JP2001299081A - 育苗用培土の製造方法及び育苗用培土 - Google Patents

育苗用培土の製造方法及び育苗用培土

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JP2001299081A
JP2001299081A JP2000119682A JP2000119682A JP2001299081A JP 2001299081 A JP2001299081 A JP 2001299081A JP 2000119682 A JP2000119682 A JP 2000119682A JP 2000119682 A JP2000119682 A JP 2000119682A JP 2001299081 A JP2001299081 A JP 2001299081A
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rice
crushed
seedlings
seedling
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JP2000119682A
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Soichi Yamamoto
惣一 山本
Kazuo Nakamura
一雄 中村
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Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Yamamoto and Co Ltd
Yamamoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 割れたり崩れることがなく取扱いが容易であ
り、安価でかつ量産することができる育苗用培土の製造
方法及びその育苗用培土を得る。 【解決手段】 育苗用培土10は、籾殻充填工程30に
おいて粉砕した籾殻12を育苗箱14に充填し、籾殻均
平工程32において籾殻12の表面を均平し、籾殻鎮圧
工程34において所定圧力で鎮圧し、播種工程36にお
いて種Sを播種し、覆土工程38において粉砕籾殻によ
って覆土16を施し、覆土均平工程40において覆土1
6の表面を均平し、更に、覆土鎮圧工程42において所
定圧力で鎮圧して得られる。これにより、育苗用培土1
0は、稚苗の育苗に伴ってその根が絡み合い自然にマッ
ト状となり、所謂スポンジのような屈曲性及び保水性を
有し、割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、
安価でかつ量産することができ、しかも、稚苗の丈が不
揃いになったり稚苗の根の生育不良が防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲等の作物の苗
を育苗するために用いられる育苗用培土の製造方法及び
その育苗用培土に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
水稲等の作物の苗を苗床によって育苗することが行われ
ており、さらに、この苗床の床土としては一般的に土壌
培土が用いられていた。ところが、このような土壌培土
は、良質(均質)の床土が比較的高価で入手が困難であ
ったり、重く運搬性等が悪かった。そこで、このような
土壌培土に代わる床土(培土)が提案されている(一例
として、特公昭56−18165号公報)。
【0003】前記公報に示される培土は、植物質培土材
(樹皮、パルプチップ、オガクズなどを堆肥化したバー
ク堆肥等)を、親水性ウレタンプレポリマーを結合剤と
して用いて固結させ乾燥した構成となっている。なお、
結合剤としては、ポリビニルアルコールやデンプン類も
用いられる場合がある。この種の培土は、樹皮やパルプ
チップ等の所謂産業廃棄物を培土材として有効利用する
ことができ、またこの植物質培土材も比較的安価であ
る。
【0004】しかしながら、前述の如き従来の培土は、
依然として以下の欠点があった。すなわち、培土材の結
合(結合剤を用いた固結乾燥)に長い時間(例えば、1
〜3時間程度)が掛かり、量産が困難で結果的にコスト
