JP2001299360A - ヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント - Google Patents

ヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント

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JP2001299360A
JP2001299360A JP2000129095A JP2000129095A JP2001299360A JP 2001299360 A JP2001299360 A JP 2001299360A JP 2000129095 A JP2000129095 A JP 2000129095A JP 2000129095 A JP2000129095 A JP 2000129095A JP 2001299360 A JP2001299360 A JP 2001299360A
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tetanus toxin
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toxin
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Morihiro Matsuda
守弘 松田
Masanori Kamei
優徳 亀井
Shuichi Hashizume
秀一 橋爪
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Morinaga and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】破傷風毒素毒素結合活性を示すだけではなく、
破傷風毒素中和活性をも示す遺伝子産物を大腸菌の培養
によって提供すること。 【解決手段】高中和活性抗破傷風毒素ヒト型モノクロー
ナル抗体由来の、抗体軽鎖可変部領域、リンカー及び抗
体重鎖可変部領域を順に含むことを特徴とする、ヒト型
抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント、該フラグ
メントをコードするDNA、及び該フラグメントの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高中和活性をもつ
ヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント(Sc
Fv)に関する。かかる抗体フラグメントはヒト型抗破傷
風毒素モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを
出発材料として製造することが出来る。
【0002】
【従来の技術】ジフテリア、破傷風のウマ抗毒素血清療
法が実用化されて100年以上になる。その間、抗毒素
療法は、中毒性感染症の治療・予防に大きな効果をあげ
てきた。しかしウマ抗毒素は、ヒトにとって異種タンパ
ク質であり、血清病などの副作用反応の危険がある。そ
こで、副作用のより少ない、より安全な破傷風抗毒素と
して、成人を破傷風毒素で免疫したヒト抗血清から調製
した、ヒトにとって同種タンパク質である抗破傷風毒素
ヒト免疫グロブリンG製剤が先進工業国ではひろく用い
られている。しかしながら、これは、ヒトの免疫血清を
供給源としているため供給に限度があり、かつ肝炎やA
IDSなどのウイルス感染の危険がある。このように、
これまで実用化されている抗毒素はすべていわゆるポリ
クローナル抗体である。これに対して抗体産生能をもつ
リンパ球と永久増殖能をもつミエローマ細胞とを融合さ
せたハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体は、
試験管内で培養することができるので供給が十分できる
うえ、肝炎やAIDSなどのウイルス感染の危険を回避
することができる。特に、ヒトモノクローナル抗体を用
いる場合には、抗原性の問題ははじめから考えなくて良
いため、中毒性感染症に対する抗毒素療法だけでなく、
ウイルス感染症や、がんの免疫療法への応用も期待され
ている。
【0003】ハイブリドーマが産生するモノクローナル
抗体をヒトに実用化するためには (1)ヒト型抗体である
ことが必要であることは勿論のことであるが、その他
(2)ハイブリドーマが安定して抗体を十分量産生し、(3)
無血清培地で産生できて、しかも (4)産生された抗体が
高い中和活性をもち、(5)容易に精製できることなどが
基礎的な必要条件となる。これまでに本発明者等は、in
vitro抗原刺激や自ら開発した高率に融合して安定した
ハイブリドーマをつくるための親細胞株を含め、考えら
れるあらゆる最適条件をとり入れて、世界に先駆けてこ
れらの条件を満たす抗破傷風毒素ヒトモノクローナル抗
体を産生する5株のハイブリドーマ株(G1,2,3,4,
6)を取得することに成功している(Kamei M. et al.,
Eur. J. Epidemiol., Vol.6, No.4, p.386-397 (1990);
及び特開平2−57195)。これらのモノクローナ
ル抗体(MAb‐G1,2,3,4,6)は、破傷風毒素分子
の3つの機能的ドメイン[A](G4)、 [B](G6、G1、G
3)および[C](G2)をそれぞれ認識する(表1、図1及
び図2)。
【0004】
【表1】
【0005】本発明者等が開発したこれらのハイブリド
ーマが産生するヒト型モノクローナル抗体の中和活性は
非常に高く(表1)十分実用化に価する。しかし、動物
細胞を用いてヒトに注射できるヒト型モノクローナル抗
体製品を作成するには、産生に設備、備品、培地などに
高額の費用がかかるだけでなく、産生に用いる動物細胞
に内在するウイルスないしウイルス顆粒、ウイルス核酸
の混在などを避けるため、外注機関による高額の、多く
の段階での検定要件に合格する必要があり、実用化にも
っていくまでに、高額の費用と時間がかかる。
【0006】最近、免疫グロブリンを産生する細胞から
mRNAを抽出して逆転写酵素PCR(RT-PCR)法によって抗体
可変部領域の遺伝子をクローニングする一般的方法(図
3)が開発され、抗破傷風毒素ヒト型抗毒素の組換え抗
毒素フラグメントを大腸菌で作成し、その産物の抗原結
合活性が報告された例はある(Rebecca L. Mullinaxet
al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.87, pp. 8095-
8099 (1990))が、これまでその産物の毒素中和活性が
得られたという報告はない。また一本鎖組換え抗体をCH
O細胞など動物細胞で産生させて、その毒素中和活性を
定性的に調べた報告はある (James W. Larrick, et a
l., Immunological Reviews 1992 No.130)が、中和活性
を定量的に扱っていないし、その場合は、出発材料は低
中和活性の抗毒素抗体しか産生していないポリクローナ
ルのヒト末梢血Bリンパ球(PBL)であるので、高い中和活
性をもつ抗体遺伝子を得る確率が極めて低く、実際に明
確な中和活性は得られていない。
【0007】又、最近、抗体の重鎖および軽鎖可変部領
域遺伝子[(VH、VL(G6の場合は軽鎖がκなので V
K)]を適当なリンカーで連結して、ファージディスプ
レイ法によってファージ表面に発現させて固相抗原に特
異的に吸着、濃縮(パンニング法)して目的とする組換
え一本鎖抗体フラグメント(ScFv)のDNAをクローニン
グし、それを用いて可溶型リコビナント抗体として特定
の大腸菌に発現させる方法が報告されている (James W.
