JP2001281201A - 細胞外記録用電極 - Google Patents

細胞外記録用電極

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JP2001281201A JP2000092548A JP2000092548A JP2001281201A JP 2001281201 A JP2001281201 A JP 2001281201A JP 2000092548 A JP2000092548 A JP 2000092548A JP 2000092548 A JP2000092548 A JP 2000092548A JP 2001281201 A JP2001281201 A JP 2001281201A
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弘章 岡
Tetsuo Yukimasa
哲男 行政
Ryuta Ogawa
竜太 小川
Hirokazu Sugihara
宏和 杉原
Katsuyuki Tsuji
克之 辻
Yukifumi Yoshimoto
幸文 吉元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度が高く、神経細胞などの電気的活動を
長期間安定して記録し得、かつ再利用が容易である、細
胞外記録用の一体化複合電極を提供すること。 【解決手段】 基板上に配置された複数の微小電極と、
該微小電極に電気信号を付与しまたは該微小電極から電
気信号を導出し得る配線部とを備え、該微小電極は、そ
の表面に多孔性の導電性材料を有し、そしてインピーダ
ンスが50kΩ以下である、一体化複合電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、神経細胞の活動に
伴う電位変化などを測定するための、神経電気生理の分
野で有用な、細胞外記録用の一体化複合電極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、神経細胞に関して、その医学的検
討、および電気素子への適用可能性の検討が活発に行わ
れている。神経細胞などが活動する際には、活動電位が
発生する。この活動電位は、神経細胞のイオン透過性の
変化に伴って細胞膜内外のイオン濃度が変化し、これに
伴って細胞膜電位が変化することによって生じる。そこ
で、電極により神経細胞近傍のイオン濃度変化に伴う電
位変化を測定することによって、神経細胞の活動を観察
することができる。
【0003】従来、上記のような細胞活動に伴う電位の
測定は、ガラス製の細胞外電位測定用電極または金属製
(白金など)の電極をマイクロマニュピレータなどを用
いて細胞近辺に設置することにより行っていた。別の方
法としては、同様な電極を細胞内に挿入することによ
り、細胞の電気的活動を測定していた。いずれの従来方
法も、電極の調製に熟練した技術を要すること、インピ
ーダンスが高く、外部雑音の影響を受けやすいこと、さ
らに、電極を細胞内に挿入する方法では細胞または組織
に傷害を与えること、などの問題点があった。このた
め、安定した長期間の観察には適していなかった。
【0004】そこで、絶縁性基板上に導電性物質を用い
て複数の微小電極とその引き出しパターンを形成し、こ
の上での細胞および組織培養を可能にした一体化複合電
極が本発明者らによって開発された(特開平6−788
89号公報、および特開平6−296595号公報参
照)。これにより、細胞または組織に傷害を与えること
なく、神経細胞活動の観察を安定にかつ長期間行うこと
が可能になった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記一体化複合電極で
は、細胞と近接する電極の最表面には、電解により白金
黒の多孔性のメッキを施すか(特開平6−78889号
公報)、または蒸着などにより金を形成すること(特開
平6−296595号公報)が行われた。しかし、白金
黒メッキの場合、電極のインピーダンスを実用的なレベ
ルである約50kΩ以下に調整することは容易である
が、強度が弱いために、電極の再利用率が低いなどの問
題点があった。他方、蒸着により形成される金の場合、
強度は改善されるが、インピーダンスを約50kΩ以下
まで調整することは困難であった。
【0006】本発明は上記問題点の解決を意図するもの
であり、その目的は、インピーダンスが低く、外部雑音
の影響を受けにくい特性と、強度が高く、電極の再利用
が容易である特性とを併せ持つ、インピーダンス−周波
数特性により、細胞の電気的信号を記録するのに適した
細胞外記録用電極を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、細胞外記
録用電極の作成において、最表面に導電性材料を形成す
る際の電流密度を最適化することにより、表面を荒ら
し、表面積を増大させた多孔性の導電性材料が得られる
