JP2001296951A - 足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体感装置。 - Google Patents
足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体感装置。Info
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- JP2001296951A JP2001296951A JP2000111998A JP2000111998A JP2001296951A JP 2001296951 A JP2001296951 A JP 2001296951A JP 2000111998 A JP2000111998 A JP 2000111998A JP 2000111998 A JP2000111998 A JP 2000111998A JP 2001296951 A JP2001296951 A JP 2001296951A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】足踏み動作を擬似歩行に変換する方法、及びそ
の方法を用いた、足踏みのみによって擬似歩行を体感す
ることのできる装置を提供する。 【解決手段】被検者が足踏みする際の実質的な股関節角
度を連続的に計測し、得られた正弦波状の角度情報か
ら、コンピュータを用い、実時間で等価的な歩行速度を
算出することを特徴とする、足踏み動作を擬似的に歩行
動作に変換する方法。この方法を用いて推定した擬似歩
行に対応するように、動画像をモニター上に表示すれ
ば、足踏みのみから擬似歩行を体感することができる。
の方法を用いた、足踏みのみによって擬似歩行を体感す
ることのできる装置を提供する。 【解決手段】被検者が足踏みする際の実質的な股関節角
度を連続的に計測し、得られた正弦波状の角度情報か
ら、コンピュータを用い、実時間で等価的な歩行速度を
算出することを特徴とする、足踏み動作を擬似的に歩行
動作に変換する方法。この方法を用いて推定した擬似歩
行に対応するように、動画像をモニター上に表示すれ
ば、足踏みのみから擬似歩行を体感することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は擬似歩行方法及びそ
れを利用した擬似歩行体感装置に関し、特に、単に足踏
みをすることにより、足踏み動作を実時間で擬似的に歩
行動作に変換する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体
感装置に関する。
れを利用した擬似歩行体感装置に関し、特に、単に足踏
みをすることにより、足踏み動作を実時間で擬似的に歩
行動作に変換する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体
感装置に関する。
【0002】
【従来技術】人工現実感(Virtual Reality:VR)の研
究の一分野として、仮想空間を移動するためのシミュレ
ータの研究がされている。身近なものでは、フライトシ
ミュレータやバーチャルスキー、レーシングゲームなど
がある。これらは、ハンドルやジョイスティックなどを
操作することによって仮想空間を移動するものである。
究の一分野として、仮想空間を移動するためのシミュレ
ータの研究がされている。身近なものでは、フライトシ
ミュレータやバーチャルスキー、レーシングゲームなど
がある。これらは、ハンドルやジョイスティックなどを
操作することによって仮想空間を移動するものである。
【0003】人間の移動方法として最も日常的な方法
は、足を使うことである。上記のフライトシミュレータ
などの他に、最近では仮想空間を歩行するシミュレータ
が数多く開発されている。現在開発されている歩行イン
ターフェースは、歩行移動時に生じるユーザの動きを相
殺する手法に従って、トレッドミル型、Foot Pad型、ス
ライド型、その他に分類することができる(野間、宮
里、中津:“能動的歩行動作に対応した歩行感覚提示装
置の開発”、日本バーチャルリアリティ学会論文誌、p
p.407−415、1999.)。
は、足を使うことである。上記のフライトシミュレータ
などの他に、最近では仮想空間を歩行するシミュレータ
が数多く開発されている。現在開発されている歩行イン
ターフェースは、歩行移動時に生じるユーザの動きを相
殺する手法に従って、トレッドミル型、Foot Pad型、ス
ライド型、その他に分類することができる(野間、宮
里、中津:“能動的歩行動作に対応した歩行感覚提示装
置の開発”、日本バーチャルリアリティ学会論文誌、p
p.407−415、1999.)。