Larrick et al., BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEA
RCH COMMUNICATIONS, Vol.160, No.3, pp. 1250-1256
(1989); Aparecida S. Tanaka, et al., FEBS Letters
458, pp.11-16 (1999))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は既に、上
記の樹立した高中和活性ヒト型モノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ細胞株を出発材料として、RT-PCR
法を用いて、抗破傷風毒素ヒトモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマより採取した伝令RNA(mRN
A)をもとに作製した相補性DNA(cDNA)の中か
ら、該ヒトモノクローナル抗体を構成する重鎖及び軽鎖
の可変領域をコードするcDNAをそれぞれクローニン
グし、更にこれらのcDNAの塩基配列を決定してアミ
ノ酸配列を推定することにも成功した(特開平10−1
4570号)。そこで、本発明者は、これまでの私たち
の研究成果を基礎として、上記のファージを用いた新し
い方法を導入して、簡便且つ経済的にヒト型抗体製剤を
ヒトに実用化するため、高中和活性ヒト型一本鎖組換え
抗体フラグメントを作成することを試みた。すなわち、
本発明者等が開発した抗破傷風毒素ヒトモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマ、例えば、破傷風毒素分
子の中間ドメイン(標的部位結合ドメイン)を認識する
抗体を産生するG6株(最高の中和活性を示す抗体を産生
する)に上記の新しい方法を応用して、一本鎖組換え抗
体フラグメントを作成すれば、ヒトに注射できる高中和
活性ヒト型組換え抗体として使用することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、抗毒素が毒
素中和能を発揮するための抗原である毒素に特異的に結
合する活性を担う抗体の可変部領域に対応する遺伝子
(DNA断片)をクローニングし、その塩基配列から可変
部領域をとらえていることを一次構造から確認し、それ
を用いて抗毒素を高中和活性ヒト型一本鎖組換え抗体と
してin vitroで動物細胞の助けなしに大腸菌で産生する
ことを成功し、本発明を完成させた。
【0010】即ち、本発明は、ヒト型抗破傷風毒素モノ
クローナル抗体由来の、抗体軽鎖可変部領域、リンカー
及び抗体重鎖可変部領域を順に含むことを特徴とする、
ヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメントに係
る。本発明の好適態様として、抗体軽鎖可変部領域及び
抗体重鎖可変部領域の少なくとも一方が、好ましくはそ
れらの両者が、夫々、図5及び図4に示された相補性決
定領域群(CDR)であるCDR1、CDR2、及びC
DR3を有する、ヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体
フラグメントに係る。更に好適態様として、抗体軽鎖可
変部領域及び抗体重鎖可変部領域の少なくとも一方が、
好ましくはそれらの両者が、夫々、図5及び図4に示さ
れたアミノ酸配列を有する、ヒト型抗破傷風毒素一本鎖
組換え抗体フラグメントを挙げることが出来る。更に、
図5及び図4に示された抗体軽鎖可変部領域又は抗体重
鎖可変部領域、特に、それらの相補性決定領域群(CD
R)以外の枠組残基群(FR)において、数個のアミノ
酸が置換・欠失・付加されたアミノ酸配列を有し、上記
のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメントと
実質的に等しい高中和活性を有するポリペプチドも,本
発明のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメン
トに包含される。リンカーは、抗原に結合する際に、抗
体軽鎖可変部領域及び抗体重鎖可変部領域が効率良く折
りたたまれるようにさせることを目的として、それら領
域の間に配置させるものであり、通常5〜15個のアミ
ノ酸から構成されており、例えば、[(Gly)−S
er](nは1、2又は3の整数を意味する)を代表
例として挙げることが出来る。従って、本発明で使用す
るリンカーは、上記目的を達成できる限り,アミノ酸の
数・種類等に制限はない。又、本発明のヒト型抗破傷風
毒素一本鎖組換え抗体フラグメントにおいては、、抗体
軽鎖可変部領域のN末端側及び抗体重鎖可変部領域のC
末端側に更に適当なアミノ酸配列が付加されていても良
い。例えば、以下の実施例で示されるように、抗体軽鎖
可変部領域のN末端側に分泌シグナル領域、抗体重鎖可
変部領域のC末端側にエピトープタグ配列を付加するこ
とが出来る。更に、本発明のヒト型抗破傷風毒素一本鎖
組換え抗体フラグメントは可溶性であることが好まし
い。
【0011】更に、本発明は、上記ヒト型抗破傷風毒素
