JP2001300675A - ねじ転造ダイス及びその製造方法 - Google Patents

ねじ転造ダイス及びその製造方法

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JP2001300675A
JP2001300675A JP2001040625A JP2001040625A JP2001300675A JP 2001300675 A JP2001300675 A JP 2001300675A JP 2001040625 A JP2001040625 A JP 2001040625A JP 2001040625 A JP2001040625 A JP 2001040625A JP 2001300675 A JP2001300675 A JP 2001300675A
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rolling die
straight
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Hitoshi Sannomiya
仁志 三宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ねじ軸に安価に高精度でねじ溝を転造できるね
じ転造ダイスと、その転造ダイスの食い付き部,ストレ
ート部,逃げ部を同一のダイス研削砥石を使用して低コ
ストで製作できるダイス製造方法を提供する。 【解決手段】例えば、ボールねじを転造する転造ダイス
11において、ストレート部Sの一端側に食い付き部
K、他端側に逃げ部Nを有すると共に、食い付き部Kの
螺旋状の山形部12k及び逃げ部Nの螺旋状の山形部1
2nをストレート部Sの山形部12sから連続的に次第
に小さくした。ただ1個の研削砥石を用い、その研削リ
ードを変化させて各部分の山形部を連続加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ用転造ダイス
及びその転造ダイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばボールねじ軸のねじ溝の加工方法
には転造加工と研削加工とがあり、前者は一般用ボール
ねじの製造、後者は精密ボールねじの製造に利用されて
いる。転造ボールねじのねじ溝の転造は、2個又は3個
のロールダイス(以下、転造ダイスという)による転写
加工により行われるから、研削加工より生産性が高く、
標準仕様に基づいて安価に量産可能である。
【0003】従来の転造ダイスとしては、例えば特開平
9−133195号公報に示されたようなものがある。
このものは、図6に示されるように、転造ダイス1の円
柱部2の両端に、外向きに径が小さくなる円錐台部3,
3’を備えており、一方の円錐台部3から円柱部2を経
由して他方の円錐台部3’にかけて連続した転造用螺旋
突条(山形部)8が設けられている。そして、円柱部2
の螺旋突条8の頂点を結ぶ面はその円柱部の外周面に沿
った円柱部側面6をなしてストレート部Sが構成されて
いる。円錐台部3,3’側の螺旋突条を結ぶ面はその円
錐台部の角度に沿った円錐台部側面7,7’をなしてい
る。円錐台部側面7は円柱部側面6に対して所定の傾斜
角θ(2〜15°)を有して食い付き部Kが構成されて
いる。一方、円錐台部側面7’は円柱部側面6に対して
所定の傾斜角θ’(2〜90°)を有して逃げ部Nが構
成されている。
【0004】この従来の転造ダイスを用いてボールねじ
軸にねじを転造する場合、転造ダイス1を素材棒に押し
当てるときに、転造ダイス1のリード角と素材棒のリー
ド角を所定の角度だけずらす。これにより、転造ダイス
1と素材棒の相対的な回転が起こると同時に歩き現象が
生じて、転造ダイス1と素材棒は自動的にそれらの軸方
向(長さ方向)に相対移動しつつ転造が行われる。転造
時は、転造ダイス1の食い付き部Kがダイスの相対進行
方向となる。素材棒に対して転造ダイス1の食い込み量
が傾斜角θの大きさに応じて次第に増大しながらねじ溝
