JP2001284502A - 放熱基板の製造方法 - Google Patents

放熱基板の製造方法

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JP2001284502A
JP2001284502A JP2000090596A JP2000090596A JP2001284502A JP 2001284502 A JP2001284502 A JP 2001284502A JP 2000090596 A JP2000090596 A JP 2000090596A JP 2000090596 A JP2000090596 A JP 2000090596A JP 2001284502 A JP2001284502 A JP 2001284502A
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heat dissipation
substrate
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JP2000090596A
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Hirohisa Saito
裕久 斉藤
Takahiro Imai
貴浩 今井
Yoshiyuki Yamamoto
喜之 山本
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ照射に伴い発生する黒鉛に起因する放
熱基板の不良の発生を防止することが可能な放熱基板の
製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体素子が取付けられる放熱基板9の
製造方法であって、ダイヤモンド基板1の表面に溝4を
形成する。溝4が形成されたダイヤモンド基板1の表面
に第1の中間接合層2を形成する。第1の中間接合層2
上において、溝4上に位置する領域以外の領域に第2の
中間接合層5を形成する。第2の中間接合層5上に金属
接合層8を形成する。金属接合層8を形成する工程の
後、ダイヤモンド基板1を溝4に沿って加圧することに
より分割する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放熱基板の製造
方法に関し、より特定的には、ダイヤモンド基板を用い
た放熱基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザやマイクロ波素子な
ど半導体素子を搭載した電子部品が知られている。この
ような電子部品では、一般的に半導体素子が放熱基板に
接合して取付けられている。半導体素子からの発熱量は
従来比較的小さかったため、放熱基板に関しては、半導
体素子からの熱の放熱特性より、半導体素子を放熱基板
に取付けるためろう材を溶かす際の昇温を考慮して、半
導体素子と熱膨張係数が比較的近いAl23がその材料
として多用されていた。
【0003】一方、近年では半導体素子の高性能化に伴
う半導体素子の大型化や高出力化が進んできている。そ
のため、半導体素子からの発熱量の増大が問題となって
きている。このような発熱量の増大に対応して、熱伝導
率が比較的大きく、またSiやInPなどと熱膨張係数
が比較的近いAlNなどの熱伝導特性に優れた材料を放
熱基板の材料として用いる傾向が強くなってきている。
しかし、GaAs素子のようにSiより熱膨張係数の大
きな材料からなる素子については、上記のAl 23ある
いはAlNといった材料からなる放熱基板を用いるとそ
の素子と放熱基板との熱膨張係数の差から素子と放熱基
板との接合部において大きな熱応力が発生する。このた
め、素子が損傷を受ける場合があった。また、半導体素
子のさらなる高出力化や高密度集積化が進むと、上記の
ようなAl23あるいはAlNといった材料からなる放
熱基板では、充分に半導体素子からの熱を放熱させるこ
とができず、半導体素子の出力を低下させることにな
る。
【0004】そこで、近年、高熱伝導率材料であるダイ
ヤモンドやcBNを放熱基板の材料に適用することが提
案されている。ダイヤモンドは高い熱伝導率を示すた
め、放熱基板の材料としてこのダイヤモンドを用いれば
半導体素子からの熱を充分に除去することができる。し
かし、半導体素子の材料であるケイ素(Si)よりダイ
ヤモンドの熱膨張係数は小さいため、ダイヤモンドから
なる放熱基板と半導体素子との接合部に熱応力が発生す
る。そして、この熱応力により半導体素子がダメージを
受けることにより、半導体素子の出力低下、性能の劣
化、寿命短縮、あるいは破損の発生といった問題が発生
していた。
【0005】このような問題を解決するため、たとえ
ば、特開平5−326767号公報には、基板母材上に
多結晶ダイヤモンドを形成し、さらにこの多結晶ダイヤ
モンド上に金属層を設けることにより、放熱特性が良好
で、かつ、熱膨張係数を半導体素子と適合させることが
可能な放熱基板が提案されている。上記特開平5−32
6767号公報にて提案された放熱基板は、基板母材
と、基板母材上に被覆された多結晶ダイヤモンドと、多
結晶ダイヤモンドの所定領域上に形成された第1の中間
接合層、第2の中間接合層および金属接合層とを含む。
【0006】上記特開平5−326767号公報にて提
案された放熱基板の基板母材としては、厚みが0.1〜
2mm程度の金属またはセラミックスを使用している。
基板母材の材料としてはSi、Mo、W、Cu−W合
金、Cu−Mo合金、SiCおよびAlNのうちいずれ
かを主成分とする焼結体を用いることが好ましいとされ
ている。多結晶ダイヤモンドの厚みは10μm〜500
μmである。また、第1の中間接合層は、周期律表4
a、5a、6a族元素、これらの酸化物、炭化物、窒化
物および炭窒化物からなる群から選択される少なくとも
1種から形成される。第2の中間接合層はMo、Ni、
Pb、PtおよびAuからなる群から選択された少なく
とも1種から形成される。第1および第2の中間接合層
の厚みは0.01〜5μmである。金属接合層はAu、
Ag、Si、Ge、Sn、PbおよびInからなる群か
ら選択される1種以上の金属を含有する。この金属接合
層の厚みは1〜50μmとされている。
【0007】そして、金属接合層、第1および第2の中
間接合層、多結晶ダイヤモンドおよび基板母材の材質と
厚みとを所定の材質と厚みとに設定することにより、放
熱基板全体の熱膨張率が室温〜400℃の範囲で4×1
-6〜6×10-5/℃の範囲内の所定の値に設定され
る。このようにすれば、放熱基板全体の熱膨張率を容易
に半導体素子であるLSIチップの熱膨張率に合致する
ように形成することができるとされている。また、第1
および第2の中間接合層によって、多結晶ダイヤモンド
と金属接合層との接合強度を高めることができるとされ
ている。
【0008】また、上記のようなダイヤモンド基板を利
用した放熱基板の製造方法として、比較的大きな基板上
に多結晶ダイヤモンド、第1および第2の中間接合層、
金属接合層などを形成した後、所定のサイズに基板を切
断して放熱基板を得るという方法が用いられる。このよ
うなダイヤモンドなどの基板を切断する方法として、た
とえば特開平7−24799号公報には、ダイヤモンド
基板表面に金属膜などを所定のパターンとなるよう形成
した後、基板にレーザを照射することで切断用の溝を形
成する方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平5
−326767号公報に開示された放熱基板には、以下
のような問題があった。
【0010】すなわち、熱伝導率が大きな多結晶ダイヤ
モンド下に、ダイヤモンドより熱伝導率が劣る金属など
からなる基板母材を配置しているため、多結晶ダイヤモ
ンドを用いても放熱基板全体としての熱伝導特性を劇的
に向上させることは困難である。そのため、上記のよう
に今後さらに半導体素子の発熱量が増加する場合に対応
することが難しい。
【0011】さらに、金属接合層を構成する材料の熱伝
導率は、第1および第2の中間接合層の材料の熱伝導率
より小さい。そして、第1および第2の中間接合層の厚
みは0.01〜5μmであるのに対し、金属接合層の厚
みは1〜50μmである。つまり、相対的に熱伝導率の
小さな材料からなる金属接合層の厚みが第1および第2
