JP2001296286A - 液化ガス中の残渣分分析法 - Google Patents

液化ガス中の残渣分分析法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液化ガス中の微量残渣分を、簡便・迅速かつ
精度よく分析する方法を提供する。 【解決手段】 液化ガス中に含まれる残渣分を常温・常
圧で液体である有機溶剤に抽出した後、該有機溶剤中の
残渣分をガスクロマトグラフ法で測定することで、前記
液化ガス中の残渣分を測定・定量する液化ガス中の残渣
分分析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化石油ガスなど
の液化ガス中に含まれる残渣分を、簡易かつ迅速に測定
・定量することができる液化ガス中の残渣分分析方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】液化石油ガス(以下、「LPガス」とも
いう。)は、ブタンなどを主成分とするものである。か
かるLPガス中に油分(残渣分)が含まれると、例えば
変成ガスを生成反応させる際に、ニッケル触媒表面にス
スが付着し触媒を劣化させたり、タクシーのベーパーラ
イザーを閉塞させたり、発電用タービン等のノズルを閉
塞させたりして配管、機器内でのトラブルの要因にもな
っている。そのため現在においては、LPガス中に含ま
れる種々の残渣分について、一定量以下に管理すること
が一般的に行われている。
【0003】現在、液化石油ガス(以下、「LPガス」
という。)中の残渣分の品質規格、試験法については、
国内の標準規格であるJISで定められていない。一
方、国内での実質的な標準規格となっているJLPGA
規格では、60massppm以下(348K)、10
massppm以下(378K)と定められており、J
LPGA−S−05T蒸発残渣分試験法(質量法)が定
量法として使用されている。
【0004】しかしながら同試験法では、分析時間が
5、6時間かかる上に、分析に必要なサンプル量が1k
gと多く、小規模試験で行うことが困難であり、小規模
での実験が多い研究開発には適していない。また、分析
操作の面においても、前処理や分析処理が複雑で多岐に
わたるため、これらにかかる労力が大きく、サンプルを
大気放出することから環境・安全面の対策も必要とな
る。さらに、上記JLPGA−S−05T蒸発残渣分試
験法の検出限界は1massppmであり、精度につい
てもJLPGA規格に定められているものの、分析器具
の器差や人的誤差から、分析の精度は必ずしも高いとは
言えなかった。
【0005】かかる背景のもと、平成7年においては、
LPガス中の蒸発残渣分の暫定規格として暫定規格試験
法JLPGA−S−05T−95が制定された。そし
て、同試験法に準拠した測定機器、例えば、「島津LP
ガス蒸発残渣分析システム」(島津製作所(株)製)も
開発されている。このシステムは、キャピラリーカラム
や水素炎イオン化検出器(FID)を用いたガスクロマ
トグラフィーシステムであり、高精度、高感度の分析が
可能であり、上述した検出限界や分析精度の問題は改善
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシ
ステムではLPガス中の蒸発炭素分を炭素数6〜30の
炭化水素成分の総量として定量しているため、炭素数が
30を越える炭化水素を含有する残渣分を分析するには
適していない。また同システムでは、炭素数6の炭化水
素から炭素数毎に炭化水素を分離し、定量する必要があ
ること、試料のカラム中に導入するためには加圧状態で
行う必要があること、カラムオーブン温度を、例えば2
58Kまで冷却することが必要であるなど、依然として
簡便な分析法とはいえなかった。
【0007】従って、本発明の目的は、上記課題を解決
するものであって、LPガス中の微量残渣分を、簡便・
迅速かつ精度よく分析する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した従来の技術的な
背景から、LPガスなどの液化ガス中の微量残渣分の新
しい分析法としては、(1)サンプリングが容易であ
