JP2001299406A - ゴルフシューズ - Google Patents

ゴルフシューズ

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JP2001299406A
JP2001299406A JP2000123756A JP2000123756A JP2001299406A JP 2001299406 A JP2001299406 A JP 2001299406A JP 2000123756 A JP2000123756 A JP 2000123756A JP 2000123756 A JP2000123756 A JP 2000123756A JP 2001299406 A JP2001299406 A JP 2001299406A
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和彦 小林
Toshihiro Horii
利裕 堀井
Masatake Sakagami
正剛 阪上
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイング中のスリップが抑制されるゴルフシ
ューズの提供。 【解決手段】 ゴルフシューズは、打撃方向前側に位置
する軸足靴体1と、打撃方向後側に位置する蹴足靴体3
とを備えている。軸足靴体1はその底面に突出部として
の筋山5を多数備えており、この筋山5は、爪先方向に
凸である線に沿って形成されている。蹴足靴体3はその
底面に突出部としての筋山7を多数備えており、この筋
山7は、踵方向に凸である線に沿って形成されている。
筋山5、7は、爪先側壁面と、踵側壁面と、平坦面とを
備えている。軸足靴体1の筋山5では、爪先側壁面の方
が踵側壁面よりも起立している。蹴足靴体3の筋山7で
は、踵側壁面の方が爪先側壁面よりも起立している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフシューズに関
するものであり、特にゴルフシューズの底面のパターン
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルファーがゴルフボールを打撃する際
は、左右の足を結ぶ線が打撃方向とほぼ平行となるよう
にアドレスする。右利きのゴルファーのアドレスでは、
左足が打撃方向前側に位置し、右足が打撃方向後側に位
置する。アドレスでは、ゴルフクラブのヘッドはゴルフ
ボールの近くに位置する。この状態からテイクバックを
開始し、ゴルファーはヘッドを後へ、次いで上方へと振
り上げる。最もヘッドが振り上げられた位置がトップ位
置である。トップ位置からダウンスイングが開始されて
ヘッドが振り下ろされ、ヘッドがゴルフボールと衝突す
る(インパクト)。インパクト後、ゴルファーはゴルフ
クラブを前方へ、次いで上方へと振り抜き(フォロース
ルー)、フィニッシュを迎える。
【0003】トップ位置からフィニッシュにかけて、ゴ
ルファーは左足を軸としてボディターンを行う。同時に
ゴルファーは、右足で地面を蹴ってその力をゴルフボー
ルに伝える。つまり、右利きのゴルファーは、左足を軸
足として使い、右足を蹴足として使う。左利きゴルファ
ーの場合は、逆に右足を軸足として使い、左足を蹴足と
して使う。
【0004】トップ位置からフィニッシュにかけて、ゴ
ルファーの両足には大きな力がかかる。この力によっ
て、ゴルフシューズが地面とスリップを起こすことがあ
る。スリップが起こると、スイングフォームが乱れてミ
スショットが発生してしまうことがある。
【0005】スリップの防止のため、ゴルフシューズの
底面に針状のスパイクピンが設けられることがある。こ
のゴルフシューズではスリップはかなり防止されるもの
の、スパイクピンがパッティンググリーンの芝生、クラ
ブハウスの床、ゴルフコース中に設けられた歩行用通路
の路面等を傷めるという問題が指摘されている。従っ
て、スパイクピンを備えたゴルフシューズは近年ではあ
まり好まれて用いられてはいない。
【0006】スパイクピンに代えてゴムや合成樹脂から
なる突出部が底面に設けられたゴルフシューズが提案さ
れ、普及しつつある。このゴルフシューズでは、芝生等
が傷つけられることが少ない。しかしながらこのゴルフ
シューズでは、突出部のスリップ防止効果がスパイクピ
ンに比べて劣るという問題がある。特許第294621
5号公報には、前述のような左足と右足との役割の相違
が考慮され、左足用の靴体と右足用の靴体とで突起のパ
ターンが異なるゴルフシューズが提案されているが、ス
リップ防止の観点から未だ改良の余地がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者がトップ位置
からインパクトにかけて足にかかる力のベクトル(すな
わち大きさと方向)を調査したところ、以下のことが判
明した。
【0008】まず軸足では、力は大まかには踵から爪先
に向かう方向(以下「正面方向」と称される)にかかっ
ている。詳細には、トップ位置では力は足の打撃方向後
寄り(ゴルファーの軸足にとってのインサイド寄り)に
主としてかかっており、その向きもやや後側向きな正面
方向である。スイングの進行に応じて、主として力のか
かる位置は足の中央へ、そして前寄り(ゴルファーの軸
足にとってのアウトサイド寄り)へと移行する。また、
スイングの進行に応じて、力の方向も完全な正面方向
へ、そしてやや前側向きな正面方向へと移行する。これ
らの変化は、軸足が軸とされたボディーターンと体重の
移動とに起因すると考えられる。
【0009】次に蹴足では、力は大まかには爪先から踵
に向かう方向(以下「背面方向」と称される)にかかっ
ている。詳細には、トップ位置では力は足の打撃方向前
寄り(ゴルファーの蹴足にとってのインサイド寄り)に
