JP2001296664A - フォトレジスト組成物およびそれを用いたパターン化されたフォトレジスト膜の形成方法 - Google Patents

フォトレジスト組成物およびそれを用いたパターン化されたフォトレジスト膜の形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性エネルギ線の照射で素早く硬化するフォ
トレジスト組成物、およびそれを用いたパターン化され
たフォトレジスト膜の形成方法を提供する。 【解決手段】 活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を
2個以上有する多官能性化合物とポリシラザンと光開始
剤とを含有するフォトレジスト組成物。前記フォトレジ
スト組成物の塗膜を形成し、この塗膜に活性エネルギ線
をパターン状に照射後、塗膜を現像するパターン化され
たフォトレジスト膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射によりフ
ォトレジスト膜を形成しうるフォトレジスト組成物、お
よびそれを用いたパターン化されたフォトレジスト膜の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリカ系セラミックス膜は、耐熱性、耐
磨耗性、耐蝕性、絶縁性などに優れた被膜として様々な
技術分野で使用されている。中でも、フォトレジストに
よるパターン化されたシリカ系セラミックス膜は、半導
体デバイス、液晶表示デバイス、プリント回路基板など
に有用である。
【0003】このようなパターン化されたシリカ系セラ
ミックス膜の形成方法として、たとえば基板の表面にポ
リシラザンを含む塗布液を塗布して塗膜を形成し、該塗
膜に酸化雰囲気下で紫外線をパターン状に照射して紫外
線露光部分を硬化させた後、紫外線未露光部分を除去し
て、セラミックス膜パターンを形成する方法(特開平5
−88373号公報)、基板の表面にポリシラザンと光
開始剤とを含む塗布液を塗布して塗膜を形成し、該塗膜
に酸化雰囲気下で紫外線をパターン状に照射して紫外線
露光部分を硬化させた後、紫外線未露光部分を除去し
て、セラミックス膜パターンを形成する方法(特開平1
1−92666号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平5
−88373号公報に記載された方法では、塗膜の硬
化、すなわちポリシラザンの硬化(ポリシラザンのシリ
カへの転化)が、紫外線照射時に発生するオゾンの酸化
作用によって進むため、硬化反応に時間を要していた。
【0005】一方、特開平11−92666号公報に記
載された方法では、ポリシラザンに光開始剤を共存させ
た状態で光を照射するため、系中にラジカルが供給され
やすく、上記特開平5−88373号公報に記載された
方法に比べて硬化反応速度は速くなる傾向にあるが、ま
だ充分とはいえない。
【0006】本発明は、活性エネルギ線照射により、非
常に素早く硬化し、かつ極めて均質な硬化物を形成する
フォトレジスト組成物およびそれを用いたパターン化さ
れたフォトレジスト膜の形成方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1は、活性エネルギ線硬化性の重合性官
能基を2個以上有する多官能性化合物(a)と、ポリシ
ラザン(b)と、光開始剤(c)とを含有することを特
徴とするフォトレジスト組成物である。
【0008】本発明の第2は、パターン化されたフォト
レジスト膜の形成方法であって、活性エネルギ線硬化性
の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a)
と、ポリシラザン(b)と、光開始剤(c)とを含有す
るフォトレジスト組成物の塗膜を形成する工程と、前記
塗膜に活性エネルギ線をパターン状に照射する工程と、
前記照射後の塗膜を現像する工程とを含むことを特徴と
する、パターン化されたフォトレジスト膜の形成方法で
ある。
【0009】本発明の第1によれば、活性エネルギ線照
射により、非常に素早く硬化し、かつ極めて均質な硬化
物を形成するフォトレジスト組成物を提供できる。
【0010】また、本発明の第2によれば、極めて短時
間でパターン化されたフォトレジスト膜を形成でき、生
産効率がよい。このパターン化されたフォトレジスト膜
は、そのまま化学耐性の強いフォトレジストとして用い
ることができ、さらに、該フォトレジスト膜を長時間放
置または焼成することにより、より硬度の高い膜や電気