が形成されていくから、転造時の抵抗を低減させること
ができる。
【0005】なお、このように転造ダイスのリード角と
素材棒のリード角とをずらすことで生じる歩き現象を利
用して長さ方向に送りをかけつつねじを転造する方法
は、通し転造といわれて従来から広く行われている。こ
のように、テーパを有する食い付き部K及び逃げ部Nの
螺旋突条(山形部)のダイス長さ方向の断面形状が、テ
ーパを有しないストレート部Sのそれとは異なっている
従来の転造ダイスを砥石で研削加工して製造するには、
ストレート部Sの研削加工と食い付き部K及び逃げ部N
の研削加工とは異なる砥石を用いなければならなかっ
た。図7に、従来の転造ダイスの製造方法の一例を示
す。転造ダイス1のストレート部Sの研削には研削砥石
Aを使用し、食い付き部Kの研削には他の研削砥石Bを
使用する。また、食い付き部Kとは傾斜方向が逆になる
逃げ部Nの研削には、さらに他の研削砥石Cを使用す
る。かくして、各部毎に砥石を交換し、軸方向の位置を
制御しつつ独立に研削加工を施している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の転造ダ
イスの場合、それぞれに異なる研削砥石で形成される食
い付き部K,ストレート部S,逃げ部Nの各部位の山形
部同士の形状差が出やすく、且つ各部位のつなぎ目の加
工精度を出すのが非常に難しい。そのため、各部位の
つなぎ目にエッジが生じる。複数の研削砥石A,B,
Cを使用するため不経済である。しかも、食い付き部
K,逃げ部Nは傾斜角θ,θ’の大きさが異なる毎に、
それに合わせて別の研削砥石を用意する必要があり、従
って食い付き部Kに複数の異なる傾斜角を持たせること
は、コスト及び精度を考えると現実的ではないし、まし
てや傾斜角を連続的に変化させることは不可能であると
いう問題点がある。
【0007】特に、近年、生産性の高い転造加工ボール
ねじでありながら、しかも研削加工で製作した精密ボー
ルねじと同等の性能を有するボールねじの要求が高まっ
ている。しかしながら、上述のように山形部の転写精度
や各部位のつなぎ精度が良くない従来の転造ダイスを用
いて転造加工で製作されたボールねじでは、位置決め精
度,寿命の向上,騒音の低下などが要求される厳しい仕
様を満たし得ないおそれがある。
【0008】また、各部位のつなぎ目にエッジがある従
来の転造ダイスを使用してボールねじを転造すると、そ
のエッジ部分に応力集中が発生して、ボールねじのねじ
溝の形状精度に影響を与えるという問題点もある。更
に、通し転造ダイスでは、食い付き部Kの傾斜角θの大
きさがボールねじ軸のねじ溝の精度に影響を与えるの
で、精度向上のためには転造ダイスの傾斜角θを小さく
すればよいのであるが(小さすぎても良くない)、ダイ
ス幅が長くなりすぎてダイスの製作費用が高くなると共
に、転造に必要とする押し付け力も大きくなるため、大
がかりな装置を必要とする。
【0009】そこで本発明は、このような従来技術の未
解決の課題に着目してなされたものであり、ねじ軸に安
価に高精度でねじ溝を転造できるねじ転造ダイスと、そ
の転造ダイスの食い付き部,ストレート部,逃げ部を同
一のダイス研削砥石を使用して低コストで製作できるダ
イス製造方法を提供することを目的とする。また、本発
明の第2の目的は、ボールねじ軸素材の外周面に高精度
のボールねじ溝を転造加工することのできるボールねじ
用転造ダイスを提供することにある。
【0010】さらに、本発明の第3の目的は、位置決め
精度の向上及び騒音の低減等を図ることのできるボール
ねじを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る本発明は、外周に螺旋状に連続す
る山形部を有するねじ転造ダイスの少なくとも一方の端
部で、その山形部が中央部より徐々に小さくなっている
ことを特徴とするねじ通し転造用の転造ダイスである。
【0012】また、請求項2に係る本発明は、ボールね
じを転造するストレート部の一端側に食い付き部、他端
側に逃げ部を有するボールねじ用転造ダイスに係り、食
い付き部及び逃げ部の螺旋状の山形部をストレート部の
