JP2001280293A - 送風装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 送風される空気がベルマウス４と干渉するの
を抑制するして送風音を低減させる。 【解決手段】 ベルマウス４内に設けられた扇状の羽根
１２をモータで回転させて空気を送風する際に、羽根１
２の外周端部１３に、当該外周端部１３から飛出す空気
を抑制するリブ１５を設けて、送風される空気がベルマ
ウス４と干渉して騒音を発生させ、また空気が羽根１２
の裏側に回り込んで乱流を発生させることによる騒音を
抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、羽根から吹出され
る空気とベルマウスとの干渉等を抑制した送風装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、扇状のプロペラファンを備えた送
風装置は種々の装置に用いられている。例えば、空気調
和機においては図６に示すような室外機にこの種の送風
装置が用いられている。

【０００３】当該室外機は、筐体内に配設された熱交換
器３、該熱交換器３の風下側に配置されたモータ１１、
該モータに取付けられた羽根１２、羽根１２を取囲むよ
うに設けられたベルマウス４等により形成されて、空気
が太線矢印の方向に流動するように構成されている。

【０００４】このような構成の送風装置１０において
は、送風量を確保しながら送風音を下げることが望ま
れ、このため空気の流れに対して障害となる熱交換器３
に対して風下側に羽根１２が設置されている。

【０００５】これにより、送風装置１０からの空気が、
熱交換器３等に吹き当らないようにして静音化を図って
いる。

【０００６】無論、空気が熱交換器３に流入するときに
は当該熱交換器３に吹き当るが、このときの空気は送風
装置１０により吸引された空気であるので、当該空気は
熱交換器３に吹き当ると言うよりも熱交換器３を構成す
る図示しないフィンの間をかいくぐりながら滑らかに通
過するようになるので大きな送風音は発生しない。

【０００７】また、このような送風装置１０に対しては
送風効率が高いことも要求され、このためにベルマウス
４が設けられている。

【０００８】このベルマウス４は、送風装置１０に吸引
される空気の回り込みを規制することにより、吸気した
空気の全てが熱交換器３等を通過するようにしている。

【０００９】即ち、図６において、ベルマウス４が設け
られていない場合には、点線矢印で示す空気の流れが発
生して、熱交換器３を通過する空気量が少なくなり送風
効率が低下する。

【００１０】そこで、ベルマウス４によりかかる回り込
む空気を規制して送風効率を向上させている。

【００１１】また、羽根１２側のベルマウス４の面は、
図５に示すように所定の曲率κで形成されて、吹出され
た空気が滑らかに広がるように整流している。

【００１２】空気が吹出される際には、当該空気は他の
空気を押しのけなければならないので広がるようになる
が、このときベルマウス４の面が鋭角に形成されている
と、そこで乱流が発生して騒音を発生させてしまう。

【００１３】そこで、かかる乱流が発生しないように、
上述したようにベルマウス４の面を所定の曲率κで形成
して整流することにより乱流の発生による騒音を抑制し
ている。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成の送風装置１０であっても、吹出される空気が
ベルマウス４と干渉して送風音を低減することができな
い問題があった。

【００１５】そこで、本発明は、送風される空気がベル
マウスと干渉するのを抑制することにより送風音を低減
させた送風装置を提供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１にかかる発明は、扇状の羽根を回転させて
空気を送風する送風機と、該羽根の外周部に面して設け
られるベルマウスとを備えた送風装置において、羽根の
外周端部に、当該外周端部から飛出す空気を抑制するリ
ブを設けて、送風される空気がベルマウスと干渉するの
を抑制すると共に放出された渦が羽根の正圧面側から負
圧面側に回り込み当該負圧面で剥離渦となるのを抑制し
て送風音を低減したことを特徴とする。

【００１７】請求項２にかかる発明は、リブの高さが、
羽根との粘性により生じる空気の境界層より適宜高く設
定されていることを特徴とする。

【００１８】請求項３にかかる発明は、リブの曲率が羽
根の回転半径の逆数より大きくなるように設定したこと
を特徴とする。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図を参照し
て説明する。なお、従来と同一構成に関しては同一符号
を付して説明を適宜省略する。

【００２０】本願発明者は、送風される空気とベルマウ
ス４との干渉現象を研究した結果、以下の原理で送風音
が発生することを突止めた。そこで、実施の形態の説明
に先立ち、送風される空気とベルマウス４との干渉によ
る送風音発生メカニズムを簡単に説明する。

【００２１】図５は従来用いられている羽根１２の構造
及びベルマウス４との関係を示す部分図で、図５（ａ）
は回転する羽根１２の上面図、図５（ｂ）は断面図であ
る。

【００２２】従来の構造では、羽根１２が回転すること
により空気は遠心力でベルマウス４側に広がり、羽根１
２の外周端部１３から飛出して当該ベルマウス４に衝突
すると共に、羽根１２の表面側が正圧となり裏面側が負
圧となることから、ベルマウス４に衝突した空気等が羽
根１２の裏面側に回り込み、ここで剥離渦を発生させて
いることを見いだした。

