JP2001294216A - クライオスタットの断熱システム - Google Patents

クライオスタットの断熱システム

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JP2001294216A
JP2001294216A JP2000110242A JP2000110242A JP2001294216A JP 2001294216 A JP2001294216 A JP 2001294216A JP 2000110242 A JP2000110242 A JP 2000110242A JP 2000110242 A JP2000110242 A JP 2000110242A JP 2001294216 A JP2001294216 A JP 2001294216A
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JP
Japan
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liquid helium
cryostat
container
helium container
wall
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JP2000110242A
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Genshiro Fujii
源四郎 藤井
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のクライオスタットにおける液体ヘリウ
ム容器の支持構造は、外壁から支持部材を介して行われ
ていたので、この支持部材を通して熱の侵入が発生し液
体ヘリウム蒸発の要因となっていた。 【解決手段】 クライオスタット外壁2と液体ヘリウム
容器1を結合する支持部材をなくして、液体ヘリウム容
器1の外周壁面に複数の超電導磁石3を設けると共に、
クライオスタット外壁2の内周壁面に複数個の常電導磁
石4を設ける。このような構造により、超電導体の磁気
浮上力を利用してヘリウム容器1を外壁2から安定的に
浮上断熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クライオスタット
の断熱システムに関し、特に、低温容器(クライオスタ
ット)に保存される超流動ヘリウム等の極低温冷媒の断
熱システムに関し、詳しくは、外壁からの伝導熱リーク
を除去するために、クライオスタット外壁と液体ヘリウ
ム容器を結合する支持部材をなくして、外壁からの熱侵
入を除去するシステムであり、超電導体の磁気浮上力を
利用してヘリウム容器を外壁から安定的に浮上断熱する
ことを実現した断熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来におけるクライオスタットの支持構
造を図2を参照して説明する。
【0003】図2において、液体ヘリウム容器11はク
ライオスタット外壁12から複数個の支持部材15を介
して保持されている。
【0004】このために、クライオスタット外壁(室
温)から液体ヘリウム容器11へ支持部材15を通して
熱侵入が発生し、液体ヘリウム容器11内の液体ヘリウ
ム蒸発の要因となっていた。
【0005】この熱侵入(伝導熱リーク)を防ぐために
は、伝導パスをなくすことが要求されるが、支持部材1
5をなくすと、液体ヘリウム容器11の荷重を支持する
構造体がなくなり、構造的には成り立たない。
【0006】従って、熱侵入を最小として、且つ構造強
度を有する支持部材として、断面積のできるだけ小さい
支持部材が用いられていた。しかしながら、この場合で
も伝導熱リークは存在するために液体ヘリウムの蒸発は
避けられない。
【0007】叙上のような液体ヘリウム容器の支持体構
造は、例えば、特開昭64−61004号、特開平5−
198430号、特開平6−310767号公報等に開
示されている。
【0008】上記課題解決するために、非接触支持構造
が要求されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、叙上の
従来技術には下記に示す如き欠点があった。
【0010】即ち、第1の課題は、非接触で構造体をい
かに支持するかである。
【0011】第2の課題は、クライオスタットを宇宙で
使用する場合には、衛星打ち上げ時のロケットの重力加
速度(10g程度)に耐え得る構造強度が必要となるた
めに、10g程度加速度にも耐える支持部材が必要とな
り、非接触支持方式と矛盾する。
【0012】本発明は従来の上記実情に鑑み、従来の技
術に内在する上記課題を解決する為になされたものであ
り、従って本発明の目的は、バルク超電導体のピン止め
効果により、超電導体表面近傍に捕捉される反磁性磁束
と、対向する常電導磁場との反発力により液体ヘリウム
容器をクライオスタット外壁から浮上させ、非接触断熱
支持構造を実現することを可能とした宇宙用クライオス
タットの新規な断熱システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明に係るクライオスタットの断熱システムは、
