JP2001294852A - 蛍光体とその製造方法、薄膜の製造装置、およびel素子 - Google Patents

蛍光体とその製造方法、薄膜の製造装置、およびel素子

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JP2001294852A JP2000113671A JP2000113671A JP2001294852A JP 2001294852 A JP2001294852 A JP 2001294852A JP 2000113671 A JP2000113671 A JP 2000113671A JP 2000113671 A JP2000113671 A JP 2000113671A JP 2001294852 A JP2001294852 A JP 2001294852A
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sulfide
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登 三浦
Mitsuhiro Kawanishi
光宏 川西
Yoshihiko Yano
義彦 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高輝度で信頼性の高い薄膜ないし蛍光体を提
供し、ヒーターなどの加熱手段によらない処理を薄膜な
いし蛍光体に施すことにより、薄膜ないし蛍光体の形成
された下地構造にダメージを与えずに薄膜ないし蛍光体
の輝度および信頼性を向上させる蛍光体、その製造方
法、薄膜製造装置、およびEL素子を提供する。 【解決手段】 真空槽11と、この真空槽11内に少な
くとも、薄膜原料を蒸発させるための蒸発源14と、蒸
発源14から蒸発した薄膜原料が堆積する基板12と、
前記基板12上に形成される薄膜に電子ビームを照射す
るための電子ビーム源61とを有する構成の薄膜の製造
装置により、薄膜ないし蛍光体をアニールし、高輝度、
高性能の蛍光体、薄膜を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL(エレクトロ
ルミネセンス)素子、PDP(プラズマディスプレ
イ)、蛍光表示管等の発光素子に用いられる蛍光体の製
造方法に関し、特に電子ビームによるアニール処理を施
して発光輝度を飛躍的に向上させた蛍光体、その製造方
法、薄膜製造装置、およびEL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPおよび蛍光表示管用の蛍光体は、
青緑色に発光する蛍光体として、母体材料にZnO、発
光中心としてZnを用いたZnO:Zn、青色として、
ZnS:Ag、ZnS:Cu、赤色として、(ZnC
d)S:Ag+In23 などが開発され、またそれ以
外の蛍光体材料の研究も進展している。青緑色について
は、比較的低電圧で高輝度に発光するため、すでに蛍光
表示管やPDPとして、実用化されている。
【0003】しかしながら、青色、赤色については、発
光輝度は十分とは言えず、低消費電力で高色純度の蛍光
体が望まれている。
【0004】一方、近年、小型または、大型軽量のフラ
ットディスプレイパネルとして、薄膜EL素子が盛んに
研究されている。黄橙色発光のマンガン添加硫化亜鉛か
らなる蛍光体薄膜を用いたモノクロ薄膜ELディスプレ
イは図2に示すような薄膜の絶縁層2,4を用いた2重
絶縁型構造で既に実用化されている。図2において、基
板1としてのガラス上には所定パターンの下部電極5が
形成されていて、この下部電極5上に第1の絶縁層2と
して誘電体薄膜が形成されている。また、この第1の絶
縁層2上には、発光層3、第2の絶縁層(誘電体薄膜)
4が順次形成されるとともに、第2の絶縁層4上に前記
下部電極5とマトリクス回路を構成するように上部電極
6が所定パターンで形成されている。蛍光体薄膜は、輝
度向上のため、ガラス基板の歪み点以下でのアニールを
行うのが普通である。
【0005】また最近では基板1にセラミックス基板を
用い、絶縁層2に厚膜誘電体層を用いた構造が提案され
ている。この構造では、基板として、アルミナなどのセ
ラミックスを用いているため、蛍光体薄膜の高温アニー
ルが可能で高輝度化が可能である。また、絶縁層に厚膜
誘電体層を用いているため、絶縁層に薄膜を用いたEL
素子に較べて、絶縁破壊に強く、信頼性に強いパネルが
できることが特徴である。
【0006】ディスプレイとしてパソコン用、TV用、
その他表示用に対応するためにはカラー化が必要不可欠
である。硫化物蛍光体薄膜を用いた薄膜ELディスプレ
イは、信頼性、耐環境性性に優れているが、現在のとこ
ろ、赤色、緑色、青色の3原色に発光するEL用蛍光体
の特性が十分でないため、カラー用には不適当とされて