特性に優れた絶縁膜を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下の説明において、活性エネル
ギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化
合物(a)は単に多官能性化合物(a)という。また、
アクリロイル基およびメタクリロイル基を総称して(メ
タ)アクリロイル基といい、(メタ)アクリロイルオキ
シ基、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレートなど
の表現も同様とする。
【0012】多官能性化合物(a)としては、特開平1
1−240103号公報段落番号0016〜0020、
0023〜0047に記載された化合物が好ましく挙げ
られる。
【0013】好ましい多官能性化合物(a)としては、
(メタ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性
官能基を2個以上(通常は2〜50個が好ましく、より
好ましくは3〜30個)有する化合物が挙げられる。そ
の中でも(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有す
る化合物、すなわち多価アルコールなどの2個以上の水
酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエス
テルが好ましい。特に、ウレタン結合を有する(メタ)
アクリロイル基含有化合物(以下、アクリルウレタンと
いう。)と、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル
酸エステル化合物が好ましい。
【0014】上記アクリルウレタンとしては、ペンタエ
リスリトールやその多量体であるポリペンタエリスリト
ールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートの反応生成物であるアクリルウレタ
ン、またはペンタエリスリトールやポリペンタエリスリ
トールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートと、ポリ
イソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタン
であって、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を3個
以上(より好ましくは4〜20個)有する多官能性化合
物が挙げられる。
【0015】また、ウレタン結合を有しない(メタ)ア
クリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトー
ル系ポリ(メタ)アクリレート、およびイソシアヌレー
ト系ポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。なお、ペ
ンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとは、
ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールと
(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性
エネルギ線硬化性の重合性官能基を4〜20個有す
る。)をいう。また、イソシアヌレート系ポリ(メタ)
アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソ
シアヌレート、またはトリス(ヒドロキシアルキル)イ
ソシアヌレート1モルに1〜6モルのカプロラクトンや
アルキレンオキシドを付加して得られる付加物と、(メ
タ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは活性エネ
ルギ線硬化性の重合性官能基を2〜3個有する。)をい
う。
【0016】本発明においては、上記の好ましい多官能
性化合物と、他の活性エネルギ線硬化性の重合性官能基
を2個以上有する多官能性化合物(特に多価アルコール
のポリ(メタ)アクリレート)とを併用してもよい。
【0017】ポリシラザン(b)としては、特開平11
−240103号公報段落番号0097〜0104に記
載されたポリシラザンが好ましく挙げられる。
【0018】本発明においては、ペルヒドロポリシラザ
ンが好ましく、また、その分子量は、数平均分子量で2
00〜5万が好ましい。数平均分子量が200未満では
均一な硬化物が得られにくく、5万超では溶剤に溶解し
にくくなり、好ましくない。