【0004】上記トレッドミル型はベルト機構によりユ
ーザの歩行動作を相殺する手法であり、ユーザの体に装
置を装着する必要がない。という利点があるものの、歩
行方法がベルトの運転方向に限定され、また、ベルト装
置のための余分な空間やコストを必要とする上、全周映
像をプロジェクタ等で提示する場合に足下の視野が遮ら
れるという欠点があった。また、2つのペダルに両足を
乗せ、被験者の足の動きに合わせてペダルを持ち上げる
ステッパー型もあるが、動力付きの機械を使用するため
に、トレッドミル型の場合と同様に、大型、高コスト、
足下視野制限の問題がある。
ーザの歩行動作を相殺する手法であり、ユーザの体に装
置を装着する必要がない。という利点があるものの、歩
行方法がベルトの運転方向に限定され、また、ベルト装
置のための余分な空間やコストを必要とする上、全周映
像をプロジェクタ等で提示する場合に足下の視野が遮ら
れるという欠点があった。また、2つのペダルに両足を
乗せ、被験者の足の動きに合わせてペダルを持ち上げる
ステッパー型もあるが、動力付きの機械を使用するため
に、トレッドミル型の場合と同様に、大型、高コスト、
足下視野制限の問題がある。
【0005】身体装着型では、ローラースケート状のも
のを装着して左右の脚を交互に床上でスライドさせ、そ
のときの足の移動量を計測して空間移動する方法もある
が、下肢の運動が歩行と異なるスライド運動であり、ま
た床との摩擦が小さい状態では転倒の可能性が増大する
ため、特にリハビリテーション目的の高齢者には安全性
等の点で不適当である。上記の欠点は、空間移動のため
の動作が歩行に近く、ユーザーの動きを実時間で検出す
ることができる上、実際の移動を伴わない足踏み動作を
利用することによって解決することができる。
のを装着して左右の脚を交互に床上でスライドさせ、そ
のときの足の移動量を計測して空間移動する方法もある
が、下肢の運動が歩行と異なるスライド運動であり、ま
た床との摩擦が小さい状態では転倒の可能性が増大する
ため、特にリハビリテーション目的の高齢者には安全性
等の点で不適当である。上記の欠点は、空間移動のため
の動作が歩行に近く、ユーザーの動きを実時間で検出す
ることができる上、実際の移動を伴わない足踏み動作を
利用することによって解決することができる。
【0006】足踏み動作の検出は、足の裏に圧力センサ
ーをつけることによっても可能である。しかしながらこ
の場合には、遊脚期には接地力情報が得られず、また接
地力は歩容によって変化し、必ずしも歩行速度と比例関
係にないため、歩行速度の連続的な実時間推定が困難で
あるという欠点があった。この欠点は、連続的に計測可
能でストライドとピッチの両者を反映する股関節角度情
報を用いることによって解決することができる。
ーをつけることによっても可能である。しかしながらこ
の場合には、遊脚期には接地力情報が得られず、また接
地力は歩容によって変化し、必ずしも歩行速度と比例関
係にないため、歩行速度の連続的な実時間推定が困難で
あるという欠点があった。この欠点は、連続的に計測可
能でストライドとピッチの両者を反映する股関節角度情
報を用いることによって解決することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第1の
目的は、足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換する方法
を提供することにある。本発明の第2の目的は、足踏み
動作の等価歩行速度を推定し、推定した歩行速度と対応
するように、周囲の風景画像をコンピューター上で処理
し、モニター上で再現する、足踏みによる擬似歩行体感
装置を提供することにある。
目的は、足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換する方法
を提供することにある。本発明の第2の目的は、足踏み
動作の等価歩行速度を推定し、推定した歩行速度と対応
するように、周囲の風景画像をコンピューター上で処理
し、モニター上で再現する、足踏みによる擬似歩行体感
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、被検者が足踏みする際の実質的な股関節角度を連続
的に計測し、得られた正弦波状の角度情報から、コンピ
ュータを用い、実時間で等価的な歩行速度を算出するこ
とを特徴とする、足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換
する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体感装置によっ
て達成された。