いる。青色発光蛍光体は、母体材料としてSrS、発光
中心としてCeを用いたSrS:CeやSrGa2
4 :Ce、ZnS:Tm、赤色発光蛍光体としてはZn
S:Sm、CaS:Eu、緑色発光蛍光体としてはZn
S:Tb、CaS:Ceなどが候補であり研究が続けら
れている。
【0007】これらの赤色、緑色、青色の3原色に発光
する蛍光体薄膜は発光輝度、効率、色純度が不足してお
り、現在、カラーELパネルの実用化には至っていな
い。特に、青色は、SrS:Ceを用いて、比較的高輝
度が得られてはいるが、フルカラーディスプレー用の青
色としては、色純度が縁側にシフトしているため、さら
によい青色発光層の開発が望まれている。
【0008】これらの課題を解決するため、特開平7−
122364号公報、特開平8−134440号公報、
信学技報EID98−113、19−24ページ、およ
びJpll.J.Appl.Phys.Vol.38
(1999)pp.L1291−1292に述べられて
いるように、SrGa24 :Ce、CaGa24 :C
eやBaAl24 :Euなどのチオガレードまたはチ
オアルミネート系の色純度に優れる青色蛍光体が開発さ
れつつある。
【0009】これらSrS系蛍光体、チオアルミネート
系蛍光体などでは、輝度の向上を目的として、通常、結
晶化のため高温熱アニールが行われる。たとえば、薄膜
形成中の基板温度を600℃以上とする、または、薄膜
形成後に900℃のアニールを行う。また、ZnS系の
蛍光体など他の蛍光体においても、結晶性の改善、蛍光
体の寿命、信頼性を向上させるために熱アニールが行わ
れている。
【0010】輝度、信頼性等の向上の熱アニールを行う
ため、蛍光体を形成する下地、すなわち、基板、電極、
誘電体などに耐熱性のものを用いる必要がある。前記し
たガラス基板、薄膜絶縁層を用いたEL素子では、ガラ
ス基板の耐熱性が500℃程度以下であり、熱アニール
温度を上げることができない。また前記したセラミック
基板、厚膜絶縁層を用いたEL素子では、電極にPtな
ど耐熱性の貴金属、基板にアルミナなどのセラミック基
板を用い、ある程度の耐熱性を有しているが、EL素子
としては高価なものとなってしまう。また、900℃以
上の高温熱アニールでは、基板、電極、絶縁層、蛍光体
の積層構造中で、熱による各材料の構成元素の相互拡散
が発生し、EL素子として十分な特性が得られなかった
り、事実上素子が実現できなかったりする。
【0011】このようにEL素子、PDP、蛍光表示管
等の発光素子に用いられる蛍光体においては、輝度の向
上と、さらに、熱アニールなしでの輝度および信頼性の
向上する手法が求めらている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高輝
度で信頼性の高い薄膜ないし蛍光体を提供することであ
り、ヒーターなどの加熱手段によらない処理を薄膜ない
し蛍光体に施すことにより、薄膜ないし蛍光体の形成さ
れた下地構造にダメージを与えずに薄膜ないし蛍光体の
輝度および信頼性を向上させる蛍光体、その製造方法、
薄膜製造装置、およびEL素子を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(18)のいずれかの構成により達成される (1) 電子ビーム照射処理により結晶化され、発光輝
度が向上されている蛍光体。 (2) 主成分が硫化物、セレン化物または酸化物であ
る上記(1)の蛍光体。 (3) 前記主成分がアルカリ土類硫化物である上記
(1)または(2)の蛍光体。 (4) 前記硫化物がアルカリ土類チオアルミネート、
アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類チオインレー
ト、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、硫化カルシウムお
よび硫化マグネシウム亜鉛のいずれかである上記(2)
または(3)の蛍光体。 (5) 上記(1)〜(4)のいずれかの蛍光体を有す
るEL素子。 (6) 基板の耐熱温度が600℃以下である上記
(5)のEL素子。 (7) 蛍光体に、電子ビームを照射して蛍光体の発光
輝度を向上させる蛍光体の製造方法。 (8) 前記蛍光体が層状に形成されている薄膜である
上記(7)の蛍光体の製造方法。 (9) 前記電子ビームを前記蛍光体上で走査する上記
(7)または(8)の蛍光体の製造方法。 (10) 前記電子ビーム照射時に同時に照射面と反対
側から冷却する上記(7)〜(9)のいずれかの蛍光体
の製造方法。
【0014】(11) 電子ビーム照射時に、前記蛍光
体を回転または移動させる上記(7)〜(10)のいず
れかの蛍光体の製造方法。 (12) 前記蛍光体の形成中に、同時に電子ビームを
蛍光体に照射する上記(7)〜(11)のいずれかの蛍