山形部から連続的に次第に小さくしたことを特徴とす
る。また、請求項3に係る本発明は、上記請求項2記載
の転造ダイスを砥石で研削加工するに当たり、当該ダイ
スのストレート部の山形部を加工した後、食い付き部及
び逃げ部の山形部を、同一の加工工具を用いて径方向の
位置を変化させることなくその加工リードを前記ストレ
ート部より大きくして加工し、次にその加工リードを前
記ストレート部より小さくして加工することにより、ス
トレート部と食い付き部及び逃げ部の山形部を連続加工
することを特徴とするボールねじ用転造ダイスの製造方
法である。
【0013】請求項4に係る本発明は、ボールねじを転
造するストレート部の一端側に食い付き部を有するボー
ルねじ用転造ダイスにおいて、前記食い付き部の螺旋状
の山形部をストレート部の山形部から連続的に次第に小
さくしたことを特徴とする。請求項5に係る本発明は、
請求項1、2及び4のいずれか1項に記載された転造ダ
イスにより転造加工されたボールねじ溝を有するボール
ねじであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の転造ダイスの一
実施形態であるボールねじ用転造ダイス(ロールダイ
ス)11の全体断面図(一部を外形で示す)である。全
体は円筒状のロールで、外周面にはその長手方向に略全
長にわたり山形部である断面山形状の螺旋状突起12が
一定のリードで連続的に形成されており、ボールねじ軸
の素材棒(ワークW)に通し転造方式で正規のボールね
じ溝を転造する。
【0015】ダイス中央のストレート部Sには、同一形
状,寸法の山が連続して形成されている螺旋状突起12
sを有する。完成品のボールねじ軸のねじ溝に、その螺
旋状突起12sの形状が転写される。図1においてスト
レート部Sから左端側(即ち素材棒に対する転造ダイス
11の相対的進行方向側)は食い付き部Kであり、螺旋
状突起12sから連続的に次第に小さくなる螺旋状突起
12kが数巻き形成されている。これに対して、ストレ
ート部Sから右端側は逃げ部Nとされ、螺旋状突起12
sから連続的に次第に小さくなる螺旋状突起12nが略
1巻き形成されると共に、素材棒最端部の角部を傾めに
切り欠いて、ねじ外径逃げ部13が形成されている。上
記の食い付き部Kとストレート部Sの間のつなぎ目及び
ストレート部Sと逃げ部Nの間のつなぎ目には、段差が
ほとんどなく滑らかに連続している。
【0016】なお、食い付き部Kは、通し転造時に素材
棒の外径面に最初に深く食い込む粗転造部k3,続いて
やや深く食い込んでいく中転造部k2,最後に浅く食い
込みつつ次のストレート部Sにつなげる仕上転造部k1
の各部分から構成されている。このように構成されてい
る本発明のねじ転造ダイスの製造方法(研削方法)を説
明する。
【0017】予め螺旋状突起が突設されたダイス材をダ
イス研削砥石で研削加工するに当たり、使用砥石の違い
で二通りの加工方法がある。一つは、図2に示すよう
に、ダイス11の山を研削する研削砥石15の略半円弧
状の溝(ゴシックアーチ溝)15mが、砥石幅の中央部
に1巻き分ある砥石を用いる場合で、以下ダイス加工法
1という。
【0018】本発明のねじ転造用ダイスの加工法1で
は、転造ダイス11の食い付き部K,ストレート部S及
び逃げ部Nの各部位を、全て同一の研削砥石15のみ使
用して研削加工する。ただし、砥石15の研削リードL
の大きさは、各部位毎に異なっている。即ち、ストレー
ト部Sの螺旋状突起12sと同じねじリードLnを有し
ながら、山の大きさが連続的に次第に小さくなる食い付
き部Kの螺旋状突起12kを研削加工する際には、スト
レート部Sの研削加工に引き続いて、研削砥石15をそ
のまま使用し、径方向の位置は変えずに軸方向に連続的
に移動させながら、研削リードLkを次第に大きくしつ
つ研削する。
【0019】すなわち、食い付き部Kの仕上げ転造部k
1は、ストレート部Sの研削リードLsより若干大きな
(プラスα1された)研削リードLk1で研削砥石15を
送り、次の中転造部k2ではそれより若干大きな(プラ
スα2)研削リードLk2で送り、先端部の粗転造部k3