主としてかかっており、その向きもやや前向きの背面方
向である。スイングの進行に応じて、主として力のかか
る位置は足の中央へ、そして後寄り(ゴルファーの蹴足
にとってのアウトサイド寄り)へと移行する。また、ス
イングの進行に応じて、力の方向も完全な背面方向へ、
そしてやや後向きな背面方向へと移行する。これらの変
化は、ダウンスイング開始時の蹴足から軸足への体重移
動と、その後の蹴足の回転とに起因すると考えられる。
【0010】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
ものであり、スイング中のスリップが抑制されるゴルフ
シューズの提供をその目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めになされた発明は、ゴルファーがゴルフボールを打撃
する際に打撃方向前側に位置する軸足靴体と打撃方向後
側に位置する蹴足靴体とからなり、この軸足靴体及び蹴
足靴体の底面に突出部が形成されているゴルフシューズ
であって、軸足靴体には爪先方向に凸である線に沿った
突出部が主として形成されており、蹴足靴体には踵方向
に凸である線に沿った突出部が主として形成されている
ことを特徴とするゴルフシューズ、である。
【0012】このゴルフシューズでは、軸足靴体及び蹴
足靴体に、スイング中に軸足及び蹴足のそれぞれにかか
る力のベクトルの移動に応じた突出部が形成されてい
る。すなわち、トップ位置からインパクトにかけてのそ
れぞれの時点において最も力のかかる位置に、この力と
ほぼ直交する突起部が位置する。従って、ゴルフシュー
ズと地面とのスリップ(軸足靴体の略爪先方向へのスリ
ップ及び蹴足靴体の略踵方向へのスリップ)が抑制され
る。また、蹴足靴体には踵方向に凸である線に沿った突
出部が主として形成されているので、スイングの進行に
伴う蹴足の回転(この回転は爪先近傍が軸とされた回転
である)が円滑に行われる。
【0013】好ましくは、軸足靴体に形成された爪先方
向に凸である線に沿った突出部は、この突出部の横断面
において最も爪先寄りに位置する爪先側壁面と、最も踵
寄りに位置する踵側壁面とを備える。そして、突出部の
横断面形状における爪先側壁面と水平方向底面とのなす
内角は、突出部の横断面形状における踵側壁面と水平方
向底面とのなす内角よりも大きい。これにより、爪先側
壁面が軸足靴体の略爪先方向へのスリップを抑制しつ
つ、軸足靴体の接地圧が高められる。
【0014】好ましくは、軸足靴体に形成された爪先方
向に凸である線に沿った突出部の最も爪先寄りに位置す
る爪先側壁面がこの突出部の横断面形状において水平方
向底面となす内角は、60度以上120度以下である。
このような爪先側壁面は、軸足靴体の略爪先方向へのス
リップをより抑制する。
【0015】好ましくは、蹴足靴体に形成された踵方向
に凸である線に沿った突出部は、この突出部の横断面に
おいて最も爪先寄りに位置する爪先側壁面と、最も踵寄
りに位置する踵側壁面とを備える。そして、突出部の横
断面形状における爪先側壁面と水平方向底面とのなす内
角は、突出部の横断面形状における踵側壁面と水平方向
底面とのなす内角よりも小さい。これにより、踵側壁面
が蹴足靴体の略踵方向へのスリップを抑制しつつ、蹴足
靴体の接地圧が高められる。
【0016】好ましくは、蹴足靴体に形成された踵方向
に凸である線に沿った突出部の最も踵寄りに位置する踵
側壁面がこの突出部の横断面形状において水平方向底面
となす内角は、60度以上120度以下である。このよ
うな踵側壁面は、踵側靴体の略踵方向へのスリップをよ
り抑制する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、
本発明の実施形態が説明される。なお、以下の説明で用
いられる図面は、全て右利きゴルファー用のゴルフシュ
ーズの図面である。従って、軸足靴体が左足に着用さ
れ、蹴足靴体が右足に着用される。左利きゴルファー用
のゴルフシューズでは、以下の図面示される形状が反転
された形状となる。
【0018】図1(a)は本発明の一実施形態にかかる
ゴルフシューズの軸足靴体1のソール部分が示された底
面図であり、図1(b)はそのB−B線に沿った断面図
である。また、図1(c)はこのゴルフシューズの蹴足
靴体3のソール部分が示された底面図であり、図1
(d)はそのD−D線に沿った断面図である。なお、図
示されていないが、このゴルフシューズは、通常のゴル
フシューズと同様のアッパー部等を備えている。図1
(a)及び図1(c)において右方向が打撃方向前側で
あり、左方向が打撃方向後側である。また、図1(a)
から図1(d)において上方向が爪先方向であり、下方
向が踵方向である。
【0019】図1(a)において符号Tjで示される矢
印は、トップ位置で軸足にかかる力のベクトルである。
また、符号Fjで示される矢印は、インパクト直前で軸
足にかかる力のベクトルである。トップ位置からインパ
クト直前にかけてのスイングにおいて軸足にかかる力の
位置と方向とは、矢印Tjの状態から矢印Fjの状態へ
と、図においてほぼ時計回り方向に刻々と変化する。
【0020】図1(a)及び図1(b)から明らかなよ
うに、軸足靴体1はその底面に突出部としての筋山5を
多数備えている。この筋山5は、爪先方向に凸である線
(ここでは略放物線)に沿って形成されている。すなわ
ち、筋山5が沿う線(この図では曲線)は、その両端を
結ぶ線分よりも爪先寄りに位置している。筋山5がこの
ような形状とされることにより、矢印Tjの状態から矢
印Fjの状態へと力のベクトルが移行するそれぞれの時
点での作用点において、ベクトルの方向にほぼ直交する
ように筋山5が位置することとなる。これにより、軸足
靴体1のスリップが有効に抑制される。筋山5が沿う線