の中間接合層の厚みより厚くなるように設定されてい
る。このため、半導体素子の発熱量が今後増加すること
に対応して熱伝導特性を向上させることには限界がある
と考えられる。
【0012】また、多結晶ダイヤモンドの熱伝導率が5
00〜2000W/mKと規定されているが、cBN焼
結体の熱伝導率が600W/mK程度であることを考え
るとダイヤモンドを用いるメリットが明確でないとも考
えられる。
【0013】また、上記特開平7−24799号公報に
て提案された方法では、ダイヤモンド基板表面に金属膜
などを形成した後にレーザ照射によって基板に溝を形成
しているが、この際、レーザ照射によりダイヤモンド基
板の一部が黒鉛化し、この黒鉛がレーザ照射部周辺に飛
散、付着する。黒鉛は導電体であるため、この黒鉛がダ
イヤモンド基板表面の金属膜などからなるパターンに付
着すると、このパターンにおいて短絡などの不良が発生
することになる。さらに、このような付着した黒鉛を除
去するためには、機械的にこすり落とす、プラズマ洗
浄、あるいは酸性の溶液により黒鉛を除去するなどの工
程を実施する必要がある。しかし、このような除去工程
によってダイヤモンド基板表面の金属膜などからなるパ
ターンがダメージを受けるという問題があった。
【0014】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の目的は、ダイヤ
モンド基板を用いた放熱基板の製造工程において、レー
ザ照射に伴い発生する黒鉛に起因する放熱基板の不良の
発生を防止することが可能な放熱基板の製造方法を提供
することである。
【0015】この発明のもう一つの目的は、従来より優
れた放熱特性を有するとともに、取付けられる半導体素
子が、半導体素子と放熱基板との接合部に発生する熱応
力によって損傷を受けることを防止することが可能な放
熱基板の製造方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の1の局面にお
ける放熱基板の製造方法は、半導体素子が取付けられる
放熱基板の製造方法であって、ダイヤモンド基板の表面
に溝を形成する。溝が形成されたダイヤモンド基板の表
面に第1の中間接合層を形成する。第1の中間接合層上
において、溝上に位置する領域以外の領域に第2の中間
接合層を形成する。第2の中間接合層上に金属接合層を
形成する。金属接合層を形成する工程の後、ダイヤモン
ド基板を溝に沿って加圧することにより分割する。
【0017】このようにすれば、あらかじめダイヤモン
ド基板に切断用の溝を形成しておくので、金属接合層ま
で形成した後、ダイヤモンド基板を加圧することにより
分割する工程における加圧力を低減できるとともに、こ
の溝に沿ってダイヤモンド基板を割ることにより分割す
るので、所定の形状の放熱基板を容易に得ることができ
る。また、ダイヤモンド基板を分割する工程において、
従来のようにレーザ照射を用いないため、レーザ照射に
起因する黒鉛が発生することはない。このため、この黒
鉛が金属接合層の表面に付着することにより半導体素子
との接合不良が起きる、あるいは黒鉛を除去する除去工
程によって中間接合層または金属接合層が損傷を受ける
といった問題の発生を防止できる。この結果、半導体素
子と金属接合層とを接合する際の接合歩留りの低下を抑
制できる。
【0018】また、ダイヤモンド基板を分割する工程に
おいて、上述のようにレーザ照射に起因する黒鉛が発生
することはないため、このような黒鉛によってダイヤモ
ンド基板における第1の中間接合層が形成されている表
面と、その反対側に位置する裏面との間がこの黒鉛によ
って短絡するといった問題は発生しない。
【0019】また、第1の中間接合層を形成するので、
この第1の中間接合層の材料を適宜選択することで、ダ
イヤモンド基板と第2の中間接合層との密着性を向上さ
せることができると同時に、第2の中間接合層の材料が
ダイヤモンド基板へと拡散することを防止できる。
【0020】また、第2の中間接合層として、後述する
ように、高い熱伝導率を示すとともに大きな熱膨張係数
を示す金、銀、銅およびアルミニウムなどの材料を用い
ることにより、放熱基板の熱伝導特性を良好に維持する
とともに、半導体素子とダイヤモンド基板との熱膨張係
数の差に起因する熱応力を緩和することができる。さら
に、第2の中間接合層として上記のような展性に優れた
材料を用いれば、熱応力をこの第2の中間接合層の変形
によって効果的に緩和することができる。この結果、熱
応力に起因して半導体素子が損傷を受けるといった問題
の発生を防止できる。
【0021】また、金属接合層は半導体素子を取付ける
ためのろう材として用いるために形成されている。この
金属接合層として、後述するように比較的低融点である
合金を用いれば、半導体装置をこの金属接合層に取付け
る際の加熱温度を低くすることができる。このため、半
導体素子を取付ける作業の後、室温まで放熱基板を冷却
する際に発生する金属接合層と半導体素子との間の熱応
力を小さくできる。
【0022】上記1の局面における放熱基板の製造方法
では、第2の中間接合層を形成する工程が、第1の中間
接合層上において、溝上に位置する領域にレジスト膜を
形成する工程と、レジスト膜が存在する状態で、第1の
中間接合層上において、レジスト膜が形成されてない領
域に第2の中間接合層を形成する工程とを含むことが好
ましい。
【0023】このように、溝上に位置する領域に第2の
中間接合層が形成されることを防止するためのマスクと
してレジスト膜を用いれば、溝上に位置する領域以外の
領域に確実に第2の中間接合層を形成できる。
【0024】また、このレジスト膜の幅を変更すること
で、ダイヤモンド基板の溝から第2の中間接合層が形成
された領域までの距離を任意に変更できる。このため、
溝から確実に間隔を隔てて第2の中間接合層を形成でき
るので、溝に近接した領域に第2の中間接合層が形成さ
れることに起因してこの第2の中間接合層が他の導電層
などと短絡するといった問題の発生を防止できる。
【0025】また、上記溝の幅よりレジスト膜の幅を広
く形成しておけば、溝と第2の中間接合層との間に間隔
を形成できる。また、第2の中間接合層を形成した後、
レジスト膜を除去してもよく、このレジスト膜が除去さ
れた後に、露出した第1の中間接合層の部分をエッチン
グなどにより除去してもよい。この場合、第1の中間接
合層の除去された上記部分の幅は、溝の幅より大きい。
このため、残存する第1の中間接合層は、溝と間隔を隔
てて位置することになる。そして、第1および第2の中
間接合層の端部の位置をほぼ一致させることができる。
このようにすれば、ダイヤモンド基板の分割後におい
て、放熱基板の分割面である端面に第1および第2の中
間接合層が露出することは無いため、良好な絶縁性を示
す放熱基板を得ることができる。
【0026】また、第2の中間接合層が形成される位置
の端部はレジスト膜の位置によって決定されるので、比
較的高い精度で第2の中間接合層の端部の形状を決定で
きる。そして、第2の中間接合層上に金属接合層を形成
する場合に、上記第2の中間接合層の形成工程と同様に
レジスト膜などを用いて金属接合層の端部の位置を決定
すれば、放熱基板の表面における第2の中間接合層およ
び金属接合層の端部の真直度を向上させることができ
る。ここで、第2の中間接合層および金属接合層の真直
度とは、放熱基板を上方から見た場合の第2の中間接合
層および金属接合層の端部が形成する近似的な直線と実
際の端部との間の距離の最大値をいう。真直度が小さい
ほど、端部の形状が直線に近いことを意味し、真直度が
大きければ、それだけ近似的な直線から外れた部分(凹
凸部)が大きいことを意味している。
【0027】この発明の他の局面における放熱基板の製
造方法は、半導体素子が取付けられる放熱基板の製造方
法であって、ダイヤモンド基板の表面に第1の中間接合
層を形成する。第1の中間接合層上に第2の中間接合層
を形成する。第2の中間接合層上に金属接合層を形成す
る。金属接合層上に保護層を形成する。保護層が存在す
る状態で、ダイヤモンド基板をレーザ照射によって分割
する分割工程を実施する。分割されたダイヤモンド基板
から保護層を除去する。
【0028】このようにすれば、ダイヤモンド基板にレ
ーザ照射する際に発生する黒鉛は保護層上に堆積するの
