JP2001284948A

JP2001284948A - アンテナユニット

Info

Publication number: JP2001284948A
Application number: JP2000101503A
Authority: JP
Inventors: Keiichi Ogura; 慶一小倉
Original assignee: SMK Corp
Current assignee: SMK Corp
Priority date: 2000-04-03
Filing date: 2000-04-03
Publication date: 2001-10-12

Abstract

(57)【要約】【課題】アンテナエレメント（２）を取り付け金具
（３）とともに容易に形成でき、しかも一体成形の際の
成形圧力によってアンテナエレメント（２）の電気特性
が変化しないアンテナユニットを提供することを目的と
する。【解決手段】導電性金属板から打ち抜いた帯状部を折
り曲げてパイプ状のアンテナエレメント（２）とすると
ともに、帯状部と一体の基部を取り付け金具（３）と
し、パイプ状アンテナエレメント（２）を、１／４波長
の接地アンテナとして、移動体通信機器の使用帯域周波
数ｆに共振させる。パイプ状のアンテナエレメント
（２）としたので、絶縁カバー（５、１１）で覆う際の
成形圧や組み立ての際の外力により変形することがな
く、電気特性が変化しない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

【０００２】この発明は、携帯電話機、ＰＨＳ等の移動
体通信機器に備えられるアンテナユニットに関し、更に
詳しくは、アンテナエレメントの周囲を絶縁カバーで覆
うアンテナユニットに関する。

【０００３】

【従来の技術】

【０００４】近年、螺旋状のアンテナエレメントを空中
線とするヘリカルアンテナは、広帯域特性をもち、しか
も小型化に適しているので、携帯電話機などの移動体通
信機器に広く用いられている。

【０００５】アンテナエレメントは、これらの機器の筺
体から突出した状態で取り付けられるものであり、不用
意に触れて怪我をしたり、外力によりアンテナエレメン
トが変形しないように、その周囲は、ポリエステル、合
成ゴムなど比較的縦弾性係数の小さい材料からなる絶縁
カバーで覆われている。

【０００６】図６（ａ）乃至（ｃ）は、アンテナエレメ
ントの周囲を、一体成形した絶縁カバー１０４で覆う従
来のアンテナユニット１００の成形方法を示すものであ
る。

【０００７】この成形方法をこれらの図に従って説明す
ると、図中１０１は、導体を螺旋状に巻回して形成した
ヘリカルアンテナとなるアンテナエレメントであり、そ
の基端に取り付け金具１０２が固着されている。アンテ
ナエレメント１０１は、この取り付け金具１０２を携帯
電話機などの移動体通信機器の筺体に取り付けることに
よって、取り付け金具１０２と図示しない給電線を介し
て、通信機器内の空中線結合回路、送受信回路などに電
気接続するものである。

【０００８】アンテナエレメント１０１の巻回ピッチＰ
は、ヘリカルアンテナの共振周波数から求めたピッチに
設定され、巻軸に沿った各部分においてほぼ等しいピッ
チとなっている。

【０００９】このアンテナエレメント１０１の周囲を一
体成形した絶縁カバー１０４で覆うアンテナユニット１
００の成形方法は、始めに、螺旋状のアンテナエレメン
ト１０１を、一次成形樹脂１０３と一体に成形し、更
に、一次成形樹脂１０３が硬化した後、図６（ｂ）に示
すように一次成形樹脂１０３と一体となったアンテナエ
レメント１０１に対し、同図（ｃ）のように、その周囲
に絶縁カバー１０４を二次成形によって一体成形するも
のである。

【００１０】アンテナエレメント１０１を一次成形樹脂
１０３と一体成形するのは、合成ゴムなど軟らかい絶縁
カバー１０４のみで覆うだけでは、アンテナエレメント
１０１が外力によって変形し、共振周波数が変化してし
まう恐れがあり、縦弾性係数が比較的大きく硬質の一次
成形樹脂１０３を一体とすることによってその変形を防
止するものである。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】

【００１２】しかしながら、この従来の成形方法では、
一次成形樹脂１０３を金型内に注入した際に、その成形
圧力でアンテナエレメント１０１の巻回ピッチＰがＰ´
とずれ、ずれたまま硬化するので、電気特性が設定値と
異なってしまうという問題が生じた。これによって、ア
ンテナエレメント１０１の共振周波数は、成形条件によ
って成形毎に設計値と異なるものとなり、量産する際の
歩留まり悪化の原因となっていた。