一本鎖組換え抗体フラグメントをコードするDNAに係
る。本発明DNAの好適態様として、抗体軽鎖可変部領
域及び抗体重鎖可変部領域の相補性決定領域群(CD
R)の少なくとも一方が、好ましくはそれらの両者が、
夫々、図5及び図4に示された、塩基配列によりコード
されているDNAを挙げることが出来る。更に好適態様
として、抗体軽鎖可変部領域及び抗体重鎖可変部領域の
少なくとも一方が、好ましくはそれらの両者が、夫々、
図5及び図4に示された塩基配列によりコードされてい
るDNAがある。又、本発明DNAには、上記いずれか
のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
し、ヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント
と実質的に等しい高中和活性を有するポリペプチドをコ
ードするDNAも含有される。ハイブリダイゼーション
は、モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g)2nd(J. Sambrook etal., Cold Spring Harbor La
b. Press, 1989)に記載の方法等、当業界で公知の方法
あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができ
る。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の
使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、DI
G DNA Labeling (ベーリンガー・マンハイム社製 Cat
No. 1175033)でプローブをラベルした場合に、32℃
のDIG Easy Hyb 溶液(ベーリンガー・マンハイム社製
Cat No. 1603558)中でハイブリダイズさせ、40℃の
0.1xSSC 溶液(0.1%[w/v]SDSを含む)中でメンブレンを洗
浄する条件(1xSSCは0.15M NaCl,0.015M クエン酸ナ
トリウムである)でのサザンブロットハイブリダイゼー
ションで本発明DNAにハイブリダイズする程度の条件
である。本発明DNAは、以下の実施例に示すようにR
NAからRT−PCRによりcDNAとして製造するこ
とが出来る他、本明細書に開示した塩基配列に基づき、
当業者に周知の方法で化学合成により合成DNAとして
調製することも可能である。
【0012】本発明は更に、上記DNAが組み込まれた
発現ファージミドを構築し、該発現ファージミドで大腸
菌を形質転換し、該形質転換した大腸菌を培養してヒト
型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメントを生産さ
せ、該大腸菌の培養上清又は細胞質画分から精製するこ
とを特徴とする、本発明のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組
換え抗体フラグメントの製造方法に係る。特に、発現フ
ァージミドにおいて、抗体軽鎖可変部領域のN末端側に
適当な分泌シグナル領域、例えば、ファージ外被タンパ
クg3p由来の分泌シグナル領域をコードするDNAが
含まれ、抗体重鎖可変部領域のC末端側にはエピトープ
タグ配列、アンバー翻訳停止コドン(TAG)及びファ
ージ外被タンパクg3pをコードするDNAが含まれ、
大腸菌の非アンバーサプレッサー株を使用することが好
ましい。かかる大腸菌の非アンバーサプレッサー株は当
業者には周知であり、例えば、HB2151株等を例示
することが出来る。上記方法以外にも、当業者であれ
ば、当該技術分野で周知の方法に従って、本発明DNA
を適当な発現プラスミドに組み込み、該発現プラスミド
で適当な宿主細胞を形質転換し、該形質転換した宿主細
胞を培養して、本発明のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換
え抗体フラグメントを製造することが可能である。
【0013】本発明のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え
抗体フラグメントは、破傷風毒素に対して高い中和活性
をもち、破傷風の予防・治療等の為の医薬組成物の有効
成分としてに使用することができる。本発明の医薬組成
物は、かかる予防及び治療に有効な量の上記フラグメン
トの他に、当業者に公知の薬学的に許容し得る適当なキ
ャリアを含むことができる。該医薬組成物中に配合され
る上記フラグメントの量は、他の成分の性状、使用目
的、患者の年齢・体重、及び要求される効果の程度等に
応じて当業者が適宜選ぶことができる。
【0014】本発明の医薬組成物は、当該技術分野で公
知の任意の形態を採ることができ、例えば、様々な塩及
び緩衝剤によって緩衝化した、溶液、懸濁液、乳濁液等
の液体製剤とすることができる。塩は、大半のものをア
ルカリ及びアルカリ土類ハロゲン化物、リン酸塩及び硫
酸塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは硫酸