は爪先方向に凸であれば足り、その形状は制限されな
い。例えば、この線は円弧状でもよく、放物線状でもよ
い。また、例えばサインカーブのような途中に変曲点を
有する曲線でもよい。また、複数の線分の組み合わせ
や、線分と曲線の組み合わせでもよい。
【0021】図1(c)において符号Tkで示される矢
印は、トップ位置で蹴足にかかる力のベクトルである。
また、符号Fkで示される矢印は、インパクト直前で蹴
足にかかる力のベクトルである。トップ位置からインパ
クト直前にかけてのスイングにおいて蹴足にかかる力の
位置と方向とは、矢印Tkの状態から矢印Fkの状態へ
と、図においてほぼ時計回り方向に刻々と変化する。
【0022】図1(c)及び図1(d)から明らかなよ
うに、蹴足靴体3はその底面に突出部としての筋山7を
多数備えている。この筋山7は、踵方向に凸である線
(ここでは略円弧)に沿って形成されている。すなわ
ち、筋山7が沿う線(この図では曲線)は、その両端を
結ぶ線分よりも踵寄りに位置している。筋山7がこのよ
うな形状とされることにより、矢印Tkの状態から矢印
Fkの状態へと力のベクトルが移行するそれぞれの時点
での作用点において、ベクトルの方向にほぼ直交するよ
うに筋山7が位置することとなる。これにより、蹴足靴
体6のスリップが有効に抑制される。筋山7が沿う線
は、軸足靴体1と同様、例えば円弧状、放物線状、サイ
ンカーブ状、複数の線分の組み合わせ、線分と曲線の組
み合わせ等、種々の形状が採用されうる。
【0023】スイングの進行に伴い蹴足は爪先近傍を軸
として回転するが、図1(c)に示されるように踵方向
に凸である線に沿って筋山7が形成されておれば、この
回転が円滑になる。
【0024】図1(a)に示されるように、軸足靴体1
では全ての筋山5が爪先方向に凸な線に沿って形成され
ているが、爪先方向に凸な線に沿って形成された筋山5
と他の筋山5とがともに形成されてもよい。この場合
は、全ての筋山5の全長に占める爪先方向に凸な線に沿
って形成された筋山5の比率が50%以上、特には70
%以上とされるのが好ましい。
【0025】図1(c)に示されるように、蹴足靴体3
では全ての筋山7が踵方向に凸な線に沿って形成されて
いるが、踵方向に凸な線に沿って形成された筋山7と他
の筋山7とがともに形成されてもよい。この場合は、全
ての筋山7の全長に占める踵方向に凸な線に沿って形成
された筋山7の比率が50%以上、特には70%以上と
されるのが好ましい。
【0026】図2(a)は図1(b)の軸足靴体1の一
部が示された拡大図であり、図2(b)は図1(d)の
蹴足靴体3の一部が示された拡大図である。図2におい
て左方向が爪先方向であり、右方向が踵方向である。図
2(a)及び図2(b)は、筋山5、7のほぼ横方向に
沿った断面図である。
【0027】図2(a)に示されるように、軸足靴体1
の筋山5は、爪先側壁面9と、踵側壁面11と、平坦面
13とを備えている。爪先側壁面9は、筋山5の横断面
において最も爪先寄りに位置する。また、踵側壁面11
は、筋山5の横断面において最も踵寄りに位置する。符
号αは、筋山5の横断面形状における爪先側壁面9と水
平方向底面とのなす内角である。また、符号βは、筋山
5の横断面形状における踵側壁面11と水平方向底面と
のなす内角である。図2(a)から明らかなように、角
度αは角度βよりも大きい。すなわち、爪先側壁面9
は、踵側壁面11に比べてより起立している。このよう
に起立した爪先側壁面9により、軸足靴体1の略爪先方
向へのスリップがよりよく抑制される。なお、踵側壁面
11は軸足靴体1の略爪先方向へのスリップ防止には直
接は寄与しないが、角度βが小さくされることにより平
坦面13の面積(すなわち軸足靴体1の接地面積)が小
さくなり、接地圧が高まるので、これによってスリップ
がよりよく抑制される。
【0028】軸足靴体1における角度αは、60度(de
gree)以上120度以下が好ましく、80度以上120
度以下が特に好ましい。角度αが上記範囲未満である
と、軸足靴体1のスリップ防止効果が不十分となってし
まうことがある。逆に、角度αが上記範囲を超えると、
歩行中に筋山5、5同士の間に土が詰まりやすくなり、
また金型による靴底成形時の脱型が困難となってしまう
ことがある。なお、軸足靴体1における角度αと角度β
との差は15度以上が好ましく、特に30度以上が好ま
しい。
【0029】図2(b)に示されるように、蹴足靴体3
の筋山7も、図2(a)に示された軸足靴体1と同様
に、爪先側壁面15と、踵側壁面と17、平坦面19と
を備えている。図2(b)から明らかなように、角度α
は角度βよりも小さい。すなわち、踵側壁面17は、爪
先側壁面15に比べてより起立している。このように起
立した踵側壁面17により、蹴足靴体3の略踵方向への
スリップがよりよく抑制される。なお、爪先側壁面15
は蹴足靴体3の略踵方向へのスリップ防止には直接は寄
与しないが、角度αが小さくされることにより平坦面1
9の面積(すなわち蹴足靴体3の接地面積)が小さくな
り、接地圧が高まるので、これによってスリップがより
よく抑制される。
【0030】蹴足靴体3における角度βは60度以上1
20度以下が好ましく、80度以上120度以下が特に
好ましい。角度βが上記範囲未満であると、蹴足靴体3
のスリップ防止効果が不十分となってしまうことがあ
る。逆に、角度βが上記範囲を超えると、歩行中に筋山
7,7同士の間に土が詰まりやすくなり、また金型によ
る靴底成形時の脱型が困難となってしまうことがあ
る。。なお、蹴足靴体3における角度αと角度βとの差
は15度以上が好ましく、特に30度以上が好ましい。
【0031】なお、スリップ防止性能向上の観点から、
軸足靴体1及び蹴足靴体3のそれぞれにおける筋山5、
7の間隔(平坦面13、19を備えた筋山5、7では平
