JP2001286061A - 無効電力直列補償器用コントローラ - Google Patents

無効電力直列補償器用コントローラ

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JP2001286061A JP2000276214A JP2000276214A JP2001286061A JP 2001286061 A JP2001286061 A JP 2001286061A JP 2000276214 A JP2000276214 A JP 2000276214A JP 2000276214 A JP2000276214 A JP 2000276214A JP 2001286061 A JP2001286061 A JP 2001286061A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補償器端子出力電圧における高調波の発生を
低減し、かつ、それでいてゼロ電圧を回避することが可
能な無効電力直列補償器用コントローラを得る。 【解決手段】 電流コントローラ(20)は、所望の補
償器端子出力電圧(uc)を示す制御電圧(ccout)を
出力する。制御方法選択手段(SS)は、低出力電圧領
域では、電圧制御ループ用の一定の基準電圧
(uDC ref)と、変調信号m=mdcos(ωt)−mq
sin(ωt)の可変変調指数mqとを生成する。高出
力電圧範囲では、制御方法選択手段(SS)は一定の変
調指数mqと可変基準電圧(uDC ref)を出力する。電圧
コントローラ(16)は、変調信号mの変調指数md
出力する。さらに、制御方法選択手段(SS)は基準電
圧(uDC ref)の変化率を制限するレートリミッタ(2
35、265、343)を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電力送電線に補償器
端子により直列挿入された無効電力直列補償器を制御す
る制御装置に関する。一般に、この種の変圧器なし無効
電力直列補償器において、補償器から送電線に印加され
た線電流、及び/又は、電圧を制御するためにインバー
タ制御が実施される。電圧/電流制御は送電線の一端か
らもう一方の端への電力流の制御、および、補償器端子
における補償器電極出力電圧を供給するコンデンサを充
電するために補償器のインバータへの電力流入の実施を
可能化する。
【0002】一般に、以下に更に詳細に説明するよう
に、線電流の無効部分と有効部分をそれぞれ制御するた
めに、電流フィードバック制御ループ及び電圧フィード
バック制御ループが用いられる。そのために、インバー
タのPWM制御がこれに基づいて実施される変調信号は
特定位相の正弦波信号である。変調信号の振幅および位
相を調節すると、電力制御の実施を可能にする。
【0003】このような制御ループを用いることで、補
償器の出力電圧を、一定の直流電圧で変調指数によって
制御することができる。あるいは、出力電圧は、パワー
エレクトロニクスとその応用に関する第8回欧州会議
(EPE)の講演論文集、Lausanne、1999
年、「Hybrid transformerless
reactive series compensat
ors」(ハイブリットトランスレス無効電力直列補償
器)(この論文の第8頁を参照のこと)のように、一定
の変調指数のみを用いて、直流電圧によって制御可能で
ある。しかし、一定の直流電圧を用いると、基本成分が
直流電圧よりも小さい場合でさえも、インバータによる
高調波の送電線への注入を減少することができない。さ
らに、一定の変調指数制御を用いると、有効電圧が送電
線に十分に注入されえないため、直流電圧の制御性がゼ
ロ又は非常に低い直流電圧領域において劣化する。した
がって、この方法は、全域動作に適用することが不可能
である。さらに、上述した2つの異なる制御方法では、
インバータのスイッチング素子のスイッチング損失、及
び補償器の直流コンデンサの漏洩損失のような直流電圧
依存性損失を低減することも難しい。
【0004】本発明は、特に、電流及び電圧制御ループ
を含むコントローラによって制御される補償器による高
調波の注入をどのようにして低減することができるかと
いうことに関する問題を検討する。本発明はまた、その
他の上述した問題を検討するものである。
【0005】以下、最初に変圧器なし無効電流直列補償
器と、補償器を制御するための、電流及び電圧制御ルー
プを備えたコントローラの概略的な背景について説明す
る。
【0006】
【従来の技術】近年、融通性交流送電システム(FAC
TS)用電力電子装置が研究され、実用系統へ適用され
ている。変圧器なし無効電力直列補償器はこれらの装置
の1つであり、上述したように電力流制御を実施するた
めに効果的である。変圧器なし無効電力直列補償器は変
圧器を含まないので、そのサイズが小さく、かつ有利に
使用できる。
【0007】図1および図2は、それぞれインダクタン
スLACおよび抵抗RACを持つ送電線2a、2bを介して
相互に干渉する2つの交流電力系統1a、1bを含む送
電系統の一般的な構成を示す。図1および図2に示すよ
うに、送電系統は単相システム又は3相システムであ
る。単相システムにおいては、ただ1つの直列補償器3
を装備することが必要であるが、3相システムにおいて
は、図2に示すように、複数の直列補償器3がそれぞれ
直列に挿入される。参照番号3a、3bはそれぞれ、そ
れぞれの1つ又は複数の直列補償器が直列挿入されてい
る端子を示す。
【0008】図3に示すように、一般的な直列補償器3
は、起動スイッチ4、フィルタ12、インバーター7、
直流コンデンサCDC、制御手段C、鋸歯波ゼネレータ1
0、変調信号生成手段11を含む。インバーター7は、
制御手段Cによって出力されるPWM制御信号SW5a
SW5b、SW5c、SW5dによって各々制御される4つの
サイリスタ5a、5b、5c、5dを含む。
【0009】用語「サイリスタ」とは、一般に、図3に
示すように、その導通を遮断することが制御不可能な装
置であるが、インバータ用にはPWMが用いられるの
で、ゲート遮断型サイリスタが用いられる。GTO(ゲ
ートターンオフサイリスタ)、GCT(ゲート転流サイ
リスタ)、IGBT(絶縁ゲート双極式トランジスタ)
は一般に図3に示す種類のスイッチング電力素子として
使用することが可能であるので、今後、用語「サイリス
タ」は、全てのこの種スイッチング電力素子を含むもの
と仮定する。
【0010】各サイリスタは、逆並列に接続されたダイ
オード6a、6b、6c、6dを有する。フィルタ12
は、インバータ7のPWM制御によって生成する更に高
次の高調波を濾波するための2つのリアクタ9b、9a
及び1つのコンデンサ8を含む。フィルタ端子は、サイ
リスタ5a、5bとダイオード6a、6b、及び、サイ
リスタ5c、5dとダイオード6c、6dのそれぞれの
相互接続部へ接続される。直流コンデンサCDCは、サイ
リスタ及びダイオードのもう一方の端子に接続される。
【0011】直列補償器3の回路構成は従来型であり、
例えば、同一出願者による欧州特許出願No.9811
6096.3、No.98106780.4及びNo.
99124851.9に開示済みである。特に、これら
2つの特許出願は、直列補償器3の起動および停止制
御、並びに、非干渉制御について記述している。
【0012】インバータ7のPWM制御は、主として図
4のダイアグラムに示すように実施される。図3におけ
る変調信号生成手段11は正弦波変調信号mを生成し、
鋸歯波ゼネレータ10は2鋸歯搬送信号cs1、cs2
を出力する。PWM制御信号SW5a、SW5dは、変調
信号mをそれぞれの搬送信号cs1、cs2と比較する
ことにより生成される。すなわち、変調信号振幅が搬送
波信号cs1振幅より大きい場合には、PWMスイッチ
ング信号SW5aがオンであり、変調信号振幅の方が小さ
い場合にはオフである。同様に、変調信号の振幅が反転
された搬送波信号cs2より大きい場合には、もう一方
のPWMスイッチング信号SW5dはオンからオフへ切り
替えられる。PWM信号SW5a、SW5dは、サイリスタ
5a、5dをトリガするために使われる。勿論、同様の
制御がサイリスタ5b、5cにも適用されるが、説明を
簡単にするためにここで記述しないことに注意された
い。
【0013】直流コンデンサCDCがuDCに充電されるも
のと仮定すれば、接続端子3a、3bにおける出力電圧
cは図4のグラフ底部に示すような波形となる。変調
信号、及び/又は、搬送波信号の振幅を変えることによ
り、及び/又は、変調信号、及び/又は、搬送波信号の
位相を変えることによって異なる波形の出力電圧u
c(以後、インバータ端子電圧または補償器出力電圧と
も称する)が達成されることが理解されるはずである。
図4と図3を比較すると、出力電圧ucは実質的に端子
3a、3bに供給される電圧であることが理解できる。
【0014】図4から、端子電圧ucはインバータ7の
PWM制御に起因して変化するかのように見えるが、線
インピーダンスLACによる干渉効果を介して電流と電圧
はリンクしているので、勿論、線電流iも同様に変化す
るはずである。ここで、PWM制御が線電圧および線電
流に同時に及ぼす影響について説明することとする。
【0015】電流および電圧制御を説明するために必要
な図3の本質的な部分の概要ダイアグラムを図5に示
す。図6は、図5に関する原理フェーザダイアグラムを
示す。図1の場合と同様に図5においても、補償器3
は、交流電力系統1a、1bに接続されている送電線2
a、2b間に直列的に接続される。電流制御と電圧制御
の位相関係について説明するためには、勿論図5の場合
にも線インピーダンスRACは同様に存在することは理解
しなければならないが、線インピーダンスRACについて
明白に考察する必要はない。参照番号7で示すブロック
を用いてインバータ制御について概略的に説明すること
とする。変調信号mはPWM制御を実施するために供給
される。uLは線インピーダンスLACの結果として発生
する電圧であり、iは線電流であり、iDCは直流コンデ
ンサCDCを流れる電流であり、uDCは直流コンデンサC
DCの電圧であり、ucは直列補償器3の出力電圧であ
る。更に、uxは、交流供給源間の差電圧に相当する架
空電圧である。説明を簡単にするために、位相関係に関
する限り、スイッチング損失、コンデンサの漏洩損失、
及び/又は、直流フィルタの損失を含む直流側における
漏洩コンダクタンス、即ち、直流コンデンサCDCに対し
て実質的な並列抵抗は考慮する必要がない。
【0016】図6は原理フェーザダイアグラムを示し、
図5に関して説明の対象となる電圧をその中に示す。補
償器3は、直流コンデンサ電圧uDCを用いて、限られた
振幅をもつ任意の位相の出力電圧ucを出力することが
できる。図7(a)、(b)、(c)はそれぞれ、線電
流iの制御に際して補償の無い場合、容量性作動する場
合、誘導性作動する場合を示す。即ち、補償器3がゼロ
電圧ucを線(ライン)に注入する場合、インダクタン
ス電圧uLは架空電圧ux(図7(a))と同じである。
この場合、線電流iは、インダクタンス電圧uLに対し
て90°位相遅れをもって送電線を通る電流である。
【0017】補償器3が線電流iに対して90°進んだ
容量性電圧ucを注入する場合、インダクタンス電圧uL
は増大し、従って、線電流iも増大する(図7
(b))。
【0018】他方、補償器3が誘導電圧を線(ライン)
に注入する場合(ucはインダクタンス電圧uLと同位相
である)、インダクタンス電圧uLは減少し、従って、
線電流iも減少する(図7(c))。従って、補償器3
の第1目的は、補償器3によって出力される電圧により
(補償器出力電圧ucの振幅および位相により)線電流
iを制御(増加/減少)可能にすることにある。更に、
勿論、当業者は、単相に関して上述した事を、3相シス
テムに対して同じ仕方において実現する。
【0019】勿論、図7に示す制御は、そうでなければ
線(ライン)への電圧注入は不可能なはずであるので、
直流コンデンサCDCが所定電圧uDCまで充電された場合
に限り、実施可能である。蓄電池または別の電源を使用
する代わりに、線(ライン)から直流コンデンサCDC
流入する電力流が実施されるように、補償器3を同様に
制御することは有利である。この種の線(ライン)から
コンデンサへの充電または有効電力流については、図8
及び図9を参照して説明することとする。
【0020】既に述べたように、直流コンデンサCDC
充電には、送電線2a、2bからインバータ7を介して
直流コンデンサCDCへの有効電力を必要とする。電力系
統1a、1bから有効電力を取るには、補償器3が印加
交流電圧ucの有効成分を直流コンデンサCDCに供給し
なければならない。
【0021】定常状態においては、図7(c)に関して
既に説明し、同様に図8(a)にも示すように、補償器
3は、線電流iに対して90°の位相差を持つ無効電圧
cを出力する。この状況は、図8(a)および図8
(c)に示すように、充電制御の初期状態および最終状
態に存在する。
【0022】有効電力を取り入れるために、補償器3が
短期間に亙って有効成分を出力する場合、図8(b)に
示すように、インダクタンス電圧も過渡的に変化する。
過渡インダクタンス電圧はdi/dt成分およびωLi
成分を含む。di/dt成分の生成に際して、ωLi成
分が影響される。次に、ωLi成分の変動はdi/dt
成分に影響し、図8(b)に示すように、線電流は揺動
状態で変動する。従って、充電プロセスはコンデンサ電
圧に影響するだけでなく、線電流にも影響する。電流お
よび電圧の動的動作を考察することから理解されるよう
に、理由は線インダクタンスLACを介する干渉効果であ
る。
【0023】すなわち、インダクタンスLACの電圧方程
式は次のように表される。
【0024】
【数1】
【0025】ここに、LAC、i、uACはそれぞれ線イン
ダクタンス、線電流、インダクタンス電圧である。次式
(1.2)及び(1.3)に示すように定常状態条件に
おいて、その周波数がωであるような回転基準フレーム
が導入された場合においては、
【0026】
【数2】
【0027】
【数3】
【0028】電圧方程式(1.1)は、次のように成分
方程式に分解可能である。
【0029】
【数4】
【0030】
【数5】
【0031】図8(b)に示すように、Ud(印加電圧
の有効部分)が変化すると、Id(電流の有効部分)も
変化し、Iq(電流の無効部分)も同様に影響される。
【0032】直流電圧に対する線電流制御の干渉を図9
に示す。線電流制御による補償器電圧の無効成分の急速
な変化は、インダクタ電圧のdi/dt成分を生成す
る。従って、線電流フェーザiは最初の変化の方向に向
かって動く。次に、ωLi成分およびdi/dt成分
は、干渉が反対向きであることを除いて同じメカニズム
により相互に影響する。その結果として、線電流は変動
し、かつ補償器電圧と同位相成分である有効成分を含
む。この段階において、図9(b)に示すようにこの有
効成分は、送電線から直流コンデンサCDCへ過渡状態に
おける有効電力流を生じさせる。ただし、線電流が制御
される場合には、明らかに線電流制御により直流電圧も
影響を受ける。
【0033】図5,6、7、8、9についての記述から
理解されるように、直列補償器用コントローラの主目的
は、図7に示すように線電流を増加/減少させるような
制御を実施し、図8、図9に示すように、有効電力が直
流コンデンサCDCに流入することを可能にすることによ
って直流コンデンサCDCを充電することにある。この種
のコントローラについて以下に説明することとする。
【0034】従来技術における電流および電圧制御 図10および図11はそれぞれ単相および3相システム
用コントローラを示す。実質的に電流ループ及び電圧ル
ープを有するこの種コントローラは、パワーエレクトロ
ニクスとその応用に関する第8回欧州会議(EPE)の
講演論文集、Lausanne、1999年、頁1−1
0「Hybrid transformerless
reactive series compensat
ors」(ハイブリットトランスレス無効電力直列補償
器)を典拠としてよく知られている。図10を参照しな
がら単相システムの原理制御方式について以下に説明す
ることとする。
【0035】直列補償器3の構成は、図3又は図5,6
に関して既に説明したとおりである。それは、補償器端
子3a、3bにおいて、送電線2a、2bに直列接続さ
れる。補償器3は変調信号mによって制御される。電流
センサ24は線電流iを感知し、電圧センサ26は直流
コンデンサ電圧uDCを感知する。
【0036】電流と電圧の間には次の方程式によって表
される次の関係が存在する(この場合には線抵抗RAC
含まれる)。
【0037】
【数6】
【0038】
【数7】
【0039】方程式(1.2)及び(1.3)の場合と
同様に、定常状態における基準フレームωを再度導入す
ることにより、次式が得られる。
【0040】
【数8】
【0041】
【数9】
【0042】
【数10】
【0043】勿論、当業者は、これらの方程式が、たと
えば、i=Re[(id+jiq)ejωt]のような複
素数平面におけるフェーザ式と同じであることを理解す
る。方程式(2.3)〜(2.5)を方程式(2.1)
に挿入することにより、次の方程式が得られる。
【0044】
【数11】
【0045】回転基準フレームωにおける交流電流の動
方程式を求めるために、三角関数の係数が次のように導
出される。
【0046】
【数12】
【0047】
【数13】
【0048】方程式(2.7)および(2.8)はそれ
ぞれ電流動特性を表す。交流辺と直流辺の電力均衡を用
いて、方程式(2.2)における直流電圧動特性は交流
電流現行力学に関係付けることができる。勿論、補償器
3の出力端子端3a、3bにおける出力電圧ucはイン
バータ7に適用された変調mに直接関係する。従って、
原理的には、補償器3の出力電圧ucは変調信号mとの
間に次の関係を有する。
【0049】
【数14】
【0050】再び、基準フレームωを導入し、基準フレ
ームをm=mdcos(ωt)−mqsin(ωt)とし
て変調信号にも適用すれば、振幅に関して次の関係が存
在しなければならない。
【0051】
【数15】
【0052】
【数16】
【0053】方程式(2.10)および(2.11)を
方程式(2.7)および(2.8)に挿入することによ
り、次式が得られる。
【0054】
【数17】
【0055】
【数18】
【0056】補償器の瞬間的な交流有効電力PAC=uC
*iおよび直流電力PDC=UDC*iD Cは、コンバータに
おける損失の無い状態の下では平衡していなければなら
ないので、直流電流は次式で表される。
【0057】
【数19】
【0058】ここに、△iDCは、単相における交流電力
の変動に起因する電流変動を表す。△IDCは次式で表さ
れる。
【0059】
【数20】
【0060】従って、方程式(2.14)を方程式
(2.2)に代入することにより、直流電圧動特性は次
式(2.16)の方程式を得ることができる。
【0061】
【数21】
【0062】前述の方程式で特に方程式(2.12)お
よび(2.13)は、交流電流(i dおよびiq)及び直
流電圧(uDC)は、変調指数mdおよびmqを介して得ら
れる変調信号(mdおよびmq)を介して実際に制御可能
であることを示す。同様に、方程式(2.16)も、こ
れが可能であることを示す。
【0063】図10に示すように、基本コントローラ
は、システム内の2つのフィードバック制御ループで構
成され、ここに一方は交流電流振幅制御であり、もう一
方は直流電圧制御であって、これらは、一連の方程式で
導出された変調指数に基づく。無効電力直列補償器は定
常状態における無効電力だけが制御可能であり、交流電
流におけるq軸成分は位相ロックループ18によってゼ
ロに保持されるので、m qは誘導性および容量性電圧と
関係があり、交流線電流振幅を制御するために用いられ
る。mdは有効電力に関係し、方程式(2.16)にお
けるiq=0において唯一の利用可能な信号であるの
で、直流電圧はmdによって制御される。
【0064】図10は直列補償器の基本制御のブロック
図を示す。このコントローラは、振幅検出器21を有す
る電流コントローラ20、フィルタ15を有する直流電
圧コントローラ16、電流位相検出器(PLL)18、
座標変換ユニット14、及び、直流電圧変動補償手段1
3による直流電圧変動補償から構成される。
【0065】原則として、図10に示すコントローラ
は、前述の方程式(2.12)、(2.13)、(2.
