JP2001302986A - 水溶性コーティング剤用添加物、それを添加した水溶性コーティング剤及びその製造方法 - Google Patents

水溶性コーティング剤用添加物、それを添加した水溶性コーティング剤及びその製造方法

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JP2001302986A
JP2001302986A JP2000122860A JP2000122860A JP2001302986A JP 2001302986 A JP2001302986 A JP 2001302986A JP 2000122860 A JP2000122860 A JP 2000122860A JP 2000122860 A JP2000122860 A JP 2000122860A JP 2001302986 A JP2001302986 A JP 2001302986A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、コーティング剤の粘度上
昇、他成分との反応による凝集などを抑制し、使用性の
よいコーティング剤とすることのできる添加物、それを
添加したコーティング剤及びその製造方法を提供するこ
とにある。 【解決手段】 無機層状珪酸塩と、陰イオン界面活性剤
とを含む水溶性コーティング剤用添加物及びこれを用い
たコーティング剤。また、予備的に基礎層状珪酸塩と陰
イオン界面活性剤とを処理するコーティング剤の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水溶性コーティング
剤用添加物、それを添加した水溶性コーティング剤及び
その製造方法、特に膨潤性無機層状珪酸塩を含むものの
使用性の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】モンモリロナイト、合成マイカなどの無
機層状珪酸塩はコーティング剤用添加物として使用さ
れ、平滑易滑性、絶縁性、ガスバリヤー性等の機能を付
与できる材料として注目されている。従来、この特性を
応用したものとして、無機層状珪酸塩をポリビニルアル
コールなどの水溶性樹脂に添加しコーティングを施した
コーティングフィルムが、特開昭62-174148,
特開平6-93133、特開平7-41685、特開平1
0-323928などに開示されている。また、特開平
9-302598には、フィロ珪酸塩化合物と合成ラテ
ックスを紙にコーティングし、耐湿性を付与する技術が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のコーティング剤は膨潤性無機層状珪酸塩の濃度上昇と
ともに急激に粘度が高くなり、またコーティング液中で
樹脂、その他の添加物との反応により凝集が起きたりす
るため、コーティング性は満足のいくものではなかっ
た。本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたもので
あり、その目的はコーティング剤の粘度上昇、他成分と
の反応による凝集などを抑制し、使用性のよいコーティ
ング剤とすることのできる添加物、それを添加したコー
ティング剤及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、陰イオン界面活
性剤に膨潤性無機層状珪酸塩含有添加剤の優れた使用性
改善効果があることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0005】すなわち、本発明にかかる水溶性コーティ
ング剤用添加物は、膨潤性無機層状珪酸塩と、陰イオン
界面活性剤とを含むことを特徴とする。また、本発明に
おいて、膨潤性無機層状珪酸塩が0.1〜30重量%含
まれていることが好適である。また、本発明において、
膨潤性無機層状珪酸塩が5〜20重量%含まれており、
且つ無機層状珪酸塩(A)と陰イオン界面活性剤(B)
の重量比B/Aが0.0005〜0.1であることが好
適である。
【0006】また、本発明において、膨潤性無機層状珪
酸塩は合成無機層状珪酸塩であることが好適である。ま
た、本発明において、膨潤性無機層状珪酸塩の沈降法平
均粒子径が0.1〜10μmであることが好適である。
また、本発明において、陰イオン界面活性剤がカルボン
酸塩であることが好適である。
【0007】また、本発明において、膨潤性無機層状珪
酸塩濃度が10重量%のときの回転粘度が2000cp
s以下であることが好適である。また、本発明にかかる
水溶性コーティング剤は、前記水溶性コーティング剤用
添加物と、水溶性樹脂とを含有することを特徴とする。
また、本発明にかかる水溶性コーティング剤の製造方法
は、無機層状珪酸塩と陰イオン界面活性剤とを水の存在