光体の製造方法。 (13) H2Sガスを導入した真空槽内で、前記電子
ビームを蛍光体層に照射する上記(7)〜(12)のい
ずれかの蛍光体の製造方法。 (14) 前記電子ビームが照射された蛍光体からの発
光をモニターし、少なくとも電子ビーム強度、電子ビー
ムと蛍光体の相対位置および蛍光体の温度のいずれかを
制御する上記(7)〜(13)のいずれかの蛍光体の製
造方法。 (15) 真空中で形成される薄膜の製造方法であっ
て、薄膜の形成中に電子ビームを照射する薄膜の製造方
法。 (16) 真空槽と、この真空槽内に少なくとも、薄膜
原料を蒸発させるための蒸発源と、蒸発源から蒸発した
薄膜原料が堆積する基板と、前記基板上に形成される薄
膜に電子ビームを照射するための電子ビーム源とを有す
る薄膜の製造装置。 (17) さらに前記薄膜体からの発光を監視するため
のモニタ手段を有する上記(16)の薄膜の製造装置。 (18) 前記基板を電子ビームの照射面の裏側より加
熱または冷却する手段を有する上記(16)または(1
7)の薄膜の製造装置。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態について詳
細に説明する。本発明は、蛍光体に様々な条件で、電子
ビームの照射実験を行っている過程で得られた発明であ
り、得られた蛍光体は、従来のヒーターなどの加熱手段
による処理に較べて発光特性の飛躍的な向上がみられ
る。
【0016】本発明の蛍光体は、電子ビーム照射処理に
より結晶化し、発光輝度を向上させた蛍光体である。
【0017】蛍光体は、発光性を有するものであればよ
いが、EL(エレクトロルミネセンス)素子、PDP
(プラズマディスプレー)、蛍光表示管に用いられる蛍
光体であることが好ましい。無機EL用の発光層に用い
られる蛍光体では、基板/電極/絶縁膜からなる下地上
に蛍光体層が形成されるため、蛍光体層形成中あるい
は、形成後に電子ビーム照射をすることにより、下地に
ダメージ無く、短時間で蛍光体層を結晶化することが可
能で、高輝度の蛍光体が得られるため、特に好ましい。
【0018】この場合、下地となる基板等は、通常の熱
アニールより耐熱性を要求されない。したがって、蛍光
体を無機ELに用いた揚合、比較的耐熱温度の低いガラ
スや、プラスチックやポリイミドなど有機物系の基板を
用いることが可能で、安価で大面積の基板が使用でき、
かつ処理時間も、従来の熱アニールに較べ大幅に短縮で
きるため、パネル用途に最適である。この場合、下地と
なる基板の耐熱温度は好ましくは600℃以下、特に3
00℃以下、さらには150℃以下が好ましい。
【0019】蛍光体は、特に限定されるものではない
が、硫化物、セレン化物、酸化物、フッ化物、および窒
化物のいずれかを主成分とする材料が好ましい。これら
のなかでも硫化物、セレン化物または酸化物が好まし
く、特に硫化物が好ましい。
【0020】硫化物は、通常の熱アニールによる発光特
性向上が著しいと言われ、本発明においても、蛍光体と
して硫化物を用いることが効果的で好ましい。特に硫化
物は、アルカリ土類チオアルミネート〔RxAlySz :
R=Be,Mg,Ca,Sr,BaおよびRaのいずれ
かを表し、x,y,z=整数でありそれぞれ異なってい
てもよい〕、アルカリ土類チオガレート〔RxGaySz
:R=Be,Mg,Ca,Sr,BaおよびRaのい
ずれかを表し、x,y,z=整数でありそれぞれ異なっ
ていてもよい〕、アルカリ土類チオインレート〔RxI
nySz :R=Be,Mg,Ca,Sr,BaおよびR
aのいずれかを表し、x,y,z=整数でありそれぞれ
異なっていてもよい〕等のアルカリ土類硫化物や、硫化
亜鉛(ZnS)、硫化ストロンチウム(SrS)、硫化
カルシウム(CaS)および硫化マグネシウム亜鉛(Z
nMgS)のいずれかであることが好ましい。これらの
硫化物は化学量論組成から多少偏倚していてもよい。こ
れらを電子ビーム照射処理して結晶化し、発光輝度を向
上させる。これらの結晶は、単一種類であっても、混晶
であってもよい。
【0021】これらのなかでも、アルカリ土類硫化物が
好ましく、特にアルカリ土類チオアルミネート、アルカ
リ土類チオガレート、およびアルカリ土類チオインレー
トなどの三元系化合物は、ZnS、SrSなどの二元系
化合物より、通常、結晶化温度が高い。本発明の電子ビ
ーム照射によるとこれらの化合物は、容易に結晶化する
ため効果的で好ましい。また、三元系イオウ化合物の中
でも、BaAl24は、通常の熱アニールによる結晶化
が難しいため、本発明を適用するのに最も好ましい。ア
ルカリ土類チオアルミネート、アルカリ土類チオガレー
ト、およびアルカリ土類チオインレートなどの三元系化
合物は、Axyz と表したとき、AB24 、AB4
7 、A225 、A427 、A528 のいずれであ
ってもよい。
【0022】また、セレン化物としては、特に限定され
