JP2001287105A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

Info

Publication number
JP2001287105A
JP2001287105A JP2000104823A JP2000104823A JP2001287105A JP 2001287105 A JP2001287105 A JP 2001287105A JP 2000104823 A JP2000104823 A JP 2000104823A JP 2000104823 A JP2000104823 A JP 2000104823A JP 2001287105 A JP2001287105 A JP 2001287105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting blade
slider
blade member
cutting
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000104823A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Toshiyoshi Watabe
俊賀 渡部
Akira Kanahoshi
彰 金星
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2000104823A priority Critical patent/JP2001287105A/ja
Publication of JP2001287105A publication Critical patent/JP2001287105A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切刃34の描く円錐状の軌跡が正確に所定の
位置に配設されるように切刃34の位置が微調整可能と
された切削工具において、この切刃34が設けられる切
刃部材22にがたつき等を生じることなく高い取付剛性
でスライダー21に取り付ける。 【解決手段】 軸線O回りに回転される工具本体1の外
周に軸線Oに対して斜めに摺動可能に設けられたスライ
ダー21の先端に、切刃34を備えた切刃部材22を取
り付け、スライダー21と切刃部材22とに断面鳩尾状
の突条26とこの突条26が嵌挿可能なあり溝25とを
形成し、切刃部材22をスライダー21に対して、これ
ら突条26とあり溝25との嵌挿方向に沿って進退させ
ることにより切刃34の位置が微調整可能、かつあり溝
25の溝壁面と突条26の側面とが密着させられること
によって固定可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にエンジンのシ
リンダーヘッドにおけるバルブ穴の加工に用いて好適な
切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の切削工具として、本発明の発明
者らは、例えば図8ないし図10に示すように、軸線O
回りに回転される略円錐状の工具本体1の先端にガンリ
ーマ等の穴加工工具2が上記軸線Oに沿って出没可能に
設けられるとともに、この工具本体1先端の上記穴加工
工具2の周辺の内周側と外周側とにはそれぞれ固定され
た切刃(図示略)が設けられ、さらに工具本体1の外周
に該工具本体1がなす円錐の母線方向に沿って形成され
た凹溝3にも、切刃4を先端に備えたスライダー5が該
母線方向に摺動可能に装着された切削工具を提案してい
る。ここで、図9に示すように、このスライダー5に
は、その一方の側面に断面波形のセレーション5aが形
成されるとともに、他方の側面は凹溝3の溝底側に向け
て漸次迫り出す傾斜面状に形成されており、このスライ
ダー5の上記一方の側面とこれに対向する凹溝3の一方
の溝壁面との間には、上記セレーション5aと噛合する
セレーション6aが形成されたスペーサ6が、また上記
他方の側面とこれに対向する凹溝3の他方の溝壁面との
間には溝底側に向けて漸次幅狭となるクサビ部材7がそ
れぞれ介装されている。
【0003】また、上記切刃4は、その後端部が平坦面
8aを有する略円柱状のシャンク8bとされたバイト状
の切刃部材8の先端に設けられており、該切刃部材8
は、このシャンク8bをスライダー5の先端部に上記軸
線Oに平行に延びるように形成された断面円形の孔5b
に嵌挿させて軸線O方向に進退可能とされた上で、図1
0に示すように該スライダー5にねじ込まれた取付ネジ