下に予備混合し、その後に水溶性樹脂を添加することを
特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
説明する。膨潤性無機層状珪酸塩 本発明において好適に用いられる膨潤性無機層状珪酸塩
としては、マイカ、セリサイト、タルク、合成マイカ、
モンモリロナイト、ヘクトライト、合成ヘクトライト、
合成テニオライト、合成サボナイトなどが例示される。
【0009】ここで、膨潤性とは層間に水を配位して膨
潤することを意味し、少なくとも部分的に層間分離する
ものを含む。本発明で好適に用いられる膨潤性無機層状
珪酸塩は、構造的にはSiO四面体のSi:Oの比が
理論上2:5のフィロ珪酸塩で、結晶単位格子が厚み方
向に繰り返された結晶構造を有するものであり、その代
表例を化学式で示すと、 W0.3−1.11.0−3.2(Si
3.5−4.510)Z1.8−2 .2 ここで、 W:層間イオンであり、一種以上のカチオン性イオン。 X:八面体位置のイオンであり、Mg2+またはMg2+
の一部をLi+,Fe2+,Ni2+,Mn2+,Al3+
及びFe3+からなる群から選ばれる少なくとも一種の
イオンで置換したイオン。 Si:珪素。 O:酸素。 Z:F-またはOH-の中から選ばれた一種または二種の
イオン。
【0010】なお、本発明では上記の四面体位置のSi
4+がGe4+またはこれらの一部がAl3+,Fe3+
3+などで置換されたものでもよい。膨潤性無機層状
珪酸塩としては、バリヤー性などの機能を高めるには膨
潤性合成無機層状珪酸塩が好ましい。これは面方向の径
が大きい結晶が得られ、アスペクト比が高いことによ
る。また、添加物を水溶液とする場合、膨潤性無機層状
珪酸塩は好ましくは0.1〜30重量%、特に好ましく
は5〜20重量%である。0.1重量%未満では添加物
としての効率が悪く、また30重量%を超えると陰イオ
ン界面活性剤の粘度低下効果によっても十分な使用性を
得ることができない場合がある。
【0011】また、膨潤性無機層状珪酸塩の沈降法平均
粒子径は0.1〜10μmであることが好ましい。0.
1μm未満では絶縁性、ガスバリア性、耐湿性などが劣
る場合があり、10μmを超えるとコーティング層が荒
れる場合がある。膨潤性無機層状珪酸塩濃度が10重量
%のときの回転粘度は2000cps以下であることが
好ましい。10重量%のときの回転粘度が2000cp
sを超えるとコーティング剤としたときに、液の粘性が
高すぎるためコーティング性能が不良となり、スジ、ム
ラの原因となる場合がある。
【0012】陰イオン界面活性剤 陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン
酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などが例示さ
れるが、このうち特にカルボン酸塩が好ましい。カルボ
ン酸塩は泡が出難く、コーティング性能が特に向上す
る。陽イオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などは膨
潤性無機層状珪酸塩と凝集を起こしやすく、コーティン
グ剤に適度な粘性と膨潤性無機層状珪酸塩の分散性を付
与できない。
【0013】カルボン酸塩としては、脂肪酸のナトリウ
ム、カリウム塩、ヤシ油脂肪酸のナトリウム、カリウム
塩、トール油脂肪酸のナトリウム、カリウム塩、アミン
塩、N-ラウロイルサルコシン、アシル化ポリペプチド
等が例示され、またスルホン酸塩としては直鎖アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、高級アルキルベンゼンスルホン
酸塩、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンスルホン
酸塩、リグニンスルホン酸塩、石油スルホン酸塩、N-
アシルアルキルタウリン塩、n-パラフィンスルホン酸
塩、α-オレフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、イセチオン酸塩など
が例示され、硫酸エステル塩としては直鎖第1級アルコ
ール硫酸塩、ポリオキシエチレン付加直鎖アルコール硫
酸塩、硫酸化油等が例示され、リン酸エステル塩、ポリ
リン酸エステル塩としてはポリオキシエチレン付加直鎖
アルコールリン酸塩等が例示され、その他にフッ化炭化
水素基含有の陰イオン界面活性剤なども使用し得る。
【0014】なお、陰イオン界面活性剤の配合量は、膨
潤性無機層状珪酸塩(A)と陰イオン界面活性剤(B)
との重量比B/A=0.0001〜0.1が好ましい。
0.0001よりも小さく、あるいは0.1より大きい
とむしろ分散性、コーティング性も不良となる。特に本
