JP2001294601A - 高度分岐澱粉と該高度分岐澱粉の製造方法 - Google Patents

高度分岐澱粉と該高度分岐澱粉の製造方法

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branched starch
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Yasuyuki Kawabata
康之 川端
Kazuyoshi Toeda
一喜 戸枝
Toru Takahashi
徹 高橋
Norio Shibamoto
憲夫 柴本
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Akita Prefecture
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Akita Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 澱粉を低分子化させずに、その溶解性の向
上、老化抑制、粘度低下等を図ることのできる、高度分
岐澱粉と、その製造方法、並びに該澱粉を用いた糊化澱
粉の老化抑制方法と、該澱粉含有飲食物の製造方法の提
供。 【解決手段】 分岐分布が陰イオン交換クロマトグラ
フィーによるグルコース単位鎖長分布として4〜7にピ
ークを占めており、水溶性が高く、その水溶液が低粘度
であり、かつゲル濾過分析において2.0×106に分
子量の分布ピークをもつ高度分岐澱粉、枝作り酵素を
糊化澱粉に作用させることを特徴とする高度分岐澱粉の
製造方法、前記に記載の製造方法により製造される
高度分岐澱粉を糊化澱粉の固形分に対し0.1〜100
重量%添加することを特徴とする糊化澱粉の老化抑制方
法、高度分岐澱粉を、澱粉に対し0.1〜100重量
%添加したものを用いる老化の抑制された澱粉を含有す
る飲食物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原料の澱粉と比較
して分岐構造が密な高度分岐澱粉と、該高度分岐澱粉を
製造する方法と、該高度分岐澱粉を用いた糊化澱粉の老
化抑制方法と、該高度分岐澱粉を用いた、老化の抑制さ
れた澱粉を含有する飲食物の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】澱粉は、マルトース,水飴類等を製造す
るための原料、飲食用組成物、食品添加用組成物、或い
は生物崩壊性プラスチック用材料などとして用いられて
いる高分子物質である。
【0003】しかし、一般的に澱粉は、溶解性が低い、
老化しやすい、溶液の粘度が高い、などという問題があ
る。具体的には、澱粉は水に対する溶解性が低いため、
澱粉を溶解するためには加熱処理を行ったり、有機溶
媒、酸、アルカリ等による処理を行うことが必要であ
る。また、溶解した澱粉もしくは糊化した澱粉は、迅速
に老化し、不溶性の沈殿を生ずる。澱粉の老化は、澱粉
溶液の粘弾性、澱粉の接着性等の物性を変化させる。
【0004】また、澱粉(質)を含有する食品において
は、保水性、保形性、冷凍耐性又は消化性の低下等の問
題が生じている。さらに、糊化した澱粉は、高い粘度を
有し、取り扱いが困難となる。このように、既存の澱粉
が有する上記性質上の問題点(溶解性の低さ、老化性、
高粘度)は、食品及びその他の産業において、澱粉の利
用を制限するものであった。
【0005】そこで、これらの澱粉を低分子化すること
により、溶解性及び耐老化性を向上させる研究が行わ
れ、ある程度は老化を防止することができるようになっ
た。しかし、過剰な分子量低下を抑えることは困難であ
り、高分子である本来の澱粉の持つ固有の性質を失うと
いう問題が生じた。さらに、これらの方法では、澱粉の
還元力が増加するため、タンパク質及びアミノ酸などと
混合して加熱したとき、これらの物質との反応により澱
粉が着色するため、その用途は制限されてきた。
【0006】このため、これらの澱粉を低分子化するこ
となく、溶解性を向上させたり、老化抑制、粘度低下等
を図るための研究が行われている。例えば、澱粉のα
1,4結合を切断し、α1,6結合を転移反応により合
成する酵素(枝作り酵素;EC 2.4.1.18)を
澱粉に反応させて、水溶性澱粉が得られている(特開昭
60−75295号公報)。しかし、この方法で得られ
た水溶性澱粉は、詳細な構造が不明であるため、使用が
制限されていた。
【0007】また、バチルス( Bacillus )属の細菌の
生産する枝作り酵素を用いて、内分岐環状構造と外分岐
構造部分とを有する、いわゆる大環状グルカンが得られ
ている(特開平8−134104号公報、応用糖質科
学,43(2),p257〜264,1996)。しか
し、このものは、環状構造の形成と共に分子量の大幅な
低下が起こり、上記問題の解決に至っていない。
【0008】一方、枝作り酵素は、様々な起源のものが
報告されているが、得られる酵素量が少なく、酵素も不
安定なため、実用化に至っているものはない。ニューロ
スポラ・クラッサ( Neurospora crassa )からの枝作
り酵素の精製につき報告されている(澱粉科学,30
(2),p212−222,1983)が、枝作り酵素
を作用させて得られる生成物の性質、構造等の特性につ
いて十分な検討がなされていないため、実用化には至っ
ていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
手段における問題点を解消し、澱粉を低分子化させず
に、低分子化によることなく澱粉本来の性質を著しく改
