JP2001302677A - シロキシシクロヘキサン誘導体及びその製造法 - Google Patents

シロキシシクロヘキサン誘導体及びその製造法

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JP2001302677A
JP2001302677A JP2000123603A JP2000123603A JP2001302677A JP 2001302677 A JP2001302677 A JP 2001302677A JP 2000123603 A JP2000123603 A JP 2000123603A JP 2000123603 A JP2000123603 A JP 2000123603A JP 2001302677 A JP2001302677 A JP 2001302677A
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Fumie Satou
史衛 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性型ビタミンD3誘導体の製造の際の
重要な中間体である、光学活性α,β−不飽和エステル
化合物を製造するための重要な鍵中間体となる、光学活
性ジシロキシシクロヘキサン誘導体及び該化合物を用い
た光学活性α,β−不飽和エステル化合物の製造法に関
する。 【解決手段】 下記式 【化1】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。R2は、水素原子
又はC2-5アルカノイル基を表す。X及びYは、それぞれ独
立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学活性ジ
シロキシシクロヘキサノン化合物、光学活性ジシロキシ
メチレンシクロヘキサン化合物の提供及びこれら化合物
の製造法並びに該化合物を用いた光学活性α,β−不飽
和エステル化合物の製造法の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性型ビタミンD
3誘導体の製造の際の重要な中間体である、光学活性
α,β−不飽和エステル化合物を製造するための重要な
鍵中間体となる、光学活性ジシロキシシクロヘキサン誘
導体、及び該誘導体の製造法、並びに光学活性ジシロキ
シシクロヘキサン誘導体からの光学活性α,β−不飽和
エステル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性型ビタミンD3(1,25−ジヒド
ロキシコレカルシフェロール)は、小腸におけるカルシ
ウム輸送能、骨塩動員能などの生理活性が強く、そのた
め人の生理機能に重要な役割を果たすことが知られてい
る。本発明の式(IV)及び式(VIII)で示される光学活
性α,β−不飽和エステル化合物は、活性型ビタミンD
3を製造する際の最も重要な中間体の一つであるA環部
分前駆体としてよく知られている。
【化9】 〔式中、R1及びR4は、C1-6アルキル基を意味し、X及びY
は、それぞれ独立して置換シリル基を表す。〕
【0003】従来、このA環部分前駆体の製造法として
は、例えば、スキーム1に示すように、1)Tetrahedro
n Letters, 31, 1577 (1990)には、シクロヘキセンジカ
ルボン酸モノエステルから16工程でA環部分前駆体の
Z体の製造法が、2)J. Org. Chem., 55, 3967 (1990)
には、バイサイクリックラクトンから9工程でA環部分
前駆体のZ体とE体の混合物の製造法が、3)J. Org.
Chem., 58, 2523 (1993)には、ブロムアクロレインから
11工程でA環部分前駆体のZ体の製造法が、4)Tetr
ahedron Letters, 38, 4713 (1997)には、(S)−カル
ボンから10工程でA環部分前駆体のE体の製造法がそ
れぞれ記載してある。
【0004】
【化10】 (式中、Tsはp−トルエンスルホニル基、Phはフェニル
基、TBSはt-ブチルジメチルシリル基を表す)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、活性型ビタ
ミンD3を製造する際の重要な中間体である、A環部分
前駆体の有用な製造法を提供することを目的とする。上
記の、1)−4)等に記載されている製造法は、いずれ
も出発物質からの工程数が長く、より実用的な製造法が
望まれている。更に現在も、A環部分前駆体の効率的な
製造法を目指して研究が盛んに行なわれているのが現状
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、鋭意検討を重ねた結果、式(I)で示さ
れる光学活性ジシロキシシクロヘキサノン化合物、及び
式(III)で示される光学活性ジシロキシメチレンシク
ロヘキサン化合物が、活性型ビタミンD3製造の際のA
環部分前駆体の重要な鍵中間体となることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、式(I)
【化11】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。X及びYは、それ
ぞれ独立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学
活性ジシロキシシクロヘキサノン化合物に関する。
【0008】又、本発明は、式(II)
【化12】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。X及びYは、それ
ぞれ独立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学
活性ジシロキシジオール体を酸化することを特徴とす
る、式(I)で示される光学活性ジシロキシシクロヘキ
サノン化合物の製造法に関する。
【0009】さらに、本発明は、式(III)
【化13】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。R2は、水素原
子、C2-5アルカノイル基を表す。X及びYは、それぞれ独
立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学活性ジ
シロキシメチレンシクロヘキサン化合物に関する。
【0010】又、式(I)で示される光学活性シロキシ
シクロヘキサノン化合物を、ケトンのメチレン化、次い
で、ヒドロキシル基のアルカノイル化することを特徴と
する、式(III)で示される光学活性ジシロキシメチレ
ンシクロヘキサン化合物の製造法に関する。
【0011】又、式(III)で示される光学活性ジシロ
キシシメチレンクロヘキサン化合物を、塩基で処理する
ことを特徴とする、式(IV)
【化14】 〔式中、R1、X及びYは前記に同じ。〕で表わされる光学
活性α,β−不飽和エステル化合物(E体)の製造法に
関する。
【0012】又、式(I)で示される光学活性ジシロキ