発明において、膨潤性無機層状珪酸塩が5%以上となる
と添加物粘度が急激に上昇するため、5〜20重量%で
本発明の陰イオン界面活性剤の添加効果が顕著に認めら
れ、この際の陰イオン界面活性剤の添加重量比B/Aは
0.0005〜0.1が好適である。
【0015】水溶性コーティング剤 本発明において特徴的な添加物が添加された水溶性コー
ティング剤に使用される水溶性樹脂としては、コーティ
ング剤形成時に水溶性を示し、コーティング後に架橋あ
るいは非架橋重合などにより固体化するものを意味す
る。構造的には親水性の強い極性基を一種以上持った有
機高分子または高分子形成性物質が好ましい。
【0016】代表的水溶性樹脂としては、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、水溶性アクリル、水
溶性ポリエステル、水溶性ポリアミド、水溶性エポキ
シ、水溶性アミノ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリア
クリルアミド、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルピロリドンなどの樹脂あるいはこれ
らの混合物が例示される。本発明に使用する水溶性樹脂
は、脱水乾燥後の軟化温度が50℃以上、好ましくは8
0℃以上、さらに好ましくは120℃以上のものが50
重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好まし
くは90重量%以上占めていることが好適である。硬化
型樹脂を好ましく使用することも可能である。これらの
樹脂は使用する基材フィルムに応じて選択することが好
ましい。
【0017】例えば、ポリエステルを基材とする場合、
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、水溶性
アクリル、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステルが
接着性の面から好適である。また、ポリオレフィンを基
材とする場合には、チタンカップリング剤、シランカッ
プリング剤、水溶性アクリル、水溶性エポキシ樹脂が好
適である。さらに、ポリフェニルスルフィド、ポリエー
テルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンある
いはポリイミドを基材とする場合は、シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤が好適である。
【0018】本発明にかかる水溶性コーティング剤は、
フィルム、紙、不織布、コンクリート、金属、セラミッ
ク等に適用可能であり、無機層状珪酸塩が均一に分散
し、しかもムラなく塗布できる。このため、絶縁性、ガ
スバリア性、耐湿性などの機能を向上させることができ
る。以下、本発明の構成について詳述する。なお、試験
例の説明に先立ち、評価方法について説明する。
【0019】添加物調製方法 無機層状珪酸塩及び必要により界面活性剤を所定量の水
に添加し、24時間攪拌後、遠心分離器を用いて沈降法
平均粒子径5μmに分級し、被検添加物を調製した。コーティング剤調製方法 ポリビニルアルコールを水で5重量%となるように調製
した液1kgに、添加物200gを加え、攪拌器で分散
させた。さらにイソプロピルアルコール200gを加
え、攪拌して被検コーティング剤を得た。
【0020】10重量%粘度測定方法 被検添加物を、無機層状珪酸塩濃度が10重量%となる
ように水で希釈し、回転粘度計で測定した。なお、試験
例中では同様の手法により0.5重量%、5重量%、2
0重量%粘度を測定している。
【0021】コーティング性 被検コーティング剤を隠蔽率測定紙上(大佑機械株式会
社製 JIS K 5400)にアプリケーターにより厚み100
μmにドロウダウンした後、自然乾燥した。隠蔽率測定
紙の黒地部分の目視観察によりコーティング性の評価を
行った。なお、評価は以下の基準に従った。 ○:均一塗膜で白い凝集物による点が全くない。 △:均一塗膜だが白い凝集物の点が少しある。 ×:スジ、ムラがあり、白い凝集物の点が多数ある。
【0022】まず、本発明者らは膨潤性無機層状珪酸塩
と各種界面活性剤との相関関係について検討した。結果
を次の表1に示す。
【表1】 配合成分 試験例1 試験例2 試験例3 試験例4 試験例5 膨潤性マイカ 130g 130g 130g 130g 130g 陰イオン界面活性剤 0.2g 陽イオン界面活性剤 0.2g 両性界面活性剤 0.2g 非イオン性界面活性剤 0.2gイオン交換水 1L 1L 1L 1L 1L 10%濃度時粘度 6000 220 5000 5000 5000コーティング性 × ○ △ △ △
