JP2001279115A - 混和材用組成物、その製造方法および耐熱高機能高分子製品またはポリビニルアルコール製品の廃物の再生処理方法ならびにその用途 - Google Patents

混和材用組成物、その製造方法および耐熱高機能高分子製品またはポリビニルアルコール製品の廃物の再生処理方法ならびにその用途

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JP2001279115A
JP2001279115A JP2001014402A JP2001014402A JP2001279115A JP 2001279115 A JP2001279115 A JP 2001279115A JP 2001014402 A JP2001014402 A JP 2001014402A JP 2001014402 A JP2001014402 A JP 2001014402A JP 2001279115 A JP2001279115 A JP 2001279115A
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polyvinyl alcohol
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Takeshi Hatano
武 波多野
Kazuhiko Kosuge
一彦 小菅
Mitsuhiko Tanahashi
光彦 棚橋
Iori Nakabayashi
伊織 中林
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Du Pont Toray Co Ltd
Toray Industries Inc
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
Toray Industries Inc
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、廃棄物等から得られる材料をも利
用することができ、FRP等の複合体の混和材として用
いる耐熱高機能高分子もしくは/およびポリビニルアル
コールからなる微細粉状物または/および微小繊維状物
の組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 廃棄物等からも得てもよい耐熱高機能高
分子または/およびポリビニルアルコールからなり、
(a)長径が0.1μm〜100μmの微細粉状物、も
しくは(b)繊維の長さ方向に直角の断面の長径が0.
1μm〜100μm、かつ算術平均繊維長が0.01m
m〜1mmの微小繊維状物、または(c)それらの混合
物であることを特徴とする組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱高機能高分
子、例えば一般的にいわゆる高分子液晶として知られる
溶液液晶、溶融液晶高分子等、もしくは/およびポリビ
ニルアルコール(以下、「PVA」と略称する。)から
なる微細粉状物または/および微小繊維状物の組成物、
およびそれらの製造方法に関する。
【0002】また、本発明は、上記のような耐熱高機能
高分子から構成された繊維もしくは樹脂などを用いた各
種製品からの廃物の再生処理方法にも関する。より詳し
く言えば、アラミド繊維等の耐熱高機能繊維製品または
同樹脂成型品からの使用済み廃棄物或いは耐熱高機能繊
維糸から最終繊維製品までの加工工程中に発生する各種
屑、すなわち撚糸、製織、製編時に発生する糸屑、織物
素材から衣料等への縫製時に発生する裁断屑等、或いは
不良品などを含む、要するに耐熱高機能高分子製品廃物
を再生加工して有用な材料に転換するための再生処理方
法に関する。さらに、耐熱高機能繊維製品または同樹脂
成型品の代わりに、PVA系繊維製品もしくはPVA樹
脂成型品、または耐熱高機能高分子とPVAとを含む繊
維製品もしくは樹脂成型品を用いた再生処理方法にも関
する。
【0003】
【従来の技術】耐熱高機能高分子は、その優れた耐熱
性、難燃性、高強度を利用して各種製品に加工され使用