液体ヘリウムが充填される液体ヘリウム容器と、該液体
ヘリウム容器の外側に該容器を包囲するように配設され
該容器との間に真空空間を形成するクライオスタット外
壁と、該外壁と前記液体ヘリウム容器との間に介在され
該液体ヘリウム容器を支持する複数個の支持部材とを有
するクライオスタット断熱システムにおいて、前記支持
部材を除去し代わりに、前記液体ヘリウム容器を前記ク
ライオスタット外壁から非接触して浮上断熱する超電導
磁石を用いた容器浮上断熱手段を具備して構成される。
【0014】前記容器浮上断熱手段は、前記液体ヘリウ
ム容器外周壁面に配設された複数個の超電導磁石と、前
記クライオスタット外壁の内周壁面に配設された複数個
の常電導磁石とを含んでいる。
【0015】前記複数個の超電導磁石と前記複数個の常
電導磁石とは互いに対向している。
【0016】前記複数個の超電導磁石は前記液体ヘリウ
ム容器の外周壁面上に、前記複数個の常電導磁石は前記
クライオスタット外壁の内周壁面上に、それぞれ互いに
等間隔に配設されていることを特徴としている。
【0017】[発明の概要]図1において、液体ヘリウ
ム容器1の外周壁2に取り付けられた複数個の超電導磁
石3とクライオスタット外壁2に取り付けられた常電導
磁石4の磁束の反発力を利用して液体ヘリウム容器1は
安定に浮上断熱できるようにされている。
【0018】バルク超電導材料により形成された超電導
磁石3と液体ヘリウム容器1の外周に配設されたクライ
オスタット外壁2の内側に取り付けた常電導磁石4の一
対の組み合わせを多数作り、両磁石間の反発力により液
体ヘリウム容器1をクライオスタット外壁2から浮上さ
せている。
【0019】このようにして、本発明では、液体ヘリウ
ム容器1を磁気反発力により浮上させて、液体ヘリウム
蒸発の最大要因であるクライオスタット外壁からの伝導
熱リークを減らす断熱構造とされている。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明をその好ましい一実
施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】図1は本発明による一実施の形態を示す概
略断面図である。
【0022】[実施の形態の構成]図1を参照するに、
そこには、本発明の一実施の形態としての浮上断熱クラ
イオスタットの概略断面が示されている。図において、
超電導磁石3は、常電導磁石4との電磁相互作用によっ
て、安定した浮上を実現する。
【0023】本発明に係る浮上断熱クライオスタット
は、液体ヘリウムを充填する液体ヘリウム容器1と、そ
の液体ヘリウム容器1を断熱真空に維持する真空空間6
と、この真空空間6を真空容器とするためのクライオス
タット外壁2とから構成されている。
【0024】液体ヘリウム容器1の内部には液体ヘリウ
ムが充填されており、その外周壁面には複数個の超電導
磁石3が配設されている。液体ヘリウム容器1の外周に
はクライオスタット外壁2が配備されており、液体ヘリ
ウム容器1の外周壁とクライオスタット外壁2の内周壁
との間に真空空間6が形成されている。クライオスタッ
ト外壁2の内周壁面には超電導磁石3に対向して磁石3
と同数の常電導磁石4が配設されている。
【0025】複数個の超電導磁石3は液体ヘリウム容器
1の外周壁面に、複数個の常電導磁石4はクライオスタ
ット外壁の内周壁面に、それぞれ等間隔にしかも磁石
3、4が互いに対向して配設された場合には、液体ヘリ
ウム容器1の浮上力がバランスがとれて最も好ましい。
【0026】バルク超電導材料により形成された超電導
磁石3と液体ヘリウム容器1の外周に配設されたクライ
オスタット外壁2の内側に取り付けた常電導磁石4の一
対の組み合わせを多数作り、両磁石間の反発力により液
体ヘリウム容器1をクライオスタット外壁2から浮上さ
せている。
【0027】真空空間6の真空排気は真空引き口7に真
空ポンプを接続して行われる。真空空間6が高真空にさ
れた状態で真空引き口7に設けられている弁7aが閉じ
られる。
【0028】液体ヘリウム容器1には液体ヘリウムが、
液体ヘリウム注入口8から所定量を注入される。
【0029】[実施の形態の動作]次に、図1に示され
た本発明に係る浮上断熱クライオスタットの動作につい
て詳細に説明する。
【0030】図1において、本発明に係る液体ヘリウム
容器1、クライオスタット外壁2から成る浮上断熱クラ
イオスタットは、従来のクライオスタットと異なり、液
体ヘリウム容器1を保持する支持部材が除去されてい
る。
【0031】液体ヘリウム容器1内に液体ヘリウムが充
填されていない状態では、液体ヘリウム容器1の保持は
液体ヘリウム注入口8付近でクライオスタット外壁2と
溶接接合されて構造強度を持たされている。
【0032】ここで液体ヘリウム容器1内に液体ヘリウ
ムが注入されるとヘリウムの重量を支持する必要が生じ
る。この支持力は超電導磁石3と常電導磁石4の反発力
で与えられる。
【0033】本方式により、本発明においては、非接触
支持構造を実現することができる。超電導磁石3として
は、高温超電導体材料が用いられ、バルク形状(例え