【0019】多官能性化合物(a)とポリシラザン
(b)の混合比は、質量比で1/99〜99/1である
ことが好ましく、特に10/90〜90/10が好まし
い。上記範囲をはずれて多官能性化合物(a)が多い場
合、フォトレジストとして用いた場合の耐エッチング性
などが低下する。一方、上記範囲をはずれてポリシラザ
ン(b)が多い場合、基材への密着性が低下する。
【0020】光開始剤(c)としては、アリールケトン
系光開始剤(たとえば、アセトフェノン類、ベンゾフェ
ノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含イオウ系光開始剤(た
とえば、スルフィド類、チオキサントン類など)、アシ
ルホスフィンオキシド系光開始剤、ジアシルホスフィン
オキシド系光開始剤、その他の光開始剤がある。
【0021】具体的には、特開平11−240103号
公報段落番号0081〜0085に記載された化合物が
挙げられる。本発明においては、チオキサントン系光開
始剤が特に好ましい。
【0022】また、光開始剤は、複数の種類を併用して
もよく、アミン類などの光増感剤と組み合わせて使用し
てもよい。
【0023】光開始剤(c)の添加量は、多官能性化合
物(a)とポリシラザン(b)の合計(以下、硬化性成
分という。)100質量部に対して、0.01〜20質
量部が好ましく、特に0.1〜10質量部が好ましい。
光開始剤(c)の添加量が、硬化性成分100質量部に
対して0.01質量部未満であると活性エネルギ線を照
射しても硬化するのに時間がかかり、20質量部超であ
ると活性エネルギ線照射後に未反応の光開始剤が残るた
め好ましくない。
【0024】また、本発明のフォトレジスト組成物に
は、上記基本成分以外に種々の配合剤を含むことができ
る。配合剤としては、溶剤、顔料、充填剤、増量剤、レ
ベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH
調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥促進剤、流
れ止め剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本
発明においては、溶剤、顔料、充填剤が特に好ましく用
いられる。
【0025】溶剤は、通常必須の成分であり、フォトレ
ジスト組成物が特に低粘度でない限り使用される。溶剤
としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエ
チルベンゼンなどの芳香族化合物、シクロヘキサン、シ
クロヘキセン、デカヒドロナフタレン、ジペンテン、n
−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−
オクタン、n−ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−
デカンなどの飽和炭化水素化合物、エチルシクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、ジプロピル
エーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類、メチル
イソブチルケトン(MIBK)などのケトン類が好まし
く挙げられる。なお、本発明においては、ポリシラザン
(b)の溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、上
記溶剤を2種類以上混合して用いてもよい。
【0026】溶剤の使用量(割合)は、用いる多官能性
化合物(a)またはポリシラザン(b)の平均分子量、
分子量分布、その構造によって異なる。また採用するコ
ーティング方法により作業性がよくなるように適宜決め
られる。本発明においては、ポリシラザン(b)の安定
性や作業効率の点から、フォトレジスト組成物中の硬化
性成分の濃度は0.1〜50質量%が好ましく、特に
0.1〜40質量%が好ましい。
【0027】また、フォトレジスト組成物に顔料を添加
することにより、耐熱性、絶縁性、硬度に優れパターン
精度の良好な、たとえば液晶表示素子(LCD)に用い
られるカラーフィルターやブラックマトリックスを作製
できる。顔料としては、たとえばグラファイト、カーボ
ンブラック、チタンブラック、酸化鉄、銅クロム系ブラ
ック、銅鉄マンガン系ブラック、コバルト鉄クロム系ブ
ラックなどが挙げられる。顔料の添加量は、硬化性成分
100質量に対して0.5〜1000質量%が好まし
く、特に10〜500質量%が好ましい。
【0028】本発明のフォトレジスト組成物を用いて作