高であった。また、完成した培土(すなわち,結合剤に
より固結され乾燥された培土材)は、硬質であるものの
割れたり欠け易く、このため運搬中に形が崩れたりし、
その取扱いが面倒で煩雑であった。また何より、前述の
如き従来の培土では、培土材自体は比較的安価であるも
のの、親水性ウレタンプレポリマー等の結合剤が高価で
あり、結果的に全体としては依然として高価であった。
【0005】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、割れたり崩れることがなく取扱いが容
易であり、しかも安価でかつ量産することができる育苗
用培土の製造方法及びその育苗用培土を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の育
苗用培土の製造方法は、所定の育苗箱に粉砕した籾殻を
床土として充填する籾殻充填工程と、前記籾殻充填工程
の後に前記充填した籾殻の表面を平らに均す籾殻均平工
程と、前記籾殻均平工程の後に前記育苗箱内の前記籾殻
を所定の圧力で圧縮する籾殻鎮圧工程と、前記籾殻鎮圧
工程の後に前記籾殻上に所定の作物の種を播種する播種
工程と、前記播種工程の後に前記種に粉砕した籾殻によ
って覆土を施す覆土工程と、から成ることを特徴として
いる。
【0007】請求項1記載の育苗用培土の製造方法で
は、先ず、籾殻充填工程において所定の育苗箱に粉砕し
た籾殻が床土として充填される。次いで、籾殻均平工程
において、充填された粉砕籾殻の表面が平らに均され
る。さらに、籾殻均平工程の後には、籾殻鎮圧工程にお
いて、育苗箱内の粉砕籾殻が所定の圧力で圧縮されて鎮
圧される。しかる後には、播種工程において、鎮圧され
た籾殻上に所定の作物の種が播種される。さらに、所定
の種が播種された後には、覆土工程において、種に粉砕
した籾殻によって覆土が施されて、育苗用培土が得られ
る。
【0008】ここで、この製造方法によって得られた育
苗用培土を用いて所定の種を育苗すれば、稚苗が生育す
るにつれてその根が育苗用培土内に入り込んで網状に絡
み合い、自然に固形のマット状になる。このため、屈曲
性及び保水性を確保でき、割れたり欠け難く、運搬中に
形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても
形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。
【0009】また、この育苗用培土の製造方法では、前
述の如く育苗箱に充填した粉砕籾殻の表面が籾殻均平工
程において平らに均されるため、この育苗用培土を用い
て育苗する際に稚苗の丈が不揃いになることが防止され
る。また、籾殻均平工程を経た後の籾殻は、籾殻鎮圧工
程において所定の圧力で圧縮されて鎮圧されるため、こ
の育苗用培土を用いて育苗する際に床土の中に空隙が在
り過ぎることによる稚苗の根の生育不良が防止される。
【0010】さらに、この育苗用培土の製造方法によれ
ば、単に粉砕した籾殻を充填しその表面を平らに均平し
た後に鎮圧し、所定の種を播種した後に覆土することで
育苗用培土が得られるため、製造に長い時間を要するこ
とがなく、量産が可能になる。
【0011】なお、請求項1記載の育苗用培土の製造方
法においては、粉砕した籾殻のみならず、この粉砕籾殻
に育苗用肥料等を混合して製造することも可能である。
したがって、粉砕籾殻に育苗用肥料等を混合して製造し
た場合には、育苗に際して別の新たな肥料をこの育苗用
培土に加える必要がない。また、育苗する作物の種類や
天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料の種類や混合割
合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土を準備
しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。
【0012】このように、請求項1記載の育苗用培土の
製造方法では、割れたり崩れることがなく取扱いが容易
な育苗用培土を安価でかつ量産することができる。
【0013】請求項2に係る発明の育苗用培土の製造方
法は、所定の育苗箱に粉砕した籾殻を床土として充填す