されている。例えば、耐熱高機能高分子よりなる耐熱高
機能繊維の短繊維を樹脂に混ぜ込んだ複合体、いわゆる
繊維強化プラスチック(以下、FRPと略す)は、樹脂
のみからなるものに比べ、その引張強さや曲げ強さ等の
特性を向上させることができる。しかしながら、従来の
FRPに用いる短繊維等は、紡糸して得た耐熱高機能繊
維のフィラメントを裁断機等である長さにカットしてい
るため、その繊維長は通常最低1mm程度が限度であ
り、より均一に、またより緻密に樹脂へ混ぜ込むことが
困難であった。
【0004】また、上述の耐熱高機能高分子の特性を活
かし、例えばアラミド繊維から編成された作業用手袋は
溶接時火傷の危険やプレスによって打ち抜かれた金属片
の周縁部にできるバリによる創傷を回避できるとともに
機械部品を扱う際に不可欠な丈夫さと耐久性とを兼ね備
えていることから、従来の破れやすいメリヤス軍手に替
わって、昨今は自動車組立て現場などで多用されてい
る。その場合、丈夫といえども、作業の苛酷さから1ヵ
月を待たずに網目のほつれ、擦り切れ、破れなどのため
に使用できなくなり廃棄のやむなきに至っており、定期
的に収集、処分されるその総量は大量であり、ゴミ問題
が生じている。
【0005】これら廃棄物は従来、埋め立て或いは焼却
処分されてきたが、環境浄化運度の高まりと共に焼却も
埋め立ても次第に許されなくなりつつあるといっても過
言ではない。この様な状況に対処するためには本発明で
対象とするような種類の廃棄物についても例外ではな
く、その適切なリサイクル方法の開発が緊急課題となっ
ている。
【0006】しかしながらかかる耐熱高機能繊維製品或
いは同樹脂成型品の使用済み品は大量消費製品とは異な
り、前記のような大量に集まる事業所を除いては、デポ
ジット制などリサイクル社会への法整備がなされていな
い所為もあって、まとめて1箇所に収集したり処分され
ることは少なく、従ってリサイクルする試み自体が未だ
なされていないか或いは実用可能なリサイクル方法は未
だ開発されていないのが実状である。
【0007】一方、PVA系繊維は、高ヤング率の繊維
が開発されて以来、石綿にかわり繊維強化型コンクリー
トの補強材として多用されている。特に、抄造用コンク
リートの補強材としては、より均一にコンクリートに混
ぜ込むため、繊維の径が小さい方が好適である。したが
って、繊維径の小さいPVA系繊維の微小物からなる組
成物が、特に建築土木材料の分野で望まれている。
【0008】また、例えば、PVA繊維は、高強度とと
もに耐アルカリ性、耐久性にも優れていることから、上
述したコンクリート補強用として、または高強力繊維と
して用いられている。一方、PVAフィルムは、ガス遮
断性に優れていることから、油脂性食品・味噌・漬物な
どの酸化・変色防止包装、けずり節・お茶・ハム・チー
ズなどのガス充填包装、脱酸素剤封入包装、真空包装、
香気保存包装などに用いられている。ここで、例えば、
同じくガス遮断性に優れたポリ塩化ビニリデンコートポ
リエチレンテレフタラートフィルムなどのようなポリ塩
化ビニリデンコートフイルムがダイオキシンや環境ホル
モンなどによる環境汚染の問題を抱えているのに対し、
PVAは炭素、水素、酸素のみから成っているので、P
VAからなる製品にはそのような問題は生じない。しか
し、資源の有効利用という観点からは、PVAからなる
製品を焼却により処分するのではなく、付加価値の高い
製品にリサイクルされることがより好ましい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みて、FRPや繊維強化型コンクリート等の補強
材もしくは充填材などの混和材として有用な耐熱高機能
高分子または/およびPVAからなる微細粉状物または
/および微小繊維状物の組成物を提供することを目的と
する。
【0010】また、本発明は、耐熱高機能繊維製品また
は同樹脂成型品の廃物をリサイクルするための、できる
だけコストを要せず、短時間で簡単に処理可能な実用的
方法を提供することを目的とする。そしてその結果得ら
れた新たな再生品を有用な素材として利用しうるリサイ