るものではないが、アルカリ土類セレナアルミネート
〔RxAlySez :R=Be,Mg,Ca,Sr,Ba
およびRaのいずれかを表し、x,y,z=整数であり
それぞれ異なっていてもよい〕、アルカリ土類セレナガ
レート〔RxGaySe :R=Be,Mg,Ca,S
r,BaおよびRaのいずれかを表し、x,y,z=整
数でありそれぞれ異なっていてもよい〕、アルカリ土類
セレナインレート〔RxInySez :R=Be,Mg,
Ca,Sr,BaおよびRaのいずれかを表し、x,
y,z=整数でありそれぞれ異なっていてもよい〕が好
ましい。
【0023】本発明の製造方法は、蛍光体以外でも非結
晶状態の薄膜から結晶化物を得るのに有効である。この
ような薄膜は、通常、蒸着法、スパッタ法など真空中で
成膜される気相堆積法により形成される。また、EL素
子の絶縁層の製造にも用いることができる。
【0024】本発明に用いる電子ビームは、下地上の蛍
光体層を下地に損傷なく処理するため、加速電圧1kV
〜20kV、好ましくは4kV〜6kV、エミッション
電流0.1mA〜1mA、好ましくは1mA〜10mA、照射時
間10秒〜5分、好ましくは2分〜4分の範囲が好まし
い。それ以上であると下地に損傷を与えやすく、それ以
下であると、照射効果が得られない。
【0025】蛍光体層の膜厚としては、特に制限される
ものではないが、厚ければ、電子ビーム強度を上げる、
または、照射時間を長くとる。薄い場合には、逆の条件
とすればよい。具体的には、蛍光材料にもよるが、好ま
しくは100〜2000nm、特に150〜700nm程度
である。膜厚により、電子ビーム照射条件が異なるた
め、蛍光体の下地材料の損傷等に注意して、条件を設定
する必要がある。
【0026】本発明の製造方法では、好ましくは、膜厚
50nm〜2μm に層状形成した薄膜、特に蛍光体層を電
子ビームを走査しながら照射することが好ましい。走査
することにより、大面積処理を可能にするとともに、電
子ビームによる局所加熱を防ぎ、下地に損傷を与えるこ
とを防ぐことができる。
【0027】また、下地に損傷を与えることを防ぐた
め、電子ビーム照射時に同時に照射面と反対側から冷却
することが好ましい。すなわち、処理する薄膜、特に蛍
光体層を基板ホルダーと接触させ、このホルダーを冷却
水、液体窒素、フレオンなどで冷却すればよい。
【0028】さらに、パネルなど大面積の処理には、電
子ビーム処理中に、必要により薄膜、特に蛍光体を移動
または回転させてもよい。薄膜、特に蛍光体を移動、回
転させることにより、薄膜、特に蛍光体面内で処理が均
一となり、発光輝度バラツキが少なくなる。基板を回転
させる場合、基板の回転数としては、好ましくは10回
/min 以上、より好ましくは10〜50回/min 、特に
10〜30回/min 程度である。基板の回転数が速すぎ
ると、真空チャンバーへの導入時にシール性などの問題
が発生しやすくなる。また、遅すぎると下地に損傷を与
えることがあり、作製した蛍光体の輝度特性が低下して
くる。基板を回転させる回転手段としては、モータ、油
圧回転機構等の動力源と、ギア、ベルト、プーリー等を
組み合わせた動力伝達機構・減速機構等を用いた既知の
回転機構により構成することができる。電子ビームの走
査と組み合わせれば、パネル面内の均一処理を行うこと
ができ、より大面積で均一化が図れる。
【0029】本発明の方法では、電子ビームの照射条件
により、薄膜、特に蛍光体層の膜厚方向において、電子
ビーム照射面側が最も処理され、膜面深さ方向で分布が
発生する揚合がある。この場合、蛍光体の層形成中に、
同時に電子ビームを照射することにより、真空中で薄膜
を形成しつつ、電子ビーム処理を行うことが好ましい。
ここで真空とは、電子ビームを照射できる範囲の真空度
をいい、通常0.133Pa(1×10-3 Torr)以下の
真空度をいう。蛍光体層は、膜厚方向に分布なく、かつ
低エネルギーの電子ビームで、完全に処理することがで
きる。層形成を真空成膜で行う場合、蒸発源から基板に
飛来する原子、分子またはクラスターのエネルギーと同
時に電子ビームのエネルギーも加わり、層形成がなされ
るため、結晶性の高い蛍光体層が得られる。さらに結晶
化のためのエネルギーが足りない湯合には、蛍光体層を
加熱してもよい。一例としては、処理する蛍光体層を基
板ホルダーと接触させ、このホルダーをヒーターで加熱
すればよい。具体的な加熱温度としては、熱アニールに
必要な温度の50%以下、特に25%以下が好ましい。
【0030】真空中で電子ビームを照射するため、硫化
物蛍光体層表面より、イオウが蒸発し、蛍光体にイオウ
欠陥が生じることがある。この場合、真空中にH2Sガ
スを導入することが好ましい。H2Sガス導入量として
は、真空系の能力にもよるが1〜200SCCM、特に
5〜30SCCMが好ましい。真空槽内の圧力が、1.