こと、そして、この多孔性の導電性材料が細胞外記録用
電極として好適な特性を示すことを見出した。本発明
は、これらの知見に基づいて完成された。
【0008】本発明は、細胞の電気生理学的特性を測定
するための一体化複合電極であって、 基板上に配置さ
れた複数の微小電極と、該微小電極に電気信号を付与し
または該微小電極から電気信号を導出し得る配線部とを
備え、該微小電極は、その表面に多孔性の導電性材料を
有し、該導電性材料が金、窒化チタン、酸化銀、および
タングステンからなる群から選択され、そしてインピー
ダンスが50kΩ以下である、一体化複合電極を提供す
る。
【0009】好ましくは、前記多孔性の導電性材料は金
であり、電流密度1.0〜5.0A/dm2にて10〜
360秒間の通電により形成される。
【0010】本発明はまた、細胞の電気生理学的特性を
測定するための一体化複合電極であって、基板上に配置
された複数の微小電極と、該微小電極に電気信号を付与
しまたは該微小電極から電気信号を導出し得る配線部と
を備え、該微小電極と実質的に同じインピーダンス特性
を示す等価回路の静電容量から算出した該微小電極の表
面積が、少なくとも該微小電極の投影面積の10倍〜2
00倍未満であり得、そしてインピーダンスが50kΩ
以下であり得る、一体化複合電極を提供する。
【0011】ここで、用語「微小電極の投影面積」は、
導電性材料を形成する前の微小電極最表面の総面積を意
味する。
【0012】好ましくは、前記微小電極のガス吸着法に
より測定した表面積は、該微小電極の投影面積の5×1
5倍を超えない範囲である。
【0013】本発明の1つの実施態様では、前記微小電
極は、基板上にマトリックス状に配置され、前記配線部
は該微小電極に接続されたリード線と該リード線の端部
に接続された電気接点とを含み、そして、少なくとも該
リード線の表面が絶縁層に覆われる。
【0014】本発明の1つの実施態様では、前記多孔性
の導電性材料は、エッチングにより形成され得る。
【0015】本発明はまた、上記の一体化複合電極を備
え、該一体化複合電極の基板上に細胞または組織を置く
ための細胞設置領域を有する、一体化細胞設置器を提供
する。
【0016】本発明はまた、上記の一体化細胞設置器
と、細胞または組織の電気生理学的活動による出力信号
を処理するために該微小電極に接続される出力信号処理
装置を備え、さらに必要に応じて細胞または組織に電気
的刺激を与えるために前記微小電極に接続される刺激信
号付与装置を備えた、細胞電位測定装置を提供する。
【0017】本発明はまた、上記の細胞電位測定装置を
備え、さらに、細胞または組織を光学的に観察するため
の光学観察装置および/または細胞または組織の培養環
境を制御するための細胞培養装置を備えた、細胞電位測
定システムを提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。 (微小電極の多孔性導電性材料形成)本発明により提供
される、細胞外記録用の一体化複合電極は、絶縁性の基
板上に配置された複数の微小電極を備える。この微小電
極上に細胞を設置することにより、細胞の電気的活動を
計測することが可能になる。
【0019】本発明の一体化複合電極は、特に、微小電
極の最表面に多孔性の導電性材料を有し、そして、この
電極のインピーダンスが50kΩ以下を特徴とする。電
極のインピーダンスは、好ましくは35kΩ以下であ
り、より好ましくは25kΩ以下であり、さらに好まし
くは10kΩ以下であり得る。ここでいうインピーダン
スは、周波数1kHz、端子間電圧50mVで測定した
値をいうものと定義される。本発明におけるインピーダ
ンスの下限値は特に制限されず、本明細書の教示に従っ
て実現可能な限り低い値であることが好ましい。
【0020】上記のような低いインピーダンスは、電極
表面の導電性材料の多孔性構造に由来して得られる特性
であると考えられる。ここで多孔性とは、導電性材料表
面がいわゆる荒れた形状、すなわち微細な凹凸を多数含
む形状を有することをいう。本発明における多孔性の導
電性材料表面は、光学顕微鏡でその拡大像を観察する
と、直径が約0.01〜25μm程度の微小な粒子が密
に凝集した外観を呈し得る。電極の最表面をこのような
多孔性の構造とすることにより、表面積が著しく増大
し、結果として、従来の蒸着などにより得られる平滑な
表面の金では実質的に不可能であった低いインピーダン
スが実現され得る。
【0021】このように、電極最表面の多孔性構造はま
た、電極最表面の表面積により規定され得る。電極最表
面の表面積は、例えば、当業者に周知の、ガス吸着によ
るBET法を用いて行われ得る。あるいは、微小電極と
溶液界面のモデルを電気回路に等価として表した等価回
路の静電容量から算出され得る。
【0022】本発明における多孔性の導電性材料は、代
表的には、過電流密度下で電解メッキ工程をおこなうこ
とにより形成される。過電流密度とは、好ましくは1.