はさらにより大きな(プラスα3)研削リードLk3で送
るというように、研削リードを連続的に次第に大きくし
つつ研削する。これにより、研削砥石の溝15mの肩口
部分で、転造ダイス11の食い付き部Kの螺旋状突起1
2kの一面側(右面側)が研削される。
【0020】こうしてストレート部Sの研削リードLs
より次第に大きくなる研削リードLk1-3で、仕上げ転
造部k1から粗転造部k3に向かって例えば1回研削し終
わったら、再度仕上げ転造部k1から粗転造部k3向かっ
て、上記とは逆に研削リードLk1-3を次第に小さくし
ながら研削砥石15を送りつつ、同じく1回研削する。
そのときは、研削砥石の溝15mの反対側の肩口部分
で、食い付き部の螺旋状突起12kの他面側(左面側)
が研削される。勿論、この研削は1回とは限らず、必要
に応じて研削リードを変えながら複数回繰り返し行って
もよい。これにより、転造用ダイス11の相対進行方向
に次第に小さくなる仕上げ転造部Kの螺旋状突起12k
が、同じ研削砥石15により連続して研削加工できる。
また、ストレート部Sと連続して加工することにより、
更につなぎ精度も向上できる。
【0021】転造用ダイス11の逃げ部Nの研削加工
も、同様に研削砥石15をストレート部Sより若干大き
な研削リード及び若干小さな研削リードで行えばよい。
続いて、ねじ転造用ダイスの他の加工法である加工法2
について説明する。この加工法2では、図3に示すよう
に、研削砥石16の形状が、上記研削砥石15と異な
る。即ち、研削砥石16には、砥石の左右両面と外周面
とが交叉するエッジ部に、略1/4円弧状の溝16mが
左右一対に形成されている。
【0022】加工法1と同様に、転造ダイス11の食い
付き部K,ストレート部S及び逃げ部Nの各部位に、全
て同一の研削砥石16のみ使用し、研削リードの大きさ
を各部位毎に異ならしめて、螺旋状突起12を片面ずつ
研削加工する。これにより、転造用ダイス11の相対進
行方向に次第に小さくなる仕上げ転造部Kの螺旋状突起
12kが、ストレート部Sと同じ研削砥石16により連
続して研削加工できる。転造用ダイス11の逃げ部Nの
研削加工も同様である。
【0023】上述したねじ転造ダイス11とその製造方
法によれば、上記加工法1及び加工法2のいずれの場合
にも、食い付き部K,ストレート部S及び逃げ部Nの各
部位とも同一の研削砥石を使用して、連続加工すること
が可能であるから、低コストであるのみならず、さらに
次のような多くの効果が得られる。 1個の研削砥石のみ使用してその送りを制御しつつ研
削加工するのであるから、得られた転造ダイス11の螺
旋状突起12の形状精度及び食い付き部Kとストレート
部S及び逃げ部Nのつなぎ精度,リードの相互差等が良
好である。したがって、その転造ダイス11で転造素材
であるワークWに転造加工したボールねじ溝の形状精度
や、ねじ溝の走り方向のよろめき精度(リード精度)が
容易に保証できる。ひいては、位置決め精度,寿命,騒
音などの最近の厳しい要求仕様を容易に満たすボールね
じを提供することができる。
【0024】また、転造ダイスの食い付き部K,スト
レート部S,逃げ部Nの各部位のつなぎ目が極めて滑ら
かでありエッジがないため、ワークWにねじ溝を転造す
るときに従来の如き応力集中が発生せず、ねじ溝の形状
くずれを防止できてその点からも転造されたねじ溝の形
状精度が得易い。 ダイス製造の研削加工工程における研削砥石の溝成形
や溝合わせの時間が従来より短縮又は省略できるから、
ダイス製造の加工コストが低減できる。
【0025】ダイス製造に当たり、従来のように複数
の溝形状に対応させた複数種の研削砥石を必要としない
ため、また従来より幅の狭いダイス設計が可能であり、
転造ダイスの製作費用が低くできる。 ねじ転造ダイスの食い付き部Kに、粗転造部k3,中
転造部k2,仕上転造部k1を設けたものにあっては、従
来のダイスでは不可能であったワークWの1回転あたり
転造量を調整することが可能である。そのため、転造ダ
イスの仕上げ転造域では研削リードを変化させる度合い
を小さく設定し、粗転造域では研削リードを変化させる