33×10-2 Pa(1×10-5 Torr)〜13.3Pa(1
×10-3 Torr)となるように導入する。この範囲で
は、電子ビームを発生させる電子銃が安定に動作し、H
2S効果が得られる範囲である。H2Sガスの導入によ
り、イオウが補償され、欠陥が少なく、高結晶性の硫化
物蛍光体が得られる。
【0031】電子ビーム処理中には、通常、薄膜、特に
蛍光体照射面からの発光、つまりカソードルミネッセン
ス(CL)が観察できる。このCLは、一般に薄膜、特
に蛍光体の輝度特性に対応している。たとえば、EL素
子としてのEL発光は、ここでモニターしたCL強度が
高いほど、高輝度に発光する。したがって、このCLの
モニターを利用して、電子ビームの照射条件を決定する
ことができる。たとえば、電子ビームを照射し、CLの
強度が上がった時点で、照射終了という照射終点処理を
行うことができる。モニター強度から、電子ビームの強
度、スキャン速度、基板の回転、移動、基板の温度をフ
イードバックしてコントロールすると、最適な電子ビー
ム処理を行うことができ蛍光体の発光特性を向上させる
ための条件を決定することができ、好ましい。
【0032】CLを監視するためのモニタ手段として
は、光検出機能を有するものであれば特に限定されるも
のではなく、光トランジスタ、光ダイオード、CCD等
の光電変換機能を有する半導体素子を用いることができ
る。これらのなかでも、CCDが、機能、使いやすさ、
価格の面から好ましい。光電変換素子により電気信号に
変換されたCL信号は、さらにA/D変換してコンピュ
ータに取り込み、所定のプログラムにより解析して電子
ビームの強度、スキャン速度、基板の回転、移動、基板
の温度にフイードバックすればよい。あるいは、専用の
プロセッサ、制御回路等を用いて制御してもよい。
【0033】また、電子ビームのスキャン、基板の回
転、移動などの操作により大面積で処理する場合、蛍光
体の電子ビーム照射場所で各々CLをモニターし、全面
で均一なCL強度になるように電子ビーム照射を制御す
ることができる。この方法によると、パネル面全面で均
一な発光層形成が実現でき、発光強度バラツキの無いパ
ネルを作製することができる。また、パネルの用途とし
て、面内の一部分のみを発光させたい場合、希望する位
置に電子ビームを照射することにより、局所的な発光面
を得ることも可能になる。CLモニターを用いると、部
分発光面の作製が容易になる。
【0034】本発明の薄膜、特に蛍光体を形成するため
の装置の構成例の一つを図1に示す。ここでは、BaA
24 :Eu蛍光体を例にとる。図において、真空層
11内には、薄膜、特に蛍光体が形成される基板12
と、薄膜材料であるEuが添加されたBaS蒸発源14
aおよび薄膜材料である硫化アルミニウム蒸発源14b
を有するEB蒸発源14が配置されている。真空槽11
は、排気ポート11aを有し、この排気ポートからの排
気により、真空槽11内を所定の真空度にできるように
なっている。
【0035】基板12は基板ホルダー12aに固定さ
れ、この基板ホルダー12aの固定軸12bは図示しな
い回転軸固定手段により、真空槽11内の真空度を維持
しつつ、外部から回転自在に固定されている。そして、
回転手段21により、必要に応じて所定の回転数で回転
可能なようななっている。また、基板ホルダー12aに
は、フレオン冷媒を用いた冷却パイプ、あるいはヒータ
ーなどにより構成される加熱/冷却手段13が密着・固
定されていて、基板を所望の温度に加熱/冷却保持でき
るようになっている。
【0036】さらに基板は、電子銃61により、スキャ
ンした電子ビームeが照射されるようになっている。電
子銃61内には、ビームeをコントロールする機構が内
蔵されている。このようなビームeをコントロールする
ための機構としては、例えば所定の磁界を与える偏向ヨ
ークや、一対の電極間に所定の電界を与える偏向板など
を用いることができる。また、この電子銃61には、交
流電源62およびバイアス電源63が接続されている。
【0037】硫化アルミニウムと硫化バリウムの蒸発手
段となるEB(エレクトロンビーム)蒸発源14は、発
光中心の添加された硫化バリウム14aおよび硫化アル
ミニウム14bが納められる”るつぼ”50a,50b
と電子放出用のフィラメント51aを内蔵した電子銃5
1とを有する。また、この電子銃51には、交流電源5
2およびバイアス電源53が接続されている。電子銃か
らは電子ビームがコントロールされ、交互に、あらかじ
め設定したパワーで、発光中心の添加された硫化バリウ
ムおよび硫化アルミニウムを所定の比率で蒸発させるこ
とができる。Jpn.J.Appl.Phys.Vo
l.38(1999)pp.L1291−1292に述
べられているように、一つのEガンで多元同時蒸着を行
う蒸着方法は、多元パルス蒸着法といわれるものであ
る。
【0038】また、真空槽11内には、光電変換機能を
有する光検出器71が配置されていて、基板から発せら
れるCLを検出できるようになっている。光電変換され
たCL信号は、制御手段72に送出される。制御手段7
2では入力されたCL信号を解析し、所定のCL輝度が
得られるように電子銃61の交流電源62の出力を調整
したり、均一なCL輝度が得られるように電子銃61の
ビームをコントロールする。あるいは、基板12の加熱
/冷却手段13を制御して、所望のアニールが得られる