ナトリウムとし得る。種々の緩衝剤、例えばクエン酸
塩、リン酸塩、HEPES、トリス等を、この種の緩衝
剤が処置される対象に生理学的に許容され得る程度で使
用することができる。又、本発明の医薬組成物を錠剤、
顆粒、粉末、ゲル、ゾル等の剤型とする場合には、当業
者には公知の種々の賦形剤またはその他の添加物を使用
することができる。更に、上記フラグメント及び上記の
各種添加物を薬学的に許容し得るリポソームで包摂した
製剤形態とすることも可能である。本発明の医薬組成物
は、例えば、筋肉内注射により患者に施すことができ
る。
【0015】特開平2−57195に詳しく記載されて
いるように、本発明のヒトモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマは、例えば、以下の通り作製すること
ができる。破傷風毒素(T.T.)によって免疫され、
高力価の抗破傷風毒素中和抗体を有しているヒトから採
取されたリンパ球を、 in vitro において更にT.T.
により抗原刺激した後に親細胞との融合を行なう。リン
パ球は末梢血から、例えば、フィコールパック(ファル
マシア社)を用いた密度勾配遠心分離法により分離す
る。親細胞としては融合効率がよく、得られたハイブリ
ドーマが比較的安定にIgGタイプの抗体を産生し、し
かもヌードマウスで腹水を容易に生産することのできる
ヒト・マウスヘテロミエローマ、例えば、RF−S1を
用いる。親細胞との融合はポリエチレングリコールを用
いた公知の方法で行ない、特異抗体を産生するハイブリ
ドーマの判定は、T.T.をコートしたプレートを用い
たEIA法(酵素免疫測定法)により行なう。クローニ
ングは限界希釈法又は軟寒天法により行なう。抗体はヌ
ードマウスの腹水、又は連続培養装置を用いた培養上清
中から硫安分画法及び/又はProtein-A カラムクロマト
グラフィーにより容易に高純度品を大量に得ることが可
能である。こうして得られたハイブリドーマの産生する
ヒトモノクローナル抗体のうち、破傷風毒素に対する中
和抗体価が数IU/100μg IgGに達するものもあ
り、その一具体例として、平成8年7月4日付で工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託したハイブリドーマ
TTG6(微工研菌寄第15719号:FERMP−1
5719)を挙げることができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、以下の実施例に特に記載されていない条件等
は当業者に周知の通常のものである又、本発明の技術的
範囲はこれら実施例に何等制限されるものではない。実施例1:mRNAの調製 (a)抗破傷風毒素ヒトモノクローナル抗体産生ハイブ
リドーマTTG6(細胞株RF0810)〔前記 Kamei
M. et al., Eur. J. Epidemiol., Vol. 6, No.4, p.38
6-397 (1990)中に「G6」として記載されているもの
と同一である〕を、20%ウシ胎児血清、10mg/mlの
トランスフェリン、0.0043mg/mlの亜セレン酸ナ
トリウム、1.53mg/mlのエタノールアミン、5mg/
mlのインスリンを含有するダルベッコ変法イーグル培地
(DMEM)中、37℃、5%CO2 の環境下で培養した。 (b)総RNA回収対数増殖期にあり、モノクローナル
抗体を産生しているハイブリドーマ細胞株G6細胞の1
7 個をリン酸緩衝生理食塩液で洗浄後、RNAの回収
に供した。総RNAの回収は、 Pharmacia社 QuickPrep
Total RNA Extraction Kit を用いて以下のように行な
った。ハイブリドーマ細胞を20% FCS-DMEM 培地に1
×105 cells/mlでまきこんだ。3日間培養の後、1×
107 の細胞を得た。細胞を4℃においてPBS(予め
氷冷しておく)で3回洗浄した(2,000×g,5mi
n)。細胞を525μl のLithium Chloride Solution に
懸濁し、更に4.5μl のβメルカプトエタノール、2
25μl の Extraction bufferを加え、グラス−テフロ
ンホモゲナイザーを用いて氷冷しながら破砕した(2〜
3min)。750μl のCsTFAを加えて攪拌した後、
破砕液を1.5mlの遠心チューブに移し、15,000
rpm で30分遠心分離した。この沈渣を、113μl の
Extraction buffer 、263μl のLithium Chloride S
olution 、375μl のCsTFA混液に懸濁した後、
15000rpm 、10分間遠心分離した。沈渣を70%
エタノールで洗浄(15000rpm 、5分間)したの
ち、100μl のTE緩衝液に溶解し、以下のcDNA
合成に用いた。
【0017】実施例2:ファーストストランドcDNA
の合成及びRT−PCR法による抗体可変領域cDNA
の増幅 各モノクローナル抗体の軽鎖、重鎖の可変部領域をコー
ドするcDNAを得るために、Welschofらの方法(J. I
mmunol. Meth., vol. 179, p.203-214 (1995))に従い、