る籾殻充填工程と、前記籾殻充填工程の後に前記充填し
た籾殻の表面を平らに均す籾殻均平工程と、前記籾殻均
平工程の後に前記育苗箱内の前記籾殻を所定の圧力で圧
縮する籾殻鎮圧工程と、前記籾殻鎮圧工程の後に前記籾
殻上に所定の作物の種を播種する播種工程と、前記播種
工程の後に前記種に粉砕した籾殻によって覆土を施す覆
土工程と、前記覆土工程の後に前記覆土した籾殻の表面
を平らに均す覆土均平工程と、覆土均平工程の後に前記
覆土した籾殻を所定の圧力で圧縮する覆土鎮圧工程と、
から成ることを特徴としている。
【0014】請求項2記載の育苗用培土の製造方法で
は、先ず、籾殻充填工程において所定の育苗箱に粉砕し
た籾殻が床土として充填される。次いで、籾殻均平工程
において、充填された粉砕籾殻の表面が平らに均され
る。さらに、籾殻均平工程の後には、籾殻鎮圧工程にお
いて、育苗箱内の粉砕籾殻が所定の圧力で圧縮されて鎮
圧される。しかる後には、播種工程において、鎮圧され
た籾殻上に所定の作物の種が播種される。さらに、所定
の種が播種された後には、覆土工程において、種に粉砕
した籾殻によって覆土が施される。次いで、覆土工程の
後には、覆土均平工程において、覆土した籾殻の表面が
平らに均される。さらに、覆土均平工程の後には、覆土
鎮圧工程において、覆土された粉砕籾殻が所定の圧力で
鎮圧されて、育苗用培土が得られる。
【0015】ここで、この製造方法によって得られた育
苗用培土を用いて所定の種を育苗すれば、稚苗が生育す
るにつれてその根が育苗用培土内に入り込んで網状に絡
み合い、自然に固形のマット状になる。このため、屈曲
性及び保水性を確保でき、割れたり欠け難く、運搬中に
形が崩れることがない。また、育苗のために灌水しても
形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。
【0016】また、この育苗用培土の製造方法では、前
述の如く育苗箱に充填した粉砕籾殻の表面が籾殻均平工
程において平らに均されるため、この育苗用培土を用い
て育苗する際に稚苗の丈が不揃いになることが防止され
る。また、籾殻均平工程を経た後の籾殻は、籾殻鎮圧工
程において所定の圧力で圧縮されて鎮圧されるため、こ
の育苗用培土を用いて育苗する際に床土の中に空隙が在
り過ぎることによる稚苗の根の生育不良が防止される。
さらに、覆土した籾殻の表面が覆土均平工程において平
らに均されるため、この覆土の表面がでこぼこし過ぎた
場合に潅水しても保湿状態が不揃いで発芽も不揃いにな
る、といった不具合が防止できる。またさらに、覆土を
施した後に覆土鎮圧工程において覆土された粉砕籾殻を
所定の圧力で鎮圧するため、この覆土(籾殻)の中に空
隙が在り過ぎることによる保湿不良や稚苗の根が立ち上
がる、といった不具合が防止できる。
【0017】さらに、この育苗用培土の製造方法によれ
ば、単に粉砕した籾殻を充填しその表面を平らに均平し
た後に鎮圧し、所定の種を播種した後に覆土し、さらに
その表面を平らに均平した後に再び鎮圧することで育苗
用培土が得られるため、製造に長い時間を要することが
なく、量産が可能になる。しかも、この製造方法によっ
て得られた育苗用培土には、所定の作物の種が播種され
ているため、育苗する作物の種類に応じて複数種類の異
なる育苗用培土を準備しておくことが可能になり、大幅
に適用の範囲が拡大する。
【0018】なお、請求項2記載の育苗用培土の製造方
法においては、粉砕した籾殻のみならず、この粉砕籾殻
に育苗用肥料等を混合して製造することも可能である。
したがって、粉砕籾殻に育苗用肥料等を混合して製造し
た場合には、育苗に際して別の新たな肥料をこの育苗用
培土に加える必要がない。また、育苗する作物の種類や
天候(気候)等に応じてこの育苗用肥料の種類や混合割
合を適宜変更して、複数種類の異なる育苗用培土を準備
しておけば、大幅に適用の範囲が拡大する。
【0019】このように、請求項2記載の育苗用培土の
製造方法では、割れたり崩れることがなく取扱いが容易
な育苗用培土を安価でかつ量産することができる。
【0020】請求項3に係る発明の育苗用培土は、所定
の育苗箱に粉砕した籾殻を床土として充填し、前記充填
した籾殻の表面を平らに均平した後に所定の圧力で鎮圧
し、前記鎮圧した後の前記籾殻上に所定の作物の種を播