り、試験に必要なサンプル量が少量ですむこと、(2)
分析試験の操作が簡単であること、(3)連続的に安定
した分析がmassppmオーダーで可能であること、
(4)分析操作が安全であり、かつ環境に優しいもので
あること、(5)分析結果の解析が容易であること、が
求められる。
【0009】本発明者は、以上の事柄を踏まえて、測定
対象物濃度が数massppm〜数十massppmの
残渣分を再現性よく分析する方法を種々検討した。その
結果、確立されている既存の分析技術の中で、ガスクロ
マトグラフ法(以下、「GC法」ともいう。)がもっと
も一般的であり、かつ応用性に富んだ手法であり、上記
の条件を満たすものとして着目し、本発明を完成するに
至った。
【0010】すなわち本発明は、液化ガス中に含まれる
残渣分を常温・常圧で液体である有機溶剤に抽出した
後、該有機溶剤中の残渣分をガスクロマトグラフ法で測
定することで、前記液化ガス中の残渣分を測定・定量す
ることを特徴とする液化ガス中の残渣分分析方法であ
る。
【0011】また、本発明は、前記有機溶剤が、炭素数
5以上18未満の炭化水素を用いることを特徴とする液
化ガス中の残渣分分析方法である。
【0012】本発明によれば、液化ガス、特に液化石油
ガス中に含まれる残渣分を、簡易かつ迅速に精度よく測
定・定量することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、LPガスなどの液化ガス中の残渣分を分析す
る方法に関する。本発明において、液化ガス中の残渣分
とは、一般的には、LPガスなどの液化ガスの消費先設
備内に残留するドレンを形成する物質で、例えば、炭素
数6以上の炭化水素類、鉱油、グリースなどを含む潤滑
油、遊離水分、不揮発性硫黄分を含む硫黄化合物、アミ
ン化合物等を含む一般化学物質、鉄錆、ゴミなどの夾雑
物などをいう。これらのうち、特に本発明の分析の対象
となる残渣分は、LPガスなどの液化ガス中に微量含ま
れる、いわゆる炭化水素系の油分全般である。
【0014】本発明に用いることのできる有機溶剤とし
ては、常温・常圧で液体であり、LPガス、残渣分共に
脂肪族飽和炭化水素(パラフィン)であるので、双方と
よく混合しうる性状が求められる。したがって、有機溶
剤としては炭化水素系が望ましい。また、常温・常圧で
液体であることと、GCで油分の検出ピークと分離して
いること、LPガスを優先して蒸発させることから、L
Pガスより蒸気圧が低い必要がある。LPガス、即ちプ
ロパン、ブタンの炭素数は3または4であり、油分はお
およそ炭素数18以上で構成されていることから、油分
の抽出用の有機溶剤としてはパラフィンに関しては炭素
数で5以上18未満の飽和炭化水素が好ましい。
【0015】また、ヘキセン等の不飽和炭化水素、シク
ロヘキサン等の環状炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭
化水素でも、上記の条件を満たすものであれば抽出用有
機溶剤として用いることができる。さらに、ノルマル、
イソなど異性体も何ら制限されるものではない。これら
のうち、LPガスと油分の混合性、人体への健康面に与
える影響の大きさ、試料、特に高純度品の入手のし易
さ、価格面、取扱い易さなどから、同族のノルマルパラ
フィンが好ましく、ノルマルヘキサンがより好ましい。
【0016】本発明は、(1)LPガスを常温・常圧で
液体の有機溶剤と十分に混合することにより、LPガス
中に含まれる残渣分を有機溶剤に抽出し、蒸気圧の高い
LPガスを蒸発させて得られるLPガスの残渣分を含む
有機溶剤溶液を得る工程(残渣分抽出工程)と、(2)
得られた有機溶剤溶液をガスクロマトグラフィー法(以
下、「GC法」ともいう。)により、LPガス中の残渣
分を、分析・定量する工程(残渣分分析工程)からな
る。
【0017】1)残渣分抽出工程 残渣分抽出工程の各操作段階の概略を図1に示す。この
工程は、次の(1)〜(4)の手順で行う。 (1)予め容器に残渣分を抽出するための有機溶剤を所
定容量(V1)入れておく(容量は任意でよい)。容器
はLPガスの圧力に耐えられる性能が必須である。容量