で、金属接合層上に黒鉛が直接堆積することはない。そ
して、レーザ照射の後に保護層を除去することにより、
容易に放熱基板から黒鉛を除去できる。
【0029】また、このように加工精度の高いレーザ照
射によってダイヤモンド基板を分割するので、端部の真
直度が良好な放熱基板を得ることができる。
【0030】また、第1の中間接合層を形成するので、
この第1の中間接合層の材料を適宜選択することで、ダ
イヤモンド基板と第2の中間接合層との密着性を向上さ
せることができると同時に、第2の中間接合層の材料が
ダイヤモンド基板へと拡散することを防止できる。
【0031】また、第2の中間接合層として、後述する
ように、高い熱伝導率を示すとともに大きな熱膨張係数
を示す金、銀、銅およびアルミニウムなどの材料を用い
ることにより、放熱基板の熱伝導特性を良好に維持する
とともに、半導体素子とダイヤモンド基板との熱膨張係
数の差に起因する熱応力を緩和することができる。さら
に、第2の中間接合層として上記のような展性に優れた
材料を用いれば、熱応力をこの第2の中間接合層の変形
によって効果的に緩和することができる。この結果、熱
応力に起因して半導体素子が損傷を受けるといった問題
の発生を防止できる。
【0032】また、金属接合層は半導体素子を取付ける
ためのろう材として用いるために形成されている。この
金属接合層として、後述するように比較的低融点である
合金を用いれば、半導体装置をこの金属接合層に取付け
る際の加熱温度を低くすることができる。このため、半
導体素子を取付ける作業の後、室温まで放熱基板を冷却
する際に発生する金属接合層と半導体素子との間の熱応
力を小さくできる。
【0033】上記他の局面における放熱基板の製造方法
では、第2の中間接合層を形成する工程が、第1の中間
接合層上において、分割工程でレーザが照射されるダイ
ヤモンド基板の領域上にレジスト膜を形成する工程と、
レジスト膜が存在する状態で、第1の中間接合層上にお
いて、レジスト膜が形成されてない領域に第2の中間接
合層を形成する工程とを含むことが好ましい。
【0034】このように、分割工程でレーザが照射され
るダイヤモンド基板の領域上に位置する領域に第2の中
間接合層が形成されることを防止するためのマスクとし
てレジスト膜を用いれば、レーザが照射されるダイヤモ
ンド基板の領域上に位置する領域以外の領域に確実に第
2の中間接合層を形成できる。
【0035】また、このレジスト膜の幅を変更すること
で、ダイヤモンド基板におけるレーザが照射される領域
から第2の中間接合層が形成される領域までの距離を任
意に変更できる。このため、ダイヤモンド基板における
レーザが照射される領域から確実に間隔を隔てて第2の
中間接合層を形成できる。この結果、レーザが照射され
る領域に近接した領域に第2の中間接合層が形成される
ことに起因してこの第2の中間接合層が他の導電層など
と短絡するといった問題の発生を防止できる。
【0036】また、上記レーザが照射される領域の幅よ
りレジスト膜の幅を広く形成しておけば、レーザが照射
される領域と第2の中間接合層との間に間隔を形成でき
る。また、第2の中間接合層を形成した後、レジスト膜
を除去してもよく、このレジスト膜が除去された後に、
露出した第1の中間接合層の部分をエッチングなどの手
法を用いて除去してもよい。この場合、第1の中間接合
層の除去された上記部分の幅は、レーザが照射される領
域の幅より大きい。このため、残存する第1の中間接合
層は、レーザが照射される領域と間隔を隔てて位置する
ことになる。そして、第1および第2の中間接合層の端
部の位置はほぼ一致する。このようにすれば、レーザ照
射によって黒鉛が発生し、この黒鉛がダイヤモンド基板
の切断面に付着しても、この切断面が形成される領域
(レーザが照射される領域)と第1および第2の中間接
合層との間には間隔が存在するため、上記黒鉛により第
1および第2の中間接合層と切断面に付着した黒鉛とが
電気的に接続される事は無い。つまり、第1および第2
の中間接合層と、ダイヤモンド基板において第1の中間
接合層が形成された表面と反対側に位置する裏面との絶
縁が、切断面に付着した黒鉛によって破壊されるという
問題の発生を防止できる。また、レーザ照射による分割
後において、放熱基板の切断面である端面に第1および
第2の中間接合層が露出することは無いため、良好な絶
縁性を示す放熱基板を得ることができる。
【0037】また、第2の中間接合層が形成される位置
の端部はレジスト膜の位置によって決定されるので、比
較的高い精度で第2の中間接合層の端部の形状を決定で
きる。そして、第2の中間接合層上に金属接合層を形成
する場合、上記第2の中間接合層の形成工程と同様にレ
ジスト膜などを用いて金属接合層の端部の位置を決定す
れば、放熱基板の表面における第2の中間接合層および
金属接合層の端部の真直度を向上させることができる。
【0038】上記1の局面または他の局面における放熱
基板の製造方法は、金属接合層を形成する工程に先立
ち、第2の中間接合層上に第3の中間接合層を形成する
工程を備えることが好ましい。
【0039】この場合、第3の中間接合層を形成する事
により、この第3の中間接合層の材料を適宜選択する事
により、第2の中間接合層と金属接合層との間で構成材
料が互いに拡散することを防止できる。
【0040】上記1の局面または他の局面における放熱
基板の製造方法では、第3の中間接合層は、モリブデン
(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)および金
(Au)からなる群から選択される少なくとも1種以上
を含むことが好ましい。
【0041】この場合、上記のような第2の中間接合層
と金属接合層との間で構成材料が互いに拡散することを
防止する機能を確実に発揮させる事ができる。
【0042】上記1の局面または他の局面における放熱
基板の製造方法では、第1の中間接合層は、チタン(T
i)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)および白
金(Pt)からなる群から選択される少なくとも1種以
上を含むことが好ましい。第2の中間接合層は、金(A
u)、銀(Ag)、銅(Cu)およびアルミニウム(A
l)からなる群から選択される少なくとも1種以上を含
み、かつ、20μm以上100μm以下の厚みを有する
ことが好ましい。金属接合層は、金(Au)、銀(A
g)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(S
n)、鉛(Pb)およびインジウム(In)からなる群
から選択される少なくとも1種以上を含む共晶合金から
なることが好ましい。
【0043】このように、第1の中間接合層の材料を上
記のように選択すれば、ダイヤモンド基板と第2の中間
接合層との密着性を向上させることができると同時に、
第2の中間接合層の材料がダイヤモンド基板へと拡散す
ることを防止できるという効果を確実に得ることができ
る。
【0044】また、第2の中間接合層の材料および厚み
を上記のように選択すれば、放熱基板の熱伝導特性を良
好に維持するとともに、半導体素子とダイヤモンド基板
との熱膨張係数の差に起因する熱応力を緩和する効果を
確実に得ることができる。
【0045】上記1の局面または他の局面における放熱
基板の製造方法では、第1の中間接合層を形成する工程
が、ダイヤモンド基板上にチタン膜を形成する工程と、
チタン膜上にモリブデン膜を形成する工程と、モリブデ
ン膜上にニッケル膜を形成する工程とを含むことが好ま
しい。
【0046】この場合、チタン膜によって第1の中間接
合層とダイヤモンド基板との密着性を向上させる事がで
きる。また、モリブデン膜によって、チタン膜からチタ
ンが第2の中間接合層へ拡散する事を防止する事ができ
る。また、ニッケル膜によって第1の中間接合層の強度
を向上させることができる。
【0047】上記1の局面または他の局面における放熱
基板の製造方法は、第2の中間接合層の上部表面を平坦
化する工程をさらに備えることが好ましい。
【0048】この場合、第2の中間接合層の上部表面を
平坦化する事により、その上に形成される金属接合層の
上部表面の平坦性を向上させる事ができる。このため、
金属接合層に接合される半導体素子とこの金属接合層と
の密着性を向上させることができるので、半導体素子か