良し、その溶解性の向上、老化抑制、粘度低下等を図る
ことのできる、原料の澱粉と比較して分岐構造が密な高
度分岐澱粉と、該高度分岐澱粉を製造する方法とを提供
することを目的とするものである。
【0010】さらに、本発明は、該高度分岐澱粉を用い
た糊化澱粉の老化抑制方法と、該高度分岐澱粉を用い
た、老化の抑制された澱粉を含有する飲食物の製造方法
とを提供することを目的とするものである。換言すれ
ば、本発明は、澱粉溶液の粘弾性、澱粉の接着性などの
物性を変化させず、しかも澱粉(質)を含有する食品に
おいて、保水性、保形性、冷凍耐性又は消化性を低下さ
せることなどがなく、澱粉の老化の抑制された糊化澱粉
の老化抑制方法と、該高度分岐澱粉を用いた、老化の抑
制された澱粉を含有する飲食物の製造方法とを提供する
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、澱粉を低
分子化することなく、物性を変化させる研究を実施し
た。鋭意研究を重ねた結果、ニューロスポラ・クラッサ
Neurospora crassa)に属するカビの生産する枝作
り酵素を澱粉に十分作用させ、その澱粉を回収したとこ
ろ、原料澱粉に比べ、より分岐構造が密な新たな澱粉、
高度分岐澱粉が得られることを見い出し、この知見に基
づいて本発明を完成した。
【0012】即ち、請求項1に係る本発明は、分岐分布
が陰イオン交換クロマトグラフィーによるグルコース単
位鎖長分布として4〜7にピークを占めており、水溶性
が高く、その水溶液が低粘度であり、かつゲル濾過分析
において2.0×106に分子量の分布ピークをもつ高
度分岐澱粉を提供するものである。
【0013】請求項2に係る本発明は、枝作り酵素を糊
化澱粉に作用させることを特徴とする、分子構造が原料
の澱粉に比して密な分岐を有する高度分岐澱粉の製造方
法を提供するものである。
【0014】請求項3に係る本発明は、枝作り酵素が、
ニューロスポラ・クラッサ( Neurospora crassa )に
属するカビの突然変異株 N2-44株由来のものである請求
項2記載の高度分岐澱粉の製造方法を提供するものであ
る。
【0015】請求項4に係る本発明は、枝作り酵素を、
糊化澱粉1gあたり1〜1000単位添加することを特
徴とする、請求項2又は3に記載の高度分岐澱粉の製造
方法を提供するものである。
【0016】請求項5に係る本発明は、請求項2〜4の
いずれかに記載の製造方法により製造される高度分岐澱
粉を、糊化澱粉の固形分に対し0.1〜100重量%添
加することを特徴とする、糊化澱粉の老化抑制方法を提
供するものである。
【0017】請求項6に係る本発明は、澱粉を含有する
飲食物の製造にあたり、澱粉として、請求項2〜4のい
ずれかに記載の製造方法により製造される高度分岐澱粉
を、澱粉に対し0.1〜100重量%添加して得られた
ものを用いることを特徴とする、老化の抑制された澱粉
を含有する飲食物の製造方法を提供するものである。
【0018】請求項7に係る本発明は、請求項1記載の
高度分岐澱粉を含有する飲食物を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、分岐分布が陰イオン交換クロ
マトグラフィーによるグルコース単位鎖長分布として4
〜7にピークを占めており、水溶性が高く、その水溶液
が低粘度であり、かつゲル濾過分析において2.0×1
6に分子量の分布ピークをもつ高度分岐澱粉である。
【0020】請求項1に係る本発明の新規高度分岐澱粉
は、分岐分布が陰イオン交換クロマトグラフィーによる
グルコース単位鎖長分布として4〜7にピークを占めて
いるものである。通常の澱粉の分岐鎖長(グルコース鎖
長)は、同条件で測定した場合に、一般に9〜10にピ
ークを有していることから、請求項1に係る本発明の新
規高度分岐澱粉は、非常に短い分岐鎖長を有することが
分かる。請求項1に係る本発明の新規高度分岐澱粉は、
通常の澱粉と比較して分岐が増加し、直鎖部分が短いも
のとなっているにもかかわらず、分子量は低下していな
い。請求項1に係る本発明の新規高度分岐澱粉は、ゲル
濾過分析において2.0×106に分子量の分布ピーク
をもつものである。また、分子量の範囲としては、1.
6×10 5〜5.3×106のものである。
【0021】このような請求項1に係る本発明の新規高
度分岐澱粉は、通常の澱粉と比較して、水等に対する溶
解性が高く、しかも溶液を放置しても白濁が観察され
ず、老化しにくいものである。一般に、澱粉は冷水に不
溶であるが、請求項1に係る本発明の新規高度分岐澱粉
は、少なくとも20%(w/w)までは冷水に対して溶
解することを確認している。さらに、請求項1に係る本
発明の新規高度分岐澱粉は、原料澱粉糊化液に比べて、
その水溶液が低粘度のものであり、取扱い性に優れたも
のである。後記実施例1における図4によれば、見かけ
上の粘度値を比べると、請求項1に係る本発明の新規高
度分岐澱粉は、原料澱粉糊化液のおよそ1/10に低下
していることが分かる。
【0022】次に、請求項2に係る本発明は、枝作り酵
素を糊化澱粉に作用させることを特徴とする、分子構造
が原料の澱粉に比して密な分岐を有する高度分岐澱粉の
製造方法である。このようにして得られる高度分岐澱粉
は、請求項1に係る本発明として前記した通りのもので
ある。
【0023】請求項2に係る本発明において、高度分岐
澱粉を製造するために用いる枝作り酵素とは、澱粉のα
1,4−グリコシド結合を、α1,6−グリコシド結合
に転移して新たな枝状構造を生成する作用を有する酵素
である(EC 2.4.1.18)。この枝作り酵素と