【0023】陰イオン界面活性剤:ポリスターA-10
60TM(日本油脂製) 陽イオン界面活性剤:カチオンABTM(日本油脂製) 両性界面活性剤:ニッサンアノンBLTM(日本油脂
製) 非イオン性界面活性剤:ノニオンNS-220TM(日
本油脂製)
【0024】前記表1より明らかなように、膨潤性マイ
カ単独では10重量%できわめて粘度が高く、コーティ
ング性能にも問題がある。一方、陽イオン界面活性剤、
両性界面活性剤、非イオン界面活性剤を共存させた場合
には、若干の粘度低減効果はあるものの、コーティング
性の改善効果は不十分である。これに対し、陰イオン界
面活性剤は粘度低減効果、コーティング性の改善効果と
もに優れており、きわめて特異な作用を有することが理
解できる。
【0025】次に本発明者らは無機層状珪酸塩の膨潤性
との相関について検討を行った。結果を次の表2に示
す。
【表2】 配合成分 試験例2 試験例6 試験例7 膨潤性マイカ 130g 非膨潤性マイカ 130g 130g 陰イオン界面活性剤 0.2g 0.2gイオン交換水 1L 1L 1L 10%濃度時粘度 220 0.5 0.4 コーティング性 ○ ○ ○ バリア性 ○ △ △
【0026】上記表2より明らかなように、本発明にお
ける陰イオン界面活性剤の添加効果は膨潤性、非膨潤性
を問わずに発揮されるが、もともと非膨潤性マイカを水
に分散させた場合の粘度上昇は、膨潤性マイカに比較す
ればかなり低く、本発明適用の必要性は低い。またバリ
ア性などのコーティング剤としての効果を参酌すれば、
膨潤性無機層状珪酸塩を用いることが好ましい。
【0027】次に本発明者らは陰イオン界面活性剤の種
類とその添加効果について検討を行った。結果を次の表
3に示す。
【表3】 配合成分 試験例2 試験例8 試験例9 試験例10 膨潤性マイカ 130g 130g 130g 130g カルボン酸塩 0.2g スルホン酸塩 0.2g 硫酸エステル塩 0.2g リン酸エステル塩 0.2gイオン交換水 1L 1L 1L 1L 10%濃度時粘度 220 700 1500 1000コーティング性 ○ ○ ○ ○
【0028】カルボン酸塩:ポリスターA-1060
TM(日本油脂製) スルホン酸塩:ニューレックスペーストTM(日本油脂
製) 硫酸エステル塩:パーソフトSFTM(日本油脂製) リン酸エステル塩:エレクトロストリッパーFTM(花
王製) 上記表3より明らかなように、いずれの陰イオン界面活
性剤にも効果が認められるが、特にカルボン酸塩を用い
た場合に顕著な効果が発揮される。
【0029】次に本発明者らは陰イオン界面活性剤と無
機層状珪酸塩の量比について検討を行った。結果を次の
表4〜6に示す。
【表4】 配合成分 試験例11 試験例12 試験例13 試験例14 試験例15 膨潤性マイカ(A) 7g 7g 7g 7g 7g 陰イオン界面活性剤(B) 0.0007g 0.007 0.07 0.7 7イオン交換水 1L 1L 1L 1L 1L B/A 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 0.5%濃度時粘度 8 5 5 5 5コーティング性 △ ○ ○ ○ ○
【0030】
【表5】 配合成分 試験例16 試験例17 試験例18 試験例19 試験例20 膨潤性マイカ(A) 70 70 70 70 70 陰イオン界面活性剤(B) 0.035 0.07 0.7 7 70 イオン交換水 1L 1L 1L 1L 1L B/A 0.0005 0.001 0.01 0.1 1 5%濃度時粘度 20 20 18 18 18コーティング性 ○ ○ ○ ○ △
【0031】
【表6】 配合成分 試験例22 試験例23 試験例24 試験例25 試験例26 膨潤性マイカ(A) 250g 250g 250g 250g 250g 陰イオン界面活性剤(B) 0.025g 0.25g 2.5g 25g 250gイオン交換水 1L 1L 1L 1L 1L B/A 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 20%濃度時粘度 12000 4000 4000 1000 500 コーティング性 △ ○ ○ ○ ×
【0032】前記表4より明らかなように、膨潤性無機
層状珪酸塩が低濃度の場合にはB/Aが0.0001程
度から効果が認められ、特に0.001程度から明瞭に
なる。一方、膨潤性無機層状珪酸塩水分散液の粘度が急
激に上昇し、使用性に大きな影響が出る5重量%では
0.001程度から明確な効果が得られる。さらに膨潤
性無機層状珪酸塩濃度が20重量%となると0.000
1では十分な効果を得ることは困難であるが、1になる
と粘度の低下は認められるものの、コーティング性など
に悪影響が出る。
