JP2001290408A - 光記録方法、光記録媒体および光記録装置 - Google Patents

光記録方法、光記録媒体および光記録装置

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JP2001290408A
JP2001290408A JP2000103584A JP2000103584A JP2001290408A JP 2001290408 A JP2001290408 A JP 2001290408A JP 2000103584 A JP2000103584 A JP 2000103584A JP 2000103584 A JP2000103584 A JP 2000103584A JP 2001290408 A JP2001290408 A JP 2001290408A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より大きな屈折率変化を誘起し、より高い回
折効率を得るための光記録方法、それに用いる光記録媒
体及び光記録装置、ならびにより高い回折効率を有する
ホログラム媒体を提供すること。 【解決手段】 分子中に光異性化基を有する高分子膜ま
たは光異性化分子を含む高分子膜を有する光記録媒体に
ホログラムを記録する光記録方法において、前記高分子
膜に信号光および参照光を照射する工程と、光を遮断し
放置する工程の連続する2つの工程を有し、前記2つの
工程の少なくとも1つの工程において、前記高分子膜の
温度を制御することを特徴とする光記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光異性化基あるい
は光異性化する分子を含む高分子膜に、効率よくホログ
ラムを記録する光記録方法及び光記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】次世代の高速大容量メモリとして、ホロ
グラフィックメモリが盛んに研究されている。書き換え
可能なホログラフィックメモリ用媒体として、リチウム
ナイオベートなどの無機フォトリフラクティブ結晶が有
力な候補である。しかしながら、その光屈折率変化は、
10‐4程度と小さいため、媒体の厚さを1cm程度必要と
し、光学収差などの取り扱いの難しさが指摘されてい
る。そこで、高分子の高い屈折率変化を利用したホログ
ラフィックメモリの研究が最近になって注目を集めてい
る。
【0003】光誘起異方性を利用したホログラム記録方
法(特開平10−340479)や偏光角多値記録(特開平11−
238251)も提案されている。さらに、光異性化基あるい
は光異性化する分子を含む高分子膜を記録媒体として用
い、媒体の光誘起異方性の記録特性を利用した光記録方
法として、特開平10−340479に記載のホログラム記録方
法及び装置が提案されている。前記公報に記載の光記録
媒体は、偏光照射により選択的な光異性化を引き起こ
し、これが高分子に伝達して得られる高い光学異方性
(複屈折や二色性)を利用している。前記公報に記載の
ホログラム記録方法について、光異性化分子としてアゾ
ベンゼンを例にとって説明する。アゾベンゼンは、光照
射によりトランス−シスの光異性化を示す。トランス体
になると分子構造が下記化学式(a)のようになり、シス
体になると分子構造が化学式(b)のようになる。
【0004】
【化2】
【0005】アゾベンゼンは単体で異方性を示すが、高
分子中に結合あるいは分散された状態で、溶液からの塗
布によって作製された膜は、溶液の等方的なコンフォメ
ーションを反映して全体として等方性を示す(図1の
a)参照)。ここに、アゾベンゼンに感度のある波長の
直線偏光を照射すると、アゾベンゼンの二色性に起因し
て分子が偏光方向と同方向に並んでいるアゾベンゼンの
みが光を吸収しシス体へと異性化する。異性化したシス
体は熱的に不安定であるため、熱戻り反応により再びト
ランス体へ異性化する。このときのトランス体は偏光方
向(偏光軸)と同方向かあるいは垂直方向のいずれの配
向状態もありうるが、偏光方向と同方向のトランス体は
再び光異性化によりシス体へと変化し、その後さらに熱
戻り反応により再びトランス体へ異性化する。このよう
に偏光方向に規定されたトランス−シス−トランスの異
性化サイクルを繰り返す過程において、励起偏光に対し
て吸収の小さい方向(偏光軸に対して垂直方向)へ配向
変化が生ずる(図1のb)参照)。このとき、アゾベン
ゼンの配向変化に加えて、アゾベンゼンの異性化と配向
変化によって高分子の配向変化が誘起され、媒体中に偏
光方向を軸とした(あるいはそれと直交した)大きな異
方性が生ずる。前記公報に記載のホログラム記録法で
は、後記の[化5]に示すような側鎖にシアノアゾベン
ゼンを持つポリエステル膜に、信号光と参照光の二光波
で形成する空間偏光分布に対応した分子配向を誘起する
ことで複屈折を生じさせるホログラム記録を実現してい
る。
【0006】また、K. Nakagawaらの"Optical phase co
njugation in polyesters with cyanoazobenzene units
in the side chain", OPTICAL REVIEW 2, 460-462 (19
95)によれば、後記[化5]に示す側鎖にシアノアゾベ
ンゼンを持つポリエステル膜は、位相共役鏡として有望
であることが示されている。この位相共役光発生材料
は、アゾ基の光異性化に起因する光誘起異方性により位
相共役光を発生するとともに、ホログラム記録が可能で
ある。さらに文献の中では、ホログラム記録後にそのホ
ログラフィックグレーティングが発達することが示され
ている。しかしながら、このメカニズムについては明ら
かにされていない。
【0007】ホログラムをメモリに応用する場合、光記
録媒体が大きな屈折率変化を示せば、ホログラム回折効
率を高くすることができ、結果的に高密度(大容量)記
録が実現できる。これまでに知られている光異性化基あ
るいは光異性化する分子を含む高分子、液晶あるいは高
分子液晶では、光によって誘起できる複屈折は0.05程度
であり、ホログラム回折効率は20%程度である。このよ
うな材料系は、無機フォトリフラクティブ結晶に比べて
複屈折変化は一桁以上大きいものの、回折効率は同程度
か低い。これは、光吸収を利用した光異性化反応を用い
るためで、屈折率変化の大きさを維持しつつ光損失を低
減するか、あるいは、同じ光吸収で屈折率変化を大きく
する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、より大きな
屈折率変化を誘起し、より高い回折効率を得るための光
記録方法、それに用いる光記録媒体及び光記録装置、な
らびにより高い回折効率を有するホログラム媒体を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的は、以下の光記
録方法、光記録媒体および光記録装置、ならびにホログ
ラム媒体を提供することにより達成される。 (1)分子中に光異性化基を有する高分子膜または光異
性化分子を含む高分子膜を有する光記録媒体にホログラ
ムを記録する光記録方法において、前記高分子膜に信号
光および参照光を照射する工程と、光を遮断し放置する
工程の連続する2つの工程を有し、前記2つの工程の少