しては、植物、動物及び微生物起源のものが見出されて
いるが、請求項2に係る本発明の場合、ニューロスポラ
・クラッサ( Neurospora crassa )に属するカビによ
って生産される枝作り酵素が好ましい。このような枝作
り酵素を用いると、生成物の外分岐構造部分のグルコー
ス鎖長が4から7のものが転移され、本発明の目的とす
る生成物が得られる。
【0024】枝作り酵素としては、特に請求項3に記載
したように、枝作り酵素高生産株であるニューロスポラ
・クラッサ( Neurospora crassa )に属するカビの突
然変異株 N2-44 株由来の枝作り酵素が最も好ましい。
ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa ) N2
-44 株は、野生株のニューロスポラ・クラッサ( Neuro
spora crassa )IFO 6068 等から常法により変異株を
得て、菌体内の枝作り酵素活性を指標として選抜するこ
とにより得ることができる。
【0025】請求項2に係る本発明は、上記した如き枝
作り酵素を糊化澱粉に作用させることを特徴とする。高
度分岐澱粉を製造するための原料となる澱粉は、通常、
食用に供せられるものであれば特に限定することなく用
いることができ、例えばコーンスターチ、ワキシーコー
ンスターチ、米澱粉、餅米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱
粉、くず澱粉などを工業的に有利に用いることができ
る。さらに、澱粉から得られたアミロース、アミロペク
チン、デキストリン等を原料としてもよい。請求項2に
係る本発明においては、このような原料澱粉を糊化して
得られる糊化澱粉を用いる必要がある。糊化の方法自体
は、公知の方法を採用することができ、例えば、澱粉の
水懸濁液を加熱もしくはアルカリ処理する方法等が挙げ
られる。また、ジメチルスルフォキシドなどの有機溶媒
に溶解する方法も採用することができる。
【0026】このような糊化澱粉へ枝作り酵素を作用さ
せる方法は、次のような条件下で好ましく実施すること
ができる。まず、糊化澱粉は、水溶液状にして酵素反応
に供することができるが、その濃度は、通常、0.1〜
20重量%が好ましい。糊化澱粉の濃度が0.1重量%
未満であると原料が少な過ぎ、一方、20重量%を超え
ると澱粉の水への溶解が困難となるため、いずれも好ま
しくない。
【0027】次に、枝作り酵素は、請求項4に記載した
ように、糊化澱粉1gあたり、1〜1000単位、好ま
しくは10〜200単位となるように使用される。ここ
でいう酵素単位とは、1分間に1μmolの無機リン酸
の遊離量を増加させる枝作り酵素量を1単位としたもの
である。枝作り酵素の使用量が1単位未満であると酵素
添加の意味がなく、一方、1000単位を超えると効果
が頭打ちとなる上、製造コストの増大、生成物の回収に
時間がかかる、等の弊害が生ずるため、いずれも好まし
くない。
【0028】酵素反応は、温度0〜50℃、好ましくは
15〜40℃、pH4,0〜9.5、好ましくは6.5
〜8.5において、通常1〜48時間実施され、一般に
攪拌しながら実施することが望ましい。酵素反応終了後
は、必要により反応液を60℃以上に加熱するなどし
て、枝作り酵素を失活させてもよい。
【0029】このようにして得られた生成物を遠心分
離、濾過等により不溶物を除去し、水溶性画分を濃縮す
ることで、目的とする高度分岐澱粉が得られる。
【0030】得られた高度分岐澱粉は、そのまま利用す
ることができるが、保存に有利で、かつ飲食物の製造に
利用しやすいように、乾燥し、粉末として得ることが望
ましい。乾燥は、通常、凍結乾燥、或いは噴霧乾燥やド
ラム乾燥などの方法が利用できる。乾燥物は、必要によ
り粉砕することが望ましい。
【0031】このようにして得られた高度分岐澱粉は、
請求項1に記載した通りのものであり、分岐分布が陰イ
オン交換クロマトグラフィーによるグルコース単位鎖長
分布として4〜7にピークを占めており、水溶性が高
く、その水溶液が低粘度であり、かつゲル濾過分析にお
いて2.0×106に分子量の分布ピークをもつもので
ある。前記したように、通常の澱粉の分岐鎖長(グルコ
ース鎖長)は、同条件で測定した場合に、一般に9〜1
0にピークを有していることから、このようにして得ら
れた高度分岐澱粉は、非常に短い分岐鎖長を有すること
が分かる。
【0032】このようにして得られた高度分岐澱粉は、
原料の澱粉と比較して水等に対する溶解性が高く、溶液
を放置しても白濁が観察されず、老化しにくい。このこ
とから、糊化澱粉を調製する際に、このようにして得ら
れた高度分岐澱粉を澱粉に添加することにより、糊化澱
粉の老化を抑制することができる。このような糊化澱粉
の老化抑制方法を提供するのが、請求項5に係る本発明
である。
【0033】即ち、請求項5に係る本発明は、請求項2
〜4のいずれかに記載の製造方法により製造される高度
分岐澱粉を、糊化澱粉の固形分に対し0.1〜100重
量%添加することを特徴とする、糊化澱粉の老化抑制方
法である。
【0034】請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法
により製造される高度分岐澱粉の添加量は、糊化澱粉の
固形分に対し0.1〜100重量%、好ましくは1〜1
0重量%である。高度分岐澱粉の添加量が0.1重量%
未満であると、添加の効果が現れず、一方、高度分岐澱
粉の添加量が100重量%を超えると、原料澱粉の物性
変化が著しいため、いずれも好ましくない。なお、糊化
