JP2001280679A - 風量調整用ダンパ及び吹出グリル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】換気システムに用いられる風量調整用ダンパに
おいて、コストダウンを図ることにある。また、その製
造工程を簡単にすることにある。 【解決手段】風量調整用のシャッタ部と、シャッタ部を
吹出グリルに固定するための固定部と、シャッタ部と固
定部とを連結し、吹出グリル内部に配置されるシャッタ
部の姿勢を調整可能なように、塑性変形可能な連結部と
を備え、これらのシャッタ部、固定部及び連結部は板金
により一体成形されている風量調整用ダンパ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、風量調整用ダン
パ、特に、換気ユニットの吹出グリル内部を流れる空気
量（給気量）を調整するための風量調整用ダンパに関す
る。また本発明は、前記風量調整用ダンパを有する吹出
グリルに関する。

【０００２】

【従来の技術】ダクト型換気システムは、室内の汚れた
空気を排出するとともに、清潔な空気を室内に供給し
て、室内空気を清潔に保つ。この換気システムは、換気
ユニットと、各部屋に設置される吹出グリルと、排出ダ
クトと、外気連絡ダクトと、給気ダクトとを備えてい
る。換気ユニットは、室内の汚れた空気を吸引し、汚れ
た空気を屋外に排出する。また換気ユニットは、屋外の
空気を導入し、塵や埃を取り除いて清潔な空気を各部屋
に供給する。吹出グリルは、内部に空気流路を有してお
り、室内の壁や天井等に固定され、給気ダクトの一端に
接続されている。排出ダクトは、換気ユニットと屋外と
を連絡しており、換気ユニットが排出する室内の汚れた
空気を屋外に排出する流路となる。外気連絡ダクトは、
換気ユニットと屋外とを連絡しており、換気ユニットに
外気を導入する流路となる。給気ダクトは、換気ユニッ
トと吹出グリルとに接続されており、換気ユニットが排
出する清潔な空気を吹出グリルに供給する流路となる。

【０００３】このような換気システムにおいて、換気ユ
ニットから各部屋への給気量は、その部屋の広さ、在室
人数、使用目的に基づいて変更する必要がある。部屋が
広いほど、また在室人数が多いほど多くの給気量が必要
であり、ペットがいる部屋などの換気を行うには通常よ
り多くの給気量が必要である。また、換気ユニットと吹
出グリルとの間の給気ダクトが長いほど、換気ユニット
からの給気が静止圧力によって妨げられて給気量が減少
する。

【０００４】このような給気量の調整は、吹出グリル内
部に設けられる風量調整用ダンパによって行われる。従
来の風量調整用ダンパは、回転軸を有し給気流路に対す
る角度を変更可能なシャッタと、このシャッタに連結さ
れたリンク機構と、リンク機構に設けられシャッタの姿
勢を調整するためのねじ機構とを有している。ここで
は、ねじ機構に設けられた調整ねじを回すことにより、
リンク機構を介してシャッタの姿勢（角度）を調整し、
吹出グリルの給気流路面積を変更することができる。

【０００５】そして、換気システム施工時に、各部屋ご
とに所定の給気量になるように風量調整用ダンパのシャ
ッタの角度を調整している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の風量調整用ダン
パは、シャッタの角度を調整するために、リンク機構及
びねじ機構が必要である。これらの機構は、部品点数の
数が多く、換気システムのコストダウンの妨げとなって
いる。また、シャッタを任意の角度に停止させるため
に、軸受部にフリクション等を設けなければならず、構
造が複雑である。

【０００７】本発明の目的は、風量調整用ダンパにおい
て、コストダウンを図ることにある。また本発明の別の
目的は、風量調整用ダンパにおいて、製造工程を簡単に
することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】発明１に係る風量調整用
ダンパは、換気ユニットの吹出グリル内部に形成される
空気流路を流れる空気量を調節するための風量調整用ダ
ンパであって、風量調整用のシャッタ部と、シャッタ部
を吹出グリルに固定するための固定部と、シャッタ部と
固定部とを連結し、吹出グリル内部に配置されるシャッ
タ部の姿勢を調整可能なように、塑性変形可能な連結部
とを備えている。これらのシャッタ部、固定部及び連結
部は板金により一体成形されている。

【０００９】このような風量調整用ダンパは、固定部に
よって吹出グリルに固定される。固定部とシャッタ部と
は塑性変形可能な連結部によって連結されており、シャ
ッタ部を持ってその角度を変更すれば連結部が塑性変形
し、これによりシャッタ部の吹出グリル内における姿勢
を変更できる。このようにしてシャッタ部の吹出グリル
に対する角度を変更することにより、給気量を調節する
ことができる。