シシクロヘキサノン化合物を、アルカノイル化して、式
(V)
【化15】 〔式中、R3は、C2-5アルカノイル基を表す。X及びYは前
記に同じ。〕で表わされるラクトン体とし、次いでアル
カリで処理して、式(VI)
【化16】 〔式中、R3、X及びYは前記に同じ。〕で表わされるα,
β−不飽和ラクトン体とし、更に加水分解及びエステル
化して、式(VII)
【化17】 〔式中、R4は、C1-6アルキル基を表す。X及びYは前記に
同じ。〕で表わされるケトエステル体とし、ケトンをメ
チレン化することを特徴とする、式(VIII)
【化18】 〔式中、R4、X及びYは前記に同じ。〕で表わされる光学
活性α,β−不飽和エステル化合物(Z体)の製造法に
関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、更に詳細に本発明を説明す
る。本明細書における各語句について説明する。
【0014】置換基R1及びR4は、C1-6アルキル基を表
す。C1-6アルキル基としては、直鎖、分枝又は環状であ
ってよく、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロ
ピル、c-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-
ブチル、c-ブチル、1-メチル-c-プロピル、2-メチル-c-
プロピル、n-ペンチル、1-メチル-n-ブチル、2-メチル-
n-ブチル、3-メチル-n-ブチル、1,1-ジメチル-n-プロピ
ル、1,2-ジメチル-n-プロピル、2,2-ジメチル-n-プロピ
ル、1-エチル-n-プロピル、c-ペンチル、1-メチル-c-ブ
チル、2-メチル-c-ブチル、3-メチル-c-ブチル、1,2-ジ
メチル-c-プロピル、2,3-ジメチル-c-プロピル、1-エチ
ル-c-プロピル、2-エチル-c-プロピル、n-ヘキシル、1-
メチル-n-ペンチル、2-メチル-n-ペンチル、3-メチル-n
-ペンチル、4-メチル-n-ペンチル、1,1-ジメチル-n-ブ
チル、1,2-ジメチル-n-ブチル、1,3-ジメチル-n-ブチ
ル、2,2-ジメチル-n-ブチル、2,3-ジメチル-n-ブチル、
3,3-ジメチル-n-ブチル、1-エチル-n-ブチル、2-エチル
-n-ブチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリ
メチル-n-プロピル、1-エチル-1-メチル-n-プロピル、1
-エチル-2-メチル-n-プロピル、c-ヘキシル、1-メチル-
c-ペンチル、2-メチル-c-ペンチル、3-メチル-c-ペンチ
ル、1-エチル-c-ブチル、2-エチル-c-ブチル、3-エチル
-c-ブチル、1,2-ジメチル-c-ブチル、1,3-ジメチル-c-
ブチル、2,2-ジメチル-c-ブチル、2,3-ジメチル-c-ブチ
ル、2,4-ジメチル-c-ブチル、3,3-ジメチル-c-ブチル、
1-n-プロピル-c-プロピル、2-n-プロピル-c-プロピル、
1-i-プロピル-c-プロピル、2-i-プロピル-c-プロピル、
1,2,2-トリメチル-c-プロピル、1,2,3-トリメチル-c-プ
ロピル、2,2,3-トリメチル-c-プロピル、1-エチル-2-メ
チル-c-プロピル、2-エチル-1-メチル-c-プロピル、2-
エチル-2-メチル-c-プロピル及び2-エチル-3-メチル-c-
プロピル等が挙げられる。好ましくは、メチル、エチル
及びt-ブチル等が挙げられる。
【0015】置換基R2は、水素原子又はC2-5アルカノイ
ル基を表す。置換基R3は、C2-5アルカノイル基を表す。
【0016】C2-5アルカノイル基としては、例えばアセ
チル、プロピオニル、2-メチルプロピオニル、ブチリ
ル、バレリル、2,2-ジメチルプロピオニル等が挙げられ
る。
【0017】置換基X及びYは、それぞれ独立して置換シ
リル基を表す。
【0018】置換シリル基として、t−ブチルジメチル
シリル基、トリメチルシリル基及びジフェニル−t−ブ
チルシリル基等が挙げられる。
【0019】本発明に係る化合物の製造に用いられる反
応溶媒としては、当該反応条件下において安定であり、
かつ不活性で反応を妨げないものが望ましい。かかる溶
媒としては、水、アルコール類(例えばメタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノールやオクタノール
等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノールやエト
キシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例
えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラ
ン、N−メチルピロリドンやN,N-ジメチルイミダゾリジ
ノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テト
ラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素類
(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタ
ン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化
水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベン
ゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばク
ロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化
炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、
メチルブチルケトンやメチルイソブチルケトン等)、低
級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチルやプロピオン酸メチル等)、アルコキシアル
カン類(例えばジメトキシエタンやジエトキシエタン
等)及びニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオ
ニトリルやブチロニトリル等)等の溶媒が挙げられる。
これらの溶媒は反応の起こりやすさに従って適宜選択さ
れ、単一又は混合して用いられる。また場合によっては
適当な脱水剤や乾燥剤を用いて非水溶媒として用いられ
る。以上述べた溶媒は本発明を実施する際の一例であっ
て、本発明はこれらの条件に限定されるものではない。
【0020】まず、式(I)の光学活性ジシロキシシク
ロヘキサノン化合物の合成法について説明する。原料の
式(II)で示される光学活性ジシロキシジオール体
(4)(例えば、R1=t−ブチル基、X=Y=t−ブチル
ジメチルシリル基)は、スキーム2に示す方法により合
成することができる。
【0021】
【化19】
【0022】即ち、光学活性シロキシシクロヘキセノン
