JP2001291630A - テーピング装置およびテーピング方法 - Google Patents

テーピング装置およびテーピング方法

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JP2001291630A
JP2001291630A JP2000102490A JP2000102490A JP2001291630A JP 2001291630 A JP2001291630 A JP 2001291630A JP 2000102490 A JP2000102490 A JP 2000102490A JP 2000102490 A JP2000102490 A JP 2000102490A JP 2001291630 A JP2001291630 A JP 2001291630A
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coil
cross
taping
projection
section
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Kensuke Maruyama
山 賢 祐 丸
Yoshiteru Noshita
下 義 輝 野
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイルに高い生産性で高品質のテーピングを
行うこと 【解決手段】 テーピング装置のテーピングヘッドにテ
ィーチングを行うためのセンシングヘッド2を設ける。
互いに直交する方向に配置された第1および第2の断面
投影計測装置8a〜8d,9a〜9bにより、コイル1
の異なる2方向から断面投影1H,1Dを計測し、これ
に基づいてコイルの中心1aの座標を複数の測定位置に
おいて算出する。必要に応じて2つの距離センサ10
a,10bによりコイル1の回転(倒れ)を検出し、回
転フレーム5を回転させることにより、断面投影計測装
置8a〜8d,9a〜9bとコイル1との位置関係を修
正し、断面投影1H,1Dに基づいたコイルの中心1a
の座標演算の精度を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機のコイル
にテープを巻回するテーピング装置、並びにテーピング
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転電機のコイルにテーピングを行う装
置をの一例を図11に示す。図11に示すように、テー
ピング装置は、大きく分けて、コイルを支えるクランプ
機構17a,17b,18a〜18cと、テーピングを
行うテーピングヘッド3と、テーピングヘッドを移動さ
せる移動機構12a〜12eと、テーピング装置全体の
動作を制御する制御装置19とから構成されている。
【0003】回転電機のコイルは一般的に平角断面の素
線を複数束ねてその一本が構成される。コイルは、全長
にわたって実質的に一定の長方形の断面形状をしてお
り、コイル長手方向の中心部分にあたる直線部とその両
端に捩じれを含む滑らかで複雑な三次元形状に成形され
たコイルエンド部からなる。テーピングを行う場合に
は、まずコイルエンド部の両端部およびコイル直線部分
数カ所をテーピング装置の所定の位置でクランプし、テ
ーピング作業の間保持しておく。
【0004】図11においてテープ22をコイル1に巻
き付けるテーピングヘッド3は、コイル1の外周を回転
する回転リング21や図では省略するテープリール、テ
ーピング張力調整機構等を備えている。テーピング時に
はコイルエンド部の端部よりテーピングヘッド3にコイ
ル1が挿入され、テーピングヘッド3の回転リング21
がコイル1の外周を回転することによりテープ22を巻
回する。
【0005】制御装置19には、テーピングヘッド3の
運動軌跡のデータとして設計図面等の理論形状に基づい
て得られたものが予め入力されており、この運動軌跡の
データに従って、コイル1が挿通されたテーピングヘッ
ド3が方向や角度を変えて移動し、コイル1にテープ2
2が自動的に巻回される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前工程である
コイル成形工程でのスプリングバックの影響やテーピン
グ時のコイルセッティングのずれ等により、設計図面に
基づくコイル形状と実際のコイル形状が微妙に異なり、
テープを巻回するテーピングヘッドの運動軌跡とわずか
なずれが生じるという問題がある。このため、設計図面
等の理論形状に基づいて自動的にテーピングを行っても
品質の高いテーピングが行えるとは限らず、時にはテー
プ重なりピッチがずれたり、巻回したテープにしわが発
生する等の問題が生じることもある。
【0007】このような場合、テーピング装置を停止し
て手動でテープを巻き直して修正を行ったり、設計図面
等に基づくテーピングヘッドの運動軌跡と実際のコイル
形状の差を目測等で判断して、運動軌跡のデータを予め
修正しているのが現状である。
【0008】しかし、修正を行う際にテーピング装置を
停止させると生産性が低下する。また、コイルエンド部
は特に複雑な三次元形状となっているため、テーピング
ヘッドの運動軌跡のデータを補正する作業には経験を要
し、誰もが簡易に行うことができないという問題もあ
る。
【0009】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、実際のコイル形状の正確な測定を容
易に行うことができるテーピング装置およびテーピング
方法を提供し、もってテーピングの生産性および品質向
上を図ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、回転電気のコイルにテープを巻回するテ
ーピング装置において、コイルの周囲に位置してテーピ
ングを行うテーピングヘッドと、前記テーピングヘッド
を移動させるとともに前記テーピングヘッドの姿勢を変
化させることが可能な移動機構と、前記テーピングヘッ
ドに取り付けられるセンシングヘッドであって、計測対
象位置におけるコイルの断面の第1の方向からの投影に
関するデータである第1の断面投影データを取得する第
1の断面投影計測装置と、計測対象位置におけるコイル
の断面の第2の方向(好ましくは第1の方向と直交する