坦面13、19の間の距離であり、図2(a)及び図2
(b)において両矢印Pで示される。)は2mm以上3
0mm以下が好ましい。また、スリップ防止性能向上の
観点から、軸足靴体1及び蹴足靴体3のそれぞれにおけ
る筋山5、7の高さ(図2(a)及び図2(b)におい
て両矢印Hで示される)は2mm以上15mm以下が好
ましい。
【0032】図3(a)は本発明の他の実施形態にかか
るゴルフシューズの軸足靴体21のソール部分が示され
た拡大断面図であり、図3(b)はこのゴルフシューズ
の蹴足靴体23のソール部分が示された拡大断面図であ
る。図3(a)及び図3(b)において左方向が爪先方
向であり、右方向が踵方向である。このゴルフシューズ
の底面にも、図1及び図2に示されたゴルフシューズと
同様に、突出部としての筋山25、27が形成されてい
る。図示されていないが、軸足靴体21の筋山25は爪
先方向に凸である線に沿って形成されている。また、蹴
足靴体23の筋山27は、踵方向に凸である線に沿って
形成されている。これらの筋山25、27は、爪先側壁
面29、31と、踵側壁面33、35と、平坦面37、
39とを備えている。筋山25、27の横断面における
爪先側壁面29、31及び踵側壁面33、35の形状
は、略円弧状である。図3(a)及び図3(b)に示さ
れるように、略円弧状の爪先側壁面29、31の角度α
は、基準となる水平線と爪先側壁面29、31との交点
における爪先側壁面29、31の接線と水平線とのなす
角度である。また、略円弧状の踵側壁面33、35の角
度βは、基準となる水平線と踵側壁面33、35との交
点における踵側壁面33、35の接線と水平線とのなす
角度である。
【0033】図3(a)に示されるように、このゴルフ
シューズでも、軸足靴体21では角度αが角度βよりも
大きくされている。これにより軸足靴体21の高い接地
圧が発現されつつ、爪先側壁面29によって軸足靴体2
1の略爪先方向へのスリップが防止される。また、図3
(b)に示されるように、蹴足靴体23では角度αが角
度βよりも小さくされている。これにより蹴足靴体23
の高い接地圧が発現されつつ、踵側壁面35によって蹴
足靴体23の略踵方向へのスリップが防止される。
【0034】図3に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体2
1における角度αは、60度以上120度以下が好まし
く、80度以上120度以下が特に好ましい。同様に、
蹴足靴体23における角度βは60度以上120度以下
が好ましく、80度以上120度以下が特に好ましい。
さらに、軸足靴体21及び蹴足靴体23のそれぞれにお
いて、角度αと角度βとの差は15度以上が好ましく、
特に30度以上が好ましい。
【0035】図3に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体2
1及び蹴足靴体23における筋山25、27の間隔Pは
2mm以上30mm以下が好ましい。また、軸足靴体2
1及び蹴足靴体23における筋山25、27の高さHは
2mm以上15mm以下が好ましい。
【0036】図4(a)は本発明のさらに他の実施形態
にかかるゴルフシューズの軸足靴体41のソール部分が
示された拡大断面図であり、図4(b)はこのゴルフシ
ューズの蹴足靴体43のソール部分が示された拡大断面
図である。図4(a)及び図4(b)において左方向が
爪先方向であり、右方向が踵方向である。このゴルフシ
ューズの底面にも、図1及び図2に示されたゴルフシュ
ーズと同様に、突出部としての筋山45、47が形成さ
れている。図示されていないが、軸足靴体41の筋山4
5は爪先方向に凸である線に沿って形成されている。ま
た、蹴足靴体43の筋山47は、踵方向に凸である線に
沿って形成されている。これらの筋山45、47は、爪
先側壁面49、51と、踵側壁面53、55と、平坦面
57、59とを備えている。また、筋山45、47と筋
山45、47との間には、凹陥部61、63が形成され
ている。凹陥部61、63によって軸足靴体41及び蹴
足靴体43の接地面積がより少なくなり、スリップが防
止される。
【0037】図4(a)に示されるように、このゴルフ
シューズでも、軸足靴体41では角度αが角度βよりも
大きくされている。これにより軸足靴体41の高い接地
圧が発現されつつ、爪先側壁面49によって軸足靴体4
1の略爪先方向へのスリップが防止される。また、図4
(b)に示されるように、蹴足靴体43では角度αが角
度βよりも小さくされている。これにより蹴足靴体43
の高い接地圧が発現されつつ、踵側壁面55によって蹴
足靴体43の略踵方向へのスリップが防止される。
【0038】図4に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体4
1における角度αは、60度以上120度以下が好まし
く、80度以上120度以下が特に好ましい。同様に、
蹴足靴体43における角度βは60度以上120度以下
が好ましく、80度以上120度以下が特に好ましい。
さらに、軸足靴体41及び蹴足靴体43のそれぞれにお
けいて、角度αと角度βとの差は15度以上が好まし
く、特に30度以上が好ましい。
【0039】図4に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体4
1及び蹴足靴体43における筋山45、47の間隔Pは
2mm以上30mm以下が好ましい。また、軸足靴体4
1及び蹴足靴体43における筋山45、47の高さHは
2mm以上15mm以下が好ましい。
【0040】図5(a)は本発明のさらに他の実施形態
にかかるゴルフシューズの軸足靴体65のソール部分が
示された拡大断面図であり、図5(b)はこのゴルフシ
ューズの蹴足靴体67のソール部分が示された拡大断面