種すると共に前記種に粉砕した籾殻によって覆土を施し
て成ることを特徴としている。
【0021】請求項3記載の育苗用培土は、所定の育苗
箱に充填した粉砕籾殻をその表面を平らに均した後に所
定の圧力で鎮圧し、所定の種を播種した後に粉砕籾殻に
よって覆土して得られる。
【0022】ここで、この育苗用培土を用いて所定の種
を育苗すれば、稚苗が生育するにつれてその根が育苗用
培土内に入り込んで網状に絡み合い、自然に固形のマッ
ト状になる。このため、屈曲性及び保水性を確保でき、
割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。ま
た、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、そ
の取扱いも容易になる。
【0023】また、この育苗用培土では、前述の如く育
苗箱に充填した粉砕籾殻の表面を平らに均して得られる
ため、この育苗用培土を用いて育苗する際に稚苗の丈が
不揃いになることが防止される。また、この育苗用培土
では、粉砕籾殻を所定の圧力で鎮圧して得られるため、
この育苗用培土を用いて育苗する際に床土の中に空隙が
在り過ぎることによる稚苗の根の生育不良が防止され
る。
【0024】さらに、この育苗用培土では、単に粉砕し
た籾殻を充填しその表面を平らに均平した後に鎮圧し、
所定の種を播種した後に覆土することで得られるため、
製造に長い時間を要することがなく、量産が可能にな
る。
【0025】なお、請求項3記載の育苗用培土において
は、粉砕した籾殻のみならず、この粉砕籾殻に育苗用肥
料等を混合することも可能である。したがって、粉砕籾
殻に育苗用肥料等を混合した場合には、育苗に際して別
の新たな肥料をこの育苗用培土に加える必要がない。ま
た、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じてこの
育苗用肥料の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類
の異なる育苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範
囲が拡大する。
【0026】このように、請求項3記載の育苗用培土で
は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、し
かも安価でかつ量産することができる。
【0027】請求項4に係る発明の育苗用培土は、所定
の育苗箱に粉砕した籾殻を床土として充填し、前記充填
した籾殻の表面を平らに均平した後に所定の圧力で鎮圧
し、前記鎮圧した後の前記籾殻上に所定の作物の種を播
種すると共に前記種に粉砕した籾殻によって覆土を施
し、前記覆土した籾殻の表面を平らに均平した後に所定
の圧力で鎮圧して成ることを特徴としている。
【0028】請求項4記載の育苗用培土は、所定の育苗
箱に充填した粉砕籾殻をその表面を均平した後に所定の
圧力で鎮圧し、所定の種を播種した後に粉砕籾殻によっ
て覆土し、さらにその表面を均平した後に所定の圧力で
鎮圧して得られる。
【0029】ここで、この育苗用培土を用いて所定の種
を育苗すれば、稚苗が生育するにつれてその根が育苗用
培土内に入り込んで網状に絡み合い、自然に固形のマッ
ト状になる。このため、屈曲性及び保水性を確保でき、
割れたり欠け難く、運搬中に形が崩れることがない。ま
た、育苗のために灌水しても形が崩れることがなく、そ
の取扱いも容易になる。
【0030】また、この育苗用培土では、前述の如く育
苗箱に充填した粉砕籾殻の表面を平らに均して得られる
ため、この育苗用培土を用いて育苗する際に稚苗の丈が
不揃いになることが防止される。また、この育苗用培土
では、粉砕籾殻を所定の圧力で鎮圧して得られるため、
この育苗用培土を用いて育苗する際に床土の中に空隙が
在り過ぎることによる稚苗の根の生育不良が防止され
る。さらに、この育苗用培土では、覆土した籾殻の表面
を均平して得られるため、この覆土の表面がでこぼこし
過ぎた場合に潅水しても保湿状態が不揃いで発芽も不揃
いになる、といった不具合が防止できる。またさらに、
覆土した粉砕籾殻を所定の圧力で鎮圧して得られるた
め、この覆土(籾殻)の中に空隙が在り過ぎることによ