2A/dm2を越える電流密度、より好ましくは1.0
〜5.0A/dm2、最も好ましくは1.4〜2.1A
/dm2の範囲の電流密度をいう。これは、通常の工業
用電解導電性材料メッキ工程において用いられる電流密
度が約1.0A/dm2以下であることと対照的であ
る。なお、3.0A/dm2を越える電流密度を使用し
ても多孔性の導電性材料メッキが得られるが、電流密度
が過大であると、表面の荒れ方が極端になり、微小電極
として意図される形状(例えば、正方形)を維持するこ
とが困難になる。本発明においては、過電流密度下で
の、代表的には10〜360秒間、好ましくは30〜2
40秒間の通電により導電性材料メッキが形成され得
る。通電時間が短過ぎると微小電極上に十分に導電性材
料メッキが形成されない場合がある。通電時間が長過ぎ
ると微小電極上で導電性材料の成長が不均一となって、
導電性材料メッキの成長が早い部分と遅い部分が生じ、
電極の形状が正方形でなくなる傾向がある。
【0023】これらの電解メッキ条件は例示であり、上
述した低インピーダンス値が達成し得る限り、例えば、
電解メッキ装置の制限、および操作上の要請などに応じ
て、適宜変更され得ることは、いうまでもない。
【0024】あるいは、本発明における多孔性の導電性
材料は、エッチングにより形成され得る。例えば、酸化
剤と溶解剤を用いた化学エッチングや、酸を主体とした
電解液中で直流や交流を用いて電解する電気化学エッチ
ングなどを行うことにより、表面積を増大することも可
能である。
【0025】本発明における微小電極の最表面は、上記
の多孔性構造を有し、かつその材質が、例えば、金であ
ることによって、低インピーダンス特性と共に、高い強
度を実現している。そのため、この微小電極は再利用効
率が高く、結果としてコストパフォーマンスに優れる。
これは、従来の電極多用されてきた電解メッキによる白
金黒が、低いインピーダンスを示すものの強度が低く、
繰り返しの使用に耐えないことと対照的である。具体的
には、本発明における電極のインピーダンスは、下記の
実施例5と実質的に同一の条件でライフ試験を行ったと
き、初期のインピーダンスと比較して、20サイクル後
のインピーダンスの増加率が、代表的には30%以内で
あり、好ましくは20%以内であり、より好ましくは1
5%以内であり得る。
【0026】本発明における微小電極の最表面には上記
の多孔性導電性材料が形成される。導電性材料の下層を
構成する電極材料は、多孔性導電性材料と十分な接着性
を示すものである限り、特に限定はされない。好ましい
材料の例として、無電解メッキまたは電解メッキによる
ニッケル、常法の無電解メッキによる金などが挙げられ
る。これらの下層の厚さは特に限定されない。例とし
て、ニッケルメッキは3000〜7000オングストロ
ーム程度、無電解金メッキはニッケルメッキの上に30
0〜700オングストローム程度の厚さで、形成され得
る。
【0027】本発明の一体化複合電極において、代表的
には、複数の微小電極は、基板上でマトリックス状とな
るように、すなわち、格子の各交点上に位置するように
配置される。この配置により、複数の電極を等間隔で並
ばせ得る。これは、神経細胞の隣合う細胞体を、隣合う
電極上に位置させて、細胞体間の電気的信号の伝達を検
知することを可能とする。
【0028】各々の微小電極には、該電極に外部から電
気信号を付与し、または該電極から電気信号を外部へと
導出するための配線部が接続される。代表的には、配線
部は、微小電極と接続し、該電極から基板の周辺方向に
引き出された、リード線を含む。配線部は、さらに、該
リード線の端部に接続された、通常は基板の辺縁部に位
置する電気接点を含み得る。配線部の材料として好まし
い例には、酸化インジウム錫(ITO)が挙げられる。
なお、上記のインピーダンスは、形式上は微小電極およ
び配線部の全体についての特性値であるが、事実上、上
記配線部の値は、電極の最表面の材質および形状によっ
て規定される値に比べて無視できる程度に十分小さいも
のである。従って、電極の下層および配線部の材料の選
択が、インピーダンスに影響することは、ほとんどな
い。
【0029】代表的には、リード線の表面は絶縁層に覆
われる。絶縁層はリード線上のみに配置されてもよい
が、好ましくは、微小電極上および電気接点の近傍を除
いて、基板上面のほぼ全体を被覆するように配置され
る。絶縁層の材料として好ましい例には、加工の容易な
アクリルや感光性のポリイミドが挙げられる。
【0030】(一体化複合電極の構成)本発明の一体化
複合電極の詳細な設計にあたっては、上記の多孔性導電
性材料の形成および作用を妨げない限り、公知の一体化
複合電極における任意の構造的特徴を採用し得る(例え
ば、特開平6−78889号公報を参照)。以下に、代
表的な一体化複合電極の構成例を示す。ここで記述され
た態様は、測定対象たる神経細胞の特性、収集が意図さ
れる測定データの性格などの種々の要因を反映して、適
宜設定、変更し得るものである。
【0031】一体化複合電極に供される基板材料として
は、細胞培養後の光学的観察の便宜のために透明な絶縁
性材料が好ましい。例として、石英ガラス、鉛ガラス、
ホウ珪酸ガラスなどのガラス、もしくは石英などの無機
物質、または、ポリメタクリル酸メチルまたはその共重
合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートなど
の透明性を有する有機物質が挙げられる。機械的強度と
透明性とに優れる無機物質が好ましい。
【0032】基板上に配置される電極材料としては、例
えば酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫、Cr、A
u、Cu、Ni、Al、Ptなどが使用され得る。なか
でも、ITOおよび酸化錫が好ましく、透明性で良導電
性であるITOが特に好ましい。上記の微小電極は、通
常、所望の位置および形状に配置されたこれら電極材料
の一部の最表面に多孔性の導電性材料メッキを施すこと
により、形成される。
【0033】複数個の微小電極は、通常、最近接の電極
間距離が相等しくなるように、等間隔で配置される。最
近接の電極間距離は、代表的には約10から約1000
μmの範囲内にあり得る。電極の形状は、代表的には正
方形もしくは円形であって、1辺の長さ、もしくは直径
は約20μmから約200μmの範囲内にあり得る。こ
のような設定により、測定対象の神経細胞(すなわち細
胞体と樹状突起と軸索突起)の細胞体が一つの電極上に
置かれたとき、この細胞体から伸びた細胞突起を介して
隣合う別の細胞体が、隣合う電極上に位置する確率が高
くなる。
【0034】微小電極と接続するリード線にも、上記と
同様の電極材料が適用でき、やはりITOが好ましい。
通常、このような電極材料を基板上に蒸着した後、フォ
トレジストを用いてエッチングすることにより、微小電
極の最下層、およびリード線を含む配線部が、一体とし
て、所望のパターンに形成される。このとき、微小電極
の最下層および配線部の厚みは、およそ500〜500
0オングストローム程度であり得る。
【0035】リード線は、代表的には各微小電極から略
放射状に伸ばした形状に配置される。この略放射状の配
置と組み合わせて、複数の微小電極の中心点を、8×8
の格子上の各交点に位置させることが特に好ましい。
【0036】リード線を被覆し絶縁するための絶縁層の
材料としては、例えばポリイミド(PI)樹脂、エポキ
シ樹脂などの透明な樹脂が挙げられる。ネガティブフォ
トセンシティブポリイミド(NPI)などの感光性樹脂
が好ましい。感光性樹脂の絶縁層材料を用いると、例え
ば、フォトエッチングによるパターン形成を利用して、
微小電極上の絶縁層部分に孔を開けて、該電極のみを露
出させることが可能となる。このように、絶縁層は、各
電極上および外部回路との電気接点の近傍を除いて、絶
縁基板のほぼ全面を被覆するように設けられることが、
生産効率などの点で好ましい。
【0037】(細胞電位測定装置およびシステム)本発
明の一体化複合電極を、神経細胞などの測定に有効に活
用するためのシステムにおける種々の構成要素の設計に
あたっては、上記の多孔性導電性材料の形成および作用
を妨げない限り、公知の細胞電位測定システムにおける
任意の特徴を採用し得る(例えば、特開平8−6220
9号公報を参照)。
【0038】本発明の一体化複合電極は、通常、複合電
極上での細胞培養を容易にするための構造、および、所
望により複合電極自体の取り扱いを容易にするための構
造が加えられて、一体化細胞設置器として提供され得
る。
【0039】複合電極上での細胞培養のためには、代表
的には、上記絶縁層で基板のほぼ全面が被覆された基板
上に、絶縁層を介して、培養液を保持し得る構造部分を
付加し得る。このような保持構造として、例えば、ポリ
スチレン製の円筒状の枠を、複数の微小電極を囲むよう
に基板上に固定し得る。このとき、ポリスチレン枠の内
側が、細胞設置領域を規定する。本発明の多孔性導電性
材料メッキは、上記保持構造の設置前、または設置の後
に、微小電極の表面に形成され得る。
【0040】一体化複合電極を細胞測定に付す際の取り
扱いを容易にするために、例えば、プリント配線板を組
み合わせることができる。プリント配線板は、一体化複
合電極の電気接点と導電接続する導電パターンを有する
ことにより、微小電極から電気接点に至る電気接続をさ
らに外部に引き出す役割を果たす。プリント配線板と一
体化複合電極との電気接続を保持しつつ、両者を確実に
固定するために、さらに、適切な形状のホルダ、例え
ば、複合電極を上下から挟む形状の2分割式ホルダを用
いることができる。
【0041】一体化細胞設置器にさらに、刺激信号付与
装置と出力信号処理装置とを組み合わせることにより、
複合電極上に設置された細胞に電気的刺激を与え、その
応答としての出力信号を処理するための細胞電位測定装
置が構成され得る。
【0042】刺激信号付与装置は、上記複数の微小電極
のうちの任意の一対の電極間に刺激信号を印加し得る。
刺激信号に細胞が応答することによって、他の電極にお
いて誘発電位の変化が得られ、出力信号として信号処理
装置に与えられる。出力信号は、適切な信号処理を経
て、例えば表示装置などに出力される。なお、刺激信号
を受けることなく細胞において発生する自発電位の測定
も、同様に行われ得る。
【0043】刺激信号付与装置および出力信号処理装置
は、代表的には、適切な測定用ソフトウエアを備えたコ
ンピュータによって一体として構成される。測定用ソフ
トウエアは、コンピュータの画面上に、刺激条件などを
設定し得るパラメータ設定画面、細胞から検出された電
位変化を記録し、リアルタイムで多チャンネル表示し得
る記録画面、および記録されたデータを解析し得るデー
タ解析画面などを与える。好ましくは、コンピュータか