で測定するときは、耐圧ガラス容器などのような直接目
盛りが読めるものが便利である。 (2)前記有機溶剤を入れた容器に、所定容量(V2)
のLPガスを加え、密封する。 (3)容器中の混合溶液を十分に混合する。混合は密封
容器を振とうするなどして行う。 (4)蒸気圧の高いLPガスが優先して蒸発することを
利用して、容器を開封し、中のLPガスを蒸発させる。
このとき、溶液の容量がV1までになったらLPガスが
蒸発したと考えて良い。この操作においては、LPガス
が蒸発してなくなったときに、最終的に有機溶剤が残っ
ていればよい。したがって、LPガスより蒸発量が少な
ければ有機溶剤も一緒に蒸発させてもよいし、LPガス
の蒸発を速めるために、N2 やHeなどの高純度不活性
ガスを適量通気させる等により蒸発を促進させることも
できる。ただし、有機溶剤が完全に蒸発してなくならな
いように行う必要がある。この場合においては、測定誤
差を抑えるため、有機溶剤の蒸発量は極力少ない方が好
ましい。
【0018】2)残渣分定量工程 次に、有機溶剤に抽出したLPガス中の残渣分を測定
し、定量する。これは、次のようにして行う。 (1)残った溶液の容量(V3)を測定する。 (2)上記(1)の溶液をGC法により測定し、溶液の
残渣分濃度(C)を求める。残渣分は上記1)残渣分抽
出工程の(4)の操作中において蒸発しないことから、
LPガス中の油分濃度(C1)は、下記(i)式で求め
ることができる。
【0019】C1=C’×V3/V2 (i)
【0020】このとき、C1の単位は“残渣分質量/L
Pガス容量”、例えばg-oil /ml-LPガス、C' の単
位は“残渣分質量/有機溶剤容量”、例えばg-oil /ml
- 有機溶剤となる。
【0021】また、溶液量を質量で測定した場合、測定
容量V1,V2,V3をそれぞれ測定質量W1,W2,
W3とすると、LPガス中の残渣分濃度(C2)は、次
の(ii)式で求めることができる。
【0022】C2=C’×W3/W2 (ii)
【0023】このとき、C2の単位は“残渣分質量/L
Pガス質量”、例えばg-oil /g-LPガス、C’の単位
は“残渣分質量/有機溶剤質量”、例えばg-oil /g-有
機溶剤となる。また、C1とC2の相関は、LPガスの
密度をdとすると、(iii )式から求めることができ
る。
【0024】C1=C2×d (iii )
【0025】(3)残渣分の定性・定量分析をGC法を
用いて行う。GCの諸条件は、JIS蒸留試験方法(J
IS−K2254)の参考試験方法に従う。この方法
は、石油留分のガスクロ法蒸留試験方法として記載され
ている内容に基づくあるいは準ずるものである。
【0026】有機溶剤に抽出された残渣分は、GCでの
検出ピークが有機溶剤のそれと明確に分離され、全量が
同定できればよく、炭素数ごとに分離・定性・定量する
必要はない。上記(1)のGC条件、例えばカラム槽温
度、キャリアー流量、カラムの種類などは、以上の検出
条件が満たされる限り、用いた有機溶剤や油分の性状、
あるいは分析環境に応じて変更や改良を行うことができ
る。
【0027】(4)残渣分をGC検出量から定量する。
計算方法は絶対検量線法、一点検量線法、内部標準法な
どがあるが、油分の定性・定量に支障をきたさず、定量
精度が保たれるならば特に制限されるものでない。ま
た、標準溶液に用いる残渣分は、実際に測定するLPガ
スに含まれる残渣分を用いるのが好ましいが、組成分布
が類似しており、GCでの検出範囲が類似していれば、
特に制限されるものではない。以上のようにして、LP
ガス中の残渣分を、簡易かつ迅速に分析することができ
る。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。 実施例1 予めn−ヘキサンを5.0ml(V1=5.0)入れた
耐圧ガラス容器に、LPガス(試料1)を6.0ml
(V2=6.0)入れ、密封し、十分に混合した。次い
で、容器を開封し、容器内のLPガスを蒸発させ、容器
内の液量を5.0ml(V3=5.0)にし、この溶液
の残渣分をGCで測定した。その結果、残渣分は11.
5ppm(g-oil /ml- n−ヘキサン)であり、19.