16)によって規定された制御を実施する。振幅検出器
21は、電流検出器24によって感知された線電流iの
電流振幅を検出する。参照番号22は、振幅検出器の出
力値idからコマンド値id refを減算する減算器を示
す。参照番号20は、例えば変調信号の実数部分mq
出力するPIまたはPIDコントローラのような電流コ
ントローラを示す。
【0066】参照番号15は、基本周波数の第2高調波
を濾波するフィルタを示す。参照番号19は、電圧コマ
ンドuDC refからフィルタ15の出力を減算する減算器
を示す。参照番号16は直流電圧コントローラ、即ち、
変調信号mの虚数部分mdを出力するPIまたはPID
コントローラを示す。
【0067】既に説明したように、参照番号18は、電
流検出器24によって検出された線電流iの位相にロッ
クされた基準信号sin(ωt)、cos(ωt)を出
力する位相検出器(例えば位相ロックループPLL)を
示す。既に説明したように、基本的に、無効電力直列補
償器3は無効電圧ucを出力し、従って、場合によって
は、制御システムが交流線電流iの位相に関する入力を
必要とする。図10に示す単相システムにおいて、交流
電流iを利用した位相の直接測定が用いられる。位相検
出器18は、位相の三角関数を生成する位相ロックルー
プPLLを含む。
【0068】参照番号14は、変調信号mの実数および
虚数部分mq、mdに基準信号cos(ωt)、sin
(ωt)をそれぞれ乗算する第1および第2乗算器14
a、14bを含む座標変換手段を示す。参照番号14c
は、第2乗算器14bの出力から第1乗算器14aの出
力を減算する減算器を示す。出力は複素数信号であり、
変調信号m0である。
【0069】参照番号13は、既に言及したように、乗
算器13aおよび除算器13bを含む直流電圧変動補償
手段を示す。乗算器13aは、減算器14cからの出力
信号に除算器13bからの出力を乗算し、変調信号mを
出力する。除算器13bは、フィルタ15からの出力を
フィルタ15の入力によって除算する。フィルタ15及
びユニット13を使用すると高調波の影響を有利に軽減
できるが、これらは任意装備品である。
【0070】前述のユニットは、感知された電流iおよ
び感知された直流コンデンサ電圧u DCに基づく電流およ
び電圧に関する2つの制御ループを形成する。
【0071】電流制御ループはフィードバック制御を用
いて交流電流の振幅を制御するためにq軸変調指数mq
を出力する。電流コントローラ20は、測定した電流振
幅idが基準値よりも大きい場合、一層小さい電流作動
点へ移動するように、正方向におけるmqを修正する。
測定した電流振幅idが基準値より小さい場合には、反
対方向に演算が実施される。従って、電流コントローラ
20直前の減算器22は、基準信号id refに対しては負
記号をもつ。振幅検出器21は、単相補償器に対して
は、ピーク検出器および整流器等であることが好まし
い。
【0072】一方、電圧コントローラ16は、補償器3
の直流電圧を制御するために、変調信号mの有効成分m
dを出力する。直流電圧が低下すると、電圧コントロー
ラ16は、補償器3の交流電圧の有効電力成分が増大す
るようにmdを増大させ、交流システムから直流コンデ
ンサへの電力流入が実施される。直流電圧uDCが増大す
ると、直流電圧コントローラ16によって、mdは負方
向に修正される。1サイクルにおける単相交流電力の変
動に起因して、直流電圧には、基本周波数の2倍の変動
が生じる。この周波数は一般に電圧制御ループの優勢周
波数よりはるかに高いので、コントローラにおける変動
を軽減するためには検出フィルタ15を装備することが
好ましい。
【0073】位相検出器18は、一方において同位相基
準正弦波信号sin(ωt)を供給し、他方において交
流電流に直交するcos(ωt)を供給するために、交
流電流iの位相を検出するか、又は、これに追従する。
図10において、cos(ωt)は同位相の基準信号で
あり、sin(ωt)は90°異なる信号である。
【0074】mq及びmdが電流及び電圧制御ループから
出力される場合、合成器14、即ち座標変換手段は、m
d及びmqを単相交流変調信号へ変換する。この場合、変
換における減算がmqsin(ωt)に関して負符号を
持つように、mqは交流電流に対して90度進んだ成分
である。
【0075】既に説明したように、直流電圧変動補償手
段13は、座標変換手段14の下流に装備される。単相
交流/直流コンバータの場合、直流電力変動の周波数は
交流送電系統の基本周波数の2倍である。更に、補償器
の出力交流電圧はm*uDCによって表示される。変調信
号mが正弦波である場合には、当該変調信号は変動によ
って歪められるはずである。従って、変動の補償は、第
2高調波を含まない状態に出力電圧を保つように実施さ
れることが好ましい。フィルタ15によって出力される
濾波済み直流電圧(変動なしで)を瞬間直流電圧u
DC(変動あり)によって割り算することにより、減算器
19に補償信号が供給される。座標変換の出力はこの補
償信号が掛け算される。従って、減算器19へ入力され
る補償信号入力はuDC 0/uDCとして表すことができ
る。この場合、uDC 0はコンデンサ電圧u DCの直流成分
である。従って、変調信号は次のように表現できる。
【0076】
【数22】
【0077】ここに、m0は変換ユニット13の出力で
あり、補償器の出力電圧ucは、次式で表されるように
0に比例する。
【0078】
【数23】
【0079】図10は単相システム用コントローラの原
理的構成を示すが、図11に示す3相システムコントロ
ーラは、図10の単相システムに完全に類似する。図1
0に示すユニットに加えて、図11は3相極座標変換ユ
ニット21及び位相回転ユニット17も含む。位相検出
器18は、基準フレームωに関して3つの線電圧の位相
を検出する電圧検出器23から信号を受け取る。3相極
座標変換ユニット21は、電流検出器24によって検出
された3相電流値に関する電流振幅idを出力する。同
様に、図10に示す位相検出器18によって出力される
基準信号sinθ、cosθは、ここで、電流位相検出
器17によって出力される。図10の場合と同様に、座
標変換手段14は、変調指数mq、md並びに3相極座標
変換ユニット21によって出力された検出済みの電流振
幅idを受け取る。図11における他のユニットは、補
償器3、直流電圧変動補償手段13、座標変換手段1
4、直流電圧コントローラ16、及び、2fフィルタが
それぞれ各位相に装備されている点だけが異なる、図1
0に関して既に記述されたユニットと完全に対応する。
【0080】既に述べたように、基本的に、無効電力直
列補償器3は無効電圧ucを出力し、従って、3相系統
における制御システムも交流線電流iの位相に関する入
力を必要とする。図11に示す3相系統においては、交
流電圧を使用する位相の間接測定が用いられる。第1位
相ロックループPLLを含む位相検出器18は交流電圧
の位相を生成する。ただし、交流電圧位相は交流電流の
位相と同じではないので、修正が必要とされる。この修
正は、位相差検出ユニット21および位相回転ユニット
17によって実施される。これらのユニット21、17
を用いると、修正された信号sinθ、cosθは交流
電流iに同期化される。これらユニットの機能は次のと
おりである。
【0081】ユニット21は、電流センサ24によって
検出された3相交流電流を受け取り、その振幅、およ
び、交流線電圧の位相を感知する位相検出器18からの
出力sinωt、cosωtによって供給される交流電
圧の位相に対する位相差を出力する。従って、ユニット
21は振幅検出および位相差検出を介した位相ψに基づ
いて電流振幅idを出力する。
【0082】既に説明したように、ユニット18は基本
的に位相検出の責任を負い、対応する位相の三角関数を
出力する。従って、三角関数は入力交流電圧の単位振幅
信号を表す。例えば、交流電圧の1つの位相と余弦関数
は同位相であり、もう一方の位相は±120°の差があ
る。単位振幅の交流信号がユニット14において用いら
れる。位相回転ユニット17は、それぞれ交流線電圧と
同位相である電圧PLLユニット18の三角関数を受け
取る。ただし、座標変換手段14は、交流電圧位相でな
くて交流電流位相を必要とする。従って、位相回転手段
17は、三角関数の位相が交流電流の位相と同じである
ように電圧PLLユニット18による出力を修正する。
これは、基本的に、デカルト成分、即ち正弦と余弦によ
ってデカルト座標に表されるベクトルの回転変換によっ
て達成される。
【0083】上述した電流及び電圧制御用制御システム
は、図12のブロック図において要約される。即ち、電
流制御ループはユニット24、21、18、22、20
によって装備され、電圧制御ループはユニット26、1
5、19、16によって装備される。最終的に変調信号
mを補償器3に出力するために、変調指数mq及びmd
合成する合成器14、13を識別することができる。
【0084】一定の直流電圧及び定指数制御問題 図1〜図12に関して既に説明したように、例えば図1
0に示すようなコントローラは、変調信号m=mdco
s(ωt)−mqsin(ωt)を生成し、本質的に図
7に示すような線電流制御を実施するために、搬送波信
号CS1、CS2を介して、コンデンサ電圧uDCの補償
器端子3a、3bへの印加が制御される。搬送波信号C
Sが一定の振幅及び周波数を有する場合、補償器端子出
力電圧の波形(図13(a)に示すように)はパルス幅
変調信号であり、その波形は、変調信号の振幅によって
(かつ、勿論本明細書では送電線の周波数であり、一定
であると仮定される周波数によって)決定される。補償
器端子出力電圧は、変調信号に基づいて生成されている
ため、出力電圧の基本成分は、図13(b)に示すよう
に、変調信号と同じに見える。しかしながら、補償器端
子出力電圧はまた、図13(c)に示すように、高調波
も含む。実際に補償器端子からの電圧の供給が図13
(b)に示す基本成分のみを含むはずであるため、これ
らの高調波は望ましくない。
【0085】勿論、高調波成分生成の量は、変調信号の
振幅に依存する。例えば、変調信号の振幅が増大する
と、変調信号の振幅がそれぞれの搬送波信号の振幅を常
に越えて、コンデンサ電圧の端子3a、3bへの印加が
基本成分の波形に完全に対応する矩形波となるといった
場合が最終的に存在する。即ち、変調指数が1に等しい
場合、勿論基本成分のコンテンツはいかなる高調波成分
よりも大きい。
【0086】図14は、高調波の基本振幅及び実効値
(二乗平均平方根)を示し、高調波成分が変調信号(基
本成分)、即ちより具体的には、変調指数にしたがって
変化することがわかる。図14からわかるように、約
0.65よりも大きないずれの変調指数についても、よ
り高次の高調波は、0.65〜1の間の領域において
(図14において吟味する例の場合)補償器出力電圧の
変調指数制御を用いることができる、即ち、変調信号の
振幅が生成したいと望む出力電圧にしたがって変化すべ
きであるように、基本成分よりも低い値を有する。しか
し、高調波実効値は、0.65以下の低変調指数領域
(低基本成分領域)において基本成分よりも大きいこと
に注意されたい。したがって、十分な高調波抑制を達成
できるため、0.65以上の高変調指数を有する一定変
調指数制御を選択することが好ましい。
【0087】しかし、一定変調指数制御は、有効電圧を
線(ライン)に十分に注入することができないため、直
流電流の制御性がゼロ又は非常に低い直流電圧領域にお
いて劣化するといったような他の問題を有する。したが
って、一定変調指数制御は、補償器端子出力電圧のすべ
ての値に対して適用可能であるわけではない。特に、一
定変調指数制御方法において、電流コントローラ20が
直流電圧を調節する。しかし、補償器端子出力電圧がゼ
ロであれば、直流制御電圧もまたゼロである。このよう
な場合、もはや送電線から直流コンデンサに有効電力を
引き込むことは不可能であり、それ以上直流電圧を制御
することができない。このため、直流コンデンサC
DCは、電池又はプレチャージ回路によって充電されなく
てはならない。ゼロ線(ライン)電圧ucを避けるため
に、米国特許第5,198,746号は、インバータの
出力端子電圧がゼロであるときでさえ、電圧を所定値に
制限(clamp)する絶対値回路を使用する。このように
して、制御性が保持される。
【0088】したがって、連続動作のために補償器出力
端子電圧が低い場合、一定変調指数制御を使用すること
ができない、即ち、直流制御電圧に対する最小限度を保
証しなければならない。
【0089】さらに、一定変調指数制御方法を適用する
と、直流電圧が単相インバータにおいて摂動を有する場
合、直流コンデンサ電圧が低補償器出力端子電圧におい
てゼロになる。このため、出力端子電圧の制御性が減少
する。これら摂動の原因は、単相インバータの直流電流
が、瞬間電力変化に起因する第2高調波摂動を含むとい
うことである。結果として、直流回路に第2高調波フィ
ルタが不在であると、直流電圧もまた同じ周波数の摂動
を有する。直流電圧摂動の振幅が直流コンデンサ電圧の
平均値よりも大きい場合、瞬間直流コンデンサ電圧はゼ
ロになる。逆並列のダイオードの使用に起因して、イン
バータは負の直流電圧を提供することができず、そのた
め、摂動により直流コンデンサ電圧がゼロ未満に降下す
る場合、補償器端子出力電圧は制御不可能である。
【0090】しかし、補償器端子出力電圧ucは、変調
指数(即ち、変調信号の振幅)によってだけではなく、
変調指数の代わりに直流コンデンサ電圧uDCを変更する
ことによってもまた制御することができない。その理由
は、補償器端子出力電圧ucがコンデンサ電圧uDCの大
きさに依存するからである。したがって、パルス幅変更
(変調指数変更)だけでなくコンデンサ直流電圧uDC
変更も、異なった出力電圧ucの生成につながる。この
ため、補償器端子出力電圧ucは、コンデンサ直流電圧
及び/又は変調信号の振幅によって制御されることが可
能である。
【0091】図7a、図7b、及び図7cを参照して既
に説明したように、線電流iは、補償器3によって出力
された電圧によって(補償器端子出力電圧ucの振幅及
び位相によって)制御(増大/減少)されることが可能
である。(基本波の)振幅は、パルス幅を変更する(変
調信号の振幅を変調指数制御に等しくなるよう変更する
ことで実施される)か、あるいは直流コンデンサの実際
の(actual)uDC電圧を変更する(基準電圧uDC ref
調節して実施される)ことにより、又はこれら両方の方
法を組み合わせることにより、変更することができる。
図15及び図16は、一定直流電圧方法及び調節可能直
流電圧方法それぞれについての出力電圧波形の例を示
す。図17は、調節可能直流電圧制御方法の効果を示
す。
【0092】補償器出力端子電圧が変調指数の高い直流
電圧(図16参照)によって制御される場合、図17か
らわかるように、インバータの出力電圧の高調波成分が
減少する。図17は、変調指数が統一された調節可能な
直流電圧の基本成分及び高調波成分を示す。波形は全領
域において統一された変調指数の波形と類似するため、
基本波及び高調波成分の割合はすべての変調指数で同じ
である。結果として、高調波成分は常に基本成分よりも
低く、かつ一定直流電圧制御(即ち、図14及び図17
において波線で示す可変変調指数制御)の基本成分より
も低い。送電線系統供給源1a、1bからの高調波の注
入がないと仮定すると、線電流の高調波は全体的にイン
バータの出力電圧の高調波に依存する。調節可能直流電
圧方法(即ち、一定の変調指数)が使用される場合、高
調波のコンテンツは常に基本成分のコンテンツよりも低
く、何の問題も生じない。
【0093】一定又は調節可能直流電圧制御方法のいず
れが用いられるかに関係なく、インバータコンポーネン