なくとも1つの工程において、前記高分子膜の温度を制
御することを特徴とする光記録方法。本発明の光記録方
法は、ホログラムを記録した光記録媒体の回折効率が高
いため、一般的なホログラム技術(立体写真等)に適用
した場合、光の利用効率が高いという特徴を有し、ま
た、特にホログラフィックメモリーに用いた場合には、
信号のS/N比が高いため大きな記録容量が得られる。
【0010】(2)前記2つの工程の両方の工程におい
て、高分子膜の温度制御を行うことを特徴とする前記
(1)に記載の光記録方法。 (3)前記2つの工程の少なくとも1つの工程におい
て、前記高分子膜の温度が、高分子のガラス転移温度T
gの±7℃以内になるように温度制御することを特徴と
する、前記(1)または(2)に記載の光記録方法。 (4)前記2つの工程の少なくとも1つの工程におい
て、前記高分子膜の温度が、高分子のガラス転移温度T
gになるように温度制御することを特徴とする、前記
(1)ないし(3)のいずれか1に記載の光記録方法。 (5)光を遮断し放置する工程において、前記高分子膜
の温度を、信号光および参照光を照射する工程における
高分子膜の温度と等しくするか、あるいはそれ以上の温
度になるように制御することを特徴とする、前記(1)
ないし(4)のいずれか1に記載の光記録方法。 (6)前記高分子膜の温度制御を、前記信号光と参照光
のいずれか一方、あるいは両方の光の照射強度あるいは
照射パワーを調整することによって行うことを特徴とす
る、前記(1)ないし(5)のいずれか1に記載の光記
録方法。
【0011】(7)前記高分子の主鎖が芳香族炭化水素
環を含むことを特徴とする、前記(1)ないし(6)の
いずれか1に記載の光記録方法。 (8)前記芳香族炭化水素環が連結基により連結された
2つ以上のベンゼン環であることを特徴とする、前記
(1)ないし(7)のいずれか1に記載の光記録方法。 (9)前記光異性化基または光異性化分子が、アゾ基を
含むことを特徴とする、前記(1)ないし(8)のいず
れか1に記載の光記録方法。 (10)光異性化基を有する高分子が、側鎖にアゾベン
ゼン誘導体を導入した高分子であることを特徴とする、
前記(1)ないし(9)のいずれか1に記載の光記録方
法。 (11)光異性化基を有する高分子が、側鎖にアゾベン
ゼン誘導体が導入され、該アゾベンゼン誘導体が主鎖の
芳香族環に連結されていることを特徴とする、前記
(1)ないし(10)のいずれか1に記載の光記録方
法。
【0012】(12)光異性化基を有する高分子が下記
構造式で示されるポリエステル樹脂であることを特徴と
する、前記(1)ないし(11)のいずれか1に記載の
光記録方法。
【0013】
【化3】
【0014】構造式中、Xはシアノ基、メチル基、メト
キシ基またはニトロ基を示し、Yはエーテル結合または
ケトン結合を示す。lおよびmはそれぞれ2から18の
整数を、nは5ないし500の整数を示す。 (13)光異性化基を有する高分子が、上記構造式中、
lおよびmがそれぞれ4ないし10の整数であり、nが
10ないし100の整数で示されるポリエステル樹脂で
あることを特徴とする、前記(1)ないし(12)のい
ずれか1に記載の光記録方法。
【0015】(14)前記(1)ないし(13)のいず
れか1に記載の光記録方法に使用する、分子中に光異性
化基を含む高分子膜または光異性化分子を含む高分子膜
を有する光記録媒体。 (15)信号光および/または参照光による熱を蓄熱す
るための蓄熱層を備えたことを特徴とする前記(14)
に記載の光記録媒体。 (16)前記(1)ないし(13)のいずれか1に記載
の光記録方法に使用するための光記録装置であって、コ
ヒーレント光を発する光源と、データ情報に応じて前記
光源からの光を偏光変調して、空間偏光分布によりデー
タ情報を保持する信号光を得る空間光変調器と、前記信
号光を光記録媒体に照射する結像光学系と、前記光源か
らの光から、前記光記録媒体に照射する参照光を得る参
照光光学系とを備え、かつ光記録媒体の高分子膜の温度
を制御するための温度制御手段を備えることを特徴とす
る光記録装置。 (17)前記光源が温度制御を行うことを特徴とする前
記(16)に記載の光記録装置。 (18)前記(1)ないし(13)のいずれか1に記載
の光記録方法により光記録されたホログラム媒体。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の光記録方法は、以下で説
明する光配向方法を利用することを特徴とする。この光
配向方法を使用することにより、高い複屈折(Δn)を
有し、したがって高い回折効率を有する光記録媒体を得
ることができる。(前記光配向方法は特願2000−1
2140号に詳しく説明されている。) 本発明において使用する光配向方法は、分子中に光異性
化基を含む高分子膜または光異性化分子を含む高分子膜
を使用する。このような高分子膜に偏光照射を行った場
合、偏光照射時および偏光遮断後にに生ずる現象を図1
に模式的に示す。(光異性化基としてアゾベンゼンを例
にとって説明する。) 上記のように、等方的なコンフォメーションを有するア
ゾベンゼン(図1のa)参照)に感度のある波長の直線
偏光を照射すると、分子が偏光方向と同方向に並んでい
るアゾベンゼンのみが光を吸収しシス体へと異性化し、
異性化したシス体は熱戻り反応により再びトランス体へ
異性化する。このように偏光照射時には、偏光方向に規
定されたトランス−シス−トランスの異性化サイクルが
繰り返され、励起偏光に対して吸収の小さい方向(偏光
軸に対して垂直方向)へ配向変化が生ずる(図1のb)
参照)。またこの際、アゾベンゼンの配向変化に加え
て、アゾベンゼンの異性化と配向変化によって高分子の
配向変化も誘起される。
【0017】偏光照射を遮断した時点においてはシス体
が残っており(図1のb)参照)、これは光学異方性を
小さくする要因となる。このシス体が熱戻り反応により
トランス体に戻ることを促進すると、偏光照射の工程に
おいてかなりな程度で優位な方向に配向されている、す
なわち、偏光軸に対して垂直方向に配向されているトラ
ンス体と同方向に配向が促進され、光学異方性(複屈
折)が増大する(図1のc)を参照)。また、偏光照射
時においても前記配向を促進することにより光学異方性
が増大する。さらに光異性化基あるいは光異性化分子の
配向が増大する結果、上記の高分子主鎖の配向も一層促
進される。
【0018】前記光配向方法は、上記の高分子膜に対し
て偏光を照射する工程、および偏光を遮断した後に放置
する工程の少なくとも1つの工程において、高分子膜の
温度を制御することを特徴とする。そうすると、光異性
化基あるいは光異性化分子が熱戻り反応により異性化す
る際に上記のような配向を促進して高分子膜に高い光学
異方性を付与することができる。(したがって、前記温
度制御は前記のごとき配向を促進して高分子膜に高い光
学異方性を付与するための温度制御である。)すなわ
ち、前記温度制御により、シス体からトランス体への熱
戻り反応を促進させ、同時に高分子セグメント(および
分子)の運動性を高め、さらにガラス転移温度近傍にお
いて増大するセグメント同士の協同運動性を積極的に配
向変化に作用させることが可能となる。
【0019】次に、前記光配向方法において使用する、
分子中に光異性化基を含む高分子膜または光異性化分子
を含む高分子膜、特に、該光異性化基あるいは光異性化