クル法を開発、提供することも目的とする。さらに、上
記目的において、耐熱高機能繊維製品または同樹脂成型
品などの耐熱高機能高分子製品の代わりに、PVA系繊
維製品もしくはPVA樹脂成型品などのPVA製品、ま
たは耐熱高機能高分子とPVAを含む繊維製品もしくは
樹脂成型品を用いることを特徴とする再生処理方法を提
供することをも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、所定の大きさの微細粉
状物もしくは/および微小繊維状物の組成物を、例えば
FRP、繊維強化型コンクリートまたはコールタール等
の建築、土木材料またはその他機械部品等、要するに複
合構造体の各種用途向け材料に混入する混和材(例え
ば、補強材または充填材)として使用すれば、上記従来
技術の問題点を一挙に解消できることを知見した。
【0012】本発明者らは、さらに検討を重ね、耐熱高
機能繊維製品または同樹脂成型品などの耐熱高機能高分
子製品の廃物を耐圧容器内で高温高圧水蒸気処理した
後、前記容器を瞬間的に一挙に大気圧に解放することに
より前記廃物を爆砕させて微細粉状物または/および微
小繊維状物の組成物を生成することを特徴とする耐熱高
機能高分子製品廃物の再生処理方法を開発した。該再生
処理方法は、低コストであり、該廃物を短時間で簡単に
処理できるので実用的な方法である。また、本発明の他
の態様によれば、前記再生処理によって得られる耐熱高
機能高分子粉状物または繊維状物をコンクリート、コー
ルタール、強化プラスチック等の、建築、土木材料或い
はその他機械部品等の、要するに複合構造体の各種用途
向け材料に混入して混和材または補強材として使用する
ことができる。このように、上記再生処理方法の結果得
られる新たな再生品は有用な素材として利用されること
から、耐熱高機能繊維製品または同樹脂成型品のリサイ
クルが促進される。
【0013】本発明者らは、耐熱高機能繊維製品または
同樹脂成型品以外の製品のリサイクルについても検討し
たところ、PVA系繊維製品または同樹脂成型品などの
PVA製品についても、上記再生方法が適用できること
を知見した。本発明者らは、さらに検討を重ねて本発明
を完成した。
【0014】すなわち、本発明は(1)耐熱高機能高分
子または/およびポリビニルアルコールからなり、
(a)長径が0.1μm〜100μmの微細粉状物、も
しくは(b)繊維の長さ方向に直角の断面の長径が0.
1μm〜100μm、かつ算術平均繊維長が0.01m
m〜1mmの微小繊維状物、または(c)それらの混合
物を含むことを特徴とする組成物、(2)耐熱高機能高
分子が、アラミド、全芳香族ポリエステルおよびポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾールからなる群から選
ばれる少なくとも一種類の高分子であることを特徴とす
る前記(1)に記載の組成物、(3)(a)耐熱高機能
繊維もしくは/およびポリビニルアルコール系繊維を含
む繊維製品、または(b)耐熱高機能高分子もしくは/
およびポリビニルアルコールを含む樹脂成型品を、耐圧
容器内で高温高圧水蒸気処理に付した後、前記容器を瞬
間的に一挙に大気圧に解放することにより前記繊維製品
または樹脂成型品を爆砕せしめることを特徴とする微細
粉状物または/および微小繊維状物の組成物の製造方
法、(4)(a)長径が0.1μm〜100μmの微細
粉状物、もしくは(b)繊維の長さ方向に直角の断面の
長径が0.1μm〜100μm、かつ算術平均繊維長が
0.01mm〜1mmの微小繊維状物、または(c)そ
れらの混合物を生成することを特徴とする前記(3)に
記載の製造方法、(5)耐熱高機能繊維を含む繊維製品
または耐熱高機能高分子を含む樹脂成型品が、アラミド
系、全芳香族ポリエステル系もしくはポリパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾール系の繊維または樹脂を含むも
のであることを特徴とする前記(3)または(4)に記
載の製造方法、(6)高温高圧水蒸気処理が、180℃
〜250℃の温度で、かつ10×10Pa〜40×1