【００１０】ここでは、シャッタ部、固定部及び連結部
が板金によって一体成形されるため、部品点数を削減で
き、製造工程が簡単になり、コストダウンが図れる。ま
た、連結部を塑性変形させることでシャッタを任意の角
度に変更できるので、室内への給気量の調整が容易にな
る。発明２に係る風量調整用ダンパは、発明１の風量調
整用ダンパにおいて、シャッタ部は吹出グリルの空気流
路の形状に沿って形成されている。この場合、シャッタ
部が空気流路の形状に沿って例えば円形に形成され、シ
ャッタの吹出グリルに対する角度を調整することにより
有効に給気量を調整することができる。

【００１１】発明３に係る風量調整用ダンパは、発明１
又は２の風量調整用ダンパにおいて、固定部は吹出グリ
ルの空気流路内の壁面にねじ止め可能な貫通孔を有す
る。ここでは、シャッタ部は、貫通孔を貫通するねじ等
の部材によって吹出グリルに固定される。この場合、風
量調整用ダンパを吹出グリルに確実に固定することがで
きる。

【００１２】発明４に係る風量調整用ダンパは、発明１
又は２の風量調整用ダンパにおいて、固定部は吹出グリ
ルの空気流路内の壁面に係止可能な係止部を有する。こ
こでは、係止部が吹出グリル内部の壁面に係止されるこ
とによって、シャッタ部が吹出グリルに固定される。こ
の場合、風量調整用ダンパを吹出グリルにねじを用いず
簡単に固定することができる。

【００１３】発明５に係る風量調整用ダンパは、天井又
は壁等の取付固定部に取り付けられる換気ユニットの吹
出グリルであって、内部に空気流路を有し、取付固定部
に固定される第１枠と、第１枠に固定される請求項１に
記載の風量調整用ダンパと、風量調整用ダンパを覆うよ
うに第１枠に着脱可能に固定される第２枠とを備えてい
る。

【００１４】この吹出グリルは、請求項１に記載の風量
調整用ダンパを備えているので、風量調整用ダンパの製
造工程が簡単であり、コストダウンが図れる。またこの
吹出グリルは、請求項１に記載の風量調整用ダンパを備
えているので、給気量の調整が容易になる。

【００１５】

【実施の形態】〔第１実施形態〕 〔全体構成〕本発明の一実施形態が採用される換気シス
テムの構成を、図１を参照して説明する。

【００１６】換気システムは、換気ユニット１と、各部
屋に設置される吹出グリル２と、排出ダクト３と、外気
連絡ダクト４と、給気ダクト５とを備えている。換気ユ
ニット１は、天井裏等に設けられ、排出ダクト３、外気
連絡ダクト４、給気ダクト５が接続されている。吹出グ
リル２は、内部に空気流路を備えており、室内の天井等
に設けられ、天井裏側の端部に給気ダクト５が接続され
ている。排出ダクト３は、一端が換気ユニット１の排気
側に接続されており、他端が屋外に配置され、換気ユニ
ット１の排気を屋外に排出する流路を形成している。外
気連絡ダクト４は、一端が換気ユニット１の吸気側に接
続されており、他端が屋外に配置され、換気ユニット１
が屋外から導入する外気の流路を形成している。給気ダ
クト５は、一端が換気ユニット１に他端が吹出グリル２
に接続されており、換気ユニット１が室内に供給する空
気の流路を形成する。

【００１７】この換気システムでは、換気ユニット１
は、室内の汚れた空気を吸引し排出ダクト３を介して屋
外に排出するとともに、外気連絡ダクト４を介して屋外
の空気を吸引する。また換気ユニット１は、外気から塵
や埃を取り除いた後、清潔な空気を給気ダクト５、吹出
グリル２を介して室内に供給する。図２は、各部屋の天
井に設置された吹出グリル２を上から見た図である。ま
た図３は吹出グリル２を横から見た図である。

