JP2001299724A - Mri装置及びmrイメージング方法 - Google Patents
Mri装置及びmrイメージング方法Info
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Abstract
分画像を得る場合に、信号値の正負の極性を正確に保持
し、現実的なスキャン時間で、オペレータに余分な作業
を強いる事も無く、アーチファクトを抑制した高画質で
高精細な画像を表示させる。 【解決手段】磁化スピン反転用のIR(反転回復)パル
スを含まず且つテンプレート用パルス列のみを含む第1
のパルスシーケンスを被検体の撮像領域に実行して第1
のエコー信号を収集する第1のスキャン手段と、IRパ
ルスと当該パルス印加後の所定時間経過時に印加開始さ
れるイメージング用パルス列とを含む第2のパルスシー
ケンスを前記撮像領域に実行して第2のエコー信号を収
集する第2のスキャン手段と、この第1のエコー信号か
ら磁化スピンの基準位相データを得る基準位相データ取
得手段と、前記基準位相データに基づき前記第2のエコ
ー信号の正負の極性を決める決定手段と、この極性決定
された第2のエコー信号からリアル成分画像を生成する
画像生成手段とを備える。
Description
イメージング(MRI)装置及び磁気共鳴(MR)イメ
ージング方法に係り、とくに、IR(反転回復)パルス
を印加して被検体のスピンを反転させた後、所定の反転
(TI)時間後にイメージングを開始するMRI装置及
びMRイメージング方法に関する。
中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の
高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生す
るFID(自由誘導減衰)信号やエコー信号から被検体
の画像を得ることを基礎としている。
ンのT1(縦緩和時間)コントラストを反映させた画像
を得る1つの方法として、IRパルスを印加するイメー
ジング法が用いられている。図9に示す如く、IRパル
スを印加すると、例えば2種類の組織a,bのスピンは
反転した後、縦緩和時間T1a,T1b(>T1a)で
徐々に回復する。このため、適宜なTI時間を設定する
ことで、TI時間後の縦磁化成分Tzは緩和時間の相違
に応じた値を呈することになり、この縦磁化成分Tzの
違いに応じて異なる信号強度のエコー信号を収集でき
る。従って、T1コントラストを反映した画像、即ちT
1強調画像を得ることができる。
メージングにおいて画像を再構成する場合、エコー信号
を直交位相検波した後の実数成分と虚数成分を再構成後
に絶対値化し、この絶対値画像が基本的に用いられてい
る。これにより、再構成後の位相の効果は無視される。
イメージング法にあっては、IRパルスを印加すること
から、組織のT1時間(時定数)の違いに因って、イメ
ージング用のフリップパルス(最初の励起RFパルス)
の印加前(TI時間経過時)に縦磁化成分Mzのナルポ
イント(null point)が来る組織からのエコ
ー信号と来ない組織からのエコー信号との間で、スピン
の位相が互いに反転してしまう。
かかる位相反転の影響は画像には反映されない。即ち、
図10に示す如く、絶対値演算によって磁化スピンの位
相が互いに反転し、信号強度の折返しが生じる。このた
め、T1緩和時間の違いの程度によっては、例えば、折
返しを生じないT1緩和の短い成分と折返しを生じるT
1緩和の長い成分とが同じような信号強度になってしま
い、T1コントラストを正確に反映した画像を提供する
ことができない。
せた画像を表示させるには、TI時間経過時における縦
磁化成分Mzの正負の値を保持して実部成分を表示す
る、所謂、リアル成分画像のニーズがある。このリアル
成分画像を用いることは、絶対値画像よりも、ダイナミ
ックレンジを広くとることでもある(図10参照)。こ
のリアル成分画像を正確に表示するには、磁化スピンの
どの位相方向がプラス(正)であるかを示す基準位相の
情報が必要になる。なお、ここで「プラス方向」とは、
IRパルスを印加しないで、イメージング用のフリップ
パルスを印加したときに磁化ベクトルが向く方向と定義
する。
て、IRパルスをFSE(高速SE)法のパルスシーケ
ンスに組み合わせた「Fast IR法」で既に実行さ
れているテンプレートスキャンを用いることができる。
Fast IR法では、既に、このテンプレートスキャ
ンで得られるデータを用い、FSE法のパルス列(スキ