は、被検者が足踏みする際の実質的な股関節角度を連続
的に計測し、得られた正弦波状の角度情報から、コンピ
ュータを用い、実時間で等価的な歩行速度を算出するこ
とを特徴とする、足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換
する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体感装置によっ
て達成された。
【0009】
【発明の開示】本発明の装置におけるデータの流れは図
1に示した通りである。本図においては、股関節角度を
歪みセンサーを用いて測定しているが、これに限定され
るものではなく、磁気センサー、超音波センサー等、公
知のセンサーを用いることができる。また、測定も、角
度を直接的に測定する場合に限定されるものではなく、
例えば、センサーを膝近辺に取り付け、両膝の間隔を測
定して股関節角度に対応させることも可能である。
1に示した通りである。本図においては、股関節角度を
歪みセンサーを用いて測定しているが、これに限定され
るものではなく、磁気センサー、超音波センサー等、公
知のセンサーを用いることができる。また、測定も、角
度を直接的に測定する場合に限定されるものではなく、
例えば、センサーを膝近辺に取り付け、両膝の間隔を測
定して股関節角度に対応させることも可能である。
【0010】測定した角度から歩行速度を推定する方法
としては、例えば図2の歩行モデルを採用することがで
きる。図においてxは股関節角度であり、lは足の長さ
である。このようにすると、図2のxは、図1のように
して測定した両足の角度の差で表される。従って、 また、式(3)において、sin ωtの平均値は2/πで
あるので、 となり、角速度から歩行速度を推定することができる。
としては、例えば図2の歩行モデルを採用することがで
きる。図においてxは股関節角度であり、lは足の長さ
である。このようにすると、図2のxは、図1のように
して測定した両足の角度の差で表される。従って、 また、式(3)において、sin ωtの平均値は2/πで
あるので、 となり、角速度から歩行速度を推定することができる。
【0011】上記のようにして、角度差から|aω|を
得る迄のデータの流れは、図3に示した通りである。式
(4)において、αは歩行時の角度差の大きさであり、
ωは歩行の周期である。従って、上記のaωを用いるこ
とにより、歩幅を変えて歩行速度を変える場合であって
も、また、ピッチを変えて歩行速度を変える場合であっ
ても、対応する歩行速度を推定することが可能である。
即ち、歩行者の足の長さ、足踏み時の左右股関節の角度
差、該角度差の微分及び積分を求めることにより、
(5)を用いて足踏みから歩行速度を推定する。
得る迄のデータの流れは、図3に示した通りである。式
(4)において、αは歩行時の角度差の大きさであり、
ωは歩行の周期である。従って、上記のaωを用いるこ
とにより、歩幅を変えて歩行速度を変える場合であって
も、また、ピッチを変えて歩行速度を変える場合であっ
ても、対応する歩行速度を推定することが可能である。
即ち、歩行者の足の長さ、足踏み時の左右股関節の角度
差、該角度差の微分及び積分を求めることにより、
(5)を用いて足踏みから歩行速度を推定する。
【0012】尚、一定速度で足踏みをしているつもりで
も、足踏み時の足の動きが一定でないと、角度差を積分
したときに積分波形が上下にずれるという不都合が生じ
るが、周波数の高い部分のみを通す高域通過フィルタ
(ハイパスフィルタ)を通すことにより、上記不都合を
是正することができる。また、上記ハイパスフィルタに
よって、積分波形の位相がフィルタをかける前後で変わ
ってくる場合には、速度推定に必要な角度差及び微分に
もフィルタをかけて対応することが必要である。
も、足踏み時の足の動きが一定でないと、角度差を積分
したときに積分波形が上下にずれるという不都合が生じ
るが、周波数の高い部分のみを通す高域通過フィルタ
(ハイパスフィルタ)を通すことにより、上記不都合を
是正することができる。また、上記ハイパスフィルタに
よって、積分波形の位相がフィルタをかける前後で変わ
ってくる場合には、速度推定に必要な角度差及び微分に
もフィルタをかけて対応することが必要である。
【0013】微分と積分の位相はπであるため、本来は
必ず異符号になる。しかし、角度センサのノイズやフィ
ルタ、歩行者の癖などの要因により、位相が微妙にずれ
ることがある。この位相のずれにより、微分がまだ0付
近の値でないのに積分が先に0付近の値になっている場
合には、ルート内第2項の微分/積分が非常に大きくな
り、本来その足踏み速度のときにとるはずの値より大き
くなることがある。従って、このような場合には、例え
