JP2001290416A - 視力障害者用のタッチパネル及びタッチパネル用弾性体カバー - Google Patents

視力障害者用のタッチパネル及びタッチパネル用弾性体カバー

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JP2001290416A
JP2001290416A JP2000103181A JP2000103181A JP2001290416A JP 2001290416 A JP2001290416 A JP 2001290416A JP 2000103181 A JP2000103181 A JP 2000103181A JP 2000103181 A JP2000103181 A JP 2000103181A JP 2001290416 A JP2001290416 A JP 2001290416A
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俊嗣 谷沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストを上げることなく視力正常者と視力障
害者用の双方が自由に使用できる自動販売機等の視力障
害者用のタッチパネルを提供する。 【解決手段】 情報機器の押圧することでデータを入力
する操作パネル2と、この操作パネル2に貼りつけられ
る弾性体のカバー5、15とから構成する。このカバー
5、15には操作パネル上のキー4や有意な文字群1
0、11や記号群に重ねられる位置に、これらの意味と
同等な内容を表示する点字6,7,8,16を形成す
る。視力正常者は透明なカバー5、15を透してキー4
等を見て、カバー5、15を介してデータを入力し、視
力障害者は点字により内容を理解し、カバー5、15を
押すことで、該当キー4を押圧することになり、データ
を入力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、視力障害者用の
タッチパネルに関し、詳しくは自動販売機や銀行ATM
等の入力部を手の触覚により正確に操作できるようにし
た視力障害者用のタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動販売機等では、操作盤を押す
と沈む方向に、指を離すと上戻るように動くボタンやキ
ーを配置し、これらキーの下に外部からは見えない接触
センサーを設けている。この接触センサーから各種の信
号が情報機器に送られ所定の切符発売等が行われてい
る。従来の機械的なボタンやキーは人間にとって操作性
は快適なものであるが、キーとパネルとの間の隙間から
塵が入ったり、雨天時に水が侵入したりするので、次第
に少なくなっている。そのために外部から内部に異物が
侵入できない密閉型のタッチパネルが主流となってきて
いる。
【0003】また自動販売機は不特定で多数の利用者に
提供されるので、耐故障性を重要視し、このために入力
には可動しないタッチパネルがよく用いられてきてい
る。タッチパネルでは表面に有意な文字群列や記号群を
表示した複数の文字部を設け、これら文字部の下に外部
からは見えない接触センサーを設けている。
【0004】タッチパネルでは人間の指を文字部の指定
場所に比較的軽く触れることで、その文字部分に代表さ
れる接触センサーが押(軽く圧接)されたことを検出し
ている。このように、銀行の入金出金機や電車の駅の切
符販売機等に使用されているタッチパネルは指先で、該
当文字の映像の部分(文字部)に指を触れると反応す
る。これは希望の駅を示す文字を人間が目で確認し、視
力により選別してどこを押すのか判断することが前提条
件となっている。
【0005】電車切符の自動販売機では、視力障害者用
のタッチパネルで、文字の映像(駅名)上に重ねて、駅
名を示す点字を追加して設けたものや、文字の映像(駅
名)の近くに駅名を示す点字を、平行に別に追加して設
けたものがある。更に視力障害者用のタッチパネルで
は、図11に示すように文字の映像と全く同一機能で同
数の点字用の設定キーを、平行に別に追加して設けたも
のがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】視力正常者を対象とす
る通常の自動切符販売機などでは、視力障害者は視力に
よる選別の作業をすることが出来ないので、殆ど使用で
きないものであった。またタッチパネルでは、該当文字
の映像の部分上に重ねて点字を付けたとしても視力障害
者が、目的の文字を見つけるために画面に指を触れるの
で、触れた部分が反応することが多かった。例えば文字
Rを押したい時、画面上でこの文字Rまで誘導するため
の何らかの凹凸の印を付けることができるが、それを指
の触覚で追跡しようとすると最初に触れた他の文字Z等
の部分が反応してしまう欠点があった。
【0007】このため誤入力が起こり目的のキーに辿り