ようにしたり、基板12などが過熱するのを防止したり
する。また、回転手段21、あるいはその他の基板移動
手段を制御して、均一なCLが得られるようにすること
で均一なアニールを行ったり、適切な回転・移動条件に
よるアニール条件を設定したりする。
【0039】このような装置を用い、EB蒸発源14か
ら蒸発させた硫化バリウム蒸気と硫化アルミニウム蒸気
とを基板12上に推積、結合させ、蛍光層が形成され
る。このとき基板は約20℃以下に冷却され、同時に電
子銃61から電子ビームeをスキャンしながら照射し、
結晶化膜を得る。また、必要により基板12を回転させ
ることにより、堆積される発光層の結晶性および発光特
性分布をより均一なものとすることができる。なお、基
板12は回転手段21に代えて、X−Yテーブル等の移
動手段を用いて移動するようにしてもよい。
【0040】以上述べたように、本発明の蛍光体および
その製造方法、製造装置によると、高輝度に発光する蛍
光体薄膜が容易に形成可能となる。この発明は、たとえ
ば、ディスプレイ用のELフルカラーパネルに応用する
ことができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 〔実施例1〕本発明の蛍光体を用いたEL素子を作製し
た。EL素子は既に説明した図2の構成である。
【0042】まず、ガラス基板上に下部電極層として膜
厚200nmのITO層をスパッタリング法により、つい
で絶縁層として膜厚320nmのTa25 、および膜厚
270nmのZnSを順次蒸着法により形成した。この構
造を400℃真空中で60分間アニールし基板とした。
【0043】この基板上に発光層として、BaAl24
をパルス蒸着法で200nm形成した。蒸発源にはEu
が5 mol%添加されたBaSペレットと硫化アルミニウ
ムペレットを用いて基板に形成される蛍光体組成がBa
Al24 となるように電子ビームパルスを調節した。
X線回折などからこの時点では、蛍光体は結晶化してい
ないことが確認できた。
【0044】次に本発明の電子ビーム照射を行った。図
1に本発明の製造方法に用いることができる蒸着装置の
一例を示す。ここでは、蒸着も可能な装置例を示してい
るが、本実施例では、この装置で薄膜形成は行わず、電
子ビーム照射のみを行った。
【0045】上述のBaAl24 蛍光体が形成された
基板を基板ホルダー12aの電子ビーム照射可能の領域
(図中矢印の範囲)に密着、固定した。ホルダーは回転
せず固定して照射を行った。ホルダー温度は、約20℃
とした。
【0046】電子銃の加速電圧を6kV、エミッション電
流5mAとして、3cm角の領域で周波数x=50Hz、y=
500Hzでスキャンして照射した。ここで、照射面を観
察し、CL発光が最大になったところで照射を終了し
た。時間は約3分であった。蛍光体は結晶化し、X繰回
折によるとBaAl24 の結晶ピークがみられた。
【0047】得られた本発明の蛍光体上に、第二の絶縁
層として膜厚180nmのZnS、および膜厚320nmの
Ta25 を順次蒸着法により形成した。
【0048】最後に第二絶縁層上にAlを電子ビーム蒸
着し、膜厚200nm の上部電極層とし、EL素子を完
成した。ガラス基板のそり、絶縁層の電気的短絡など、
電子ビーム照射による損傷は全くみられなかった。
【0049】次に、このEL素子の発光特性を評価し
た。得られたEL構造のITO下部電極、Al上部電極
から電極を引き出し、60Hzでパルス幅40μSの両極
性電界を印加した。図3に輝度−電圧特性を示す。図3
からも明らかなように、100cd/m2 の発光輝度が再
現良く得られた。比較例として、電子ビーム照射しない
以外全く同条件で作製したEL素子では、図4に示すよ
うに0.3cd/m2 と1/300以下の輝度であり、本
発明の電子ビームアニールを行うことにより飛躍的に輝
度が向上することが分かった。別の比較例として、電子
ビーム照射に代えて、従来の900℃熱アニール処理を
行った以外、全く同条件で作製したEL素子では、50
cd/m2 であった。このEL素子では、ガラス基板のそ
りがみられた。本発明では、この比較例に比べ2倍以上
の輝度が得られている。
【0050】〔実施例2〕図1に示すような本発明の製
造方法に用いることができる蒸着装置を用い、実施例1
と同様にBaAl24 蛍光体を形成した。ここでは、
真空槽にH2Sガスを10SCCM導入し蒸着中の圧力
1.33×10-2 Pa(1×10-4 Torr)とした。
【0051】さらに、このとき薄膜形成中に同時に、電
子ビーム照射を行った。基板ホルダー温度は、約20℃
とし、電子銃の加速電圧を4kV、エミッション電流1
mAとして、3cm角の領域で周波数x=50Hz、y=50
0Hzでスキャンして照射した。蛍光体の膜厚が200nm
に達したところで、蒸着および電子ビーム照射を終了し
た。蛍光体は結晶化し、X線回折によるとBaAl24
の結晶ピークがみられた、。
【0052】次に実施例1と同様にしてこの発光層を用
いたEL素子を作製した。電極に60Hzのパルス幅40
μSの電界を印加することにより、120cd/m2 の青
色発光輝度が再現良く得られた。また、電子ビーム照射
面以外は発光輝度が1/100以下であり、電子ビーム
照射による部分発光面の作製ができた。
【0053】〔実施例3〕実施例と同様に蛍光体を作製