9の先端が上記平坦面8aに当接してシャンク8bが孔
5b内周に押し付けられることにより、スライダー5に
固定される。さらに、この切刃部材8のシャンク8bの
後端は斜めに切り欠かれた傾斜面8cとされるととも
に、スライダー5には、先端部がこの傾斜面8cに当接
可能な円錐状とされた調整ネジ10が、この先端部を上
記孔5b内の後端側に突出させるように該孔5bに垂直
にねじ込まれており、この調整ネジ10のねじ込み量を
調整することによって切刃部材8の孔5b内における後
退位置が規定され、これにより切刃4の軸線O方向の位
置が調整可能とされている。
【0004】さらにまた、上記工具本体1内部に形成さ
れた取付孔1aには、上記軸線Oに平行に延びるキー1
1を介して該工具本体1と一体回転可能かつ上記軸線O
方向に進退可能にカップリング12が取り付けられてお
り、このカップリング12には上記母線に直交するとと
もに上記軸線Oに交差する方向に連結孔12aが形成さ
れる一方、上記凹溝3の底面には、上記取付孔1aに開
口してこの取付孔1aと凹溝3とを連通せしめる連通孔
3aが形成されている。さらに、上記スライダー5に
は、凹溝3の底面の上記連通孔3aから上記取付孔1a
内に突出してカップリング12の連結孔12aに出没自
在に嵌挿させられる連結ピン13が取り付けられてお
り、上記カップリング12を軸線O方向に進退させるこ
とにより、この連結ピン13が連結孔12aに対して出
没しながらスライダー5を凹溝3に沿って母線方向に摺
動させるので、その先端の上記切刃4もこの母線に平行
に移動させられる。
【0005】このように構成された切削工具は、図8に
示したように4サイクルエンジンのシリンダーヘッドW
のバルブステムガイド穴Gとバルブシート面Sとのバル
ブ穴の切削加工に供される。すなわち、まず穴加工工具
2を引き込んだ状態で工具本体1を軸線O回りに回転さ
せつつ前進させて、上記図示されない固定された切刃に
よりバルブシート面S外周の開口部周縁と内周のバルブ
穴奥側をそれぞれ所定のテーパ角に形成し、次いで工具
本体1を僅かに後退させてから、上記カップリング12
を進退させることにより連結ピン13を介してスライダ
ー5を上記母線方向に摺動させて、バルブシート面Sの
上記開口部周縁とバルブ穴奥側との間の部分を上記母線
に平行なテーパ面状に形成する。しかる後、上記穴加工
工具2を突出させてバルブステムガイド穴Gを所定の内
径に成形することにより、これらバルブステムガイド穴
Gとバルブシート面Sの3段のテーパ面とを正確に同軸
に形成することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このうちバ
ルブシート面Sの上記開口部周縁とバルブ穴奥側との間
のテーパ面を所定の位置に正確に形成するには、このテ
ーパ面を形成する際に上記スライダー5の先端に設けら
れた切刃4が該スライダー5の摺動と工具本体1の回転
とによって描く円錐面状の軌跡を、正確に上記テーパ面
に一致させることが必要となる。しかるに、この点、上
記従来の切削工具では、先端に切刃4が設けられた切刃
部材8のシャンク8bをスライダー5に形成された孔5
bに嵌挿させて、この切刃部材8を軸線O方向に進退可
能にスライダー5に取り付けるとともにスライダー5に
は調整ネジ10を設け、この調整ネジ10によって切刃
部材8の後退位置を規定することにより切刃4の軸線O
方向の位置を微調整して上記テーパ面の延長面上に位置
させ、この切刃4が描く円錐面上の軌跡を該テーパ面と
一致させるようにしている。
【0007】ところが、上記従来の切削工具では、この
切刃部材8の略円柱状のシャンク8bが断面円形のスラ
イダー5の孔5aに進退可能に嵌挿され、このシャンク
8bの上記平坦面8aに取付ネジ9の先端が当接してシ
ャンク8bが孔5a内周に押し付けられることにより、
該切刃部材8がスライダー5に固定されるようになされ
ている。従って、このようにシャンク8bを孔5aに進
退可能に嵌挿するにはこれらの間に極僅かでもクリアラ
ンスが必要となり、こうしてクリアランスが設けられた
シャンク8bが孔5aの内周に押し付けられることによ
り、切刃部材8は、図10に示すように専らそのシャン
ク8bの上記平坦面8aとは反対側の周面部分Pのみが
孔5a内周に密着して、この周面部分Pがなす直線部だ
けでスライダー5に保持されることとなり、このため切
刃部材8のスライダー5への取付が不安定となってがた
つきが生じ易く、上記調整ネジ10によって切刃4の軸
線O方向の位置を折角所定の位置に微調整しても十分な