度合いを大きく設定することにより、転造精度と転造能
率とを両立させた転造加工が実現できる。しかも連続的
に研削リードを変化させることで、さらに細かくワーク
1回転あたり転造量を調整することが可能である。
【0026】また、従来のように食い付き部に傾斜を
持たせた転造ダイスで転造加工した場合は、図9に示す
ように、転造していく過程で、転造されるワーク(転造
素材)Wの外径より大きくなる部分Aが部分的に生じる
が、本発明では、ダイスの円筒部X(図8参照)で盛り
上がり部がつぶされる為、図10に示すように、ワーク
(転造素材)Wのねじ外径より大きくなる部分が転造過
程で生じることもない。そのため、ワークWの端部から
ワークWの途中までを転造するような仕様のねじで、ね
じ部外径が部分的に大きくならないようなねじを製作で
きる。
【0027】また、従来のダイスでは、加工の仕上げ
領域において、ボールねじ溝の底部の変形量が多く、肩
部の変形量が少なくなってしまう(図5参照)。これに
より、ボールねじ溝の底部の材料を肩部付近まで流して
いく必要があるため、加工時に大きな転造荷重、転造ト
ルク(ダイスを回転させるトルク)が必要となる。これ
に対し、本実施形態では、加工の仕上げ領域においては
ボールねじ溝の底部の変形量が少なく、肩部の変形量が
大きいため(図5参照)、塑性加工時の材料の流れがス
ムーズになり、加工時に大きな転造荷重や転造トルクを
必要としない。
【0028】従来のダイスでは、塑性変形量が変化
(ダイスの押し込み量を変化させる)すると、転写され
る溝形状が大きく変化する。さらに、左右のボール溝が
均一に転写されないため、高精度な溝形状を持つ転造ボ
ールねじを製作することは難しかった。これに対し、本
実施形態では、材料の流れがよいため、塑性変形量を変
化させも溝形状の変化が少なく、また左右のボールねじ
溝が均一に転写される。これにより、安定して、高精度
な溝形状を持つ転造ボールねじを製作することが可能と
なる。
【0029】図4は、本発明の第1実施形態に係る転造
ダイス11において、食い付き部Kの粗転造部k3,中
転造部k2,仕上転造部k1の各部分に研削加工された螺
旋状突起12sの断面形状を重ねて表したもので、最外
周は仕上転造部k1の最終形状である。図5は、転造ダ
イスによるワークWへのねじ溝転造時に、ダイス食い付
き部により転造される溝断面形状の経過推移を比較して
示したもので、図の左半分が従来ダイスの転造経過形
状、右半分が本発明ダイスの転造経過形状である。
【0030】次に、本発明に係る転造ダイスの第2の実
施形態について説明する。図8は、本発明に係る転造ダ
イスの第2の実施形態を示す図である。同図において、
ボールねじ溝転造用ダイス20は円柱部21aと該円柱
部21aの一端に形成された円錐状の逃げ部21bとか
らなるダイス本体(ロール)21から形成され、このダ
イス本体21の外周面には螺旋突条(山形部)22がダ
イス本体21の一端から他端にかけて連続して形成され
ている。
【0031】螺旋突条22はその高さが一定の部分(以
下、ストレート部という)22aと一定でない部分(以
下、食い付き部という)22bとからなり、この食い付
き部22bは逃げ部21bと反対側のダイス本体21の
一端部分に形成されている。この第2の実施形態では食
い付き部22bのみ第1の実施形態と同様に螺旋状の山
形部をストレート部の山形部から連続的に小さくしてい
るが、加工砥石のリード変化は食い付き部22bの全区
間にわたって1回だけである点及び逃げ部21bの山形
部は従来の転造ダイスの逃げ部と同じである点で第1の
実施形態と異なっている。
【0032】なお、本発明はボールねじ以外の転造ねじ
に対しても適用可能である。また、転造ダイスの加工方
法については、研削加工に限らず、総型バイトを用いた
切削加工等全ての除去加工が可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、ねじ軸にねじ溝を低コストで且つ高精度に
転造することのできるねじ通し転造用の転造ダイスを提
供できる。請求項2に係る発明によれば、ボールねじ軸