【0033】従って、本発明におけるB/Aは0.00
01〜0.1が好ましく、特に本発明の必要性が高い無
機層状珪酸塩濃度5〜20重量%ではB/Aは0.00
05〜0.1が好ましい。
【0034】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。実施例1 合成フッ素四ケイ素雲母含有添加物 酸化珪素、酸化マグネシウム、ケイフッ化ナトリウムを
混合後、約1500℃に加熱溶融し、冷却後、粉砕して
合成フッ素四ケイ素雲母を得た。この雲母1.3Kg
と、陰イオン界面活性剤(ポリスターA−1060TM
日本油脂製)1gを10Kgの水に添加し、24時間
攪拌した。遠心分離器により沈降法平均粒径5μmに分
級し、本発明品の水溶性コーティング剤用添加物9.5
Kg(濃度10.5重量%)を得た。なお、この水溶性
コーティング剤用添加物は水を加えて珪酸塩が10重量
%になるように調製してコーティング剤調製に供した
(この際の回転粘度は700cpsであった)。
【0035】実施例2 合成フッ素四ケイ素雲母含有水
溶性コーティング剤 ポリビニルアルコール(ケン化度98.5モル%、重合
度170)を水で5重量%となるように調製した液1K
gに、前記の合成フッ素四ケイ素雲母含有添加物200
gを加え、攪拌器で分散させた。さらにイソプロピルア
ルコール200gを加え、攪拌してコーティング剤を得
た。得られたコーティング剤について、そのコーティン
グ性を評価したところ、スジもムラも全く無く、しかも
凝集物による点も無く、良好な状態であった。
【0036】比較例1 添加物 酸化珪素、酸化マグネシウム、ケイフッ化ナトリウムを
混合後、約1500℃に加熱溶融し、冷却後、粉砕して
合成フッ素四ケイ素雲母を得た。この雲母1.3Kgを
10Kgの水に添加し、24時間攪拌した。遠心分離器
により沈降法平均粒径5μmに分級し、比較例1の水溶
性コーティング剤用添加物9.8Kg(濃度10.3重
量%)を得た。なお、この水溶性コーティング剤用添加
物(比較例1)は水を加えて珪酸塩が10重量%になる
ように調製してコーティング剤調製に供した(この際の
回転粘度は4200cpsであった)。
【0037】比較例2 コーティング剤 ポリビニルアルコール(ケン化度98.5モル%、重合
度170)を水で5重量%となるように調製した液1K
gに、上記の比較例1の添加物200gを加え、攪拌器
で分散させた。さらにイソプロピルアルコール200g
を加え、攪拌してコーティング剤を得た(比較例2 コ
ーティング剤)。
【0038】比較例3 コーティング剤 ポリビニルアルコール(ケン化度98.5モル%、重合
度170)を水で5重量%となるように調製した液1K
gに、陰イオン界面活性剤0.005g及び比較例1の
添加物50gを加え、攪拌器で分散させた。さらにイソ
プロピルアルコール200gを加え、攪拌してコーティ
ング剤を得た(比較例3 コーティング剤)。比較例
2,3のコーティング剤についてコーティング性につい
て検討したところ、スジ、ムラとともに凝集物による斑
点も観察され、コーティング不良であった。
【0039】前記実施例2のコーティング剤及び比較例
3のコーティング剤を対比すると、最終組成物であるコ
ーティング剤中の陰イオン界面活性剤の存在量をおおよ
そ一致させても、最初に陰イオン界面活性剤と無機層状
珪酸塩とを処理した実施例2は優れた粘度低減効果、使
用性、コーティング性を示すのに対し、比較例3は陰イ
オン界面活性剤を全く含まない比較例2とほぼ同程度の
状態となる。このことから、本発明においてコーティン
グ剤調製の予備操作として膨潤性無機層状珪酸塩を陰イ
オン界面活性剤により処理することはきわめて重要であ
ることが理解できる。
【0040】実施例3 リチウムテニオライト含有添加
酸化珪素、酸化マグネシウム、炭酸リチウムを混合後、
約1500℃に加熱溶融し、冷却後、粉砕してリチウム
テニオライトを得た。このリチウムテニオライト1.3
Kgと、陰イオン界面活性剤(ポリスターA-1060
TM 日本油脂製)1gを10Kgの水に添加し、24
時間攪拌した。遠心分離器により沈降法平均粒径5μm
に分級し、本発明品の水溶性コーティング剤用添加物
9.5Kg(濃度11重量%)を得た。なお、この水溶
性コーティング剤用添加物は水を加えて珪酸塩が10重
量%になるように調製してコーティング剤調製に供した
(この際の回転粘度は300cpsであった)。
【0041】実施例4 リチウムテニオライト含有コー
ティング剤 ポリビニルアルコール(ケン化度98.5モル%、重合
度170)を水で5重量%となるように調製した液1K
gに、上記の水溶性コーティング剤用添加物200gを
加え、攪拌器で分散させた。さらにイソプロピルアルコ
ール200gを加え、攪拌してコーティング剤を得た。