【００１３】また、巻回ピッチＰで螺旋状とするアンテ
ナレメント１０１の形成も、加工精度と複雑なプレス成
形工程を要し、高価なものとなっていた。

【００１４】更に、取り付け金具にリング状のアンテナ
エレメントの基端を取り付けるには、螺旋状の溝を取り
付け金具に刻設したり、接着剤を塗布して取り付ける必
要があり、その取り付けにも余分な工程が必要となって
いた。

【００１５】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、アンテナエレメントを取り付
け金具とともに容易に形成でき、しかも一体成形の際の
成形圧力によってアンテナエレメントの電気特性が変化
しないアンテナユニットを提供する。

【００１６】

【課題を解決するための手段】

【００１７】請求項１のアンテナユニットは、移動体通
信機器に取り付けられ、移動体通信機器内の空中線結合
回路に電気接続する取り付け金具と、取り付け金具に直
線状に延長配置されるアンテナエレメントと、アンテナ
エレメントの外周を覆う絶縁カバーとを備えたアンテナ
ユニットにおいて、導電性金属板から、帯状部と帯状部
の一端に連続する基部を打ち抜き、帯状部をその長手方
向と平行な軸回りに折り曲げてパイプ状のアンテナエレ
メントとするとともに、基部を取り付け金具とし、パイ
プ状アンテナエレメントを、１／４波長の接地アンテナ
として、移動体通信機器の使用帯域周波数ｆに共振させ
ることを特徴とする。

【００１８】帯状部を折り曲げてパイプ状とするだけ
で、アンテナエレメントが成形されるので、その加工が
容易である。また、帯状部に連続させて基部を打ち抜く
だけで取り付け金具とすることができるので、アンテナ
エレメントの加工工程で取り付け金具と一体のアンテナ
ユニットを成形できる。

【００１９】また、アンテナエレメントをパイプ状とし
たので、１／４波長の接地アンテナとして、ヘリカルア
ンテナエレメントに比べて広帯域の周波数で共振する。
従って、送受信に異なる周波数が割り当てられる移動体
通信機器であっても、１本のアンテナユニットで送受信
が可能となる。

【００２０】請求項２のアンテナユニットは、絶縁カバ
ーが、アンテナエレメントの外周に一体成形されたこと
を特徴とする。

【００２１】また、アンテナエレメントがパイプ状なの
で、その周囲を一体成形した絶縁カバーで覆っても、成
形圧力によって変形することがなく、アンテナユニット
に設計値通りの電気特性が得られる。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１実施の形態に
係るアンテナユニット１を、図１乃至図４により説明す
る。図１は、アンテナエレメント２の斜視図、図２
（ａ）は、アンテナエレメント２の平面図、（ｂ）は、
同正面図、（ｃ）は、同側面図である。また、図３
（ａ）は、絶縁カバーを成形する工程を示す断面図、
（ｂ）は、アンテナユニット１の断面図、図４（ａ）
は、このアンテナエレメント２の周波数特性を示す特性
図、（ｂ）は、対比して示すヘリカルアンテナエレメン
トの周波数特性を示す特性図である。

【００２３】図１と図２に示すように、本実施の形態に
係るアンテナユニット１に用いられるアンテナエレメン
ト２は、取り付け金具３と一体で、導電性金属板からプ
レス加工して形成される。

【００２４】導電性金属板としては、例えば、隣青銅な
どの金属板が用いられ、この帯状金属板から、長方形状
の帯状部と帯状部の長手方向に一体に連続する短冊状の
基部を打ち抜く。そして、この帯状部の長手方向（図２
（ａ）において左右方向）と平行な軸回りに打ち抜いた
帯状部を、円筒状に折り曲げてパイプ状のアンテナエレ
メント２とし、短冊状の基部を、取り付け金具３とす
る。

【００２５】このアンテナエレメント２は、基部側を接
地したときに、１／４波長の接地アンテナとして共振す
るものであり、アンテナエレメント２の長さは、移動体
通信機器の使用帯域に合わせて設定され、例えば、２Ｇ
Ｈｚの帯域で使用されるものとすると、２ＧＨｚのλ／
４となる約３．７５ｃｍとなるように帯状部が打ち抜か
れる。

【００２６】取り付け金具３は、図のように、アンテナ
エレメント２の長手方向に一体に連設され、その中間に
円形の取り付け孔４が穿設されている。この取り付け孔
４は、後述する固定ネジ（図示せず）を挿通し、アンテ
ナエレメント２を回路基板に取り付ける為のものであ
る。