らの熱を効率良く放熱基板に伝達する事ができる。
【0049】また、第2の中間接合層は、上記のように
厚みが20μ以上100μm以下と比較的厚い厚みとな
る、このような場合、第2の中間接合層の上部表面は粗
度が大きくなる場合がある。このように第2の中間接合
層の粗度が大きくなった場合、上記のような平坦化工程
は特に有効である。
【0050】上記1の局面または他の局面における放熱
基板の製造方法では、第2の中間接合層を形成する工程
で電解めっき法を用いることが好ましい。
【0051】この場合、第2の中間接合層を形成する領
域のみを露出して、この領域に通電すれば、電解めっき
法によって上記領域に選択的に第2の中間接合層を形成
できる。この結果、第2の中間接合層の位置精度を容易
に向上させることができる。また、第2の中間接合層を
形成する方法としては、電解めっき法以外にも、真空蒸
着法、無電解めっき法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法なども挙げられるが、この電解めっき法に
よれば、低コストに、かつ比較的一般的な装置を用いて
容易に大面積の第2の中間接合層を形成できる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一
または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説
明は繰り返さない。
【0053】(実施の形態1)この発明による放熱基板
の製造方法の実施例1では、まずマイクロ波プラズマC
VD法で合成したダイヤモンド基板としての多結晶ダイ
ヤモンド基板1(図1参照)を準備する。この多結晶ダ
イヤモンド基板のサイズは25mm×25mm×0.3
mmである。そして、図1に示すように、レーザを照射
する事により多結晶ダイヤモンド基板1の表面に溝4を
形成する。図1は、本発明による放熱基板の製造方法の
実施の形態1の第1工程を説明するための断面模式図で
ある。溝4の深さは0.15mmであり、5mm間隔で
縦方向および横方向にそれぞれ溝4を形成した。
【0054】次に、図2に示すように、溝4が形成され
た多結晶ダイヤモンド基板1の表面に第1の中間接合層
2を形成する。図2は、本発明による放熱基板の製造方
法の実施の形態1の第2工程を説明するための断面模式
図である。この第1の中間接合層2は、厚みが0.06
μmのチタン膜、厚みが0.2μmのモリブデン膜、厚
みが0.1μmのニッケル膜という3層の膜からなる多
層膜である。そのため、第1の中間接合層2を形成する
工程は、多結晶ダイヤモンド基板1上にチタン膜を形成
する工程、チタン膜上にモリブデン膜を形成する工程、
およびモリブデン膜上にニッケル膜を形成する工程とい
う3つの工程を含む。
【0055】このようにすれば、チタン膜によって第1
の中間接合層2と多結晶ダイヤモンド基板1との密着性
を向上させる事ができる。また、モリブデン膜によっ
て、チタン膜からチタンが第2の中間接合層5(図4参
照)へ拡散する事を防止する事ができる。また、ニッケ
ル膜によって第1の中間接合層2の強度を向上させるこ
とができる。つまり、この第1の中間接合層2により、
多結晶ダイヤモンド基板1と第2の中間接合層5との密
着性を向上させることができると同時に、第2の中間接
合層5の材料が多結晶ダイヤモンド基板1へと拡散する
ことを防止できる。
【0056】次に、第1の中間接合層2上において、溝
4上に位置する領域以外の領域に第2の中間接合層5を
形成する工程(パターンメタライズ工程)を実施する。
具体的には、まず、図3に示すように、第1の中間接合
層2上において、溝4上に位置する領域にレジスト膜3
を形成する。図3は、本発明による放熱基板の製造方法
の実施の形態1の第3工程を説明するための断面模式図
である。このレジスト膜3は、まず第1の中間接合層2
上にスピンコータでレジストを塗布した後、フォトリソ
グラフィー法を用いて形成した。このレジスト膜3の幅
は50μm、高さは55μmである。
【0057】次に、図4に示すように、電解めっき法を
用いて第2の中間接合層5を形成した。図4は、本発明
による放熱基板の製造方法の実施の形態1の第4工程を
説明するための断面模式図である。この第2の中間接合
層5としては、厚みが50μmの金(Au)の膜を形成
した。この場合、第2の中間接合層5を形成する第1の
中間接合層2の領域のみを露出させて、この領域に通電
すれば、電解めっき法によって上記領域に選択的に第2
の中間接合層5を形成できる。
【0058】このように、溝4上に位置する領域に第2
の中間接合層5が形成されることを防止するためのマス
クとしてレジスト膜3を用いれば、溝4上に位置する領
域以外の領域に確実に第2の中間接合層5を形成でき
る。
【0059】また、このレジスト膜3の幅を変更するこ
とで、多結晶ダイヤモンド基板1の溝4から第2の中間
接合層5が形成された領域までの距離を任意に変更でき
る。このため、高い位置精度で第2の中間接合層5を形
成できる。
【0060】また、溝4から確実に間隔を隔てて第2の
中間接合層5を形成できるので、溝4に近接した領域に
第2の中間接合層5が形成されることにより、この第2
の中間接合層5が他の導電層などと短絡するといった問
題の発生を防止できる。
【0061】また、上記溝4の幅よりレジスト膜3の幅
を広く形成しておけば、溝4と第2の中間接合層5との
間に間隔を形成できる。また、この電解めっき法によれ
ば、低コストに、かつ比較的一般的な装置を用いて容易
に大面積の第2の中間接合層5を形成できる。
【0062】次に、レジスト膜3を除去した。そして、
レジスト膜3が除去された領域下に位置する第1の中間
接合層2の部分を硫酸を用いて除去した。このようにし
て、図5に示すような構造を得る。図5は、本発明によ
る放熱基板の製造方法の実施の形態1の第5工程を説明
するための断面模式図である。
【0063】この場合、レジスト膜3の幅を溝4の幅よ
り大きくしておけば、第1の中間接合層2の除去された
上記部分の幅を、溝4の幅より大きくできる。このた
め、残存する第1の中間接合層2は、溝4と間隔を隔て
て位置することになる。そして、第1および第2の中間
接合層2、5の端部の位置はほぼ一致する。このように
すれば、多結晶ダイヤモンド基板1の分割後において、
放熱基板の分割面である端面に第1および第2の中間接
合層2、5が露出することは無いため、良好な絶縁性を
示す放熱基板を得ることができる。
【0064】また、第2の中間接合層5が形成される位
置の端部はレジスト膜3の位置によって決定されるの
で、比較的高い精度で第2の中間接合層5の端部の形状
を決定できる。
【0065】次に、溝4上にレジスト膜6(図6参照)
を形成する。このレジスト膜6が存在する状態で、第3
の中間接合層7(図6参照)を形成する工程を実施す
る。具体的には、真空蒸着法を用いて、第3の中間接合
層7としての白金膜を形成する。この白金膜の厚みは
0.2μmである。このように、第3の中間接合層7を
形成する事により、第2の中間接合層5と金属接合層8
(図6参照)との間で構成材料が互いに拡散することを
防止できる。
【0066】次に、第3の中間接合層7上に金属接合層
8(図6参照)を形成する。この金属接合層8としては
Pb−Sn共晶合金を用いる。この金属接合層8は真空
蒸着法を用いて形成した。このようにして、図6に示す
ような構造を得る。図6は、本発明による放熱基板の製
造方法の実施の形態1の第6工程を説明するための断面
模式図である。
【0067】次に、レジスト膜6を溶剤などを用いて除
去する。この場合、レジスト膜6の側壁では、第3の中
間接合層7および金属接合層8が不均一に形成されてい
るため、部分的にピンホールなどが形成されている。こ
のようなピンホールなどから溶剤がレジスト膜6に到達
する。そして、レジスト膜6が除去される際、レジスト
膜6上に形成された第3の中間接合層7および金属接合
層8がレジスト膜6とともに除去される。このようにし
て図7に示すような構造を得る。図7は、本発明による
放熱基板の製造方法の実施の形態1の第7工程を説明す
るための断面模式図である。
【0068】このようにして、上記第2の中間接合層5
の形成工程と同様にレジスト膜6を用いて第3の中間接
合層7および金属接合層8の端部の位置を決定できる。