トにおける電流は同一である。これは、この電流は実際
に、送電線を流れる線電流iであるためである。サイリ
スタ及びダイオードのようなインバータコンポーネント
の損失は、純粋に流れている電流に依存する。スイッチ
ング周波数が減少すると、素子損失も減少する。しか
し、スイッチング周波数が減少すると、補償器端子出力
電圧ucにおける高調波が増大する。このため、最大高
調波生成によって所定の限度が設定されている状況下で
は、スイッチング周波数を低減することができない。こ
のようにして、インバータの低損失動作(その値が下限
に制限された低スイッチング周波数)中、直流コンデン
サ電圧の低減によってのみ、さらに高調波を低減するこ
とができる(一定温度状態を想定する場合)。さらに、
直流コンデンサ電圧の低減により、補償器におけるフィ
ルタの直流キャパシタンス又は成分における漏洩損失も
軽減される。
【0094】過渡現象問題 送電線2a、2bにおける電力供給源1a、1bが一定
の電圧振幅及び位相を有している場合、電流iの電流振
幅は、主に、簡略化された送電線2a、2bのインダク
タンスに亘る電圧uLに比例する。図7を参照して説明
したように、補償器3は、補償器端子出力電圧において
補償電圧ucを注入することにより、電圧uLを変更する
ことができる。したがって、電流振幅の変更は、注入電
圧ucの振幅に比例する。これは、電流コントローラの
出力が注入電圧ucと線形関係を有するはずであること
を意味する。電流制御のコントローラの出力が補償電圧
cに比例すれば、コントローラは線形に動作できる。
例えば、電流振幅の必要とされる変更が2倍高い場合、
電流コントローラは単にその出力mq(ccout)を以前
持っていた値を2倍した値に変えることができる。即
ち、電流振幅は、(架空電圧ux)−(注入電圧uc)に
比例する。しかし、基準電圧に突然の大きな降下がある
場合、コンデンサにおける直流電圧は、この過渡状態に
おいてゼロになる可能性がある。既に説明したように、
インバータのスイッチング素子は正の電圧しか処理でき
ないため、ゼロ電圧は回避しなければならない。このた
め、線電流の調節可能直流電圧制御を使用している場
合、基準電圧の過渡的な低減時に、コンデンサにおける
ゼロ電圧というさらなる問題が存在する。
【0095】干渉制御問題 方程式(2.12)、(2.13)、(2.16)から
分かるように、コントローラの本質的な問題は、ライン
リアクタンスLACに起因する電流と電圧の干渉により、
本質的に電圧uDCも変調指数mqに依存するような仕方
において(概略図線VDEPによって示すように)制御
が実施され、検出された電流idも本質的に(概略図線
CDEPによって示すように)変調指数mdに依存する
ことである。すなわち、前述の干渉方程式(1.1)〜
(1.5)および(2.1)〜(2.16)から明瞭に
分かるように、図10、図11に示すコントローラにお
ける制御は、独立していない電流および電圧制御を実施
する。
【0096】図12におけるVDEP、CDEPと同じ
依存性が図18の概略図にも示される。図20は、図1
8の伝達関数の周波数特性の例、および、送電線におけ
る振幅の異なる電流を示す。図19に示すように、変調
指数mdの有効成分から電流振幅idへの干渉は電流振幅
の主伝達関数よりも大きい。もう一方の干渉は、主伝達
関数と比較した場合、高い周波領域における利得が一層
大きい。更に、主伝達関数は作動点(この場合には、電
流振幅)によって変化し、従って、図18に示す制御シ
ステムを用いると、制御性能は低下する。更に、図1
2、図18に示す干渉制御は、単相システム又は3相シ
ステムのいずれの場合にも独立して行われることに注意
されたい。
【0097】図19は、干渉制御を含む基礎的制御のス
テップレスポンスを示す。図19の時点0.1に示すよ
うに、直流電圧のステップ関数を変えると(電流に対す
る電圧の動的干渉を決定するために)、交流線電流には
大きいパルスが発生する。同様に、ステップ関数、即
ち、直流線電流edが同様に変化した場合には、時点
0.5において、直流電圧にも同様の変化が発生する。
従って、変圧器なし無効電力直列補償器用の従来型コン
トローラにおいては、電圧と電流制御は独立して実施す
ることが不可能であることが図19に示される。
【0098】
【発明が解決しようとする課題】既に説明したように、
従来型のコントローラは、可変変調指数及び一定直流電
圧、あるいは一定変調指数及び可変直流電圧のいずれか
とともに動作する。しかし、補償器端子出力電圧におけ
る高調波発生の問題は依然として残っている。さらに、
制御を不可能にする、ゼロへの直流電圧降下の問題があ
る。さらにまた、コンデンサのスイッチング損失及び漏
洩損失の問題がある。また、過渡挙動におけるゼロ電圧
問題もある。さらに、干渉される電圧及び電流制御ルー
プの原理的な問題もある。
【0099】本発明は、上述した問題を克服するよう考
案された。本発明の主目的は、補償器端子出力電圧にお
ける高調波の発生を低減し、かつ、それでいてゼロ電圧
を回避するコントローラを提供することにある。
【0100】
【課題を解決するための手段】この目的は、電力送電線
に挿入された無効電力直列補償器制御用コントローラで
あって、電力送電線を流れる線電流を検出する線電流検
出手段と、無効電力直列補償器のインバータの変調器に
接続されたコンデンサの直流電圧を検出する直流電圧検
出手段と、m=md cos(ωt)−mq sin(ω
t)(式中、ωは変調信号として、補償器の変調器に供
給される送電線の周波数である)の形式である変調信号
mを生成する変調信号生成手段と、線電流を基準値に制
御する電流制御ループと、変調信号について変調指数m
q’を出力する前記電流制御ループの電流コントローラ
と、直流コンデンサの直流電圧を所定の基準電圧に制御
する電圧制御ループと、変調信号について変調指数
d’を出力する前記電圧制御ループの直流電圧コント
ローラとを具備するコントローラによって解決される
(請求項1)。
【0101】即ち、本発明の第1態様によれば、制御
は、調節可能直流電圧制御が高出力電圧領域について用
いられ、かつ一定直流電圧制御が低出力電圧領域につい
て用いられるような仕方で実施される。このため、高出
力電圧領域では、高調波が低減され、低出力電圧領域で
は、一定高直流電圧制御と比較して高調波がさらに低減
される。このようなコントローラはまた、直流コンデン
サにおけるゼロ直流電圧を回避し、かつ容量性モードか
ら誘導性モード、又はその逆への連続動作についても最
小直流電圧を維持する。また、本発明によるコントロー
ラは、少なくとも調節可能直流電圧制御において、一定
の変調指数を選択でき、スイッチング周波数が可能な限
り小さいため、スイッチング損失を低減するという利点
も有する。
【0102】本発明の第2態様によれば、本コントロー
ラは、電圧制御ループに印加された所定の電圧の変化率
を制限するレートリミッタを備える。これにより、過渡
時にコンデンサ直流電圧がゼロに急激に降下することが
回避される。したがって、調節可能な直流電圧領域のレ
ートリミッタは、特に電流基準の突然の変更時に、過渡
状態におけるゼロ直流電圧を回避するという目的を特に
解決する。
【0103】本発明の第3の態様によれば、特に調節可
能な直流電圧領域でのレートリミッタの使用に関して、
本発明によるコントローラはさらに、電流コントローラ
から変調指数mq’と、直流電圧コントローラの変調指
数md’とを受け取って、新規の変調指数mq及びmd
変調信号生成手段に出力して、線電流が直流電圧コント
ローラの出力md’から独立し、かつ直流コンデンサ電
圧が電流コントローラの出力mq’から独立するように
する、非干渉制御手段を備え、交流電流振幅及び直流コ
ンデンサ電圧は独立して制御可能である。非干渉制御手
段は電圧及び電流制御ループ内に装備され、電流制御を
電圧制御の変調指数から独立させ、かつ電圧制御を電流
変調指数から独立させるよう適合される。レートリミッ
タと組み合わされて、これは、過渡状態における基準電
圧の突然の変化時に、コントローラの動的行動をさらに
改善する。
【0104】本発明のさらに有利な実施の形態及び改良
は、添付の従属クレームに列挙されている。以下、本発
明について、その有利な実施の形態を参照しながら説明
する。しかし、以下図の説明において説明するものは、
本発明者らが目下本発明の最良の形態であると考えるも
のにのみ関連することを理解されたい。特に、本発明
は、特許請求の範囲及び説明において独立して説明かつ
特許請求された特徴からなる実施の形態を含んでもよ
い。
【0105】図面を通して、同一又は同様の参照番号は
同一又は同様のパーツを示す。
【0106】
【発明の実施の形態】第1態様(制御方法選択) すでに説明したように、従来技術によれば、補償器端子
3a、3bにおける出力電圧ucは、2つの異なる制御
方法で制御することができる。第1制御方法は、変調信
号mの振幅が変化して、この変化により、パルス幅の変
化、ひいては出力電圧ucの変化を引き起こす(図15
参照)という技術である。第2制御方法は、直流コンデ
ンサ電圧uDCを変化させることで、出力電圧ucを変化
させるという技術である。両方法は、高調波の発生、直
流コンデンサ電圧のゼロ未満への降下(線からの有効電
力の制御及び取り込みを妨げる)、及びスイッチング損
失に関してそれぞれ問題を有する。以下、これらの問題
を回避する、本発明の第1態様によるコントローラにつ
いて、図21、図22、及び図23を参照して説明す
る。
【0107】図21は、図12を参照して既に説明した
ように、線電流検出手段24、直流電圧検出手段26、
変調信号生成手段13、14、電流制御ループ18、2
1、22、20、及び電圧制御ループ15、19、16
を備えるコントローラのブロック図を示す。即ち、変調
信号生成手段13、14は、直流コンデンサCDCのコン
デンサ直流電圧uDCの補償器端子3a、3bへの印加を
制御するために使用される、m=mdcos(ωt)−
qsin(ωt)の形式の変調信号を生成する。電流
コントローラ20は、補償器の所望の補償器端子出力電
圧ucに対応する制御信号を出力する。さらに、所定の
基準電圧uDC refに依存して、電圧コントローラ16は
前記変調信号について変調指数mdを出力する。
【0108】本発明によれば、このようなコントローラ
はさらに、電流コントローラ20によって出力された制
御信号ccoutを入力として受け取るとともに、前記変
調信号mの変調指数mqを出力する第1出力と、電圧制
御ループの減算器19に接続される第二の出力を有し、
前記所定の基準電圧uDC refを出力する制御方法選択手
段SS(以下、「信号セパレータ」とも呼ばれる)を備
える。図21に示すように、制御方法選択手段SSによ
って出力される変調指数mqは、図12と同じ仕方にお
いて手段13、14等に印加される。しかし、制御方法
選択手段SSの電圧制御ループへの干渉により、所望の
補償器端子出力電圧を指示する電流コントローラ出力c
outに依存して、所定の基準電圧uDC refを調節するこ
とが可能になる。このため、電流コントローラ出力cc
outに依存して、変調指数mqを調節する(変調信号の振
幅を変更する)、及び/又は基準電圧uDC refを調節す
る(直流コンデンサ電圧uDCの振幅を調節する)ことに
より、補償器端子出力電圧ucの組み合わせた制御が可
能になる。制御方法選択手段SSによりmq、uDC re f
生成する方法の技術について以下に説明する。
【0109】しかし、まず、本発明による電流制御選択
手段SSは、例えば図10又は図11に図示する単相シ
ステム又は3相システムにおいて用いられてもよいこと
を理解されたい。図22は、勿論制御方法選択手段SS
が一度だけ提供される単相システムにおける実施を示
す。図11のような3相システムでは、単一の電流コン
トローラ20が用いられ、そのため、3相システムの場
合、制御方法選択手段SSはまた一度だけ提供される
(電流コントローラ20と変調信号生成手段13、14
の間に挿入される)。この場合、mq及び直流電圧基準
DC refは、3相すべてについて同じである。あるい
は、1つの相それぞれが図22のように別個のコントロ
ーラで制御される場合、勿論、電流コントローラ及び制
御方法選択手段SSは3度提供される。1つ又は3つの
制御方法選択手段SSの使用は、SSを示すブロックの
周囲の波線で、図21において示されている。
【0110】図23は、制御方法選択手段SSの機能を
示す。出力電圧は直流電圧uDCならびに変調指数mq
の両方によって制御可能であるため、選択手段SSは、
調節可能直流電圧制御が高出力電圧領域に使用され、か
つ一定直流電圧制御が低出力電圧領域に使用されるよう
にする。高電圧及び低電圧領域は、所定の補償器端子出
力電圧閾値ucth、例えば、最大直流電圧の20%だけ
分離される。即ち、制御方法選択手段SSは、一定の変
調指数mqと、補償器端子出力電圧ucが所定の補償器端
子出力電圧閾値ucthよりも大きい場合、電流コントロ
ーラ出力ccoutによって指示される補償器端子出力電
圧ucの増減に依存して増減する基準電圧uDC refを出力
する。図17を参照してすでに説明し、かつ図23にお
ける線「高調波成分」でも示すように、uc>ucthであ
る制御領域において、高調波は減じられ、そのため、高
調波発生に伴う問題がない、即ち高調波成分の実効値は
常に基本成分の実効値よりも低い。
【0111】補償器端子出力電圧ucが前記所定の補償
器端子出力電圧閾値ucthよりも小さい、即ちuc≦u
cthである場合、制御方法選択手段SSは、実質的に一
定の基準電圧uDC refと、前記電流コントローラ出力c
outによって指示される補償器端子出力電圧ucの増減
に依存して増減する変調指数mqを出力する。低出力電
圧領域uc≦ucthにおいて、高調波コンテンツは図17
に示すほど低減されないが、図23において波線で示す
一定の高直流電圧方法と比較すると依然として低減され
ている。このため、uc>ucthの場合、高調波線は図1
7におけるものと同じである。直流電圧は、例えば最大
の20%に低減されるため、高調波成分も低領域におけ
る最大直流電圧の一定直流電圧方法の20%である。調
節可能直流電圧制御(一定の変調指数)が高出力電圧領
域に用いられ、一定直流電圧制御(可変変調指数)が低
出力電圧領域に用いられ、かつ両方法が閾値電圧ucth
においてマッチングするため、低高調波成分を出力電圧
範囲全体に亘って達成することができる。
【0112】制御範囲全体に亘って高調波成分を低く保
つことに加えて、本発明による制御方法はまたさらなる
利点も有する。既に説明したように、制御範囲uc<u
cthにおいて、一定の直流コンデンサ電圧(図15)が
設定される。特に、ucth=0.2*DC max(調節可能
直流電圧制御の最低値)において、低高調波コンテンツ
を達成する電圧に設定される。次に制御方法が可変変調
指数制御(コンデンサ電圧uDCを一定レベル0.2uDC
maxに保持しながら)に切り替える場合であっても、補
償器出力電圧ucがゼロであるときに何の問題も起こら
ない。出力電圧をゼロから増大するという突然の必要性
が生じた場合には、まず変調指数mqが増大されてから
コンデンサ電圧が増大される。したがって、ゼロ出力電
圧においてさえも、制御が可能である。
【0113】既に説明したように、出力電圧が100%
から20%になると、電圧制御ループの基準電圧uDC
refを低減することにより、コンデンサ電圧uDCが減少
する。そして、最大出力電圧の例えば20%で得られる
直流コンデンサ電圧が、低出力電圧範囲(コンデンサ電
圧の代わりに変調指数が変更されるところ)における一
定のコンデンサ電圧uDCとして用いられる。最小直流電
圧は、直流電圧において摂動が存在する場合であって