(1)をジヒドロキシル化して、ジオール体(2)と
し、これにリフォマツキー反応により酢酸エステル基を
導入して、トリオール体(3)とし、更に位置選択的に
水酸基をシリル化することにより、合成することができ
る。また、光学活性シロキシシクロヘキセノン(1)
は、例えば、J. Am. Chem. Soc., 121, 3640 (1999)に
記載の方法にしたがって合成することができる。式(I
I)の光学活性ジシロキシジオール体(4)の水酸基を
酸化することにより、式(I)の光学活性ジシロキシシ
クロヘキサノン化合物を合成することができる。
【0023】酸化剤としては、過酢酸、過安息香酸、m
−クロロ過安息香酸等の過酸類、二酸化マンガン、過マ
ンガン酸カリウム、クロム酸、クロム酸−ピリジン錯
体、オギザリルクロリド−DMSO(スワーン酸化)、
塩素、臭素、過塩素酸等が挙げられ、好ましくは、オギ
ザリルクロリド−DMSO(スワーン酸化)である。酸
化剤の使用量は、通常は基質に対して、0.8〜20モ
ル倍の範囲、好ましくは、1.0〜5.0モル倍の範囲
が望ましい。
【0024】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に制限はなく、上記した溶媒を用いることが
できる。
【0025】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0026】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0027】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋な光学活性ジシロ
キシシクロヘキサノン化合物を単離することができる。
【0028】次に、式(III)の光学活性ジシロキシメ
チレンシクロヘキサン化合物の合成について説明する。
上記で得られた式(I)の光学活性ジシロキシシクロヘ
キサノン化合物を、ケトンのメチレン化、及び/又は、
ケトンのメチレン化、次いでヒドロキシル基のアルカノ
イル化により合成することができる。
【0029】まず、ケトンのメチレン化について説明す
る。メチレン化の試剤としては、Zn−CH2Br2−T
iCl4(野崎試薬)、μ−クロロ−μ−メチレン[ビ
ス(シクロペンタジエニル)チタニウム]ジメチルアル
ミニウム(Tebbe試薬)、メチレントリフェニルホ
スホラン、Mg−CH22−Et2AlCl、メチルト
リフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げられ、好ま
しくは、野崎試薬、Tebbe試薬が挙げられる。
【0030】メチレン化試剤の使用量は、通常は基質に
対して、0.8〜20モル倍の範囲、好ましくは、1.
0〜5.0モル倍の範囲が望ましい。
【0031】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に制限はなく、上記した溶媒のうち、ケトン
系溶媒以外の溶媒を用いることができる。
【0032】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0033】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0034】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋な光学活性ジシロ
キシメチレンシクロヘキサン化合物を単離することがで
きる。
【0035】次いでヒドロキシル基のアルカノイル化に
ついて説明する。アルカノイル化の試剤としては、アセ
チルクロライド、アセチルブロマイド、プロピオニルク
ロライド、プロピオニルブロマイド等の酸ハライド類、
無水酢酸、無水プロピオン酸、等の酸無水物等が挙げら
れ、好ましくは、無水酢酸が挙げられる。アルカノイル
化試剤の使用量は、通常は基質に対して、0.8〜10
0モル倍の範囲、好ましくは、50〜100モル倍の範
囲が望ましい。
【0036】反応系に反応促進剤を共存させることもで
き、反応促進剤としては、トリエチルアミン、DBU、
N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン等の
アミン類、ピリジン、メチルエチルピリジン、ルチジ
ン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等のピリジン
類、スカンジウムトリフラート等が挙げられ、好ましく
は、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、スカンジウ
ムトリフラートが挙げられる。
【0037】反応は無溶媒下、又は溶媒使用下のいずれ
でもよく、反応溶媒としては、反応に関与しないもので
あれば特に制限はなく、水、アルコール類及びセロソル
ブ類を除く上記した溶媒を用いることができる。
【0038】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0039】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0040】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋な光学活性ジシロ
キシメチレンシクロヘキサン化合物を単離することがで
きる。
【0041】次に、式(IV)の光学活性α,β−不飽和
エステル化合物(E体)の製造法について説明する。上
記で得られた式(III)の光学活性ジシロキシメチレン
シクロヘキサン化合物を、塩基で処理することにより、
式(IV)の光学活性α,β−不飽和エステル化合物(E
体)を合成することができる。
【0042】塩基としては、ジエチルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、トリエチルアミン、DBU、N−メチル
モルホリン、N,N−ジメチルアニリン等のアミン類、
ピリジン、メチルエチルピリジン、ルチジン、4−N,
N−ジメチルアミノピリジン等のピリジン類、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブ
トキシド等のアルコキシド類等が挙げられ、好ましくは
ジエチルアミンが挙げられる。
【0043】塩基の使用量は、基質である化合物(II
I)に対し、0.8〜20モル倍量の範囲、好ましく
は、1〜5モル倍量モル倍の範囲が望ましい。
【0044】反応系に反応促進剤として、Pd触媒を共
存させることもでき、Pd触媒としては、テトラキスト
リフェニルホスフィンパラジウム及びジベンゾイルアセ
トンパラジウムが挙げられる。
【0045】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に制限はなく、上記した溶媒を用いることが
できる。