の方法については常法によって行うことができる。この
ようにして得られた糊化澱粉は、老化を抑制されたもの
である。
【0035】このような高度分岐澱粉の有する老化抑制
機能は、澱粉を原料とする各種飲食物へも応用可能であ
り、食品の澱粉に起因する老化を抑制し、保存性を高め
ることも可能である。このような老化の抑制された飲食
物の製造方法を提供するのが、請求項6に係る本発明で
ある。
【0036】即ち、請求項6に係る本発明は、澱粉を含
有する飲食物の製造にあたり、澱粉として、請求項2〜
4のいずれかに記載の製造方法により製造される高度分
岐澱粉を、澱粉に対し0.1〜100重量%添加して得
られたものを用いることを特徴とする、老化の抑制され
た澱粉を含有する飲食物の製造方法である。
【0037】この場合における、高度分岐澱粉の添加量
は、澱粉に対し0.1〜100重量%、好ましくは1〜
10重量%である。高度分岐澱粉の添加量が0.1重量
%未満であると、添加効果が現れず、一方、高度分岐澱
粉の添加量が100重量%を超えると、原料澱粉の性質
を著しく変化させてしまい好ましくない。このようにし
て、老化の抑制された澱粉を含有する飲食物が得られ
る。この飲食物は、澱粉の老化に基く保水性、保形性、
冷凍耐性、消化性などの低下が抑制されたものである。
なお、澱粉を含有する飲食物としては、もち、だんご、
クッキー、パン、めん類などが挙げられる。
【0038】最後に、請求項7に係る本発明は、前記し
た如き請求項1記載の高度分岐澱粉を含有する飲食物で
ある。この際の請求項1記載の高度分岐澱粉の含有量
は、通常、0.01〜100重量%、好ましくは0.1
〜10重量%である。高度分岐澱粉の含有量が0.01
重量%未満であると、含有させる効果が現れない。一
方、高度分岐澱粉の含有量が100重量%を超えると、
元の飲食物のもつ風味等を損なうおそれがあるため、い
ずれも好ましくない。なお、飲食物としては、例えば澱
粉含有スポーツドリンクや澱粉含有栄養補助食品など様
々な飲食物が挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。
【0039】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって何ら限定されるものでは
ない。
【0040】実施例1 (1)枝作り酵素の活性測定 枝作り酵素の活性測定は、Satoh & Sato ( Analytical
Biochemistry, 108 (1), 16-24, 1980 )の方法に改良を
加えた、以下の方法により行った。0.1Mグルコース
−1−リン酸と2mM AMPとを含む溶液50μL
に、緩衝液で適当に希釈された枝作り酵素40μLを加
え、ウサギ筋肉由来のホスホリラーゼa(1mg/m
L)10μLを添加することにより酵素反応を開始し、
30℃で60分間反応後、1N過塩素酸水溶液1.0m
Lを加えることにより反応を停止した。遊離した無機リ
ン酸をリン−バナド−モリブデン酸法(澱粉・関連糖質
実験法p32−33、1986)により枝作り酵素活性
を測定した。なお、枝作り酵素活性1単位は、1分間に
1μmolの無機リン酸の遊離量を増加させる酵素量と
した。
【0041】(2)ニューロスポラ・クラッサ( Neuro
spora crassa )菌体の調製 野生株のニューロスポラ・クラッサ( Neurospora cra
ssa )IFO 6068は、財団法人発酵研究所(大阪)から入
手した。N. crassa IFO 6068の新たに調製した分生子
を、1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン
(NTG)処理により変異させた。得られた変異株をラ
ンダムに釣菌し、菌体内の枝作り酵素活性を指標として
選抜し、枝作り酵素高生産株を選抜し、ニューロスポラ
・クラッサ( Neurospora crassa )N2-44株とした。
【0042】菌体生産のための培養は、30Lジャーフ
ァーメンターで行った。30Lジャーファーメンターに
15Lの培地を仕込み、通気量15L/min、攪拌速
度150rpm、30℃にて50時間培養した。培地組
成は、3%グルコース、2%脱脂大豆粉、0.1%KH
2PO4、0.05%MgSO4・7H2Oとした。種
母は4%とし、同様の培地で45時間フラスコ培養した
ものを用いた。菌体は、濾過によって回収し、菌体の水
分をよく除いたものを−30℃で保存した。この結果、
1.2kg(湿重量)の菌体が回収された。
【0043】(3)枝作り酵素の活性 上記(2)で得られたニューロスポラ・クラッサ( Neu
rospora crassa ) N2-44株の菌体20gに、石英砂と
緩衝液A(5mM 2−メルカプトエタノールと1mM
EDTAとを含む20mM グリシルグリシン緩衝
液、pH8.0)100mLとを加え、乳鉢で磨砕し
た。摩砕物を遠心分離(10,000×g、30mi
n)した後、上清をNaOH溶液でpH8.0としたも
のを粗酵素液とした。この粗酵素液172mLを脱イオ
ン水で2時間透析し、予め緩衝液Aで平衡化したカラム
( Super Q Toyopearl-650M )に負荷した。枝作り酵
素は、カラムに吸着し、0−0.3M NaCl濃度勾
配により溶出した。
【0044】枝作り酵素活性のある画分を集め、緩衝液
B(5mM 2−メルカプトエタノールと1mM ED
TAとを含む20mM グリシルグリシン緩衝液、pH
7.5)で透析し、限外濾過(YM−10)で3mLに
濃縮した。濃縮物を予め緩衝液Bで平衡化したアミロー
ス樹脂( Amylose resin )カラム(20×200m