Paの圧力の条件下に行われることを特徴とする前
記(3)〜(5)のいずれかに記載の方法、(7)高温
高圧水蒸気処理が、加水分解を助長する助剤の存在下に
行われることを特徴とする前記(3)〜(6)のいずれ
かに記載の方法、(8)加水分解助剤が酢酸であること
を特徴とする前記(7)に記載の方法、(9)(a)耐
熱高機能繊維もしくは/およびポリビニルアルコール系
繊維を含む繊維製品、または(b)耐熱高機能高分子も
しくは/およびポリビニルアルコールを含む樹脂成型品
の廃物を、耐圧容器内で高温高圧水蒸気処理に付した
後、前記容器を瞬間的に一挙に大気圧に解放することに
より前記廃物を爆砕させて微細粉状物または微小繊維状
物を生成することを特徴とする前記廃物の再生処理方
法、(10)(a)繊維の長さ方向に直角の断面の長径
が約0.1μm〜100μmである微細粉状物、または
/および(b)算術平均繊維長が約0.01mm〜10
0mmである微小繊維状物を生成することを特徴とする
前記(9)に記載の再生処理方法、(11)耐熱高機能
繊維を含む繊維製品または耐熱高機能高分子を含む樹脂
成型品の廃物が、アラミド系、全芳香族ポリエステル系
もしくはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール系
の繊維または樹脂を含む使用済み廃棄物あるいは加工時
発生する屑ゴミである前記(9)または(10)に記載
の再生処理方法、(12)高温高圧水蒸気処理が、18
0℃〜250℃の温度で、かつ10×10 Pa〜40
×10Paの圧力の条件下に行われることを特徴とす
る前記(9)〜(11)のいずれかに記載の方法、(1
3)高温高圧水蒸気処理が、加水分解を助長する助剤の
存在下に行われることを特徴とする前記(9)〜(1
2)のいずれかに記載の方法、(14)加水分解助剤が
酢酸であることを特徴とする前記(13)に記載の方
法、(15)前記(3)〜(14)のいずれかに記載の
方法で得られる(a)耐熱高機能繊維もしくは/および
ポリビニルアルコール系繊維を含む繊維製品、もしくは
(b)耐熱高機能高分子もしくは/およびポリビニルア
ルコールを含む樹脂成型品、または(c)それらの廃物
の爆砕物、(16)前記(1)記載の組成物、または、
前記(3)記載の製造方法もしくは前記(9)記載の再
生処理方法で得られる微細粉状物または/および微小繊
維状物の組成物を含有することを特徴とする複合体製造
用の混和材、(17)前記(16)記載の混和材を含有
してなる複合体、(18)ガスケット又はパッキング類
である前記(17)記載の複合体、に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、耐熱高機能高分子また
は/およびPVAからなり、(a)長径が0.1μm〜
100μmの微細粉状物、もしくは(b)繊維の長さ方
向に直角の断面の長径が0.1μm〜100μm、かつ
算術平均繊維長が0.01mm〜1mmの微小繊維状
物、または(c)それらの混合物であることを特徴とす
る組成物を提供する。かかる組成物の用途は特に限定さ
れないが、複合体製造用の混和材として好適に用いられ
る。複合体に混入する目的は特に限定されず、補強材や
充填材として用いられてよい。複合体としては、建築、
土木材料或いはその他機械部品等の、要するに複合構造
を有するものが挙げられる。より具体的には、FRP製
の各種建築材料、例えば屋根、浴槽、ボート、つり竿も
しくはラケット等、またはコンクリート、アスファル
ト、コールタール等の建築土木材料、その他ガスケット
やパッキング類など各種多様な工業材料が挙げられる。
【0016】本発明で用いる耐熱高機能高分子として
は、融点あるいは分解温度が300℃以上の高分子が好
ましい。具体的には、例えばアラミド、全芳香族ポリエ
ステル、ポリイミド、フッ素、ポリエーテルエーテルケ
トンまたはポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
等が挙げられ、これらは本発明の目的を損なわない限り
において共重合体であっても構わない。好ましくは、パ