【0046】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0047】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0048】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋な光学活性α,β
−不飽和エステル化合物(E体)を単離することができ
る。
【0049】次に、式(VIII)の光学活性α,β−不飽
和エステル化合物(Z体)の製造法について説明する。
上記で得られた式(I)の光学活性ジシロキシシクロヘ
キサノン化合物を、まずアルカノイル化して式(V)の
ラクトン体を合成する。
【0050】アルカノイル化の試剤としては、アセチル
クロライド、アセチルブロマイド、等の酸ハライド類、
無水酢酸、無水プロピオン酸、等の酸無水物等が挙げら
れ、好ましくは、無水酢酸が挙げられる。アルカノイル
化試剤の使用量は、通常は基質に対して、0.8〜10
0モル倍の範囲、好ましくは、50〜100モル倍の範
囲が望ましい。
【0051】反応系に、反応促進剤を共存させることも
でき、反応促進剤としては、トリエチルアミン、DB
U、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン
等のアミン類、ピリジン、メチルエチルピリジン、ルチ
ジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等のピリジ
ン類、スカンジウムトリフラート等が挙げられるが、好
ましくは、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、スカ
ンジウムトリフラートが挙げられる。
【0052】反応は無溶媒下、又は溶媒使用下のいずれ
でもよく、反応溶媒としては、反応に関与しないもので
あれば特に制限はなく、水、アルコール類及びセロソル
ブ類を除く上記した溶媒を用いることができる。
【0053】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0054】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0055】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋なラクトン体を単
離することができる。次に、式(V)のラクトン体を塩
基で処理して、式(VI)のα,β−不飽和ラクトン体を
合成する。
【0056】塩基としては、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチ
ルアミン、DBU、N−メチルモルホリン、N,N−ジ
メチルアニリン等のアミン類、ピリジン、メチルエチル
ピリジン、ルチジン、4−N,N−ジメチルアミノピリ
ジン等のピリジン類が挙げられ、好ましくは、DBUが
挙げられる。塩基の使用量は、通常は基質に対して、
0.8〜20モル倍の範囲、好ましくは、1.0〜5.
0モル倍の範囲が望ましい。
【0057】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に制限はなく、上記した溶媒を用いることが
できる。
【0058】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0059】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0060】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋なα,β−不飽和
ラクトン体を単離することができる。
【0061】次に、式(VI)のα,β−不飽和ラクトン
体を、加水分解及びエステル化することにより、式(VI
I)のケトエステル体を合成する。
【0062】加水分解の試剤としては、アルカリが使用
され、アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム及び水酸化バリウム等のアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム及び炭酸バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類
金属の炭酸塩等が挙げられ、好ましくは、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムが挙げられる。加水分解試剤の使用量
は、通常は基質に対して、等モル以上が使用され、加水
分解反応を短時間に完結させるためには、20モル倍程
度までの大過剰を使用することができる。
【0063】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に制限はなく、エステル類を除く上記した溶
媒を用いることができる。
【0064】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0065】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。エステル化の試剤としては、塩化メチル、臭化メ
チル、沃化メチル、塩化エチル、臭化エチル、沃化エチ
ル等のハロゲン化アルキル類、硫酸ジメチル、硫酸ジエ
チル等の硫酸ジアルキルエステル類が挙げられ、好まし
くは、沃化エチルが挙げられる。
【0066】エステル化試剤の使用量は、通常は基質に
対して、0.8〜20モル倍の範囲、好ましくは、1.
0〜5.0モル倍の範囲が望ましい。
【0067】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に制限はなく、上記した溶媒を用いることが
できる。
【0068】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0069】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0070】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋なケトエステル体
を単離することができる。
【0071】最後に、式(VII)のケトエステル体のケ
トンをメチレン化することにより、式(VIII)の光学活
性α,β−不飽和エステル化合物(Z体)を製造するこ
とができる。
【0072】メチレン化の試剤としては、Zn−CH2
Br2−TiCl4(野崎試薬)、μ−クロロ−μ−メチ
レン[ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム]ジメ
チルアルミニウム(Tebbe試薬)、メチレントリフ
ェニルホスホラン、Mg−CH22−Et2AlCl、
メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げら
れ、好ましくは、野崎試薬、Tebbe試薬が挙げられ
る。
【0073】メチレン化試剤の使用量は、通常は基質に
対して、0.8〜20モル倍の範囲、好ましくは、1.