分子が、光によって異性化した後熱戻り反応によって異
性化しうるT(thermal)型フォトクロミック性を有する
高分子膜について説明する。最初に分子中に光異性化基
を含む高分子について説明する。光異性化基は、光によ
って異性化した後熱戻り反応によって異性化しうるT(t
hermal)型フォトクロミック性を有する基であって、こ
のような異性化によって光異性化基の配向が生じ、光学
異方性(複屈折や二色性等)を誘起させる基であれば特
に制限はないが、偏光照射により選択的な光異性化反
応、たとえば偏光軸に平行な分子のみが光を吸収して光
幾何異性化反応を起こすものが好ましい。異性化として
はシス−トランス異性化だけでなく、シン−アンチ異性
化も含まれる。
【0020】前記のごとき光異性化基としてはシアノ
基、メチル基、n−ブチル基等のアルキル基(炭素数1
〜8)、トリフルオロメチル基、フェニル基、シクロヘ
キシル基等のシクロアルキル基、メトキシ基、トリフル
オロメトキシ基等のアルコキシ基(炭素数1〜6)、ニ
トロ基、エトキシカルボニル基、フッ素原子等のハロゲ
ン原子等で置換したアゾベンゼン構造を有する基の他、
スチルベン、アゾメチン、インジゴ、チオインジゴなど
の構造を有する基が挙げられる。中でもアゾ基を含む光
異性化基が好ましく、特に、シアノ基、メチル基、メト
キシ基またはニトロ基で置換したアゾベンゼンを含む基
が好ましい。
【0021】また、前記の光異性化基は高分子の側鎖に
あることが好ましい。高分子の主鎖は付加系ポリマーで
も縮合系ポリマーのいずれでもよく、付加系ポリマーと
してはアクリレート系ポリマー、メタクリレート系ポリ
マー等が挙げられる。アクリレート系ポリマー、メタク
リレート系ポリマーの場合、アゾベンゼンは、−COO
−(CH)n−O−等によってポリマーと連結される。
また、縮合系ポリマーとしてはポリエステル系、ポリイ
ミド系、ポリシロキサン系、ポリウレタン系、ポリウレ
ア系などを挙げることができるが、中でもポリエステル
系が好ましい。また、光異性化基の熱異性化と配向変化
によって高分子の配向変化が誘起されるような高分子を
使用すると、複屈折増大効果が効率よく実現する。この
ため、側鎖あるいは主鎖におけるセグメント間の相互作
用が適度に強いことが望まれる。たとえば、高分子の主
鎖部に芳香族炭化水素環により構成された剛直な部分を
含むことが好ましい。また、芳香族炭化水素環は分極率
異方性が大きいので、配向変化による複屈折への寄与も
大きい。芳香族炭化水素環としては連結基により連結さ
れた2つ以上のベンゼン環が挙げられる。前記連結基と
しては、エーテル結合、ケトン結合等が挙げられる。ま
た、アゾベンゼン誘導体が主鎖の芳香族環に連結してい
るものが好ましい。さらに、光異性化基は、高分子の主
鎖の繰り返し単位の中に少なくとも1つ含まれることが
好ましいが、側鎖部に光異性化基を持たない構成単位と
の共重合体としてもよい。
【0022】中でも側鎖に光異性化基を有するポリエス
テルとして以下の構造式で示されるポリエステルが好ま
しい。
【0023】
【化4】
【0024】式中、Xはシアノ基、メチル基、メトキシ
基、またはニトロ基を示し、Yはエーテル結合、または
ケトン結合を示す。lおよびmは、2から18の整数、より
好ましくは4から10の整数を示し、nは5から500の整数、
より好ましくは10から100の整数を示す。前記構造式で
示されるポリエステルの具体例を以下に挙げるがこれら
に限定されるものではない。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】ここで示した各高分子については、以下の
具体的な実験で示されるような複屈折増大効果を確認す
ることができた。
【0033】次に、本発明で使用する光異性化分子につ
いて説明する。光異性化分子としては、メチルレッド、
メチルオレンジ、ディスパーズレッド1、ディスパーズ
レッド13、ディスパーズオレンジ3などのアゾ基を含
む色素分子が挙げられる。また、光異性化分子が添加さ
れる高分子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリアリル
アミン等が挙げられる。
【0034】前記光配向方法によれば、光異性化基ある
いは光異性化分子が熱異性化(熱戻り)する際に、それ
を含む高分子膜を、熱戻り反応によって誘起される前記
光異性化基あるいは光異性化分子の配向を増強するため
の温度制御を行うため、シス体からトランス体への熱戻
り異性化・配向を効果的に誘起させることができ、偏光
遮断後の複屈折増大効果を大幅に改善することができ
る。またこのことに加え、側鎖部と主鎖部のセグメント
間に働く相互作用によって、主鎖部の配向も誘発されて
複屈折増大に寄与する。これにより、単に配向させる時
間を短縮させるだけではなく、従来技術では不可能であ
った高い複屈折を得ることができる。さらに、前記光配
向方法における特徴的な異性化反応は、その運動を誘起
させるために高い温度は必要としない。したがって、任
意の配向状態を増強するうえで、従来技術よりも高い分
解能を有する。後記の具体例において、複屈折増大効果
は少なくとも1μmの分解能を示した。一方、従来の光配
向方法においては、配向の駆動源であるセグメントの運
動性を高める必要から熱処理を行っているが、セグメン
トの運動性を高めることは、反面、任意の配向分布を増
強させるための分解能低下を招く。
【0035】次に、前記光配向方法について、実験例を
示して、具体的に詳しく説明する。 1.まず、以下の実験において使用した側鎖に光異性化
基であるシアノアゾベンゼンを有するポリエステル(以
下においてこれを「光配向層材料」ということがあ
る。)の製造、およびこのポリエステルを用いた光配向
媒体の作製について説明する。ここでは、上記[化5]
で示すポリエステルの製造例を示すが、上記構造式で示
されるポリエステルは、下記の製造方法に準じた方法で
同様に製造することができる。以下において使用する光
配向層材料は、M.Satoらの"Synthesis and properties
of polyesters having cyanoazobenzene units in the
side chain", Macromol. Rapid Commun. 15, 21-29
(1994)に報告されている。発明者は、上記文献に記載さ
れている方法によって、本高分子を合成した。実施した
合成手順を次に記す。
【0036】4-ヒドロキシ-4'-シアノアゾベンゼンの合
4-アミノベンゾニトリル 2mol(236.3g),12N HCl 600
ml,純水 600mlを氷浴中で攪拌しながら、NaNO2 水溶液
(NaNO2 150g,純水 750ml)を滴下した。(Step1)
フェノール 2mol(191.8g)とKOH 2mol(112.3g)を約2
lの純水にすばやく溶かし、Step1の生成物を滴下した。
吸引ろ過後、純水で洗浄して減圧乾燥させた。生成物を
メタノールで再結晶し、4-ヒドロキシ-4'-シアノアゾベ
ンゼン 1.3mol (292.3g,収率65.5%)を得た。
【0037】4-(6-ブロモヘキシルオキシ)-4'-シアノア
ゾベンゼンの合成 4-ヒドロキシ-4'-シアノアゾベンゼン 0.2mol(44.6
g),1,6-ジブロモヘキサン 2mol(488.1g),K2CO3 1.