この結果、放熱基板の表面における第2および第3の中
間接合層5、7および金属接合層8の端部の真直度を向
上させることができる。
【0069】また、第3の中間接合層7および金属接合
層8を第2の中間接合層5上に部分的に形成するため、
上記のレジスト膜6を用いた方法に代えて、溝4が形成
された領域上を保護するメタルマスクを配置して、メタ
ルマスクによって覆われていない第2の中間接合層5上
に第3の中間接合層7および金属接合層8を形成すると
いう手法を用いてもよい。
【0070】次に、多結晶ダイヤモンド基板1を溝4に
沿って加圧することにより分割する。このようにして、
図8に示すように放熱基板9を得る。放熱基板9の平面
外形のサイズは5mm×5mmである。図8は、本発明
による放熱基板の製造方法の実施の形態1の第8工程を
説明するための断面模式図である。
【0071】このようにすれば、あらかじめ多結晶ダイ
ヤモンド基板1に切断用の溝4を形成しておくので、金
属接合層8まで形成した後、多結晶ダイヤモンド基板1
を加圧することにより分割する工程における加圧力を低
減できる。さらに、この溝4に沿って多結晶ダイヤモン
ド基板1を割ることにより分割するので、所定の形状の
放熱基板9を容易に得ることができる。また、多結晶ダ
イヤモンド基板1を分割する工程において、従来のよう
にレーザ照射を用いないため、レーザ照射に起因する黒
鉛が発生することはない。このため、この黒鉛が金属接
合層8の表面に付着することにより放熱基板9の金属接
合層8に取付けられる半導体素子との接合不良が起き
る、あるいは黒鉛を除去する除去工程によって第1〜第
3の中間接合層2、5、7または金属接合層8が損傷を
受けるといった問題の発生を防止できる。この結果、半
導体素子を金属接合層8に接合する際の接合歩留りの低
下を抑制できる。
【0072】また、多結晶ダイヤモンド基板1を分割す
る工程において、上述のようにレーザ照射に起因する黒
鉛が発生することはないため、このような黒鉛によって
多結晶ダイヤモンド基板1における第1の中間接合層2
が形成されている表面と、その反対側に位置する裏面と
の間がこの黒鉛によって短絡するといった問題は発生し
ない。
【0073】また、第2の中間接合層5として、高い熱
伝導率を示すとともに大きな熱膨張係数を示す材料、た
とえば金、銀、銅およびアルミニウムなどの材料を用い
ることにより、放熱基板9の熱伝導特性を良好に維持す
るとともに、半導体素子と多結晶ダイヤモンド基板1と
の熱膨張係数の差に起因する熱応力を緩和することがで
きる。さらに、第2の中間接合層5として上記のような
展性に優れた材料を用いれば、熱応力をこの第2の中間
接合層5の変形によって効果的に緩和することができ
る。この結果、熱応力に起因して半導体素子が損傷を受
けるといった問題の発生を防止できる。
【0074】また、上述のように金属接合層8は半導体
素子を取付けるためのろう材として用いるために形成さ
れている。この金属接合層8として、比較的低融点であ
る合金を用いれば、半導体装置をこの金属接合層8に取
付ける際の加熱温度を低くすることができる。このた
め、半導体素子を取付ける作業の後、室温まで放熱基板
9を冷却する際に発生する金属接合層8と半導体素子と
の間の熱応力を小さくできる。
【0075】また、第3の中間接合層7として、上記の
ような白金以外にも、モリブデン、ニッケル、白金およ
び金からなる群から選択される少なくとも1種以上を含
む材料を用いてもよい。
【0076】この場合、第2の中間接合層5と金属接合
層8との間で構成材料が互いに拡散することを防止する
と言う上述の機能を確実に発揮させる事ができる。
【0077】また、第1の中間接合層2として、チタ
ン、モリブデン、ニッケルおよび白金からなる群から選
択される少なくとも1種以上を含む材料を用いてもよ
い。第2の中間接合層5として、金、銀、銅およびアル
ミニウムからなる群から選択される少なくとも1種以上
を含む材料を用いてもよい。また、第2の中間接合層5
は20μm以上100μm以下の厚みを有することが好
ましい。金属接合層8として、金、銀、ケイ素、ゲルマ
ニウム、錫、鉛およびインジウムからなる群から選択さ
れる少なくとも1種以上を含む共晶合金を用いてもよ
い。
【0078】このように、第1の中間接合層2の材料を
上記のように選択すれば、多結晶ダイヤモンド基板1と
第2の中間接合層5との密着性を向上させることができ
ると同時に、第2の中間接合層5の材料が多結晶ダイヤ
モンド基板1へと拡散することを防止できるという効果
を確実に得ることができる。
【0079】また、第2の中間接合層5の材料および厚
みを上記のように選択すれば、放熱基板9の熱伝導特性
を良好に維持できる。また、半導体素子と多結晶ダイヤ
モンド基板1との熱膨張係数の差に起因する熱応力を緩
和するという効果を確実に得ることができる。
【0080】上記のようにして得られる本発明による放
熱基板9の効果を確認するため、以下のように比較例の
試料を作成し、試験を行なった。
【0081】比較例の試料は、以下のような工程で製造
した。まず、多結晶ダイヤモンド基板(25mm×25
mm×0.3mm)の表面にレーザ照射することにより
溝を形成する。この溝の深さは0.15mmであり、5
mm間隔で多結晶ダイヤモンド基板の表面に縦方向と横
方向とにそれぞれ形成した。
【0082】次に、多結晶ダイヤモンド基板の表面上に
真空蒸着法を用いて第1の中間接合層を形成した。第1
の中間接合層としては、厚みが0.06μmのチタン
膜、厚みが0.2μmのモリブデン膜、厚みが0.1μ
mのニッケル膜という3層の膜からなる多層膜を形成し
た。
【0083】次に、第1の中間接合層の全面上に電解め
っき法を用いて第2の中間接合層として厚みが50μm
の金の膜を形成した。この第2の中間接合層上に第3の
中間接合層として厚みが0.2μmの白金膜を形成し
た。この白金膜は真空蒸着法を用いて形成した。さら
に、白金膜上に金属接合層としてPb−Sn共晶合金を
形成した。Pb−Sn共晶合金は真空蒸着法を用いて形
成した。
【0084】その後、多結晶ダイヤモンド基板の溝に沿
って加圧することにより多結晶ダイヤモンド基板を分割
した。このようにして、比較例としての放熱基板を得
た。この放熱基板のサイズは5mm×5mmである。
【0085】そして、本発明による放熱基板9と比較例
の放熱基板とについて、その表面端部における真直度を
測定した。
【0086】本発明による放熱基板9の表面端部の真直
度は最大で10μmであった。一方、比較例の放熱基板
における表面端部の真直度は最大で52μmであった。
【0087】そして、本発明による放熱基板9と比較例
の放熱基板との金属接合層にそれぞれ半導体素子として
のレーザ素子を取付けた。上記のように、真直度が異な
るため、本発明による放熱基板9ではレーザ素子の端面
が放熱基板の端部に対して±5μmという精度で取付け
られていた。一方、比較例の放熱基板では、レーザ素子
の端面が放熱基板の端部に対して±40μmという精度
で取付けられていた。
【0088】そして、それぞれの試料において、レーザ
素子によりレーザを発振させた。その結果、比較例の試
料では、発振したレーザ光を観測できないものもあっ
た。これは、レーザ素子の端面が放熱基板の端部より内
側に取付けられたため、レーザ光が放熱基板の表面に遮
られ、外部に到達できなかったためであると考えられ
る。
【0089】もう一つの比較例として、第2の中間接合
層を形成しない放熱基板も作成し、半導体素子としての
レーザ素子を取付けた。そして、レーザ素子によりレー
ザを発振させて、その飽和光出力を測定したところ、比
較例としての放熱基板に取付けられたレーザ素子の飽和
光出力は本発明による物に比べて12%小さくなってい
た。
【0090】ここで、レーザ素子の飽和光出力は、素子
にかかる応力および素子の温度により影響を受ける。そ
して、一般に、飽和光出力は半導体レーザ素子が受ける
応力が大きくなるほど、また半導体レーザ素子の温度が
高いほど低くなる。そして、上記の結果より、本発明に
よる放熱基板では、半導体レーザ素子にかかる熱応力を
低減することができるとともに、十分な放熱特性を示し
ていることがわかる。
【0091】(実施の形態2)本発明による放熱基板の
製造方法の実施の形態2は、基本的には本発明の実施の
形態1による放熱基板の製造方法と同様の工程を備える
