JP2001298305A - 非可逆回路素子およびその製造方法 - Google Patents
非可逆回路素子およびその製造方法Info
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- JP2001298305A JP2001298305A JP2000110729A JP2000110729A JP2001298305A JP 2001298305 A JP2001298305 A JP 2001298305A JP 2000110729 A JP2000110729 A JP 2000110729A JP 2000110729 A JP2000110729 A JP 2000110729A JP 2001298305 A JP2001298305 A JP 2001298305A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アイソレータやサーキュレータの電気特性を
安定化させると共に、小型で安価な非可逆回路素子を提
供する。 【解決手段】 上ヨークと下ヨーク間に永久磁石を配置
して構成される磁気回路内に、中心導体とフェリ磁性体
を備えた組立体と、前記下ヨークと射出成形により一体
化された樹脂ケースを具備する非可逆回路素子であっ
て、前記下ヨークは少なくとも2種類以上の金属材料を
圧延加工又は溶接して接合した積層体であることを特徴
した。
安定化させると共に、小型で安価な非可逆回路素子を提
供する。 【解決手段】 上ヨークと下ヨーク間に永久磁石を配置
して構成される磁気回路内に、中心導体とフェリ磁性体
を備えた組立体と、前記下ヨークと射出成形により一体
化された樹脂ケースを具備する非可逆回路素子であっ
て、前記下ヨークは少なくとも2種類以上の金属材料を
圧延加工又は溶接して接合した積層体であることを特徴
した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波信号に対し
て非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、具体
的には携帯電話などの移動体通信システムの中で使用さ
れ、一般にアイソレータやサーキューレータと呼ばれる
非可逆回路素子に関するものである。
て非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子に関し、具体
的には携帯電話などの移動体通信システムの中で使用さ
れ、一般にアイソレータやサーキューレータと呼ばれる
非可逆回路素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波帯、UHF帯で使用さ
れる携帯電話、自動車電話等の送受信回路部品の一つと
してアイソレータ,サーキュレータ等の非可逆回路素子
がある。一般にアイソレータやサーキュレータは、アン
プの破損を防止する目的で使用され、信号の伝送方向の
挿入損失は小さく、かつ逆方向への逆方向損失は大きく
なるような機能を持たせたものである。以下、本願明細
書では非可逆回路素子のうちアイソレータを例にとって
説明する。
れる携帯電話、自動車電話等の送受信回路部品の一つと
してアイソレータ,サーキュレータ等の非可逆回路素子
がある。一般にアイソレータやサーキュレータは、アン
プの破損を防止する目的で使用され、信号の伝送方向の
挿入損失は小さく、かつ逆方向への逆方向損失は大きく
なるような機能を持たせたものである。以下、本願明細
書では非可逆回路素子のうちアイソレータを例にとって
説明する。
【0003】図7にアイソレータの一例を分解斜視図で
示す。このアイソレータは、上ケース1、磁石2、組立
体20、平板コンデンサ8、9、10、ダミー抵抗1
1、樹脂ケース7、下ケース12から構成されている。
組立体20は、円板状のシールド板から放射状に3つの
中心導体4、5、6が突出した構造の導電板を用意し、
その導電板の円板状部にフェライト円板3を配置する。
そして、3つの中心導体4、5、6を折り曲げて重ね
る。このとき、各中心導体4、5、6は絶縁されて重ね
られ、構成される。
示す。このアイソレータは、上ケース1、磁石2、組立
体20、平板コンデンサ8、9、10、ダミー抵抗1
1、樹脂ケース7、下ケース12から構成されている。
組立体20は、円板状のシールド板から放射状に3つの
中心導体4、5、6が突出した構造の導電板を用意し、