得られたコーティング剤について、そのコーティング性
を評価したところ、スジもムラも全く無く、しかも凝集
物による点も無く、良好な状態であった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる添加
物及びコーティング剤によれば、無機層状珪酸塩と陰イ
オン界面活性剤とを作用させることにより、組成物の粘
度低下とともに、使用性、コーティング性の向上を図る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA12 AA31 AA35 AA39 AA40 AB13 AB20 AB24 AB34 AB38 AB54 AB69 AB76 BA05 BA08 CA07 4J038 CE021 CF021 CG001 CG171 CK031 DA111 DB001 DD001 DF021 DH001 HA456 HA536 HA546 HA556 JA45 JC09 JC14 JC24 JC30 JC38 KA09 MA08 MA09 NA08 NA11 NA21 NA23 PC08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤性無機層状珪酸塩と、陰イオン界面
    活性剤とを含む水溶性コーティング剤用添加物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の添加物において、膨潤性
    無機層状珪酸塩が0.1〜30重量%含まれていること
    を特徴とする水溶性コーティング剤用添加物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載の添
    加物において、膨潤性無機層状珪酸塩(A)と陰イオン
    界面活性剤(B)の重量比B/Aが0.0001〜0.
    1であることを特徴とする水溶性コーティング剤用添加
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の添加物
    において、膨潤性無機層状珪酸塩が5〜20重量%含ま
    れており、且つ膨潤性無機層状珪酸塩(A)と陰イオン
    界面活性剤(B)の重量比B/Aが0.0005〜0.
    1であることを特徴とする水溶性コーティング剤用添加
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の添加物
    において、膨潤性無機層状珪酸塩は合成無機層状珪酸塩
    であることを特徴とする水溶性コーティング剤用添加
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の添加物
    において、膨潤性無機層状珪酸塩の沈降法平均粒子径が
    0.1〜10μmであることを特徴とする水溶性コーテ
    ィング剤用添加物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の添加物
    において、陰イオン界面活性剤がカルボン酸塩であるこ
    とを特徴とする水溶性コーティング剤用添加物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の添加物
    において、膨潤性無機層状珪酸塩濃度が10重量%のと
    きの回転粘度が2000cps以下であることを特徴と
    する水溶性コーティング剤用添加物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の水溶性
    コーティング剤用添加物と、水溶性樹脂とを含有するこ
    とを特徴とする水溶性コーティング剤。
  10. 【請求項10】 膨潤性無機層状珪酸塩と陰イオン界面
    活性剤とを水の存在下に予備混合し、その後に水溶性樹
    脂を添加することを特徴とする水溶性コーティング剤の
    製造方法。
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JP2002293984A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Topy Ind Ltd ガスバリア性向上添加剤並びにガスバリア性フイルム
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JP2015214154A (ja) * 2007-08-24 2015-12-03 サン・ケミカル・リミテツド 改良された結合強度を有する気体バリヤーコーティング

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