も、瞬間直流コンデンサ電圧が正の値に保持されるよう
に設計可能である。上記で説明したように、特に3相シ
ステム用変圧器なし構成は、各相において単相インバー
タを有するため、直流電圧はこのような電圧摂動を有し
うる。即ち、より低い端子出力領域において用いられる
一定の直流コンデンサ電圧が、最大摂動でさえもゼロ電
圧を発生させることがない値に設定され、そして、最大
直流電圧が維持され、このため、出力端子電圧の制御性
が動作範囲全体に亘って保証される。
【0114】さらに、本発明の制御方法選択に従って容
量性モードから誘導性モード、及びその逆に変更する際
(図7(b)、図7(c))、最小直流電圧が保持され
る。変調指数は、ゼロポイントを含む、電流に対して9
0度遅れから、90度進んだ範囲で自由に変化するよう
制御される。これは、uc=0(誘導性モードが容量性
モードに変化するポイント)において、コンデンサ電圧
がゼロでありかつ制御が不可能であるため、範囲全体に
亘って可変コンデンサ電圧制御を用いては不可能であ
る。したがって、従来技術において、この制御状態を避
ける必要がある。
【0115】図23に示すように、一定の変調指数制御
範囲において、最大変調指数mq maxに設定された一定の
変調指数が用いられる。図14を参照して説明したよう
に、勿論この最大変調指数mq maxは、高調波成分の実効
値を基本成分の実効値よりも小さくなるように低減し、
そのため、このような変調指数mq maxにおいて、高調波
成分が常に一定の変調指数範囲内で基本成分よりも小さ
くなるようにする指数でなければならない。したがっ
て、一定の変調指数mqは、可能な最大変調指数mq max
=1、又は図14に示すように高調波成分が依然として
基本成分よりも小さい任意の値となるように選択するこ
とができる。他方、低出力電圧領域で用いられる一定の
直流コンデンサ電圧は、「角電圧(corner voltage)」
cthにおいて達成される電圧に設定されることが好ま
しい。変調指数はまた、図14の例において0.65よ
りも大きく設定されてもよい。直流電圧変動(13)の
補償が直流フィルタなしの単相コンバータに印加される
場合、直流電圧変動を考慮して、電圧ピークのクリッピ
ングを回避するために、最大変調指数を設定すべきであ
る。他方、高調波低減の利点を保持するために、図14
の例において最小直流電圧を0.65未満に設定しても
よい。さらに、最小直流電圧は、直流フィルタなしの単
相コンバータにおける直流電圧変動の振幅よりも大きく
なるよう設定される必要がある。
【0116】以下、本発明の第1態様による制御方法選
択手段SSの実施の形態について、図面を参照して説明
する。
【0117】第1の実施の形態 図21、図22を参照して上記で説明したように、本発
明により、線電流制御及び直流電圧制御の主制御ループ
は、電流コントローラccoutの出力を受け取り、変調
指数mq及び直流電圧基準uDC refを出力する信号セパレ
ータSSを介して相互に接続される。このため、線電流
は、出力電圧を調節することで制御されるとともに、電
流コントローラ20の制御出力信号ccoutは、信号セ
パレータSSによって直流電圧基準及び変調指数に分離
される。この構成により、線電流iは、変調指数だけで
なく直流電圧によっても制御される。
【0118】このため、制御方法選択手段(信号セパレ
ータSS)は、いくつかの制限手段により最小直流コン
デンサ電圧を保証し、かつ最小直流電圧における出力電
圧を制御するよう変調指数を調節しなければならない。
より高い出力電圧領域では、電流は直流電圧のみによっ
て制御され、より低い出力電圧領域では、一定直流電圧
を最小にした変調指数によって制御される。これら2つ
の制御方法は、閾値電圧uthに対して自動的にかつ連続
して切り替えられる。
【0119】図24は、信号セパレータSS1の第1の
実施の形態を示す。上記で説明したように、信号セパレ
ータSS1への入力である、電流コントローラ20の制
御信号ccoutは、補償器端子出力電圧ucの振幅であ
る。補償器の最大出力電圧ucは基本的に最大直流コン
デンサ電圧であるため、電流コントローラの出力ccou
tも最大直流コンデンサ電圧によって決定される最大値
を有する。
【0120】図24において、制御電圧ccoutがこの
所定の制限電圧uDC minを越えると、制御電圧ccout
電圧レベルuDC minに制限する第1リミッタ200が装
備される。同様に、制御電圧ccoutが負の制限電圧−
DC minよりも下がると、制御電圧ccoutがこの負の制
限電圧uDC minに制限される。さらに、第1リミッタ2
00の出力を最大変調指数mq maxで乗算するともに、そ
の結果を第1制限電圧uDC minで除算する第1除算器2
01が装備される。第1除算器201の出力は変調指数
qである。このため、制御電圧ccoutが制限電圧uDC
min、−uDC minを越えるか又はこれより下に下がる場
合、図24における上部信号部分200、201におい
て、一定の変調指数mq=mq maxが出力される。制御電
圧範囲(−uDC m in、uDC min)内で、制御電圧ccout
の増減に伴って増減(例えば線形的に)する可変変調指
数mqが出力される。勿論、図23を参照して説明した
ように、制限電圧uDC minは閾値電圧ucthに対応する。
【0121】このため、制限電圧を越える正の制御電圧
ccoutの場合、変調指数が+mq ma xになり、負の制限
電圧よりも低い制御電圧ccoutの場合、−mq maxにな
る。最大変調指数mq max=1であると、変調指数はこれ
らの場合に±1内に制限される。+1は線電流iに対し
て90度進んだ電圧を意味し、−1は線電流iに対して
90度遅れた電圧を意味する。したがって、図23にお
ける制御選択は、勿論負の値の側(0,0座標に関して
対称なポイントについて波線軸表現により示される)に
も反映される。
【0122】図24におけるより低い信号経路202、
203において、制御電圧ccoutの絶対値を決定する
第1絶対値回路202が装備される。絶対値回路202
がこの低電圧値uDC minよりも低くなると、基準電圧u
DC refを最小電圧uDC minに設定する第2リミッタ203
が装備される。好ましくは、絶対値回路202の出力を
閾値上限uDC maxに制限する第2リミッタ203が適合
される。このため、より低い信号経路202、203に
おいて、制御電圧ccoutが−uDC minよりも大きくなる
か、あるいはuDC minよりも小さくなると常に、最小電
圧uDC minが基準電圧uDC minとして電圧制御ループに出
力される。
【0123】図26は、本発明のコントローラ特性を従
来技術の一定直流電圧制御のコントローラ特性とを比較
したものである。mq max=1であり、かつ制御電圧cc
outが最小直流電圧uDC minよりも大きい場合、信号セパ
レータSS1は常に1を変調指数に出力し、かつより低
い経路のリミッタ203は基準電圧uDC refにcco ut
絶対値を出力する。直流電圧制御ループはコンデンサの
直流電圧をccoutに維持し、変調指数は1に等しい。
このため、補償器出力端子電圧ucの振幅が、実際に望
ましい出力端子電圧であるccoutに調節される。
【0124】制御電圧ccoutが負の最小DC電圧−u
DC minよりも小さい場合、信号セパレータSS1は−1
を出力し、出力端子電圧ucが所望の値に調節される。
他方、制御電圧ccoutの絶対値が最小電圧−uDC min
りも小さい場合、信号セパレータSS1は、リミッタ2
00によって決定される利得で制御電圧ccoutを出力
する。同時に、より低い経路におけるリミッタ203
は、一定直流電圧制御方法に対応する最小直流電圧を出
力する、即ちリミッタ200の利得に依存する可変変調
指数が出力される。他方、一定の直流電圧は一定の基準
電圧uDC refを介して設定される。他方、制御電圧cc
outが最小電圧uDC minを越える場合、第2リミッタ20
3の利得で乗算された制御電圧ccoutが基準電圧uDC
refとして出力される。リミッタ200、203の利得
の調節は、電流制御ループ及び電圧制御ループ(PI、
PID等)の制御挙動に適合されることが好ましい。
【0125】図26において、水平軸は望ましい出力端
子電圧であるccoutである。左側の垂直軸は直流コン
デンサ電圧及び出力端子電圧であり、右側の垂直軸は変
調指数である。直流コンデンサ電圧は、出力電圧に十分
な値(この場合出力電圧と同じ値)に調節されるととも
に、最小値uDC minよりも大きな値に保持される。な
お、出力端子電圧は所望の値に比例することに注意す
る。比較のために、従来技術の場合の最大直流電圧によ
る一定直流電圧制御の特性を図26(b)に示す。
【0126】既に説明したように、mq maxは好ましくは
+1になるよう選択される。しかし、他の値も可能であ
る。mq max<1の場合、電流制御のための変調指数は1
未満に制限され、インバータはさらに電圧を直流電圧制
御のために出力することができる。即ち、最大出力電圧
は直流コンデンサ電圧によって制限され、出力電圧は、
図13に示すように変調指数がPPM方法において1と
なるときに最大である。電流コントローラ20が最大変
調指数を出力し、かつ直流コンデンサ電圧が送電線から
電力を取り込む必要がある場合、図13における正弦波
変調信号mが1を越え、その結果、出力電圧が歪むこと
となる。したがって、変調指数mq maxが1未満になるよ
う選択される場合、直流電圧を制御するための制御マー
ジンが可能である。勿論、変調指数最大値は、高調波成
分の実効値が基本成分の実効値よりも小さくなるよう選
択されなければならない(図14及び図23参照)。
【0127】第2の実施の形態 図26(a)に示す制御特性を有する信号セパレータS
S2の第2の実施の形態を図25に示す。この信号セパ
レータSS2は、制御電圧ccoutがそれぞれ最大及び
最小変調指数をそれぞれ越えるか又は下回る場合、電流
コントローラによって出力された制御電圧ccoutを最
大変調指数mq max及び最小変調指数mq mi nに制限する第
3リミッタ211を備える。したがって、ccoutは変
調指数レベルである。最大変調指数mq minはmq maxの負
の値であってもよい。
【0128】さらに、信号セパレータSS2は、制御電
圧ccoutの絶対値を決定する第2絶対値回路213を
備える。第1乗算器212は、絶対値回路の出力を所定
の定数K2で乗算する。第4リミッタ214は、第2乗
算器212の出力がそれぞれ閾値の上限及び下限uDC
max、uDC minを越える場合、第2乗算器212の出力を
前記閾値上限uDC max及び閾値下限uDC minに制限する。
第1乗算器212は、制御電圧ccoutを直流電圧基準
レベルに変換するために、所定の定数K2を使用する。
勿論、所定の定数K2も第4リミッタ214の利得の一
部として組み込まれてもよい。さらに、定数K2が、こ
の場合定数K2に対応する利得要因を備える絶対値回路
213の一部であることも可能である。
【0129】したがって、図25のおいて、変調指数m
qは直接制御電圧ccoutとなり、その特性は図26
(a)と同じである。
【0130】上記で説明したように、信号セパレータS
S1、SS2は、低電圧出力領域においては一定の直流
コンデンサ電圧及び可変変調指数による制御、またより
高い出力電圧領域においては一定の変調指数及び可変直
流コンデンサ電圧による制御を可能とし、こうして、端
子3a、3bの出力電圧における高調波を回避する。少
なくともより高い出力電圧領域において、変調指数の選
択によってもまたスイッチング損失を低減することがで
きる。いずれの場合でも、ゼロ直流コンデンサ電圧が回
避されるため、送電系統から直流コンデンサに有効電力
を取り込むことができる。
【0131】電流コントローラの出力ccoutは補償器
での所望の端子電圧を示し、直流電圧コントローラは、
調節可能な直流電圧領域において制御電圧ccoutが補
償器端子出力電圧ucと等しくなるように直流コンデン
サ電圧を維持する。
【0132】本発明の第2態様(レート制限) 本発明の第2態様によれば、高調波の回避、ゼロ電圧の
回避、及びスイッチング損失の改善が、図26(a)に
示すコントローラの静的特性によって達成可能である。
換言すれば、直流電圧基準は、調節可能直流電圧制御領
域において最小から最大に変更でき、かつ一定直流電圧
領域における基準電圧は最小値に設定される。最小値
は、特に直流フィルタなしの単相コンバータの場合、過
渡状態におけるアンダーシュートに起因する直流電圧の
変動がゼロ電圧を発生させないよう制限されるよう設計
されうる。
【0133】しかし、特に一定の変調指数が用いられて
いる領域において、基準電圧uDC re fの急激な変化によ
り直流コンデンサ電圧のアンダーシュートが引き起こさ
れ、アンダーシュートの結果としてゼロ直流コンデンサ
電圧が発生する可能性がある。このような状況は図28
(a)に示される。制御電圧ccout(水平軸)の変
化、ひいてはAからBの基準電圧uDC refの変化は、
(電圧制御ループの動的挙動に依存して)直流コンデン
サ電圧uDCがゼロになることがあるようなアンダーシュ
ートを引き起こす可能性がある。アンダーシュートは、
コントローラ電圧ccoutが急激かつ高速に減少する結
果発生するものである。これは、より低い出力電圧領域
では一定かつ最小の直流コンデンサ電圧がいずれの場合
にも採用され、摂動(又は制御電圧ccoutの急な減少
に起因する変調指数の急な減少)によって生じる直流電
圧の変動によりゼロ電圧が引き起こされることが決して
ないため、基準電圧ひいてはコンデンサ電圧が変化する
制御領域において特に問題である。
【0134】さらに、調節可能な直流(一定指数)から
一定直流制御及びその逆への過渡状態においてグレーゾ
ーンがある。グレーゾーンでは、例えば図24、図25
において変調指数mがその変化率に関して制限されてい
ないため、直流電圧及び変調指数mqが変化する。過渡
状態であっても図26(a)におけるように特性を保持
するために、レートリミッタを信号セパレータSSの前
に配置することができる、即ちレートリミッタは電流コ
ントローラの出力信号ccoutの変化率を制限すること
ができる。図29の(b)は、このようなリミッタの時
間応答を示す。図29の(b)では、t1’までは一定
のmq制御が選択され、それから制御方法が瞬間的に一
定uDC制御に切り替えられる。uDC電圧の変化率が安全
な動作のために制限される場合において、2つの制御方
法が互いに切り替えられた直後は、図29の(b)に図
示するように、t0とt1’の間で、uDC電圧が所望の信
号に従わず、かつ変調指数がなお一定であるままである
ため、結果として端子電圧が所望の信号ccoutに比例
しなくなる。実際、mq変調指数は、結果得られる端子
電圧が所望の信号ccoutに比例するように、より初期
に変化し始めるべきである。
【0135】例えば、送電線における両供給源が一定の
電圧及び位相を有する場合、電流の振幅は簡略化された
送電線のインダクタンスに亘って電圧u1に主に比例す
る。補償器は、補償電圧ucを注入することで電圧u1
変化することができる。したがって、電流の振幅cc
outの変化は注入電圧の振幅に比例する。これは、電流
コントローラの出力電圧ccoutが注入電圧ucと線形関
係を有することが望ましいことを意味する。電流コント
ローラの出力が補償電圧に比例する場合、コントローラ
は線形動作することができる。例えば、必要とされる電
流振幅の変化が2倍高い場合、電流の振幅は((架空電
圧ux)−(注入電圧uc))に比例するため、電流コン
トローラは単にその出力ccoutを先の値を2倍した値
に変化させる。
【0136】一定直流電圧制御領域(uc≧ucth)にお