ば、微分・積分共にあまり微小にならないように以下の
ような置き換えを行うことが必要となる場合がある。 ・−5<微分<0のとき、微分を−5に置きかえる。 ・0≦微分<5のとき、微分を5に置きかえる。 ・−0.25<積分<0のとき、積分を−0.25に置
きかえる。 ・0≦積分<0.25のとき、積分を0.25に置きか
える。 この、微分の0.5、積分の0.25という値は、歩行
者が普通の速さで一定の速度で歩いている時のそれぞれ
の5%にあたる。
必ず異符号になる。しかし、角度センサのノイズやフィ
ルタ、歩行者の癖などの要因により、位相が微妙にずれ
ることがある。この位相のずれにより、微分がまだ0付
近の値でないのに積分が先に0付近の値になっている場
合には、ルート内第2項の微分/積分が非常に大きくな
り、本来その足踏み速度のときにとるはずの値より大き
くなることがある。従って、このような場合には、例え
ば、微分・積分共にあまり微小にならないように以下の
ような置き換えを行うことが必要となる場合がある。 ・−5<微分<0のとき、微分を−5に置きかえる。 ・0≦微分<5のとき、微分を5に置きかえる。 ・−0.25<積分<0のとき、積分を−0.25に置
きかえる。 ・0≦積分<0.25のとき、積分を0.25に置きか
える。 この、微分の0.5、積分の0.25という値は、歩行
者が普通の速さで一定の速度で歩いている時のそれぞれ
の5%にあたる。
【0014】本発明の擬似歩行体感装置は、上記の如く
単なる足踏から推定した歩行速度をもとに、公知の方法
によって仮想空間を描画し、動画としてモニターに表示
する。上記描画による画面の移動速度は前記推定歩行速
度以上であることが好ましく、1.5倍未満であること
が好ましい。
単なる足踏から推定した歩行速度をもとに、公知の方法
によって仮想空間を描画し、動画としてモニターに表示
する。上記描画による画面の移動速度は前記推定歩行速
度以上であることが好ましく、1.5倍未満であること
が好ましい。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば、実際の移動を伴
わない足踏みによって擬似歩行を体感することができる
ので、狭い空間があればよく、必ずしも広い空間を必要
としない。この際、実時間での速度の推定が可能である
ため、足踏み速度の変化に遅れることなく映像の速度を
変化させることが可能になり、酔いなどの問題が生じに
くい。また、この擬似歩行に対応させる画像には、実際
に撮影した画像を使用することができるので安価であ
る。更に、使用する画像は任意に選択することができる
ので、足踏みをするだけで登山や外国旅行、或いは美術
館で美術の鑑賞等をすることができるだけでなく、ゲー
ムの中に迄入り込むことも可能である。従って、リハビ
リのための医療装置や健康増進装置として有用であるの
みならず、体を動かしながらゲーム中の人物となってゲ
ームを楽しむこともでき、更に、危険な環境での作業の
模擬訓練や模擬建造物内の閲覧などを含む、一般的な人
工現実感装置の空間移動手段としても使用可能である。
わない足踏みによって擬似歩行を体感することができる
ので、狭い空間があればよく、必ずしも広い空間を必要
としない。この際、実時間での速度の推定が可能である
ため、足踏み速度の変化に遅れることなく映像の速度を
変化させることが可能になり、酔いなどの問題が生じに
くい。また、この擬似歩行に対応させる画像には、実際
に撮影した画像を使用することができるので安価であ
る。更に、使用する画像は任意に選択することができる
ので、足踏みをするだけで登山や外国旅行、或いは美術
館で美術の鑑賞等をすることができるだけでなく、ゲー
ムの中に迄入り込むことも可能である。従って、リハビ
リのための医療装置や健康増進装置として有用であるの
みならず、体を動かしながらゲーム中の人物となってゲ
ームを楽しむこともでき、更に、危険な環境での作業の
模擬訓練や模擬建造物内の閲覧などを含む、一般的な人
工現実感装置の空間移動手段としても使用可能である。
【0016】以下、本発明を実施例によって更に詳述す
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
るが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【実施例】実施例1.男性6名、女性4名の各人に、平
らな床の上で一定速度で足踏みをさせ、この時の推定速
度と足踏み速度との比較を行った。尚、本実施例では足
踏み時の歩行速度を規定し、その速度で歩いているつも
りで足踏みをさせることにより足踏み速度を一定に保つ
ようにした。前記規定速度として、0.3m/秒、0.