方向)からの投影に関するデータである第2の断面投影
データを取得する第2の断面投影計測装置と、を有する
センシングヘッドと、前記第1および第2の断面投影デ
ータに基づいて、計測対象位置におけるコイルの断面上
の特定の点の座標を演算する演算器と、前記演算器の演
算結果を記録する記憶手段とを備えたことを特徴として
いる。
【0011】本発明によれば、コイルの長手方向で複数
の計測対象位置すなわち測定点(測定点は連続的にとっ
ても断続的にとってもよい)が選定され、各測定点にお
いてコイルの断面上の特定の点(好ましくは断面の中心
点)の座標が算出される。この算出結果は、実際にテー
ピングを行う際のテーピングヘッドの運動軌跡を定める
データとして用いることができ、これにより品質の高い
テーピングを自動的に行うことが可能となる。
【0012】このテーピング装置において、前記第1の
断面投影計測装置を第1の方向からコイルを挟むような
位置に対向配置された投光装置および受光装置により構
成し、かつ、前記第2の断面投影計測装置を第2の方向
からコイルを挟むような位置に対向配置された投光装置
および受光装置により構成し、前記第1および第2の断
面投影計測装置の投光装置がそれぞれ平行光線を出射す
るとともに、対応する受光装置の受光状態によって前記
第1および第2の投影データが取得されるように構成す
ることが好適である。
【0013】前記各受光器をそれぞれ、互いに隣接して
配置された2つの受光モジュールにより構成することが
好ましい。このように構成することにより、演算処理が
容易に行えるようになる。
【0014】前記センシングヘッドに、前記テーピング
ヘッドに対して不動の固定フレームと、前記固定フレー
ムに回転可能に取り付けられた回転フレームと、を設
け、前記第1および第2の断面投影計測装置を、前記回
転フレームに取り付けることが好適である。このように
構成すれば、コイルが三次元的な曲がり形状を有してい
る場合でも、計測を容易に行うことができる。
【0015】なお、この場合、テーピング装置は、前記
移動機構および前記回転フレームの動作を制御する制御
装置を更に備えていることが好ましく、この制御装置
が、前記第1の方向からの投影および前記第2の方向か
らの投影の寸法が最小となるように、前記移動機構によ
る前記センシングヘッドの姿勢制御および前記回転フレ
ームの回転のうちの少なくとも一方を行い、前記演算器
は、前記第1および第2の方向からの投影の寸法がとも
に最小となった際に得られた前記第1および第2の断面
投影データに基づいてコイルの断面の特定の点の座標を
演算するようにすることが好適である。
【0016】本発明によるテーピング装置は、前記回転
フレームに取り付けられるとともに前記センシングヘッ
ドに対するコイルの側面の傾きを検出する傾斜計測装置
を更に備えて構成することが更に好ましい。このように
構成すれば、コイルに捩れがあった場合にも、計測を効
率良く行うことができる。
【0017】なお、前記傾斜計測装置は、互いに隣接し
て配置された第1の距離センサおよび第2の距離センサ
により構成することが好適である。このようにすれば、
前記第1の距離センサと前記コイルの側面の第1の点と
の距離と、前記第2の距離センサとコイルの側面の第2
の点との距離とを比較することにより、コイルの側面の
傾きを容易に検出することができる。
【0018】なお、この場合、テーピング装置は、前記
移動機構および前記回転フレームの動作を制御する制御
装置を更に備えていることが好ましく、この制御装置
が、前記傾斜計測装置の計測結果に基づいて前記コイル
の側面が前記第1の方向または前記第2の方向と一致す
るように前記回転フレームを回転させ、更に、この制御
装置が、前記第1の方向からの投影および前記第2の方
向からの投影の寸法が最小となるように、前記移動機構
による前記センシングヘッドの姿勢制御および前記回転
フレームの回転のうちの少なくとも一方を行い、更に、
前記演算器は、コイルの側面が前記第1の方向または前
記第2の方向と一致し、かつ前記第1および第2の方向
からの投影の寸法がともに最小となった際に得られた前
記第1および第2の断面投影データに基づいてコイルの
断面の特定の点の座標を演算するようにすることが好ま
しい。
【0019】なお、前記記憶装置には、コイルの断面の
特定の点の座標と、コイルの側面の傾きに関するデータ
が記憶されるようにすることが好適である。
【0020】更に、本発明は、回転電気のコイルにテー
プを巻回するテーピング方法において、コイルを所定の
位置に固定する工程と、各計測対象位置におけるコイル
の断面の第1および第2の方向からの投影に関するデー
タである第1および第2の断面投影データを複数の計測
対象位置で取得するデータ取得工程と、前記第1および
第2の断面投影データに基づいて、各計測対象位置にお
けるコイルの断面上の特定の点の座標を演算する演算工
程と、前記演算工程で算出された各計測対象位置におけ
る前記特定の点の座標データに基づいてテーピングヘッ
ドを移動させてテーピングを行う工程と、を備えたこと
を特徴としている。
【0021】本発明方法によれば、品質の高いテーピン
グを自動的に行うことが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0023】前述したように、回転電機においては、一
般的に平角断面の素線を複数束ねたものをコイルと称す
る。図1にその全体が示されるコイル1は、全長にわた
って実質的に同一の長方形の断面形状を有している(図
2以降を参照)。コイル1は、コイル長手方向の中央部
分にあたる直線部と、直線部の両端のコイルエンド部か
らなっている。コイルエンド部は、捩じれと曲げが複合
した滑らかではあるが複雑な三次元形状に成形されてい
る。
【0024】図1において、テーピング装置のベース2
0には、コイル1のコイルエンド部を保持するコイルエ
ンドクランプ17a、17bと、コイル1の直線部を保
持するコイル直線部クランプ18a,18b、18cと
が設けられている。これらのクランプの取付け位置や数
はコイル1の長さや形状に応じて適宜変更することが可
能である。
【0025】図1において符号3はテーピングヘッドを
示している。このテーピングヘッド3は、従来技術の項
でも述べたように、コイル1のまわりを回転する回転リ