ャン)の実行により収集される複数のエコー相互間の位
相補正や振幅補正を行っている。テンプレートスキャン
は、本スキャンと同じパルス条件の基で、位相エンコー
ド量のみを零として実行される。
ートスキャンでは、IRパルスはそのまま印加されるこ
とから、テンプレートスキャンによって収集されるT1
緩和時間の遅いエコー成分の位相は、上述した如く、1
80°反転している。このため、この基準位相を用いて
位相補正を行い、リアル成分画像を演算すると、スキャ
ンにおいてT1緩和時間が長く、かつ、そのスキャン開
始時にナルポイントに達していない負になるべきエコー
成分は、上述した180°だけ位相反転した基準位相に
因って正の値になってしまう。つまり、画像の一部で白
黒反転が起こり、誤診を招く恐れがある(後述する図8
(a)における読出し設定方向の一部領域PARROの
参照)。
された異なるT1緩和時間のエコー信号に基づいて求め
られた基準位相のデータは、その振幅は小さく、不安定
さを拭い切れない(後述する図7(a)参照)。これに
より、リアル成分画像も不安定で、信頼性に欠けるデー
タになる。
に鑑みてなされたもので、IRパルスを用いたパルスシ
ーケンスを実行してリアル成分画像を得る場合に、信号
値の正負の極性を正確に保持し、現実的なスキャン時間
で、オペレータに余分な作業を強いる事も無く、アーチ
ファクトを抑制した高画質で高精細なリアル成分画像を
表示させることを、その目的とする。
め、本発明に係るMRI装置は、磁化スピン反転用のI
R(反転回復)パルスを含まず且つテンプレート用パル
ス列のみを含む第1のパルスシーケンスを被検体の撮像
領域に実行して第1のエコー信号を収集する第1のスキ
ャン手段と、IRパルスと当該パルス印加後の所定時間
経過時に印加開始されるイメージング用パルス列とを含
む第2のパルスシーケンスを前記撮像領域に実行して第
2のエコー信号を収集する第2のスキャン手段と、この
第1のエコー信号から磁化スピンの基準位相データを得
る基準位相データ取得手段と、前記基準位相データに基
づき前記第2のエコー信号の正負の極性を決める決定手
段と、この極性決定された第2のエコー信号からリアル
成分画像を生成する画像生成手段とを備えたことを特徴
とする。
エコー信号が前記基準位相データに一致した位相の磁化
ベクトルから生じたエコー信号であるとき、当該第2の
エコー信号の極性を正と決定し、前記第2のエコー信号
が前記基準位相データの反対位相のデータに一致した磁
化ベクトルから生じたエコー信号であるとき、当該第2
のエコー信号の極性を負と決定する手段である。
決定手段より用いられたデータを併用して第2のエコー
信号の位相及び振幅の少なくとも一方を補正する補正手
段と、この補正した第2のエコー信号から前記リアル成
分画像を再構成する再構成手段とを備えることができ
る。
記第1、第2のパルスシーケンスが共に高速SE法のパ
ルス列を有して形成されることである。
のエコー信号を受信処理する第1の受信処理手段と、、
前記第2のエコー信号を受信処理する第2の受信処理手
段とを備える一方で、この第1、第2の受信処理手段
は、各々が受けた前記第1、第2のエコー信号を互いに
独立してゲイン調整するゲイン調整手段を各別に備えて
いてもよい。このとき、例えば、前記第2の受信処理手
段に備えられるゲイン調整手段は、前記第1の受信処理
手段に備えられるゲイン調整手段よりも高いゲインを有
する。
のパルスシーケンスと前記第1のパルスシーケンスとは
共に2次元又は3次元のスキャンを実行するパルスシー
ケンスである。
は、磁化スピン反転用のIR(反転回復)パルスを含ま
ず且つテンプレート用パルス列のみを含む第1のパルス
シーケンスを被検体の撮像領域に実行して第1のエコー
信号を収集するとともに、IRパルスと当該パルス印加
後の所定時間経過時に印加開始されるイメージング用パ
ルス列とを含む第2のパルスシーケンスを前記撮像領域
に実行して第2のエコー信号を収集し、この第1のエコ
ー信号から磁化スピンの基準位相データを得て、前記基
準位相データに基づき前記第2のエコー信号の正負の極
性を決め、この極性決定された第2のエコー信号からリ
アル成分画像を生成することを特徴とする。
用いられたデータを併用して第2のエコー信号の位相及
び振幅の少なくとも一方を補正し、この補正した第2の
エコー信号から前記リアル成分画像を再構成する処理で
あってもよい。また、前記第1、第2のパルスシーケン
スは共に、高速SE法のパルス列を含むパルスシーケン