m)( New England BioLabs社製)に負荷した。枝作り
酵素活性は、他のタンパク質に比べて遅れて溶出した。
この画分は、SDS−PAGEで単一バンドを示し、集
めて精製酵素とした。
【0045】(4)高度分岐澱粉の調製 ワキシーコーンスターチ(1.0g、Sigma社製、
S−9679)を蒸留水80mLに懸濁し、沸騰浴中で
30分間過熱することにより完全に糊化し、澱粉糊化液
を調製した。これに上記(3)で精製酵素として得られ
た枝作り酵素200単位(20mL)を加え、攪拌しつ
つ30℃で24時間反応させた。加熱処理により酵素を
失活させた後、不溶物を遠心分離により除去し、凍結乾
燥により高度分岐澱粉(HBS)を得た。
【0046】(5)高度分岐澱粉の分析 上記(4)で得られた高度分岐澱粉につき、以下の試験
を行い、高度分岐澱粉の性状を調べた。
【0047】枝作り反応による澱粉の物性の変化 酵素反応の進行に伴う澱粉の物性変化(経時変化)を分
析した。結果を図1〜3に示す。
【0048】図1は、酵素反応の進行に伴う澱粉溶液の
透明度(吸光度660nm)の変化を示したものであ
る。図1から、酵素反応開始と共に速やかに濁度(吸光
度660nm)の減少が観測され、澱粉溶液の透明度が
向上したことが分かる。これは、澱粉に枝作り酵素が作
用することにより澱粉の分岐が増加したため、澱粉の溶
解度が増加しているためと考えられる。
【0049】図2は、酵素反応開始後、0時間語、2時
間後、6時間後及び24時間後のヨウ素−澱粉複合体の
吸収スペクトルの変化を示したものである。図2から、
枝作り酵素の反応の進行に従って、吸光度が低くなり、
最大吸収波長λmaxが、0時間後、2時間後、6時間
後及び24時間後において、それぞれ530nm,52
5nm,521nm,508nmと短波長側に移行して
いることが分かる。この結果は、酵素の作用により澱粉
の分岐構造が増加して直鎖部分が短くなり、これに起因
してヨウ素の澱粉への結合量が減少していることを示唆
している。
【0050】一方、図3は、酵素反応進行に伴う澱粉溶
液中の還元糖量(グルコース中に占める割合)の変化を
示したグラフである。図3から、反応溶液中の還元糖量
の増加は0.1%以下であることが分かり、枝作り酵素
の酵素反応に伴う還元末端の遊離は、無視して良いレベ
ルであることが明らかである。
【0051】高度分岐澱粉溶液と原料澱粉糊化液の粘
性挙動 高度分岐澱粉溶液と原料澱粉糊化液とについて、以下の
ようにして、ずり速度と見かけ粘度の関係を測定し、粘
性挙動を調べた。即ち、3%(w/w)に調製した高度
分岐澱粉溶液と、対照としてのワキシーコーンスターチ
を3%(w/w)に加熱糊化した原料澱粉糊化液とにつ
いて、BL型回転粘度計(トキメック(株)社製、BL
−HM型にH型少量サンプルアダプターを装着したも
の)を用い、HM−1ロータにより、ずり速度と見かけ
粘度の関係を測定した。結果を図4に示す。図4によれ
ば、高度分岐澱粉溶液は、原料澱粉糊化液に比べて明ら
かに低い粘度を示した。ずり速度39.6s-1(30rp
m)での見かけの粘度値を見ると、高度分岐澱粉溶液が
4.8mPa・sであるのに対し、原料澱粉糊化液は4
9.2mPa・sであり、およそ1/10に粘度が低下
したことが分かった。
【0052】高度分岐澱粉のゲル濾過分析 酵素反応による分子量分布の変化を、TSK−gel
GMPW−XL(7.8×300mm、東ソー(株)社
製)を用いたゲル濾過分析により検討した。その分析の
条件は、以下の通りである。
【0053】溶出溶媒として0.1M NaOH(流速
0.5mL/min)を用い、検出にはRI検出器( H
ITACHI L-3350 RI Monitor )を用いた。酵素反応開始
後、0時間経過時(つまり、酵素反応開始時であって原
料のまま),2時間経過時,12時間経過時及び24時
間経過時でそれぞれサンプリングを行い、100℃、5
分間の加熱処理により枝作り酵素を失活させた後、各サ
ンプルの反応液のうち50μLをゲル濾過に供した。各
サンプルのゲル濾過分析結果を図5に示す。なお、図5
において、●はプルランを標準としたときの検量線デー
タである。
【0054】図5に見られるように、酵素反応開始時の
サンプル(原料のワキシーコーンスターチ)には2つの
ピークが観察された。標準物質と比較した結果、これら
はアミロペクチンとアミロースと判断した。酵素反応の
進行と共にピークが低分子側に移行し、最終的には1本
のピークに収束した。図5によると、この分子量は、プ
ルランを標準としたときに2.0×106と算出された
ことから、澱粉自体が低分子化したのではなくて、枝作
り酵素による転移反応により澱粉分子の立体構造が変化
し、分子構造がコンパクトになるため、見かけ上低分子
化したものと推察された。
【0055】高度分岐澱粉の分岐鎖長(グルコース鎖
長(DP))の測定 上記(4)で得られた高度分岐澱粉10mgを1.0m
Lの蒸留水に溶解させ、1M酢酸緩衝液(pH4.0)
0.1mLとイソアミラーゼ10μL(70unit
s)とを加え、40℃で24時間反応させた。反応後、
100℃、5分間の加熱処理を行い、イソアミラーゼを
失活後、パルスドアンペロメトリック検出器を備えた高
性能陰イオン交換クロマトグラフィー( Dionex BioLC
Model DX-500 )で分岐鎖の鎖長の分析を行った。
【0056】分析カラムには、CarboPac PA-1 ( Dionex
BioLC ) を用い、溶出は流速:1.0mL/min、
NaOH濃度:150mM、酢酸ナトリウム濃度:0分