【００２３】なお、羽根１２の表面及び裏面は、送風方
向に対して風上側が裏面とであり、風下側が表面であ
る。

【００２４】このため、ベルマウス４に吹き当った空気
の衝撃音及び羽根１２の裏側に回り込み乱流が発生する
ことによる乱流音が送風音となっていることを突止め
た。

【００２５】そこで、本発明では、図１〜図４に示すよ
うに羽根１２の外周端部１３であって表面側にリブ１５
を設け、当該リブ１５により外周端部１３から空気が飛
出さないようにした。なお、図１は回転する羽根１２の
上面図、図２は部分断面図、図３は空気の流れを示す
図、図４はリブ形状を示す図である。

【００２６】即ち、羽根１２の外周端部１３における表
面に円弧状のリブ１５を複数設け、当該リブ１５により
外周端部１３側に流れる空気を堰き止めるようにしてい
る。

【００２７】なお、リブ１５の形状は図４に示すように
断面形状が四角、三角、台形及び半円と種々考えられ、
適用する羽根１２の回転速度や羽根１２の外周端部１３
とベルマウス４との距離等に応じて適宜設定することが
できることは言うまでもない。

【００２８】また、空気は粘性流であるため、羽根１２
が回転することにより当該羽根１２に境界層が生じる。
境界層の厚さは翼弦長が長いほど発達しやすい。即ち、
羽根１２の外周側の方が厚くなる。図３（ｂ）において
示す、点領域がこの境界層１６を模式的に示している。

【００２９】従って、リブ１５の高さｈとしては、少な
くとも当該境界層１６及びこれにひきずられる空気を堰
き止めることができる高さが好ましい。

【００３０】さらに、リブ１５の曲率ρ（図１参照）
は、羽根１２の回転半径の逆数より大きいことが好まし
い。

【００３１】これにより外周端部１３から飛び出そうと
する空気をボス１７側に押戻すような力を発生させるこ
とにより、効率的に当該空気の飛出しを抑制することが
可能になる。

【００３２】以上説明したように、リブ１５を設けるこ
とにより、羽根１２から飛出した空気がベルマウス４に
吹き当ることによる衝撃音の発生が抑制され、また吹き
当った空気等が羽根１２の負圧面に吸込まれて乱流を発
生することによる乱流音の発生が抑制できるようにな
り、送風装置の静音化が可能となる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように請求項１にかかる発
明によれば、羽根の外周端部に、当該外周端部から飛出
す空気を抑制するリブを設けたので、送風される空気が
羽根の外周端部から飛出すのを抑制することができ、ま
た放出された渦が羽根の正圧面側から負圧面側に回り込
み当該負圧面で剥離渦となるのを抑制することができて
送風音を低減することが可能になる。

【００３４】請求項２にかかる発明によれば、リブの高
さを羽根との粘性により生じる空気の境界層より適宜高
く設定したので、効率的に送風される空気が羽根の外周
端部から飛出すのを抑制することができ、また放出され
た渦が羽根の正圧面側から負圧面側に回り込み当該負圧
面で剥離渦となるのを抑制することができて送風音を低
減することが可能になる。

【００３５】請求項３にかかる発明によれば、リブの曲
率が羽根の回転半径の逆数より大きくなるように設定し
たので、効率的に送風される空気が羽根の外周端部から
飛出すのを抑制することができ、また放出された渦が羽
根の正圧面側から負圧面側に回り込み当該負圧面で剥離
渦となるのを抑制することができて送風音を低減するこ
とが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の説明に適用される送風装
置の正面図である。

【図２】図１の部分断面図である。

【図３】空気の流れを示す図である。

【図４】リブ形状を示す図である。

【図５】従来構造の羽根における空気の流れを示す図で
ある。

【図６】送風装置が適用されている例としての室外機の
構成図である。

【符号の説明】

４ ベルマウス １２ 羽根 １３ 外周端部 １５ リブ １６ 境界層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扇状の羽根を回転させて空気を送風する
   送風機と、前記羽根の外周部に面して設けられたベルマ
   ウスとを備えた送風装置において、 前記羽根の外周端部に、当該羽根から前記ベルマウスの
   方向に飛出す空気を抑制するリブを設けたことを特徴と
   する送風装置。
2. 【請求項２】 前記リブの高さが、前記羽根と空気との
   粘性により生じる当該空気の境界層の厚みより適宜高く
   なるように設定したことを特徴とする請求項１記載の送
   風装置。
3. 【請求項３】 前記リブの曲率が、前記羽根の回転半径
   の逆数より大きくなるように設定したことを特徴とする
   請求項１又は２記載の送風装置。