45mol(200.4g),アセトン 800mlを2lの三つ口フラス
コに入れ、ウォータバスを用いて20時間還流し反応させ
た。室温まで冷やした後、副生成物と過剰のK2CO3をろ
過して取り除いた。ロータリエバポレータを用いて約1/
2程度まで濃縮した後に冷凍庫に放置して結晶化させ
た。吸引ろ過後、n-ヘキサンで洗浄して減圧乾燥させ
た。(0.117mol(45.3g,収率58.6%))さらに、エタノ
ールで再結晶し4-(6-ブロモヘキシルオキシ)-4'-シアノ
アゾベンゼン 0.094mol(36.3g,収率47.0%)を得た。
【0038】5-ヒドロキシイソフタル酸ジエチルエステ
ルの合成 5-ヒドロキロキシイソフタル酸 1mol(182.4g),エタ
ノール 1500ml,濃硫酸10mlを2lの三つ口フラスコに入
れ、ウォータバスを用いて24時間還流し反応させた。ロ
ータリエバポレータを用いて濃縮させNaHCO3水溶液に注
いだ後、ろ過・減圧乾燥させ5-ヒドロキシイソフタル酸
ジエチルエステル0.096mol(228.8g,収率96.0%)を得
た。さらに、エタノールで再結晶させた後に加熱(50〜
60℃)減圧乾燥させた。
【0039】側鎖部モノマー:5-(4-シアノベンゼンア
ゾフェノキシヘキシルオキシ)-イソフタル酸エチルエス
テルの合成 4-(6-ブロモヘキシルオキシ)-4'-シアノアゾベンゼン
0.08mol(30.9g),5-ヒドロキシイソフタル酸ジエチル
エステル0.08mol,K2CO3 0.12mol(16.58g),アセトン
400mlを1lの三つ口フラスコに入れ、ウォータバスを用
いて24時間還流し反応させた。放冷後、約4lの純水に注
ぎ沈殿物をろ過して取り出し減圧乾燥させた。(0.071m
ol(38.8g,収率89.2%))その後アセトンで再結晶さ
せ、側鎖部モノマーとなる5-(4-シアノベンゼンアゾフ
ェノキシヘキシルオキシ)-イソフタル酸エチルエステル
0.058mol(31.4g,収率72.2%)を得た。融点:99.0
℃,吸収ピーク:364.2nm 側鎖部モノマーの同定は、FTIRスペクトルと1H NMRによ
って行った。FTIRの結果を次に示し、[化12]に1H N
MR分析スペクトル結果を示す。 FTIR(KBr):2947.7cm-1(CH伸縮),2227.4 cm-1(C
N),1713.4 cm-1(エステルC=O),1599.7 cm-1(C=
C),1580 cm-1(N=N),1244.8 cm-1(C−O−C)
【0040】
【化12】
【0041】主鎖部モノマー:ビス(4-ヒドロヘキシル
オキシフェニル)エーテルの合成 4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル 0.3mol(60.66
g),6-クロロ-1-ヘキサノール 0.66mol(90.16g),K2
CO3 0.7mol(97g),N,N-ジメチルホルムアミド 250ml
を混合し、オイルバスを用いて160℃に加熱し24時間反
応させた。その後、少量の塩酸を含む水に注ぎ生成物を
ろ過・減圧乾燥させ、ビス(4-ヒドロヘキシルオキシフ
ェニル)エーテルを得た。さらに、水−N,N-ジメチルホ
ルムアミド系より再結晶させた。(ほぼ定量的)融点:
119℃ 側鎖部モノマーの同定は、FTIRスペクトルと1H NMRによ
って行った。FTIRの結果を次に示し、[化13]に1H N
MR分析スペクトル結果を示す。 IR(KBr)(JASCO FT/IR-230):3312.1cm-1(OH),29
36.1cm-1(CH伸縮),1505.2 cm-1(芳香族),1241.9
cm-1(C−O−C),
【0042】
【化13】
【0043】アゾベンゼンを側鎖に持つポリエステルの
溶融重縮合 側鎖部モノマー:5-(4-シアノベンゼンアゾフェノキシ
ヘキシノキシ)-イソフタル酸エチルエステル 0.01mol
(5.4361g),主鎖部モノマー:ビス(4-ヒドロヘキシル
オキシフェニル)エーテル 0.01mol(4.0253g),無水酢
酸亜鉛 0.1gを300mlの三つ口フラスコに入れ、窒素置換
後に次のステップで反応させた。 1)約160℃で2時間反応 2)10Torrに減圧させて20分反応 3)30分かけて180℃,2〜5Torrに昇温・減圧 4)180℃,2〜5Torrで2時間反応 上記反応後、クロロホルムに溶解させてメタノール中に
注いだ。沈殿物をろ過して取り出し純水→メタノールで
加熱洗浄させた後に減圧乾燥させ、シアノアゾベンゼン
を側鎖に持つポリエステルを得た。(ほぼ定量的)
【0044】図2に上記方法で合成した高分子のDSC曲
線を示す。ガラス転移温度Tgは38℃、融点Tmは65℃であ
った。また平均分子量は約11,900であった。した
がって平均繰り返し単位数n=14である。偏光顕微鏡
観察によると、液晶相は存在せず固体状態において複屈
折を有する高分子であることがわかった。光配向媒体の作製 上述した方法によって合成した高分子をクロロホルムに
0.8g/mlの濃度で溶かし、洗浄したガラス基板上にスピ
ンコートした(1000rpm,20sec)。乾燥させた後、等方
相まで加熱し急冷した。偏光顕微鏡観察により、作製さ
れた膜(光配向層)は等方的なアモルファス膜であるこ
とを確認した。また、触針式の表面あらさ計を用いて膜
厚を測定したところ1.5μmであった。
【0045】2.次に、前記光配向層を光配向する方
法、および該方法に使用するための装置(以下におい
て、この装置を「光配向装置」ということがある。)に
ついて説明する。 (1) 最初に、使用した光配向装置について説明す
る。3は光配向層に光学異方性を誘起し、かつ誘起され
た光学異方性を確認するための装置の概要を示す。図3
中、10は光配向媒体、20はヒーター、22は熱電
対、30はヒーター20によって加熱される光配向層の
温度を制御するための温度制御装置をそれぞれ示し、ま
た、1は光配向層に光学異方性(複屈折)を誘起させる
ためのポンプ光を示す。ポンプ光1として、シアノアゾ
ベンゼンを側鎖に持つポリエステルに感度のある、アル
ゴンイオンレーザの発振線515nmを用いた。2はプ
ローブ光、3は偏光子、4は検光子をそれぞれ示す。こ
れらは、ポンプ光により誘起される光学異方性(複屈
折)を調べるためのものである。プローブ光2として
は、光配向媒体に感度のないヘリウムネオンレーザの発
振線633nmを用いた。ヘリウムネオンレーザの光路
中に光配向媒体10を置き、その前後を偏光子3と検光
子4で挟む。ここで、偏光子3の方位を0°偏光、検光
子4の方位を90°偏光とし、互いに垂直な方位とし
た。この条件では、光配向媒体10に異方性がなけれ
ば、プローブ光2の偏光方向は変化せず、検光子4を通
過できない。ポンプ光1の偏光方向を、偏光子3と検光
子4の方位のちょうど中間の45°にして光配向媒体1
0に照射し、複屈折を誘起した。このとき、プローブ光
2は光配向媒体の誘起された複屈折により偏光が回転さ
れ、検光子4を通過する。検光子4を通過した光パワー
Iは、以下の数式1で表される。この式1を用いて、Δ
nを計算することができる。
【0046】
【数1】