スであってもよい。
ング方法では、上述の如く、第1のスキャン手段によっ
て実施されるテンプレートスキャン時に、第2のスキャ
ン手段によって実施されるイメージングスキャン時と同
じ条件に対し、位相エンコード量(又は位相エンコード
量及びスライスエンコード量)を零とするばかりでな
く、IRパルスの印加を止めている(IRパルスのオ
フ)。これにより、テンプレートスキャンにより収集さ
れる第1のエコー信号を発生させる磁化スピンの位相は
基準位相データとなり得て、この基準位相データに一致
する位相に在る磁化スピンが発生する第2のエコー信号
の極性を「正」と決めることができる。
の基準位相データに照らして、その正負が決められるの
で、従来のように画像上での白黒反転も生じない。これ
により、白黒反転に因るアーチファクトの発生も無く、
高描出能で、信頼性のあるリアル成分画像を提供するこ
とができる。
分画像が生成されるので、絶対値画像に比べてダイナミ
ックレンジが広くなる。
ングスキャン時の受信ゲインが、両スキャン時の信号値
が適度な値になるように独立して調整される。IRパル
スをオフにして信号収集するテンプレートスキャンのと
きには、そのパルスをオンにしたスキャンに比べて、収
集する第1のエコー信号の値は通常、高くなる。このた
め、テンプレートスキャンとイメージングスキャンとに
おいて受信ゲインが同じである場合、イメージングスキ
ャンに拠る第2のエコー信号のS/Nが低下する。しか
し、上述のようにテンプレートスキャン及びイメージン
グスキャンで別々にゲイン調整(イメージングスキャン
時の方が受信ゲインは大)とすることで、イメージング
スキャンに因るS/Nの低下を防止できる。
ルスシーケンスが高速SE(FSE)法のパルス列であ
る場合、通常、複数のエコー信号の位相補正及び振幅補
正を行うためのテンプレートスキャンを、全体のスキャ
ンの一部として実施している(つまり、このスキャン全
体は、テンプレートスキャンとイメージングスキャンと
なら成る。全体のスキャンの中でのテンプレートスキャ
ンの位置は任意である)。このため、本発明のテンプレ
ートスキャンを実施するに際し、従来から高速SE法で
実施されているテンプレートスキャンを流用し、そのテ
ンプレートスキャンのIRパルスをオフにすれば済むの
で、シーケンス設計も容易で、利用者に格別に煩わしい
操作を要求することも無い。
及び特徴は、以下に記す発明の実施形態及び添付図面に
より明らかにされる。
図面に基づき説明する。
MRI(磁気共鳴イメージング)装置を、図1〜7を参
照して説明する。
このMRI装置は、被検体としての患者Pを載せる寝台
部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位
置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号
を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール
及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(本システムに設定された直交座標軸では
Z軸方向に相当する)に静磁場H0 を発生させる。な
お、この磁石部には、図示しないシムコイルが設けられ
ている。このシムコイルには、シムコイル電源から静磁
場均一化のための電流が供給される。これにより、磁石
1が発生する静磁場内に、磁場均一度が一定値以内に保
持される静磁場均一領域が形成される。
磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。被検体Pは、
一例として、天板14の長手方向(Z軸方向)に沿って
載せられる。
傾斜磁場コイルユニット(図示せず)を備える。この傾
斜磁場コイルユニットは、互いに直交するX、Y及びZ
軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)の
x,y,zコイルを備える。傾斜磁場部はまた、x,
y,zコイルに電流を供給する傾斜磁場アンプ4を備え
る。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制
御のもと、x,y,zコイルに傾斜磁場を発生させるた
めのパルス電流を供給する。
供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸で