0〜5.0モル倍の範囲が望ましい。
【0074】反応溶媒としては、反応に関与しないもの
であれば特に制限はなく、ケトン系溶媒を除く上記した
溶媒を用いることができる。
【0075】反応温度は、通常−100℃から使用する
溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−50℃から
50℃の範囲で行うのがよい。
【0076】反応時間は、通常0.1〜1000時間で
ある。
【0077】反応終了後は、適当な溶媒により目的物を
抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
更に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法に
よる精製を行なうことでことで、純粋な光学活性α,β
−不飽和エステル化合物(Z体)を単離することができ
る。
【0078】
【実施例】以下、実施例を挙げて更に詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 参考例1.光学活性シロキシシクロヘキセノン(5)の
ジヒドロキシル化
【化20】 室温下、光学活性シロキシシクロヘキセノン(5)
(2.26g、10mmol)のアセトン(300m
L)溶液に、N−メチルモルホリン N−オキシド(5
0%水溶液、2.9mL、25mmol)と四酸化オス
ミウム(0.08M水溶液、6.25mL、0.5mm
ol)を加えた後、反応液を室温下12時間激しく撹拌
した。反応液に亜硫酸水素ナトリウムを加えて、室温下
更に1時間撹拌した。反応液をそのまま減圧下濃縮し、
残渣を水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。有機層を
硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、無色の油状物としてジオール体(6)を得た。
(2.08g、80%) [α]D 26=+22.95 (c 0.99, CHCl3)1 H NMR δ4.36-4.24 (m,2H), 4.14(dd, J=3.9 and 1.5H
z,1H), 3.82(br s, 1H), 2.80(ddd, J=13.5, 5.1 and
2.7 Hz, 1H), 2.60(br s, 1H), 2.46(ddd, J=13.5, 10.
5 and 1.2Hz, 1H), 2.39(dddd,J=14.0, 4.2, 4.2 and
2.7Hz, 1H), 1.85(ddd, J=14.1, 10.8 and 2.4 Hz, 1
H), 0.87(s, 9H), 0.07(s, 3H), 0.05(s,3 H)13 C NMR δ207.6, 77.0, 69.3, 66.9, 48.8, 38.5, 25.
5, 17.8, -5.1 IR(neat) 3431, 2954, 2929, 2856, 1724, 1254, 1101,
862, 837, 777 cm-1
【0079】参考例2.トリオール体(7)の合成
【化21】 室温下、活性化亜鉛(1.31g、20mmol)のT
HF(7.5mL)懸濁液に、ジオール体(6)(1.
04g、4.0mmol)とトリメトキシボラン(7.
5mL)を加えた。混合液を室温下激しく撹拌しなが
ら、ブロモ酢酸t−ブチルエステル(2.35mL、1
6mmol)を加えた。反応液を室温下30分間撹拌し
た後、激しく反応が始まるまで加熱を続けた。20分間
撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加
え反応を終了させた。酢酸エチルで抽出後、有機層を硫
酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、
無色の油状物としてトリオール体(7)を得た。(1.
37g、91%)1 H NMR δ4.92(s,1H), 4.30-4.18(m,1H), 4.04-3.95(m,
1H), 3.40(br d,J=10.2Hz,1H), 3.33(dd,J=8.7and3.3H
z,1H), 3.04(br d,J=8.7Hz,1H), 2.75(d,J=15.9Hz,1H),
2.31(d,J=15.6Hz,1H), 2.24-2.13(m,1H), 2.04(ddd,J=
13.5,4.2and2.4Hz,1H), 1.54(ddd,J=13.5,10.2and3.3H
z,1H), 1.47(s,9H), 1.46-1.41(m,1H), 0.88(s,9H), 0.
07(s,3H), 0.06(s,3H)13 C NMR δ172.6, 82.1, 75.5, 73.3, 71.0, 63.6, 43.
8, 43.1, 40.3, 28.0,25.9, 18.1, -4.6, -4.7
【0080】参考例3.ジシロキシ体(8)の合成
【化22】 氷冷下、トリオール体(7)(1.37g、3.64m
mol)とイミダゾール(473mg、7.3mmo
l)のDMF(7.0mL)溶液に、t−ブチルジメチ
ルシリルクロライド(658mg、4.4mmol)を
数回に分けて加えた。反応液を室温に戻し12時間撹拌
した後、水を加えて反応を終了させた。エーテルで抽出
後、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、無色の油状物としてジシロキシ体(8)
を得た。(1.75g、100%) [α]D 28=+2.76 (c 0.77, CHCl3)1 H NMR δ4.28-4.13(m,2H), 4.10(s,1H), 3.56(dd,J=8.
4and3.0Hz), 2.75(d,J=8.4Hz,1H), 2.57(d,J=14.7Hz,1
H), 2.48(d,J=15.0Hz,1H), 2.11(ddd,J=13.5,4.5and2.4
Hz,1H), 2.07-1.97(m,1H), 1.63(dd,J=13.5and9.6Hz,1
H), 1.51(ddd,J=13.5,9.9and2.7Hz,1H), 1.45(s,9H),
0.90(s,9H), 0.87(s,9H), 0.12(s,3H), 0.11(s,3H), 0.
05(s,6H)13 C NMR δ170.7, 80.7, 74.5, 72.4(br), 72.2, 63.7,
44.2, 43.7(br), 39.8(br), 27.8, 25.57, 25.47, 17.