いて、q軸変調指数mqは注入電圧ucに比例する。この
ため、電流コントローラは、コントローラの出力cc
outが変調指数として用いられる場合、理想的な様式で
動作することができる。したがって、調節可能な直流電
圧において、電流コントローラの出力ccoutが直流電
圧基準として用いられる場合、出力は注入電圧に比例す
る。
【0137】しかし、上記で説明し、かつ図29の
(b)に図示するように、レートリミッタが信号セパレ
ータの前に配置されると、変調指数mqは依然として一
定のままであり、かつuDC電圧は望ましい出力信号cc
outに従わない。このため、q軸変調指数mqがより早く
変化し始め、かつt0とt1’の間で一定に保持されない
ことが望ましい。
【0138】本発明の第2態様によれば、レートリミッ
タが電圧基準uDC refを所定の変化率に変化させる割合
を制限するために使用される。レートリミッタは、基準
信号uDC refの変化率だけを制限するように、uDC ref
出力の前に、図24、図25の下部経路に配置される。
レートリミッタの動作は、図29の(a)に示される。
即ち、レートリミッタがuDC電圧基準の変化率を制限す
るために配置される場合、変調指数mqはt1よりも早く
下がり始める。ここでも電圧基準uDC refは所望の信号
ccoutに直接従わないが、変調指数mqがより初期に変
化し始めるため、出力端子電圧は、図29の(b)にお
ける結果よりも所望の信号に接近して制御される。した
がって、図29の(a)におけるグレーゾーンは、過渡
期におけるパフォーマンスをより良好に回復する効果を
有し、かつ変調指数mqの変更を早めることで、uDC
圧のより遅い変更が補償される。したがって、レートリ
ミッタは一定のmq動作における安全な動作に有効であ
るが、過渡期におけるパフォーマンスを劣化させる。し
かしながら、電圧基準uDC refにおいてのみレートリミ
ッタを配置することで、即ち過渡状態における図26
(a)の遮断特性により、過渡期におけるパフォーマン
スの回復を助ける。
【0139】図31は、離散時間レートリミッタの実際
の実施を示す(ただし、Tsはサンプリング周期であ
り、z-1はユニットサンプル遅延である)。図31にお
けるレートリミッタは、入力信号即ちccout又は図2
4、図25に示すユニット234、264の出力を受け
取る第1入力と、第2入力と、入力から第2入力に印加
された信号を減算する出力と、を有する第1加算器26
6を備える。第1除算器251は、第1加算器266の
出力を所定のサンプリング周期Tsで除算する。第3リ
ミッタ255は、第1除算器251の出力が上限又は下
限をそれぞれ越える場合、第1除算器251の出力を上
限又は下限に制限する。このため、第3リミッタは実際
に入力信号の変化率を制限する回路である。第3乗算器
252は、第3リミッタ255の出力を所定のサンプリ
ング時間Tsで乗算する。第3乗算器252の出力を受
け取る入力と、第2入力と、レートリミッタの出力を構
成する出力とを有する第2の加算器253が設けられ
る。ユニット254は、(離散サンプリング時間におい
て)レートリミッタの出力を1サンプリング時間だけシ
フトするユニットサンプル遅延ユニットである。z-1
路254の出力は、第1加算器266の第2入力と第2
加算器253の第2入力とに印加される。入力が図30
に示すように時間離散信号である場合、その出力もまた
図30に示す離散時間信号である。
【0140】第3の実施の形態 このようなレートリミッタを組み込んだ信号セパレータ
SS3の第3の実施の形態を図27に示す。レートリミ
ッタ235は、下部経路に設けられる(直流コンデンサ
電圧調節可能制御領域に責任を負う)。これは、リミッ
タ234の前又は後に構成されてもよい。図27におい
て、ユニット231、232、233、及び234は、
図24における第2の実施の形態のユニット200、2
01、202、203に対応する。一定直流電圧から調
節可能直流電圧への立ち上がり遅延を回避するため、リ
ミッタ234の後にレートリミッタ235を構成するこ
とが好ましい。
【0141】第4の実施の形態 レートリミッタ265を組み込んだ別の実施の形態によ
る信号セパレータSS4を図33に示す。図33におい
て、ユニット261、262、263、及び264は、
図25におけるユニット211、213、212、21
4に対応するため、さらなる説明は省略する。図33に
おいてわかるように、レートリミッタ265は、一定直
流電圧から調節可能直流電圧制御への立ち上がり遅延を
回避するために、リミッタ264の後に構成される。し
かし、レートリミッタ265はリミッタ264の前に構
成されてもよい。
【0142】乗算定数K2は、上部信号経路のリミッタ
261で用いられる、下限閾値電圧uDC minを最大変調
指数mq maxで除算した比によって決定される。
【0143】図27、図33におけるリミッタの構成に
より、図29(b)における過渡状態で所望の動作を達
成することができる。
【0144】本発明の第3態様(非干渉制御) 上記で説明したように、レートリミッタの使用により、
過渡状態における信号セパレータの急な基準降下が回避
される。レートリミッタは、図29(b)に示す所望の
挙動を達成するために、直流電圧基準の経路に構成され
る。レートリミッタは下部信号経路又は一定直流電圧制
御において構成されるが、この一定直流電圧制御内での
作用は持たない。レートリミッタは、過渡状態における
動作を助ける(for save operation)ために適用され
る。したがって、電流コントローラの出力ccoutが段
階的に変更する場合、直流電圧基準はレートリミッタに
よりゆっくりと変化し、かつq軸変調指数はこの場合最
大値のままである。このため、レートリミッタは、基準
電圧の割合を制限して、特に電流基準の突然の変化時
に、過渡状態において直流電圧のゼロへの急な降下を回
避する。この目的のために、レートリミッタの正の割合
及び負の割合に異なる値を選択することが好ましい。好
ましくは、負の割合は正の割合よりも遅いものが選択さ
れる。即ち、正の割合変化についての割合制限は、絶対
値において、負の方向での変化に許容される割合変化よ
りも大きい。
【0145】図27、図33におけるレートリミッタの
ように、直流電圧基準が過渡状態時にccoutに比例し
ない場合、補償器出力端子電圧もそれに比例しない。そ
の結果、状態が可変直流電圧と一定直流電圧制御との間
の過渡状態において改善されるが、直流一定電圧制御領
域内の制御の過渡期におけるパフォーマンスは劣化す
る。
【0146】図28(b)及び図32に示すように、制
御電圧ccoutが例えば図28(a)におけるポイント
AからポイントBに段階的に変化すると、直流電圧基準
DC refは、割合制限機能により瞬間的には変化しな
い。したがって、制御軌道はまず、図28(b)に示す
ようにA’からCに水平方向に移動する。そして、制御
軌道は定常状態ポイントB’に下方移動する。しかしな
がら、一定直流電圧制御領域における望ましい制御軌道
は、A’からB'の直接経路である。勿論、応答挙動が
遅いため直流電圧がその基準に従わない場合、動作が所
望の制御軌道から外れるということも、レートリミッタ
なしで起こりうる。しかし、勿論、レートリミッタを設
けることで、この問題が強調される。
【0147】図32の底部のグラフに示すように、レー
トリミッタを導入した結果は、可変直流コンデンサ制御
のみが用いられる制御領域においてさえ、注入電圧uc
が制御電圧ccoutに比例しないというものである。波
線は、レートリミッタを設けたにもかかわらず、制御電
圧ccoutに依然として比例する理想的な応答を示す。
【0148】上記で説明したように、レートリミッタが
設けられるか否かにかかわらず、注入電圧ucが電流制
御電圧ccoutに直接従わない理由は、電流及び電圧制
御ループが図18に示すように干渉されるためである。
したがって、以下、図27〜図32を参照して、電圧及
び電流制御ループがどのようにして非干渉されうるかを
説明する。図45及び図46に示すように、信号セパレ
ータSSは、かかる非干渉制御手段25と共に使用可能
である。この場合、信号セパレータSSはレートリミッ
タを備えても、あるいは備えなくてもよい。しかし、特
にレートリミッタが用いられる場合には、レートリミッ
タがさらに制御ループの応答挙動を劣化させるため、非
干渉制御の使用は特に有利である。
【0149】図12および図18について既に説明した
ように、電流および電圧に関する2つの主制御ループは
従来技術におけるクロスカップリングを有する。このク
ロスカップリングは、正確な制御のために必要とされる
非干渉制御といったものであり、本発明の第三の態様は
このような非干渉制御を提供し、その原理は非線形微分
方程式を基調とする直接補償に基づく。
【0150】干渉微分方程式を非干渉にする導出方法の
詳細について言及する前に、図12及び図18に示され
る従来例と図34及び図35に示される本発明とを比較
して一般的な考察を行うこととする。
【0151】図35は本発明の第三態様に従うコントロ
ーラの原理構成図である。図35に示すように、本発明
のコントローラは電流検出器24およびフィードバック
経路21、18、及び、電流コントローラ20を含む順
方向経路によって形成される電流制御ループから成る。
同様に、電圧制御ループは電圧検出器26、フィードバ
ック経路15及び直流電圧コントローラ16を含む順方
向経路により構成される。図7、図8、図9について既
に説明したように、線電流iおよび電圧ucは、基準電
流値id ref及び基準電圧uDC refに関して所要値を設定
することにより、変調信号mを介して調節可能である。
【0152】ただし、図35に示すように、本発明のコ
ントローラは、電流コントローラ20及び直流電圧コン
トローラ16の下流の非干渉制御手段25を含む。非干
渉制御手段25は線交流電流iを制御するための第1変
調制御信号mqおよび補償出力電圧を制御するための第
2変調制御信号mdを出力する。
【0153】第1および第2制御信号mq、mdは、第1
制御信号mqの変動が直流制御電圧uDCに影響しないよ
うに、即ち、コンデンサ電圧uDCが、電流コントローラ
20によって出力される制御信号muから独立するよう
に選択される。同様に、第2制御信号mdは、線電流に
影響しないように、即ち、線電流iが第2制御信号md
から独立するように選択される。従って、補償器にはた
だ1つの変調信号m(所定の振幅および位相の複合信
号)だけが供給され、id refの変化は線電流の振幅だけ
を変え、uDC refの変動だけが直流コンデンサ電圧
DC、ひいては、補償器の出力電圧ucだけを変える。
従って、本発明のコントローラにおいて、電流と電圧
は、非干渉制御手段25を使用することにより、独立し
て調節可能である。即ち、本発明のコントローラにおい
て、電流制御ループは電圧制御ループと独立して動作す
る。
【0154】実質的に、図18と図34の間の比較によ
って分かるように、非干渉制御手段25は、電流伝達関
数ブロックCTF、電圧伝達関数ブロックVTF、電圧
電流伝達ブロックVCTF、及び、電流電圧伝達関数ブ
ロックCVTFによる干渉発生が相殺されるような、あ
る種の逆作用を実施しなければならない。即ち、電流コ
ントローラ20および電圧コントローラ16が図12に
示す従来型システムと同様に作動する場合には、非干渉
制御手段25は、ブロックCTF、VCTF、CVT
F、VTFを介して伝達された場合に、これらのブロッ
クの効果を厳密に相殺するある種の前以て歪ませた変調
指数mq’、md’を出力する。特に、非干渉制御手段2
5は、電流制御ループと電圧制御ループの干渉を起こさ
せるクロスカップリングブロックVCTF、CVTFの
除去を可能にする。
【0155】近似非線形微分方程式に基づいて非干渉制
御手段25が作成される方法の一例を以下に記載する。
ただし、線形化システムの伝達関数に基づいてこの種の
非干渉制御手段25を導出することも可能であることに
注意されたい。非線形微分方程式に基づいた直接補償
は、動作点が直接補償可能であること、及び、動作点が
2、3のシステムパラメータのみに依存するという利点
を持つ。さらに、単に電流および電圧のみを測定し、コ
ントローラに供給することが必要であるという利点を持
つ。従って、非線形微分方程式による方法は、広範囲に
亙る動作および可能性の殆どの状態変数が測定可能であ
るという好ましい方法である。
【0156】非干渉制御に関する関連微分方程式を導出
するためには、交流電流方程式が導出されなければなら
ない。これは、次式の方程式を導く時間に関する方程式
(2.12)の導関数を求めることにより達成される。
【0157】
【数24】
【0158】方程式(2.13)および(2.16)を
使用すると、idおよびiq成分に分割される線電流に関
する全微分方程式は次式のように導出される。
【0159】
【数25】
【0160】方程式(4.2)において、mqの前の括
弧内の式は交流電流idを制御するための入力であり、
dによって乗算される式、即ち、mdの微分係数は干渉
項である。交流電圧成分によって乗算される項は外乱と
見なすことができる。式(4.2)を図13と比較する
と、時間微分dmd/dtの微分係数は主過渡干渉ブロ
ックVCTFであり、mqによって乗算される式におけ
るωuDCは変化作動点の影響であることが分かる。一般
に変動周波数はコントローラの帯域幅よりはるかに高い
ので、単純化するために、直流電流変動ΔiDCは無視で
きる。更に、外乱は、フィードバック又はフィードフォ
ワードループによって制御可能であり、周波数変動は干
渉に較べると小さい影響に過ぎないと見なされる。従っ
て、方程式(4.2)および(2.16)は次のように
近似可能である。
【0161】
【数26】
【0162】
【数27】
【0163】これら2つの方程式(4.3)および
(4.4)は2つの制御ループの干渉の動的動作を完全
に示す。本発明によれば、電流制御ループが電圧制御ル
ープから独立するように、即ち、交流電流振幅と直流電
圧は独立して制御可能であるように変調指数mqおよび
dは選定されなければならない。この必要条件は、次
のように数学的に表現できる。
【0164】
【数28】
【0165】
【数29】
【0166】これら2つの方程式(4.5)および
(4.6)において、KdおよびKqは定数であり、
d’およびmq’は電流振幅制御および直流電圧制御の
ための新規制御信号入力(または、変調指数)であると
簡単に要求できる。実際には、方程式(4.5)および
(4.6)に従ってシステムが設計可能であれば、補償
器がその限界内で作動する限り、完全な非干渉が達成さ
れるはずである。方程式(4.3)と方程式(4.5)
および方程式(4.4)と方程式(4.6)を比較した
場合、mdとmqは、次の方程式を満足させなければなら
ない。
【0167】
【数30】
【0168】
【数31】
【0169】これらの方程式は、md’およびmq’の関
数として、mdおよびmqに関して次のように解が求めら
れる。
【0170】
【数32】
【0171】
【数33】
【0172】mdの追加的な時間従属微分係数が存在す
るので、勿論、方程式(4.9)を直接的にコントロー
ラにおいて技術的に具現することは可能でない。方程式
(4.9)がmdの非線形微分方程式と見なすことがで
きる場合であっても、導関数の係数がゼロのまわりで正
または負の値をとり得るiqであるので、この方程式を
オンラインコントローラにおいて具現することは可能で
ない。いずれにせよ、変調mdが次式のように計算可能
であるように、方程式(4.9)におけるmdの時間微
分係数を無視することができる。
【0173】
【数34】
【0174】ただし、方程式(4.11)および(4.