る保湿不良や稚苗の根が立ち上がる、といった不具合が
防止できる。
【0031】さらに、この育苗用培土では、単に粉砕し
た籾殻を充填しその表面を平らに均平した後に鎮圧し、
所定の種を播種した後に覆土し、さらにその表面を均平
した後に所定の圧力で鎮圧して得られるため、製造に長
い時間を要することがなく、量産が可能になる。しか
も、この育苗用培土には、所定の作物の種が播種されて
いるため、育苗する作物の種類に応じて複数種類の異な
る育苗用培土を準備しておくことが可能になり、大幅に
適用の範囲が拡大する。
【0032】なお、請求項4記載の育苗用培土において
は、粉砕した籾殻のみならず、この粉砕籾殻に育苗用肥
料等を混合することも可能である。したがって、粉砕籾
殻に育苗用肥料等を混合した場合には、育苗に際して別
の新たな肥料をこの育苗用培土に加える必要がない。ま
た、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じてこの
育苗用肥料の種類や混合割合を適宜変更して、複数種類
の異なる育苗用培土を準備しておけば、大幅に適用の範
囲が拡大する。
【0033】このように、請求項4記載の育苗用培土で
は、割れたり崩れることがなく取扱いが容易であり、し
かも安価でかつ量産することができる。
【0034】なお、前述した育苗用肥料等としては、中
期育成用肥料(例えば、商標:ロングM100)、良質
土壌菌繁殖用剤(例えば、ゼオライト)、初期育成用肥
料(例えば、硫加燐安)、健苗育成剤(例えば、商標:
FTE)、PH調整剤兼用の発芽抑制物質除去剤(例え
ば、クエン酸)、等が含まれる。
【0035】さらに、粉砕籾殻と各育苗用肥料等の混合
割合としては、例えば、籾殻が600gの場合に、中期
育成用肥料を60g、良質土壌菌繁殖用剤を6g、初期
育成用肥料を7g、健苗育成剤を0.36g、発芽抑制
物質除去剤を1.2gとすると良いが、この混合割合は
適宜変更可能である。
【0036】また、他の添加材として、育苗用肥料のみ
ならず、吸水性を良くするための界面活性剤を粉砕籾殻
に併せて混合攪拌してもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】図1(A)乃至図1(G)には、
本発明の実施の形態に係る育苗用培土10の製造方法が
各工程順に示されており、これらの各図に従って本製造
方法を説明する。
【0038】本実施の形態に係る育苗用培土10を製造
する際には、先ず、図1(A)に示す如く、籾殻充填工
程30を実施する。この籾殻充填工程30においては、
床土としての粉砕した籾殻12を、例えば供給ホッパ5
0等から育苗箱14に供給して充填する。籾殻12が充
填された育苗箱14は、図示を省略したベルトコンベヤ
等によって次ぎの籾殻均平工程32へ移送される。な
お、以下に説明する各工程間は、前述と同様にベルトコ
ンベヤ等によって順次移送される。
【0039】籾殻均平工程32においては、図1(B)
に示す如く、育苗箱14に充填された籾殻12の表面を
均平具52等によって平らに均す。表面の籾殻12が平
らに均された育苗箱14は、次ぎの籾殻鎮圧工程34へ
搬送される。
【0040】籾殻鎮圧工程34においては、図1(C)
に示す如く、育苗箱14内の粉砕籾殻12が加圧具54
等によって所定の圧力で圧縮され鎮圧される鎮圧後に
は、次ぎの播種工程36へ移送する。
【0041】播種工程36においては、図1(D)に示
す如く、種供給装置56等によって所定作物の種Sが播
種される。所定の種Sが播種された後には、次ぎの覆土
工程38へ移送される。覆土工程38においては、図1
(E)に示す如く、覆土供給装置58等によって、粉砕
した籾殻によって覆土16が施される。
【0042】次いで、覆土16が施された後には、図1
(F)に示す如く、覆土均平工程40において、前記覆
土工程38によって施された覆土16(粉砕籾殻)の表
面が均平具60等によって平らに均平される。さらに、
覆土16の表面が均平された後には、次ぎの覆土鎮圧工
程42へ移送される。図1(G)に示す如く、覆土鎮圧
工程42においては、加圧具62等によって覆土16が
所定の圧力で圧縮され鎮圧される。
【0043】以上により、育苗用培土10が得られる。
【0044】このようにして所定の種Sが播種された育