が、第2の中間接合層5の上部表面を平坦化する工程を
さらに備えている。図面を参照して、放熱基板の製造方
法を説明する。
【0092】まず、本発明の実施の形態の図1〜図4に
示した工程と同様の工程を実施する。
【0093】次に、図9に示すように、研磨部材10に
より第2の中間接合層5の上部表面11を研磨すること
により、第2の中間接合層5の上部表面11を平坦化し
た。図9は、本発明の実施の形態2による放熱基板の製
造方法を説明するための断面模式図である。
【0094】その後、図5〜図8に示した工程と同様の
工程を実施することにより、放熱基板9(図8参照)を
得た。
【0095】この場合、第2の中間接合層5の上部表面
11を平坦化する事により、その上に形成される金属接
合層8の上部表面の平坦性も向上させる事ができる。こ
のため、金属接合層8に接合される半導体素子とこの金
属接合層8との密着性を向上させることができるので、
半導体素子からの熱を効率良く放熱基板9に伝達する事
ができる。
【0096】また、第2の中間接合層5は、上記のよう
にその厚みが20μ以上100μm以下と他の第1、第
3の中間接合層2、7、金属接合層8より厚みが厚くな
るように設定されている。このような場合、第2の中間
接合層5の上部表面は他の第1、第3の中間接合層2、
7、金属接合層8より粗度が大きくなる。このように第
2の中間接合層5の上部表面の粗度が大きくなった場
合、上記のような平坦化工程は特に有効である。
【0097】本発明の実施の形態2による放熱基板の製
造方法の効果を確認するため、以下のような試験を行な
った。
【0098】上記のように本発明の実施の形態2により
得られた放熱基板と、比較例として本発明の実施の形態
1により得られた放熱基板とに、それぞれ半導体レーザ
素子を取付けて、その飽和光出力を測定した。この結
果、本発明の実施の形態2により得られた放熱基板に取
付けた半導体レーザ素子の方が、本発明の実施の形態1
により得られた放熱基板に取付けた半導体レーザ素子よ
り飽和光出力が8%高くなっていた。
【0099】(実施の形態3)本発明による放熱基板の
製造方法の実施の形態3を図10〜図19を参照して説
明する。
【0100】まず、図10に示すように、熱フィラメン
トCVD法によって合成した多結晶ダイヤモンド基板1
を準備する。多結晶ダイヤモンド基板1のサイズは25
mm×25mm×0.3mmである。図10は、本発明
による放熱基板の製造方法の実施の形態3の第1工程を
説明するための断面模式図である。
【0101】次に、図11に示すように、多結晶ダイヤ
モンド基板1の表面に第1の中間接合層2を形成する。
第1の中間接合層上に第2の中間接合層を形成する。図
11は、本発明による放熱基板の製造方法の実施の形態
3の第2工程を説明するための断面模式図である。この
第1の中間接合層2は、厚みが0.06μmのチタン
膜、厚みが0.2μmのモリブデン膜、厚みが0.1μ
mのニッケル膜という3層の膜からなる多層膜である。
そのため、第1の中間接合層2を形成する工程は、多結
晶ダイヤモンド基板1上にチタン膜を形成する工程、チ
タン膜上にモリブデン膜を形成する工程、およびモリブ
デン膜上にニッケル膜を形成する工程という3つの工程
を含む。このようにすれば、本発明の実施の形態1と同
様に、第1の中間接合層2により、多結晶ダイヤモンド
基板1と第2の中間接合層5との密着性を向上させるこ
とができると同時に、第2の中間接合層5の材料が多結
晶ダイヤモンド基板1へと拡散することを防止できる。
【0102】次に、第1の中間接合層2上において、後
述する分割工程でレーザが照射される多結晶ダイヤモン
ド基板1の領域以外の領域に第2の中間接合層5を形成
する工程(パターンメタライズ工程)を実施する。具体
的には、まず、図12に示すように、後述する分割工程
でレーザが照射される多結晶ダイヤモンド基板1の領域
上にレジスト膜3を形成する。図12は、本発明による
放熱基板の製造方法の実施の形態3の第3工程を説明す
るための断面模式図である。このレジスト膜3は、まず
第1の中間接合層2上にスピンコータでレジストを塗布
した後、フォトリソグラフィー法を用いて形成した。こ
のレジスト膜3の幅Lは50μm、高さは55μmであ
る。
【0103】次に、図13に示すように、電解めっき法
を用いて第2の中間接合層5を形成した。図13は、本
発明による放熱基板の製造方法の実施の形態3の第4工
程を説明するための断面模式図である。この第2の中間
接合層5として、厚みが40μmの金(Au)の膜を形
成した。この場合、第1の中間接合層2の上部表面のう
ち第2の中間接合層5を形成する領域のみを露出させ
て、この領域に通電すれば、本発明の実施の形態1と同
様に電解めっき法によって上記領域に選択的に第2の中
間接合層5を形成できる。
【0104】このように、後述する分割工程でレーザが
照射される多結晶ダイヤモンド基板1の領域上に位置す
る領域に第2の中間接合層5が形成されることを防止す
るためのマスクとしてレジスト膜3を用いれば、レーザ
が照射される多結晶ダイヤモンド基板1の領域上に位置
する領域以外の領域に確実に第2の中間接合層5を形成
できる。
【0105】また、このレジスト膜3の幅Lを変更する
ことで、レーザが照射される多結晶ダイヤモンド基板1
の領域から第2の中間接合層5が形成された領域までの
距離を任意に変更できる。
【0106】また、レーザが照射される多結晶ダイヤモ
ンド基板1の領域から確実に間隔を隔てて第2の中間接
合層5を形成できるので、レーザが照射される領域に近
接した領域に第2の中間接合層5が形成されることによ
り、この第2の中間接合層5が他の導電層などと短絡す
るといった問題の発生を防止できる。
【0107】また、上記レーザが照射される領域の幅よ
りレジスト膜3の幅Lを広く形成しておけば、レーザが
照射される領域と第2の中間接合層5との間に間隔を形
成できる。また、この電解めっき法によれば、低コスト
に、かつ比較的一般的な装置を用いて容易に大面積の第
2の中間接合層5を形成できる。
【0108】次に、本発明の実施の形態2の図9に示し
た工程と同様の工程を実施する。このようにすれば、本
発明の実施の形態2による効果と同様の効果を得ること
ができる。
【0109】次に、レジスト膜3を除去した。そして、
レジスト膜3が除去された領域下に位置する第1の中間
接合層2の部分を硫酸を用いて除去した。このようにし
て、図14に示すような構造を得る。図14は、本発明
による放熱基板の製造方法の実施の形態3の第5工程を
説明するための断面模式図である。
【0110】この場合、レジスト膜3の幅をレーザが照
射される領域14(図18参照)の幅より大きくしてお
けば、第1の中間接合層2の除去された上記部分の幅
を、レーザが照射される領域14の幅より大きくでき
る。このため、残存する第1の中間接合層2は、レーザ
が照射される領域14と間隔を隔てて位置することにな
る。この場合、第1の中間接合層2の除去された上記部
分の幅は、レーザが照射される領域14の幅より大き
い。このため、残存する第1の中間接合層2は、レーザ
が照射される領域14と間隔を隔てて位置することにな
る。そして、第1および第2の中間接合層2、5の端部
の位置はほぼ一致する。このようにすれば、レーザ照射
によって黒鉛が発生し、この黒鉛が多結晶ダイヤモンド
基板1の切断面に付着しても、この切断面が形成される
レーザが照射される領域14と第1および第2の中間接
合層2、5との間には間隔が存在するため、上記黒鉛に
より第1および第2の中間接合層2、5と切断面に付着
した黒鉛とが電気的に接続される事は無い。つまり、第
1および第2の中間接合層2、5と、多結晶ダイヤモン
ド基板1において第1の中間接合層2が形成された表面
と反対側の裏面との絶縁が切断面に付着した黒鉛によっ
て破壊されるという問題の発生を防止できる。また、レ
ーザ照射による分割後において、放熱基板9の切断面で
ある端面に第1および第2の中間接合層2、5が露出す
ることは無いため、良好な絶縁性を示す放熱基板9を得
ることができる。
【0111】また、第2の中間接合層5が形成される位
置の端部はレジスト膜3の位置によって決定されるの
で、比較的高い精度で第2の中間接合層5の端部の形状
を決定できる。
【0112】次に、多結晶ダイヤモンド基板1の露出し