らの刺激信号は、 D/A変換器を介して一体化複合電
極へと出力され、そして細胞からの出力信号は、A/D
変換器を介してコンピュータに入力される。
【0044】細胞電位測定装置にさらに、光学観察装置
と細胞培養装置とを組み合わせることにより、神経細胞
を長期間にわたって培養し、その電気生理学的活動を安
定にかつ正確に測定することを可能にする、細胞電位測
定のためのシステムが構築され得る。光学観察装置とし
ては、倒立顕微鏡の他に、高精細度ディスプレーおよび
画像ファイル装置を備えた、顕微鏡用のSITカメラを
用いることができる。細胞培養装置としては、培養雰囲
気の温度調節、培養液の循環、空気および二酸化炭素の
混合ガスの供給などを制御し得る任意の機器または機器
類の組み合わせを用いることができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明をより具体的に例示する。これ
らの実施例は、本発明を限定するものではない。
【0046】(実施例1)様々な電流密度で、平面状の
微小電極(サイズ50×50μmの電極の各々の中心部
が、8×8の格子上の各交点に位置する。従って、微小
電極の総表面積(投影面積)は、50×50×64=1
60000μm2)表面に、金による電解メッキを施し
た。
【0047】具体的には、1.0A/dm2、1.5A
/dm2、および2.0A/dm2の各電流密度で金の電
解メッキを試みた。それぞれの電流密度で得られた、金
メッキを有する電極のインピーダンスを周波数1kH
z、端子間電圧50mVで測定し、5回の測定の平均値
を求めた。結果を表1に示す。電流密度を上げるほど、
微小電極の平均インピーダンスを低くすることができ
た。
【0048】
【表1】
【0049】ここで得られた、微小電極上の金メッキの
表面を、光学顕微鏡にて観察した。顕微鏡写真を、図1
a〜図1cに示す。図1aが1.0A/dm2、図1b
が1.5A/dm2、そして図1cが2.0A/dm2
電流密度でそれぞれ得られたメッキの表面の光学顕微鏡
写真である。1.0A/dm2の電流密度では、ほぼ平
滑なメッキ表面が得られるのに対し、電流密度を上げる
ほど、金メッキ表面が顕著に多孔性の形状を示し、電極
表面の面積を増大させていることがわかる。
【0050】(実施例2)実施例1で得られた微小電極
表面を用いて、実際にマウスの海馬切片(脳)を用い
て、誘発電位の測定とノイズレベルの測定とを行った。
海馬切片はマウスから得た。5週令のオスc57bla
ck6マウスをフローセンで麻酔した後、断頭し全脳を
摘出した。摘出した脳を直ちに氷冷下リンゲル液で冷却
し、海馬のみを含む脳断片を切り出した。次いで、切り
出した脳断片を、組織切片化装置で250ミクロンの厚
さの切片とし、この切片を微小電極上に置き試験に供し
た。
【0051】誘発電位の測定とノイズレベルの測定は、
10マイクロAの定電流を双極性のパルス(パルス幅1
00マイクロ秒)として与え、64個の電極の応答を、
刺激前5ミリ秒から刺激後45ミリ秒までの間、64チ
ャンネルで表示したコンピュータ画面で測定して行っ
た。この結果を、図2a〜2fに示す。図2a、2cお
よび2eは、金メッキ被覆微小電極上での、上記定電流
刺激に対する細胞の電位変化の応答、つまり誘発電位を
示す。図2aは電流密度1.0A/dm2での電解で得
られた電極、図2cは電流密度1.5A/dm2での電
解で得られた電極、および図2eは電流密度2.0A/
dm2での電解で得られた電極における誘発電位をそれ
ぞれ示す。
【0052】図2b、2dおよび2fは、それぞれ図2
a、図2cおよび図2の金メッキ被覆微小電極に対し
て、細胞の非存在下でノイズレベルを示したものであ
る。
【0053】図2a、2cおよび2eに示されるよう
に、電流密度1.0A/dm2での電解で得られた金メ
ッキ(図2a)と比較して、より高電流密度で得られた
多孔性の金メッキでは、刺激信号を印加した電極におけ
る応答が明瞭であり、定電流の刺激が有効に印加できる
ことがわかった(図2cおよび図2e)。そして、特
に、1.5A/dm2の電流密度でメッキを施した微小
電極が、インピーダンス値が低く、そして微小電極の表
面形態に関しても良好であった。
【0054】ノイズレベルは、2.0A/dm2でのメ
ッキ(図2f)が最も低く、次いで1.5A/dm2
のメッキ(図2d)が低かった。他方、1.0A/dm
2でのメッキ(図2b)では、著しくノイズが多く、神
経細胞の電位変化を精度良く計測することは困難であっ
た。
【0055】(実施例3)様々な電流密度で金による電
解メッキを施した平面微小電極表面の周波数特性を従来
品と比較した。2.0A/dm2および1.5A/dm2
での多孔性の金メッキ表面を有する電極は、それぞれ、
電解による白金黒のメッキを表面に有する従来品の電極
と遜色ない周波数特性を示した。しかし、1.0A/d
2での金メッキは、従来品と比較して著しく周波数特
性が劣っていた。
【0056】(実施例4)以下の方法により微小電極表
面積を測定または算出した。 1.ガス吸着法による測定 実施例1で得られた電流密度1.5A/dm2での多孔
性の金メッキ表面を有する微小電極の表面積をCOガス
を用いたガス吸着法を用いて測定した。測定試料とし
て、1.3mm×1.3mm×1.1mmのガラス基板
上にある金メッキ微小電極64個(以下金メッキ微小電
極ブロックという)を用いた。微小電極単独では、小さ