【0047】式中、I0は光配向媒体を通過する前のプ
ローブ光の強度、Iは検光子4を通過した光強度を示
し、λはプローブ光の波長を、dは光配向層の膜厚を示
す。上述した方法と同様の方法を用いたシアノアゾベン
ゼンを側鎖に持つポリエステル膜の光誘起複屈折は、例
えばK.Nakagawa et al. "Holographic recording in po
lyesters having cyanoazobenzene units in the side
chain", Proc. SPIE2778, 571-572 (1996)、山田サユ他
"シアノアゾベンゼンを側鎖に持つポリエステルの光誘
起異方性記録", 第58回応用物理学会学術講演会 講演予
稿集, 952(1997)に報告されている。それらによると、
ポンプ光で誘起される複屈折は時間とともに増加して飽
和し、ポンプ光を遮断した後はわずかに増加するもの
の、ほぼ等しい値で保存されることが示されている。ポ
ンプ光遮断後に同様の挙動を示す材料としては、例えば
A.Natansohnらの"Azo polymers for reversible optica
l storage. 4. Cooprative motion of rigidgroups in
semicrystalline polymers", Macromolecules 27, 2580
-2585 (1994)に報告されている。この材料は、主鎖に芳
香族炭化水素を有する半結晶性高分子であり、ポンプ光
遮断後に複屈折がわずかに増加して保存される。A.Nata
nsohnらは、この現象に対し、ポンプ光照射による熱の
影響を取り上げ、ガラス状態から緩和した半結晶性によ
る効果と考察している。
【0048】(2)光配向層の温度制御 図3で示される装置を用い、光配向層に対して偏光を照
射し、その後偏光を遮断し放置する2つの連続する処理
を施し、その際光配向層の温度制御を行い、それぞれの
温度で得られる光学異方性を調べた。この例では、偏光
照射工程と偏光遮断放置工程の両方において温度制御を
行った。前記1.で作製した光配向媒体を用いて、温度
制御装置30によって室温の25℃から47℃まで媒体の温度
を変化させ、それぞれの温度で誘起される複屈折を測定
した。温度制御にはヒーターと熱電対を備え、温度制御
装置により設定温度を保持可能な顕微鏡用加熱装置(リ
ンカム社製TH−1500SM)を用いた。ポンプ光強
度は、光照射による温度変化を小さくするために1W/cm
2とした。(なお、仮に光照射により媒体の温度が上昇
したとしても、温度制御装置30によって設定温度に補正
される。) ここでの制御温度の精度は±1℃であった。また、偏光
照射領域を1mmφ、照射時間を1800secとした。複屈折Δ
nは前記式1に基づき、プローブ光強度I0と検光子を
通過した光強度I、λ、dから求めた。ここでλ=63
3nm、d=1.5μmである。結果を図4に示す。
【0049】図4は、光配向層の温度を25℃、39℃、44
℃、47℃と変化させたときの実験結果である。どの温度
においても、ポンプ光照射によって複屈折が誘起され時
間とともに成長した。ここで、これら複屈折の大きさは
媒体温度によって異なる値となった。さらに興味深いこ
とに、ポンプ光遮断後に複屈折が非常に大きく増加する
ことがわかった。この増大効果も、媒体温度に依存し
た。ヒーター20をオフにして室温まで放冷させると(72
00sec)、その挙動は媒体温度により異なるが、わずか
に上昇するか等しい値で保存されることがわかった。
【0050】図5は、偏光を照射する工程(偏光照射時
間1800sec)において誘起された複屈折(図中、四角で
示す。)と、偏光を遮断して放置した工程(放置時間72
00sec)を経た複屈折(図中、丸で示す。)を媒体温度
に対してプロットしたものである。偏光を照射する工程
で誘起された複屈折と、偏光を遮断して放置した工程に
おいて誘起された複屈折(図5中、両曲線の差)は、と
もに高分子のガラス転移温度(Tg=38℃)付近で最大と
なることがわかった。本結果より、各工程の制御温度は
光配向層材料のTg±7℃程度が好適である。
【0051】以上の結果より、光配向媒体の光配向層を
そのガラス転移温度Tg付近とすれば、高い複屈折が誘起
できることに加え、ポンプ光遮断後も配向増強が起こり
高い複屈折が得られることがわかった。シアノアゾベン
ゼンを側鎖に持つポリエステル膜([化5]参照)は、
光誘起複屈折が約0.04との報告がある。(K.Nakagawaet
al. "Holographic recording in polyesters having c
yanoazobenzene units in the side chain", Proc. SPI
E 2778, 571-572 (1996)) 上で示した光配向装置および光配向方法を用いた場合、
誘起される最大の複屈折は約3倍の0.12を越え、従来の
技術に比べて非常に高い配向を実現することができる。 (4)偏光の照射による光配向層の温度制御 本発明の光記録方法においては、偏光の照射強度あるい
は照射パワーを調整することによって、前記高分子膜の
温度を偏光照射によって制御することもできる。したが
って、ポンプ光1はアゾ基を光異性化させるのに加え
て、媒体温度を制御するように作用する。使用する装置
としては、図3に示す光配向装置の光学系を用いること
ができる。媒体に感度のあるアルゴンイオンレーザの発
振線515nmの波長は、アゾベンゼンのトランス−シス異
性化を誘起するとともに、媒体の温度を上昇させること
ができる。この媒体温度の制御は、ポンプ光の強度また
はパワーを変化させることによって実現可能である。偏
光の照射強度やパワーによって温度制御する際、媒体温
度は光配向媒体の構成や膜厚など、媒体の蓄熱特性に注
意する必要がある。
【0052】[光記録媒体]次に、本発明の光記録方法
に用いる光記録媒体について説明する。本発明の光記録
方法において用いられる光記録媒体の構造を図6(A)
ないし図6(E)で示すが、これらに限定されるもので
はない。図6(A)で示される光記録媒体50は、光透
過性の基板51の一面側に分子中に光異性化基を有する
高分子膜または光異性化分子を含む高分子膜(以下にお
いて「光記録層」ということがある。)52を形成した
構造であり、図6(B)で示される光記録媒体は、2枚
の光透過性基板51により形成されるギャップに光記録
層52を形成した構造であり、図6(C)に示す光記録
媒体は、光記録層12のみからなるものである。さら
に、図6(D)および図6(E)で示される光記録媒体
は、図6(A)および図6(B)で示される光記録媒体
にさらに後述の機能を有する蓄熱層53を設けたもので
ある。本発明の光記録方法に用いる光記録媒体はその用
途に応じ適宜構造を変更することが可能である。
【0053】前記光透過性の基板としては、ガラス基板
やポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどの
樹脂基板等が用いられる。また、光記録層52に用いら
れる材料分子中に光異性化基を有する高分子材料または