した。ここでは、4インチの大面積の基板基板を用い、
回転して、電子ビーム処理を行った。処理中、照射面に
部分的にCL強度の低い部分が観察されたため、電子ビ
ームを制御し、CL強度の低い部分の電子ビーム照射量
を多くし、結果的に、4インチ全面で、CL強度を均一
化した。EL発光を4インチ面内で評価したところ、輝
度バラツキ10%以下と均一化が図れた。比較のため、
電子ビームを制御せず、CL強度の低い部分の電子ビー
ム照射量を多くする事を行わなかった時は、輝度バラツ
キは50%であった。
【0054】〔実施例4〕実施例1と同様にして、ガラ
ス基板上に下部電極層、絶縁層(Ta25 、およびZ
nS)を順次形成しアニールした。
【0055】この基板上に発光層として、ZnS:Mn
を蒸着法で600nm形成した。蒸発源にはMnが0.5
mol%添加されたZnS:Mnペレットを用いた。この
時点でのX線回折の結果を図5に示す。
【0056】次に、実施例1と同様にして電子ビーム照
射を行った。このとき、電子銃の加速電圧は6kV、エミ
ッション電流5mAとして、3cm角の領域で周波数x=5
0Hz、y=500Hzでスキャンして照射した。ここで、
照射面を観察し、CL発光が最大になったところで照射
を終了した。時間は約3分であった。蛍光体はさらに結
晶化し、この時点でのX繰回折結果を図6に示す。図6
から明らかなように、ZnSの結晶強度が増加している
ことが分かる。
【0057】次いで、実施例1と同様にして第二の絶縁
層(ZnS、およびTa25 )を形成し、最後に第二
絶縁層上にAlを電子ビーム蒸着して上部電極層とし、
EL素子を完成した。ガラス基板のそり、絶縁層の電気
的短絡など、電子ビーム照射による損傷は全くみられな
かった。
【0058】次に、このEL素子の発光特性を実施例1
と同様に評価した。1kHz、パルス幅50μSの両極性
電界を印加することにより、4000cd/m2 の発光輝
度が再現良く得られた。比較例として、電子ビーム照射
しない以外全く同条件で作製したEL素子では、400
0cd/m2 と1/10以下の輝度であり、本発明の電子
ビームアニールを行うことにより飛躍的に輝度が向上す
ることが分かった。
【0059】〔実施例5〕実施例1と同様にして、ガラ
ス基板上に下部電極層、絶縁層(Ta25 、およびZ
nS)を順次形成しアニールした。
【0060】この基板上に発光層として、CaGa24
をパルス蒸着法で500nm形成した。蒸発源にはCe
が1 mol%添加されたCaSペレットとGa23 ペレ
ットを用いて基板に形成される蛍光体組成がCaGa2
4 となるように電子ビームパルスを調節した。X線回
折などからこの時点では、蛍光体は結晶化していないこ
とが確認できた。
【0061】次に、実施例1と同様にして電子ビーム照
射を行った。このとき、電子銃の加速電圧は6kV、エミ
ッション電流5mAとして、3cm角の領域で周波数x=5
0Hz、y=500Hzでスキャンして照射した。ここで、
照射面を観察し、CL発光が最大になったところで照射
を終了した。時間は約3分であった。蛍光体は結晶化
し、X繰回折によるとCaGa24 の結晶ピークがみ
られた。
【0062】次いで、実施例1と同様にして第二の絶縁
層(ZnS、およびTa25 )を形成し、最後に第二
絶縁層上にAlを電子ビーム蒸着して上部電極層とし、
EL素子を完成した。ガラス基板のそり、絶縁層の電気
的短絡など、電子ビーム照射による損傷は全くみられな
かった。
【0063】次に、このEL素子の発光特性を実施例1
と同様に評価した。60Hz、パルス幅40μSの両極性
電界を印加することにより、20cd/m2 の発光輝度が
再現良く得られた。比較例として、電子ビーム照射しな
い以外全く同条件で作製したEL素子では、0.2cd/
m2 と1/100以下の輝度であり、本発明の電子ビー
ムアニールを行うことにより飛躍的に輝度が向上するこ
とが分かった。
【0064】以上のように、電子ビームを照射すること
により、発光輝度が従来のヒーターなどの加熱手段によ
る処理した蛍光体に較べて、飛躍的に向上する。
【0065】また、ELパネルの輝度向上と、薄膜形成
後アニール工程が不要であるため、時間短縮および低コ
スト化に寄与することができる。さらに電子ビームを制
御することにより、大面積で均一の蛍光体が得られるの
で、パネル用の製造方法として最適であり、実用的価値
が大きい。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高輝度で
信頼性の高い薄膜ないし蛍光体を提供でき、ヒーターな
どの加熱手段によらない処理を薄膜ないし蛍光体に施す
ことにより、薄膜ないし蛍光体の形成された下地構造に
ダメージを与えずに薄膜ないし蛍光体の輝度および信頼
性を向上させる蛍光体、その製造方法、薄膜製造装置、
およびEL素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法が適用可能な装置、または本発明
の製造装置の構成例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の蛍光体薄膜、装置により製造可能な無
機EL素子の構成例を示す一部断面図である。
【図3】実施例1で成膜した本発明による蛍光膜の輝度
−電圧特性を示すグラフである。
【図4】実施例1で成膜した比較サンプルの蛍光膜の輝
