 3/46 T B Fターム(参考) 4J002 AA00X BG00X CC03Y CC06Y CC07Y CD00W CD05W CF00X CH07X CH08X CM04X ER026 EU116 EU186 EU196 FD14Y FD146 GF00 GQ00 4J004 AA02 AA13 FA05 4J040 EC001 JA09 KA16 5E346 AA05 AA06 AA12 AA16 CC08 CC09 DD02 EE31 EE38 GG28 HH18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パターン加工された内層回路基板上にラミ
    ネートするための支持ベースフィルムと常温固形の樹脂
    組成物層からなる接着フィルムであって、該樹脂組成物
    層を形成する常温固形の樹脂組成物が、 (A)結晶性固体である多官能エポキシ樹脂 (B)エポキシ硬化剤 (C)重量平均分子量が5000乃至100000であ
    るバインダーポリマーを必須成分とし、(A)成分が加
    熱溶融又は溶剤により溶解された後、該常温固形の樹脂
    組成物層中で溶融状態叉は溶解状態を維持することを特
    徴とする接着フィルム。
  2. 【請求項2】パターン加工された内層回路基板上にラミ
    ネートするための支持ベースフィルムと常温固形の樹脂
    組成物層からなる接着フィルムであって、常温固形の樹
    脂組成物層を形成する樹脂組成物が、 (A’)固体である多官能エポキシ樹脂 (B)エポキシ硬化剤 (C)重量平均分子量が5000乃至100000であ
    るバインダーポリマー を必須成分とし、常温固形の樹脂組成物層が温度と溶融
    粘度との関係で添付図面、図1の斜線領域Sの物性を有
    することを特徴とする接着フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1叉は2記載の(C)重量平均分子
    量が5000乃至100000であるバインダーポリマ
    ーがフェノキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃
    至2記載の接着フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1乃至2載の接着フィルムをパター
    ン加工された内層回路基板に、加圧、加熱条件下でラミ
    ネートし、必要により支持ベースフィルムを剥離し、叉
    加熱硬化させて絶縁層を形成することを特徴とする多層
    プリント配線板の製造法。
  5. 【請求項5】請求項1叉は2記載の(C)重量平均分子
    量が5000乃至100000であるバインダーポリマ
    ーがフェノキシ樹脂であることを特徴とする請求項1乃
    至2記載の接着フィルムをパターン加工された内層回路
    基板に、加圧、加熱条件下でラミネートし、必要により
    支持ベースフィルムを剥離、加熱硬化させて絶縁層を形
    成することを特徴とする多層プリント配線板の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2005092945A1 (ja) * 2004-03-29 2008-02-14 住友ベークライト株式会社 樹脂組成物、樹脂付き金属箔、基材付き絶縁シートおよび多層プリント配線板

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