−50mM、2分−50mM、37分−350mM( G
radient curve No.3 )、45分−850mM( Gradie
nt curve No.7 )、47分−850mMの条件で行っ
た。なお、コントロールとして、枝作り酵素を反応させ
なかったサンプル(すなわち、原料澱粉)についても、
同様に分岐鎖の鎖長の分析を行った。これらの結果を図
6に示す。図6中、●は高度分岐澱粉、○は枝作り酵素
を反応させなかったサンプル(すなわち、原料澱粉)の
それぞれ分岐鎖長の測定結果を示す。
【0057】図6から、原料澱粉では、DP9−10に
分岐分布ピークが存在しているのに対して、枝作り酵素
処理した本発明の高度分岐澱粉では、DP4−7に分岐
分布ピークがシフトしていた。このことは、枝作り酵素
によって澱粉分子にDP4−7の新たな分岐が付加され
たことを示している。以上より、本発明の高度分岐澱粉
は、澱粉分子に枝作り酵素が作用し、原料澱粉に比べて
分岐の密な高分岐澱粉が生成していることが分かった。
【0058】高度分岐澱粉溶液の老化特性 3%(w/w)に調製した高度分岐澱粉(HBS)溶液
を4℃に2日間放置し、濁度の変化を観察した。コント
ロールとして、同じ3%(w/w)濃度に調製したワキ
シーコーンスターチ糊化液(モチトウモロコシ澱粉糊化
液)と、予め糊化後凍結乾燥したワキシーコーンスター
チを加熱溶解したもの(α化ワキシーコーンスターチ溶
液)とを用いた。濁度を比較すべく、3つの溶液を並べ
て撮影した写真から起こした模式図を図7に示す。な
お、図7のA、B、Cは、それぞれ3%(w/w)高度
分岐澱粉溶液、3%(w/w)ワキシーコーンスターチ
糊化液、糊化後凍結乾燥したワキシーコーンスターチを
加熱溶解したものをそれぞれ示す。
【0059】図7から明らかなとおり、本発明の高度分
岐澱粉(A)は冷蔵保存後も透明であったが、他のもの
(B、C)では老化による白濁が観察された。このこと
から、本発明の高度分岐澱粉は老化しにくい澱粉である
ということができる。
【0060】実施例(高度分岐澱粉(HBS)の応用
例) (1)澱粉糊化液の粘度低下効果 3%ワキシーコーンスターチ糊化液を調製し、終濃度
が、それぞれ0%(無添加),0.06%,0.15%
となるように高度分岐澱粉を添加した。これら糊化液を
室温まで冷却後、25℃に調整された部屋に1時間放置
し、BL型回転粘度計を用いてずり応力とずり速度との
関係を測定することにより、各糊化液の流動特性を調べ
た。BL型回転粘度計は、トキメック(株)社製BL−
HM型にH型少量サンプルアダプターを装着したものを
用い、HM−1ローターでずり速度とずり応力との関係
を測定した。その結果得られた各試験区における流動特
性を図8に示す。なお、図8では、高度分岐澱粉無添加
区を○で、0.06%(終濃度)高度分岐澱粉添加区を
□で、0.15%(終濃度)高度分岐澱粉添加区を△
で、それぞれ示した。
【0061】図8の結果から明らかなように、各ずり速
度に対するずり応力は、無添加区(○)に比べ、0.0
6%添加区(□)、0.15%添加区(△)の順に低く
なった。すなわち、高度分岐澱粉は、澱粉糊化液の粘度
を低くする効果を有することが明らかとなった。この結
果によれば、高度分岐澱粉を利用することにより、澱粉
の固形分量を増やすことなく粘度を低下させることがで
きることから、高度分岐澱粉は、澱粉含量を減らすこと
が不都合な用途であって、しかも低粘性を求められる分
野、例えば、澱粉系接着剤などの分野への応用が可能で
あることが明らかである。
【0062】(2)澱粉糊化液の透明化効果 上記澱粉糊化液の吸光度660nmにおける濁度変化
を、調製直後、4℃で1日経過後、2日経過後にそれぞ
れ測定した。即ち、高度分岐澱粉無添加区、0.06%
(終濃度)高度分岐澱粉添加区、0.15%(終濃度)
高度分岐澱粉添加区の各サンプルについて、吸光度66
0nmにおける濁度変化を、調製直後、4℃で1日経過
後、2日経過後にそれぞれ測定した。結果を図9に示
す。なお、図9中、白抜きしたものが高度分岐澱粉無添
加区、斜線で示したものが0.06%(終濃度)高度分
岐澱粉添加区、黒塗りしたものが0.15%(終濃度)
高度分岐澱粉添加区のそれぞれ結果である。
【0063】図9によれば、高度分岐澱粉を添加した区
においては、濁度が低下しており、澱粉糊化液の透明度
が高度分岐澱粉の添加により改善されていることが分か
る。このことから、高度分岐澱粉は、糊化した澱粉の溶
解を助ける働きがあることが推察された。
【0064】(3)澱粉糊化液の老化抑制効果 上記澱粉糊化液で、4℃で2日間保存したものを、再び
BL型回転粘度計で、糊化液の流動特性を測定すること
により、高度分岐澱粉の老化抑制効果について検討し
た。結果を図10に示す。なお、図10中、○は高度分
岐澱粉無添加区、□は0.06%(終濃度)高度分岐澱
粉添加区、△は0.15%(終濃度)高度分岐澱粉添加
区のそれぞれ結果を示す。
【0065】図10によれば、老化糊化液についても高
度分岐澱粉を添加した区では、粘度が低くなっているこ
とが分かる。
【0066】また、上記澱粉糊化液のサンプルにおい
て、調製直後と4℃で2時間保存後の見かけ粘度変化に
ついて、ローター回転数6rpm(ずり速度7.92s
-1)でのデータを比較した。結果を図11に示す。図1
1中、A、B、Cは、それぞれ高度分岐澱粉無添加区、
0.06%(終濃度)高度分岐澱粉添加区、0.15%
(終濃度)高度分岐澱粉添加区の結果であり、白抜きし
た方が調製直後、塗りつぶした方が4℃で2日間保存後
の結果を示している。
【0067】図11によれば、調製直後における見かけ