ング、テープリール及びテーピング張力調整機構等(い
ずれも図示せず)を有している。テーピングヘッド3の
中央部にはコイル1が挿通される穴が設けられており、
テーピングヘッド3はこの穴にコイル1が挿通された状
態でコイル1に沿って移動し、前述した図示しない回転
リング、テープリール及びテーピング張力調整機構等の
協働作用によりコイル1の外周にテーピングを施す。
【0026】なお、本発明を実施する際においてもテー
ピングヘッド3は従来のものと同一の機能を有していれ
ばよいため、テーピングヘッド3自体の詳細な説明は省
略する。
【0027】テーピングヘッド3は、支持板11を介し
て、テーピングヘッド3の移動や回転を行う5軸制御の
移動機構12(12a〜12e)と接続されている。な
お、移動機構12を構成する機構12aはテーピングヘ
ッド3をベース20の長手方向(図1のX方向)に移動
させる機能を、機構12bはテーピングヘッド3をベー
ス20の横断方向(図1のY方向)に移動させる機能
を、機構12cはテーピングヘッド3を上下方向(図1
のZ方向)に移動させる機能を、機構12dはテーピン
グヘッド3を鉛直軸(図1のZ軸と平行な軸)まわりに
回転移動させる機能を、機構12eはテーピングヘッド
3を水平軸(図1のXY平面と平行な面上にある軸)ま
わりに回転移動させる機能を、それぞれ担当している。
【0028】機構12a〜12eは、制御装置19によ
って制御されるサーボモータ(図示せず)により動作す
る。従って、テーピングヘッド3は、コイル1に対して
全ての方向に運動可能であり、テーピングヘッド3はコ
イル1の形状に倣ってコイル1の長手方向に移動し、コ
イル1の外周にテープを巻回することができる。
【0029】図1および図2に示すように、テーピング
ヘッド3の進行方向(図1のX軸正方向)後面には、セ
ンシングヘッド2が着脱可能に取り付けられている。
【0030】センシングヘッド2の構成を詳細に説明す
る図である図2に示すように、センシングヘッド2は、
テーピングヘッド3に正確に位置決めされて固定される
板状の固定フレーム4を有する。固定フレーム4には、
軸受16を介して、リング状の回転フレーム5が、固定
フレーム4に対して回転運動のみ可能なように取り付け
られている。固定フレーム4と回転フレームは平行であ
る。また、回転フレーム5は、テーピングヘッド3に設
けられた図示しない回転リングと同軸的に設けられてい
る。
【0031】回転フレーム5の外周には歯車5aが設け
られている。この歯車5aは、テーピングヘッド3に装
着されたモータ7の回転軸に取り付けられた歯車6と噛
み合っており、モータ7を駆動することにより回転フレ
ーム5が回転するようになっている。
【0032】センシングヘッド2の固定フレーム4およ
び回転フレーム5の中央には、テーピングヘッド3の穴
(および前記回転リングの穴)と同軸の穴が設けられて
おり、センシングヘッド2およびテーピングヘッド3
は、コイル1が挿通された状態でコイル1長手方向に移
動可能である。なお、センシングヘッド2はテーピング
ヘッド3に固定されているため、移動機構12(図1参
照)によりテーピングヘッド3と同じ動きができる。
【0033】図2及び図3に示すように、回転フレーム
5の後側のラジアル面5b(回転フレーム5の軸と垂直
な面)には、互いに同一仕様の4つの投光モジュール8
a〜8dと、互いに同一仕様の4つの受光モジュール9
a〜9dとが取り付けられている。参照符号のアルファ
ベット部分が同じ投光モジュールおよび受光モジュール
(8aと9a、8bと9b、8cと9c、8dと9d)
は対をなしており、各投光モジュールから出射された平
行光線が対応する受光モジュールに受光されるようにな
っている。
【0034】投光モジュール8a,8bおよび受光モジ
ュール9a,9bは第1の方向(図3のY'方法)に対
向配置されており、投光モジュール8c,8dおよび受
光モジュール9c,9dは第1の方向と直交する第2の
方向(図3のX'方向)に対向配置されている。
【0035】互いに隣接する投光モジュール8a,8b
と、投光モジュール8c,8dと、受光モジュール9
a,9bと、受光モジュール9c,9dとはそれぞれ互
いに密接して配置されている。互いに隣接する投光モジ
ュール8aおよび8bの境界と互いに隣接する受光モジ
ュール9a,9bの境界とを結ぶ線は、回転フレーム5
の中心点を通り第1の方向に延びている。互いに隣接す
る投光モジュール8cおよび8dの境界と互いに隣接す
る受光モジュール9c,9dの境界とを結ぶ線は、回転
フレーム5の中心点を通り第2の方向に延びている。
【0036】このような配置をとることにより、対をな
す投光モジュールと受光モジュールとの間にコイル1が
あると、投光モジュールから出射された平行光線はコイ
ル1に遮られ、対応する受光モジュールの受光面には影
が生じる。この影の長さを測定することにより、コイル
1の計測対象位置における前記第1及び第2の方向から
のコイル1の断面の投影(以下「断面投影」という)1
Hおよび1Dの長さhおよびdをそれぞれ測定すること
ができる。
【0037】従って、例えば図3に示すように、センシ
ングヘッド2の測定面(図3に示したコイル1の断面と
同一の面)上にあるコイル1が投光モジュール8a〜8
dから出射された平行光線を遮った場合を考えると、受
光モジュール9c,9dにより検出される第2の方向に
ついてのコイル1の断面投影1Dの長さdと、受光モジ
ュール9a,9bにより検出される第1の方向について
の断面投影1Hの長さhはそれぞれ、d=d1+d2;
h=h1+h2(但し、d1,d2,h1,h2はそれ
ぞれ、受光モジュール9c,9d,9a,9bへの断面
投影の長さ)となる。
【0038】なお、上述したように互いに隣接する2つ
の投光モジュールにより1つの方向の断面投影の検出を
受け持つ投光装置を構成することに代えて、1つの投光
モジュールによって1つの方向の断面投影の検出を受け
持つ1つの投光装置を構成することも可能である。ま
た、上述したように互いに隣接する二つの受光モジュー
ルにより1つの方向の断面投影の検出を受け持つ受光装
置を構成することに代えて、一つの受光モジュールによ
り1つの方向の断面投影の検出を受け持つ1つの受光装
置を構成することも可能である。
【0039】しかしながら、特に受光装置に関しては、