【００１８】これらの図において、吹出グリル２は、図
３に示すように、天井６を貫通するようにフランジ７に
よって固定されている。吹出グリル２の天井裏側の端部
には、前述のように給気ダクト５が接続されている。図
４は吹出グリル２の分解図を示している。吹出グリル２
は、第１枠１１と、風量調整用ダンパ１２と、第２枠１
３と、ねじ１４とを備えている。第１枠１１は、一端が
給気ダクト５に接続される筒部１１ａと、筒部１１ａの
他端から連続して形成されるフランジ部１１ｂとを有し
ている。この第１枠１１は内部に空気流路１１ｄを有し
ている。フランジ部１１ｂの下面には複数のねじ穴１１
ｃが形成されている。そして、風量調整用ダンパ１２は
この第１枠１１に固定される。第２枠１３は、蓋部１３
ａと、蓋部１３ａの片面（上面）から略垂直に直立して
形成される係止爪１３ｂとを備えている。

【００１９】図５に、風量調整用ダンパ１２の完成品の
正面図（ａ）、側面図（ｂ）、下面図（ｃ）を示す。ま
た図６に、風量調整用ダンパ１２の半完成品、すなわち
図５に示すような形状にする前の状態を示している。こ
れらの図に示すように、風量調整用ダンパ１２は、シャ
ッタ部１２ａと、シャッタ部１２ａの両側に形成された
１対の帯状の固定部１２ｃと、シャッタ部１２ａと１対
の固定部１２ｃとを連結する連結部１２ｄとを有してい
る。

【００２０】シャッタ部１２ａは、第１枠１１の空気流
路１１ｄの内形状に合わせて略円形に形成されている。
また、固定部１２ｃには固定用の貫通孔１２ｅが形成さ
れている。そして、これらのシャッタ部１２ａ、固定部
１２ｃ及び連結部１２ｄは板金によって一体成形され
る。板金の厚みは、シャッタ部１２ａをもって回転させ
ることにより、連結部１２ｄが塑性変形可能な程度の厚
みとなっている。また各固定部１２ｃには、連続して接
触部１２ｂが形成されている。この１対の接触部１２ｂ
は、それぞれシャッタ部１２ａから離れるにしたがって
（上方に行くにしたがって）外側に開くように形成され
ている。したがって、第１枠１１の空気流路１１ｄ内に
ダンパ１２を挿入した場合には、この接触部１２ｂが空
気流路１１ｄの内壁面に接触する。

【００２１】図６に示した半完成品のダンパ１２から図
５に示すような完成品のダンパ１２にする場合は、以下
のようにして行われる。まず、図６に示したダンパ１２
の接触部１２ｂ及び固定部１２ｃをシャッタ部１２ａの
面に対して直角に折り曲げる。次に、固定部１２ｃの先
端部分（貫通孔１２ｅが形成された部分）を他の部分に
対して垂直に折り曲げる。さらに、接触部１２ｂを外側
に折り曲げる。このようにして、図５に示す風量調整用
ダンパ１２を得る。

【００２２】次に、吹出グリル２の組立について説明す
る。まず、図７に示すように、風量調整用ダンパ１２を
空気流路１１ｄに挿入する。このとき、拡開状に形成さ
れた接触部１２ｂは、空気流路１１ｄの内壁面を押圧し
ながら固定される。そして、固定部１２ｃを第１枠１１
の取り付け面に密着させる。この状態で、ねじ１４を貫
通孔１２ｅを貫通させてねじ穴１１ｃに螺合させ、風量
調整用ダンパ１２を第１枠１１に固定する。

【００２３】このようにして風量調整用ダンパ１２を固
定した後、シャッタ部１２ａをもって図７の矢印Ａ方向
に回転し、適当な角度位置とする。このようなシャッタ
部１２ａの回転により連結部１２ｄを塑性変形させ、シ
ャッタ部１２ａを所望の角度位置に調整する。これによ
り、シャッタ部１２ａの面が空気流路１１ｄに対して傾
いた状態となり、室内への給気量を調整することができ
る。

【００２４】次に、図４に示すように、第２枠１３を空
気流路１１ｄに挿入して固定する。このとき、２つの係
止爪１３ｂは、風量調整ダンパ１２の２つの固定部１２
ｃに直交するように挿入固定される。なお、組立後であ
っても、第２枠１３を取り外して、前記同様の作業によ
ってシャッタ部１２ａを回転し、その角度を調整して給
気量を再調整することが可能である。

【００２５】〔第２実施形態〕図８に、本発明の第２実
施形態に係る風量調整用ダンパ２２を示す。図８（ａ）
は平面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は側面図である。風
量調整用ダンパ２２は、シャッタ部２２ａと、シャッタ
部２２ａの両側に形成された１対の固定用の係止部２２
ｂと、シャッタ部２２ａと１対の係止部２２ｂとを連結
する連結部２２ｄとを有している。