RT−PCR(Reverse Transcriptase Polymerase Chai
n Reaction)を行なった。抗破傷風毒素ヒトモノクロー
ナル抗体G6はIgGサブクラスに属し、κ軽鎖を有
しているので、PCRには、ヒトIgGのκ軽鎖のアミ
ノ酸の1から10(kappaCL primer)及びγ重鎖のアミ
ノ酸の1から7(IgG primer) のアミノ酸配列に相当す
る塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを forward prime
rとして用いた。また、ヒトIgGκ軽鎖のアミノ酸1
09から116(κシリーズ primer)、及びγ重鎖のア
ミノ酸115から121(VHシリーズ primer)のアミ
ノ酸配列に相当する塩基配列を含んだオリゴヌクレオチ
ドを back primerとして用いた(表2)。
【0018】
【表2】
【0019】上記ハイブリドーマ株より得た総RNA1
μg を鋳型に、Superscript II reverse transcriptase
(GIBCO-BRL社)を用い、50mM Tris-HCl (pH 8.3)、
40mM KCl、6mM MgCl2、1mM DTT、0.75mM dNTP 、
200unit Superscript II reverse transcriptase を
含む反応液中で45℃、1時間反応させて第一鎖を合成
した。沸騰水中に10分間放置し、逆転写酵素を失活さ
せた後、終濃度1μMのforward 並びにback primer と
混合し、Boehringer Mannheim 社 Expand LongTemplate
PCR Systemを用いて、PCRを行ない〔50mM Tris-H
Cl (pH 9.2)、16mM (NH4)2SO4、1.75mM MgCl2、0.
35mM dNTP を含む反応液中、94℃30秒、55℃6
0秒、68℃30秒を1サイクルとし、35サイク
ル〕、重鎖cDNA、軽鎖cDNAを増幅した(図
3)。
【0020】実施例3:増幅断片のサブクローニング 増幅したcDNAは、T4DNA polymerase (宝酒造
株式会社)を用いて末端を平滑化した後、T4 polynuc
leotide kinase(宝酒造株式会社)を用いてリン酸化
し、EcoRV(New England Biolab社)で切断した
後、E. coli alkaline phosphatase(宝酒造株式会社)
で脱リン酸化したpBluescript SK−(Stratagene社)
ベクターに挿入し、常法に従い、大腸菌DH−5α株を
形質転換した。以上の増幅cDNA断片のサブクローニ
ングの過程を図7に示した。次に塩基配列決定を行っ
た。
【0021】実施例4:塩基配列の決定及びアミノ酸配
列の解析 pBluescript SK−にサブクローニングした軽鎖、重鎖
のcDNAクローンの塩基配列は、Amersham社、Thermo
Sequenase Fluorescent labelled primer cycle seque
ncing kit によりシークエンス反応を行なった後、自動
シークエンサー(LI-COR社、DNA sequencer model 400
0) を用いて解析し、決定した。シークエンス反応は、
M13forward primer(5′−CACGACGTTGT
AAAACGAC−3′)およびM13 reverse prime
r (5′−GGATAACAATTTCACACAGG
−3′)を用いて sense並びにanti-sense鎖の両方につ
いて行ない確認した。その結果、図4及び図5に夫々示
されるような、本発明抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域を
コードするcDNAの塩基配列が得られた。塩基配列お
よび各塩基配列から予想されるアミノ酸配列は、GENETY
X-MAC(Version 8.0、ソフトウエア開発株式会社)にて
解析した。また抗体遺伝子検索プログラムAbCheckを用
いて、各クローンのアミノ酸配列が、既知のヒト型抗体
のアミノ酸配列データのデータベース(Elvin A. Kabat
et al., SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL IN
TEREST, FIFTH EDITION, U.S. DEPARTMENT OF HEALTHAN
D HUMAN SERVICES,Public Health Service, National I
nstitute of Health(1991))に掲載されている抗体のア
ミノ酸配列に対するホモロジーを有するか検討し、得ら
れたクローンが抗体遺伝子の可変部領域を含み、G6の
重鎖、軽鎖はそれぞれKabatの分類のVH3、Vκ1サ
ブグループに属することが明らかとなった。こうして解
明された抗体重鎖及び軽鎖の可変領域のアミノ酸配列
を、1文字表記で夫々の図4及び図5中に示した。
【0022】実施例5:ヒト型抗破傷風毒素組換え一本
鎖抗体フラグメント(ScFv)発現ファージミドの構築 pBluescript SK- vectorに組み込んだVH,VKのcDNA 断片