ば、2cm×2cm、厚さ0.5cm程度)の磁石が用
いられる。
【0034】常電導磁石4には、通常の電磁石または永
久磁石が用いられる。
【0035】超電導体を冷却後に励磁するためには、そ
の場励磁が可能であるパルス磁場による磁化が行われ
る。このために、超電導磁石3にコイルを巻き付けてお
き、クライオスタット外部からパルス磁場を与えて励磁
する。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成され、作用する
ものであり、本発明によれば、以下に示すような効果が
奏される。
【0037】第1の効果は、超電導体に捕捉された磁場
を磁場源とした浮上方式は、永久磁石同志の反発とは異
なり、浮上が安定する。
【0038】浮上力Fは、F=MdH/dxで与えられ
る。ここで、Mは反磁性磁化、dH/dxは磁気勾配で
ある。従って、反磁性磁化Mを変化させることによって
浮上力(浮上高さ)を可変させることができる。
【0039】高温超電導体は、臨界温度以下で臨界磁場
以上の外部磁場を印加すると、磁束の一部が超電導体に
捕捉される(Mの+と−が共存する)。捕捉磁束は、常
にエネルギー安定状態を維持するように働く。このため
に、超電導体の捕捉磁束密度が外的要因で変化しても、
安定状態に復帰するような力(ローレンツ力)が発生し
て浮上が安定するフィードバック機能が自動的に働く。
【0040】従って、液体ヘリウムタンク重量が変化し
ても、安定な浮上作用によって、支持部材のない浮上断
熱クライオスタットで液体ヘリウム容器はクライオスタ
ット外壁で構造的に支持されることとなる。
【0041】第2の効果は、浮上断熱クライオスタット
は外部加重変動に対しても液体ヘリウム容器を常に安定
に支持できるために、宇宙用クライオスタットに要求さ
れる過酷な重力加速度にも耐えることができる。このた
めに宇宙用ヘリウム容器としても利用することができ
る。
【0042】第3の効果は、浮上式断熱クライオスタッ
トは支持部材をなくしたために伝導熱侵入が大幅に減少
する結果、液体ヘリウム保持時間を大幅に延ばすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施の形態を示す概略断面図で
ある。
【図2】従来におけるクライオスタットの一例を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1、11…液体ヘリウム容器 2、12…クライオスタット外壁 3…超電導磁石 4…常電導磁石 6、16…真空空間 7、17…真空引き口 7a…弁 8、18…液体ヘリウム注入口 15…支持部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体ヘリウムが充填される液体ヘリウム
    容器と、該液体ヘリウム容器の外側に該容器を包囲する
    ように配設され該容器との間に真空空間を形成するクラ
    イオスタット外壁と、該外壁と前記液体ヘリウム容器と
    の間に介在され該液体ヘリウム容器を支持する複数個の
    支持部材とを有するクライオスタット断熱システムにお
    いて、前記支持部材を除去し代わりに、前記液体ヘリウ
    ム容器を前記クライオスタット外壁から非接触して浮上
    断熱する超電導磁石を用いた容器浮上断熱手段を具備す
    ることを特徴としたクライオスタットの断熱システム。
  2. 【請求項2】 前記容器浮上断熱手段は、前記液体ヘリ
    ウム容器外周壁面に配設された複数個の超電導磁石と、
    前記クライオスタット外壁の内周壁面に配設された複数
    個の常電導磁石とを含むことを更に特徴とする請求項1
    に記載のクライオスタットの断熱システム。
  3. 【請求項3】 前記複数個の超電導磁石と前記複数個の
    常電導磁石とは互いに対向していることを更に特徴とす
    る請求項2に記載のクライオスタットの断熱システム。
  4. 【請求項4】 前記複数個の超電導磁石は前記液体ヘリ
    ウム容器の外周壁面上に、前記複数個の常電導磁石は前
    記クライオスタット外壁の内周壁面上に、それぞれ互い
    に等間隔に配設されていることを更に特徴とする請求項
    2または請求項3のいずれか一項に記載のクライオスタ
    ットの断熱システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010144843A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Ud Trucks Corp 液化ガス燃料容器
KR101038785B1 (ko) 2011-03-11 2011-06-03 (주)신우엠테크 열손실이 최소화된 온수탱크 및 이의 제조방법
KR101642950B1 (ko) * 2016-02-29 2016-07-29 장지훈 열량계
CN109681771A (zh) * 2019-01-18 2019-04-26 青岛凯迪力学应用研究所有限公司 内胆悬浮式低温液体存储及运输容器

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