光異性化分子を含む高分子材料であって、偏光照射によ
り光異性化を引き起こし、これが高分子に伝達して高い
光学異方性(複屈折や二色性)を示すものであればどの
ようなものであってもよく、前述の光配向方法の箇所で
説明した光異性化基を有する高分子材料または光異性化
分子を含む高分子材料を用いることができる。このよう
な材料系でホログラフィックグレーティングは、この光
誘起複屈折や光誘起二色性によって形成されるが、特に
位相(すなわち屈折率)グレーティングが回折効率に大
きく寄与する。したがって、ホログラム形成のメカニズ
ムを明らかにするには、光誘起複屈折を評価するのが有
効な手段である。さらに、前記蓄熱層としては、回折光
に対して適度な透過性を有し、基板材料よりも熱伝導率
が低い材料であればどのようなものでもよい。光記録媒
体に蓄熱層を設けることにより、シス−トランス異性化
反応による屈折率増大効果の緩和時間よりも十分長く光
記録層温度を維持することが可能である。またこの蓄熱
層を最適化して利用することにより、光記録層の温度制
御をするためのヒーターを用いず、記録光強度あるいは
パワーの調整を行って光記録層の温度制御を行うことも
できる。
【0054】[光記録方法および光記録装置]次に、本
発明の光記録方法およびこれに用いる光記録装置につい
て実験例を示して具体的に詳しく説明する。まず、本発
明の光記録方法を説明するための概念図を図7に示す。
図7において50は光記録媒体を、5は信号光(物体
光)、6は参照光、7は読出光、8は回折光、20はヒ
ーター、22は熱電対および30は温度制御装置をそれ
ぞれ示す。図示しない光源からのコヒーレント光を信号
光5と参照光6に分け、光記録媒体50に照射しホログ
ラム記録を行うが、光記録層に信号光および参照光を照
射する工程と、光を遮断し放置する工程の連続する2つ
の工程の、少なくとも1つの工程において、光記録層の
温度を前記光配向方法において説明したように制御す
る。図7に示すように温度制御をヒーター等によって行
うときは、それぞれ二光波の光強度が、光照射によって
光記録層の温度を変化させないような強度にすることが
必要である。
【0055】また、光記録層に信号光および参照光を照
射する手段(以下において「記録ヘッド」ということが
ある。)としては、たとえば図8に示すものが挙げられ
る。前記手段は図8において記録ヘッド40として示さ
れ、光記録ヘッド40は、光源41、レンズ43および
44、ビームスプリッタ45、ミラー46および47、
空間光変調器30からなる。(なお、図8においては温
度制御手段は省略されている。) 光源としてはコヒーレント光を発するものであればよ
く、たとえば前記光記録媒体の光記録層に感度を有する
発振線515nmのアルゴンイオンレーザを用いることがで
きる。この光源41からのレーザ光を、一方で、ビーム
スプリッタ45を透過させ、レンズ42、43によって
平行光として、入射光として空間光変調器50に入射さ
せる。空間光変調器50からの光は信号光Aとなり、レ
ンズ44により集光され光記録媒体10に照射される。
空間光変調器50は、偏光変調が可能なものとする。こ
のような空間光変調器50としては、電圧アドレス型の
液晶パネルや電気光学結晶にマトリクス電極を付けたも
のなどを用いることができる。また、光源からの光は一
部は、ビームスプリッタ45により反射され、ミラー4
6および47により反射され参照光Bとなって信号光照
射領域に照射される。この参照光Bは、前記光記録装置
を読取装置として用いる場合に読出光となる。
【0056】次に、本発明の光記録方法を用いてホログ
ラム記録する場合の回折効率について具体的に説明す
る。使用した光記録媒体としては、前記の光配向方法の
箇所で示した光配向媒体を光記録媒体として用いた。す
なわち、1.1mm厚のコーニング社製7059ガラス基板上
に[化5]で示されるポリエステル(平均繰り返し単位
数n=14)を1.5μmの膜厚に形成したものを光記
録媒体とした。光源としてはアルゴンイオンレーザの発
振線515nmを用い、照射強度は500mW/cm2
とし、照射時間は900secとした。また、この例では
光記録工程の間およびその後の光遮断後の放置工程の両
方において光記録層の温度制御を行った。温度制御には
ヒーターと熱電対を備え、温度制御装置により設定温度
を保持可能な顕微鏡用加熱装置(リンカム社製TH−1
500SM)を用いた。図9に示すように、信号光と参
照光はその偏光方向が互いに直交する配置とした。媒体
中の光強度は一定となるが、二光波により図9に示した
ように、直線偏光と楕円偏光が周期的に形成される偏光
分布が生ずる。本発明における光記録層に用いる材料
は、偏光感応特性を有するため、二光波の形成した偏光
分布に応じて複屈折(および二色性)を誘起・保存する
ことができる。
【0057】記録されたホログラムの回折効率を実時間
で測定するために、ヘリウムネオンレーザの読出光(63
3nm)は、位相整合条件を満たすように(ほぼブラッグ
条件での入射角で)光記録媒体10に入射させ、回折光
8のパワーを測定した。回折効率は、読み出し光パワー
に対する回折光パワーの比として求めた。図7で示した
温度制御装置により記録媒体温度を25℃、39℃およ
び44℃に制御したときの回折効率変化を図10に示
す。
【0058】図10より、各記録媒体温度において、偏
光遮断後に回折効率が増大する結果となった。特に、ガ
ラス転移温度に相当する38℃では、偏光を照射する工程
における回折効率の実に約25倍も増加し、膜厚1.5μmの
光記録層に対して10%を越える高い回折効率を実現する
ことができた。グラフには示されていないが、ガラス転
移温度(Tg=38℃)以上の温度では、偏光を遮断し放置
すると回折効率が減衰していくが、ヒーターをオフにし
て放冷することによって、オフにする直前の効率が保存
されることが確認できた。
【0059】これらの回折効率増大効果は、先に延べた
複屈折増大効果による結果である。この複屈折増大効果
をホログラフィックメモリに応用する際、さらに次に述
べる利点がある。すなわち、室温付近ではTg付近に比べ
て誘起されうる複屈折が小さく、したがって、Tg付近で
記録した複屈折は、室温での偏光照射によって完全に消
去することができない。これに対し、ホログラフィック
メモリ材料としてよく用いられているフォトリフラクテ
ィブ結晶は、原理的に、たとえ微弱な読み出し光でもキ
ャリアを励起し、記録されているホログラムを破壊しな
がら再生するため、読み出し回数に限界がある。これが
実用上の大きな問題となっている。しかし、本発明の方
式では、例えば記録時の媒体温度をTg付近とし、読み出
し時の媒体温度を室温とすると、記録時に誘起された複
屈折の大きさまで読み出し光によって誘起されうる複屈
折は到達しないため、記録された情報を安定に保存する
ことが可能となる。以上の結果より、光記録媒体をその
ガラス転移温度Tg付近とすれば、高い回折効率が実現で
きることに加え、記録光遮断後も配向増強が起こり回折
効率が増大することがわかった。温度制御装置を備えな
い従来の方法(図10中25℃のデータ)と比較し、本発
明の光記録方法を用いると約10倍、すなわち回折効率を