図示したように、互いに隣接する2つの受光モジュール
により1つの方向の断面投影の検出を受け持つ受光装置
を構成することが好ましい。そのようにすれば、受光モ
ジュールに断面投影の座標検出機能を持たせる必要がな
くなり、受光モジュールが単に断面投影の長さを検出す
る機能を持っていればよくなるからである。
【0040】更に、図2に示すように、回転フレーム5
には、回転フレーム5に対するコイル1断面の相対回転
(言い換えればコイル1の側面1bの倒れ)を検出する
2つの変位センサ(本例では距離センサ10a,10
b)が固定板15,15をそれぞれ介して取り付けられ
ている。距離センサ10a,10bは、投光モジュール
8c,8dに近接して投光モジュール8c,8dの真後
ろにそれぞれ位置している。
【0041】距離センサ10aは、距離センサ10aを
起点として前記第2の方向に延びる直線がコイル1の側
面1bに交わる点から距離センサ10aまでの距離を測
定するようになっている。同様に距離センサ10bは、
距離センサ10bを起点として前記第2の方向に延びる
直線がコイル1の側面1bに交わる点から距離センサ1
0bまでの距離を測定するようになっている。従って、
両距離センサ10a,10bにより測定された距離を比
較することにより、コイル1の捩れに起因するコイル1
の側面1bの傾きを測定することができるようになって
いる。
【0042】なお、図2では詳細には記載されていない
が、コイル1の大きさ等に関わらず、投光モジュール8
a、8bから出射される平行光の中心軸(光軸)の延長
と距離センサ10a、10bの軸線の延長とがコイル1
の側面1bのほぼ同じところにくるように、距離センサ
10a、10bの軸線位置の調整ができるようになって
いる。
【0043】また、図1に示す制御装置19は、このテ
ーピング装置全体の動作を制御する機能を有している。
制御装置19は、演算器13および記憶手段13を有し
ている。また、図1において、符号23はコントローラ
である。これら構成要素13,14,19,23につい
ては下記の作用の説明において機能を詳述することとす
る。
【0044】次に、作用について説明する。
【0045】自動的に適正なテーピングを行うために
は、(1)コイル1の各長手方向位置におけるコイル断
面中心1aの三次元座標(図1におけるXYZ座標系に
おける座標)と、(2)コイル1の曲がりと、(3)各
長手方向位置におけるコイル1の捩れ(コイル1の各長
手方向位置におけるコイル断面中心1aを中心としたコ
イル1断面の回転、すなわちコイル1の側面1bの傾
斜)を定量的に把握することが必要である。
【0046】なお、上記(2)はコイル断面中心1aの
軌跡の傾斜の推移、すなわちコイル断面中心1aの軌跡
の接線の向きの推移として表現でき、上記(1)が既知
であるならばそれに基づいて幾何学的演算を行うことに
より容易に求めることが可能であるため、以下において
は上記(1)及び(3)を求める方法について説明す
る。
【0047】まず、コイル1の各長手方向位置における
コイル断面中心1aの三次元座標を求める方法について
説明する。
【0048】まず、図4に示すような単純なモデルを考
える。図4は、コイル1が曲がりおよび捩れのない真っ
直ぐな形状の場合を想定している。この場合、コイル1
の断面中心線1A(断面中心線1Aとは断面中心1aの
軌跡を意味し、この場合は直線)がセンシングヘッド2
に対して如何なる角度(α,β)で傾いており、かつ、
コイル1が断面中心線1Aを中心として如何なる角度
(θ)で回転している場合でも、投光モジュール8a〜
8dおよび受光モジュール9a〜9dにより断面投影1
H,1Dが検出可能である限り、断面投影1H,1Dの
中点位置の座標を算出することにより、コイル断面中心
1aの三次元座標を求めることができる。
【0049】すなわちこの場合、投光モジュール8a〜
8dおよび受光モジュール9a〜9dを用いてコイル1
の断面投影1D,1Hを得た結果、受光モジュール9a
の受光面上の断面投影1Hの長さがh1、受光モジュー
ル9bの受光面上の断面投影1Hの長さがh2、受光モ
ジュール9cの受光面上の断面投影1Dの長さがd1、
そして受光モジュール9dの受光面上の断面投影1Dの
長さがd2であったものとすると、コイル1のある計測
対象位置におけるコイル1の断面投影1D,1Hの一端
から、各断面投影の中点までの距離d、hは、 d=(d1+d2)/2 h=(h1+h2)/2 である。
【0050】ここで回転フレーム5を基準とした座標系
(回転フレーム5の中心を原点とし、前記第1の方向を
Y'軸方向とし、前記第2の方向をX'軸方向とする二次
元座標系、以下「X'Y'座標系」という、図2、図3及
び図6参照)において、(1)受光モジュール9aと9
bとの境界の座標および受光器モジュール9cと9dと
の境界の座標は既知であり、(2)断面投影1D,1H
の端部の座標も受光モジュール9a〜9dに投影された
断面投影の長さにより算出できるため、上述した値d,
hがわかれば、前記X'Y'座標系における断面投影1
D,1Hの中点の座標も算出できる。
【0051】すなわち前記X'Y'座標系における断面投
影1Dの中点のY'座標および断面投影1Hの中点のX'
座標は、前記X'Y'座標系におけるコイル断面中心1a
のY'座標およびX'座標とそれぞれ同一であるため、前
記X'Y'座標系におけるコイル断面中心1aの座標を求
めることができる。
【0052】また、センシングヘッド2の位置および姿
勢は、移動機構12(図1参照)の状態を検出すること
によりわかる。従って、移動機構12の状態と回転フレ
ーム5の回転位相を検出すれば、前記X'Y'座標系と図
1のXYZ三次元座標系との相関関係がわかる。従っ
て、座標系の変換を行うことにより、図1のXYZ三次
元座標系におけるコイル断面中心1aの座標がわかる。
【0053】ところで、上記のモデルではコイル1は真
っ直ぐであると仮定しているため、コイル1はセンシン
グヘッド2に対して傾きしか持たないため、センシング
ヘッド2の姿勢に関わらずコイル断面中心1aの座標を
決定することができる。しかし、図5に示すモデルのよ
うにコイル1が曲線形状を有していたとすると、上述の
ようにコイル断面投影1H,1Dの中点に基づいてコイ
ル断面中心1aを算出したとすると、その算出結果は実