られるカラーフィルターやブラックマトリックスは、顔
料がフォトレジスト膜中に分散されているため、酸素が
遮断され耐熱性(高温での耐酸化性)に優れると共に、
顔料自体が導電性であってもカラーフィルターやブラッ
クマトリックスとしては絶縁体となる。また、このフォ
トレジスト膜は、アクリルやポリイミドなどの一般的な
有機膜と比べて硬度が高いので、カラーフィルターやブ
ラックマトリックスの表面での作業性(膜の堆積、配線
付け、ボンディング作業)が良好となり、歩留りを高め
ることができる。さらに、加熱時にフォトレジスト膜か
ら発生する脱ガス量も、一般的な有機膜よりも非常に少
なくなる。
【0029】また、充填剤としてはシリカ、アルミナ、
ジルコニア、マイカなどの酸化物系無機物または炭化珪
素、窒化珪素などの非酸化物系無機物の微粉などが挙げ
られる。さらに用途によってはアルミニウム、亜鉛、銅
などの金属粉末も挙げられる。これら充填剤は、針状
(ウィスカーを含む)、粒状、鱗片状など種々の形状の
ものを、単独または2種以上混合して用いることができ
る。これら充填剤の粒子の大きさは、1回に適用できる
膜の厚さよりも小さいことが好ましい。
【0030】充填剤の添加量はフォトレジスト組成物中
の硬化性成分1質量部に対して0.05〜10質量部が
好ましく、特に0.2〜3質量部が好ましい。
【0031】本発明において、多官能性化合物(a)、
ポリシラザン(b)、光開始剤(c)および上記各配合
剤を添加する順序は、各成分が均一に混合できれば特に
制限はないが、添加時に充分に撹拌しながら混合するこ
とが好ましい。特に、光開始剤は上記の溶剤に溶解し、
または分散させて、希釈してから混合することが好まし
い。
【0032】図1には、本発明によるパターン化された
フォトレジスト膜の形成方法の工程の一例(I)〜(I
II)が示されている。
【0033】工程(I):多官能性化合物(a)と、ポ
リシラザン(b)と、光開始剤(c)とを含有するフォ
トレジスト組成物の塗膜を形成する工程 ガラス基板、シリコンウエハー基板などの基板1の表面
に、フォトレジスト組成物を塗布し、塗膜2(レジスト
面)を形成する。フォトレジスト組成物の塗布方法は、
たとえばディップコート、ロールコート、バーコート、
刷毛塗り、スプレーコート、フローコート、スピンコー
ト、スプレースピンコートなどの一般的な塗布方法を採
用できる。
【0034】また、所望により塗膜の乾燥工程を別に設
けることもできる。塗膜は必要に応じて1回または2回
以上繰り返して塗布することにより、所望の膜厚とする
ことができる。所望の膜厚は用途により異なるが、たと
えばカラーフィルターでは0.3〜3μm、ブラックマ
トリックスでは0.3〜3μm、などが目安となる。
【0035】工程(II):前記塗膜に活性エネルギ線
をパターン状に照射する工程 前記工程で形成した塗膜2の上にフォトマスク3を所定
の間隔で設置し、その上から活性エネルギ線を照射する
ことにより、マスクパターンを塗膜2(2a、2b)に
転写する。
【0036】活性エネルギ線としては、半導体のような
超微細加工を除き、一般的に360〜430nmの光が
使用される。たとえばLCDのパターン形成の場合に
は、430nmの光が好ましい。また、その光源として
は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、
エキシマレーザーなどが使用できる。
【0037】照射光のエネルギは、5〜4000mJ/
cm2が好ましく、特に10〜2000mJ/cm2が好
ましい。照射光のエネルギが5mJ/cm2よりも低い
と、フォトレジスト組成物が充分に硬化せず、4000
mJ/cm2よりも高いと、露光過多となり、ハレーシ
ョンの発生を招く場合がある。
【0038】フォトマスク3としては、たとえばエマル
ジョンマスクやハードマスクなどの一般的なフォトマス
クが使用できる。
【0039】また、マスクパターンをレジスト面に転写
する方法としては、上記のフォトマスクと基板との間に
所定の間隔を設けて露光するプロキシミティ法のほか、
基板とフォトマスクを密着させて露光する密着露光法
や、マスクパターンをレンズ系を使って基板表面に結像
させる投影法など周知の方法が採用される。
【0040】マスクパターンの転写に要するエネルギ
は、光源やフォトレジスト膜の厚さにもよるが、5mJ
/cm2以上が好ましく、特に100mJ/cm2以上が
好ましい。さらに、転写の際の環境は、周囲雰囲気(大
気中)であればよいが、ポリシラザン(b)の酸化を促
進するために、酸素含有量を富化した雰囲気であっても
よい。