1桁向上させることが可能となった。
【0060】次に、ホログラムを記録する光源の照射強
度あるいは照射パワーを調整することによって、前記光
記録層(高分子膜)の温度を制御した例について述べ
る。ここでは、光記録媒体に対する照射強度の影響を示
すために、図3で示した光学系を用いて、誘起される複
屈折の変化を回折効率の代用特性として評価した。本方
式では、ポンプ光1はアゾ基を光異性化させるのに加え
て、媒体温度を制御するように作用させる。媒体に感度
のあるアルゴンイオンレーザの発振線515nmの波長は、
アゾベンゼンのトランス−シス異性化を誘起するととも
に、媒体の温度を上昇させることができる。この媒体温
度の制御は、ポンプ光の強度またはパワーを変化させる
ことによって実現可能である。図11は、偏光照射領域
を1mmφと一定にし、ポンプ光1の光強度を変えて複屈折
を測定した結果である。偏光の照射強度やパワーによっ
て温度制御する際、媒体温度は光記録媒体の構成や膜厚
など、媒体の蓄熱特性に注意する必要がある。この例で
は、図6(B)に示したように、1.1mm厚のコーニン
グ社製7059ガラスを用いて平行平板セルを作製し、11μ
mのギャップに前記光記録媒体で使用したのと同じポリ
エステルを注入した光記録媒体を用いた。また、複屈折
の値は、偏光照射時の複屈折時間変化を二成分緩和系で
フィッティングし、その飽和値を採用している。ポンプ
光強度が2W/cm2と5W/cm2のときに高い複屈折が誘起さ
れていることがわかった。フィッティングに用いた式2
を次に示す。
【0061】
【数2】
【0062】ここで、tは偏光照射時間、Δnは時間t
での光誘起複屈折、AおよびBは複屈折に対する各成分
の寄与、τaおよびτbは各緩和成分の時定数を示す(A+
Bが誘起される最大の複屈折(飽和複屈折)である。) 図12は、図5で示した偏光を照射する工程における複
屈折変化を上述した式2を用いてフィッティングし、そ
の飽和値を示した図である。図11および図12におい
てフィッティング曲線の飽和値を用いた理由は、飽和現
象における共通の時間軸で比較するためである。図11
の1W/cm2以上の領域と図12は定性的に類似している。
図11において、ポンプ光強度が2W/cm2と5W/cm2の媒
体温度は32℃および38℃に上昇したため、複屈折の飽和
値が極大値になったと考えられる。ここで、図11およ
び図12では、図5ではみられなかった極大値がガラス
転移温度(Tg=38℃)より低温(低強度)側にみられ
る。図5に現れなかったのは緩和時間の遅い成分による
寄与であったためである。この極大値を示す媒体温度32
℃は、高分子の局所的な運動性に起因する副ガラス転移
温度(Tgg)に相当すると考えられる。
【0063】ここまで、誘起される複屈折の評価を通じ
て本実施例の効果(回折効率)を実験的に確認した。こ
こで、回折効率における効果を計算によって見積もる。
想定する光学系は、図13に示す反射型のホログラム記
録装置である。ホログラム回折効率の理論的モデルとし
て、屈折率および吸収係数が正弦的に分布した空間的変
調格子を仮定したKogelnikの結合波理論が有名である。
(H.Kogelnik: Bell Sys. Tech. J. 48, 2909-2947 (19
69)) ここでKogelnikの式を用いて、実験的に求めら
れた複屈折から強度変調ホログラムの回折効率を計算す
る。ここで、吸収グレーティングの影響は無視し、Koge
lnikによる(媒体に対して干渉縞の傾斜がない)一様な
吸収のある反射型位相ホログラムを取り上げる。読み出
し光の入射角がブラッグ条件を満たし、屈折率振幅をΔ
n/2(実験値)、吸収係数をα(実験値:521.3cm-1)、
膜厚をd(11μm)、波長をλ(633nm)、読み出し光の
入射角を45°とすると、回折効率ηは次式3で与えられ
る。
【0064】
【数3】
【0065】図14に、図11に示した複屈折を用いて
上式によって求めた回折効率の計算値(図中Cの曲線)
と、図5の結果をふまえ、記録光遮断後の増大効果によ
って複屈折が2倍に増加すると仮定して、同様な計算を
行った結果(図中、Dの曲線)を示す。本実施例におけ
る温度制御方法を用いて膜厚11μmの反射型ホログラム
を作製したとき、40%を越える回折効率が期待できる。
さらに、記録光を遮断して放置する工程の複屈折増大効
果を併用することで、60%を越える回折効率が実現可能
と考えられる。以上説明したように、光記録媒体の蓄熱
特性に則した記録照射強度またはパワーを調整すること
で、記録光を照射する工程の媒体温度を制御することが
可能である。光誘起複屈折の成長速度は光強度の増加に
応じて速くなるので、本方式を用いた温度制御により、
記録時間を短縮することが可能となる。記録光照射を遮
断し放置する工程の温度制御は、ヒーターを備えた温度
制御装置により実現可能である。また、より簡易な方法
として、図6(D)や図6(E)に示したように、光記
録媒体に蓄熱層を設け、シス−トランス異性化反応によ
る屈折率増大効果の緩和時間よりも十分長く媒体温度が
維持される構成とすることも効果的である。記録光強度
あるいはパワーの調整と蓄熱層を利用した光記録媒体の
蓄熱特性を最適化することで、ヒーターを必要とせずに
本発明の効果を得ることが可能になる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、光異性化分子あるいは
光異性化基を含む高分子を用いたホログラム記録におい
て、高い回折効率を得ることができる。したがって、書
き換え可能なホログラフィックメモリへの応用の場合、
高密度記録が可能であり、かつ、読み出しによる劣化も
少ないため、記録された情報を安定に保存することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アゾベンゼンが偏光を選択吸収して光異性化
し、熱戻り反応により異性化・配向する状態を説明する
概念図である。
【図2】 化5で示すポリエステルのDSC曲線を示す図
である。
【図3】 本発明が用いる光配向方法に使用するための
装置の概念図である。本発明の光配向方法に使用する光
配向媒体を示す図である。
【図4】 本発明が用いる光配向方法において、光配向
層温度を種々変えた場合の複屈折の時間的変化を示す図
である。
【図5】 本発明が用いる光配向方法において、光配向
層温度の影響を説明する図である。
【図6】 本発明において使用する光記録媒体の一例を
示す模式的断面図である。
【図7】 本発明の光記録方法を説明するための概念図
である。
【図8】 本発明の光記録装置の一例を示す図である。
【図9】 ホログラム記録する際の二光波の偏光配置を
示す。
【図10】 光記録層の温度を制御したときの回折効率
変化を示す図である。
【図11】 本発明において、温度制御をポンプ光照射
により制御した場合の複屈折の飽和値を示す図である。
【図12】 図10で示す複屈折変化(偏光照射工程)
を式2を用いてフィッティングした図である。
【図13】 本発明の反射型光記録装置の一例を示す概
念図である。
【図14】 図10に示した複屈折と式3により求め