際のコイル断面中心1aとは一致しなくなる。そこで、
コイル1が曲線部分を持つコイル1のコイル断面中心1
aを求める方法について、図5のモデルを参照して以下
に説明する。なお、以下の方法は、コイル1が直線形状
である場合にも適用可能である。
【0054】まず、移動機構12の機構12d,12e
(他の機構12a〜12cも必要に応じて動作させる)
を動作させてセンシングヘッド2の傾き(回転)角度
α'、β'(例えば、角度α'は図1のXYZ三次元座標
系のYZ平面に対するセンシングヘッド2の傾き角度、
角度β'は図1のXYZ三次元座標系のXZ平面に対す
るセンシングヘッド2の傾き角度と考えることができ
る)を変化させるとともに、回転フレーム5を回転
(θ’)させて、コイル断面投影1H,1Dに関する測
定値(d1+d2)および(h1+h2)がそれぞれ最
小値をとるように、つまりコイル外形寸法と同じになる
ようにする。その具体的方法の一例としては、コイル1
の曲がりの半径方向をセンシングヘッド2の面に沿わせ
るとともに、回転フレーム5の前記第1および第2の方
向を、コイル1の長辺方向および短辺方向と一致させる
ことが考えられる。
【0055】このようにすれば、各断面投影1H,1D
の中点の座標は実際のコイル断面中心1aの座標と一致
するため、コイル1が直線形状である場合と同様にし
て、コイル断面中心1aの座標を求めることが可能とな
る。なお、最小値を見つけるために必要なコイル1の外
形寸法は、あらかじめマイクロメータ等で測定しておき
コントローラ23を介して演算器13に入力しておけば
よい。
【0056】上記の手順を連続的に行ってゆけば、コイ
ル断面中心1aの軌跡を求めることが可能である。
【0057】なお、被測定物が等断面の円筒形状である
場合や、捩じれの無い若しくは少ない矩形等の角断面形
状の場合、あるいは必要な測定精度等の条件により、回
転フレーム5の回転(θ’)操作はかならずしも必要で
ない。
【0058】次に、実際のコイルのような三次元曲線部
分や捩じれ形状を有した場合について、コイル断面中心
1aとコイル側面1bの傾きを求めるためのセンシング
ヘッド2の基本的な移動方法について説明する。
【0059】まず、曲線部分を持ち捩じれのない等断面
形状のコイルにおける測定方法とセンシングヘッド移動
方法について、図6のモデルを用いて説明する。図6は
センシングヘッド2がコイル1の直線部分1sから三次
元曲線部分1cにさしかかるところを示している。ここ
で、コイル直線部分1sにおいて、モジュール8a〜8
d、9a〜9dの表面とコイル1の側面とは平行になっ
ているものとする。すなわち、コイル1の側面1bは、
第1の方向(Y'軸方向)と平行であるものとする。
【0060】図7(a)は、図6に表示されている部材
の要部を図6におけるY'軸方向から見たものである。
図7(a)において、センシングヘッド2が直線部分1
sのa点から曲線部分1cのb点に移動したとすると、
a点で測定されたコイル断面投影1Hの長さに対して、
受光モジュール9a、9bによりそれぞれ測定されるコ
イル断面投影1Hの長さの測定値h1、h2はそれぞれ
増加、減少する。これは測定しているコイル1に変形が
あったこと、つまりこの場合はa点からb点に向ってコ
イル1が直線形状から曲線形状になったことを意味して
おり、h1、h2の変化状況により、コイル1がどちら
に向かって曲がったかがわかる。
【0061】図7(a)の場合には、コイル断面中心1
aが上方向に移動したことを示している。つまり、この
例においてb点でのコイル断面中心1aを求めるために
は、受光モジュール9a、9bにより測定されたコイル
断面投影の長さ(h1+h2)が実際のコイル横長さと
一致あるいは許容値以内となるようなセンシングヘッド
2の姿勢を探せばよい。図7(a)の例では、センシン
グヘッド2を点線で示したように矢印A方向に回転(例
えば角度αだけ回転)させればよい。なお、この場合の
センシングヘッド2の回転中心は、テーピング装置10
の移動機構12a〜12eと幾何学的な位置関係のわか
っている箇所を用いる。
【0062】同様に図7(b)に示したように、もう一
方向のX’軸方向からのコイル断面中心を求めるために
は、センシングヘッド2を矢印B方向に回転させ(例え
ば角度βだけ回転)受光モジュール9c、9dにより測
定されるコイル断面投影の長さ(d1+d2)が実際の
コイル縦長さと一致あるいは許容値以内となる位置を求
めればよい。
【0063】この回転動作によって図7(a)で測定し
たコイル断面と回転後のコイル断面の測定位置がずれる
ので、必要な精度に応じてX'軸方向およびY'軸方向か
らのコイル断面投影長さが実際のコイル縦横長さと一致
あるいは許容値以下となるように前述の測定と回転動作
を繰り返すことで、任意の測定点におけるコイル断面中
心1aとコイル側面の傾きを求めることができる。
【0064】次に、コイル1に捩じれが付加された場合
のセンシングヘッド2の移動方法とコイル側面1bの傾
きの測定方法を図8を用いて説明する。なお、コイル1
が捩じれを持つ場合には、その断面形状は捩じれ後も元
の長方形断面形状を維持したまま捩じれていると仮定し
て考える。
【0065】図8は捩じれと曲がりを持ったコイル1と
センシングヘッド2を正面から見た図である。図中の破
線、実線で描かれたコイル1はそれぞれセンシングヘッ
ド2の移動前、移動後を表している。図8(a)はコイ
ル1に捩じれがなく曲がりによってコイル断面中心のみ
が移動した場合、図8(b)はコイル1に曲がりによる
コイル断面中心1aの移動と時計方向の捩じれが生じた
場合、図8(c)はコイル1に曲がりによるコイル断面
中心の移動と反時計方向の捩じれが生じた場合である。
【0066】先に説明した投光および受光モジュール8
a〜8d、9a〜9dのみを用いたコイル断面投影長さ
のみの測定では、コイル1の捩じれと曲がりによる変形
の区別が複雑になり、また捩じれ方向とコイル側面1b
の傾きの特定ができない。そこでセンシングヘッド2の
移動に対してコイル1の捩じれ量およびその方向をリア
ルタイムに検出する手段として、捩じれによって生じた
コイル側面1bの変位量測定を行う距離センサ10a、
10bを用いる。
【0067】この距離センサ10a、10bを用いて、
コイル側面1bの傾きの変化からコイル1がどちら方向
に捩じれたかを測定する。この距離センサ10a、10