粘度の差に比べ、4℃で2日間放置後の見かけ粘度の差
が大きくなっていることから、高度分岐澱粉の添加によ
り、糊化澱粉の老化が抑制されているものと考えられ
る。
【0068】実施例3(高度分岐澱粉の食品への応用
例) 高度分岐澱粉の食品への用途開発を目的として、上新粉
を原料としただんごに高度分岐澱粉を添加し、高度分岐
澱粉がだんごの硬さに与える影響について検討した。市
販の上新粉100gに対し、高度分岐澱粉1.0gを添
加したものに、60℃の温水を80g加え、ボールの中
で5分間よく練った。生地をまとめて15gを1個とし
て手のひらで丸め、熱湯で15分間ゆでた。ゆであがっ
たら冷水中にとり、流水で30分間冷却し、水気を切っ
て製品とした。また、比較のために、高度分岐澱粉を添
加せずに作っただんごも用意した。
【0069】硬さの測定に当り、高度分岐澱粉を添加す
ることなくだんごを調製してから25℃の部屋に1時間
放置したもの(試験区A)、高度分岐澱粉を添加してだ
んごを調製してから25℃の部屋に1時間放置したもの
(試験区B)、高度分岐澱粉を添加することなくだんご
を調製してから4℃で2日放置後、さらに25℃に1時
間放置したもの(試験区C)及び高度分岐澱粉を添加し
てだんごを調製してから4℃で2日放置後、さらに25
℃に1時間放置したもの(試験区D)をそれぞれサンプ
ルとした。
【0070】各試験区につき、それぞれだんご5個を調
製し、それらの平均の硬さを求めた。これらの結果を図
12に示す。硬さの測定は、(有)タケモト電機社製、
テンシプレッサTTP−50BXII(ロードセル10
kg)を用い、直系2mmのブランジャーを使用して2
5℃にて測定した。だんごは、平坦なステージ上にブラ
ンジャーが中心を突き刺すようにセットし、各サンプル
に対する最大応力を硬さの指標とした。装置の詳細な条
件は、次の通りである:Road cell; 10kg, Distance 1;
50mm,Clearance; 5.0mm, Thickness 1; 30mm, Bites s
peed; 2.0mm/sec
【0071】図12によると、調製直後のだんご(試験
区A、B)では、僅かに高度分岐澱粉を添加したもの
(試験区B)が柔らかかった。また、ドウを練る段階で
高度分岐澱粉を添加したものでは、粘りが出て粉のまと
まりがよかった。1日冷蔵後のだんご(試験区C、D)
では、高度分岐澱粉を添加したもの(試験区D)が柔ら
かく、高度分岐澱粉に老化抑制効果があることが示され
た。また、冷蔵保管サンプルの測定プロファイルを解析
すると、高度分岐澱粉を添加したものでは、特にだんご
の表面付近の柔らかさを保っており、だんご表面の保水
効果が期待されると推察された。
【0072】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によれば、澱粉を
低分子化させずに、低分子化によることなく澱粉本来の
性質を著しく改良し、その溶解性の向上、老化抑制、粘
度低下等を図ることのできる、原料の澱粉と比較して分
岐構造が密な新規高度分岐澱粉が提供される。また、請
求項2に係る本発明の方法によれば、枝作り酵素を糊化
澱粉に作用させることにより、分子構造が原料(糊化)
澱粉に比して密な分岐を有する高度分岐澱粉を得ること
ができる。得られる高度分岐澱粉は、溶解性が高く、耐
老化性に優れ、溶液の粘度が低い等の取扱いが容易にな
るが、低分子化していないので、従来のデキストリンな
どのような褐変を生じることがない。
【0073】さらに、請求項5に係る本発明によれば、
該高度分岐澱粉を用いることにより、糊化した澱粉の老
化を抑制し、また、請求項6に係る本発明によれば、老
化の抑制された澱粉を含有する飲食物を製造することが
できる。換言すれば、請求項5に係る本発明によれば、
澱粉溶液の粘弾性、澱粉の接着性などの物性を変化させ
ず、しかも澱粉(質)を含有する食品において、保水
性、保形性、冷凍耐性又は消化性を低下させることなど
がなく、澱粉の老化を抑制することができ、また、請求
項6に係る本発明によれば、そのような老化の抑制され
た澱粉を含有する飲食物を製造することができる。
【0074】従って、本発明の新規高度分岐澱粉は、低
粘度性・高溶解性を利用した澱粉高含有スポーツドリン
クや栄養補助食品などとして有効に利用することができ
る。また、これを澱粉糊化液や澱粉質含有食品に添加す
ることにより、澱粉の老化に起因する様々な品質劣化を
抑制することができる。さらに、食品用途にとどまら
ず、接着剤や生分解性ポリマー用の原料などの工業用途
や、オブラートに代表される各種フィルム、カプセルの
原料などの医薬用途としても利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における酵素反応の進行に伴う澱粉
溶液の透明度の変化を示すグラフである。
【図2】 実施例1において、酵素反応開始後、0時間
後、2時間後、6時間後及び24時間後のヨウ素−澱粉
複合体の吸収スペクトルを示すグラフである。
【図3】 実施例1における酵素反応進行に伴う澱粉溶
液中の還元糖量(グルコース中に占める割合)の変化を
示すグラフである。
【図4】 実施例1において、高度分岐澱粉溶液と原料
澱粉糊化液とについて、ずり速度と見かけ粘度の関係を
測定し、粘性挙動を調べた結果を示すグラフである。
【図5】 実施例1において、酵素反応開始後、0時間
後、2時間後、6時間後及び24時間後の枝作り酵素の
反応産物のゲル濾過分析結果を示したものである。
【図6】 実施例1において、原料澱粉と高度分岐澱粉
のそれぞれ単位鎖長分布の変化を示したものである。