加工精度を得ることが困難となるおそれがある。
【0008】本発明は、このような背景の下になされた
もので、上述のように切刃の描く円錐状の軌跡が正確に
所定の位置に配設されるように切刃の位置が微調整可能
とされた切削工具において、この切刃が設けられる切刃
部材にがたつき等を生じることなく高い取付剛性でスラ
イダーに取り付けることが可能な切削工具を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに
回転される工具本体の外周に、上記軸線に対して斜めに
摺動可能にスライダーを設け、このスライダーの先端
に、切刃を備えた切刃部材を取り付けてなる切削工具で
あって、上記スライダーと切刃部材とに断面鳩尾状の突
条とこの突条が嵌挿可能なあり溝とを形成し、上記切刃
部材を上記スライダーに対して、これら突条とあり溝と
の嵌挿方向に沿って進退させられることにより上記切刃
の位置が微調整可能、かつ上記あり溝の溝壁面と上記突
条の側面とが密着させられることによって固定可能とし
たことを特徴とする。従って、このような構成の切削工
具によれば、あり溝の溝壁面と突条の側面とが密着させ
られることにより、切刃部材とスライダーとが面同士で
接して切刃部材が保持されることとなるので、切刃部材
の取付剛性を十分に確保することができ、切削時の切刃
部材のがたつき等による加工精度の劣化を防止すること
が可能となる。
【0010】ここで、この切刃部材の切刃の位置を微調
整するには、例えば上記従来の切削工具のように切刃部
材の端部を傾斜面状に形成するとともに、この傾斜面に
当接可能な円錐状の頭部を有する調整ネジをスライダー
にねじ込み、このねじ込み量に応じて切刃部材の位置を
規定して切刃の位置を調整するようにしてもよいが、こ
の切刃部材を、上記嵌挿方向に挿通されて、該切刃部材
と上記スライダーとの一方に螺着されるとともに、他方
には回転可能に支持、または上記一方とは逆向きに捩れ
て螺着される調整ネジによって進退させることにより、
上記切刃の位置を微調整可能とすれば、この調整ネジの
ねじ込みに応じて上記嵌挿方向に沿った切刃部材の進退
両方向に切刃の位置を調整することができ、正確かつ容
易な切刃位置の微調整を図ることができる。また、特に
この場合においては、上記嵌挿方向を上記軸線に対する
径方向に延びるように設定することにより、上記調整ネ
ジもこの径方向に向けて挿通されることとなって工具本
体外周側からの調整操作が可能となるとともに、上記あ
り溝と突条もこの径方向に向けて延びるように配設され
るので、切削時に切刃部材に作用する負荷に対してもよ
り確実に切刃部材を保持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明の第1
の実施形態を示すものであるが、この実施形態の切削工
具は、スライダー21の先端部分と切刃部材22以外の
部分は上述した従来の切削工具と同様の構成を採るもの
であるので、これら以外の部分については上記従来の切
削工具と同じ符号を配して説明は省略する。なお、図2
において符号23,24で示すのは、図8ないし図10
に示した上記従来の切削工具においては図示を省略し
た、工具本体1先端の穴加工工具2(ただし、図1ない
し図3では図示が略されている。)周辺の内周側と外周
側とにそれぞれ固定された切刃である。
【0012】本実施形態において、スライダー21の先
端部には、図3に示すように工具本体1の外周側からみ
て先端側に向かうに従い漸次幅狭となって該スライダー
21の先端面21aに開口する断面鳩尾状、より厳密に
は断面等脚台形状のあり溝25が、工具本体1の軸線O
に垂直に該軸線Oに対する半径方向に延びるように形成
されるとともに、切刃部材22の後端部には、このあり
溝25に嵌挿可能な断面鳩尾状、より厳密にはやはり断
面等脚台形状の突条26が形成されており、従って本実
施形態ではこのあり溝25が延びる上記半径方向(図1
および図2においては上下方向、図3においては図面に
直交する方向)がこれらあり溝25と突条26との嵌挿
方向とされる。なお、上記あり溝25が開口するスライ
ダー21の先端面21aと突条26が形成される切刃部
材22の後端側を向く面22aとは、工具本体1への取
付状態においてともに軸線Oに垂直となる平坦面とされ
ている。
【0013】また、スライダー21においてあり溝25
の溝底部分には、上記嵌挿方向に直交する断面が該溝底
に開口するU字状をなす凹所27が、スライダー21の
内周側を向く側面21bから外周側に向けて上記嵌挿方
向に所定の幅で形成されるとともに、スライダー21の