度−電圧特性を示すグラフである。
【図5】実施例4において成膜された蛍光膜のアニール
処理前のX線解析結果を示した図である。
【図6】実施例4において成膜された蛍光膜のアニール
処理後のX線解析結果を示した図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1の絶縁層(誘電体層) 3 蛍光体薄膜(発光層) 4 第2の絶縁層(誘電体層) 5 下部電極 6 上部電極(透明電極) 11 真空槽 11a 排気ポート 11b H2S導入ポート 12 基板 13 加熱/冷却手段 14 EB蒸発源 21 回転手段 72 制御手段 50a,50b るつぼ 51 電子銃 61 電子銃 71 光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/64 CQD C09K 11/64 CQD 11/84 CQD 11/84 CQD H05B 33/14 H05B 33/14 Z (72)発明者 矢野 義彦 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB18 CA01 CB01 CB03 DA02 DB01 DB02 DC02 DC04 EC04 FA00 FA01 FA03 4H001 CA04 CF01 XA08 XA12 XA13 XA16 XA20 XA30 XA31 XA34 XA38 XA49 XB21

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム照射処理により結晶化され、
    発光輝度が向上されている蛍光体。
  2. 【請求項2】 主成分が硫化物、セレン化物または酸化
    物である請求項1の蛍光体。
  3. 【請求項3】 前記主成分がアルカリ土類硫化物である
    請求項1または2の蛍光体。
  4. 【請求項4】 前記硫化物がアルカリ土類チオアルミネ
    ート、アルカリ土類チオガレート、アルカリ土類チオイ
    ンレート、硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、硫化カルシ
    ウムおよび硫化マグネシウム亜鉛のいずれかである請求
    項2または3の蛍光体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの蛍光体を有す
    るEL素子。
  6. 【請求項6】 基板の耐熱温度が600℃以下である請
    求項5のEL素子。
  7. 【請求項7】 蛍光体に、電子ビームを照射して蛍光体
    の発光輝度を向上させる蛍光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記蛍光体が層状に形成されている薄膜
    である請求項7の蛍光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電子ビームを前記蛍光体上で走査す
    る請求項7または8の蛍光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電子ビーム照射時に同時に照射面
    と反対側から冷却する請求項7〜9のいずれかの蛍光体
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 電子ビーム照射時に、前記蛍光体を回
    転または移動させる請求項7〜10のいずれかの蛍光体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記蛍光体の形成中に、同時に電子ビ
    ームを蛍光体に照射する請求項7〜11のいずれかの蛍
    光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 H2Sガスを導入した真空槽内で、前
    記電子ビームを蛍光体層に照射する請求項7〜12のい
    ずれかの蛍光体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記電子ビームが照射された蛍光体か
    らの発光をモニターし、少なくとも電子ビーム強度、電
    子ビームと蛍光体の相対位置および蛍光体の温度のいず
    れかを制御する請求項7〜13のいずれかの蛍光体の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 真空中で形成される薄膜の製造方法で
    あって、 薄膜の形成中に電子ビームを照射する薄膜の製造方法。
  16. 【請求項16】 真空槽と、この真空槽内に少なくと
    も、薄膜原料を蒸発させるための蒸発源と、蒸発源から
    蒸発した薄膜原料が堆積する基板と、前記基板上に形成
    される薄膜に電子ビームを照射するための電子ビーム源
    とを有する薄膜の製造装置。
  17. 【請求項17】 さらに前記薄膜体からの発光を監視す
    るためのモニタ手段を有する請求項16の薄膜の製造装
    置。
  18. 【請求項18】 前記基板を電子ビームの照射面の裏側
    より加熱または冷却する手段を有する請求項16または
    17の薄膜の製造装置。
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