7, 17.6, -5.0, -5.1, -5.29, -5.32 IR(neat) 3475, 2930, 2857, 1726, 1472, 1368, 1255,
1115, 836, 777 cm-1
【0081】実施例1. 光学活性ジシロキシシクロヘ
キサノン(9)の合成
【化23】 (COCl)2(0.35mL、4.0mmol)のジ
クロロメタン(15mL)溶液に、−55℃でDMSO
(0.57mL、8.0mmol)を加え、そのまま−
55℃で10分間撹拌した後、ジシロキシ体(8)
(1.75g、3.64mmol)のジクロロメタン
(5.0mL)溶液を加えた。反応液をそのままの温度
で20分間撹拌した後、トリエチルアミン(2.33m
L、16.4mmol)を加えた。冷却バスを外して、
10分間で0℃に暖めた。反応液に、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液を加えて終了させ、有機層を分液した後、更
に水層からエーテルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸
マグネシウム上で乾燥した後、有機層を減圧下濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し、無色の油状物として光学活性ジシロキシシクロ
ヘキサノン(9)を得た。(1.64g、94%) [α]D 25=-3.74 (c 0.99, CHCl3)1 H NMR δ4.95(dd,J=12.0and6.0Hz,1H), 4.40(s,1H),
4.15(dddd,J=3.0,3.0,3.0and3.0,1H), 3.36(d,J=16.2H
z,1H), 2.71(d,J=16.2Hz,1H), 2.36(ddd,J=14.0,3.3and
3.3Hz,1H), 2.34-2.22(m,1H), 1.89(ddd,J=13.2,13.2an
d2.7Hz,1H), 1.73(dd,J=14.4and3.3Hz,1H), 1.40(s,9
H), 0.92(s,9H), 0.90(s,9H), 0.13(s,3H),0.10(s,6H),
0.05(s,3H)13 C NMR δ209.7, 169.1, 81.2, 76.9, 70.3, 65.2, 4
8.0, 46.6, 46.0, 28.1, 25.84, 25.80, 18.4, 18.0, -
4.5, -4.9, -5.0, -5.3 IR(neat) 3474, 2953, 2930, 2858, 1736, 1368, 1256,
1149, 1045, 898, 836, 778 cm-1
【0082】実施例2. 光学活性ジシロキシメチレン
シクロヘキサン(10)の合成
【化24】 室温下、光学活性ジシロキシシクロヘキサノン(9)
(244mg、0.5mmol)のTHF(40mL)
溶液を激しく撹拌してる中に、野崎試薬(0.4M T
HF液、5.0mL、2.0mmol)を一度に加え
た。反応液を室温下2時間撹拌した後、飽和重曹水:水
(2:1)とエーテルの混合液の中に落した。更に、室
温下30分間撹拌して、エーテルで抽出後、セライトで
濾過した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、
減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、無色の油状物として光学活性ジシ
ロキシメチレンシクロヘキサン(10)を得た。(90
mg、37%)1 H NMR δ5.22(dd,J=1.8and1.8Hz,1H), 5.17(dd,J=1.8a
nd1.8Hz,1H), 4.86(s,1H), 4.50(br dd,J=11.1and4.2H
z,1H), 4.23-4.16(m,1H), 3.00(d,J=15.6Hz,1H), 2.61
(d,J=15.6Hz,1H), 2.01-1.90(m,2H), 1.67(dd,J=14.1an
d3.6Hz,1H), 1.55(ddd,J=11.1,11.1and3.0Hz,1H), 1.41
(s,9H), 0.92(s,9H), 0.90(s,9H), 0.13(s,3H), 0.10
(s,6H), 0.05(s,3H)13 C NMR δ172.3, 153.4, 106.0, 81.5, 73.5, 67.8, 6
6.2, 46.1, 45.6, 44.8, 27.9, 25.8, 25.7, 18.1, 17.
8, -5.0, -5.1, -5.2, -5.3 IR(neat) 3480, 2929, 2857, 1707, 1368, 1255, 1155,
836, 776 cm-1
【0083】実施例3. 光学活性ジシロキシメチレン
シクロヘキサン(11)の合成
【化25】 室温下、光学活性ジシロキシメチレンシクロヘキサン
(10)(60mg、0.12mmol)の無水酢酸
(1.0mL)溶液に、スカンジウムトリフラート
(0.25M/アセトニトリル溶液、48μL、12μ
mol)を加えた後、反応液をそのまま12時間撹拌し
た。反応液に飽和重曹水を加えて、エーテルで抽出し
た。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、無色の油状物として光学活性ジシロキシ
メチレンシクロヘキサン(11)を得た。(58mg、
90%) [α]D 28=+10.07 (c 0.61, CHCl3)1 H NMR δ5.28(dd,J=1.8and1.8Hz,1H), 5.19(dd,J=1.5a
nd1.5Hz,1H), 4.57(brdd,J=10.5and4.2Hz,1H), 4.21(dd
dd,J=3.6,3.6,3.6and3.6Hz,1H), 3.40(d,J=14.4Hz,1H),
3.15(d,J=14.4Hz,1H), 2.67(ddd,J=13.8,3.9and1.8Hz,
1H), 2.05(s,3H), 1.94(dddd,J=12.9,4.5,4.5and1.8Hz,
1H), 1.83(dd,J=13.5and3.6Hz,1H), 1.65-1.55(m,1H),
1.39(s,9H), 0.92(s,9H), 0.90(s,9H), 0.09(s,6H),0.0
7(s,6H)13 C NMR δ169.5, 168.9, 148.9, 107.9, 82.2, 90.0,
67.7, 65.8, 44.7, 43.9, 42.8, 28.1, 26.0, 25.9, 2
2.5, 18.3, 18.1, -4.7, -4.8, -4.89, -4.95 IR(neat) 2929, 2857, 1731, 1367, 1254, 1119, 1048,
837, 777 cm-1
【0084】実施例4. 光学活性α,β−不飽和エス
テル(E体)(12)の合成
【化26】 室温下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