工具外周側を向く側面からこの凹所27の底部にかけて
は、上記嵌挿方向に向けて断面円形の貫通孔28が形成
されており、さらに切削時の工具本体1の回転方向T側
を向くスライダー21の側面からこの貫通孔27に向け
ては、該貫通孔28の断面がなす円の接線方向に延びて
この貫通孔28の内周に開口するようにピン孔29が形
成されている。さらにまた、このスライダー21の回転
方向T側を向く側面から上記あり溝25にかけては一対
の取付孔30,30が、またこの側面とは反対のスライ
ダー21の回転方向T後方側を向く側面からあり溝25
にかけては一対の取付ネジ孔31,31が、それぞれ平
行に上記嵌挿方向に並ぶように、かつ各々の取付孔30
と取付ネジ孔31とが互いに該嵌挿方向に垂直で上記先
端面21aに平行な方向に同軸となるように形成されて
いる。
【0014】一方、本実施形態における切刃部材22に
おいては、図4に示すようにその先端部に形成されたチ
ップ取付座32に、超硬合金等の硬質材料により形成さ
れた三角形平板状のスローアウェイチップ33が取り付
けられて切刃34が備えられている。すなわち、このス
ローアウェイチップ33は、そのすくい面とされる一方
の三角形面を軸線Oと上記嵌挿方向とに平行にして上記
回転方向T側に向け、かつこの三角形面の1つのコーナ
部を工具先端外周側に突出させてチップ取付座32に着
座させられた上で、クランプ駒35によって切刃部材2
2に着脱可能に取り付けられており、このスローアウェ
イチップ33の上記1のコーナ部に形成された切刃34
によってバルブシートSの開口部周縁とバルブ穴奥側と
の間の部分の加工が行われる。
【0015】ここで、この切刃部材22の上記後端側を
向く面22aから突条26の後端面までの突出高さは、
上記あり溝25の溝深さよりも僅かに小さくされ、この
突条26の後端面にはさらに、該突条26をあり溝25
に嵌挿して切刃部材22をスライダー21先端に取り付
けた状態において上記凹所27に収容可能な凸部36が
形成されている。この凸部36は、上記嵌挿方向に直交
する断面が上記凹所27よりも一回り小さな凸U字状を
なすとともに、その嵌挿方向の幅は、凹所27の上記側
面21bからの嵌挿方向の幅よりも小さく、上述の取付
状態において凹所27内で所定の範囲で上記嵌挿方向に
進退可能な大きさとされており、さらにこの凸部36に
は、上記取付状態においてスライダー21の貫通孔28
と同軸となるように調整ネジ孔37が形成されている。
さらに、上記突条26には、やはり上記取付状態におい
てスライダー21の取付孔30,30および取付ネジ孔
31,31にそれぞれ連通可能とされた一対の貫通孔3
8,38が上記嵌挿方向に並ぶように形成されている。
ただし、この貫通孔38は、その内径が上記取付ネジ孔
31の内径よりも大きくされるか、あるいは上記嵌挿方
向に延びる断面長孔状に形成されている。
【0016】このように形成された切刃部材22は、上
記側面21b側から凸部36を凹所27に収容しつつ突
条26をあり溝25に嵌挿することによりスライダー2
1の先端部に装着され、さらに上記取付孔30,30か
ら挿入した取付ボルト39,39を貫通孔38,38を
通して取付ネジ孔31,31にねじ込むことにより、ス
ライダー21に取り付けられる。さらに、スライダー2
1の上記貫通孔28には調整ネジ40が上記嵌挿方向に
挿入されて、その先端外周部に形成された雄ネジ部40
aが凸部36の調整ネジ孔37に螺着されており、ま
た、この調整ネジ40の後端側外周部には断面円弧状の
環状溝40bが形成されていて、この環状溝40bを上
記ピン孔29の位置に合わせた上でこのピン孔29にピ
ン41を挿着することにより、調整ネジ40はスライダ
ー21に回転可能に支持される。なお、この調整ネジ4
0の工具外周側に露出する後端面には六角レンチ等の工
具に係合可能な係合孔部が形成されている。
【0017】このように構成された切削工具において、
上記切刃34の位置を微調整して、工具本体1の回転と
スライダー21の摺動とによるその円錐面状の回転軌跡
を加工すべきバルブシート面Sがなすテーパ面に一致さ
せるには、取付ボルト39,39を僅かに緩めた状態で
調整ネジ40を回転させればよい。しかるに、この調整
ネジ40はスライダー21に回転可能に支持されるとと
もに切刃部材22にはその先端の雄ネジ部40aが凸部
36の調整ネジ孔37に螺着されていて、この調整ネジ
40の回転により、切刃部材22は、上記雄ネジ部40
aと調整ネジ孔37とのネジピッチに応じて突条26が