7m/秒、1.1m/秒、1.5m/秒及び1.9m/
秒の5通りを設定し、実験を始める前にこれらの速度で
実際に歩かせ、その速度で歩いているつもりの足踏みの
練習をさせてから、何m/秒という具体的な数値で足踏
み速度を指示することにより実験を行った。測定時間を
30秒間とし、ひとつの速度について3回ずつ測定を行
った。結果は図4に示した通りである。図4の結果か
ら、推定結果の傾きは1.4であり、歩行速度より推定
速度の方が若干速いことが判明したが、この結果から、
足踏みと実際の歩行速度とが比例関係にあることが確認
された。
らな床の上で一定速度で足踏みをさせ、この時の推定速
度と足踏み速度との比較を行った。尚、本実施例では足
踏み時の歩行速度を規定し、その速度で歩いているつも
りで足踏みをさせることにより足踏み速度を一定に保つ
ようにした。前記規定速度として、0.3m/秒、0.
7m/秒、1.1m/秒、1.5m/秒及び1.9m/
秒の5通りを設定し、実験を始める前にこれらの速度で
実際に歩かせ、その速度で歩いているつもりの足踏みの
練習をさせてから、何m/秒という具体的な数値で足踏
み速度を指示することにより実験を行った。測定時間を
30秒間とし、ひとつの速度について3回ずつ測定を行
った。結果は図4に示した通りである。図4の結果か
ら、推定結果の傾きは1.4であり、歩行速度より推定
速度の方が若干速いことが判明したが、この結果から、
足踏みと実際の歩行速度とが比例関係にあることが確認
された。
【0017】実施例2.被験者に対する足踏み速度の指
示を、「何m/秒」という具体的な数値による代りに、
下記のように指示した他は実施例1と全く同様にして実
験を行った。尚、実験を始める前に指示した速さで実際
に歩かせ、その速度で歩いているつもりの足踏みの練習
をさせ、被験者に足踏み速度の違いを認識させてから実
験を開始した。
示を、「何m/秒」という具体的な数値による代りに、
下記のように指示した他は実施例1と全く同様にして実
験を行った。尚、実験を始める前に指示した速さで実際
に歩かせ、その速度で歩いているつもりの足踏みの練習
をさせ、被験者に足踏み速度の違いを認識させてから実
験を開始した。
【0018】被験者に与えた速度 1.小さい子の手を引いてゆっくり散歩している速さ。 2.散歩をしている速さ。 3.通常の速さ。 4.約束に遅刻しそうで早足で歩いている速さ。 5.約束に遅刻し、駆け足をしている速さ。 結果は、図5に示した通りであり、推定結果の線形近似
直線の傾きは1.3であった。この結果からも、足踏み
から歩行速度を正しく推定することが可能であることが
実証された。
直線の傾きは1.3であった。この結果からも、足踏み
から歩行速度を正しく推定することが可能であることが
実証された。
【0019】実施例3.男性6名、女性4名の被験者に
股関節測定角度センサを装着し、足踏み時の股関節角度
を取り込んだ。測定値からリアルタイムで歩行速度を推
定し、推定された速度をもとに、被験者の正面に設置さ
れた17インチモニタ上に仮想空間の映像を表示した。
モニタの位置は、実際の視野角がコンピュータで生成さ
れる映像の視野角に一致するように、ユーザから27.