【００２７】このアンテナエレメント２の周囲に、絶縁
カバー５を一体成形するために、図３（ａ）に示すよう
に、基部を上下の成形金型９ａ、９ｂ間で挟持し、パイ
プ状のアンテナエレメント２を、成形金型９の内面との
間に絶縁カバー５の肉厚となる間隙をもって成形金型９
の円柱状キャビティ内に支持する。

【００２８】このキャビティ内に、絶縁カバー５となる
例えば、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性絶縁
性合成樹脂を加熱溶融させて注入する。この成形樹脂が
硬化すると、図３（ｂ）に示すように、円柱状の絶縁カ
バー５となり、その一端から基部が突出し、アンテナエ
レメント２は、周囲が均一な厚さで覆われた状態で一体
に絶縁カバー５内に埋め込まれる。

【００２９】このようにして形成されたアンテナユニッ
ト１は、移動体通信機器の筺体内に位置決め収容された
回路基板の表面に取り付け金具３が重ねられ、取り付け
金具３と回路基板の導電パターンが半田付けされるとと
もに、基部の取り付け孔４と回路基板に固定ネジを挿通
して締め付けることによって、回路基板に固定される。

【００３０】取り付け金具３は、回路基板上の導電パタ
ーンに半田付けされることにより、回路基板に実装され
た、移動体通信機器の送受信回路、空中線結合回路等を
構成する高周波回路部品（図示せず）と電気接続する。
また、取り付け金具３が回路基板に固定されたアンテナ
ユニット１は、絶縁カバー５に覆われたアンテナエレメ
ント２が、機器の筺体から突出する。

【００３１】この第１実施の形態によれば、アンテナエ
レメント２が一体成形された絶縁カバー５で覆われるの
で、予期しない外力がアンテナエレメント２に加わって
も変形しその電気特性が変化することがなく、また、ア
ンテナエレメント２がそのまま外部露出しないので、怪
我の危険がない。

【００３２】また、アンテナエレメント２は、成型樹脂
の流入圧に対して変形しにくいパイプ状となっているの
で、この絶縁カバー５の一体成形工程で、成型圧によっ
てアンテナエレメント２が変形することがなく、共振周
波数などその電気特性が成形条件によって不安定になる
ことがない。

【００３３】更に、アンテナエレメント２の製造工程に
おいて、ローディングコイルを製造するような線材の曲
げ加工がないので、安価にアンテナユニット１を量産で
きる。

【００３４】図４（ａ）と（ｂ）を比較して明らかなよ
うに、このパイプ状としたアンテナエレメント２は、ヘ
リカルアンテナエレメントに比べて、移動体通信機器の
使用周波数帯域である２ＧＨｚ近傍において広帯域で共
振する。従って、通信機器の送信周波数と受信周波数を
異ならせても、１本のアンテナユニット１を用いるだけ
で、良好に双方向の通信が可能となる。

【００３５】図５は、本発明の第２の実施の形態に係る
アンテナユニット１０を示すものであり、以下、この第
２の実施の形態に係るアンテナユニット１０を、製造過
程を示す図５の各図を用いて説明する。尚、第２の実施
の形態において、上述の実施の形態と同一の構成につい
ては、同一の番号を付してその説明を省略する。

【００３６】第２の実施の形態に係るアンテナユニット
１０のアンテナエレメント２と取り付け金具３は、第１
実施の形態と同一のものであり、絶縁カバー１１がアン
テナエレメント２の周囲のみを覆う点で、前述のアンテ
ナユニット１と異なるものである。

【００３７】この為に、絶縁カバー１１の一体成形工程
において、成形金型１２のコアピン１２ａをアンテナエ
レメント２内に挿通させるものであるが、成形後にコア
ピン１２ａを抜きやすくするために、図５（ａ）に示す
ように、予め成形前に、絶縁チューブ１４をパイプ状の
アンテナエレメント２内に挿通させておく。

【００３８】アンテナエレメント２は、その内部に絶縁
チューブ１４が挿通された状態で、絶縁カバー１１の厚
みを隔てて、成形金型１２のキャビティ内に支持され、
図５（ｂ）のように、絶縁チューブ１４内に金型１２の
コアピン１２ａが挿通される。