素材にボールねじ溝を低コストで且つ高精度に転造する
ことのできるボールねじ用転造ダイスを提供できる。
【0034】請求項3に係る発明によれば、食い付き
部,ストレート部,逃げ部を備えるねじ転造ダイスを、
同一のダイス研削砥石を使用して低コストで製造するこ
とができる。請求項4に係る発明によっても、請求項1
に係る発明の効果と同じ効果が得られる。
【0035】請求項5に係る発明によれば、ボールねじ
の位置決め精度の向上及び騒音の低減等を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のねじ転造ダイスの一実施形態を示す断
面図である。
【図2】図1のねじ転造ダイスの製造方法の一例を説明
する模式図である。
【図3】図1のねじ転造ダイスの製造方法の他の例を説
明する模式図である。
【図4】図1のねじ転造ダイスにおける食い付き部Kの
粗転造部k3,中転造部k2,仕上転造部k1の各部分
に研削加工された螺旋状突起12sの断面形状を表した
模式図である。
【図5】転造ダイスによるワークWへのねじ溝転造時
に、ダイス食い付き部により転造される溝断面形状の経
過推移を従来と比較して示した転造経過形状図である。
【図6】従来のねじ転造ダイスの一例を示す断面図であ
る。
【図7】従来のねじ転造ダイスの製造方法の一例を説明
する模式図である。
【図8】本発明に係るねじ転造ダイスの第2の実施形態
を示す断面図である。
【図9】従来の転造ダイスにより転造されたボールねじ
溝を示す図である。
【図10】本発明の転造ダイスにより転造されたボール
ねじ溝を示す図である。
【符号の説明】
11 転造ダイス K 食い付き部 S ストレート部 N 逃げ部 12 螺旋状突起(山形部) 12k 食い付き部の山形部 12s ストレート部の山形部 12n 逃げ部の山形部 21 ダイス本体 22 螺旋突条 22a ストレート部 22b 食い付き部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周に螺旋状に連続する山形部を有する
    ねじ転造ダイスの少なくとも一方の端部で、その山形部
    が中央部より徐々に小さくなっているねじ通し転造用の
    転造ダイス。
  2. 【請求項2】 ボールねじを転造するストレート部の一
    端側に食い付き部、他端側に逃げ部を有するボールねじ
    用転造ダイスにおいて、前記食い付き部及び逃げ部の螺
    旋状の山形部をストレート部の山形部から連続的に次第
    に小さくしたことを特徴とするボールねじ用転造ダイ
    ス。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の転造ダイスを砥石で研削
    加工するに当たり、当該ダイスのストレート部の山形部
    を加工した後、食い付き部及び逃げ部の山形部を、同一
    の加工工具を用いて径方向の位置を変化させることなく
    その加工リードを前記ストレート部より大きくして加工
    し、次にその加工リードを前記ストレート部より小さく
    して加工することにより、ストレート部と食い付き部及
    び逃げ部の山形部を連続加工することを特徴とするボー
    ルねじ用転造ダイスの製造方法。
  4. 【請求項4】 ボールねじを転造するストレート部の一
    端側に食い付き部を有するボールねじ用転造ダイスにお
    いて、前記食い付き部の螺旋状の山形部をストレート部
    の山形部から連続的に次第に小さくしたことを特徴とす
    るボールねじ用転造ダイス。
  5. 【請求項5】 請求項1、2及び4のいずれか1項に記
    載された転造ダイスにより転造加工されたボールねじ溝
    を有することを特徴とするボールねじ。
JP2001040625A 2000-02-18 2001-02-16 ねじ転造ダイス及びその製造方法 Withdrawn JP2001300675A (ja)

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