7cm離したところに設置した(図6参照)。尚、本実
施例においては視野角を60度に統一した。
股関節測定角度センサを装着し、足踏み時の股関節角度
を取り込んだ。測定値からリアルタイムで歩行速度を推
定し、推定された速度をもとに、被験者の正面に設置さ
れた17インチモニタ上に仮想空間の映像を表示した。
モニタの位置は、実際の視野角がコンピュータで生成さ
れる映像の視野角に一致するように、ユーザから27.
7cm離したところに設置した(図6参照)。尚、本実
施例においては視野角を60度に統一した。
【0020】実験の前に、足踏み速度を変化させること
によって推定速度が変化することを目で確かめさせるた
めに、推定速度のみを表示する画面を見せて足踏みの練
習をさせた。この練習の後、仮想空間を表示しながらそ
の中を歩行させた。前進と停止だけでも、歩行速度は、
被験者が足踏み速度を変化させることによって任意に変
化させることが可能である。画像の描画方法として、実
際に推定された速度をもとに、0.25倍から2倍まで
の0.25刻みで8通りを用意した。被験者の股関節角
度から推定された速度をもとに、係数を変えて二通りの
画像を表示し、自分の足踏み感覚と表示される仮想空間
の動き方の感覚が一致している方を選ばせた。
によって推定速度が変化することを目で確かめさせるた
めに、推定速度のみを表示する画面を見せて足踏みの練
習をさせた。この練習の後、仮想空間を表示しながらそ
の中を歩行させた。前進と停止だけでも、歩行速度は、
被験者が足踏み速度を変化させることによって任意に変
化させることが可能である。画像の描画方法として、実
際に推定された速度をもとに、0.25倍から2倍まで
の0.25刻みで8通りを用意した。被験者の股関節角
度から推定された速度をもとに、係数を変えて二通りの
画像を表示し、自分の足踏み感覚と表示される仮想空間
の動き方の感覚が一致している方を選ばせた。
【0021】実験は、実際に推定される速度の0.75
倍と1倍との比較からはじめた。被験者は自分の感覚と
合っている方を必ず一つ選ばなければならず、「どちら
も同じ」という回答は認めないこととした。被験者が
0.75倍を選んだ場合には0.75倍と0.5倍とを
0.75→0.5の順で比較し、被験者が1を選んだ場
合には1倍と1.25倍とを1→1.25の順に比較し
た。このようにして二つのうち小さい方を選んだ場合に
は、それともう1段階小さいものとの比較を行う方法で
実験を続けた。このようにして実験を繰り返し、同じ速
さのものを3回続けて選んだ時に実験終了とし、その被
験者の歩行動作に最も合った動きをするのはその速さの
ときであると推定した。
倍と1倍との比較からはじめた。被験者は自分の感覚と
合っている方を必ず一つ選ばなければならず、「どちら
も同じ」という回答は認めないこととした。被験者が
0.75倍を選んだ場合には0.75倍と0.5倍とを
0.75→0.5の順で比較し、被験者が1を選んだ場
合には1倍と1.25倍とを1→1.25の順に比較し
た。このようにして二つのうち小さい方を選んだ場合に
は、それともう1段階小さいものとの比較を行う方法で
実験を続けた。このようにして実験を繰り返し、同じ速
さのものを3回続けて選んだ時に実験終了とし、その被
験者の歩行動作に最も合った動きをするのはその速さの
ときであると推定した。
【0022】上記の方法を用いて実際に実験を行った結
果を示す。
果を示す。
【表1】 被験者の50%が1倍、すなわち推定速度どおりに描画
した映像が最もリアリティがあると答えている。また、
次いで1.25倍が30%、1.5倍が20%、他は0
%であった。推定速度よりも遅い映像を選んだ被験者は
一人もいなかった。
した映像が最もリアリティがあると答えている。また、
次いで1.25倍が30%、1.5倍が20%、他は0
%であった。推定速度よりも遅い映像を選んだ被験者は
一人もいなかった。
【0023】足踏み速度を規定した実施例1では1.4
倍、言葉で足踏み速度を指示した実施例2では1.3倍
と、本方法を用いて足踏み動作から推定される等価歩行