0massppm(g-oil/g-LPガス)であった。
なお、試料1の密度は0.505(g/ml,15℃)
であった。また、試験時間はGC測定時間も含めて1時
間であった。
【0029】GCの測定条件を表1に示す。また、残渣
分の定量は3つの標準溶液に用いての絶対検量線法で行
った。標準溶液はn−ヘキサン溶液であり、残渣分とし
て、モデル油(JIS K−2213 ISO VG3
2 タービン油)を用いた。また、標準溶液の残渣分濃
度は、12.0、53.0、154ppm(g-oil /ml
- n−ヘキサン)であった。
【0030】
【表1】
【0031】上記モデル油中の残渣分をn−ヘキサンに
より抽出し、GC法により分析した結果を図2に示す。
図2に示すように、有機溶剤であるn−ヘキサンとモデ
ル油、そしてモデル油の添加剤のGCの検出ピークは完
全に分離し、また、それぞれ一つのピークとして検出さ
れた。各標準溶液の油分濃度とGCピーク面積から、相
関係数0.9992の検量線が得られ、LPガス中の残
渣分を求めるのに使用した。
【0032】実施例2 実施例1と同様に、予めn−ヘキサンを5.0ml(V
1=5.0)入れた耐圧ガラス容器に、残渣分を含まな
いLPガス(試料2)を5.5ml(V2=5.5)入
れ、密封して、十分に混合した。容器を開封して、容器
内の液量を5.0ml(V3=5.0)にした。この溶
液の油分をGCで測定した結果、油分は0ppm(g-o
il/ml- n−ヘキサン)であり、0massppm
(g-oil/g-LPガス)であった。なお、試料2の密度
は0.508(g/ml,15℃)であった。また、G
Cの測定条件、標準溶液、検量線は実施例1と同様であ
る。
【0033】実施例3 2000gの試料2にモデル油2000mgを混合し、
このものを試料3とした。次いで、実施例1と同様に、
予めn−ヘキサンを5.0ml(V1=5.0)入れた
耐圧ガラス容器に試料3を5.8ml(V2=5.8)
入れ、密封し、十分に混合した。容器を開封した後、容
器内の液量を4.9ml(V3=4.9)にした。この
溶液の油分をGCで測定した結果、残渣分は60.5p
pm(g-oil /ml- n−ヘキサン)であり、100ma
ssppm(g-oil/g-LPガス)であった。なお、
試料3の密度は0.509(g/ml,15℃)であっ
た。また、GCの測定条件、標準溶液、検量線は実施例
1と同様である。
【0034】実施例4 試料2の2000gに、先に示したモデル油100mg
を混合し、このものを試料4とした。次いで、実施例1
と同様に、予めn−ヘキサンを5.2ml(V1=5.
2)入れた耐圧ガラス容器に、試料4を4.9ml(V
2=4.9)入れ、密閉し、十分に混合した。容器を開
封し、容器内の液量を5.0ml(V3=5.0)にし
た。この溶液の残渣分をGCで測定した結果、残渣分は
25.0ppm(g-oil /ml- n−ヘキサン)であり、
50.1massppm(g-oil/g-LPガス)であ
った。なお、試料4の密度は0.509(g/ml,1
5℃)であった。また、GCの測定条件、標準溶液、検
量線は実施例1と同様である。
【0035】実施例5 実施例1と同様に、予めn−ヘキサン5.0ml(V1
=5.0)入れた耐圧ガラス容器に、LPガス(試料
5)を5.4ml(V2=5.4)入れ、よく混合した
後、容器内の液量を5.0ml(V3=5.0)にし
た。この溶液の油分をGCで測定した結果、油分は18.
4ppm(g-oil/ml- n−ヘキサン)であり、2
9.2massppm(g-oil/g-LPガス)であっ
た。なお、試料5の密度は0.583(g/ml,15
℃)であった。また、GCの測定条件、標準溶液は実施
例1と同様であるが、新たに相関係数0.9994の検
量線を作成して用いた。
【0036】実施例6 実施例1と同様に、予めn−ヘキサン5.0ml(V1
=5.0)入れた耐圧ガラス容器に、別のLPガス(試
料6)を5.5ml(V2=5.5)入れ、密封し、十
分に混合した。容器を開封し、容器内の液量を5.1m
l(V3=5.1)にした。この溶液の油分をGCで測
定した結果、油分は0.2ppm(g-oil/ml- n
−ヘキサン)であり、0.3massppm(g-oil
/g-LPガス)であった。なお、試料6の密度は0.5
77(g/ml,15℃)であった。また、GCの測定
条件、標準溶液、検量線は実施例5と同様である。
【0037】実施例7 実施例1と同様に、予めn−ヘキサンを5.0ml(V
1=5.0)入れた耐圧ガラス容器に、残渣分を含まな
いLPガス(試料7)を5.2ml(V2=5.2)入
れ、密封し、十分に混合した。容器を開封し、容器内の
液量を5.1ml(V3=5.1)にした。この溶液の
油分をGCで測定した結果、油分は0ppm(g-oil /
ml- n−ヘキサン)であり、0massppm(g-oi
l/g-LPガス)であった。なお、試料7の密度は0.