(10mg、15mol%)とジエチルアミン(30μ
L、0.28mmol)のTHF(1.5mL)溶液
に、光学活性ジシロキシメチレンシクロヘキサン(1
1)(30mg、57μmol)を加えた。反応液をそ
のまま12時間撹拌した後、反応液に水を加えて、エー
テルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し
た後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより精製し、無色の油状物として光学活
性α,β−不飽和エステル(E体)(12)を得た。
(24mg、90%) [α]D 23=-25.32 (c 0.34, CHCl3)1 H NMR δ5.84(d,J=1.8Hz,1H), 5.07(s,1H), 5.06(s,1
H), 4.64-4.52(m,1H),4.29-4.21(m,1H), 3.52(br dd,J=
15.0and4.2Hz,1H), 2.46(ddd,J=14.7,2.5and2.5Hz,1H),
1.99(dddd,J=12.6,4.8,4.8and1.8Hz,1H), 1.72(ddd,J=
12.6,9.9and2.4Hz,1H), 1.47(s,9H), 0.90(s,9H), 0.86
(s,9H), 0.06(s,6H), 0.05(s,6H)13 C NMR δ165.9, 155.7, 152.2, 118.2, 109.2, 79.8,
69.7, 67.2, 43.7, 37.1, 28.3, 25.9, 25.8, 18.4, 1
8.1, -4.76, -4.88, -4.90, -4.94 IR(neat) 2929, 2857, 1712, 1366, 1254, 1146, 1088,
901, 836, 776 cm-1
【0085】実施例5. ラクトン体(13)の合成
【化27】 室温下、光学活性ジシロキシシクロヘキサノン(9)
(289mg、0.6mmol)の無水酢酸(3.0m
L)溶液に、スカンジウムトリフラート(0.25M/
アセトニトリル、50μL、12μmol)を加えた
後、反応液をそのまま12時間撹拌した。反応液に飽和
重曹水を加えて、エーテルで抽出した。有機層を硫酸マ
グネシウム上で乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、無色
の油状物としてラクトン体(13)を得た。(201m
g、65%) [α]D 27=+9.62 (c 0.676, CHCl3)1 H NMR δ4.89(dd,J=3.0and3.0Hz,1H), 4.26-4.15(m,1
H), 3.24(d,J=17.4Hz,1H), 3.11(d,J=17.4Hz,1H), 2.63
(br dd,J=14.4and3.6Hz,1H), 2.08(s,3H), 2.04(s,3H),
2.08-1.99(m,1H), 1.87(dd,J=14.7and9.0Hz,1H), 1.77
(ddd,J=14.4,8.1and3.0Hz,1H), 0.92(s,9H), 0.85(s,9
H), 0.11(s,3H), 0.07(s,3H), 0.03(s,6H)13C NMR δ17
1.6, 169.5, 168.4, 104.5, 81.1, 68.2, 61.7, 42.2,
40.1, 38.4, 25.6, 25.4, 21.8, 21.3, 17.9, 17.8, -
4.4, -4.9, -5.0, -5.5 IR(neat) 2954, 2857, 1821, 1747, 1369, 1248, 1115,
1087, 1024, 837, 777, 477 cm-1
【0086】実施例6. α,β−不飽和ラクトン体
(14)の合成
【化28】 室温下、ラクトン体(13)(201mg、0.39m
mol)のジクロロメタン(4.0mL)溶液に、DB
U(82μL、0.58mmol)を加えた後、反応液
をそのまま30分間撹拌した。反応液に水を加えて、エ
ーテルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥
した後、減圧下濃縮し、油状物としてα,β−不飽ラク
トン体(14)を得た。(14)はそのまま次の反応に
使用した。1 H NMR δ5.92(d,J=2.1Hz,1H), 4.27(dddd,J=2.7,2.7,
2.7and2.7Hz,1H), 3.91(dd,J=9.0and7.2Hz,1H), 2.71(b
r d,J=13.8Hz,1H), 2.32(ddd,J=13.8,3.6and2.1Hz,1H),
2.09(s,3H), 1.90-1.84(m,2H), 0.91(s,9H), 0.84(s,9
H), 0.13(s,3H),0.07(s,3H), 0.05(s,3H), 0.06(s,3H)13 C NMR δ169.6, 168.6, 163.0, 119.0, 105.0, 73.3,
66.1, 39.1, 34.9, 25.8, 25.6, 21.6, 18.3, 18.0, -
4.6, -4.8, -4.9, -4.95
【0087】実施例7. ケトエステル体(15)の合
【化29】 室温下、実施例6で得られたα,β−不飽ラクトン体
(14)の粗物をメタノール(4.0mL)に溶解し、
炭酸カリウム(269mg、1.95mmol)を加え
た。反応液をそのまま90分間撹拌した後、反応液に水
を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネ
シウム上で乾燥した後、減圧下濃縮し、その粗物をその
ままDMF(4.0mL)に溶解し、室温下、ヨウ化エ
チル(94μL、1.17mmol)と炭酸カリウム
(269mg、1.95mmol)を加えた。反応液を
そのまま3時間撹拌した後、反応液に水を加えて、エー
テルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し
た後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより精製し、無色の油状物としてケトエ
ステル体(15)を得た。(151mg、87%:ラク
トン体からの収率) [α]D 28=-61.45 (c 1.1, CHCl3)1 H NMR δ5.67(d,J=1.5Hz,1H), 4.82(dd,J=11.1and5.7H
z,1H), 4.28(dddd,J=3.0,3.0,3.0and3.0Hz,1H), 4.21-
4.10(m,2H), 2.62(ddd,J=13.8,2.7and2.7Hz,1H), 2.54
(ddd,J=13.8,2.7and2.7Hz,1H), 2.34-2.24(m,1H), 1.95
(ddd,J=13.5,11.1and2.4Hz,1H), 1.23(t,J=7.2Hz,3H),
0.91(s,9H), 0.87(s,9H), 0.16(s,3H), 0.10(s,3H), 0.