ラ系アラミド、全芳香族ポリエステルもしくはポリパラ
フェニレンベンゾビスオキサゾール、またはこれらを主
成分とする共重合体が、耐熱性が高いことや強度が高い
等の点から、微細粉状物または微小繊維状物を用いてF
RP等にした際の特性を優れたものにできるため好まし
い。上記耐熱高機能高分子の融点または熱分解点は、J
IS K 7120:1987 プラスチックスの熱重
量測定方法に従って容易に測定することができる。
【0017】本発明で用いるPVAとしては、例えば、
ポリ酢酸ビニル(ポリビニルアセテート)をアルコール
に溶かし、アルカリ(例えば、水酸化ナトリウムまたは
水酸化カリウムなど)を加えて鹸化するなど、自体公知
の方法により製造されたものを用いてもよい。鹸化度は
特に限定されないが、本発明に係る高温高圧水蒸気処理
を付した際に、その水分で溶けないものが好ましい。ま
た、本発明で用いるPVAとして、自体公知の方法によ
り変性させた変性PVAを用いてもよく、また、本発明
の目的を損なわない限りにおいて、PVAを主成分とす
る共重合体であっても構わない。
【0018】本発明の組成物は、(a)長径が0.1μ
m〜100μmの微細粉状物、もしくは(b)繊維の長
さ方向の断面の長径が0.1μm〜100μmであり、
かつ算術平均繊維長が0.01mm〜1mmの微小繊維
状物、または(c)それらの混合物を含むことが特長で
ある。該範囲の大きさの微細粉状物または微小繊維状物
とすることで、FRPまたは繊維強化型コンクリート等
の混和材、例えば補強材あるいは充填材等として用いる
際に、従来のフィラメントをカットして得られる短繊維
等を用いた場合に比べ、樹脂やコンクリートなどの材料
により均一に、あるいは緻密に該混和材を混ぜ込むこと
が可能となり、より均質なFRPまたは繊維強化型コン
クリート等の複合体を得ることが可能となる。
【0019】ここで、微細粉状物の長径または微小繊維
状物の繊維の長さ方向の断面の長径は、検鏡にて容易に
測定することができる。また、微小繊維状物の繊維長
は、カヤーニ社(KAJANNI Electronics)製のレーザー
技術を用いた繊維長分析器FS-200型など、自体公知の繊
維長分析器を用いて容易に測定することができる。
【0020】上記本発明に係る組成物は、上記特長を有
していれば、その製造方法は問わない。該製造方法の好
ましい態様としては、(a)耐熱高機能繊維もしくは/
およびPVA系繊維を含む繊維製品、または(b)耐熱
高機能高分子もしくは/およびPVAを含む樹脂成型品
を、耐圧容器内で高温高圧水蒸気処理に付した後、前記
容器を瞬間的に一挙に大気圧に解放することにより前記
繊維製品または樹脂成型品を爆砕せしめることを特徴と
する製造方法が挙げられる。
【0021】本発明で用いる耐熱高機能繊維を含む繊維
製品(上記および下記において「耐熱高機能繊維製品」
と略称する)としては、前記した耐熱高機能高分子から
なる繊維、つまり耐熱高機能繊維を含む製品であれば、
特に限定されない。具体的には、例えば、耐熱高機能繊
維を用いた手袋、防弾チョッキなどの編物、織物形態の
繊維製品、その他タイヤコード、ロープ、ワイヤー、不
織布等の製品が挙げられる。上記耐熱高機能繊維製品を
構成する耐熱高機能繊維としては、例えば、パラ系アラ
ミド繊維(例えば、東レ・デュポン株式会社製 商品名
“ケブラー”で知られるポリパラフェニレンテレフタラ
ミド、帝人株式会社製 商品名“テクノーラ”で知られ
るコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジレニレン
テレフタラミド)、メタ系アラミド繊維(例えば、デュ
ポン社製 商品名“ノーメックス”で知られるポリメタ
フェニレンイソフタルアミド)、全芳香族ポリエステル
繊維(例えば、株式会社クラレ製 商品名“ベクトラ
ン”)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊
維(例えば、東洋紡株式会社製 商品名“ザイロ
ン”)、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリアミドイミ
ド繊維(例えばローヌプーラン社製、商品名“ケルメ
ル”)、ポリイミド繊維などが挙げられる。
【0022】本発明で用いる耐熱高機能高分子を含む樹
脂成型品(耐熱高機能樹脂成型品と略称することもあ
る)としては、上記耐熱高機能高分子を含有するもので
あれば特に限定されないが、例えば、上記した耐熱高機
能高分子を含む樹脂を用いて成型したもの、または上記
した耐熱高機能繊維を用いて強化したFRP等の複合体
が挙げられる。より具体的には、例えば耐熱高機能高分
子よりなるフィルム、アラミド繊維強化エポキシ樹脂の
棒(コンクリート用鉄筋としての)、耐熱高機能繊維か
らなるペーパーにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸
し乾燥して得られる樹脂板、ナイロン樹脂もしくはポリ
エステル樹脂等の熱可塑性樹脂に耐熱高機能繊維を補強
材として混合したFRP成型品、または耐熱高機能高分
子を含む樹脂(以下、「耐熱高機能樹脂」と略称する)
自体をマトリックスとする、例えば共重合ポリエステル
樹脂成型品などが挙げられる。
【0023】本発明で用いるPVA系繊維を含む繊維製
品(上記および下記において「PVA系繊維製品」と略
称する)としては、PVA系繊維を含む製品であれば、
特に限定されない。具体的には、例えば、PVA系繊維
を用いた編物もしくは織物形態の繊維製品、または不織
布等の製品が挙げられる。上記PVA系繊維としては、
自体公知の方法で製造されたものを用いてよいが、中で
も高強度の繊維が得られるゲル紡糸により製造されたも
のを用いるのが好ましい。また、該繊維として高強度の
ものが好ましく、より具体的には引っ張り強度が約9c
N/dtex程度以上の繊維が好ましい。なお、引張強
度は、フィラメントの場合は、JIS L 1013:
1999 化学繊維フィラメント糸試験方法8.5.1
に従い、ステープルの場合は、JIS L 1015:
1992 化学繊維ステープル試験方法7.7.112
に従って容易に測定できる。また、本発明で用いるPV
A系繊維は、例えば、クラロンKII(高強力タイプ)
〔商品名 株式会社クラレ製〕などの市販のものを用い
てもよい。本発明で用いるPVAを含む樹脂成型品(上
記および下記において「PVA樹脂成型品」と略称す
る)としては、上記PVAを含有するものであれば特に
限定されないが、例えばPVAフィルムなどのようなP
VAを含む樹脂(下記において「PVA樹脂」と略称す
る)を用いて成型したものなどが挙げられる。
【0024】上記本発明に係る製造方法に用いる繊維製
品は、耐熱高機能繊維または/およびPVA系繊維が含
まれていれば、その他の繊維が含有されていてもよい。
その他の繊維の含有量は、全繊維成分に対して約50重
量%以下であることが好ましい。上記本発明に係る製造
方法に用いる樹脂成型品がフィルムなどの場合は、耐熱
高機能高分子を含む樹脂または/およびPVA樹脂が含
まれていれば、その他の樹脂が含有されていてもよい。
その他の樹脂の含有量は、全樹脂成分に対して約50重
量%以下であることが好ましい。また、上記本発明に係
る製造方法に用いる樹脂成型品がFRPなどの場合は、
耐熱高機能繊維または/およびPVA系繊維が含まれて
いれば、その他の繊維が含有されていてもよい。その他
の繊維の含有量は、全繊維成分に対して約50重量%以
下であることが好ましい。なお、上記本発明に係る製造
方法の他の項目については、下記に詳述する再生処理方
法と同様である。
【0025】本発明は、(a)耐熱高機能繊維もしくは
/およびPVA系繊維を含む繊維製品、または(b)耐
熱高機能高分子もしくは/およびPVAを含む樹脂成型
品の廃物を、耐圧容器内で高温高圧水蒸気処理に付した
後、前記容器を瞬間的に一挙に大気圧に解放することに
より前記廃物を爆砕させて微細粉状物または微小繊維状
物を生成することを特徴とする前記廃物の再生処理方法
をも提供する。
【0026】上記本発明に係る再生処理方法に用いる廃
物とは、前記した(a)耐熱高機能繊維もしくは/およ
びPVA系繊維を含む繊維製品、または(b)耐熱高機
能高分子もしくは/およびPVAを含む樹脂成型品の廃