あり溝25に案内されるようにして、凸部36が凹所2
7内で移動可能な範囲内、または貫通孔38の内周に取
付ボルト39が当接するまでの範囲内で、スライダー2
1に対して上記嵌挿方向に進退させられ、これに伴い切
刃34もこの嵌挿方向すなわち軸線Oに対する径方向に
進退させられるので、上記切刃34が上記バルブシート
面Sがなすテーパ面と一致した円錐面上に達したところ
で上記取付ボルト39,39を締め付け直して切刃部材
22を固定すれば、工具本体1の回転とスライダー21
の摺動とによって所定のバルブシート面Sの加工を行う
ことが可能となる。
【0018】しかして、上記構成の切削工具では、この
ように取付ボルト39,39を締め付けて切刃部材22
を固定する際に、あり溝25の内側を向く溝壁面同士が
突条26の外側を向く側面に密着して切刃部材22が保
持されることとなるので、従来の切削工具のように切刃
部材が直線部のみでスライダーに保持されるのに比べ
て、取付剛性を十分に確保して着座安定性を大幅に向上
させることができ、切削時の負荷などによってこの切刃
部材22にがたつきが生じたりするのを防いで高い加工
精度を得ることが可能となる。しかも、これらあり溝2
5と突条26とは互いに嵌挿可能な鳩尾状に形成されて
いるので、こうしてあり溝25の壁面が突条26の側面
に密着することにより切刃部材22をスライダー21側
に引き込む力が生じ、これによってスライダー23の先
端面23aに切刃部材22の後端側を向く上記面22a
が押し付けられることとなるので、この切刃部材22の
取付剛性を一層向上させることができる。
【0019】また、本実施形態では、上述のようにスラ
イダー21に回転可能に支持された調整ネジ40の雄ネ
ジ部40aが切刃部材22の調整ネジ孔37に螺着され
ていて、この調整ネジ40の回転によって切刃部材22
が上記嵌挿方向に進退して切刃34の位置が微調整可能
とされており、上記従来の切削工具のように切刃部材の
後退位置を規定するだけでなく、上記嵌挿方向の進・退
いずれの向きにも切刃34の微調整が可能であるので、
この微調整作業が容易であるとともに、切刃部材22を
直接的に進退させて調整を行うため、より正確な調整を
行うことができる。なお、本実施形態ではこのように、
スライダー21に回転可能に支持された調整ネジ40を
切刃部材22に螺着するようにしているが、これとは逆
に切刃部材に調整ネジを回転可能に支持してスライダー
に螺着させるようにしてもよい。一方、上記あり溝と突
条についても、本実施形態とは逆にスライダー側に断面
鳩尾状の突条を形成するとともに、切刃部材側にはこの
突条が嵌挿可能なあり溝を形成するようにしてもよい。
【0020】さらに、本実施形態では、これらあり溝2
5と突条26との嵌挿方向が工具本体1の軸線Oに対す
る径方向に設定されており、従って特に上述のようにこ
の嵌挿方向に挿通される調整ネジ40によって切刃34
の微調整を行う場合には、この調整ネジ40も軸線Oに
対する径方向に挿通されることとなって、工具外周側か
らの調整ネジ40の回転操作により切刃34の微調整が
可能となり、例えば上記嵌挿方向を軸線Oに平行に設定
した場合に工具先端側から操作を行わなければならなく
なるのに比べ、調整作業を一層容易とすることができ
る。その一方で、こうして上記嵌挿方向が軸線Oに対す
る径方向に設定されることにより、切刃34に作用する
切削負荷のうち最も大きな主分力の方向に対して垂直に
上記あり溝25および突条26が延びるように配設され
ることとなるので、例えばこの嵌挿方向を工具本体1の
軸線Oを中心とした円の接線方向に設定した場合などに
比べて、この負荷に対する一層高い取付剛性を切刃部材
22に与えることが可能となる。また、本実施形態では
切刃部材22の凸部36を収容する凹所27がスライダ
ー21の内周側を向く側面21Bに開口させられている
ので、切削時に生成された切屑がこの凹所27に入り込
んだりし難いという利点も得られる。
【0021】次に、図5ないし図7は、本発明の第2の
実施形態を示すものであり、図1ないし図4に示した第
1の実施形態の切削工具や図8ないし図10に示した従
来の切削工具と共通する部分には、やはり同一の符号を
配して説明を省略する。この第2の実施形態において
は、スライダー21のあり溝25の溝底部分に形成され
る凹所51が、スライダー21の外周側を向く側面21
cに開口して、あり溝25と突条26との嵌挿方向、す
なわち軸線Oに対する径方向に、内周側に向けて所定の
幅で形成されるとともに、切刃部材22の突条26の後