図である。図5(a)及び図5(b)において左方向が
爪先方向であり、右方向が踵方向である。このゴルフシ
ューズの底面にも、図1及び図2に示されたゴルフシュ
ーズと同様に、突出部としての筋山69、71が形成さ
れている。図示されていないが、軸足靴体65の筋山6
9は爪先方向に凸である線に沿って形成されている。ま
た、蹴足靴体67の筋山71は、踵方向に凸である線に
沿って形成されている。これらの筋山69、71は、爪
先側壁面73、75と踵側壁面77、79とを備えてい
る。また、筋山69、71と筋山69、71との間に
は、凹陥部79、81が形成されている。これらの筋山
69、71は、図1及び図2に示されたゴルフシューズ
のような平坦部13は備えていない。すなわち、このゴ
ルフシューズでは、爪先側壁面73、75と踵側壁面7
7、79との交点のみの、極めて少ない面積で接地す
る。従って、接地圧が極めて大きくなり、軸足靴体65
及び蹴足靴体67のスリップが防止される。
【0041】図5(a)に示されるように、このゴルフ
シューズでも、軸足靴体65では角度αが角度βよりも
大きくされている。これにより軸足靴体65の高い接地
圧が発現されつつ、爪先側壁面73によって軸足靴体6
5の略爪先方向へのスリップが防止される。また、図5
(b)に示されるように、蹴足靴体67では角度αが角
度βよりも小さくされている。これにより蹴足靴体67
の高い接地圧が発現されつつ、踵側壁面79によって蹴
足靴体67の略踵方向へのスリップが防止される。
【0042】図5に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体6
5における角度αは、60度以上120度以下が好まし
く、80度以上120度以下が特に好ましい。同様に、
蹴足靴体67における角度βは60度以上120度以下
が好ましく、80度以上120度以下が特に好ましい。
さらに、軸足靴体65及び蹴足靴体67のそれぞれにお
いて、角度αと角度βとの差は15度以上が好ましく、
特に30度以上が好ましい。
【0043】図5に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体6
5及び蹴足靴体67における筋山69、71の間隔Pは
2mm以上30mm以下が好ましい。また、軸足靴体6
5及び蹴足靴体67における筋山69、71の高さHは
2mm以上15mm以下が好ましい。
【0044】図6(a)は本発明のさらに他の実施形態
にかかるゴルフシューズの軸足靴体83のソール部分が
示された拡大断面図であり、図6(b)はこのゴルフシ
ューズの蹴足靴体85のソール部分が示された拡大断面
図である。図6(a)及び図6(b)において左方向が
爪先方向であり、右方向が踵方向である。このゴルフシ
ューズの底面にも、図1及び図2に示されたゴルフシュ
ーズと同様に、突出部としての筋山87、89が形成さ
れている。図示されていないが、軸足靴体83の筋山8
7は爪先方向に凸である線に沿って形成されている。ま
た、蹴足靴体85の筋山89は、踵方向に凸である線に
沿って形成されている。これらの筋山87、89は、爪
先側壁面91、93と、踵側壁面95、97と、平坦面
99、101とを備えている。また、筋山87、89と
筋山87、89との間には、凹陥部103、105が形
成されている。
【0045】図6(a)及び図6(b)に示されるよう
に、このゴルフシューズの軸足靴体83及び蹴足靴体8
5では、いずれも角度α及び角度βが直角である。すな
わち、爪先側壁面91、93及び踵側壁面95、97
は、鉛直方向に起立している。軸足靴体83では、起立
した爪先側壁面91によって略爪先方向へのスリップが
抑制される。また、蹴足靴体85では、起立した踵側壁
面97によって略踵方向へのスリップが抑制される。
【0046】図6に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体8
3及び蹴足靴体85における筋山87、89の間隔Pは
2mm以上30mm以下が好ましい。また、軸足靴体8
3及び蹴足靴体85における筋山87、89の高さHは
2mm以上15mm以下が好ましい。
【0047】図7(a)は本発明のさらに他の実施形態
にかかるゴルフシューズの軸足靴体107のソール部分
が示された拡大断面図であり、図7(b)はこのゴルフ
シューズの蹴足靴体109のソール部分が示された拡大
断面図である。図7(a)及び図7(b)において左方
向が爪先方向であり、右方向が踵方向である。このゴル
フシューズの底面にも、図1及び図2に示されたゴルフ
シューズと同様に、突出部としての筋山111、113
が形成されている。図示されていないが、軸足靴体10
7の筋山111は爪先方向に凸である線に沿って形成さ
れている。また、蹴足靴体109の筋山113は、踵方
向に凸である線に沿って形成されている。これらの筋山
111、113は、爪先側壁面115、117と、踵側
壁面119、121と、平坦面123、125とを備え
ている。また、筋山111、113と筋山111、11
3との間には、凹陥部127、129が形成されてい
る。
【0048】図7(a)及び図7(b)に示されるよう
に、このゴルフシューズの軸足靴体107及び蹴足靴体
109では角度αと角度βとが同等であり、ともに約4
5度とされている。すなわち、爪先側壁面115、11
7及び踵側壁面119、121の起立の程度は少ない。
このため、軸足靴体107及び蹴足靴体109におい
て、筋山111、113の横断面形状に起因するスリッ
プ防止効果はさほど高くない。しかしながら、軸足靴体
107では前述のように筋山111が爪先方向に凸であ
る線に沿って形成されているので、スイングにおいて常
に力のベクトルと略直交する筋山111が存在すること