着くことが困難であり、視力障害者用のタッチパネルは
実現されていなかった。また点字を該当文字の映像の部
分と平行に別に追加して設けたものでは、これらの数が
増えると、点字の前後左右上下どの位置に、該当文字の
映像の部分があるのか初めての場合は確認することが困
難であった。
【0008】同数の点字用の設定キーを、平行に別に追
加して設けたものでは、視力正常者と視力障害者用とが
自由に使用できる。しかしながらこの併設型では操作盤
の面積が2倍になり、場所を2倍必要とし、自動販売機
等の回路構成も複雑になり、コスト高であり、故障率も
高くなる欠点があった。この発明は、コストを上げるこ
となく視力正常者と視力障害者用の双方が自由に使用で
きる自動販売機等の視力障害者用のタッチパネルを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記問題を
解決するためになされたもので、第1項の発明では、キ
ーや有意な文字群列や記号群を押圧することでデータを
入力する情報機器の操作パネルと、前記パネルに貼りつ
けられるとともに前記キーや有意な文字群列や記号群に
重ねられる位置にこれらの意味と同等な内容を表示する
凹または凸状の点字を形成した透明な弾性体のカバーと
からなり、視力正常者は前記カバーを透して前記キー等
を見て、前記カバーを介して当該位置を押圧してデータ
を入力し、視力障害者は前記点字により内容を理解し、
前記カバーを介して当該位置を押圧してデータを入力す
るようした。
【0010】請求項2の発明では、前記カバーが前記操
作パネルに密着した接触部と、この接触部と連続し且つ
前記操作パネルと離れた中空部とからなり、前記点字を
この中空部に形成し、視力正常者は前記カバーを透して
前記キー等を見て、前記中空部を押圧して窪ませて前記
キー等を押圧してデータを入力し、視力障害者は前記点
字により内容を理解し、前記中空部を押圧して窪ませて
前記キー等を押圧してデータを入力するようした。
【0011】請求項3の発明では、情報機器の操作パネ
ルと、この操作パネルに重ねられるとともにこの操作パ
ネル上の文字等に対応する位置に点字等を備えた透明な
弾性体からなるカバーとからなる視力障害者用のタッチ
パネルとした。請求項4の発明では、前記カバーが前記
操作パネルに密着した接触部と、この接触部と連続し且
つ前記操作パネルと離れた中空部とからなり、前記点字
をこの中空部に形成した。請求項5の発明では、キーや
有意な文字群列や記号群を押圧することでデータを入力
する情報機器の操作パネルに貼りつけられるとともに、
前記キーや有意な文字群列や記号群に重ねられる位置に
これらの意味と同等な内容を表示する凹または凸状の点
字を形成した透明な弾性体のカバーとする。
【0012】
【発明の第1の実施形態】以下、この発明の視力障害者
用のタッチパネルについて説明する。まず図1におい
て、情報機器が駅に設置される自動販売機1である場合
について説明する。自動販売機1には操作用のタッチパ
ネル2が設けられ、タッチパネル2の表面が平面であ
る。タッチパネル2の下層には図示しないが接触センサ
ーが内蔵され、これらセンサーの出力信号は引き出しケ
ーブル3により図示外の制御回路に送られる。制御回路
は出力信号に応じた切符販売処理やお釣りの計算を行
い、実行部の機械部門が実際の切符を発行する。
【0013】タッチパネル2は複数の文字盤(またはキ
ー)4からなり、文字盤は一群の有意な文字列であり、
ここでは説明を簡単にするために1文字のキー4で図示
する。例えばこれらキー4はA、B、C、D、F、G、
H等であり、各文字盤(キー)4には対応した接触セン
サーが内部にそれぞれ配置されている。
【0014】あるいは、各文字盤(キー)4は駅の切符
販売機の場合は一文字の代わりに、行き先の駅名、例え
ば東京、新橋、神田などでもよい。このタッチパネル2
には図1、図2に示す板状で透明の点字案内カバー5を
被せて固着する。点字案内カバー5は所定の厚みを備
え、使用回数や爪による不意の引っ掻きでは破れない程
度の厚みとする。図1では説明上タッチパネル2と点字
案内カバー5とを分離して表示する。
【0015】点字案内カバー5は透明であるので、外部
から文字盤(またはキー)4が読めるものであり、所定
の弾発性を備えた弾性体の材料により構成する。また点
字案内カバー5は弾性体であるので、柔らかく指で軽く
押す程度の外力を与えると容易に薄くなる方向に図5の
ように変形し、その外力を取り除くと元の形に戻るもの
である。
【0016】図2、図3において、点字案内カバー5に
は各文字盤(キー)4に対応した位置にその内容を示す
点字6が凸状にそれぞれ形成されている。例えば文字A
なら、その該当点字6を点字案内カバー5上に凸状に追
加した形で形成する。以下他の文字B、C、D、F、
G、H等でも同様に形成する。なお、図4に示すよう
に、別の点字7は点字案内カバー5上にその一部を削り