【0041】パターン状に照射を受けた塗膜2の露光部
2aでは、−SiN−骨格が酸化されて−SiO−骨格
へ変化すると共に、活性エネルギ線重合性官能基とケイ
素原子間のSi−C結合も形成され、かつ多官能性化合
物(a)の単独光重合も同時に進行し、硬化する。
【0042】工程(III):活性エネルギ線照射後の
塗膜を現像する工程 活性エネルギ線を照射してマスクパターンを転写した塗
膜2を現像することにより、塗膜2の未露光部2bが除
去され、硬化した露光部2aが基板1の表面に残留して
パターンが形成される(ネガ型フォトレジスト)。
【0043】現像、すなわち塗膜2の未露光部2bを除
去するには、前述したフォトレジスト組成物用の溶剤を
用いることができる。
【0044】現像に要する時間は、膜厚や溶剤にもよる
が、0.1〜5分間が好ましく、特に0.5〜3分間が
好ましい。また、現像処理温度は、20〜50℃が好ま
しく、特に20〜30℃が好ましい。
【0045】こうしてパターン化されたフォトレジスト
膜2cは、そのまま化学耐性の強いフォトレジスト膜と
して用いることができる。
【0046】本発明においては、パターン化されたフォ
トレジスト膜2cを長時間放置または焼成することによ
り、ハイブリッド膜中のシラザン成分の硬化がさらに進
行し、より硬度の高い膜や電気特性に優れた絶縁膜とす
ることができる。
【0047】現像後のフォトレジスト膜を放置する場合
は、周囲雰囲気(大気中、室温)において長時間(たと
えば1日以上)放置すればよい。
【0048】また、焼成する場合の焼成温度は、用いる
ポリシラザンの種類や基板、電子部品などの耐熱性にも
よるが、50〜180℃が好ましく、特に100〜15
0℃が好ましい。焼成時間は、5分間以上が好ましく、
特に10分間以上が好ましい。焼成雰囲気は、周囲雰囲
気(大気中)であればよいが、ポリシラザンの酸化を促
進するために、酸素含有量および/または水蒸気分圧を
富化した雰囲気であってもよい。
【0049】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに説明す
る。なお、基板として12.7cmの円盤形ガラス基板
を用いた。
【0050】[例1]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル36.7g、
キシレン31.4g、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキシド0.05g、およびN
−メチル−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン0.05gを加え、溶解させ
た。続いて水酸基を有するジペンタエリスリトールポリ
アクリレートと、部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソ
シアネートの反応生成物であるウレタンアクリレート
(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)
2.5gと、ペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液
(固形分濃度20質量%、東燃社製、商品名「V11
0」)6.3gとを加え、窒素雰囲気下、室温にて1時
間撹拌してフォトレジスト組成物1を得た。
【0051】基板にスピンコート法(1,000rp
m、5秒、フォトレジスト組成物1:3gロード、以下
同じ。)にてフォトレジスト組成物1を塗工(ウェット
厚さ10μm)して、次いで、塗膜に波長360nmの
光(150mW/cm2)を、フォトマスクを介して時
間を変えて照射した。
【0052】照射後、基板の表面の塗膜を、キシレンと
酢酸ブチルの1/1(質量比、以下同じ。)の混合溶液
(以下、現像液という。)で洗浄して現像した。現像後
に基板の表面に残留した塗膜部分の厚さを測定した。そ
の結果を表1に記す。なお、現像前の硬化膜厚は、0.
5μmであった。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果より、照射時間が5秒以上の場
合には、露光部にしっかりパターンが形成(転写)さ
れ、ほとんど膜減りを起こさないことがわかる。
【0055】[例2]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、キシレン30g、アセチ
ルアセトナート白金0.04g、およびミヒラーケトン
0.04gを加え、溶解させた。続いて上記ペルヒドロ
ポリシラザンのキシレン溶液「商品名V110」10.