その導電板の円板状部にフェライト円板3を配置する。
そして、3つの中心導体4、5、6を折り曲げて重ね
る。このとき、各中心導体4、5、6は絶縁されて重ね
られ、構成される。
【0004】この樹脂ケース7は、中央に、組立体用の
円形状の凹部13aを有し、その周囲に容量素子用の凹
部13b、13c、13dを有する。この容量素子用の
凹部13b、13c、13dの底部及び組立体用の凹部
13aには、接続電極14aが形成されている。そし
て、この接続電極14aは、一体の0.1mm程度の導
体板で構成されており、底面側では露出し、かつ側面部
の外部端子15a、15b、15d、15eを構成して
いる。この15d、15eは、15a、15bの対向面
に対称に形成され、図示していない。また、中心導体が
接続される端子電極部16b、16cが形成されてい
る。この端子電極部16b、16cは側面の外部端子1
5f、15cに導通している。この15fは、15cの
対向面に対称に形成されており、図示していない。
円形状の凹部13aを有し、その周囲に容量素子用の凹
部13b、13c、13dを有する。この容量素子用の
凹部13b、13c、13dの底部及び組立体用の凹部
13aには、接続電極14aが形成されている。そし
て、この接続電極14aは、一体の0.1mm程度の導
体板で構成されており、底面側では露出し、かつ側面部
の外部端子15a、15b、15d、15eを構成して
いる。この15d、15eは、15a、15bの対向面
に対称に形成され、図示していない。また、中心導体が
接続される端子電極部16b、16cが形成されてい
る。この端子電極部16b、16cは側面の外部端子1
5f、15cに導通している。この15fは、15cの
対向面に対称に形成されており、図示していない。
【0005】この樹脂ケース7の容量素子用の凹部13
b、13c、13dにそれぞれ容量素子8、9、10が
挿入される。この容量素子は、その上下面に電極が形成
された平板コンデンサであり、下面の電極と凹部の底部
に形成された接続電極14aとは半田接続される。ま
た、抵抗素子11が配置され、抵抗素子11の一方の電
極は、接続電極14aに半田接続される。
b、13c、13dにそれぞれ容量素子8、9、10が
挿入される。この容量素子は、その上下面に電極が形成
された平板コンデンサであり、下面の電極と凹部の底部
に形成された接続電極14aとは半田接続される。ま
た、抵抗素子11が配置され、抵抗素子11の一方の電
極は、接続電極14aに半田接続される。
【0006】次いで、樹脂ケース7の組立体用の円形状
の凹部13aに、上記した組立体20を配置する。この
とき、中心導体部分の円板状のシールド板は、接続電極
14aと半田接続される。これにより、中心導体の一端
はアース接続される。中心導体4の一端は、容量素子8
の上面の電極と抵抗素子11の一方の端子電極に接続さ
れる。また、中心導体5の一端は、容量素子9の上面の
電極と端子電極部16bに接続される。また、中心導体
6の一端は、容量素子10の上面の電極と端子電極部1
6cに接続される。
の凹部13aに、上記した組立体20を配置する。この
とき、中心導体部分の円板状のシールド板は、接続電極
14aと半田接続される。これにより、中心導体の一端
はアース接続される。中心導体4の一端は、容量素子8
の上面の電極と抵抗素子11の一方の端子電極に接続さ
れる。また、中心導体5の一端は、容量素子9の上面の
電極と端子電極部16bに接続される。また、中心導体
6の一端は、容量素子10の上面の電極と端子電極部1
6cに接続される。
【0007】そして、下ケース12上に樹脂ケース7が
配置される。下ケース12は、樹脂ケース7の底部の凹
部18に合致する構造となっている。そして、下ケース
12と、接続電極14aの裏面とははんだ接続される。
また、この樹脂ケース7の外部端子により面実装を可能
としている。そして、磁性体3に直流磁界を印加する永
久磁石2を上ケース1に位置決めし、上ケース1と下ケ
ース12を嵌合させて、アイソレータを構成している。
尚、上記抵抗素子を無くし、他の中心導体と同様に外部
端子を付けるとサーキュレータとなる。また、上記コン
デンサ、端子電極部と中心導体端部との接続は、例えば
半田付けにより行われる。
配置される。下ケース12は、樹脂ケース7の底部の凹
部18に合致する構造となっている。そして、下ケース
12と、接続電極14aの裏面とははんだ接続される。
また、この樹脂ケース7の外部端子により面実装を可能