取って凹んだ凹状に形成してもよい。
【0017】タッチパネル2が切符販売機の場合は、図
6に示すように文字列の駅名東京10が群や塊になって
おり、他の文字列の駅名新橋11と離れて表示されてい
る。これに伴い点字案内カバー5上では駅名東京を示す
点字8の群や塊と、他の駅名新橋を示す点字9の塊とは
互いに離してそれぞれ形成する。
【0018】次に動作について説明する。視力正常者は
透明な点字案内カバー5を透してタッチパネル2上に表
示されたキー4の文字A等を見て、点字6や点字7の上
から文字A等を軽く押圧する。点字案内カバー5上の点
字6や点字7の上から文字A等を見るので、多少文字が
ボケて見えるが文字Aを他の文字B等と見間違うほどで
はないので充分使用できる。
【0019】図5のように点字案内カバー5上の点字6
や点字7の部分が凹み、キー4の文字A等の部分が軽く
押圧されるので、下層にある該当接触(タッチ)センサ
ーが反応してデータを入力する。一方、視力障害者は点
字案内カバー5上を指で撫でることにより、その表面に
表示された文字A等に該当する点字6や点字7により内
容を理解する。点字案内カバー5上を指で撫でる程度で
は、キー4の文字A等の部分が軽く押圧されることが殆
どなくなり、不本意なデータ入力が発生しなくなる。目
的の点字6や点字7を押すことで、視力正常者と同様に
タッチパネル2上の文字A等を軽く押圧することがで
き、正確な入力が実現できる。
【0020】
【発明の第2の実施形態】このタッチパネル2には図7
に示す透明の点字案内カバー15を被せて配置する(図
7では説明上タッチパネル2と点字案内カバー15とを
分離して表示)。点字案内カバー15はタッチパネル2
と平面的に接する連続した接触部14と、タッチパネル
2とは通常では接しない複数の押し部25とから構成さ
れる。複数の押し部25は、タッチパネル2とは離れる
方向に凸状に成形された立方体形状であり、中空形状と
なっている。これら接触部14と押し部25とは材質上
では連続しており、透明材質であり一定の厚みを備えて
いる。
【0021】点字案内カバー15は、使用回数や爪によ
る不意の引っ掻きでは破れない程度の厚みであり、所定
の弾発性を備えた弾性体の材料により構成する。押し部
25は、図8に示すように柔らかく指で軽く押す程度の
外力を与えると中空形状が潰れて容易に凹む方向に変形
し、その外力を取り除くと図7に示すように元の凸状の
立法体形状に戻るものである。この点字案内カバー15
は、タッチパネル2のキー4が平面状のタッチセンサー
式よりも、可動式の凸状の場合はよりも有効である。
【0022】また図6において、点字案内カバー15の
各押し部25はタッチパネル2の各文字盤(キー)4に
対応した位置にそれぞれ配置されている。例えば文字盤
(キー)4が文字Aなら、その点字16を点字案内カバ
ー15の押し部25上面に凸状に追加した形で形成す
る、以下他の文字B、C、D、F、G、H等でも同様に
形成する。なお図10に示すように、別の点字17は点
字案内カバー15上の押し部25上面にその一部を削り
取って凹んだ凹状に形成してもよい。
【0023】次に動作について説明する。視力正常者は
透明な点字案内カバー15上の押し部25を透してタッ
チパネル2上に表示されたキー4の文字A等を見て、点
字16や点字17の上から文字A等を軽く押圧する。点
字案内カバー15上の押し部25の点字16や点字17
の上方から文字A等を見るので、多少文字がボケて見え
るが文字Aを他の文字B等と見間違うほどではないので
充分使用できる。
【0024】図9において、点字案内カバー15上の押
し部25の点字16や点字17の部分が凹み潰れて、キ
ー4の文字A等の部分に到達し、そこが軽く押されるの
で、下層にある該当接触(タッチ)センサーが反応して
データを入力する。一方、視力障害者は点字案内カバー
15上の押し部25の上面を指で撫でることにより、そ
の表面に表示された文字A等に該当する点字16や点字
17により内容を理解する。点字案内カバー15上の押
し部25の上面を指で撫でる程度では、キー4の文字A
等の部分が軽く押圧されことが殆どなくなり、不本意な
データ入力が発生しなくなる。目的の点字16や点字1
7を押すことで、視力正常者と同様にタッチパネル2上
の文字A等を軽く押圧することができる。
【0025】模式的に示す図10において、タッチパネ
ル2の各文字盤(キー)2が、銀行の自動受け払い機
(ATM)のように、その画面表示が第1画面31、第
2画面32、第3画面33へと変化するものについて説
明する。このような画面変化に対しては、該当する押し
部25にはその上面21の回りにある各側面の第1側面
22、第2側面23、第3側面24等には、変化する第
1画面31、第2画面32、第3画面33上の表示各文
字盤(キー)2にそれぞれ対応する点字41、42、4
3等を設けることができる。図10に示すように、別点