【００３９】アンテナエレメント２をキャビティ内に支
持した後、絶縁カバー１１となる例えばポリエステルエ
ラストマー等の成形樹脂を加熱溶融し、金型１２の図示
しないゲート口よりキャビティ内に注入する。溶融した
成形樹脂は、アンテナエレメント２と金型１２の内面の
間に流入し、硬化すると、アンテナエレメント２と成形
樹脂が一体に成形される。その後、コアピン１２ａを引
き抜くと、アンテナエレメント２の周囲のみが絶縁カバ
ー１１で一体に覆われた筒状アンテナユニット１０が得
られる。

【００４０】このように、第２の実施の形態によるアン
テナユニット１０は、第１の実施の形態に対し、アンテ
ナエレメント２内に絶縁カバー１１となる樹脂が流入し
ないので、軽量化したアンテナユニット１０となる。

【００４１】上述の実施の形態では、絶縁カバー１１を
アンテナエレメント２に対して一体成形する例で説明し
たが、例えば、別に形成した中空の絶縁カバーを、アン
テナエレメント２に被せて覆い、取り付け金具３やアン
テナエレメント２に接着剤などを用いて固着するもので
あってもよい。このように絶縁カバーを被せる作業工程
でも、アンテナエレメント２は変形しにくい構造である
ため、絶縁カバーの組み立て工程によって電気特性がば
らつくことがない。

【００４２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、アンテナエレメント２と取り付け金具３が、そ
れぞれ単純な形状で、一枚の導電性金属板からプレス加
工するだけで容易に形成でき、加工工程が大幅に簡略化
される。

【００４３】また、アンテナエレメント２は、外力によ
って変形しにくいパイプ状であるため、絶縁カバーをそ
の周囲に覆う工程において変形し電気特性が変化すると
いうことがなく、アンテナユニットの製造の歩留まりを
向上させることができる。

【００４４】更に、請求項２の発明によれば、これに加
えて、絶縁カバーを一体成形するので、絶縁カバーの組
立工程がなく、絶縁カバーが破損したり外れる恐れがな
くなり、アンテナエレメント２を確実に保護できる。

【００４５】また、この一体成形工程においても、成形
圧力によってアンテナエレメントの電気特性が変化する
ことがない。

【００４６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係るアンテナエレ
メント２の斜視図である。

【図２】（ａ）は、アンテナエレメント２の平面図、
（ｂ）は、同正面図、（ｃ）は、同側面図である。

【図３】（ａ）は、絶縁カバーを成形する工程を示す断
面図、（ｂ）は、アンテナユニット１の断面図である。

【図４】（ａ）は、アンテナエレメント２の周波数特性
を示す特性図、（ｂ）は、対比して示すヘリカルアンテ
ナエレメントの周波数特性を示す特性図である。

【図５】本発明の第２の実施の形態に係るアンテナユニ
ット１０を示し、（ａ）は、取り付け金具３と一体のア
ンテナエレメント２に、絶縁チューブ１４を挿通させる
状態を示す正面図、（ｂ）は、絶縁カバーの一体成形工
程を示す断面図、（ｃ）は、アンテナユニット１０の断
面図である。

【図６】従来のアンテナユニット１００の成形方法を示
し、（ａ）は、成形前の螺旋状のアンテナエレメント１
０１と取り付け金具１０２を示す正面図、（ｂ）は、一
次成形後のアンテナエレメント１０１と取り付け金具１
０２の縦断面図、（ｃ）は、絶縁カバー１０４を二次成
形によって一体成形したアンテナユニット１００の断面
図、である。

【符号の説明】

１アンテナユニット２アンテナエレメント３取り付け金具５絶縁カバー１０アンテナユニット１１絶縁カバー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】移動体通信機器に取り付けられ、移動体
通信機器内の空中線結合回路に電気接続する取り付け金
具（３）と、取り付け金具（３）に直線状に延長配置されるアンテナ
エレメント（２）と、アンテナエレメント（２）の外周
を覆う絶縁カバー（５、１１）とを備えたアンテナユニ
ットにおいて、導電性金属板から、帯状部と帯状部の一端に連続する基
部を打ち抜き、帯状部をその長手方向と平行な軸回りに
折り曲げてパイプ状のアンテナエレメント（２）とする
とともに、基部を取り付け金具（３）とし、パイプ状アンテナエレメント（２）を、１／４波長の接
地アンテナとして、移動体通信機器の使用帯域周波数ｆ
に共振させることを特徴とするアンテナユニット。
【請求項２】絶縁カバー（５、１１）は、アンテナエ
レメント（２）の外周に一体成形されたことを特徴とす
る請求項１記載のアンテナユニット。