としている。そして、磁性体3に直流磁界を印加する永
久磁石2を上ケース1に位置決めし、上ケース1と下ケ
ース12を嵌合させて、アイソレータを構成している。
尚、上記抵抗素子を無くし、他の中心導体と同様に外部
端子を付けるとサーキュレータとなる。また、上記コン
デンサ、端子電極部と中心導体端部との接続は、例えば
半田付けにより行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、アイソレータに
限ることなく移動体通信の分野では、小型高性能化と低
価格化の要求は高まるばかりで、いまや数百μm単位で
の小型化とコンマ数dB単位での高性能化と更なる廉価
化が課題とされるに至っている。従来の非可逆回路素子
ではコンデンサや組立体の接続部品として0.1mm程
度の導体板を有し、この導体板を用いた外部端子を備え
た樹脂ケースが必要であり、これを下ヨークとはんだ付
けなどの手段により接続することが必要であった。この
ため非可逆回路素子の小型化が困難であり、その部品コ
スト、製造コストが高くなるという問題がある。また、
電気特性の安定化にも不利である。
限ることなく移動体通信の分野では、小型高性能化と低
価格化の要求は高まるばかりで、いまや数百μm単位で
の小型化とコンマ数dB単位での高性能化と更なる廉価
化が課題とされるに至っている。従来の非可逆回路素子
ではコンデンサや組立体の接続部品として0.1mm程
度の導体板を有し、この導体板を用いた外部端子を備え
た樹脂ケースが必要であり、これを下ヨークとはんだ付
けなどの手段により接続することが必要であった。この
ため非可逆回路素子の小型化が困難であり、その部品コ
スト、製造コストが高くなるという問題がある。また、
電気特性の安定化にも不利である。
【0009】以上のことより本発明は、アイソレータや
サーキュレータの電気特性を安定化させると共に、小型
で安価な非可逆回路素子を提供することを目的とする。
サーキュレータの電気特性を安定化させると共に、小型
で安価な非可逆回路素子を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、上ヨーク
と下ヨーク間に永久磁石を配置して構成される磁気回路
内に、中心導体とフェリ磁性体を備えた組立体と、前記
下ヨークと射出成形により一体化された樹脂ケースを具
備する非可逆回路素子であって、前記下ヨークは少なく
とも2種類以上の金属材料を圧延加工又は溶接して接合
した積層体の非可逆回路素子である。第2の発明は、上
ヨークと下ヨーク間に永久磁石を配置して構成される磁
気回路内に、中心導体とフェリ磁性体を備えた組立体
と、樹脂ケースを具備する非可逆回路素子であって、前
記下ヨークは少なくとも2種類以上の金属材料を積層し
てなり、該下ヨークと樹脂ケースを射出成形により一体
化する非可逆回路素子である。第1又は第2の発明にお
いて、前記2種類以上の金属材料は互いに異なる電気伝
導率を備え、電気伝導率の最も高い金属材料の一面に前
記組立体を実装するのが好ましい。また前記金属材料の
うち、少なくとも1種は純銅,無酸素銅,黄銅,リン青
銅から選ばれる電気伝導率が高い材料であるのが好まし
い。また前記金属材料のうち、少なくとも1種がSPC
C,42アロイ,Fe−Co合金から選ばれる飽和磁束
密度が高い材料であるのも好ましい。さらに前記金属材
料のうち、少なくとも1種の金属材料の表面に、銀、
銅、金、アルミニウム、錫の中から選ばれる少なくとも
一つを含む金属または合金で金属皮膜を形成するのが望
ましい。また前記樹脂ケースを構成する樹脂材料がエン
ジニアリングプラスチックである。第3の発明は、プレ
ス加工により所定の形状に打ち抜かれた少なくとも2種
類の金属材料で構成されるフープ状の金属材料を、金型
内に配置し、エンジニアプラスチックを射出成形して前
記金属材料と一体化した樹脂ケースを形成する工程を備
えた非可逆回路素子の製造方法。
と下ヨーク間に永久磁石を配置して構成される磁気回路
内に、中心導体とフェリ磁性体を備えた組立体と、前記
下ヨークと射出成形により一体化された樹脂ケースを具
備する非可逆回路素子であって、前記下ヨークは少なく
とも2種類以上の金属材料を圧延加工又は溶接して接合
した積層体の非可逆回路素子である。第2の発明は、上
ヨークと下ヨーク間に永久磁石を配置して構成される磁
気回路内に、中心導体とフェリ磁性体を備えた組立体
と、樹脂ケースを具備する非可逆回路素子であって、前
記下ヨークは少なくとも2種類以上の金属材料を積層し