た、回折効率(計算値)を示すグラフである。
【符号の説明】 1 ポンプ光 2 プローブ光 3 偏光子 4 検光子 5 信号光(物体光) 6 参照光 7 読出光 8 回折光 10 光記録媒体 11 基板 12 光記録層 13 蓄熱層 20 ヒーター 22 熱電対 30 温度制御装置 40 光記録ヘッド 41 光源 50 光記録媒体 51 基板 52 光記録層 53 蓄熱層 60 空間光変調器 46、47 ミラー A 信号光 B 参照光(読出光)
フロントページの続き Fターム(参考) 2K008 AA04 AA08 BB04 BB08 DD12 EE01 HH01 HH06 HH12 HH18 HH25 HH26 4J002 BE021 BF021 BG061 BJ001 EQ016 4J029 AA03 AB07 AC01 AD10 AE04 BE04 BF13 CB05B DA01 4J100 AL08P BA02P BA45P BC43P CA01 DA61 JA32

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に光異性化基を有する高分子膜ま
    たは光異性化分子を含む高分子膜を有する光記録媒体に
    ホログラムを記録する光記録方法において、前記高分子
    膜に信号光および参照光を照射する工程と、光を遮断し
    放置する工程の連続する2つの工程を有し、前記2つの
    工程の少なくとも1つの工程において、前記高分子膜の
    温度を制御することを特徴とする光記録方法。
  2. 【請求項2】 前記2つの工程の両方の工程において、
    高分子膜の温度制御を行うことを特徴とする請求項1に
    記載の光記録方法。
  3. 【請求項3】 前記2つの工程の少なくとも1つの工程
    において、前記高分子膜の温度が、高分子のガラス転移
    温度Tgの±7℃以内になるように温度制御することを
    特徴とする、請求項1または請求項2に記載の光記録方
    法。
  4. 【請求項4】 前記2つの工程の少なくとも1つの工程
    において、前記高分子膜の温度が、高分子のガラス転移
    温度Tgになるように温度制御することを特徴とする、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光記録
    方法。
  5. 【請求項5】 光を遮断し放置する工程において、前記
    高分子膜の温度を、信号光および参照光を照射する工程
    における高分子膜の温度と等しくするか、あるいはそれ
    以上の温度になるように制御することを特徴とする、請
    求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の光記録方
    法。
  6. 【請求項6】 前記高分子膜の温度制御を、前記信号光
    と参照光のいずれか一方、あるいは両方の光の照射強度
    あるいは照射パワーを調整することによって行うことを
    特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に
    記載の光記録方法。
  7. 【請求項7】 前記高分子の主鎖が芳香族炭化水素環を
    含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいず
    れか1項に記載の光記録方法。
  8. 【請求項8】 前記芳香族炭化水素環が連結基により連
    結された2つ以上のベンゼン環であることを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の光
    記録方法。
  9. 【請求項9】 前記光異性化基または光異性化分子が、
    アゾ基を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項
    8のいずれか1項に記載の光記録方法。
  10. 【請求項10】 光異性化基を有する高分子が、側鎖に
    アゾベンゼン誘導体を導入した高分子であることを特徴
    とする、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載
    の光記録方法。
  11. 【請求項11】 光異性化基を有する高分子が、側鎖に
    アゾベンゼン誘導体が導入され、該アゾベンゼン誘導体
    が主鎖の芳香族環に連結されていることを特徴とする、
    請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の光記
    録方法。
  12. 【請求項12】 光異性化基を有する高分子が下記構造
    式で示されるポリエステル樹脂であることを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の
    光記録方法。 【化1】 構造式中、Xはシアノ基、メチル基、メトキシ基または
    ニトロ基を示し、Yはエーテル結合またはケトン結合を
    示す。lおよびmはそれぞれ2から18の整数を、nは
    5ないし500の整数を示す。
  13. 【請求項13】 光異性化基を有する高分子が、上記構
    造式中、lおよびmがそれぞれ4ないし10の整数であ
    り、nが10ないし100の整数で示されるポリエステ
    ル樹脂であることを特徴とする、請求項1ないし請求項
    12のいずれか1項に記載の光記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    1項に記載の光記録方法に使用する、分子中に光異性化
    基を含む高分子膜または光異性化分子を含む高分子膜を
    有する光記録媒体。
  15. 【請求項15】 信号光および/または参照光による熱
    を蓄熱するための蓄熱層を備えたことを特徴とする請求
    項14に記載の光記録媒体。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    1項に記載の光記録方法に使用するための光記録装置で
    あって、コヒーレント光を発する光源と、データ情報に
    応じて前記光源からの光を偏光変調して、空間偏光分布
    によりデータ情報を保持する信号光を得る空間光変調器
    と、前記信号光を光記録媒体に照射する結像光学系と、
    前記光源からの光から、前記光記録媒体に照射する参照
    光を得る参照光光学系とを備え、かつ光記録媒体の高分
    子膜の温度を制御するための温度制御手段を備えること
    を特徴とする光記録装置。
  17. 【請求項17】 前記光源が温度制御を行うことを特徴
    とする請求項16に記載の光記録装置。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    1項に記載の光記録方法により光記録されたホログラム
    媒体。
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