584(g/ml,15℃)であった。また、GCの測
定条件、標準溶液、検量線は実施例5と同様である。
【0038】実施例8 2000gの試料6に、先のモデル油200mgを混合
し、このものを試料8とした。次いで、実施例1と同様
に、予めn−ヘキサンを5.0ml(V1=5.0)入
れた耐圧ガラス容器に、試料8を5.2ml(V2=
5.2)入れ、密封し、十分に混合した。容器を開封
し、容器内の液量を5.0ml(V3=5.0)にし
た。この溶液の油分をGCで測定した結果、油分は5
9.7ppm(g-oil/ml- n−ヘキサン)であ
り、99.3massppm(g-oil/g-LPガス)
であった。なお、試料8の密度は0.578(g/m
l,15℃)であった。また、GCの測定条件、標準溶
液、検量線は実施例5 と同様である。
【0039】実施例9 2000gの試料6に、先のモデル油100mgを混合
し、このものを試料9とした。実施例1と同様に、予め
n−ヘキサンを4.9ml(V1=4.9)入れた耐圧
ガラス容器に、試料9のLPガスを5.5.ml(V2
=5.5)入れ、密封し、十分に混合した。容器を開封
し、容器内の液量を5.0ml(V3=5.0)にし
た。この溶液の油分をGCで測定した結果、油分は3
2.9ppm(g-oil/ml- n−ヘキサン)であ
り、51.8massppm(g-oil/g-LPガス)
であった。なお、試料9の密度は0.577(g/m
l,15℃)であった。また、GCの測定条件、標準溶
液、検量線は実施例5 と同様である。
【0040】実施例10 2000gの試料7に、先のモデル油100mgを混合
し、このものを試料10とした。次いで、実施例1と同
様に、予めn−ヘキサンを5.0ml(V1=5.0)
入れた耐圧ガラス容器に、試料10のLPガスを5.8
ml(V2=5.8)入れ、密封して十分に混合した。
容器を開封し、容器内の液量を5.0ml(V3=5.
0)にした。この溶液の油分をGCで測定した結果、油
分は33.2ppm(g-oil/ml- n−ヘキサン)
であり、49.0massppm(g-oil/g-LPガ
ス)であった。なお、試料10の密度は0.584(g
/ml,15℃)であった。また、GCの測定条件、標
準溶液、検量線は実施例5と同様である。
【0041】実施例11 実施例1と同様に、予めn−ヘキサンを5.0ml(V
1=5.0)入れた耐圧ガラス容器に、LPガス(試料
11)を5.0ml(V2=5.0)入れ、密封して、
十分に混合した。容器を開封して、容器内の液量を5.