字17は点字案内カバー15上にその一部を削り取って
凹んだ凹状に形成してもよい。点字41、42、43等
についても同様に凹状に形成してもよい。
【0026】
【発明の効果】この発明によれば、視力障害者は目的の
点字6や点字7を押すことで、タッチパネル2上の文字
A等を軽く押圧することができ、正確な入力が実現でき
る。点字案内カバー5上を指で撫でる程度では、キー4
の文字A等の部分が軽く押圧されことが殆どなくなり、
誤入力がなくなり視力正常者と視力障害者双方で同一の
自動販売機1を使用できる。同一機器の文字盤では予備
品の点字案内カバー5、15を予め多く作っておけば、
汚れたり破れたら交換が容易である。点字案内カバー
5、15は、単に情報機器に限られず視力障害者に対す
る電子機器用の介助装置として広く活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の視力障害者用のタッチパネルの第1
の実施形態を示す図である。
【図2】この発明の視力障害者用のタッチパネルの第1
の実施形態の断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態の点字部を変形した
図である。
【図4】この発明の視力障害者用のタッチパネルの他の
形態を示す図である。
【図5】この発明の第1の実施形態の動作時のカバーが
変形した状態を示す図である。
【図6】この発明の視力障害者用のタッチパネルの第2
の実施形態を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施形態の動作時の初期状態
を示す図である。
【図8】この発明の第2の実施形態の動作時のカバーが
変形した状態を示す図である。
【図9】この発明の第2の実施形態の一部を変形した図
と説明用の模式図である。
【図10】この発明の視力障害者用のタッチパネルの第
2の実施形態の要部断面図である。
【図11】従来の視力障害者用のタッチパネルの斜視図
である。
【符号の説明】
1 自動販売機 2 タッチパネル 3 ケーブル 4 キー 5、15 点字案内カバー 6、7、8、9、16、41、42、43 点字 14 接触部 21 上面 22 第1側面 23 第2側面 24 第3側面 25 押し部 31 第1画面 32 第2画面 33 第3画面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キーや有意な文字群列や記号群を押圧す
    ることでデータを入力する情報機器の操作パネルと、前
    記パネルに貼りつけられるとともに前記キーや有意な文
    字群列や記号群に重ねられる位置にこれらの意味と同等
    な内容を表示する凹または凸状の点字を形成した透明な
    弾性体のカバーとからなり、 視力正常者は前記カバーを透して前記キー等を見て、前
    記カバーを介して当該位置を押圧してデータを入力し、 視力障害者は前記点字により内容を理解し、前記カバー
    を介して当該位置を押圧してデータを入力するようした
    ことを特徴とする視力障害者用のタッチパネル。
  2. 【請求項2】 前記カバーが前記操作パネルに密着した
    接触部と、この接触部と連続し且つ前記操作パネルと離
    れた中空部とからなり、前記点字をこの中空部に形成
    し、 視力正常者は前記カバーを透して前記キー等を見て、前
    記中空部を押圧して窪ませて前記キー等を押圧してデー
    タを入力し、 視力障害者は前記点字により内容を理解し、前記中空部
    を押圧して窪ませて前記キー等を押圧してデータを入力
    するようしたことを特徴とする請求項1に記載の視力障
    害者用のタッチパネル。
  3. 【請求項3】 情報機器の操作パネルと、この操作パネ
    ルに重ねられるとともにこの操作パネル上の文字等に対
    応する位置に点字等を備えた透明な弾性体からなるカバ
    ーとからなる視力障害者用のタッチパネル。
  4. 【請求項4】 前記カバーが前記操作パネルに密着した
    接触部と、この接触部と連続し且つ前記操作パネルと離
    れた中空部とからなり、前記点字をこの中空部に形成し
    たことを特徴とする請求項3に記載の視力障害者用のタ
    ッチパネル。
  5. 【請求項5】 キーや有意な文字群列や記号群を押圧す
    ることでデータを入力する情報機器の操作パネルに貼り
    つけられるとともに、前記キーや有意な文字群列や記号
    群に重ねられる位置にこれらの意味と同等な内容を表示
    する凹または凸状の点字を形成した透明なタッチパネル
    用弾性体カバー。
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Cited By (4)

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