ある3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、互いに
直交するスライス方向傾斜磁場Gs、位相エンコード方
向傾斜磁場Ge、および読出し方向(周波数エンコード
方向)傾斜磁場Grの各論理軸方向を任意に設定・変更
することができる。スライス方向、位相エンコード方
向、及び読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場H0に重畳
される。
体Pの近傍に配設されるRFコイルと、このRFコイル
7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。
送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5の
制御のもとで動作する。送信器8Tは、被検体Pのスピ
ンに核磁気共鳴(NMR)を起こさせるためのラーモア
周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。
コー信号(高周波信号)を取り込み、そのエコー信号を
プリアンプ8Raでゲイン倍した後、所定の受信処理を
施し、デジタル量のエコーデータ(原データ)を生成す
る。
可能になっており、この調整のための信号はホスト計算
機6からシーケンサ5を介してプリアンプ8Raに与え
られる。この調整信号により、後述するテンプレートス
キャンとイメージングスキャンとで別個にプリアンプゲ
インが調整される。本実施形態では、イメージングスキ
ャン時のプリアンプゲインGima>テンプレートスキ
ャン時のプリアンプゲインGtempとなるゲインGi
ma又はGtempに自動的に切り替えられる。
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算器10、記憶装置11、表示装置12、及び入
力器13を備える。この内、ホスト計算機6は、その内
部メモリ又は記憶装置11に記憶したソフトウエア手順
に基づいて、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を送
るとともに、装置全体の動作を統括するほか、テンプレ
ートスキャン(ショット)かイメージングスキャン(シ
ョット)かの状態に応じてプリアンプ8Raのゲインを
変更すべく、シーケンサ5を介して受信器8Rに調整信
号を送る。イメージングスキャン時にはプリアンプ8R
aのゲインがテンプレートスキャン時よりも高い所定値
になるように調整信号が切り替えられる。
スキャンは、画像再構成に必要なエコーデータの組を収
集するスキャンである。このパルスシーケンスは、3次
元(3D)スキャン又は2次元(2D)スキャン)のパ
ルス列から成る。とくに、T1コントラストを付けたT
1強調画像を得るために、IR(反転回復)パルスを先
頭に付加したFSE(高速SE)法、即ち、「Fast
IR」法に基づくパルスシーケンスが好適である。な
お、このイメージング部分のパルス列には、FSE法に
代えて、FASE(高速 Asymmetric S
E)法(すなわち、高速SE法にハーフフーリエ法を組
み合わせたイメージング法)も同様に用いることができ
る、またEPI法などでもよい。
ており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケ
ンス情報を記憶し、この情報に従って傾斜磁場アンプ
4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御する。パルス
シーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスに従って
傾斜磁場アンプ4、送信器8Tおよび受信器8Rを動作
させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,
zコイルに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加
タイミングなどに関する情報を含む。
(原データ又は生データ)は、シーケンサ5を通してホ
スト計算機6又は演算器10に送られる。
づき画像再構成機能が与えられている。このため、演算
器10は、その演算機能によって、エコーデータをその
内部メモリ上のフーリエ空間(k空間又は周波数空間と
も呼ばれる)に配置し、このエコーデータを各組毎に2
次元又は3次元のフーリエ変換に付して実空間画像デー