0ml(V3=5.0)にした。この溶液の油分をGC
で測定した結果、油分は8.4ppm(g-oil/ml
- n−ヘキサン)であり、15.8massppm(g-
oil/g-LPガス)であった。なお、試料11の密度
は0.530(g/ml,15℃)であった。また、G
Cの測定条件、標準溶液、検量線は実施例5 と同様であ
る。
【0042】実施例12 実施例1と同様に、予めn−ヘキサンを3.00g(W
1=3.00)入れた耐圧ガラス容器に、試料6のLP
ガスを3.25g(W2=3.25)入れ、密封して、
十分に混合した。容器を開封し、容器内の液量を3.0
2g(W3=3.02)にした。この溶液の油分をGC
で測定した結果、油分は0massppm(g-oil/
g-LPガス)であった。また、GCの測定条件は実施例
1と同様であるが、油分濃度が15.5、58.0、1
55massppmである3つの標準溶液で、新たに相
関係数0.9990の検量線を作成して用いた。
【0043】実施例13 実施例1と同様に、予めn−ヘキサンを3.01g(W
1=3.01)入れた耐圧ガラス容器に、試料8のLP
ガスを3.40g(W2=3.40)入れ、密封し、十
分に混合した。容器を開封し、容器内の液量を2.99
g(W3=2.99)にした。この溶液の油分をGCで
測定した結果、油分は101massppm(g-oil /
g-LPガス)であった。また、GCの測定条件、標準溶
液、検量線は実施例12と同様である。
【0044】実施例14 実施例1と同様に、予めn−ヘキサンを10.0ml
(V1=10.0)入れた耐圧ガラス容器に、表1の試
料6のLPガスを89.5ml(V2=89.5)入
れ、よく混合した後、容器内の液量を10.0ml(V
3=10.0)にした。この溶液の油分をGCで測定し
た結果、油分は1.7ppm(g-oil /ml-n−ヘキサ
ン)であり、0.33massppm(g-oil/g-L
Pガス)であった。なお、試験時間は1.3時間であっ
た。LPガスの蒸発作業に時間がかかるが、LPガスを
有機溶剤、本実施例ではn−ヘキサンに比べて過剰に加
え濃縮作業を行うことで、測定値の下限値を一桁下げる
ことができた。GCの測定条件、標準溶液、検量線は実
施例5と同様である。以上の実施例1〜13の測定結果
を表2にまとめた。
【0045】
【表2】
【0046】比較例1 日本LPガス協会規格LPガス蒸発残渣分試験方法(質
量法)JLPGA−S−05T−86に基づいて、試料
1のLPガス中の残渣分を測定した(測定サンプル量は
1000g、試験時間は6時間)。残渣分は測定温度7
5℃で21massppm、105℃で20massp
pmであった。さらに、測定温度105℃の残渣分をn
−ヘキサン200gに加えたところ、n−ヘキサンに溶
解しなかった成分は0mgであった。残渣分が溶解した
n−ヘキサンを実施例1と同様の方法で油分を測定した
ところ、98.5massppm(g-oil/g-n−ヘ
キサン)であり、測定温度105℃の残渣分のほとんど
は、油分として測定されるものであることが確認され
た。
【0047】比較例2〜11 比較例1と同様に、試料2〜11のLPガス中の残渣分
を測定した。残渣分の測定結果を、比較例1を含め表3
にまとめて示す。
【0048】
【表3】
【0049】比較例では、実施例とほぼ同様の分析結果
を与えたが、実施例に比して大量のサンプルを必要と
し、また測定時間も6時間と長いものであった。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液化ガス中に含まれる残渣分を、簡易かつ迅速に、精度
よく測定・定量することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の残渣分分析方法の残渣分抽出工程を説
明する概念図である。
【図2】液化石油ガス中の残渣分をn−ヘキサンで抽出
したのち、抽出液をガスクロマトグラフにより分析した
例である。横軸はリテンションタイム、縦軸は検出ピー
クのカウントを表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑谷 行徳 埼玉県越谷市東大沢3−28−15 (72)発明者 加藤 勝博 埼玉県幸手市権現堂1134−2 (72)発明者 川野辺 武 埼玉県羽生市上手子林1310 (72)発明者 庄 泉 5−1 HillsideDrive S t.Catharines、Ontari o Canada L2T 3N8

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガス中に含まれる残渣分を常温・常
    圧で液体である有機溶剤に抽出した後、該有機溶剤中の
    残渣分をガスクロマトグラフ法で測定することで、前記
    液化ガス中の残渣分を測定・定量することを特徴とする
    液化ガス中の残渣分分析方法。
  2. 【請求項2】 前記有機溶剤が、炭素数5以上18未満
    の炭化水素であることを特徴とする請求項1記載の液化
    ガス中の残渣分分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008255364A (ja) * 2008-06-19 2008-10-23 Japan Energy Corp 自動車用液化石油ガス組成物
JP2021021403A (ja) * 2019-07-24 2021-02-18 株式会社三井E&Sマシナリー ボイルオフガス供給・回収装置、及びボイルオフガス供給・回収方法

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