bは、コイル側面1bの変位(傾き)を測定できさえす
れば、非接触式、接触式等センサの種類、個数、また取
付け場所等も特に限定しない。
【0068】例えば非接触式の距離センサ10a、10
bを用いてコイル1の捩じれ方向を特定する場合を図8
(a)〜図8(c)に示す。図8(a)の場合はS1
(変位センサ10aとコイル1側面との距離)=S2
(変位センサ10bとコイル1側面との距離)となって
おり、この場合にはコイル1に捩じれはなく曲がりによ
ってコイル断面中心1aが移動したことがわかる。ま
た、図8(b)の場合はS1<S2となっているため、
時計方向の捩じれと曲がりとによりコイル断面中心1a
の移動が生じたことが、図8(c)の場合はS1>S2
となっているため、反時計方向の捩じれと曲がりによる
コイル断面中心1aの移動が生じていることがわかる。
【0069】このコイル捩じれ量と捩じれ方向の測定結
果に基づき、2つの距離センサ10a、10bによって
測定された捩じれ量が0つまりS1=S2になるような
方向へ、モータ6(図1参照)により回転フレーム5を
回転させる。すなわち、投光および受光モジュール8a
〜8d、9a〜9dをコイル側面(側面1bおよび他の
側面)に対して平行に向けるようにする。そして回転フ
レーム5の回転後の回転位相を把握することにより、コ
イル側面1bの傾き角度の測定が可能となる。
【0070】さらに曲線部分なども含むコイルに対して
は、上記の捩じれに対応した回転フレーム5の回転
(θ')動作のほか、前述のセンシングヘッド2の回転
(α'、β')操作を組み合せればよい。
【0071】以上で説明した測定原理に基づいてコイル
の形状及び姿勢を測定する方法の一例について図9のフ
ローチャートを参照して説明する。図9に示したよう
に、コイル1の長手方向に関するある測定点(計測対象
位置)における測定は、(1)コイル側面1bの倒れ
量、(2)第1の方向から見たコイル1の断面投影の寸
法、(3)第2の方向から見たコイル1の断面投影の寸
法を測定することにより行う。
【0072】すなわち、まず、前述した方法によりコイ
ル側面1bの傾きを距離センサ10a、10bで測定
し、両距離センサ10a、10bの測定値の差が最小に
なるように回転フレーム5を回転させる(ステップS
1)。
【0073】次に受光モジュール9a,9bおよび9
c、9dのうちのいずれか一方の受光モジュールにより
測定されたコイル1の断面投影の寸法が、事前にマイク
ロメータ等により測定しておいたコイル横方向寸法と一
致あるいは差が許容値以下であるかを判断し、そうでな
い場合には、測定値がコイル横方向寸法と一致あるいは
差が許容値以下となるまで機構12dおよび機構12e
のうちのいずれか一方によりセンシングヘッド2を回転
させる(ステップS2)。なお、この操作は測定値をリ
アルタイムでモニタしながら測定値が最小値となるよう
にセンシングヘッド2を回転させることにより行われ
る。
【0074】次に、受光モジュール9a,9bおよび9
c、9dのうちの他方の受光モジュールによりコイル1
の断面投影の寸法を測定して、その結果に基づいてステ
ップS1と同様に機構12dおよび機構12eのうち他
方によりセンシングヘッド2を回転させて、コイル1の
断面投影の寸法がコイル断面の縦方向寸法と一致あるい
は差が許容値以下となるようにする(ステップS3)。
なお、ステップS2とステップS3はいずれを先に行っ
てもよい。
【0075】このようなセンシングヘッド2の操作によ
って、測定始めと測定終わりでの測定位置がずれが生じ
ることがあるから、再度コイル外形寸法との比較測定を
行い、もしコイル外形寸法と測定値が一致あるいは差が
許容値以下にならない場合はステップS1からS3まで
を再度やり直しをする(ステップS4)。
【0076】次に、コイル捩じれ量、コイル断面の横方
向寸法、縦方向寸法の測定値が一致あるいは許容値以下
である場合は、次にコイル1とセンシングヘッド2が干
渉しないかの判断を行い、もし干渉しそうであれば、セ
ンシングヘッド2をその姿勢を保ったままそのときの測
定対象となっているコイル断面(コイル最小断面)と平
行に移動させ(ステップS5)、コイル1がセンシング
ヘッド2の回転フレーム5の略中心部に位置するように
する。その後、測定位置でのコイル断面中心1aの座標
を記録する(ステップS6)。
【0077】なお、測定したコイル1断面の特定の点の
座標は、移動機構12の状態およびセンシングヘッド2
の状態に基づいて常にわかっているため、ステップS5
とステップS6はいずれを先に行ってもよい。但し、コ
イル1がセンシングヘッド2の測定可能範囲を超えてい
る場合には座標測定を行っても意味がないため、ステッ
プS5を先に行う方が好ましい。
【0078】次いで、センシングヘッド2の移動方向を
求め(ステップS7)、求めた方向へセンシングヘッド
2を移動させる(ステップS8)。そして移動先の新た
な測定点において、上記のステップ1〜ステップ7を実
行する。
【0079】以上の手順で測定を繰り返し行うことによ
り、コイル1の断面中心1aの軌跡やコイル1の捩れ等
の姿勢変化を把握することができる。そしてこの情報に
基づいて、テーピングヘッド3の移動および回転、テー
ピングヘッド3の機能の調整を行うことにより、最適条
件でテーピングを行うことができる。
【0080】なお、測定点間のコイル断面中心1aの三
次元座標データ等が必要な場合は補間によって求めれば
よい。このコイル断面中心の三次元座標、センシングヘ
ッド2(テーピングヘッド3)の傾き角度、コイル側面
1bの傾き等のデータは記憶手段19に保存され、テー
ピングヘッド3の運動軌跡のデータとして利用する他、
設計図面の形状データとの比較等に活用することができ
る。
【0081】なお、上述したステップ8において、次の
測定位置に向けてセンシングヘッド2が移動させる場合
には、図10(a)の実線の矢印で示したように、その
時の測定位置とその前の測定位置におけるコイル断面中
心1aを結んだ方向に進めればよい。
【0082】また、互いに隣接する測定位置の間の距離
は、要求される測定精度やコイル1の複雑さ等に応じて
任意に設定可能である。すなわち、投光および受光モジ
ュール8a〜8d、9a〜9dと距離センサ10a、1
0bによる測定値の変化が少ない場合には一回のセンシ