物であり、例えば、使用済みの製品、廃棄品、製造工程
で発生する各種屑、すなわち撚糸、製織、製編時に発生
する糸屑、織物素材から衣料等への縫製時に発生する裁
断屑等、または不良品などが挙げられる。また、該廃物
としては、耐熱高機能高分子もしくは/およびPVAが
含まれていれば、他の成分が含有されていてもよい。
【0027】より具体的には、耐熱高機能繊維製品の廃
物としては、製品としてはいずれも使用済みの、手袋、
防弾チョッキなどの編物、織物形態の繊維製品、その他
タイヤコード、ロープ、ワイヤー、不織布などの外に、
耐熱高機能繊維糸からの撚糸、織成、編成工程等で発生
する糸屑、或いは不良品が挙げられる。また、耐熱高機
能高分子を含む樹脂成型品(耐熱高機能樹脂成型品とも
いう)の廃物としては、例えば耐熱高機能高分子よりな
るフィルム、アラミド繊維強化エポキシ樹脂の棒(コン
クリート用鉄筋としての)、耐熱高機能繊維からなるペ
ーパーにエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸し乾燥し
て得られる樹脂板、ナイロン樹脂もしくはポリエステル
樹脂等の熱可塑性樹脂に耐熱高機能繊維を補強材として
混合したFRP成型品、或いは耐熱高機能樹脂自体をマ
トリックスとする、例えば共重合ポリエステル樹脂成型
品などの、成型品からの廃棄物などが挙げられる。
【0028】PVA系繊維製品の廃物としては、製品と
してはいずれも使用済みの編物もしくは織物形態の繊維
製品、PVA系繊維糸からの撚糸、織成もしくは編成工
程等で発生する糸屑、または不良品が挙げられる。ま
た、PVA樹脂成型品の廃物としては、例えばPVAフ
ィルムの廃棄物などが挙げられる。
【0029】本発明にかかる再生処理方法において、高
温高圧水蒸気処理は、温度約160℃程度以上、圧力約
6×10Pa程度以上の飽和水蒸気により高温高圧下
処理を行うものであり、好ましくは、処理効率およびコ
ストの面から約180℃〜250℃の温度、約10×1
Pa〜40×10Paの圧力条件で行うことがよ
い。より具体的には、例えばパラ系アラミド繊維製品の
廃物の場合は、飽和水蒸気温度約200℃〜230℃、
その圧力約15.5×10Pa〜28×10 Paの
条件で行うことが、よりパラ系アラミド繊維を効率よく
処理でき、処理後に該繊維の微小繊維状が得られる、つ
まり高温高圧水蒸気処理の効率がよいという点で好まし
い。また、高温高圧水蒸気処理は、温度約160℃程度
以上、圧力約6×10Pa程度以上の水蒸気で処理す
れば、飽和水蒸気を用いなくてもよい。ただし、処理に
用いる水蒸気の圧力は、その温度での飽和水蒸気圧以上
の圧力にできないことは当然である。
【0030】また、適切な処理時間は製品の種類、処理
量、後述する加水分解助剤の使用の有無等により異なる
が、通常、約数秒(2乃至3秒)〜120分程度であ
り、好ましくは約30分〜60分程度である。
【0031】その後、その圧力を瞬間的に一挙に大気圧
に減圧することが不可欠である。このような方法におけ
る高温高圧水蒸気の接触と次後の大気圧への瞬間的減圧
によって生ずる圧力急降下が、水の瞬間的気化とそれに
伴う爆発的体積膨張そして圧力波を生じさせ、その結
果、それまである程度加水分解されて弱体化した被処理
物を機械的に瞬間破砕させる爆砕が起るものと考えられ
る。
【0032】もし前記諸条件の下限以下ならば、望まし
い量の圧力急降下が達成されず爆砕が不十分となり、ま
た上限を超えても徒に危険が増すだけで、爆砕効果は前
記範囲内とあまり変らないので、上記範囲が好ましい。
またもし後半の圧降下を瞬間的でなく、徐々に行うなら
ば爆砕は起らず或いは逆戻りしてしまうので、後半の圧
降下を瞬間的に行うのが好ましい。
【0033】また、前記高温高圧水蒸気処理時、所望に
より、加水分解を助長するために、例えば、酢酸または
アンモニアなどの助剤を使用することもできる。中でも
酢酸を用いることが好ましい。その場合、処理前に被処
理物をその助剤溶液中に予め浸漬するかまたは処理中、
水もしくは被処理物のいずれかに少量添加して適用して