苗用培土10(育苗箱14)には、日々灌水及び温度管
理をして育苗する。
【0045】ここで、以上のように製造されたこの育苗
用培土10を使用した育苗に際しては、稚苗が生育する
につれてその根が育苗用培土10内に入り込んで網状に
絡み合い、自然に固形のマット状になる。このため、屈
曲性及び保水性を確保でき、割れたり欠け難く、運搬中
に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水して
も形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。
【0046】また、この育苗用培土10及びその製造方
法によれば、前述の如く育苗箱14に充填した粉砕籾殻
12の表面が籾殻均平工程32において平らに均される
ため、この育苗用培土10を用いて育苗する際に稚苗の
丈が不揃いになることが防止される。また、籾殻均平工
程32を経た後の粉砕籾殻12は、籾殻鎮圧工程34に
おいて所定の圧力で圧縮されて鎮圧されるため、この育
苗用培土10を用いて育苗する際に床土の中に空隙が在
り過ぎることによる稚苗の根の生育不良が防止される。
【0047】さらに、この育苗用培土10及びその製造
方法によれば、覆土16を施した後に覆土均平工程40
において覆土16の表面を平らに均平すため、この覆土
16の表面がでこぼこし過ぎた場合に潅水しても保湿状
態が不揃いで発芽も不揃いになる、といった不具合が防
止できる。またさらに、覆土16を施した後に覆土鎮圧
工程42において覆土16を所定の圧力で鎮圧するた
め、覆土16の中に空隙が在り過ぎることによる保湿不
良や稚苗の根が立ち上がる、といった不具合が防止でき
る。
【0048】以上の如く、本実施の形態に係る育苗用培
土10及びその製造方法によれば、単に粉砕した籾殻1
2を充填し鎮圧し、所定の種Sを播種した後に覆土16
を施し、さらにその表面を平らに均平した後に再び鎮圧
することで育苗用培土10が得られるため、製造に長い
時間を要することがなく、安価でかつ量産することがで
きる。特に、この育苗用培土10は、床土としての粉砕
籾殻12自体が極めて安価であるため(更に言えば、所
謂産業廃棄物としての籾殻12を床土として有効利用す
ることができるため)、大幅に安価になる。
【0049】しかも、この育苗用培土10は、その後の
育苗によって稚苗の根が育苗用培土10内に入り込んで
網状に絡み合い自然に固形のマット状になるため、屈曲
性及び保水性に富んでおり、割れたり欠け難く、運搬中
に形が崩れることがない。また、育苗のために灌水して
も形が崩れることがなく、その取扱いも容易になる。さ
らに、この育苗用培土10には、所定の作物の種Sが播
種されているため、育苗する作物の種類に応じて複数種
類の異なる育苗用培土10を準備しておくことが可能に
なり、大幅に適用の範囲が拡大する。
【0050】なお、前述した育苗用培土10及びその製
造方法においては、粉砕した籾殻12のみならず、この
粉砕籾殻12に育苗用肥料等を混合して構成(製造)す
ることも可能である。すなわち、籾殻充填工程30の前
に所定の育苗用肥料等を混合して床土の原材料として設
定しておけば良い。
【0051】このように粉砕籾殻12に育苗用肥料等を
混合して構成(製造)した場合には、育苗に際して別の
新たな肥料をこの育苗用培土10に加える必要がない。
また、育苗する作物の種類や天候(気候)等に応じてこ
の育苗用肥料の種類や混合割合を適宜変更して、複数種
類の異なる育苗用培土10を準備しておけば、大幅に適
用の範囲が拡大する。
【0052】なお、以下に育苗用培土10の各構成材の
種類及び含有量の一例を示す。
【0053】 籾殻 :600g 中期育成用肥料(商標:ロングM100) : 60g 良質土壌菌繁殖用剤(ゼオライト) : 6g 初期育成用肥料(硫加燐安) : 7g 健苗育成剤(商標:FTE) : 0.36g 発芽抑制物質除去剤(クエン酸) : 1.2g なお、前記籾殻12と複数の育苗用肥料の混合割合は、
適宜変更可能である。また、他の添加材として、育苗用
肥料のみならず、吸水性を良くするための界面活性剤を
粉砕籾殻に併せて混合攪拌してもよい。
【0054】また、前述した実施の形態においては、覆