【図7】 実施例1において、糊化澱粉溶液の濁度を示
す模式図である。
【図8】 実施例2において、高度分岐澱粉の添加がず
り応力とずり速度との関係に与える影響(流動特性)を
示すグラフである。
【図9】 実施例2において、糊化澱粉の吸光度660
nmにおける濁度変化を示すグラフである。
【図10】 実施例2において、保存後の糊化澱粉液へ
の高度分岐澱粉の添加が、ずり反応とずり速度との関係
に与える影響(流動特性)を示すグラフである。
【図11】 実施例2における澱粉糊化液のサンプルに
おいて、調製直後と4℃で2時間保存後の見かけ粘度変
化を示すグラフである。
【図12】 実施例3におけるだんごの硬さの変化を示
すグラフである。
【符号の説明】
図4において、●は高度分岐澱粉溶液、○は原料澱粉糊
化液のそれぞれ粘性挙動を示す。図5において、●はプ
ルランを標準としたときの検量線データである。図6に
おいて、●は高度分岐澱粉、○は枝作り酵素を反応させ
なかったサンプル(すなわち、原料澱粉)のそれぞれ分
岐鎖長の測定結果を示す。図7のA、B、Cは、それぞ
れ3%(W/W)高度分岐澱粉溶液、3%(W/W)ワ
キシーコーンスターチ糊化液、糊化後凍結乾燥したワキ
シーコーンスターチを加熱溶解したものをそれぞれ示
す。図8では、高度分岐澱粉無添加区を○で、0.06
%(終濃度)高度分岐澱粉添加区を□で、0.15%
(終濃度)高度分岐澱粉添加区を△で、それぞれ示し
た。図9中、白抜きしたものが高度分岐澱粉無添加区、
斜線で示したものが0.06%(終濃度)高度分岐澱粉
添加区、黒塗りしたものが0.15%(終濃度)高度分
岐澱粉添加区のそれぞれ結果である。図10中、○は高
度分岐澱粉無添加区、□は0.06%(終濃度)高度分
岐澱粉添加区、△は0.15%(終濃度)高度分岐澱粉
添加区のそれぞれの結果を示す。図11中、A、B、C
は、それぞれ高度分岐澱粉無添加区、0.06%(終濃
度)高度分岐澱粉添加区、0.15%(終濃度)高度分
岐澱粉添加区の結果であり、白抜きした方が調製直後、
塗りつぶした方が4℃で2日間保存後の結果を示してい
る。図12中において、A、B、C、Dはそれぞれ、高
度分岐澱粉を添加することなくだんごを調製してから2
5℃の部屋に1時間放置したもの(試験区A)、高度分
岐澱粉を添加してだんごを調製してから25℃の部屋に
1時間放置したもの(試験区B)、高度分岐澱粉を添加
することなくだんごを調製してから4℃で2日放置後、
さらに25℃に1時間放置したもの(試験区C)及び高
度分岐澱粉を添加してだんごを調製してから4℃で2日
放置後、さらに25℃に1時間放置したもの(試験区
D)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 徹 秋田県秋田市新屋町字砂奴寄4−26 秋田 県総合食品研究所内 (72)発明者 柴本 憲夫 秋田県秋田市新屋町字砂奴寄4−26 秋田 県総合食品研究所内 Fターム(参考) 4B023 LC05 LE26 LG06 LK08 4B025 LB25 LD03 LE03 LG28 LG36 LK04 LP19 4B050 DD03 LL02 4B064 AF12 BE01 BJ10 CA05 CA21 CB07 DA10 4C090 AA01 AA04 AA08 BA13 BB03 BB12 BB32 BB36 BB52 BC01 BD02 BD08 CA42 DA27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分岐分布が陰イオン交換クロマトグラフ
    ィーによるグルコース単位鎖長分布として4〜7にピー
    クを占めており、水溶性が高く、その水溶液が低粘度で
    あり、かつゲル濾過分析において2.0×106に分子
    量の分布ピークをもつ高度分岐澱粉。
  2. 【請求項2】 枝作り酵素を糊化澱粉に作用させること
    を特徴とする、分子構造が原料の澱粉に比して密な分岐
    を有する高度分岐澱粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 枝作り酵素が、ニューロスポラ・クラッ
    サ( Neurospora crassa )に属するカビの突然変異株
    N2-44株由来のものである請求項2記載の高度分岐澱粉
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 枝作り酵素を、糊化澱粉1gあたり1〜
    1000単位添加することを特徴とする、請求項2又は
    3に記載の高度分岐澱粉の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の製造方
    法により製造される高度分岐澱粉を、糊化澱粉の固形分
    に対し0.1〜100重量%添加することを特徴とす
    る、糊化澱粉の老化抑制方法。
  6. 【請求項6】 澱粉を含有する飲食物の製造にあたり、
    澱粉として、請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法
    により製造される高度分岐澱粉を、澱粉に対し0.1〜
    100重量%添加して得られたものを用いることを特徴
    とする、老化の抑制された澱粉を含有する飲食物の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の高度分岐澱粉を含有する
    飲食物。
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