過ぎてガス吸着法による被検試料とするのは困難であっ
たからである。また、金メッキの代わりに従来法(電解
メッキ)により白金黒をメッキした同ガラス基板上にあ
る白金黒メッキ微小電極64個(以下白金黒メッキ微小
電極ブロックという)を比較試料とした。なお、いずれ
の試料ブロックもその重さは0.004gであった。測
定結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】ここで、1.3mm×1.3mm×1.1
mmのガラス基板上にあるメッキされる前の微小電極
(以下微小電極ブロックという)の総表面積をS、メッ
キされる前の微小電極の表面積(投影面積)をs、金メ
ッキ微小電極ブロックまたは白金黒メッキ微小電極ブロ
ックの総表面積をS’そしてメッキにより微小電極の表
面積がα倍に増加、つまりその表面積がαsになったと
すると、S−sすなわち、微小電極を除く微小電極ブロ
ック部分の表面積は変わらずに、微小電極の表面積のみ
がメッキにより増加するから、S’=(S−s)+αs
の関係式が成立する。従ってαの値は、式:α=(S’
−S)/s+1で算出される。
【0059】ここで、Sの値は、1.3mm×1.3m
m×1.1mmの直方体の表面積であって7.41mm
2と計算され、そしてs(投影面積)の値は50μ×5
0μmの電極64個の表面積であるから0.16mm2
である。従って、表2で示されるS’の測定結果から、
白金黒メッキ微小電極についてα=504955の値が
得られる。なお、金メッキ電極については、ガス吸着法
の検出限界以下であり、表面積の増加はα<455と見
積ることができる。
【0060】2.等価回路による微小電極の表面積の算
出 2.1.金メッキ電極のインピーダンス特性 実施例1で得られた電流密度1.5A/dm2での多孔
性の金メッキ表面を有する微小電極に対し、周波数を1
Hzから100kHzまで連続的に変化させてインピー
ダンスを測定した。測定は、対極として0.3mmφの
白金線を用い、1.4wt% NaCl水溶液中で行っ
た。バイアス電圧は0Vとし、測定電圧の振幅は50m
Vとした。結果を図3に示す。図3は、インピーダンス
測定により得られた結果を図示する当業者に周知のボー
ド線図であって、測定インピーダンスZの絶対値の対数
log│Z│と位相角(θ)を周波数fの対数に対して
プロットしたものである。このボード線図から、測定し
た系を等価回路として表し、微小電極の表面積を定量化
した。
【0061】微小電極を用いた測定系は、実際には、液
抵抗やITO回路パターン部分などの抵抗、微小電極表
面の電気二重層による容量などの他に、絶縁膜を介して
ITO回路パターン部分と液との間に発生する容量や、
微小電極界面に発生する抵抗などが複雑に直並列に接続
されたものと等価であると推定できる。例えば、図4a
に微小電極を用いた測定系の等価回路の1つを示す。図
4aに示される等価回路全体の合成インピーダンスZ
は、以下の式[I]で表すことができる:
【0062】
【数1】
【0063】(ここで、R1は、ITOの回路パターン
部分の抵抗(液と接触していない部分)、R2は、IT
Oの回路パターン部分の抵抗および液抵抗、R3は、微
小電極表面の抵抗、C1は、微小電極表面の電気二重層
容量、C2は、絶縁膜を介してITO回路パターン部分
と液との間に発生する容量、そしてω=2πf(ω:角
周波数、f:周波数)である)。上記合成インピーダン
スの絶対値│Z│および位相θは、それぞれ、│Z│=
(ZRe 2+ZIm 21/2、θ=tan-1(−ZIm/ZRe
(ここでZRe:Zの実部、ZIm:Zの虚部)で表すこと
ができる。
【0064】そこで、図4aに示す等価回路のR1
2、C1およびC2を変化させて、等価回路の合成イン
ピーダンスを計算してシミュレーションし、図3のボー
ド線図に最も近似するボード線図を与えるR1、R2、R
3、C1およびC2の組み合わせを選択した。R1=200
Ω、R2=5kΩ、R3=5MΩ、C1=0.01μFお
よびC2=100pFのときのボード線図を図5に示
す。図5に示す結果は、実測値である図3に示す結果と
よく一致していることが分かる。
【0065】ここで、微小電極を用いた測定系において
は、R3>>R1、R3>>R2およびC2<<C1であるか
ら、上記の式[I]は、R3→∞、C2→0として、式
[II]で近似できる。
【0066】
【数2】
【0067】つまり、R1+R2=R、C1=Cとするこ
とにより、微小電極を用いた測定系は、図4bで表され
る単純な回路で近似できることがわかる。以下、図4b
の等価回路を用いて解析を進めた。
【0068】図4bに示される等価回路全体の合成イン
ピーダンスZは、Z=R+(jωC)-1で表される。こ
こで、R:回路パターン抵抗、C:微小電極表面の電気
二重層容量、ω=2πf(ω:角周波数、f:周波数)
である。そしてここで上記合成インピーダンスの絶対値
│Z│および位相θは、それぞれ、│Z│=(R2
(1/ωC)21/2およびθ=tan-1(−ωC/R)
で表される。
【0069】そこで、図4bに示す等価回路のRおよび
Cの値を変化させて、等価回路の合成インピーダンスを
計算してシミュレーションし、図3のボード線図に最も
近似するボード線図を与えるRおよびCの組み合わせを
選択した。R=5kΩおよびC=0.01μFのときの
ボード線図を図6に示す。図6に示す結果は、実測値で