てなり、該下ヨークと樹脂ケースを射出成形により一体
化する非可逆回路素子である。第1又は第2の発明にお
いて、前記2種類以上の金属材料は互いに異なる電気伝
導率を備え、電気伝導率の最も高い金属材料の一面に前
記組立体を実装するのが好ましい。また前記金属材料の
うち、少なくとも1種は純銅,無酸素銅,黄銅,リン青
銅から選ばれる電気伝導率が高い材料であるのが好まし
い。また前記金属材料のうち、少なくとも1種がSPC
C,42アロイ,Fe−Co合金から選ばれる飽和磁束
密度が高い材料であるのも好ましい。さらに前記金属材
料のうち、少なくとも1種の金属材料の表面に、銀、
銅、金、アルミニウム、錫の中から選ばれる少なくとも
一つを含む金属または合金で金属皮膜を形成するのが望
ましい。また前記樹脂ケースを構成する樹脂材料がエン
ジニアリングプラスチックである。第3の発明は、プレ
ス加工により所定の形状に打ち抜かれた少なくとも2種
類の金属材料で構成されるフープ状の金属材料を、金型
内に配置し、エンジニアプラスチックを射出成形して前
記金属材料と一体化した樹脂ケースを形成する工程を備
えた非可逆回路素子の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例による非可
逆回路素子及びその製造方法について説明する。図1
は、本発明に係るアイソレータの全体構成示す分解斜視
図、図2は樹脂ケースと一体構造の下ヨークの斜視図、
図3及び図4は図2のA−A’、B―B’断面図であ
り、図5はフープ状の下ヨークの斜視図である。図1に
示すように本発明に係るアイソレータは、外部端子を備
えた樹脂ケース7と下ヨーク12とを一体化し、前記樹
脂ケースの凹部に、磁性体に3本の中心導体を相互に絶
縁して重ねた組立体20、コンデンサ8,9,10、抵
抗素子11を所定の部位にクリームはんだを塗布して搭
載し、更に永久磁石を配置した上ヨークと下ヨークを嵌
合させた構造としている。前記樹脂ケースと一体構造の
下ヨーク12を構成する複数の金属材料のうち少なくと
も1種は電気伝導率が高い純銅,無酸素銅,黄銅,リン
青銅であり、更に少なくとも1種はSPCC,42アロ
イ,Fe−Co合金から選ばれ、これらの金属材料はそ
れぞれ30〜300μm程度に冷間圧延又は熱間圧延さ
れている。また上ヨークにもSPCC,42アロイ,F
e−Co合金から選ばれる合金を用いるのが好ましい。
上下ヨークに前記42アロイを用いれば耐酸化性に優れ
るので好ましく、また、上下ヨークは磁気回路の一部と
して用いられるので、磁気特性に優れた、SPCCやF
e−Co合金を使用するのが望ましく、前記Fe−Co
合金の組成としては、具体的には質量%でそれぞれ、C
o:49、V:2、C:≦0.015、Si:≦0.1
0、Mn:≦0.15、残部Fe及び不可避不純物から
なる合金である。この合金の板材は100μm程度の極
薄板の製造が可能であり、通常最大透磁率は15000
で飽和磁束密度は2.25テスラの特性を保持すること
が出来るものである。ここで、Coは周波数帯と磁気特
性との相関から40〜60%で選定するが50%前後が
望ましく、Vは冷間加工性を改善するために添加する
が、反面磁気特性に影響を与えるので5%以下とし、加
工性確保のために2%が望ましい。このFe−Co合金
をヨークに用いればヨークの厚さを薄くしても磁気回路
における磁束漏れが必要十分に抑制されるので、アイソ
レータを更に薄型化、小型化することが出来る。さら
に、その前記金属材料の表面に銀、銅、金、アルミニウ
ム、錫のうち少なくとも一つを含む金属または合金で電
界・無電界めっき等の手段により金属皮膜を形成しても
よい。この金属皮膜の材料は目的に応じて使い分けら
れ、例えば挿入損失特性などの電気的特性を重要視する
場合は電気抵抗率が5.5μΩcm以下、好ましくは
3.0μΩcm更に好ましくは1.8μΩcm以下であ
る導電性の高い金属皮膜が好ましい。また、前記外部端
子のはんだ濡れ性を重要視する場合は、錫もしくははん
だによる金属皮膜を形成することにより、はんだ濡れ性
に優れた外部端子を形成できる。また、これらの金属皮
膜厚さは0.5〜25μm、好ましくは0.5〜10μ
m、更に好ましくは1〜8μmとする。前記組立体2
0、コンデンサ8,9,10、抵抗素子11は、電気伝
導率が高い前記金属材料の一面に実装する。このため導
体板を用いて樹脂ケースを構成している従来のアイソレ
ータと同等の電気的特性を維持することができる。しか