タに再構成する。この画像データは、表示装置12に表
示されるとともに、記憶装置11に記憶される。術者が
希望する撮影条件、パルスシーケンス、画像合成や差分
演算に関する情報は、入力器3を介してホスト計算機6
に入力される。
次元の「Fast IR」法に拠るスキャンが実行され
る。
図2に示すテンプレートスキャンと図3に示すイメージ
ングスキャンから成る。イメージングスキャンは画像再
構成に必要な一組のエコーデータを収集すべく、ショッ
ト(RFパルス印加)毎に位相エンコード量を変えて複
数回実行される。形式的には、この複数回のイメージン
グスキャンに付加する形で、テンプレートスキャンが1
回実行される。本実施形態で実行するテンプレートスキ
ャンは、最初のショットとして実行され、その後に複数
回のイメージングスキャンが順次実行されるが、テンプ
レートスキャンは複数回のイメージングスキャンの間
に、又は、それらの最後に行われてもよい。
如く、IRパルスを選択的に印加し(IRパルス:オ
ン)、その後でスポイラーパルスをスライス方向(S
S)、位相エンコード方向(PE)、及び読出し方向
(RO)夫々に印加すると共に、IRパルス印加から反
転TI時間経過後に、FSE法に基づくパルス列の各パ
ルスが印加開始されるようになっている。
に示す如く、図3に示したパルス列からIRパルスの印
加が無く(IRパルス:オフ)、FSE法のパルス列に
おける位相エンコード量も零に設定されている。
びイメージングスキャンは、図4に基づく切替制御の基
で実行される。
り実行される。具体的には、テンプレートスキャンの実
行タイミングか否かをオペレータからの操作情報などを
参照して判断する(ステップS1)。テンプレートスキ
ャンの実行タイミング到来のときには、シーケンサ5に
「IRパルスのオフ」を指令し(ステップS2)、受信
器8Rの受信ゲイン(ここでは一例としてプリアンプゲ
イン)GをG=Gtempになるように調整信号で指令
する(ステップS3)。この後、テンプレートスキャン
を行うようにシーケンサ5に指令を出す(ステップS
4)。スキャン全体が終了していない場合、この切替制
御はステップS1に戻される(ステップS5)。
キャンは済んだので、ステップS1における今回の判断
はNOとなり、次いで、イメージングスキャンか否かの
判断に付される(ステップS6)。イメージングスキャ
ンのタイミングが到来すると、今度は、「IRパルスの
オン」の指令がシーケンサ5に出され、受信器8Rの受
信ゲインGをG=Gima(>Gtemp)になるよう
に調整信号で指令する(ステップS7、S8)。この
後、イメージングスキャンを行うようにシーケンサ5に
指令が出される(ステップS9)。このイメージングス
キャンは位相エンコード量を変えて複数回指令される
(ステップS5,S1,S6)。
と、その最初の1ショットとしてテンプレートスキャン
が実行され、IRパルス:オフ時のエコー信号がRFコ
イル7を介して収集される。このエコー信号は受信器8
Rで受信処理されるが、そのときの受信ゲインがイメー
ジングスキャンに対してはプリアンプ8Raで調整され
る。受信処理されたエコー信号はエコーデータとしてシ
ーケンサ5を介してホスト計算6に送られる。
はイメージングスキャンが実行され、同様に、Fast
IR法に基づくエコー信号が収集され、そのエコー信
号がシーケンサ5を介して演算ユニット10に送られ
る。このスキャン時の受信ゲインはテンプレートスキャ
ン時よりも高い値に調整されているので、エコーデータ
の強度も高くなり、ほぼ同等の値になっている(図5
(a),(b)参照)。演算演算ユニットは、ショット
毎に送られてくるエコーデータを2次元k空間に、位相
エンコード量の位置に読出し方向に沿って配置する。
ン、イメージングスキャン)が終わると、ホスト計算機
6及び演算器10は協働して図6に示す後処理を実行す
る。
て収集されたテンプレートスキャンから従来周知の方法
(例えば特開平6−133942号に記載されている方
法)で位相補正データを取り出す。このデータの位相
は、定義に従って正の極性の方向になっているので、基
準位相データとして用いることができる(ステップS1
1)。
保持したこの基準位相データを演算器10に送る。そこ
で、演算器10は収集・配置済みのイメージングスキャ
ンに拠るエコーデータを、先に得た極性を正しく保持し
た基準位相データの正極性の方向が実部軸の正の方向に
なる角度分だけ、従来周知の方法で位相補正し(ステッ
プS12)、必要であれば更に振幅補正する(ステップ