ングヘッド2の移動量を大きくし測定点を少なくして測
定時間を短縮することも可能である。
【0083】一方、測定値の変化量が大きい場合にはコ
イル変形量も大きいということであるから、測定精度を
損なわないようにセンシングヘッド2の移動量を小さく
して測定点数を増やすことが好ましい。
【0084】また、センシングヘッド2の移動量に比べ
てコイル1の曲線部分の曲率が大きい場合などは、投光
および受光モジュール8a〜8d、9a〜9dや距離セ
ンサ10a、10bの測定範囲を超えたり、センシング
ヘッド2とコイル1が接触する可能性がある。
【0085】そこで、受光モジュール9a〜9dの測定
値にある閾値を設け、これを超えたならば(例えば隣接
する受光モジュールへの断面投影が著しく一方に偏った
場合)、センシングヘッド2を適切な方向へ移動させる
必要があると判断する。
【0086】そのときには図10(b)に示すように、
センシングヘッド2の中心点と測定点におけるコイル断
面中心1aとが一致するように、センシングヘッド2位
置を実線矢印位置から破線矢印位置へ平行移動(移動方
向は直前に測定対象となっていたコイル断面と平行とす
る。太線矢印参照。)させてから(この動作はステップ
5に対応する)、次の測定位置に向けてセンシングヘッ
ド2を破線矢印に沿って移動させる(この動作はステッ
プ8に対応する)。
【0087】以上の測定方法を踏まえて、テーピングを
行うコイル1をコイルエンドからもう一方のコイルエン
ドまでティーチングする場合の一連の手順を図1および
図2を用いて簡潔に説明する。まず、テーピングヘッド
3にセンシングヘッド2を固定する。
【0088】そして、コイル1の縦方向幅と横方向幅さ
をマイクロメータ等で測定し、これをコントローラ23
を介して制御装置19に入力する。クランプ17a,1
7b,18a〜18cにコイル1を据え付けた後、コイ
ルエンド端部を固定しているコイルエンドクランプ17
aを一旦解放し、コイル1をテーピングヘッド3と一体
となったセンシングヘッド2に挿通する。この後、コイ
ル1の端部を再度コイルエンドクランプ17aで保持し
直す。
【0089】コイル1のコイルエンド端部には短い直線
部分があるので、まずここでセンシングヘッド2および
回転フレーム5を適宜回転させ、この点でのコイル断面
中心1aを求める。その後テーピングヘッド3すなわち
センシングヘッド2をコイル1長手方向に沿って他側の
コイルエンドに向けて移動させてゆき、適宜定めた複数
の測定位置においてコイル断面中心1aの座標およびコ
イル1の側面1bの傾き等のコイル1の形状データを取
得してゆく。
【0090】なお、1番目の測定位置から2番目の測定
位置にセンシングヘッド2を移動する際には、図8を参
照して説明した方法が適用できないため、この場合には
1番目の測定位置におけるセンシングヘッド2の軸線方
向(回転フレーム5のラジアル面5bと垂直な方向)に
センシングヘッド2を進めるようして、2番目の測定位
置にセンシングヘッド2が到達した後、測定を行いなが
らセンシングヘッド2の位置および姿勢の調整を行えば
よい。
【0091】センシングヘッド2によって測定されたコ
イル1の断面データは、逐次、演算器13に送られ、演
算器13はこのデータに基づいてコイル断面中心1a等
を求める演算を行う。求められたコイル断面中心1aの
三次元座標データ等は記憶手段14に保存される 測定終了後、据え付けられたコイル1に接触しないよ
う、測定されたコイル1の三次元座標データに基づきセ
ンシングヘッド2は元の方向、すなわちコイルエンドク
ランプ17aの位置まで移動し自動的に停止する。この
後、テーピングを行う場合はテーピングヘッド3からセ
ンシングヘッド2を取り外す。
【0092】そして記憶手段14に保存されたデータに
基づいて制御装置19がテーピング時のテーピングヘッ
ド2の運動を制御する。なお、制御に関する諸機能の設
定はコントローラ23により制御装置に入力される。
【0093】なお、上述のように、演算器13により算
出されたデータのみに基づいて(実測データのみに基づ
いて)テーピング作業を行うことも可能であるが、実測
データと設計図面等からの理論データを比較してテーピ
ングを行う軌跡の差分補正を行うことによりテーピング
作業を行ってもよい。
【0094】また、設計図面等からの理論データとこの
実際のコイル形状測定データの両方を任意に取出してテ
ーピングを行うことも可能である。なお、このテーピン
グ装置は、形状データを有していないコイルのコイル実
形状を測定するのみの用途に用いることも可能である。
【0095】更に、上述した測定方法は、テーピングの
作業対象であるコイルの形状を測定するだけでなく、他
の形状の部材例えば棒状の部材の形状測定を行う用途に
も使用することができる。この場合には、上述したテー
ピングヘッドと同様の動作が可能な駆動手段によりセン
シングヘッドを移動させればよい。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、高い生産性で高品質の
テーピングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるテーピング装置の全体構成を示す
図。
【図2】図1に示すセンシングヘッドの構成を詳細に示
す図。
【図3】センシングヘッドによる断面中心の測定原理を
示す概略図。
【図4】コイルが直線状の場合の測定方法を示す概略
図。
【図5】コイルが曲線部分を有する場合の測定方法を示
す概略図。
【図6】コイルが曲線部分を有する場合の測定方法を示
す概略図。
【図7】コイルが曲線部分を有する場合の測定方法を示
す概略図。
【図8】コイルが捩じれと曲線部分を有する場合の測定
方法を示す概略図。
【図9】測定フローを説明するフローチャート。
【図10】センシングヘッドの移動方向を示す概略図。
【図11】従来のテーピング装置を示す構成図。
【符号の説明】
1 コイル 2 テーピングヘッド 3 センシングヘッド 4 固定フレーム 5 回転フレーム 8a〜8d 投光モジュール(投光装置、第1、第2の
断面投影計測装置) 9a〜9b 受光モジュール(受光装置、第1、第2の
断面投影計測装置) 10a、10b 距離センサ(傾斜計測装置) 12a〜12e 移動機構 13 演算器 14 記憶手段 19 制御装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転電気のコイルにテープを巻回するテー