も下ヨークと樹脂ケースの一体化によって従来のアイソ
レータでは必要な、下ヨークと樹脂ケース間のクリーム
はんだ塗布や嵌合工程が必要なくなる為、部品コスト、
製造コストを抑制できるとともに、はんだ塗布量のバラ
ツキや嵌合状態のバラツキが発生しない為、電気的特性
の安定化が可能である。
逆回路素子及びその製造方法について説明する。図1
は、本発明に係るアイソレータの全体構成示す分解斜視
図、図2は樹脂ケースと一体構造の下ヨークの斜視図、
図3及び図4は図2のA−A’、B―B’断面図であ
り、図5はフープ状の下ヨークの斜視図である。図1に
示すように本発明に係るアイソレータは、外部端子を備
えた樹脂ケース7と下ヨーク12とを一体化し、前記樹
脂ケースの凹部に、磁性体に3本の中心導体を相互に絶
縁して重ねた組立体20、コンデンサ8,9,10、抵
抗素子11を所定の部位にクリームはんだを塗布して搭
載し、更に永久磁石を配置した上ヨークと下ヨークを嵌
合させた構造としている。前記樹脂ケースと一体構造の
下ヨーク12を構成する複数の金属材料のうち少なくと
も1種は電気伝導率が高い純銅,無酸素銅,黄銅,リン
青銅であり、更に少なくとも1種はSPCC,42アロ
イ,Fe−Co合金から選ばれ、これらの金属材料はそ
れぞれ30〜300μm程度に冷間圧延又は熱間圧延さ
れている。また上ヨークにもSPCC,42アロイ,F
e−Co合金から選ばれる合金を用いるのが好ましい。
上下ヨークに前記42アロイを用いれば耐酸化性に優れ
るので好ましく、また、上下ヨークは磁気回路の一部と
して用いられるので、磁気特性に優れた、SPCCやF
e−Co合金を使用するのが望ましく、前記Fe−Co
合金の組成としては、具体的には質量%でそれぞれ、C
o:49、V:2、C:≦0.015、Si:≦0.1
0、Mn:≦0.15、残部Fe及び不可避不純物から
なる合金である。この合金の板材は100μm程度の極
薄板の製造が可能であり、通常最大透磁率は15000
で飽和磁束密度は2.25テスラの特性を保持すること
が出来るものである。ここで、Coは周波数帯と磁気特
性との相関から40〜60%で選定するが50%前後が
望ましく、Vは冷間加工性を改善するために添加する
が、反面磁気特性に影響を与えるので5%以下とし、加
工性確保のために2%が望ましい。このFe−Co合金
をヨークに用いればヨークの厚さを薄くしても磁気回路
における磁束漏れが必要十分に抑制されるので、アイソ
レータを更に薄型化、小型化することが出来る。さら
に、その前記金属材料の表面に銀、銅、金、アルミニウ
ム、錫のうち少なくとも一つを含む金属または合金で電
界・無電界めっき等の手段により金属皮膜を形成しても
よい。この金属皮膜の材料は目的に応じて使い分けら
れ、例えば挿入損失特性などの電気的特性を重要視する
場合は電気抵抗率が5.5μΩcm以下、好ましくは
3.0μΩcm更に好ましくは1.8μΩcm以下であ
る導電性の高い金属皮膜が好ましい。また、前記外部端
子のはんだ濡れ性を重要視する場合は、錫もしくははん
だによる金属皮膜を形成することにより、はんだ濡れ性
に優れた外部端子を形成できる。また、これらの金属皮
膜厚さは0.5〜25μm、好ましくは0.5〜10μ
m、更に好ましくは1〜8μmとする。前記組立体2
0、コンデンサ8,9,10、抵抗素子11は、電気伝
導率が高い前記金属材料の一面に実装する。このため導
体板を用いて樹脂ケースを構成している従来のアイソレ
ータと同等の電気的特性を維持することができる。しか
も下ヨークと樹脂ケースの一体化によって従来のアイソ
レータでは必要な、下ヨークと樹脂ケース間のクリーム
はんだ塗布や嵌合工程が必要なくなる為、部品コスト、
製造コストを抑制できるとともに、はんだ塗布量のバラ
ツキや嵌合状態のバラツキが発生しない為、電気的特性
の安定化が可能である。
【0012】そして、前記金属材料を液晶ポリマーやポ
リフェニレンサルファイド等の高耐熱の熱可塑性エンジ
ニアリングプラスチックを用いて射出成形することによ
り樹脂ケースと一体化した下ヨークを構成する。この
際、下ヨークを構成する少なくとも前記2種類以上の金
属材料は、予め圧延加工あるいは溶接して一体化したシ
ート状材をプレス加工機で所定の形状に打ち抜き、折り
曲げ加工して、図5に示すフープ状にて射出成形金型内
に配置供給するのが好ましい。または、少なくとも1種
類以上の金属材料で構成されるシート状材をプレス加工
機で所定の形状に打ち抜き、折り曲げ加工し、図6に示