端部の凸部52もこの突条26の外周側に互いの側面を
面一として形成されており、この切刃部材22が、上記
側面21c側から凸部52を凹所51に収容しつつ突条
26をあり溝25に嵌挿することにより、スライダー2
1の先端部に装着されるようになされている。
【0022】また、本実施形態では、この切刃部材22
の凸部52には上記嵌挿方向に沿って調整ネジ孔53が
形成される一方、スライダー21の凹所51の外周側を
向く壁面にも調整ネジ孔54がこの調整ネジ孔53と同
軸となるように形成されているが、これらの調整ネジ孔
53,54はそのネジの捩れの向きが逆向きとなるよう
にされている。そして、上述のように凸部52を凹所5
1に収容して突条26をあり溝25に嵌挿した状態で、
これらの調整ネジ孔53,54には、調整ネジ55が上
記嵌挿方向に挿通されてその両端に形成された互いに逆
向きに捩れる雄ネジ部55a,55bがそれぞれ螺着さ
れている。また、この調整ネジ55の工具外周側に露出
する後端面にも、六角レンチ等の工具に係合可能な係合
孔部が形成されている。
【0023】従って、このような第2の実施形態の切削
工具においても、この係合孔部に上記工具を係合させて
調整ネジ55を回転させることにより、その回転方向と
互いに逆向きに捩れる上記調整ネジ孔53,54および
雄ネジ部55a,55bとによって切刃部材22が上記
嵌挿方向に進退させられ、その先端の切刃34の径方向
の位置が微調整されるとともに、取付ボルト39,39
を締め付けることによってあり溝25の溝壁面が突条2
6の側面に密着して切刃部材22が固定されるので、上
記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。ま
た、本実施形態ではこの切刃部材22のスライダー21
先端への着脱が外周側からの操作によって可能であるの
で、この切刃部材22を交換する場合などでもスライダ
ー21を工具本体1から取り外したりする必要がなく、
作業が容易であるといった利点も得られる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上述のような切刃の位置が微調整可能とされた切削工具
において、切刃部材をスライダーに断面鳩尾状の突条と
この突条が嵌挿可能なあり溝とによって取り付けること
により、切刃部材の取付剛性を十分に確保して安定した
着座性を得ることができ、切刃部材のがたつき等を防い
で切刃が確実に所定の円錐面状軌跡を描くようになすこ
とが可能となるので、加工精度の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す工具本体1の
先端部の断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態を先端側からみた正面図
である。
【図3】 図1における矢線X方向視の側面図である。
【図4】 図1に示す実施形態における切刃部材22の
(イ)先端側からみた正面図、(ロ)回転方向T側から
みた平面図、(ハ)工具外周側からみた側面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態を示す工具本体1の
先端部の断面図である。
【図6】 図5に示す実施形態の側面図である。
【図7】 図5に示す実施形態における切刃部材22の
(イ)先端側からみた正面図、(ロ)回転方向T側から
みた平面図、(ハ)工具外周側からみた側面図である。
【図8】 従来の切削工具、および該切削工具によって
エンジンのシリンダーヘッドWのバルブ穴を加工する場
合を示す断面図である。
【図9】 図8におけるYY断面図である。
【図10】 図8におけるZZ断面図である。
【符号の説明】
1 工具本体 21 スライダー 22 切刃部材 25 あり溝 26 突条 34 切刃 39 取付ボルト 40,55 調整ネジ O 工具本体1の軸線 T 切削時の工具本体1の回転方向 W シリンダーヘッド S バルブシート面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金星 彰 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内 Fターム(参考) 3C046 LL02 PP03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される工具本体の外周
    に、上記軸線に対して斜めに摺動可能にスライダーが設
    けられ、このスライダーの先端に、切刃を備えた切刃部