【００２６】シャッタ部２２ａは、前記同様に、第１枠
１１の空気流路１１ｄの内形状に合わせて略円形に形成
されている。また、係止部２２ｂは、逆Ｕ字形状に形成
されており、第１枠１１の筒部１１ａの上端縁に係止さ
せることが可能である。係止部２２ｂの下方には、外側
に開く逆Ｖ字状の切り起こし部２２ｅが形成されてい
る。この切り起こし部２２ｅは、ダンパ２２を第１枠１
１に上方から挿入した際に、抜け出るのを防止するため
のものである。なお、係止部２２ｂに連続して、下方に
延びる延長部２２ｃが形成されている。

【００２７】このようなダンパ２２も、前記実施形態と
同様に、板金により一体成形される。そして、その厚み
は、シャッタ部２２ａをもって回転させた際に、連結部
２２ｄが塑性変形可能な程度の厚みに設定されている。
また、このダンパ２２も１枚の板金を打ち抜いて半完成
品を製造し、それを折り曲げて形成することが可能であ
る。ここでは、その折り曲げ加工の詳細は省略する。

【００２８】このようなダンパ２２は、第１枠１１の筒
部１１ａの上方から挿入固定され、係止部２２ｂを筒部
１１ａの上端縁に係止することにより第１枠１１に固定
される。その後のシャッタ部２２ａの角度調整、第２枠
の組立等については、前記第１実施形態と同様である。

【００２９】このような第２実施形態によっても、第１
実施形態と同様に、吹出グリル２の組立の際に、風量調
整用ダンパ２２のシャッタ２２ａの第１枠１１に対する
角度を変更することによって、室内への給気量を調整す
ることができる。また、この実施形態では、固定用のね
じを用いる必要がなく、部品点数が少なくなってコスト
をより削減できる。また、切り起こし部２２ｅによって
第１枠１１からの抜けを防止でき、確実に固定すること
が可能である。

【００３０】

【発明の効果】本発明の風量調整用ダンパによれば、シ
ャッタ部、固定部及び連結部が板金により一体に形成さ
れるので、製造工程が簡単になり、コストダウンを図れ
る。また本発明の風量調整用ダンパによれば、連結部を
塑性変形させることでシャッタ部の吹出グリルに対する
角度を容易に変更することができるので、給気量の調整
が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態が採用された換気システム
の概略構成を示すブロック図。

【図２】その吹出グリルの平面図。

【図３】前記吹出グリルの正面図。

【図４】前記吹出グリルの分解斜視図。

【図５】第１実施形態による風量調整用ダンパの正面
図、側面図、下面図。

【図６】前記風量調整用ダンパの展開図。

【図７】前記吹出グリルの組立断面図。

【図８】第２実施形態による風量調整用ダンパの平面
図、正面図、側面図。

【符号の説明】

１ 換気ユニット ２ 吹出グリル １１ 第１枠 １１ｄ 空気流路 １２，２２ 風量調整用ダンパ １２ａ，２２ａ シャッタ部 １２ｃ 固定部 １２ｄ，２２ｄ 連結部 ２２ｂ 係止部 １３ 第２枠

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】換気ユニットの吹出グリル内部に形成され
   る空気流路を流れる空気量を調節するための風量調整用
   ダンパであって、 風量調整用のシャッタ部と、 前記シャッタ部を吹出グリルに固定するための固定部
   と、 前記シャッタ部と固定部とを連結し、前記空気流路内に
   配置される前記シャッタ部の姿勢を調整可能なように塑
   性変形可能な連結部とを備え、 前記シャッタ部、固定部及び連結部は板金により一体成
   形されている、風量調整用ダンパ。
2. 【請求項２】前記シャッタ部は前記吹出グリルの空気流
   路の形状に沿って形成されている、請求項１に記載の風
   量調整用ダンパ。
3. 【請求項３】前記固定部は前記吹出グリルの空気流路内
   の壁面にねじ止め可能な貫通孔を有する、請求項１又は
   ２に記載の風量調整用ダンパ。
4. 【請求項４】前記固定部は前記吹出グリルの空気流路内
   の壁面に係止可能な係止部を有する、請求項１又は２に
   記載の風量調整用ダンパ。
5. 【請求項５】天井又は壁等の取付固定部に取り付けられ
   る換気ユニットの吹出グリルであって、 内部に空気流路を有し、前記取付固定部に固定される第
   １枠と、 前記第１枠に固定される請求項１に記載の風量調整用ダ
   ンパと、 前記風量調整用ダンパを覆うように、前記第１枠に着脱
   可能に固定される第２枠と、を備える吹出グリル。