にそれぞれSac IとNotI、Sfi IとMlu Iの制限酵素切断
部位を付加するため、実施例3で得たプラスミドを鋳型
とし、各制限酵素による認識配列を含んだプライマーを
用いて再度PCRを行った。これら制限酵素の付加部位は
図4及び図5中に示されている。増幅したcDNA断片を実
施例3と同様の方法でpBluescript SK- に導入し、それ
ぞれの認識配列が付加されたことをDNAシークエンシン
グにより確認した。VH、VKをコードするcDNA断片は、各
プラスミドからSac IとNotIおよびSfi Iと MluIの二重
消化により単離した。単離したcDNA断片をオリゴヌクレ
オチドリンカーとともに図6に示したpCANTAB 5Eファー
ジミド (Pharmacia) に導入して、ファージミドpCANTAB
5E-G6と名づけたファージミドを構築した(図7)。得ら
れたpCANTAB 5E-G6は、以下の目的に適した特徴を有す
る。(i) Gly-Gly-Gly-Gly-Serという配列を軽鎖と重鎖
の間にリンカーとして配置することにより、抗原に結合
する際に軽鎖と重鎖が比較的効率よく折りたたまれるこ
とが期待される。(ii)精製途中での検出を容易にするた
めに、「Gly-Ala-Pro-Val-Pro-Tyr-Pro-Asp-Pro-Leu-Gl
u-Pro-Arg」というアミノ酸配列から成るポリペプチド
であり、ヒトOsteocarcine (別名「Bone Gla Protein:
BGP」と呼ばれる )の7‐19番目のアミノ酸配列に
相当する、E-タグと呼ばれるエピトープタグ配列がScFv
のC末端側に付加される。(iii)E-タグ配列直後のアンバ
ー翻訳停止コドン(TAG)は、大腸菌のアンバーサプレ
ッサー株(TG1株)においては翻訳停止コドンとして認
識されず、さらに下流のファージ外被タンパク(gene 3
産物)との融合タンパクとして翻訳され、ヘルパーファ
ージの感染により、ScFvを外被表面に提示したファージ
が培養上清中に産生される。(iv)一方、非サプレッサー
株(HB2151株)においては、ScFvは可溶性抗体として、
大腸菌体内あるいは培養上清中に産生される(図8)。
【0023】実施例6:抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体
フラグメント (ScFv)を発現するファージの選択 pCANTAB 5E-G6で形質転換した大腸菌TG1株へ、ヘルパ
ーファージKO7を感染させた。外被タンパクとの融合タ
ンパクとして抗破傷風毒素ScFvを表面に発現しているフ
ァージを破傷風毒素(10μg/ml)をコートしたプラス
チックシャーレを用いたパンニング法により培養上清中
から特異的に集めた。 得られたファージをTG1株に再
感染させ、同様のパンニングを計3回繰り返し、ScFv発
現ファージを濃縮した。さらにこのファージ・プールよ
り24クローンを無作為に選択し、破傷風毒素への結合活
性が高いファージクローン(pScFv-G6と命名)をELISA
法により同定し、以下の実験に供した(図8)。
【0024】実施例7:可溶性抗破傷風毒素一本鎖組換
え抗体フラグメント(ScFv)の発現 培養上清中へのScFvの分泌の経時的変化は以下のように
して測定した。大腸菌HB2151株をpScFv‐G6あるいはヘ
ルパーファージに感染させ、25mlの2×YT培地中、30℃
で培養した。培養上清を表3に示す各時間において1ml
づつ採取し、遠心により菌体を取り除いた後、破傷風毒
素を抗原として用いたELISA法により、培養上清中の破
傷風毒素結合活性を測定した。その結果、表3に示すよ
うにScFvは調べた抗原のうち、破傷風毒素を特異的に認
識することが明らかとなった。
【0025】
【表3】
【0026】実施例8:可溶性抗破傷風毒素一本鎖組換
え抗体フラグメント(ScFv)の発現と精製 pCANTAB 5E-G6では、ファージ外被タンパクg3p由来の分
泌シグナルが、ScFvのN末端側に付加される構造になっ
ているため、原理的には産生されたScFvが、培養上清中
に分泌されることが期待される。実際、実施例7で示さ
れたように、培養上清中に、破傷風毒素結合活性が検出
されたが、培養開始後、活性が検出されるまでに非常に
長い時間を要することが明らかとなった(表3)。分泌シ
グナルが付加されているにもかかわらず、効率よく培養
上清中に分泌されず、菌体の細胞質やperiplasm中に蓄
積されることは、種々のリコンビナントタンパク質の発
現系において、これまでしばしば報告されている。そこ
で、MAb-G6のScFvが、大腸菌菌体の細胞質、封入体、pe
riplasm画分および培養上清のいずれに多く含まれるか
を確認するために、ScFv発現大腸菌を分画し、抗E-タグ
抗体を用いたELISAおよびウェスタンブロット法によ
り、各画分におけるScFvの発現を以下のように確認し
た。即ち、ファージpScFv-G6に感染した大腸菌HB2151株
を300 mlの2×YT培地中でOD600が0.4になるまで30℃で
培養した。IPTGを終濃度1 mMになるように加え30℃、3.