ある図3に示す結果とよく一致していることがわかる。
【0070】次に、対照として用いた、金メッキ表面を
有さない微小電極のインピーダンスの実測値のグラフを
図7に示す。測定条件は、上記の金メッキ表面を有する
微小電極のインピーダンスを測定した場合(図3)と同
じである。
【0071】次に、図4bに示す等価回路においてR=
5kΩ、C=250pFのときの、等価回路の合成イン
ピーダンスをシミュレーションにより求めた結果を図
に示す。図8に示す結果は、実測値である図7に示す結
果とよく一致していることがわかる。
【0072】ここで、金メッキ表面を有する微小電極の
電気二重層容量をCA、金メッキ処理を施す前の微小電
極の電気二重層容量をCBとすると、上記シミュレーシ
ョン結果から、それぞれの微小電極の静電容量は、CA
=0.01μF、およびCB=250pFであるから、
A=40CBの関係が得られる。ここで、一般に静電容
量Capは、Cap=ε0εrS/d(ε0:真空の誘電率、
εr:誘電体の比誘電率、S:電極の表面積、d:誘電
体の厚さ)で表すことができ、その値は電極の表面積に
比例するので、上記の関係式は、金メッキ表面を有する
微小電極の表面積が、金メッキを施すことにより40倍
に増加したことを示している。
【0073】金メッキ表面を有する微小電極と同様に、
白金黒メッキ表面を有する微小電極のインピーダンスの
実測値のグラフを図9に示す。測定条件は、上記の金メ
ッキ表面を有する微小電極のインピーダンスを測定した
場合(図3)と同じである。次に、図4bに示す等価回
路においてR=5kΩ、C=0.05μFのときの、等
価回路の合成インピーダンスをシミュレーションにより
求めた結果を図10に示す。図10に示す結果は、実測
値である図9に示す結果とよく一致していることがわか
る。
【0074】上記と同様に、白金黒メッキ表面を有する
微小電極の電気二重層容量をCA、白金黒メッキ処理を
施す前の微小電極の電気二重層容量をCBとすると、CA
=0.01μF、およびCB=0.05μFであるか
ら、CA=200CBの関係が成り立つ。この関係式は、
白金黒メッキ表面を有する微小電極の表面積が、金メッ
キを施すことにより200倍増加したことを示す。
【0075】本シュミレーションにより、該微小電極の
インピーダンス限界である50kΩ以下を実現するため
には、金メッキにより少なくとも表面積を投影面積と比
較して10倍以上にする必要があることが示された。
【0076】(実施例5)1.5A/dm2の電流密度
での電解による多孔性の金メッキを施した平面微小電極
を用いて、従来電極(白金黒メッキ)と比較してライフ
試験を行った。ライフ試験は、通常の急性実験と同様の
実験を繰り返した。すなわち、実施例2に記載の実験を
繰り返した。各実験終了後、コラゲナーゼ(20u/m
l)で一晩処理して細胞切片試料を剥離し、蒸留水で洗
浄後,各電極のインピーダンスを測定した。図11に
は、各実験終了後のインピーダンス変化をプロットし
た。この結果から、使用回数を重ねるに従い、従来メッ
キ方法(白金黒メッキ)と比較して、インピーダンスの
上昇が少なく、しかも電極ごとのばらつきが少なかっ
た。
【0077】他方、電解による白金黒のメッキを表面に
有する従来品の場合は、図11に示すように、17〜1
8サイクル以降にインピーダンスが著しく増加した。こ
のように、多孔性の金メッキを有する電極は、従来品と
比較して、再利用性が高く、電位変化の測定を安定して
行い得ることが示された。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、強度が高く、神経細胞
などの電気的活動を長期間安定して記録し得、かつ再利
用が容易である、細胞外記録用の一体化複合電極が提供
される。この複合電極が有する複数の微小電極は、多孔
性の金メッキを利用することで、強度を損なうことな
く、低いインピーダンスを与える。このため、複合電極
への定電流刺激の印加が容易であり、電気的刺激に伴う
培養細胞の応答を観察するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 電流密度1.0A/dm2での電解によっ
て微小電極上に形成された、比較例による金メッキの表
面を示す拡大倍率が2500倍の顕微鏡写真。図1a〜
図1c中のスケールは50μmである。
【図1b】 電流密度1.5A/dm2での電解によっ
て微小電極上に形成された、本発明による金メッキの表
面を示す顕微鏡写真。
【図1c】 電流密度2.0A/dm2での電解によっ
て微小電極上に形成された、本発明による金メッキの表
面を示す顕微鏡写真。
【図2a】 電流密度1.0A/dm2での電解で得ら
れた、比較例による金メッキ被覆微小電極上での、定電
流刺激に対する細胞の電位変化の応答を64チャンネル
で表示したコンピュータ画面のプリントアウトを示す
図。刺激信号はチャンネル29に印加した。
【図2b】 図2aの金メッキ被覆微小電極に対して、
細胞の非存在下でのノイズレベルを64チャンネルで表
示したコンピュータ画面のプリントアウトを示す図。
【図2c】 電流密度1.5A/dm2での電解で得ら
れた、本発明による金メッキ被覆微小電極上での、定電
流刺激に対する細胞の電位変化の応答を64チャンネル
で表示したコンピュータ画面のプリントアウトを示す
図。
【図2d】 図2cの金メッキ被覆微小電極に対して、
細胞の非存在下でのノイズレベルを64チャンネルで表