によるスリップ防止効果は維持される。同様に、蹴足靴
体109では前述のように筋山113が踵方向に凸であ
る線に沿って形成されているので、スイングにおいて常
に力のベクトルと略直交する筋山113が存在すること
によるスリップ防止効果は維持される。
【0049】図7に示されたゴルフシューズでも、図1
及び図2に示されたゴルフシューズと同様、軸足靴体1
07及び蹴足靴体109における筋山111、113の
間隔Pは2mm以上30mm以下が好ましい。また、軸
足靴体107及び蹴足靴体109における筋山111、
113の高さHは2mm以上15mm以下が好ましい。
【0050】図8(a)は本発明のさらに他の実施形態
にかかるゴルフシューズの軸足靴体131のソール部分
が示された底面図であり、図8(b)はそのB−B線に
沿った断面図である。また、図8(c)はこのゴルフシ
ューズの蹴足靴体133のソール部分が示された底面図
であり、図8(d)はそのD−D線に沿った断面図であ
る。なお、図示されていないが、このゴルフシューズ
は、通常のゴルフシューズと同様のアッパー部等を備え
ている。図8(a)及び図8(c)において右方向が打
撃方向前側であり、左方向が打撃方向後側である。ま
た、図8(a)から図8(d)において上方向が爪先方
向であり、下方向が踵方向である。図8(a)及び図8
(b)には、図1と同様の力のベクトルTj、Fj、T
k及びFkが示されている。
【0051】図8(a)及び図8(b)から明らかなよ
うに、軸足靴体131はその底面に突出部としての凸状
ブロック135を多数備えている。この凸状ブロック1
35は、爪先方向に凸である線(ここでは略放物線)に
沿って配置されている。ソール部分のうち凸状ブロック
135以外の部分は、凹陥部137である。図8(b)
から明らかなように、凸状ブロック135は爪先側壁面
139と踵側壁面141とを備えている。爪先側壁面1
39は、略鉛直方向に起立している。凸状ブロック13
5が爪先方向に凸である線に沿って配置されることによ
り、矢印Tjの状態から矢印Fjの状態へと力のベクト
ルが移行するそれぞれの時点での作用点において、ベク
トルの方向にほぼ直交するように爪先側壁面139が位
置することとなる。これにより、軸足靴体131のスリ
ップが有効に抑制される。
【0052】図8(c)及び図8(d)から明らかなよ
うに、蹴足靴体133はその底面に突出部としての凸状
ブロック143を多数備えている。この凸状ブロック1
43は、踵方向に凸である線(ここでは略円弧)に沿っ
て配置されている。ソール部分のうち凸状ブロック14
3以外の部分は、凹陥部145である。図8(d)から
明らかなように、凸状ブロック143は爪先側壁面14
7と踵側壁面149とを備えている。踵側壁面149
は、略鉛直方向に起立している。凸状ブロック143が
踵方向に凸である線に沿って配置されることにより、矢
印Tkの状態から矢印Fkの状態へと力のベクトルが移
行するそれぞれの時点での作用点において、ベクトルの
方向にほぼ直交するように踵側壁面149が位置するこ
ととなる。これにより、蹴足靴体133のスリップが有
効に抑制される。スイングの進行に伴い蹴足は爪先近傍
を軸として回転するが、図8(c)に示されるように踵
方向に凸である線に沿って凸状ブロック143が形成さ
れておれば、この回転が円滑になる。
【0053】軸足靴体131及び蹴足靴体133のそれ
ぞれにおいて凸状ブロック135、143が沿う線は、
例えば円弧状、放物線状、サインカーブ状、複数の線分
の組み合わせ、線分と曲線の組み合わせ等、種々の形状
が採用されうる。
【0054】図8(a)に示されるように、軸足靴体1
31では全ての凸状ブロック135が爪先方向に凸な線
に沿って形成されているが、爪先方向に凸な線に沿って
形成された凸状ブロック135と他の凸状ブロック13
5とがともに形成されてもよい。この場合は、凸状ブロ
ック135の全面積に占める爪先方向に凸な線に沿って
形成された凸状ブロック135の比率が50%以上、特
には70%以上とされるのが好ましい。ここで「爪先方
向に凸な線に沿って形成された凸状ブロック」とは、そ
の全長のうち40%以上が連続的に形成された凸状ブロ
ック135と重なり、しかも爪先方向に凸である線が想
定されうる場合に、その線と重なりをもつ凸状ブロック
135を意味する。
【0055】図8(c)に示されるように、蹴足靴体1
33では全ての凸状ブロック143が踵方向に凸な線に
沿って形成されているが、踵方向に凸な線に沿って形成
された凸状ブロック143と他の凸状ブロック143と
がともに形成されてもよい。この場合は、凸状ブロック
143の全面積に占める踵方向に凸な線に沿って形成さ
れた凸状ブロック143の比率が50%以上、特には7
0%以上とされるのが好ましい。ここで「踵方向に凸な
線に沿って形成された凸状ブロック」とは、その全長の
うち40%以上が連続的に形成された凸状ブロック14
3と重なり、しかも踵方向に凸である線が想定されうる
場合に、その線と重なりをもつ凸状ブロック143を意
味する。
【0056】軸足靴体131の凸状ブロック135の横
断面形状は、図8(b)に示されたものには限られな
い。例えば、図2(a)に示された筋山5の横断面形
状、図3(a)に示された筋山25の横断面形状、図4
(a)に示された筋山45の横断面形状、図6(a)に
示された筋山87の横断面形状、図7(a)に示された
筋山111の横断面形状等に類似の形状とされてもよ
い。
【0057】蹴足靴体133の凸状ブロック143の横
断面形状は、図8(d)に示されたものには限られな
い。例えば、図2(b)に示された筋山7の横断面形
状、図3(b)に示された筋山27の横断面形状、図4
(b)に示された筋山47の横断面形状、図6(b)に
示された筋山89の横断面形状、図7(b)に示された