速度は被験者が指示された速度よりも大きい値を示す傾
向があったが、移動映像を提示した実験においては、推
定速度は被験者の感覚に対して適切かやや小さいという
結果となり、実質的な股関節角度からの等価歩行速度を
推定することが妥当であることが確認された。
倍、言葉で足踏み速度を指示した実施例2では1.3倍
と、本方法を用いて足踏み動作から推定される等価歩行
速度は被験者が指示された速度よりも大きい値を示す傾
向があったが、移動映像を提示した実験においては、推
定速度は被験者の感覚に対して適切かやや小さいという
結果となり、実質的な股関節角度からの等価歩行速度を
推定することが妥当であることが確認された。
【図1】本発明における、擬似歩行インターフェースの
データの流れを説明する図である。
データの流れを説明する図である。
【図2】足踏みから擬似歩行を推定するための歩行モデ
ルである。
ルである。
【図3】角度差から歩行速度を推定するときのデータの
流れを説明する図である。
流れを説明する図である。
【図4】実施例1で得られた、足踏み速度と推定歩行速
度の関係を示すグラフである。
度の関係を示すグラフである。
【図5】実施例2で得られた、足踏み速度と推定歩行速
度の関係を示すグラフである。
度の関係を示すグラフである。
【図6】実施例3の実験方法を説明する図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 被検者が足踏みする際の実質的な股関節
角度を連続的に計測し、得られた正弦波状の角度情報か
ら、コンピュータを用い、実時間で等価的な歩行速度を
算出することを特徴とする、足踏み動作を擬似的に歩行
動作に変換する方法。 - 【請求項2】 歩行速度を、足踏み時の股関節角度x及
び足の長さlを用いて表される下記αωによって算出す
る、請求項1に記載された足踏み動作を擬似的に歩行動
作に変換する方法。 - 【請求項3】 被検者の股関節角度を直接又は間接的に
計測し得るセンサー手段、該センサー手段によって得ら
れた電気信号から歩行速度を算出する演算手段、算出さ
れた歩行速度に対応する如く画像を移動させる動画作成
手段、及び、動画を表示するモニターからなる装置であ
って、被検者が足踏みする際の実質的な股関節角度を計
測し、得られた角度情報から歩行速度を算出し、算出さ
れた歩行速度に応じて被検者が移動したと感じられる如
く、動画像をモニターに表示させることを特徴とする、
足踏みによる擬似歩行体感装置。 - 【請求項4】 移動方向を変更するための、独立した画
像処理手段を更に組み合わせてなる、請求項3に記載さ
れた擬似歩行体感装置。 - 【請求項5】 装置がリハビリ用又は健康増進用の装置
である、請求項3又は4に記載された足踏みによる擬似
歩行体感装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000111998A JP2001296951A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体感装置。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000111998A JP2001296951A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体感装置。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=18624240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000111998A Withdrawn JP2001296951A (ja) | 2000-04-13 | 2000-04-13 | 足踏み動作を擬似的に歩行動作に変換する方法、及び該方法を用いた擬似歩行体感装置。 |
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