5時間培養し、抗破傷風毒素ScFvの発現を誘導した。培
養後菌体を含んだ培養液を2分し、一方の培養液から3,
000 rpm、10分間の遠心で菌体を集め、培養上清と菌体
の画分に分画した。集めた菌体をLysis buffer(10 mM
Na2HPO4, 10mM EGTA , 10 mM EDTA, 30 mM NaCl, 10
mM β-mercaptoethanol, 0.25% Tween 20)で懸濁して
超音波破砕した後、12,000 rpmで20分間遠心し、上清を
細胞質画分とした。沈渣はurea buffer(8 M urea, 20
mM Tris-HCl pH 8.0)で溶解し、封入体画分として用い
た。残り半分の培養液から遠心分離により回収した菌体
は、5 mM MgSO4で懸濁して浸透圧ショックにより菌体
を破砕し、8,000rpmで10分間遠心した後、上清をperipl
asm画分として使用した。各画分に含まれるScFvの量を
抗E-タグ抗体 (Pharmacia) を用いたELISAおよびウェス
タンブロット法により定量したところ、細胞質画分に最
も多く可溶性のScFvが検出されたので、次に、細胞質画
分を材料として以下のように精製を試みた。
【0027】ファージpScFv-G6に感染した大腸菌HB2151
株を3 literの2×YT培地で実施例7と同様の方法で培
養、発現誘導し細胞質画分を得た。細胞質画分を30%、5
5%、90%飽和で順次硫安沈殿させ、抗E-タグ抗体を用い
たELISA法により、ScFvが回収される画分を同定した。
その結果、ScFvは主に30-55 %飽和画分に得られること
が明らかとなった。ScFvを多く含む30-55 %硫安画分を
2.5 M ureaを含む0.1 M クエン酸-リン酸緩衝液 (pH 5.
0)で溶解し、Sephadex G-75カラム(1.5 x 90 cm)でゲ
ルろ過を行った。その結果、ScFvは分子量約26kDaの位
置に単一のピークとして溶出された。さらにゲルろ過の
ピーク画分をイオン交換カラムToyopal-SPにより精製し
た。これら一連の精製により、サンプル中のScFvの比活
性は約10倍に上昇した(表4)。
【0028】
【表4】
【0029】実施例9:毒素中和活性の測定 培養上清の各硫安画分(0〜30%および30〜55%硫安画
分(実施例8で精製したもの))を標準化した破傷風毒
素(国立感染症研究所より分与)と、注射後マウスあたり
毒素が 10〜300 MLDになるように混合し、37℃、1時間
インキュベートした後、マウス(ddy 雌 18〜22g)に0.