筋山113の横断面形状等に類似の形状とされてもよ
い。
【0058】軸足靴体131の凸状ブロック135の横
断面形状における爪先側壁面139と水平方向底面との
なす内角は、60度以上120度以下が好ましく、80
度以上120度以下が特に好ましい。この内角が上記範
囲未満であると、軸足靴体131のスリップ防止効果が
不十分となってしまうことがある。逆に、この内角が上
記範囲を超えると、歩行中に凸状ブロック135、13
5同士の間に土が詰まりやすくなり、また金型による靴
底成形時の脱型が困難となってしまうことがある。ま
た、軸足靴体131の凸状ブロック135の横断面形状
における爪先側壁面139と水平方向底面とのなす内角
が、凸状ブロック135の横断面形状における踵側壁面
141と水平方向底面とのなす内角よりも大きいのが好
ましい。具体的には、両者の差は15度以上が好まし
く、特に30度以上が好ましい。これにより、軸足靴体
131の接地圧が向上する。
【0059】蹴足靴体133の凸状ブロック143の横
断面形状における踵側壁面149と水平方向底面とのな
す内角は、60度以上120度以下が好ましく、80度
以上120度以下が特に好ましい。この内角が上記範囲
未満であると、蹴足靴体133のスリップ防止効果が不
十分となってしまうことがある。逆に、この内角が上記
範囲を超えると、歩行中に凸状ブロック143、143
同士の間に土が詰まりやすくなり、また金型による靴底
成形時の脱型が困難となってしまうことがある。また、
蹴足靴体133の凸状ブロック143の横断面形状にお
ける爪先側壁面147と水平方向底面とのなす内角が、
凸状ブロック143の横断面形状における踵側壁面14
9と水平方向底面とのなす内角よりも小さいのが好まし
い。具体的には、両者の差は15度以上が好ましく、特
に30度以上が好ましい。これにより、蹴足靴体133
の接地圧が向上する。
【0060】スリップ防止性能向上の観点から、軸足靴
体131及び蹴足靴体133における凸状ブロック13
5、143の間隔Pは2mm以上30mm以下が好まし
い。また、スリップ防止性能向上の観点から、軸足靴体
131及び蹴足靴体133における凸状ブロック13
5、143の高さHは2mm以上15mm以下が好まし
い。
【0061】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果が明らか
にされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定
的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
【0062】[実施例1]ソール部分が発泡ゴムからな
る市販の紳士用革靴を用意し、電熱ナイフで底面に筋溝
を彫り込んで筋山を形成し、実施例1のゴルフシューズ
を得た。軸足靴体(左足用)の筋山を、図1(a)に示
されるような爪先方向に凸である形状とした。また蹴足
靴体(右足用)の筋山を、図1(c)に示されるような
踵方向に凸である形状とした。また、軸足靴体及び蹴足
靴体の筋山の横断面形状を、図6に示されるように爪先
側壁面、踵側壁面及び平坦面を備えており、角度α及び
角度βが約90度であり、筋山の間隔Pが約8mmであ
り、筋山の高さHが約6mmである形状とした。
【0063】[実施例2]軸足靴体及び蹴足靴体の筋山
の横断面形状を、図7に示されるように爪先側壁面、踵
側壁面及び平坦面を備えており、角度α及び角度βが約
45度であり、筋山の間隔Pが約8mmであり、筋山の
高さHが約6mmである形状とした他は実施例1と同様
にして、実施例2のゴルフシューズを得た。
【0064】[比較例]軸足靴体及び蹴足靴体の筋山
を、打撃方向に伸びる直線状とした他は実施例2と同様
にして、比較例のゴルフシューズを得た。
【0065】[ゴルフシューズの評価]右利きのゴルフ
ァー10名それぞれに、実施例1、実施例2及び比較例
のゴルフシューズを着用させ、ゴルフ場のティグラウン
ドでドライバーにてゴルフボールを打撃させた。そし
て、スリップ防止性とスイングしやすさとを、「1」か
ら「5」の5段階で評価させた。スリップ防止性につい
ては、最もスリップしにくいものを「5」とし、最もス
リップしやすいものを「1」とした。また、スイングし
やすさについては、最もスイングしやすいものを「5」
とし、最もスイングしにくいものを「1」とした。10
名のゴルファーの評価点の平均値が、下記の表1に示さ
れている。
【0066】
【表1】
【0067】表1において、各実施例のゴルフシューズ
は比較例のゴルフシューズに比べて評価点が優れてい
る。このことから、本発明の優位性が確認される。
【0068】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明のゴルフ
シューズをゴルファーが着用することにより、スイング
中のスリップが防止される。これにより、スイングフォ
ームの乱れによるミスショットが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態にかかるゴル
フシューズの軸足靴体のソール部分が示された底面図で
あり、図1(b)はそのB−B線に沿った断面図であ
る。また、図1(c)はこのゴルフシューズの蹴足靴体
のソール部分が示された底面図であり、図1(d)はそ
のD−D線に沿った断面図である。
【図2】図2(a)は図1(b)の軸足靴体の一部が示
された拡大図であり、図2(b)は図1(d)の蹴足靴
体の一部が示された拡大図である。
【図3】図3(a)は本発明の他の実施形態にかかるゴ
ルフシューズの軸足靴体のソール部分が示された拡大断
面図であり、図3(b)はこのゴルフシューズの蹴足靴
体のソール部分が示された拡大断面図である。