10)を用いて、これらの方程式は、依然として、抵
抗、インダクタンス、及び、キャパシタンスのような回
路パラメータに依存するので、完全な非干渉制御を具現
することはできない。方程式(4.10)において、主
干渉作用は依然としてmdの時間微分係数である。更
に、電流のq軸成分iqは、基準フレーム検出によって
ゼロに保持される(実質的にはユニット17がiq=0
にする)。md’は一般に小さく、抵抗およびコンダク
タンスも同様に無視できる。従って、方程式(4.1
0)および(4.11)においてRAC=0およびGDC
0と仮定可能であり、次の2つの方程式(4.12)お
よび(4.13)が導かれる。
【0175】
【数35】
【0176】
【数36】
【0177】ここで、単純化すれば、方程式(4.1
2)および(4.13)を用いた非干渉制御は1つのシ
ステムパラメータCDCにのみ依存し、これは、一層複雑
な方程式よりも、具現することがはるかに容易である。
方程式(4.12)および(4.13)において更なる
単純化が可能である、即ち、md’およびiq(md’は
小さく、iq基準フレーム検出によってゼロに保持でき
るので)およびm’d 2(mdは小さいので)を無視する
ことにより、方程式(4.12)および(4.13)か
ら、非干渉制御に関する次のような最終方程式が得られ
る。
【0178】
【数37】
【0179】
【数38】
【0180】基準フレーム検出が実施されるので、方程
式(4.14)におけるiq=0であり(ユニット17
により)、定数および実数値KdおよびKqはmd’およ
びmq’値の一部分(これらは、電流および電圧制御ル
ープにおける更なる定数を表すにすぎない)と見なすこ
とができる。従って、次に示す非干渉化された方程式の
最終組は非干渉制御手段25のために使用できる。
【0181】
【数39】
【0182】
【数40】
【0183】方程式(4.16)および(4.17)に
従ってmdおよびmqを選択することにより、方程式
(4.5)および(4.6)の要求に応じて、電流制御
と電圧制御を独立して実施できる。図31に示すよう
に、手段25の下流における干渉は、方程式(4.1
4)および(4.15)に基づく非干渉によって補償さ
れる。
【0184】図11に関して既に検討済みの線形化およ
び3相システムを用いた図31に示す非干渉手段25の
特殊実施形態について以下に記述する。
【0185】実施の形態5.(電圧PLLを有する3相
系統) 図37は図11に基づくコントローラを示す(即ち、交
流電圧検出器23、電圧PLL位相検出器18、及び、
位相回転手段17を含む)が、しかしながら、本発明の
実施の形態1によれば、さらに、非干渉制御手段25も
含む。方程式(4.14)から(4.17)までによっ
て分かるように、非干渉制御手段25は、電流コントロ
ーラ20の出力(変調指数)mq’、直流コンデンサ電
圧uDC、電流振幅id、送電線の周波数ω、及び、直流
電圧コントローラ16の出力md’を受け取る。3相系
統の場合には、非干渉制御手段25、補償器3、2fフ
ィルタ15、及び、直流電圧コントローラ16が3度装
備される。図37における他のユニット、すなわち、電
流検出器24、電流振幅および位相検出ユニット21、
18、コンデンサ電圧検出器26、平均電圧検出器1
5、基準位相生成ユニット17(制御システムにおける
qを0に保持する)、基準フレーム検出器18、座標
変換器19、直流リップル補償ユニット13、及び、電
圧位相検出器23は、既に図11において述べたこれら
のユニットに対応する。
【0186】直流電圧変動手段13および2fフィルタ
15を装備しない補償器の結果として得られる交流電流
および出力電圧は幾らかの高調波を含むが、非干渉制御
は、これらのユニットを装備しない場合であっても効果
的であることに注意されたい。これらのユニットは高調
波を抑圧するための何等かの用途に用いることが好まし
い。例えば、直流コンデンサのキャパシタンスが変動を
抑制抑圧することのできる程度に十分に大きい場合に
は、追加ユニットは必要ない。その代りに、2fフィル
タ(例えば、LCフィルタ)が、補償器3の直流回路と
並列に直流コンデンサを備えて形成された場合には、こ
の場合にも、ユニット13および15は必要でない。後
者の解決方法は、変圧器なし直列補償器の場合には部分
的に実際的な解決方法である。
【0187】方程式(4.14)および(4.15)は
qqq’/ωuDC項を含む(図31に示すように)
にもかかわらず、非干渉制御手段25へのiq入力が存
在しないことが図37から分かる。上述したように、本
発明によるコントローラにおいては、3相極座標変換手
段21における基準フレーム検出により、電流のq軸成
分iqはゼロに保持される。従って、図37における非
干渉手段25の実施形態を示すには、方程式(4.1
4)、(4.15)は方程式(4.16)、(4.1
7)に書き直されることが正当である。
【0188】方程式(4.16)、(4.17)におい
て、時間微分係数以外の全ての係数はハードウェア乗算
器および除算器によって具現できる。ただし、時間微分
係数は、高い周波数条件において非常に高い利得を持つ
ことが可能であり、従って、方程式(4.17)におけ
るdmd/dtは、演算増幅器またはマイクロプロセッ
サのようなハードウェアを用いて具現することは困難で
ある。ただし、図38における非干渉制御手段25の特
殊実施形態に示すように、時間微分係数は時定数の小さ
いフィルタによって処理可能である。非干渉制御手段2
5の実施形態の精密な構造を図38に示す。
【0189】図38において、出力md’は、乗算器2
5jにおいて定数Kdが乗じられる。勿論、追加乗算器
25jが必ずしも必要でない、即ち、Kdが単位数であ
っても差し支えなく、Kdが1であるように方程式
(4.16)、(4.17)はリスケーリング(再基準
化)可能であることを理解されたい。同様に、電流コン
トローラの出力mq’は、乗算器25kにおいて定数Kq
が乗じられる(同様に正規化によってKqは単位数であ
っても差し支えない)。乗算された信号N1は第1除算
器25aの分子(ノミネータ)を形成する。検出された
直流電圧uDCは、乗算器25bにおいて基準フレーム周
波数ωが乗算される。乗算された信号D1は、分割器2
5aにおける除算のために用いられる分母である。第1
インバーターの出力DV1は加算器25iに供給され
る。送電線の周波数ωは、第2除算器25cにおける割
り算のための分母であり、フィルタからの信号N2出力
は第2除算器25cの分子である。乗算済み信号DV2
は、反転された入力として加算器25iに供給される。
【0190】乗算済み出力N3(=md’Kd)は、分子
信号N3として第3ディバイダへ供給される。分割器2
5dの分母はd軸電流成分idである。第3分割器の出
力DV3は、反転された仕方において積分ユニット25
hの出力信号を受け取る第2加算器25fへ供給され
る。第2加算器25fの出力は、dmD/dtフィード
バック回路25f、25g、及び、25hへ供給され
る。ユニット25g、25h、25fは、方程式(4.
7)における第2項を決定するために必要である。
【0191】キャパシタンス電圧制御の主ループは、そ
の周波数特性において限定された帯域幅に適合するよう
に設計されるので、時定数の小さいフィルタ25fをメ
インループに配置してもメインループの特性には影響し
ない。積分器25h、利得25g、及び、減算器25f
は一緒にフィルタとして作用し、フィルタの入力は時間
に関するmdの純微分である。従って、この干渉作用は
フィルタ機能を用いた純粋微分により補償を適切に実施
することができる。電流の分割によって補償されるもう
一方の干渉作用も同様に濾波される。ただし、伝送線の
インダクタンスおよび電流振幅のフィードバック制御の
応答によって、電流の応答も同様に限定される。
【0192】メインループ内の時定数Tfの小さいフィ
ルタ25f、25g、25hはメインループの特性に影
響しない。積分器25h、利得25g、及び、減算器2
5fは、一緒にフィルタとして作用し、積分器25hの
入力N2は、時間に関するMdの純粋微分である。積分
器25hの入力は、分割器25cの分子N2を形成す
る。従って、干渉作用は、フィルタ機能を用いた純粋微
分により適切に補償可能である。電流idの分割によっ
て補償されるもう一方の干渉作用も同様に濾波され、弱
化する。ただし、伝送線のインダクタンスおよび電流振
幅のフィードバック制御の応答により電流の応答も同様
に限定される。
【0193】図20は、図17の非干渉制御手段25を
用いた図16に示す制御システムの伝達関数の周波数特
徴を示す。主伝達関数は、作動点によって影響されず、
干渉作用は20dB以上も低下する。従って、電流振幅
dの非干渉制御およびコンデンサ電圧uDCが達成可能
である。更に、図17における非干渉制御の構成は、例
えば伝送線ライン2a、2b、及び、直流コンデンサの
キャパシタンスCDCのインダクタンスLACのような系統
パラメータから独立している。これは、補償器3のコン
トローラがローカル変数のみを必要とすることを意味す
る。電流検出または電圧検出によって容易に検出でき
る。
【0194】図41は、従来技術の図16と対照的に、
非干渉制御を用いたステップレスポンス(段階応答)を
示す。電流振幅idは、図19に示す時点0.1におけ
る、干渉に起因するリップルを示すが、図19に示す時
点0.1において電圧ステップが発生する場合には、電
流には何等変化が無い。同様に、図41に示す時点0.
5において電流にステップが起きる場合には、電圧には
全然変化がない。従って、図41は、電流および電圧は
方程式(4.16)、(4.17)に基づいて独立的に
制御可能であることを示す。
【0195】実施の形態6.(電流PLLを有する3相
系統) 図37は図38と共に、電圧PLLおよび独立およびロ
ーカル制御を用いた3相システムを含む本発明の実施の
形態を示すが、電流PLLを有する図37の3相システ
ムコントローラを提供することも可能である。この場
合、コントローラは、図37に示す交流電圧検出器26
を必要としない。従って、実施の形態2の構成は、図3
7のように組み立てられ、電圧検出器23および位相回
転手段17を必要とせず、電流検出器24の出力を、電
流PLLユニット18として作動する位相検出器18に
も接続する。3相極座標変換ユニット21は図23の場
合と同じであり、位相検出器18は、sinθおよびc
osθ関数を直接出力する。ただし、実施の形態1の場
合と同様に、本システムは依然として3相システムであ
る。非干渉コントロール25への入力m’q、uDC
d、ω、m’dは図37の場合と同様であり、従って、
図38に示す非干渉制御に関するブロック図が同様に適
用可能である。従って、図43に示す実施の形態は、非
干渉制御に関する限り、図37に示す実施の形態と厳密
に同じ仕方において作動することを理解されたい。
【0196】実施の形態7.(電流PLLを有する単相
系統) 図39は、図10の基礎構造を有し、本発明の実施の形
態7による非干渉制御手段25および成分検出器26を
有する単相システムを示す。この単相システムにおい
て、電流検出も同様に位相である。電流検出は単相であ
るので、基準フレーム検出によってゼロであるべき電流
現行iqのq軸成分を供給することは可能でない。従っ
て、図39において、図36に示す方程式、即ち方程式
(4.14)、(4.15)が具現される。単相システ
ムにおいては、図39に示すように、非干渉制御手段2
5に必要とされるidおよびiq成分を供給するために、
電流の単相からd−q座標への変換が必要とされる(図
40参照)。
【0197】本発明の実施の形態7に基づく非干渉制御
手段25は、ユニット25a−25kに加えて、追加乗
算器25l及び追加加算器25mを含む。乗算器251
は、q軸電流成分iqに第1分割器25aの出力を乗
じ、加算器25mの負入力へ乗算済み出力MLを供給す
る。加算器25mは、md’Kdからiq*DV1(即
ち、iq*mq’Kq/uDCω)を減算する。加算器25
bの出力は、第3除算器25dの分子信号N3を形成す
る。このような構成を用いて、完全方程式(4.1
4)、(4.15)が具現化可能である。
【0198】3相システムの平衡運転においては、対称
演算を用いて、瞬間電流成分を容易に測定可能である
が、単相または不平衡3相システムにおいては、これに
反して、測定のための幾らかの時間的遅延は避け難い。
単相電流のこれらの成分を検出する幾つかの方法があ
る。簡単な一例を図40に示す。電流検出器24によっ
て検出される交流線電流iは、位相検出器18によって
生成される正弦基準信号cos(ωt)及びsin(ω
t)を乗じられる。成分検出器26は、直交電流成分i
d、iqを生成するように、検出された線電流iに信号s
in(ωt)及びcos(ωt)を乗じるための第1お
よび第2乗算器26a、26bを含む。乗算により、送
電線の周波数ωの2倍の成分も存在し、フィルタ26
c、26dは、基本周波数ωを通過させるためだけに用
いられる。基準信号cos(ωt)は交流電流と同相の
信号であることに注意されたい。従って、icosωt
及びisinωtは、それぞれ、交流電流idの振幅お
よび過渡成分iqを含む。
【0199】実施の形態8.(電圧PLLを有する単相
系統) 実施の形態7において、電流PLLは、単相システムに
おける電流位相検出のために用いられることに注意され
たい。ただし、勿論、上で説明したように、3相システ
ムに関して単相システムにおいて電圧PLLを使用する
ことが可能である。電流PLLの代りに電圧PLLを使
用する単相システムを図44に示す。
【0200】図44に示すように、成分検出器26はi
d及びiq成分を出力する。3相極座標変換ユニット2
1、位相検出器18、及び、位相回転ユニット17は、
図37に関して既に記述したこれらのユニットに対応す
る。電圧PLLバージョンを有する単相システムの非干
渉制御は、図37および図38に示す電圧PLLを有す
る3相システムの場合とちょうど同じ様に簡易化できる
ことは興味深い。電圧位相から電流位相への位相補正が
用いられるので、この制御は、非干渉を図38に示すよ
うに簡単にする。勿論、図37とは対照的に、成分検出
器26における成分検出に起因して制御ループに追加遅
延が存在する。ただし、非干渉コントロール25は、そ
こでは電流のq成分がゼロになる補正済み基準フレーム
と共に機能する。
【0201】実施の形態9.(追加フィルタ) 既に図39に示したように、入力基準電圧uDC refを濾
波するために更なるフィルタ27を使用できる。この種
のフィルタ27は、図18−32に示し、既に上述した
ように、実施の形態1〜4の各々にも使用できる。
【0202】フィルタは変調指数の振幅を減少させる効
果を持ち、従って、非干渉制御は、制限された出力電圧
容量を用いて達成される。入力基準電圧の高い周波数成
分はフィルタによって減少されるので、これらの成分は
非干渉制御ユニットへ移送されない。その結果、利得ユ
ニット25gの出力は減少するはずである。これは、直
流電圧コントローラの利得が低く、かつ/または、入力
基準電圧が低速である場合には、非干渉制御ユニットD
V2が無視可能であることを意味する。
【0203】実施の形態10.(3相および単相) 既に説明したように、本発明の第三概念に基づく非干渉
制御手段は2つの異なるシステム、すなわち、単相また
は3相システムへ適用される。更に、本質的に異なる2
つの位相検出手段(電圧検出器PLL付き、および、電
圧検出器なし)を用いることができる。更に、フィルタ
は随意に使用できる。更に、3相システムにおいて、既
に説明したように、iq=0に保持することは容易であ
る。ただし、単相システムにおいては、過渡検出遅延の
ために、iq=0を保証することが困難であるので、
(単相システムに関して図39に示すように)非干渉制
御手段の異なる内部構造が用いられる。
【0204】3相システムにおいては、実施の形態5に
基づき、電圧PLLの用法は一般的知られているので、
電圧PLLが用いられる。実施の形態6は電圧PLLを
持たず、その利点は成分の減少である。更に、単相シス
テムにおいて、単相システムにおける本発明の適用につ
いて簡単に説明するために、実施の形態7は電圧PLL
を用いない。ただし、単相システムは、実施の形態8に
基づいて図44に示すように、電圧PLLおよび電圧検
出器を用いて機能することができることを理解された
い。実施の形態9に基づく追加フィルタは、他の任意の
実施の形態において使用可能である。もちろん、実施形
態は組み合わせ可能である。最後に、2fフィルタおよ
び直流電圧変動補償手段は、既に説明したように、任意
装備ユニットであることに注意されたい。
【0205】既に説明したように、本発明の第三概念
は、電流および電圧ループの非線形微分方程式に近似さ
せることによる非干渉制御に基づく。従って、独立した
電圧および電流制御が達成できる。この種の非干渉手段
は、補償器、好ましくは変圧器無し無効電力直列補償器
を制御するために、単相システム又は3相システムにお
けるコントローラ用に使用できる。本発明は、変圧器無
し無効電力直列補償器の制御のみに制限されることな
く、この制御は実際に変圧器を含む補償器にも充分同様
に適用可能であることに注意されたい。補償器出力電圧
および電流を制御することが必要なあらゆる装置に、変
圧器無し無効電力直列補償器において直流コンデンサに
よって検出される線電圧を表わす式が利用可能なはずで
ある。従って、上述の全ての制御方式は、変圧器を有す
る補償器にも適用可能である。
【0206】第11の実施の形態(レートリミッタ/非
干渉制御) 上述した本発明の第3態様による第6〜第10の実施の
形態は、電流制御を電圧制御から非干渉とすることがで
きる。これは、特に上述したレートリミッタの実施の形
態に関して有用である。
【0207】図45に示すように、本発明の第1及び第