た表面上にレジスト膜6(図15参照)を形成する。こ
のレジスト膜6が存在する状態で、第3の中間接合層7
(図15参照)を形成する工程を実施する。具体的に
は、本発明の実施の形態1と同様に真空蒸着法を用い
て、第3の中間接合層7としての白金膜を形成する。こ
の白金膜の厚みは0.2μmである。このように第3の
中間接合層7を形成する事により、本発明の実施の形態
1と同様に、第2の中間接合層5と金属接合層8(図1
5参照)との間で構成材料が互いに拡散することを防止
できる。
【0113】次に、第3の中間接合層7上に金属接合層
8(図15参照)を形成する。この金属接合層8として
はPb−Sn共晶合金を用い、真空蒸着法を用いて形成
した。このようにして、図15に示すような構造を得
る。図15は、本発明による放熱基板の製造方法の実施
の形態3の第6工程を説明するための断面模式図であ
る。
【0114】次に、本発明の実施の形態1と同様に、レ
ジスト膜6を溶剤などを用いて除去する。そして、レジ
スト膜6が除去される際、レジスト膜6上に形成された
第3の中間接合層7および金属接合層8がレジスト膜6
とともに除去される。このようにして図16に示すよう
な構造を得る。図16は、本発明による放熱基板の製造
方法の実施の形態3の第7工程を説明するための断面模
式図である。
【0115】このようにして、本発明の実施の形態1と
同様に、上記第2の中間接合層5の形成工程と同様にレ
ジスト膜6を用いて第3の中間接合層7および金属接合
層8の端部の位置を決定できるので、放熱基板の表面に
おける第2および第3の中間接合層5、7および金属接
合層8の端部の真直度を向上させることができる。
【0116】また、第3の中間接合層7および金属接合
層8を第2の中間接合層5上に部分的に形成するため、
上記のレジスト膜6を用いた方法に代えて、レジスト膜
6が形成される領域上を保護するメタルマスクを配置し
て、メタルマスクによって覆われていない第2の中間接
合層5上に第3の中間接合層7および金属接合層8を形
成するという手法を用いてもよい。
【0117】次に、図17に示すように、金属接合層8
上に保護層12を形成する。この保護層12は、厚みが
8μmの水ガラスを塗布することにより形成した。図1
7は、本発明による放熱基板の製造方法の実施の形態3
の第8工程を説明するための断面模式図である。
【0118】次に、図18に示すように、保護層12が
存在する状態で、多結晶ダイヤモンド基板1をレーザ照
射によって分割する分割工程を実施した。図18は、本
発明による放熱基板の製造方法の実施の形態3の第9工
程を説明するための断面模式図である。この分割工程で
は、集光径が20μmのYAGレーザを用いた。レーザ
光13は、第2の中間接合層5が形成されていない領域
の中央部(レーザが照射される領域14)に照射され
た。この第2の中間接合層5が形成されていない領域の
幅は、レジスト膜3の幅Lとほぼ同一であり、約50μ
mである。このため、YAGレーザの集光径が20μm
であることから、レーザが照射される領域14と第2の
中間接合層5との間はそれぞれ約15μmの間隔が形成
されている。
【0119】その後、図19に示すように、保護層12
としての水ガラスを温水により除去する。このようにし
て、放熱基板9を得る。図19は、本発明による放熱基
板の製造方法の実施の形態3の第10工程を説明するた
めの断面模式図である。なお、保護層12として水ガラ
スを用いているが、有機系の溶剤で溶解することが可能
な有機系の材料を保護層12として用いてもよい。
【0120】このようにすれば、多結晶ダイヤモンド基
板1にレーザ照射する際に発生する黒鉛は保護層12上
に堆積するので、金属接合層8上に黒鉛が直接堆積する
ことはない。そして、レーザ照射の後に保護層12を除
去することにより、金属保護層8などに損傷を与えるこ
となく容易に放熱基板9から黒鉛を除去できる。
【0121】また、このように加工精度の高いレーザ照
射によって多結晶ダイヤモンド基板1を分割するので、
端部の真直度が良好な放熱基板9を得ることができる。
そして、放熱基板9においては、レーザ照射に起因する
黒鉛によって絶縁が破壊されることはなく、不良品の発
生はなかった。
【0122】本発明の実施の形態3においては、第1〜
第3の中間接合層2、5、7、金属接合層8について、
本発明の実施の形態1と同様な材料および厚みを選択す
れば、本発明の実施の形態1と同様の効果を得ることが
できる。
【0123】本発明の効果を確認するため、以下のよう
に比較例の試料を作成し、試験を行なった。
【0124】第1の比較例の試料は、基本的に本発明の
実施の形態3による放熱基板の製造方法と同様の工程に
より形成したが、図12に示した工程におけるレジスト
膜3の幅Lが20μmである点が異なる。このため、図
18に示した工程において、第2の中間接合層5の間の
間隔は上記レジスト膜3の幅Lに対応して約20μmと
なっていた。そして、図18に示した工程で、集光径2
0μmのYAGレーザにより多結晶ダイヤモンド基板1
を切断するが、この際発生する黒鉛が多結晶ダイヤモン
ド基板1の切断面に付着していた。そして、第1および
第2の中間接合層2、5と、多結晶ダイヤモンド基板1
において第1の中間接合層2が形成された表面と反対側
の裏面との絶縁が切断面に付着した黒鉛によって破壊さ
れていた。このため、第1の比較例としての試料は不良
品となり、放熱基板として使用できなかった。
【0125】次に、第2の比較例の試料を形成した。こ
の第2の比較例の試料も、基本的に本発明の実施の形態
3による放熱基板の製造方法と同様の工程により形成さ
れたが、図17に示した工程を実施せず、つまり保護層
12を形成することなく、レーザ照射によって多結晶ダ
イヤモンド基板1を分割した。
【0126】この第2の比較例の試料においても、レー
ザ照射工程において発生する黒鉛が金属接合層8や多結
晶ダイヤモンド基板1の切断面に付着することにより絶
縁が保たれなかった。このため、第2の比較例としての
試料も不良品となり、放熱基板として使用できなかっ
た。
【0127】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特
許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の
意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意
図される。
【0128】
【発明の効果】このように、本発明によれば、ダイヤモ
ンド基板を用いた放熱基板の製造工程において、レーザ
照射にともない発生する黒鉛に起因する放熱基板の不良
の発生を防止することが可能な放熱基板の製造方法を提
供できる。また、従来より優れた放熱特性を有するとと
もに、取付けられる半導体素子が、半導体素子と放熱基
板との接合部に発生する熱応力によって損傷を受けるこ
とを防止することが可能な放熱基板の製造方法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第1工程を説明するための断面模式図である。
【図2】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第2工程を説明するための断面模式図である。
【図3】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第3工程を説明するための断面模式図である。
【図4】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第4工程を説明するための断面模式図である。
【図5】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第5工程を説明するための断面模式図である。
【図6】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第6工程を説明するための断面模式図である。
【図7】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第7工程を説明するための断面模式図である。
【図8】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態1の第8工程を説明するための断面模式図である。