S13)。
いて画像再構成を行い、その画像を表示器12に表示す
る(ステップS14,S14)。
IR法に基づくイメージングを行う際、そのテンプレ
ートスキャンのIRパルスをオフに設定している。この
ため、図7(a)のようにIRパルスをオンに設定した
従来法に相当する場合に比べて、図6(b)に示す如
く、読出し方向に1次元フーリエ変換するので、読出し
方向の各位置におけるエコー信号の位相は安定し、振幅
は十分に確保される。同図(a),(b)は断面が半円
状のファントムに対し、IRパルスのオン、オフの両状
態についてシミュレーション比較を行ったとき振幅、位
相を模式化して示す。
るため、前述した如く、多種類のT1緩和時間が混ざっ
たエコー信号を発生する組織部位などでは、T1緩和時
間の違いの影響が非常に大きくなる。したがって、その
ような部位が局所的に存在する読出し方向(RO)の位
置では、エコー信号の振幅も小さく、不安定になるとと
もに、その一方では、前述した180°の位相反転も起
こり得る。
トスキャンではIRパルスを積極的に印加しないことに
より、そのような振幅の減少及び位相反転が無くなる。
これにより、かかる事態に起因した不都合が排除され
る。すなわち、T1コントラストを正確に反映した、ダ
イナミックレンジの広いT1強調画像を、現実的な撮像
時間で、且つ、位相反転に起因したアーチファクトの発
生を防止した高描出能の状態で得ることができる。
は、特に頭部撮像の場合、実質的にはSE法しか使用で
きなかった。このため、本発明により、ユーザは現実的
な撮像時間で、しかも従来から用いている位相補正デー
タとして収集するテンプレートショットからIRパルス
を抜くだけで、格別煩わしい操作を要求すること無く、
T1強調画像を提供する有力な1つの選択枝を提供する
ことができる。加えて、IRパルスを使用しているの
で、SE法よりは高い描出能のT1強調画像を提供する
ことができる。
ングスキャンの間で受信ゲインの調整を行っているの
で、イメージングスキャンにより収集するエコー信号の
相対的なゲイン低下を防止することができ、これによ
り、リアル成分画像のS/Nを向上させることができ
る。
ャンによるFast IR法); (b)本発明方式1(IRパルス:オフのテンプレート
スキャンによるFastIR法:受信ゲインの調整な
し); (c)本発明方式2(IRパルス:オフのテンプレート
スキャンによるFastIR法:受信ゲインの調整あ
り)、 の3種類の撮像態様の基で、頭部のT1強調のアキシャ
ル像を撮像した結果を図8(a),(b),(c)を夫
々示す。これらの撮像は、撮像条件をTR=4000m
s、TE=17ms、FOV=22cm2、マトリクス
=2562、TI=500ms、厚さ=5mm、ギャッ
プ=1mm、スライス数=15枚、として行われた。
従来方式の場合、能脊髄液に相当する読出し方向ROの
一部領域PARROが帯状に白黒反転を起こして、アー
チファクトとなっている。これに対し、同図(b)の本
発明方式1の場合、上述した帯状の白黒反転が生じてお
らず、クリアなT1強調画像になっている。さらに、同
図(c)の本発明方式2の場合、上述した帯状の白黒反
転は生じていないことは勿論、S/Nも更に改善されて
高精細なT1強調画像になっている。これにより、本発
明の有用性が実証された。
にIRパルスを印加しないということが本質的な特徴で
あるが、代表的に例示した上述の実施形態及び変形形態
に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求
の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸脱しない範囲
内で種々の態様に変形、変更することができ、それらも
本発明の権利範囲に属するものである。
とFASE法とを組み合わせたパルス列としてもよい。
テンプレートスキャンは、上述のように基準位相データ
を求めて後処理で正負を判定する場合に限られず、所
謂、IRパルスをオフとしたプレスキャンとして上述の
テンプレートスキャンに類似するスキャンを実施し、こ
のプレスキャンによって得た基準位相データの正負の極
性を、次の本スキャンの撮像パラメータの制御に反映さ
せるようにしてもよい。
ージングによれば、IRパルスを用いたパルスシーケン
スを実行してリアル成分画像を得る場合に、信号値の正
負の極性を正確に保持し、現実的なスキャン時間で、オ
ペレータに余分な作業を強いる事も無く、アーチファク