    材が取り付けられてなる切削工具であって、上記スライ
    ダーと切刃部材とには断面鳩尾状の突条とこの突条が嵌
    挿可能なあり溝とが形成されており、上記切刃部材は上
    記スライダーに対して、これら突条とあり溝との嵌挿方
    向に沿って進退させられることにより上記切刃の位置が
    微調整可能、かつ上記あり溝の溝壁面と上記突条の側面
    とが密着させられることによって固定可能とされている
    ことを特徴とする切削工具。
  2. 【請求項2】 上記切刃部材が、上記嵌挿方向に挿通さ
    れて、該切刃部材と上記スライダーとの一方に螺着され
    るとともに、他方には回転可能に支持、または上記一方
    とは逆向きに捩れて螺着される調整ネジによって進退さ
    せられることにより、上記切刃の位置が微調整可能とさ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 【請求項3】 上記嵌挿方向が上記軸線に対する径方向
    に延びるように設定されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の切削工具。
JP2000104823A 2000-04-06 2000-04-06 切削工具 Withdrawn JP2001287105A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000104823A JP2001287105A (ja) 2000-04-06 2000-04-06 切削工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000104823A JP2001287105A (ja) 2000-04-06 2000-04-06 切削工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001287105A true JP2001287105A (ja) 2001-10-16

Family

ID=18618305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000104823A Withdrawn JP2001287105A (ja) 2000-04-06 2000-04-06 切削工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001287105A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7004692B2 (en) Rotary cutting tool
EP1296791B1 (en) Rotatable tool having a replaceable tip at the chip removing free end of the tool
US5425603A (en) Shell end mill
US6280122B1 (en) Milling tool with precisely positionable inserts
JPH0790409B2 (ja) さら穴等工作回転カッタ
JP2008512260A (ja) 切削インサートおよび切削工具
JP2017536253A (ja) 切りくず除去式機械加工用工具および切削インサート
JP2001287105A (ja) 切削工具
JPS6210037Y2 (ja)
US5482412A (en) Cutting tool
JP2592806Y2 (ja) 面取り刃付きドリル
JP2001150218A (ja) 回転切削工具
JPH0325846Y2 (ja)
JPH10296515A (ja) スローアウェイ式切削工具
JP3565074B2 (ja) 切削工具
JP2841167B2 (ja) センターリング用切削工具
JP3269462B2 (ja) 切削工具
JP2893975B2 (ja) スローアウエイ式カッター
JPH1110435A (ja) スローアウェイ式転削工具
JP3282601B2 (ja) 切削工具
JP2003225811A (ja) 切削工具
JPH0561046B2 (ja)
JPH0550305A (ja) 切削工具
JP4207391B2 (ja) 切削工具
JPH0615914U (ja) ドリルの保持機構

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703