すように複数のフープ状材を互いに組み合わせて供給し
ても良い。さらに射出成形後、フレームと下ヨークとを
接続するリード部を金型で切断、折り曲げ加工して、前
記リード部を図3、4に示すように外部端子15c,1
5f,15a,15dとして形成した。前記リード部を
金型で切断する際に前記金属材の表面が露出するが、複
数の金属材料の一つとしてSPCCを用いる場合には、
該露出部の酸化防止のため、さらに前記めっき処理を数
μm程度の皮膜厚さで行うのが好ましい。また、さらに
この導電性皮膜の上には耐磨耗、耐酸化及び美観的な要
素から0.2〜2μm程度のニッケルやクロムめっき等
の導電性保護皮膜層を形成しても良い。
リフェニレンサルファイド等の高耐熱の熱可塑性エンジ
ニアリングプラスチックを用いて射出成形することによ
り樹脂ケースと一体化した下ヨークを構成する。この
際、下ヨークを構成する少なくとも前記2種類以上の金
属材料は、予め圧延加工あるいは溶接して一体化したシ
ート状材をプレス加工機で所定の形状に打ち抜き、折り
曲げ加工して、図5に示すフープ状にて射出成形金型内
に配置供給するのが好ましい。または、少なくとも1種
類以上の金属材料で構成されるシート状材をプレス加工
機で所定の形状に打ち抜き、折り曲げ加工し、図6に示
すように複数のフープ状材を互いに組み合わせて供給し
ても良い。さらに射出成形後、フレームと下ヨークとを
接続するリード部を金型で切断、折り曲げ加工して、前
記リード部を図3、4に示すように外部端子15c,1
5f,15a,15dとして形成した。前記リード部を
金型で切断する際に前記金属材の表面が露出するが、複
数の金属材料の一つとしてSPCCを用いる場合には、
該露出部の酸化防止のため、さらに前記めっき処理を数
μm程度の皮膜厚さで行うのが好ましい。また、さらに
この導電性皮膜の上には耐磨耗、耐酸化及び美観的な要
素から0.2〜2μm程度のニッケルやクロムめっき等
の導電性保護皮膜層を形成しても良い。
【0013】また、図4に示すように下ケースの底面部
を外部端子よりも凹とし、前記外部端子と実装基板との
電気的接続の信頼性を向上している。
を外部端子よりも凹とし、前記外部端子と実装基板との
電気的接続の信頼性を向上している。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、アイソレータやサーキ
ュレータ等の非可逆回路素子において、磁気回路をなす
上下ケースの内、下ケースを樹脂ケースと一体的に形成
することにより非可逆回路素子を小型化でき、また内部
部品の実装面には導電性に優れた例えばCuなどの金属
材料を使用している為、従来のものと比較し同等の電気
的特性を維持することができる。また、下ヨークと樹脂
ケース間のクリームはんだ塗布や嵌合工程が必要なくな
り、はんだ塗布量のバラツキや嵌合状態のバラツキが発
生しない為、電気的特性の安定化が可能であるととも
に、部品コスト、製造コストを削減した安価な非可逆回
路素子を提供することが出来る。
ュレータ等の非可逆回路素子において、磁気回路をなす
上下ケースの内、下ケースを樹脂ケースと一体的に形成
することにより非可逆回路素子を小型化でき、また内部
部品の実装面には導電性に優れた例えばCuなどの金属
材料を使用している為、従来のものと比較し同等の電気
的特性を維持することができる。また、下ヨークと樹脂
ケース間のクリームはんだ塗布や嵌合工程が必要なくな
り、はんだ塗布量のバラツキや嵌合状態のバラツキが発
生しない為、電気的特性の安定化が可能であるととも
に、部品コスト、製造コストを削減した安価な非可逆回
路素子を提供することが出来る。
【図1】本発明に係るアイソレータの全体構成示す分解
斜視図である。
斜視図である。
【図2】本発明に係るアイソレータの樹脂ケースと一体
構造の下ヨークの斜視図である。
構造の下ヨークの斜視図である。
【図3】本発明に用いる樹脂ケースと一体構造の下ヨー
クのA−A’断面図である。
クのA−A’断面図である。
【図4】本発明に用いる樹脂ケースと一体構造の下ヨー
クのB―B’断面図である。
クのB―B’断面図である。
【図5】本発明に用いる予め圧延加工あるいは溶接され
た材料からなるフープ状材の斜視図である。
た材料からなるフープ状材の斜視図である。
【図6】本発明に用いるフープ状材の組合わせ手順を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図7】従来のアイソレータの全体構成示す分解斜視図