08(s,3H), 0.07(s,3H)13 C NMR δ203.0, 164.6, 151.7, 121.6, 74.5, 66.1,
60.6, 45.2, 44.5, 25.7, 25.5, 18.3, 17.8, 13.9, -
4.8, -5.0, -5.1, -5.8 IR(neat) 2953, 2857, 1723, 1654, 1255, 1146, 1084,
835, 777 cm-1
【0088】実施例8. 光学活性α,β−不飽和エス
テル(E体)(16)の合成
【化30】 ケトエステル体(15)(88mg、0.2mmol)
とピリジン(1.0μL)のTHF(1.0mL)溶液
に、0℃でTebbe試薬(0.5M/トルエン、0.
48mL、0.24mmol)を10分間かけて滴下し
た。反応液を室温下15分間撹拌した後、反応液に0.
5M水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)を加えて、
更に室温下1時間撹拌した。反応懸濁液をセライトで濾
過した後、酢酸エチルで洗った。濾液を減圧下濃縮し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
して、無色の油状物として光学活性α,β−不飽和エス
テル(Z体)(16)を得た。(42mg、48%) [α]D 24=-35.9 (c 0.14, C2H5OH)1 H NMR δ5.62(br s,1H), 5.19(br s,1H), 5.01(br s,1
H), 4.53(dd,J=8.4and4.5Hz,1H), 4.23(dddd,J=6.0,6.
0,3.0and3.0Hz,1H), 4.17-4.05(m,2H), 2.41(brd,J=12.
6Hz,1H), 2.25(dd,J=13.2and5.4Hz,1H), 1.98-1.88(m,1
H), 1.81-1.70(m,1H), 1.23(t,J=7.2Hz,3H), 0.90(s,9
H), 0.87(s,9H), 0.08(s,6H), 0.05(s,6H)13 C NMR δ166.2, 153.1, 147.5, 117.7, 110.7, 70.9,
67.4, 59.7, 46.1, 44.6, 25.7, 25.6, 18.1, 17.9, 1
4.0, -4.9, -5.0, -5.4 IR(neat) 2926, 2855, 1731, 1638, 1463, 1255, 1095,
835, 776 cm-1

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。X及びYは、それ
    ぞれ独立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学
    活性ジシロキシシクロヘキサノン化合物。
  2. 【請求項2】 式(II) 【化2】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。X及びYは、それ
    ぞれ独立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学
    活性ジシロキシジオール体を酸化することを特徴とす
    る、式(I)で示される光学活性ジシロキシシクロヘキ
    サノン化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 式(III) 【化3】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。R2は、水素原
    子、C2-5アルカノイル基を表す。X及びYは、それぞれ独
    立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学活性ジ
    シロキシメチレンシクロヘキサン化合物。
  4. 【請求項4】 式(I)で示される光学活性ジシロキシ
    シクロヘキサノン化合物を、ケトンのメチレン化するこ
    とを特徴とする、式(III)で示される光学活性ジシロ
    キシメチレンシクロヘキサン化合物の製造法。
  5. 【請求項5】 式(I)で示される光学活性ジシロキシ
    シクロヘキサノン化合物を、ケトンのメチレン化、次い
    で、ヒドロキシル基のアルカノイル化することを特徴と
    する、式(III)で示される光学活性ジシロキシメチレ
    ンシクロヘキサン化合物の製造法。
  6. 【請求項6】 式(III)で示される光学活性ジシロキ
    シシメチレンクロヘキサン化合物を、塩基で処理するこ
    とを特徴とする、式(IV) 【化4】 〔式中、R1は、C1-6アルキル基を表す。X及びYは、それ
    ぞれ独立して置換シリル基を表す。〕で表わされる光学
    活性α,β−不飽和エステル化合物(E体)の製造法。
  7. 【請求項7】 式(I)で示される光学活性ジシロキシ
    シクロヘキサノン化合物を、アルカノイル化して、式
    (V) 【化5】 〔式中、R3は、C2-5アルカノイル基を表す。X及びYは、
    それぞれ独立して置換シリル基を表す。〕で表わされる
    ラクトン体とし、次いで塩基で処理して、式(VI) 【化6】 〔式中、R3、X及びYは前記に同じ。〕で表わされる
    α,β−不飽和ラクトン体とし、更に加水分解及びエス
    テル化して、式(VII) 【化7】 〔式中、R4は、C1-6アルキル基を表す。X及びYは前記に
    同じ。〕で表わされるケトエステル体とし、ケトンをメ
    チレン化することを特徴とする、式(VIII) 【化8】 〔式中、R4、X及びYは前記に同じ。〕で表わされる光学
    活性α,β−不飽和エステル化合物(Z体)の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113620913A (zh) * 2021-07-26 2021-11-09 安徽华业香料股份有限公司 一种γ-壬烯内酯的合成方法

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