    ピング装置において、 コイルの周囲に位置してテーピングを行うテーピングヘ
    ッドと、 前記テーピングヘッドを移動させるとともに前記テーピ
    ングヘッドの姿勢を変化させることが可能な移動機構
    と、 前記テーピングヘッドに取り付けられるセンシングヘッ
    ドであって、計測対象位置におけるコイルの断面の第1
    の方向からの投影に関するデータである第1の断面投影
    データを取得する第1の断面投影計測装置と、計測対象
    位置におけるコイルの断面の第2の方向からの投影に関
    するデータである第2の断面投影データを取得する第2
    の断面投影計測装置と、を有するセンシングヘッドと、 前記第1および第2の断面投影データに基づいて、計測
    対象位置におけるコイルの断面上の特定の点の座標を演
    算する演算器と、 前記演算器の演算結果を記録する記憶手段と、を備えた
    ことを特徴とするテーピング装置。
  2. 【請求項2】前記第1の投影計測装置は、第1の方向か
    らコイルを挟むような位置に対向配置された投光装置お
    よび受光装置を有し、かつ、前記第2の投影計測装置
    は、第2の方向からコイルを挟むような位置に対向配置
    された投光装置および受光装置を有し、 前記第1および第2の投影計測装置の投光装置がそれぞ
    れ平行光線を出射するとともに、対応する受光装置の受
    光状態によって前記第1および第2の断面投影データが
    取得されることを特徴とする、請求項1に記載のテーピ
    ング装置。
  3. 【請求項3】前記センシングヘッドは、前記テーピング
    ヘッドに対して不動の固定フレームと、前記固定フレー
    ムに回転可能に取り付けられた回転フレームと、を有
    し、 前記第1および第2の断面投影計測装置は、前記回転フ
    レームに取り付けられていることを特徴とする、請求項
    1または2に記載のテーピング装置。
  4. 【請求項4】前記移動機構および前記回転フレームの動
    作を制御する制御装置を更に備え、 前記制御装置は、前記第1の方向からの投影および前記
    第2の方向からの投影の寸法が最小となるように、前記
    移動機構による前記センシングヘッドの姿勢制御および
    前記回転フレームの回転のうちの少なくとも一方を行
    い、 前記演算器は、前記第1および第2の方向からの投影の
    寸法がともに最小となった際に得られた前記第1および
    第2の断面投影データに基づいてコイルの断面上の前記
    特定の点の座標を演算することを特徴とする、請求項3
    に記載のテーピング装置。
  5. 【請求項5】前記回転フレームに取り付けられ、前記セ
    ンシングヘッドに対する前記コイルの側面の傾きを検出
    する傾斜計測装置を更に備えたことを特徴とする、請求
    項2に記載のテーピング装置。
  6. 【請求項6】前記傾斜計測装置は、互いに隣接して配置
    された第1の距離センサおよび第2の距離センサを有し
    ており、前記第1の距離センサと前記コイルの側面の第
    1の点との距離と、前記第2の距離センサと前記コイル
    の側面の第2の点との距離と、を比較することにより、
    前記コイルの側面の傾きが検出されることを特徴とす
    る、請求項5に記載のテーピング装置。
  7. 【請求項7】前記移動機構および前記回転フレームの動
    作を制御する制御装置を更に備え、 前記制御装置は、前記傾斜計測装置の計測結果に基づい
    て前記コイルの側面が前記第1の方向または前記第2の
    方向と一致するように前記回転フレームを回転させ、更
    に、前記制御装置は、前記第1の方向からの投影および
    前記第2の方向からの投影の寸法が最小となるように、
    前記移動機構による前記センシングヘッドの姿勢制御お
    よび前記回転フレームの回転のうちの少なくとも一方を
    行い、 前記演算器は、前記コイルの側面が前記第1の方向また
    は前記第2の方向と一致し、かつ前記第1および第2の
    方向からの投影の寸法がともに最小となった際に得られ
    た前記第1および第2の断面投影データに基づいてコイ
    ルの断面上の前記特定の点の座標を演算することを特徴
    とする、請求項6に記載のテーピング装置。
  8. 【請求項8】前記記憶装置に、コイルの断面上の前記特
    定の点の座標に関するデータと、前記コイルの側面の傾
    きに関するデータが記憶されることを特徴とする、請求
    項5乃至7のいずれか一項に記載のテーピング装置。
  9. 【請求項9】回転電気のコイルにテープを巻回するテー
    ピング方法において、 コイルを所定の位置に固定する工程と、 各計測対象位置におけるコイルの断面の第1および第2
    の方向からの投影に関するデータである第1および第2
    の断面投影データを複数の計測対象位置で取得するデー
    タ取得工程と、 前記第1および第2の断面投影データに基づいて、各計
    測対象位置におけるコイルの断面上の特定の点の座標を
    演算する演算工程と、 前記演算工程で算出された各計測対象位置における前記
    特定の点の座標データに基づいてテーピングを行う工程
    と、を備えたことを特徴とするテーピング方法。
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JP2014103817A (ja) * 2012-11-22 2014-06-05 Mitsubishi Electric Corp コイルのテーピング装置およびその装置を用いて製造される回転電機用コイルを装備した回転電機
US11396075B2 (en) 2018-12-26 2022-07-26 Fanuc Corporation Method of detecting origin point of machine tool and tool magazine

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