2態様(第1〜第5の実施の形態)による信号セパレー
タSSは、非干渉制御手段とともに使用してもよい。即
ち、電流コントローラ20は制御電圧ccoutを出力
し、かつ信号セパレータは変調指数mq’を出力する一
方、非干渉手段は、上記で説明したように、新規の修正
された変調指数mqとmdを出力する。図46は、信号位
相系統についての、図45と同様のブロック図を示す。
【0208】図45、図46で使用される好ましい信号
セパレータは、図47における第11の実施の形態に従
って例示される。該信号セパレータは、下部信号経路に
おいて、図27におけるユニット233、234、及び
235と同様の機能を実行する絶対値回路341と、リ
ミッタ342と、レートリミッタ343とを備える。信
号セパレータSS5によって出力される変調指数mq
は、制御電圧ccoutである。定常状態において、変調
指数mq及びmq’は、非干渉制御によりmq=mq’/u
DCの関係を持つ。したがって、静的特性は一定の直流電
圧制御について図26と同じである。他方、動的特性は
図48及び図49に示される。図48及び図49におい
て、制御軌道はCを通ってポイントA’からポイント
B’に移行するが、変調指数mqの制御軌道は非干渉制
御によりA’’からB’’に直接移動する。図49に示
すように、これは、変調指数が過渡時に一定ではなく、
結果として出力端子電圧(図49における最底部にある
図における)は、mq’に等しいccoutに直接比例す
る。従って、電流応答は非干渉制御と共に図47の信号
セパレータによって改良可能である。しかし、上述した
ように、送電線への干渉作用に起因して、本来既に備わ
っている電流及び電圧制御ループの干渉があるため、非
干渉制御は図24、図25における実施の形態とともに
有利に使用可能である。
【0209】第12の実施の形態(調節可能な直流電圧
/レートリミッタ) 上記で、図18〜図25を参照して説明された実施の形
態における過渡作用を低減させるため、おそらく非干渉
制御と組み合わせて、レートリミッタを図27、図3
3、又は図47に示すように下部信号経路において有利
に使用することを説明した。しかし、図27、図33、
及び図47から理解されるように、レートリミッタは調
節可能直流電圧制御の場合の制御経路にのみ挿入され
る。
【0210】本発明の第1態様を使用していないコント
ローラでさえ、即ち完全な補償器端子出力電圧範囲に亘
って従来の直流調節可能制御方法を用いるコントローラ
であっても、レートリミッタの使用及びおそらく非干渉
制御とのレートリミッタの使用から利点を得ることが理
解されよう。即ち、永久的に一定の変調指数mqを出力
するが、可変直流基準電圧uDC refを出力する図21に
おける任意のコントローラは、おそらく非干渉制御手段
とともに、図27、図33、及び図47における下部信
号経路要素のみを使用しうる。これにより、調節可能直
流電圧制御方法のみを使用するコントローラにおいて、
電流コントローラ出力ccoutにおける突然の大きな低
下がある時にゼロ電圧を回避することができる。
【0211】産業上の利用分野 上記で説明したように、本発明の第1態様は、補償器の
低及び高出力電圧範囲それぞれにおける2つの異なる制
御方法の使用に関する。これにより、高調波が減少し、
ゼロ電圧が回避され、スイッチング損失が(少なくとも
高出力電圧範囲において)減少する。本発明の第2態様
により、電流コントローラ出力の突然の変更時かつ2つ
の制御領域の間の過渡状態において、ゼロ電圧が回避さ
れる。第3態様は、電流及び電圧制御ループの非干渉に
関し、第1及び/又は第2態様と共に使用可能である。
最後に、レートリミッタ及び非干渉制御手段に関する実
施の形態は、一定の変調指数及び可変直流コンデンサ基
準電圧uDC refで制御を行うだけであるコントローラに
おいても使用可能である。
【0212】変圧器なし無効電力直列補償器又は変圧器
を使用した補償器さえも制御するために、コンデンサ電
圧を補償器端子の出力に印加するということを参照して
本発明を上述したが、本発明の原理的概念は、所定の位
相で電圧を送電線に供給する必要のあるその他の状況に
も適用してもよいことを理解されたい。
【0213】ただし、ここに記述した教示および説明は
好ましい作動態様にのみ関係するものであること、およ
び、ここに開示された教示に基づいて更なる実施形態が
可能であることに注意されたい。従って、当業者は、前
述の教示に基づいて更なる修正および改変を実施するこ
とが可能である。更に、本発明は、説明に記述され、か
つ、これとは独立して特許請求の範囲に請求された特徴
に基づく実施形態を含むことができる。従って、全ての
この種変化および修正が添付特許請求の範囲に含まれる
ものと解釈される。
【0214】
【発明の効果】この発明は、電力送電線に補償器端子に
より直列挿入された無効電力直列補償器を制御するコン
トローラであって、前記電力送電線を流れる線電流
(i)を検出する線電流検出手段と、前記無効電力直列
補償器のインバータの変調器に接続されたコンデンサ
(CDC)の直流電圧(uDC)を検出する直流電圧検出手
段であって、前記変調器は、変調信号に依存して、前記
インバータを介する前記コンデンサ(CDC)のコンデン
サ直流電圧(uDC)の印加を制御する、直流電圧検出手
段と、m=md cos(ωt)−mq sin(ωt)
の形式である信号mを生成する変調信号生成手段であっ
て、上式中、ωは前記変調信号として、前記変調器に供
給される送電線の周波数である、変調信号生成手段と、
前記線電流(i)を所定の基準電流(id ref)に制御す
る電流制御ループであって、該電流制御ループの電流コ
ントローラは、前記補償器の所望の補償器端子出力電圧
(uc)に対応する制御信号(ccout)を出力する、電
流制御ループと、前記直流コンデンサ(CDC)の直流電
圧(uDC)を所定の基準電圧(uDC ref)に制御する電
圧制御ループであって、該電圧制御ループの直流電圧コ
ントローラは、前記変調信号mについて変調指数md
出力する、電圧制御ループと、前記電流コントローラに
より出力された前記制御信号(ccout)を入力として
受け取り、前記変調信号mの前記変調指数mqを出力す
る第1出力を有し、かつ、前記電圧制御ループの前記所
定の基準電圧(uDC ref)を出力する第2出力を有す
る、制御方法選択手段(SS)とを備え、該制御方法選
択手段(SS)は、前記補償器端子出力電圧(uc)が
所定の補償器端子出力電圧閾値(ucth)よりも大きい
場合には、一定の変調指数mqと、前記電流コントロー
ラ出力(ccout)によって指示されるように、補償器
端子出力電圧(uc)の増減に依存して増減する前記基
準電圧(uDC ref)を出力し、かつ、前記制御方法選択
手段(SS)は、前記補償器端子出力電圧(uc)が所
定の補償器端子出力電圧閾値(ucth)よりも小さい場
合には、実質的に一定の基準電圧(uDC ref)と、前記
電流コントローラ出力(ccout)によって指示される
ように、補償器端子出力電圧(uc)の増減に依存して
増減する変調指数mqを出力するようにしたので、補償
器端子出力電圧における高調波の発生を低減し、かつ、
それでいてゼロ電圧を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の送電系統における直列補償器の原理構
成図である。
【図2】 従来の各相に補償器を組込んだ3相系統を示
す図である。
【図3】 図1、図2に用いられる一般的な補償器の詳
細なブロック図である。
【図4】 図3に示すインバータの従来のPWM制御を
示す図である。
【図5】 図1、図2に基づく補償器を含む従来の送電
系統における電流と電圧の原理的関係を示す図である。
【図6】 図1、図2に基づく補償器を含む従来の送電
系統における電流と電圧の原理的関係を示す図である。
【図7】 従来の線電流制御に関するフェーザダイアグ
ラムを示す図である。
【図8】 従来の直流コンデンサCDC充電時における電
圧と電流の依存性のフェーザダイアグラムを示す図であ
る。
【図9】 従来の過渡状態における直流コンデンサの充
電を示す図である。
【図10】 従来の単相コントローラを示す図である。
【図11】 従来の3相コントローラを示す図である。
【図12】 図10、11の従来のコントローラにおけ
る干渉効果の概観図である。
【図13】 補償器端子出力電圧における高調波成分の
発生を示す図である。
【図14】 可変変調指数による制御を用いた場合の、
高調波成分の実効値(effective value)を基本成分の
実効値と比較した図である。
【図15】 一定直流電圧制御の例を示す図である。
【図16】 調節可能直流電圧制御の例を示す図であ
る。
【図17】 調節可能直流電圧制御方法を使用するコン
トローラの場合の、高調波成分の実効値を基本成分の実
行値と比較した図である。
【図18】 図12に示す従来の干渉効果の概要図であ
る。
【図19】 図10、11に示す基礎的コントローラの
ステップレスポンスを示す図である。
【図20】 図10、11における従来のコントローラ
の利得特性を示す図である。
【図21】 特に制御方法選択手段SS(信号セパレー
タ)を含む、本発明によるコントローラを示す図であ
る。
【図22】 特に制御方法選択手段SS(信号セパレー
タ)を含む、本発明によるコントローラを示す図であ
る。
【図23】 図21,22に示す制御方法選択手段の機
能を示す図である。
【図24】 信号セパレータの第1の実施の形態を示す
図である。
【図25】 信号セパレータの第2の実施の形態を示す
図である。
【図26】 特に従来技術による一定直流電圧制御と比
較した、本発明によるコントローラの特徴を示す図であ
る。
【図27】 信号セパレータの第3の実施の形態、特に
過渡状態におけるゼロ電圧を回避する、本発明の第2態
様によるレートリミッタを示す図である。
【図28】 本発明の第2態様によるレートリミッタが
一定変調指数制御方法において用いられる場合の、静的
特性及び過渡軌道を示す図である。
【図29】 図23におけるレートリミッタを使用した
場合の、時間の経過に伴う変数の変化を示す図である。
【図30】 レートリミッタを信号セパレータの前に配
置した場合の、時間の経過に伴う変数の変化を示す図で
ある。
【図31】 離散時間におけるレートリミッタの一実施
の形態を示す図である。
【図32】 図28におけるレートリミッタと類似する
レートリミッタの効果を示す図である。
【図33】 本発明の第2態様による信号セパレータの
第4の実施の形態を示す図である。
【図34】 図18に示す干渉ユニットの上流に設置さ
れた非干渉制御手段を含む本発明の原理を示す図であ
る。
【図35】 図34に基づく非干渉制御手段を含む本発
明によるコントローラの原理ブロック図である。
【図36】 非線形微分方程式の近似に基づいて実施さ
れる非干渉作用を示す図である。
【図37】 電圧PLLを有する3相系統における本発
明の実施の形態1による非干渉制御を含むコントローラ
のブロック図である。
【図38】 本発明に基づく非干渉制御手段の詳細なブ
ロック図である。
【図39】 本発明の実施の形態3に基づく単相コント
ローラのブロック図である。
【図40】 本発明の一実施の形態に基づく成分検出器
を示す図である。
【図41】 本発明に基づく非干渉制御を用いたステッ
プレスポンスを示す図である。
【図42】 発明の一実施の形態に基づく簡素化済み非
干渉制御の利得特性を示す図である。
【図43】 図16に示す場合と同様であるが、本発明
の実施の形態2による線電流位相検出用電流PLLを用
いる3相系統を示す図である。
【図44】 図18に示す場合と同様であるが、本発明
の実施の形態4による線電流位相検出用電流PLLを用
いる単相系統を示す図である。
【図45】 図34〜図44に示す非干渉制御とともに
信号セパレータを用いた、本発明の第3態様によるコン
トローラを示す図である。
【図46】 図34〜図44に示す非干渉制御とともに
信号セパレータを用いた、本発明の第3態様によるコン
トローラを示す図である。
【図47】 信号セパレータの第5の実施の形態を示す
図である。
【図48】 図45,46の非干渉コントローラにおい
て信号セパレータを使用した場合の、過渡特性を示す図
である。
【図49】 図45,46の非干渉コントローラにおい
て信号セパレータを使用した場合の、過渡特性を示す図
である。
【符号の説明】
3 トランスレス無効電力直列補償器、2a,2b 送
電線、13,14 変調信号生成手段、16 直流電圧
コントローラ、18,21,22 電流制御ループ、2
0 電流コントローラ、25 非干渉制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G066 FA01 FB13 FC04 FC12 5H007 AA07 CB05 CC03 DA04 DB01 DB05 DC02 DC05 EA02 GA01 GA06 5H420 BB03 BB12 BB13 BB16 CC04 DD03 EA03 EA45 EB19 EB39 EB40 FF03 FF04 FF11 FF22

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力送電線に補償器端子により直列挿入
    された無効電力直列補償器を制御する無効電力直列補償
    器用コントローラであって、 a)前記電力送電線を流れる線電流(i)を検出する線
    電流検出手段と、 b)前記無効電力直列補償器のインバータの変調器に接
    続されたコンデンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を検出
    する直流電圧検出手段であって、前記変調器は、変調信
    号に依存して、前記インバータを介する前記コンデンサ
    (CDC)のコンデンサ直流電圧(uDC)の印加を制御す
    る、直流電圧検出手段と、 c)m=md cos(ωt)−mq sin(ωt)の
    形式である信号mを生成する変調信号生成手段であっ
    て、上式中、ωは前記変調信号として、前記変調器に供
    給される送電線の周波数である、変調信号生成手段と、 d)前記線電流(i)を所定の基準電流(id ref)に制
    御する電流制御ループであって、該電流制御ループの電
    流コントローラは、前記補償器の所望の補償器端子出力
    電圧(uc)に対応する制御信号(ccout)を出力す
    る、電流制御ループと、 e)前記直流コンデンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を
    所定の基準電圧(uDC ref)に制御する電圧制御ループ
    であって、該電圧制御ループの直流電圧コントローラ
    は、前記変調信号mについて変調指数mdを出力する、
    電圧制御ループと、 f1)前記電流コントローラにより出力された前記制御
    信号(ccout)を入力として受け取り、前記変調信号
    mの前記変調指数mqを出力する第1出力を有し、か
    つ、前記電圧制御ループの前記所定の基準電圧(uDC
    ref)を出力する第2出力を有する、制御方法選択手段
    (SS)とを備え、 f21)該制御方法選択手段(SS)は、前記補償器端
    子出力電圧(uc)が所定の補償器端子出力電圧閾値
    (ucth)よりも大きい場合には、一定の変調指数m
    qと、前記電流コントローラ出力(ccout)によって指
    示されるように、補償器端子出力電圧(uc)の増減に
    依存して増減する前記基準電圧(uDC ref)を出力し、
    かつ f22)前記制御方法選択手段(SS)は、前記補償器
    端子出力電圧(uc)が所定の補償器端子出力電圧閾値
    (ucth)よりも小さい場合には、実質的に一定の基準
    電圧(uDC ref)と、前記電流コントローラ出力(cc
    out)によって指示されるように、補償器端子出力電圧
    (uc)の増減に依存して増減する変調指数mqを出力す
    ることを特徴とする無効電力直列補償器用コントロー
    ラ。
  2. 【請求項2】 前記制御方法選択手段(SS)は、第1
    信号セパレータ(SS1)を備え、前記第1信号セパレ
    ータ(SS1)が、 前記制御電圧を所定の限界電圧(uDC min、−uDC min
    に制限する第1リミッタと、 前記第1リミッタの出力を最大変調指数(mq max)と掛
    け算し、その結果を前記第1限界電圧(uDC min)で割
    り算する第1除算器と、 前記制御電圧(ccout)の絶対値を決定する第1絶対
    値回路と、 前記第1絶対値回路の出力が前記上限閾値電圧を超える
    場合には、前記第1絶対値回路の出力を上限閾値(uDC
    max)に制限し、前記第1絶対値回路の出力が前記下限
    閾値電圧を下回る場合には、前記第1絶対値回路の出力
    を下限閾値(u DC min)に制限する第2リミッタとを備
    えたことを特徴とする請求項1記載のコントローラ。
  3. 【請求項3】 前記制御方法選択手段(SS)は、第2
    信号セパレータ(SS2)を備え、前記第2信号セパレ
    ータ(SS2)が、 前記制御電圧がそれぞれ、最大変調指数を超えるか、あ
    るいは、最小変調指数を下回る場合には、前記制御電圧
    を最大変調指数(mq max)および最小変調指数
    (mq min)にそれぞれ制限する第3リミッタと、 前記制御電圧の絶対値を決定する第2絶対値回路と、 前記絶対値回路の出力を所定の定数(K2)と掛け算す
    る第1乗算器と、 前記第2乗算器の出力がそれぞれ前記上限閾値電圧(u
    DC max)を越えるか、あるいは、前記下限閾値電圧(u
    DC min)を下回る場合には、前記第2乗算器の出力を該