トを抑制した高画質で高精細なリアル成分画像を提供す
ることができる。
を示すブロック図。
るフローチャート。
の受信ゲインによる信号強度の違いを説明する図。
及び画像再構成の概略フローチャート。
いを説明する図。
式を従来方式と対比して説明する図。
緩和過程の違いを説明する図。
ックレンジの関係を説明する図。
Claims (10)
- 【請求項1】 磁化スピン反転用のIR(反転回復)パ
ルスを含まず且つテンプレート用パルス列のみを含む第
1のパルスシーケンスを被検体の撮像領域に実行して第
1のエコー信号を収集する第1のスキャン手段と、IR
パルスと当該パルス印加後の所定時間経過時に印加開始
されるイメージング用パルス列とを含む第2のパルスシ
ーケンスを前記撮像領域に実行して第2のエコー信号を
収集する第2のスキャン手段と、この第1のエコー信号
から磁化スピンの基準位相データを得る基準位相データ
取得手段と、前記基準位相データに基づき前記第2のエ
コー信号の正負の極性を決める決定手段と、この極性決
定された第2のエコー信号からリアル成分画像を生成す
る画像生成手段とを備えたことを特徴とするMRI装
置。 - 【請求項2】 請求項1記載のMRI装置において、 前記決定手段は、前記第2のエコー信号が前記基準位相
データに一致した位相の磁化ベクトルから生じたエコー
信号であるとき、当該第2のエコー信号の極性を正と決
定し、前記第2のエコー信号が前記基準位相データの反
対位相のデータに一致した磁化ベクトルから生じたエコ
ー信号であるとき、当該第2のエコー信号の極性を負と
決定する手段であるMRI装置。 - 【請求項3】 請求項2記載のMRI装置において、 前記画像生成手段は、前記決定手段に用いられたデータ
を併用して第2のエコー信号の位相及び振幅の少なくと
も一方を補正する補正手段と、この補正した第2のエコ
ー信号から前記リアル成分画像を再構成する再構成手段
とを備えるMRI装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか一項記載のMR
I装置において、 前記第1、第2のパルスシーケンスは共に高速SE法の
パルス列を有して形成されるMRI装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか一項記載のMR
I装置において、 前記第1のエコー信号を受信処理する第1の受信処理手
段と、、前記第2のエコー信号を受信処理する第2の受
信処理手段とを備える一方で、 この第1、第2の受信処理手段は、各々が受けた前記第
1、第2のエコー信号を互いに独立してゲイン調整する
ゲイン調整手段を各別に備えたMRI装置。 - 【請求項6】 請求項5記載のMRI装置において、 前記第2の受信処理手段に備えられるゲイン調整手段
は、前記第1の受信処理手段に備えられるゲイン調整手
段よりも高いゲインを有するMRI装置。 - 【請求項7】 請求項1乃至6の何れか一項記載のMR
I装置において、 前記第2のパルスシーケンスと前記第1のパルスシーケ
ンスとは共に2次元又は3次元のスキャンを実行するパ
ルスシーケンスであるMRI装置。 - 【請求項8】 磁化スピン反転用のIR(反転回復)パ
ルスを含まず且つテンプレート用パルス列のみを含む第
1のパルスシーケンスを被検体の撮像領域に実行して第
1のエコー信号を収集するとともに、IRパルスと当該
パルス印加後の所定時間経過時に印加開始されるイメー
ジング用パルス列とを含む第2のパルスシーケンスを前
記撮像領域に実行して第2のエコー信号を収集し、この
第1のエコー信号から磁化スピンの基準位相データを得
て、前記基準位相データに基づき前記第2のエコー信号
の正負の極性を決め、この極性決定された第2のエコー
信号からリアル成分画像を生成することを特徴とするM
Rイメージング方法。 - 【請求項9】 請求項8記載のMRイメージング方法に
おいて、 前記画像生成は、前記極性決定に用いられたデータを併
用して第2のエコー信号の位相及び振幅の少なくとも一
方を補正し、この補正した第2のエコー信号から前記リ
アル成分画像を再構成する処理であるMRイメージング
方法。 - 【請求項10】 請求項8又は9項記載のMRイメージ
ング方法において、 前記第1、第2のパルスシーケンスは共に、高速SE法
のパルス列を含むパルスシーケンスであるMRイメージ
ング方法。
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