1mlずつ右上腿内側に筋肉内注射をし、症状の進行状況
を症状のスコア(図9)で読み取ることによって中和活
性を調べた。その際に、ベクターだけを導入した大腸菌
培養上清の各硫安濃縮画分を対照として使用した。まず
(1)毒素の変量(300、100、30および10 MLD)とScFv-G6
画分の一定量との混合物について(図10)、(2)つい
で毒素の一定量(10 MLD)とScFv-G6画分の変量との混
合物について(図11及び図12)中和活性を毒素だけ
を注射したマウスの症状進行、死亡時間と比較して検討
した。その結果、大腸菌培養中の遺伝子産物は顕著な毒
素中和活性をもつことが明らかになった。
【0030】
【発明の効果】以上の結果、高中和活性をもつ抗破傷風
毒素ヒト型モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マG6株細胞を出発材料として、ヒト型抗破傷風毒素一
本鎖組換え抗体フラグメント(ScFv)の作成を試み、毒
素と特異的に結合し、顕著な毒素中和活性を示すScFvを
大腸菌培養で得ることに成功した。このような、抗体可
変部領域の遺伝子を導入した、大腸菌の培養で毒素結合
活性を示すだけではなく、更に毒素中和活性をも示す遺
伝子産物はこれまで得ることができていなかった。従っ
て本発明のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグ
メントは画期的であり、安全で経済的な抗毒素抗体製剤
の実用化への道を開くものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 破傷風毒素分子のサブユニット構造(A−B
・C)とヒト型モノクローナル抗体Mab-G4,G1、G
3、G6及びG2に対する破傷風毒素分子上でのエピトー
プの局在を示す。
【図2】 ボツリヌス毒素の立体構造及びサブユニット
構造(L,H,Hc)、並びに破傷風毒素のサブユニ
ット構造(A,B,C)との相同性を示す。
【図3】 ヒト免疫グロブリン産生細胞から、抗体軽鎖
可変部領域及び抗体重鎖可変部領域をコードするcDN
A断片をクローニングする方法を示す。
【図4】 抗破傷風毒素ヒトモノクローナル抗体MAb
−G6の抗体重鎖可変部領域のアミノ酸及び塩基配列を
示す。
【図5】 抗破傷風毒素ヒトモノクローナル抗体MAb
−G6の抗体軽鎖可変部領域のアミノ酸及び塩基配列を
示す。
【図6】 pCANTAB 5Eファージミドベクターを示す。
【図7】 増幅cDNA断片のサブクローニング及びフ
ァージミドベクターpCANTAB 5E-G6の構築の過程を示
す。
【図8】 本発明のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗
体フラグメントの製造を示す。
【図9】 毒性試験の為の病状スコアを示す。
【図10】毒素量を変化させたときの毒素中和活性の測
定の結果を示す。
【図11】毒素量を一定にし、ScFv-G6画分を変化させ
たときの毒素中和活性の測定の結果を示す。
【図12】毒素量を一定にし、ScFv-G6画分を変化させ
たときの毒素中和活性の測定の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:91) C12R 1:19) (C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) C12R 1:91) (72)発明者 橋爪 秀一 神奈川県横浜市鶴見区下末吉2−1−1 森永製菓株式会社研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA41 BA80 CA04 CA07 DA06 EA04 EA10 FA18 FA20 GA11 HA03 4B064 AG01 AG27 CA02 CA19 CC24 DA01 4B065 AA26X AA92Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA44 4H045 AA11 AA20 BA10 CA40 DA76 EA20 FA73 FA74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト型抗破傷風毒素モノクローナル抗体
    由来の、抗体軽鎖可変部領域、リンカー及び抗体重鎖可
    変部領域を順に含むことを特徴とする、ヒト型抗破傷風
    毒素一本鎖組換え抗体フラグメント。
  2. 【請求項2】 抗体軽鎖可変部領域及び抗体重鎖可変部
    領域の少なくとも一方が、夫々、図5及び図4に示され
    た相補性決定領域群(CDR)であるCDR1、CDR
    2、及びCDR3を有する、請求項1記載のヒト型抗破
    傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント。
  3. 【請求項3】 抗体軽鎖可変部領域及び抗体重鎖可変部
    領域の少なくとも一方が、夫々、図5及び図4に示され
    たアミノ酸配列を有する、請求項2記載のヒト型抗破傷
    風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント。
  4. 【請求項4】 リンカーが[(Gly)−Ser]
    (nは1、2又は3の整数を意味する)であることを特
    徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のヒ
    ト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか一項に記載
    のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメントを
    コードするDNA。
  6. 【請求項6】 抗体軽鎖可変部領域及び抗体重鎖可変部
    領域の相補性決定領域群(CDR)の少なくとも一方
    が、夫々、図5及び図4に示された、塩基配列によりコ
    ードされている、請求項5記載のDNA。
  7. 【請求項7】 抗体軽鎖可変部領域及び抗体重鎖可変部
    領域の少なくとも一方が、夫々、図5及び図4に示され
    た塩基配列によりコードされている、請求項6記載のD
    NA。
  8. 【請求項8】 請求項5,6又は7記載のDNAが組み
    込まれた発現ファージミドを構築し、該発現ファージミ
    ドで大腸菌を形質転換し、該形質転換した大腸菌を培養
    してヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラグメント
    を生産させ、該大腸菌の培養上清又は細胞質画分から精
    製することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか
    一項に記載のヒト型抗破傷風毒素一本鎖組換え抗体フラ
    グメントの製造方法。
  9. 【請求項9】 発現ファージミドにおいて、抗体軽鎖可
    変部領域のN末端側にファージ外被タンパクg3p由来
    の分泌シグナル領域をコードするDNAが含まれ、抗体
    重鎖可変部領域のC末端側にはエピトープタグ配列、ア
    ンバー翻訳停止コドン(TAG)及びファージ外被タン
    パクg3pををコードするDNAが含まれ、大腸菌の非
    アンバーサプレッサー株を使用することを特徴とする、
    請求項8記載の製造方法。
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