0gを加え、窒素雰囲気下、常温で1時間撹拌してフォ
トレジスト組成物2を得た。
【0056】基板に例1と同様にして、スピンコート法
にてフォトレジスト組成物2を塗工(ウェット厚さ10
μm)して、次いで、塗膜に波長360nmの光(15
0mW/cm2)を、フォトマスクを介して時間を変え
て照射した。照射後、基板の表面の塗膜をキシレン溶液
で洗浄して現像した。現像後に基板の表面に残留した塗
膜部分の厚さを測定した。その結果を表2に記す。な
お、現像前の硬化膜厚は、0.5μmであった。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果より、ほとんど膜減りを起こさ
ないためには照射時間が15秒以上必要であることがわ
かる。
【0059】[例3]フォトレジスト組成物1に、顔料
としてカーボンブラックを10質量%添加したものを、
例1と同様の方法で基板にスピンコート法で塗布して塗
膜を形成した。次いで、塗膜に、高圧水銀灯の光(20
0mW/cm2)を、フォトマスクを介して20秒間照
射した。
【0060】照射後、基板の表面の塗膜を現像液で洗浄
して現像すると、フォトマスクと同様の20μm(線
幅)のパターンが得られた。
【0061】得られたパターンに大気中で120℃、1
0分間の焼成処理を施したところ、焼成膜は0.1〜
0.5%の光透過率を示した。この結果より、本発明の
フォトレジスト組成物に顔料を添加したものは、表示デ
バイス用のブラックマトリックスの前駆体として使用で
きることがわかる。
【0062】[例4]撹拌機および冷却管を装着した2
00mLの4つ口フラスコに、酢酸ブチル36.7g、
キシレン36.7g、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキシド0.05g、およびN
−メチル−4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン0.05gを加え、溶解させ
た。続いて水酸基を有するジペンタエリスリトールポリ
アクリレートと、部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソ
シアネートの反応生成物であるウレタンアクリレート
(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)
3.75gと、ペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液
0.5gとを加え、窒素雰囲気下、室温にて1時間撹拌
してフォトレジスト組成物3を得た。
【0063】例1と同様にして、基板にスピンコート法
にてフォトレジスト組成物3を塗工(ウェット厚さ10
μm)して、次いで、塗膜に波長360nmの光(15
0mW/cm2)を、フォトマスクを介して20秒間照
射した。
【0064】照射後、基板の表面の塗膜を現像液で洗浄
することにより現像した。その結果、露光部が溶剤によ
り膨潤し、適切なパターンが得られなかった。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、活性エネルギ線照射に
より、非常に素早く硬化し、かつ極めて均質な硬化物を
形成するフォトレジスト組成物を提供できる。
【0066】また、本発明のフォトレジスト組成物を用
いることにより、極めて短時間でパターン化されたフォ
トレジスト膜を形成でき、生産効率の向上を図ることが
できる。このパターン化されたフォトレジスト膜は、そ
のまま化学耐性の強いフォトレジストとして用いること
ができ、さらに、該フォトレジスト膜を長時間放置また
は焼成することにより、より硬度の高い膜や電気特性に
優れた絶縁膜を得ることができる。たとえば、このフォ
トレジスト組成物に顔料を添加した場合、耐熱性、絶縁
性、硬度に優れ、パターン精度の良好なカラーフィルタ
ーやブラックマトリックスを作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパターン化されたフォトレジスト膜
の形成方法の工程の模式図である。
【符号の説明】
1.基板 2.塗膜 2a.露光部 2b.未露光部 2c.フォトレジスト膜 3.フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502R (72)発明者 澁谷 崇 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 下田 博司 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 山本 博嗣 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA06 AA10 AA13 AA20 AB15 AB16 AB17 AB20 AC01 AD01 BC13 BC42 BD54 FA29 4J002 CK022 CK052 CP211 EE037 EE047 EH076 ER006 EV047 EV317 EW137 FD147 GP03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を
    2個以上有する多官能性化合物(a)と、ポリシラザン
    (b)と、光開始剤(c)とを含有することを特徴とす
    るフォトレジスト組成物。
  2. 【請求項2】 パターン化されたフォトレジスト膜の形
    成方法であって、 活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する
    多官能性化合物(a)と、ポリシラザン(b)と、光開
    始剤(c)とを含有するフォトレジスト組成物の塗膜を
    形成する工程と、前記塗膜に活性エネルギ線をパターン
    状に照射する工程と、前記照射後の塗膜を現像する工程
    とを含むことを特徴とする、パターン化されたフォトレ
    ジスト膜の形成方法。
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