    上限閾値電圧(uDC max)および該下限閾値電圧(uDC
    min)に制限する第4リミッタとを備えたことを特徴と
    する請求項1記載のコントローラ。
  4. 【請求項4】 前記第1信号セパレータはさらに、前記
    第1絶対値回路の出力の変化率を制限するレートリミッ
    タを備えたことを特徴とする請求項2記載のコントロー
    ラ。
  5. 【請求項5】 前記第2信号セパレータ(SS4)はさ
    らに、 前記第2乗算器の出力の変化率を制限するレートリミッ
    タを備え、 前記乗算定数(K2)は、前記下限閾値電圧(uDC min
    のレートを前記最大変調指数(mq max)で割り算するこ
    とにより決定されることを特徴とする請求項3記載のコ
    ントローラ。
  6. 【請求項6】 前記レートリミッタは、 入力信号を受け取る第1入力、第2入力、および出力を
    有し、入力から前記第2入力に印加された信号を差し引
    く第1加算器と、 該第1加算器の出力を所定の時間定数(Ts)で割り算
    する第1除算器と、 出力がそれぞれ上限または下限を越える場合、前記第1
    除算器の出力を上限または下限に制限する第3リミッタ
    と、 該第3リミッタの出力を所定の時間定数(Ts)と掛け
    算する第3乗算器と、 該第3除算器の出力を受け取る入力、第2入力、および
    前記レートリミッタの出力を構成する出力を有する第2
    加算器と、 1サンプリング時間分前記レートリミッタの出力をシフ
    トするz-1回路とを備え、 前記z-1回路の出力は、前記第1加算器の前記第2入力
    と、前記第2加算器の前記第2入力とに印加されること
    を特徴とする、請求項4または5に記載のコントロー
    ラ。
  7. 【請求項7】 非干渉制御手段をさらに備え、 前記非干渉制御手段は、前記制御方法選択手段(SS)
    から変調指数(mq’)を受け取り、かつ、前記直流電
    圧コントローラから変調指数(md’)を受け取り、新
    規変調指数mqおよびmdを前記変調信号生成手段に出力
    することにより、前記線電流(i)が直流電圧コントロ
    ーラの出力(md’)から独立し、かつ直流コンデンサ
    電圧(uDC)が前記制御方法選択手段(SS)からの出
    力(mq’)から独立するようにし、前記交流電流振幅
    (iD)および直流コンデンサ電圧(uDC)は独立して
    制御されることが可能であることを特徴とする請求項1
    記載のコントローラ。
  8. 【請求項8】 前記制御方法選択手段(SS)は第3信
    号セパレータ(SS5)を備え、 前記第3信号セパレータ(SS5)が、 前記制御電圧(ccout)の絶対値を決定する第3絶対
    値回路と、 前記第3絶対値回路の出力が、それぞれ、最大閾値電圧
    を越えるか、あるいは最小閾値電圧を下回る場合、前記
    絶対値回路の出力を前記最大閾値電圧(uDC max)および
    前記最小閾値電圧(uDC min)に制限する第4リミッタ
    と、 前記第3リミッタの出力の変化率を所定の変化率に制限
    するレートリミッタとを備えたことを特徴とする請求項
    7記載のコントローラ。
  9. 【請求項9】 電力送電線に補償器端子により直列挿入
    された無効電力直列補償器を制御する無効電力直列補償
    器用コントローラであって、 a)前記電力送電線を流れる線電流(i)を検出する線
    電流検出手段と、 b)前記無効電力直列補償器のインバータの変調器に接
    続されたコンデンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を検出
    する直流電圧検出手段であって、前記変調器は、変調信
    号に依存して、前記インバータを介する前記コンデンサ
    (CDC)のコンデンサ直流電圧(uDC)の印加を制御す
    る、直流電圧検出手段と、 c)m=md cos(ωt)−mq sin(ωt)の
    形式である信号mを生成する変調信号生成手段であっ
    て、上式中、ωは前記変調信号として前記変調器に供給
    される送電線の周波数である、変調信号生成手段と、 d)前記線電流(i)を基準電圧(id ref)に制御する
    電流制御ループであって、該電流制御ループの電流コン
    トローラは、前記補償器の所望の補償器端子出力電圧
    (uc)に対応する制御信号(ccout)を出力する、電
    流制御ループと、 e)前記直流コンデンサ(CDC)の直流電圧(uDC)を
    所定の基準電圧(uDC ref)に制御する電圧制御ループ
    であって、前記電圧制御ループの直流電圧コントローラ
    は、前記変調信号mについての変調指数mdを出力す
    る、電圧制御ループと、 f1)前記補償器端子出力電圧(uc)が直流コンデン
    サ電圧(uDC)を増大(減少)することを介して制御さ
    れる(調節可能な直流電圧制御)、制御方法を設定する
    制御方法設定手段(SS)とを備え、 f21)前記制御方法設定手段(SS)は、前記変調指
    数(m)を一定の変調指数に設定し、かつ基準電圧(u
    DC ref)を前記電圧制御ループに出力するよう適合さ
    れ、前記基準電圧(uDC ref)は前記電流コントローラ
    出力(ccout)によって指示されるように、前記補償
    器端子出力電圧(uc)の増減に依存して増減し、 f22)前記制御方法選択手段(SS)はさらに、前記
    電流コントローラ出力(ccout)の変化率を所定の変
    化率に制限するレートリミッタを備える信号セパレータ
    (SS3、SS4、SS5)を含むことを特徴とする無
    効電力直列補償器用コントローラ。
  10. 【請求項10】 前記制御方法設定手段(FS)はさら
    に、 前記電流コントローラ出力(ccout)の絶対値を決定
    する絶対値回路と、 該絶対値回路の出力が最大閾値電圧を越えるか、あるい
    は最小閾値電圧を下回る場合、前記絶対値回路の出力を
    前記最大閾値電圧(uDC max)または前記最小閾値電圧
    (uDC min)に制限するリミッタとを備えたことを特徴
    とする請求項9記載のコントローラ。
  11. 【請求項11】 前記制御方法設定手段(SS)はさら
    に、前記絶対値回路の出力を所定の定数と掛け算する乗
    算器を備え、前記定数は、最大変調指数(m q max)によ
    る最小電圧閾値(uDC min)の割合であり、前記除算器
    の出力は前記リミッタに設定されることを特徴とする請
    求項10記載のコントローラ。
  12. 【請求項12】 前記レートリミッタは、 所定の時間定数(Ts)による第3リミッタと、 前記第3乗算器の出力を受け取る入力、第2入力、およ
    び前記レートリミッタの出力を構成する出力を有する第
    2加算器と、 1サンプリング時間分前記レートリミッタの出力をシフ
    トするz-1回路とを備え、 前記z-1回路の出力は、前記第1加算器の前記第2入力
    と、前記第2加算器の前記第2入力とに印加されること
    を特徴とする請求項9記載のコントローラ。
  13. 【請求項13】 非干渉制御手段をさらに備え、 前記非干渉制御手段が、前記制御方法選択手段(SS)
    から変調指数(mq’)を受け取り、かつ、前記直流電
    圧コントローラから変調指数(md’)を受け取り、新
    規変調指数mqおよびmdを前記変調信号生成手段に出力
    することにより、前記線電流(i)が前記直流電圧コン
    トローラの出力(md’)から独立し、かつ直流コンデ
    ンサ電圧(uDC)が前記制御方法選択手段(SS)から
    の出力(mq’)から独立するようにし、前記交流電流
    振幅(iD)および直流コンデンサ電圧(uDC)は、独
    立して制御されることが可能であることを特徴とする請
    求項9記載のコントローラ。
  14. 【請求項14】 前記電流制御ループは、 前記基準値(id ref)から、前記線電流(i)の有効電
    流振幅(id)を差し引くとともに、その結果を前記電
    流コントローラに出力する電流減算器を備えたことを特
    徴とする請求項7または13記載のコントローラ。
  15. 【請求項15】 前記電圧制御ループは、 前記所定の基準電圧(uDC ref)から、前記コンデンサ
    (CDC)の前記コンデンサ直流電圧(uDC)を差し引く
    とともに、その結果を前記直流電圧コントローラに出力
    する電圧減算器を備えたことを特徴とする請求項14記
    載のコントローラ。
  16. 【請求項16】 前記変調信号生成手段は、 第1基準信号(sin(ωt))と、第2基準信号(c
    os(ωt))と、前記電流コントローラの出力mq
    と、前記電圧コントローラの出力md’とを受け取り、
    前記変調信号(m)を出力する座標変換手段を含むこと
    を特徴とする請求項15記載のコントローラ。
  17. 【請求項17】 前記電力送電線は3相システムであ
    り、各位相毎に、前記補償器、前記直流電圧コントロー
    ラ、前記非干渉手段、前記座標変換手段、および、前記
    変調信号mが3回提供され、かつ前記電流コントローラ
    は一回提供されることを特徴とする請求項16記載のコ
    ントローラ。
  18. 【請求項18】 各位相の線電圧を検出する電圧検出器
    と、 該電圧検出器から前記線電圧を受け取るとともに、それ
    ぞれ前記線電圧の位相と前記送電線の周波数(ω)とに
    同期した第3基準信号sinωtおよび第4基準信号c
    osωtを出力する電圧PLL検出器ユニットと、 前記第3および第4基準信号と、位相信号(ψ)を受け
    取るとともに、前記座標変換手段に供給される前記第1
    および第2基準信号を生成する位相回転手段と、 各位相についての前記線電流(i)を受け取るととも
    に、前記有効電流振幅(id)を前記電流減算器および
    前記非干渉手段に出力し、かつ前記位相信号(ψ)を前
    記位相回転手段に出力する3相極座標変換ユニットとを
    備えたことを特徴とする請求項17記載のコントロー
    ラ。
  19. 【請求項19】 前記線電流検出手段から前記線電流
    (i)を受け取るとともに、それぞれ前記線電流(i)
    の位相および前記送電線の周波数(ω)と同期した、前
    記第1基準信号sinωtとして、および、前記第2基
    準信号cosωtとして、前記非干渉手段に出力する電
    流PLL検出器ユニットと、 前記線電流(i)を受け取るとともに、前記有効電流振
    幅(id)を前記電流減算器および前記非干渉手段に出
    力し、かつ前記無効電流振幅(iq)を前記非干渉手段
    に出力する成分検出器とを備えたことを特徴とする請求
    項17記載のコントローラ。
  20. 【請求項20】 前記電力送電線は、単相システムであ
    り、前記補償器、前記直流電圧コントローラ、前記非干
    渉手段、前記座標変換手段、および、前記電流コントロ
    ーラは一回提供されることを特徴とする請求項16記載
    のコントローラ。
  21. 【請求項21】 前記線電流検出手段から前記線電流
    (i)を受け取るとともに、それぞれ前記線電流(i)
    の位相および前記送電線の周波数(ω)と同期した、前
    記第1基準信号sinωtとして、および、前記第2基
    準信号cosωtとして、前記非干渉手段に出力する電
    流PLL検出器ユニットと、 前記線電流(i)を受け取るとともに、前記有効電流振
    幅(id)を前記電流減算器および前記非干渉手段に出
    力し、かつ前記無効電流振幅(iq)を前記非干渉手段
    に出力する成分検出器とを備えたことを特徴とする請求
    項20記載のコントローラ。
  22. 【請求項22】 前記非干渉制御手段は、 前記コンデンサ(CDC)のコンデンサ直流電圧(uDC
    を前記電流PLL検出器ユニットによって出力された送
    電線の周波数(ω)で掛け算する第1乗算器と、 前記電流コントローラからの出力(mq’×Kq)を前記
    第1乗算器の出力信号(D1)で割り算する第1除算器
    と、 前記成分検出器によって出力された電流(iq)の有効
    成分を前記第1除算器の除算結果(DV1)で掛け算す
    る第2乗算器と、 前記直流電圧コントローラの出力(md’×Kd)から、
    該第2乗算器の乗算結果(M1)を差し引く第1加算器
    と、 該第1加算器からの出力を前記成分検出器によって出力
    された電流(id)の無効成分で割り算する第2除算器
    と、 該第2除算器の除算結果、および、積分器の出力を受け
    取る第2加算器と、該第2加算器の出力を受け取るとと
    もに、該出力を前記積分器に供給する時間遅延ユニット
    とを備え、前記積分器の出力が前記修正済み変調指数m
    dを形成する、微分手段と、 前記積分器の入力を、前記電流PLL検出器ユニットに
    よって出力される送電線の周波数(ω)で割り算する第
    3除算器と、 前記第1除算器の出力(DV1)から、前記第3除算器
    の出力(DV2)を差し引き、その結果、修正済み変調
    指数mqを出力する第3加算器とを備えたことを特徴と
    する請求項21記載のコントローラ。
  23. 【請求項23】 前記成分検出器は、それぞれ、検出さ
    れた線電流(i)を第1および第2基準信号(sin
    (ωt)、cos(ωt))で掛け算する第1および第
    2乗算器と、それぞれ、該第1および第二乗算器の出力
    における基本周波数を通す第1および第2フィルタとを
    備え、第1および第2フィルタの前記出力は、線電流
    (i)の無効電流振幅(id)および有効電流振幅
    (iq)を構成することを特徴とする請求項21または
    19記載のコントローラ。
  24. 【請求項24】 各前記非干渉制御手段は、 コンデンサ直流電圧(uDC)を前記電流PLL検出器ユ
    ニットによって出力された送電線の周波数(ω)で掛け
    算する第1乗算器と、 前記電流コントローラの出力(mq’)を前記第1乗算
    器の出力信号(D1)で割り算する第1除算器と、 前記直流電圧コントローラの出力(md’)を前記3相
    極座標変換手段によって出力された有効電流振幅
    (id)で割り算する第2除算器と、 加算器と、時間遅延ユニットと、積分器とを含み、前記
    加算器は前記第2除算器の除算結果(DV3)から、積
    分器出力を差し引き、その結果を前記時間遅延ユニット
    に出力し、前記時間遅延ユニットは、その結果を前記積
    分器への入力として出力し、前記積分器は、修正済み変
    調指数mdを出力する、微分手段と、 前記積分器の入力を、前記電流PLL検出器ユニットに
    よって出力される送電線の周波数(ω)で割り算する第
    3除算器と、 前記第1除算器の出力(DV1)から、前記第3除算器
    の出力(DV2)を差し引き、その結果を修正済み変調
    指数mqとして出力する第3加算器とを備えたことを特
    徴とする請求項18記載のコントローラ。
  25. 【請求項25】 前記変調信号生成手段はさらに、前記
    座標変換手段から変調信号(m0)を受け取って、変調
    信号mを前記補償器のインバータに出力する電圧変動補
    償手段を含み、該電圧変動補償手段は、直流コンデンサ
    電圧(uDC)の電圧変動に起因する変調信号における変
    動を減少させることを特徴とする請求項16記載のコン
    トローラ。
  26. 【請求項26】 前記座標変換手段は、 電流コントローラの出力mq’を第1基準信号(sin
    (ωt))で、直流電圧コントローラの出力md’を第
    2基準信号(cos(ωt))で、それぞれ、掛け算す
    る第1乗算器および第2乗算器と、 前記第2乗算器の乗算結果から、前記第1乗算器の乗算
    結果を差し引く減算器とを備えたことを特徴とする請求
    項16記載のコントローラ。
  27. 【請求項27】 前記電圧制御ループはさらに、コンデ
    ンサ電圧(uDC)を濾波するフィルタを備え、前記電圧
    変動補償手段は、該フィルタの出力を該フィルタの入力
    で割り算する除算器と、前記座標変換手段の出力を前記
    除算器の出力で掛け算する乗算器とを備え、該乗算器に
    よって出力された乗算結果は、前記補償器のインバータ
    に供給される前記変調信号mを構成することを特徴とす
    る請求項25記載のコントローラ。
  28. 【請求項28】 前記フィルタおよび前記電圧変動補償
    手段は、各位相毎に3回提供されることを特徴とする請
    求項17または27記載のコントローラ。
  29. 【請求項29】 前記フィルタおよび前記電圧変動補償
    手段は、1つだけの位相につき一回提供されることを特
    徴とする請求項20または27記載のコントローラ。
  30. 【請求項30】 前記コントローラは、変圧器なし無効
    電力直列補償器を制御するために設けられることを特徴
    とする請求項1または9記載のコントローラ。
  31. 【請求項31】 前記コントローラは、変圧器を有する
    無効電力直列補償器を制御するために設けられることを
    特徴とする請求項1または9記載のコントローラ。
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