である。
である。
1 上ケース 2 磁石 3 磁性体 4,5,6 中心導体 7 樹脂ケース 8,9,10 コンデンサ 11 抵抗素子 12 下ケース
Claims (8)
- 【請求項1】 上ヨークと下ヨーク間に永久磁石を配置
して構成される磁気回路内に、中心導体とフェリ磁性体
を備えた組立体と、前記下ヨークと射出成形により一体
化された樹脂ケースを具備する非可逆回路素子であっ
て、前記下ヨークは少なくとも2種類以上の金属材料を
圧延加工又は溶接して接合した積層体であることを特徴
とする非可逆回路素子。 - 【請求項2】 上ヨークと下ヨーク間に永久磁石を配置
して構成される磁気回路内に、中心導体とフェリ磁性体
を備えた組立体と、樹脂ケースを具備する非可逆回路素
子であって、前記下ヨークは少なくとも2種類以上の金
属材料を積層してなり、該下ヨークと樹脂ケースを射出
成形により一体化することを特徴とする非可逆回路素
子。 - 【請求項3】 前記2種類以上の金属材料は互いに異な
る電気伝導率を備え、電気伝導率の最も高い金属材料の
一面に前記組立体を実装することを特徴とする請求項1
又は2に記載の非可逆回路素子。 - 【請求項4】 前記金属材料のうち、少なくとも1種が
純銅,無酸素銅,黄銅,リン青銅から選ばれる電気伝導
率が高い材料であることを特徴とする請求項3に記載の
非可逆回路素子。 - 【請求項5】 前記金属材料のうち、少なくとも1種が
SPCC,42アロイ,Fe−Co合金から選ばれる飽
和磁束密度が高い材料であることを特徴とする請求項3
又は4に記載の非可逆回路素子。 - 【請求項6】 前記金属材料のうち、少なくとも1種の
金属材料の表面に、銀、銅、金、アルミニウム、錫の中
から選ばれる少なくとも一つを含む金属または合金で金
属皮膜を形成することを特徴とする請求項1乃至5のい
ずれかに記載の非可逆回路素子。 - 【請求項7】 前記樹脂ケースを構成する樹脂材料がエ
ンジニアリングプラスチックであることを特徴とする請
求項1乃至6のいずれかに記載の非可逆回路素子。 - 【請求項8】 プレス加工により所定の形状に打ち抜か
れた少なくとも2種類の金属材料で構成されるフープ状
の金属材料を、金型内に配置し、エンジニアプラスチッ
クを射出成形して前記金属材料と一体化した樹脂ケース
を形成する工程を備えたことを特徴とする非可逆回路素
子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000110729A JP2001298305A (ja) | 2000-04-12 | 2000-04-12 | 非可逆回路素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000110729A JP2001298305A (ja) | 2000-04-12 | 2000-04-12 | 非可逆回路素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001298305A true JP2001298305A (ja) | 2001-10-26 |
Family
ID=18623194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000110729A Pending JP2001298305A (ja) | 2000-04-12 | 2000-04-12 | 非可逆回路素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001298305A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007295633A (ja) * | 2002-04-26 | 2007-11-08 | Hitachi Metals Ltd | 非可逆回路素子 |
-
2000
- 2000-04-12 JP JP2000110729A patent/JP2001298305A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007295633A (ja) * | 2002-04-26 | 2007-11-08 | Hitachi Metals Ltd | 非可逆回路素子 |
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