示したコンピュータ画面のプリントアウトを示す図。
【図2e】 電流密度2.0A/dm2での電解で得ら
れた、本発明による金メッキ被覆微小電極上での、定電
流刺激に対する細胞の電位変化の応答を64チャンネル
で表示したコンピュータ画面のプリントアウトを示す
図。
【図2f】 図2eの金メッキ被覆微小電極に対して、
細胞の非存在下でのノイズレベルを64チャンネルで表
示したコンピュータ画面のプリントアウトを示す図。
【図3】 本発明の微小電極のインピーダンス特性を示
す図。
【図4a】 本発明の微小電極の等価回路を示す図。
【図4b】 本発明の微小電極の等価回路を示す図。
【図5】 本発明の微小電極の等価回路のインピーダン
ス特性を示す図。
【図6】 本発明の微小電極の等価回路のインピーダン
ス特性を示す図。
【図7】 比較例の微小電極のインピーダンス特性を示
す図。
【図8】 比較例の微小電極の等価回路のインピーダン
ス特性を示す図。
【図9】 比較例の微小電極のインピーダンス特性を示
す図。
【図10】 比較例の微小電極の等価回路のインピーダ
ンス特性を示す図。
【図11】 本発明による電解金メッキを施した微小電
極を再利用性を、従来品と比較した、ライフ試験の結果
を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 竜太 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 杉原 宏和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 辻 克之 大阪府大阪市旭区森小路1丁目2番27号 株式会社太洋工作所内 (72)発明者 吉元 幸文 大阪府大阪市旭区森小路1丁目2番27号 株式会社太洋工作所内 Fターム(参考) 2G045 AA24 BB20 CB01 FA11 FB05 GC18 JA01 JA07 4B029 AA02 BB11 CC02 DF01 DF03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞の電気生理学的特性を測定するため
    の一体化複合電極であって、 基板上に配置された複数の微小電極と、該微小電極に電
    気信号を付与しまたは該微小電極から電気信号を導出し
    得る配線部とを備え、 該微小電極は、その表面に多孔性の導電性材料を有し、
    該導電性材料が金、窒化チタン、酸化銀、およびタング
    ステンからなる群から選択され、そしてインピーダンス
    が50kΩ以下である、一体化複合電極。
  2. 【請求項2】 前記多孔性の導電性材料が金であり、電
    流密度1.0〜5.0A/dm2にて10〜360秒間
    の通電により形成された、請求項1に記載の一体化複合
    電極。
  3. 【請求項3】 細胞の電気生理学的特性を測定するため
    の一体化複合電極であって、 基板上に配置された複数の微小電極と、該微小電極に電
    気信号を付与しまたは該微小電極から電気信号を導出し
    得る配線部とを備え、 該微小電極と実質的に同じインピーダンス特性を示す等
    価回路の静電容量から算出した該微小電極の表面積が、
    少なくとも該微小電極の投影面積の10倍〜200倍未
    満であり、そしてインピーダンスが50kΩ以下であ
    る、一体化複合電極。
  4. 【請求項4】 前記微小電極のガス吸着法により測定し
    た表面積が、該微小電極の投影面積の5×105倍を超
    えない範囲である、請求項3に記載の一体化複合電極。
  5. 【請求項5】 前記微小電極が基板上にマトリックス状
    に配置され、前記配線部は該微小電極に接続されたリー
    ド線と該リード線の端部に接続された電気接点とを含
    み、そして、少なくとも該リード線の表面が絶縁層に覆
    われた、請求項1〜4のいずれかに記載の一体化複合電
    極。
  6. 【請求項6】 前記多孔性の導電性材料が、エッチング
    により形成される、請求項1、3、4および5のいずれ
    かに記載の一体化複合電極。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の一体
    化複合電極を備え、該一体化複合電極の基板上に細胞ま
    たは組織を置くための細胞設置領域を有する、一体化細
    胞設置器。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の一体化細胞設置器と、
    細胞または組織の電気生理学的活動による出力信号を処
    理するために該微小電極に接続される出力信号処理装置
    を備え、さらに必要に応じて細胞または組織に電気的刺
    激を与えるために前記微小電極に接続される刺激信号付
    与装置を備えた、細胞電位測定装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の細胞電位測定装置を備
    え、さらに、細胞または組織を光学的に観察するための
    光学観察装置および/または細胞または組織の培養環境
    を制御するための細胞培養装置を備えた、細胞電位測定
    システム。
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