土工程38によって覆土16を施した後に、覆土均平工
程40及び覆土鎮圧工程42を経て育苗用培土10を得
る構成として説明したが、これに限らず、覆土均平工程
40及び覆土鎮圧工程42を省略して構成することも可
能である。この場合には、製造工程が減少するため、よ
り一層安価でかつ量産することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る育苗用培
土の製造方法及びその育苗用培土は、割れたり崩れるこ
とがなく取扱いが容易であり、しかも安価でかつ量産す
ることができるいう優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る育苗用培土の製造方
法を工程順に示す概略的な断面図である。
【符号の説明】
10 育苗用培土 12 籾殻 14 育苗箱 16 覆土(籾殻) 30 籾殻充填工程 32 籾殻均平工程 34 籾殻鎮圧工程 36 播種工程 38 覆土工程 40 覆土均平工程 42 覆土鎮圧工程 S 種
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01G 9/02 601 A01G 9/02 601 Fターム(参考) 2B022 AB20 BA14 BB02 2B027 NA10 NB03 NC05 NC21 ND03 XB08 XC01 XC12 2B054 AA06 AA12 AA14 BA01 BB03 DA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の育苗箱に粉砕した籾殻を床土とし
    て充填する籾殻充填工程と、前記籾殻充填工程の後に前
    記充填した籾殻の表面を平らに均す籾殻均平工程と、前
    記籾殻均平工程の後に前記育苗箱内の前記籾殻を所定の
    圧力で圧縮する籾殻鎮圧工程と、前記籾殻鎮圧工程の後
    に前記籾殻上に所定の作物の種を播種する播種工程と、
    前記播種工程の後に前記種に粉砕した籾殻によって覆土
    を施す覆土工程と、から成る育苗用培土の製造方法。
  2. 【請求項2】 所定の育苗箱に粉砕した籾殻を床土とし
    て充填する籾殻充填工程と、前記籾殻充填工程の後に前
    記充填した籾殻の表面を平らに均す籾殻均平工程と、前
    記籾殻均平工程の後に前記育苗箱内の前記籾殻を所定の
    圧力で圧縮する籾殻鎮圧工程と、前記籾殻鎮圧工程の後
    に前記籾殻上に所定の作物の種を播種する播種工程と、
    前記播種工程の後に前記種に粉砕した籾殻によって覆土
    を施す覆土工程と、前記覆土工程の後に前記覆土した籾
    殻の表面を平らに均す覆土均平工程と、覆土均平工程の
    後に前記覆土した籾殻を所定の圧力で圧縮する覆土鎮圧
    工程と、から成る育苗用培土の製造方法。
  3. 【請求項3】 所定の育苗箱に粉砕した籾殻を床土とし
    て充填し、前記充填した籾殻の表面を平らに均平した後
    に所定の圧力で鎮圧し、前記鎮圧した後の前記籾殻上に
    所定の作物の種を播種すると共に前記種に粉砕した籾殻
    によって覆土を施して成る育苗用培土。
  4. 【請求項4】 所定の育苗箱に粉砕した籾殻を床土とし
    て充填し、前記充填した籾殻の表面を平らに均平した後
    に所定の圧力で鎮圧し、前記鎮圧した後の前記籾殻上に
    所定の作物の種を播種すると共に前記種に粉砕した籾殻
    によって覆土を施し、前記覆土した籾殻の表面を平らに
    均平した後に所定の圧力で鎮圧して成る育苗用培土。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102870585A (zh) * 2012-10-26 2013-01-16 江苏省农业科学院 一种甘蓝漂浮育苗的方法
CN103999606A (zh) * 2014-06-10 2014-08-27 镇江瑞繁农艺有限公司 提高甜玉米发芽率的播种方法
JP2019076062A (ja) * 2017-10-26 2019-05-23 茂 増田 育苗培土、その育苗培土の製造方法、及び育苗方法

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