【図4】図4(a)は本発明のさらに他の実施形態にか
かるゴルフシューズの軸足靴体のソール部分が示された
拡大断面図であり、図4(b)はこのゴルフシューズの
蹴足靴体のソール部分が示された拡大断面図である。
【図5】図5(a)は本発明のさらに他の実施形態にか
かるゴルフシューズの軸足靴体のソール部分が示された
拡大断面図であり、図5(b)はこのゴルフシューズの
蹴足靴体のソール部分が示された拡大断面図である。
【図6】図6(a)は本発明のさらに他の実施形態にか
かるゴルフシューズの軸足靴体のソール部分が示された
拡大断面図であり、図6(b)はこのゴルフシューズの
蹴足靴体のソール部分が示された拡大断面図である。
【図7】図7(a)は本発明のさらに他の実施形態にか
かるゴルフシューズの軸足靴体のソール部分が示された
拡大断面図であり、図7(b)はこのゴルフシューズの
蹴足靴体のソール部分が示された拡大断面図である。
【図8】図8(a)は本発明のさらに他の実施形態にか
かるゴルフシューズの軸足靴体のソール部分が示された
底面図であり、図8(b)はそのB−B線に沿った断面
図である。また、図8(c)はこのゴルフシューズの蹴
足靴体のソール部分が示された底面図であり、図8
(d)はそのD−D線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1・・・軸足靴体 3・・・蹴足靴体 5、7・・・筋山 9、15・・・爪先側壁面 11、17・・・踵側壁面 13、19・・・平坦面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月31日(2000.5.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】図5(a)は本発明のさらに他の実施形態
にかかるゴルフシューズの軸足靴体65のソール部分が
示された拡大断面図であり、図5(b)はこのゴルフシ
ューズの蹴足靴体67のソール部分が示された拡大断面
図である。図5(a)及び図5(b)において左方向が
爪先方向であり、右方向が踵方向である。このゴルフシ
ューズの底面にも、図1及び図2に示されたゴルフシュ
ーズと同様に、突出部としての筋山69、71が形成さ
れている。図示されていないが、軸足靴体65の筋山6
9は爪先方向に凸である線に沿って形成されている。ま
た、蹴足靴体67の筋山71は、踵方向に凸である線に
沿って形成されている。これらの筋山69、71は、爪
先側壁面73、75と踵側壁面77、79とを備えてい
る。また、筋山69、71と筋山69、71との間に
は、凹陥部80、81が形成されている。これらの筋山
69、71は、図1及び図2に示されたゴルフシューズ
のような平坦部13は備えていない。すなわち、このゴ
ルフシューズでは、爪先側壁面73、75と踵側壁面7
7、79との交点のみの、極めて少ない面積で接地す
る。従って、接地圧が極めて大きくなり、軸足靴体65
及び蹴足靴体67のスリップが防止される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
フロントページの続き (72)発明者 阪上 正剛 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 4F050 AA01 BA07 BA43 HA53 HA55 HA73

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴルファーがゴルフボールを打撃する際
    に打撃方向前側に位置する軸足靴体と打撃方向後側に位
    置する蹴足靴体とからなり、この軸足靴体及び蹴足靴体
    の底面に突出部が形成されているゴルフシューズであっ
    て、 軸足靴体には爪先方向に凸である線に沿った突出部が主
    として形成されており、蹴足靴体には踵方向に凸である
    線に沿った突出部が主として形成されていることを特徴
    とするゴルフシューズ。
  2. 【請求項2】 上記軸足靴体に形成された爪先方向に凸
    である線に沿った突出部が、この突出部の横断面におい
    て最も爪先寄りに位置する爪先側壁面と、最も踵寄りに
    位置する踵側壁面とを備えており、突出部の横断面形状
    における爪先側壁面と水平方向底面とのなす内角が、突
    出部の横断面形状における踵側壁面と水平方向底面との
    なす内角よりも大きい請求項1に記載のゴルフシュー
    ズ。
  3. 【請求項3】 上記軸足靴体に形成された爪先方向に凸
    である線に沿った突出部の最も爪先寄りに位置する爪先
    側壁面がこの突出部の横断面形状において水平方向底面
    となす内角が、60度以上120度以下である請求項1
    又は請求項2に記載のゴルフシューズ。
  4. 【請求項4】 上記蹴足靴体に形成された踵方向に凸で
    ある線に沿った突出部が、この突出部の横断面において
    最も爪先寄りに位置する爪先側壁面と、最も踵寄りに位
    置する踵側壁面とを備えており、突出部の横断面形状に
    おける爪先側壁面と水平方向底面とのなす内角が、突出
    部の横断面形状における踵側壁面と水平方向底面とのな
    す内角よりも小さい請求項1から請求項3のいずれか1
    項に記載のゴルフシューズ。
  5. 【請求項5】 上記蹴足靴体に形成された踵方向に凸で
    ある線に沿った突出部の最も踵寄りに位置する踵側壁面
    がこの突出部の横断面形状において水平方向底面となす
    内角が、60度以上120度以下である請求項1から請
    求項4のいずれか1項に記載のゴルフシューズ。
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