【図9】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の形
態2を説明するための断面模式図である。
【図10】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第1工程を説明するための断面模式図である。
【図11】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第2工程を説明するための断面模式図である。
【図12】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第3工程を説明するための断面模式図である。
【図13】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第4工程を説明するための断面模式図である。
【図14】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第5工程を説明するための断面模式図である。
【図15】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第6工程を説明するための断面模式図である。
【図16】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第7工程を説明するための断面模式図である。
【図17】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第8工程を説明するための断面模式図である。
【図18】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第9工程を説明するための断面模式図である。
【図19】 本発明による放熱基板の製造方法の実施の
形態3の第10工程を説明するための断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1 多結晶ダイヤモンド基板、2 第1の中間接合層、
3,6 レジスト膜、4 溝、5 第2の中間接合層、
7 第3の中間接合層、8 金属接合層、9放熱基板、
10 研磨部材、11 第2の中間接合層の上部表面、
12 保護層、13 レーザ光、14 レーザが照射さ
れる領域。
フロントページの続き (72)発明者 山本 喜之 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 5F036 AA01 BB08 BD16 5F073 EA28 EA29 FA15 FA22

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子が取付けられる放熱基板の製
    造方法であって、 ダイヤモンド基板の表面に溝を形成する工程と、 前記溝が形成された前記ダイヤモンド基板の表面に第1
    の中間接合層を形成する工程と、 前記第1の中間接合層上において、前記溝上に位置する
    領域以外の領域に第2の中間接合層を形成する工程と、 前記第2の中間接合層上に金属接合層を形成する工程
    と、 前記金属接合層を形成する工程の後、前記ダイヤモンド
    基板を溝に沿って加圧することにより分割する工程とを
    備える、放熱基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の中間接合層を形成する工程
    は、 前記第1の中間接合層上において、前記溝上に位置する
    領域にレジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜が存在する状態で、前記第1の中間接合
    層上において、前記レジスト膜が形成されてない領域に
    第2の中間接合層を形成する工程とを含む、請求項1に
    記載の放熱基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体素子が取付けられる放熱基板の製
    造方法であって、 ダイヤモンド基板の表面に第1の中間接合層を形成する
    工程と、 前記第1の中間接合層上に第2の中間接合層を形成する
    工程と、 前記第2の中間接合層上に金属接合層を形成する工程
    と、 前記金属接合層上に保護層を形成する工程と、 前記保護層が存在する状態で、前記ダイヤモンド基板
    を、レーザ照射によって分割する分割工程と、 前記分割されたダイヤモンド基板から前記保護層を除去
    する工程とを備える、放熱基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の中間接合層を形成する工程
    は、 前記第1の中間接合層上において、前記分割工程で前記
    レーザが照射される前記ダイヤモンド基板の領域上にレ
    ジスト膜を形成する工程と、 前記レジスト膜が存在する状態で、前記第1の中間接合
    層上において、前記レジスト膜が形成されてない領域に
    第2の中間接合層を形成する工程とを含む、請求項3に
    記載の放熱基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属接合層を形成する工程に先立
    ち、前記第2の中間接合層上に第3の中間接合層を形成
    する工程を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の放熱基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第3の中間接合層は、モリブデン、
    ニッケル、白金および金からなる群から選択される少な
    くとも1種以上を含む、請求項5に記載の放熱基板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の中間接合層は、チタン、モリ
    ブデン、ニッケルおよび白金からなる群から選択される
    少なくとも1種以上を含み、 前記第2の中間接合層は、金、銀、銅およびアルミニウ
    ムからなる群から選択される少なくとも1種以上を含
    み、かつ、20μm以上100μm以下の厚みを有し、 前記金属接合層は、金、銀、ケイ素、ゲルマニウム、
    錫、鉛およびインジウムからなる群から選択される少な
    くとも1種以上を含む共晶合金からなる、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の放熱基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の中間接合層を形成する工程
    は、 前記ダイヤモンド基板上にチタン膜を形成する工程と、 前記チタン膜上にモリブデン膜を形成する工程と、 前記モリブデン膜上にニッケル膜を形成する工程とを含
    む、請求項7に記載の放熱基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第2の中間接合層の上部表面を平坦
    化する工程をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の放熱基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の中間接合層を形成する工程
    では電解めっき法を用いる、請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の放熱基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019117880A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 日亜化学工業株式会社 光源装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102088162A (zh) * 2009-12-04 2011-06-08 夏普株式会社 半导体激光器芯片及其制造方法、半导体激光装置
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