もよい。使用量は一概には云えないが、加水分解を助長
するに充分量で良い。さらに、前記高温高圧水蒸気処理
前に、本発明に係る廃物を、所望により洗浄剤を含む水
で洗濯してもよく、また、さらに脱水もしくは乾燥など
の処理を施してもよい。
【0034】本発明の再生処理方法で使用する前記耐圧
容器は少なくとも高温高圧水蒸気導入弁と爆砕時開ける
開閉弁とを備えた自体公知のものであり、詳細な説明は
省略するが、処理容量に応じて適宜サイズのものを使用
しうる。
【0035】前記再生処理によって得られる再生品はサ
イズが、通常もとの繊維の長さ方向に直角方向の断面の
長径が約0.1μm〜100μmである粉状物又は/及
び算術平均繊維長が約0.01mm〜100mmである
繊維状物を呈していることが特長である。ここで、粉状
物の長径は、検鏡にて容易に測定することができる。ま
た、微小繊維状物の繊維長は、カヤーニ社(KAJANNI El
ectronics)製のレーザー技術を用いた繊維長分析器FS-
200型など、自体公知の繊維長分析器を用いて容易に測
定することができる。
【0036】前記再生処理によって得られる再生品は、
例えば、FRP製の各種建築材料、例えば屋根、浴槽、
またはボート、つり竿、ラケット等、或いはコンクリー
ト、アスファルト、コールタール等の建築土木材料、そ
の他ガスケットやパッキング類など各種多様な工業材料
への混和材或いは補強材として広範な用途に安価に使用
できる。しかも、新品とほとんど変らない性能を発揮す
ることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の具体的実施態様を実施例によ
り説明する。但し、処理後得られた繊維状物の繊維長の
測定は次の方法に従って行った。 (a)7mm以下の場合 カヤーニ社(KAJANNI Electronics)製のレーザー技術
を用いた繊維長分析器FS-200型を使用した。測定結果は
プロッターにより繊維長分布・累積図として出力され
る。 (b)7mm以上の場合 物差しで実測した。
【0038】〔実施例1〕サンプルとして、繊度1.7
dtex、繊維長51mmの「ケブラー」(東レ・デュ
ポン社製のポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維糸
の商品名)のステープルから紡績し、綿番手20番の紡
績糸にしたもの2本を引き揃えて逆撚りをかけ双糸とし
た後、この双糸5本を引き揃えて編みたてて製作された
手袋の使用済み廃品1双分70gを用いた。先ずこの廃
品の付着汚れを水で粗洗し、軽く脱水してから耐圧密閉
容器に投入し、密閉した。同容器の圧力計を、温度23
0℃の飽和水蒸気に相当する圧力約28×10Paに
設定して飽和水蒸気を導入し、60分間処理した。次い
で爆砕弁を一挙に解放して瞬間的に前記高圧を大気圧に
急降下させると、爆砕が起こり、算術平均繊維長0.1
mm〜30mmの細分化した繊維状再生品が得られた。
【0039】〔実施例2〕廃棄処分となった実施例1と
同じ手袋1双70gのサンプルを用いて、飽和水蒸気処
理に付す前に、70gの酢酸液に15分浸漬した後、耐
圧密閉容器内で温度225℃、圧力約25.7×10
Paの条件に設定して30分間処理した。その後の手順
は実施例1と同様であり、爆砕弁を一挙に解放して瞬間
的に大気圧に急降下させたところ、完全に細分化した繊
維状爆砕物が得られた。この繊維状物を顕微鏡で観察し
て写真撮影したものが図1であるが、その図からは繊維
長100〜300μm程度の細かさのものが多いことが
窺える。図2は同じくこの繊維状物の、前記カヤーニ社
製繊維長分析器測定による繊維長分布・積算図を表した
ものであるが、それによると、算術平均繊維長が0.2
4mm、長さ加重平均繊維長が0.43mm、重さ加重
平均繊維長が0.68mmであり、ほぼすべて2mm程
度以下であることが分かる。
【0040】〔実施例3〕1.7dtexの太さのフィ
ラメント1000本からなる1670Dtexの「ケブ
ラー」マルチフィラメントの長繊維廃物70gをとり、
実施例2と同じく爆砕処理前に70gの酢酸に15分浸
漬後、耐圧密閉容器に装填した。そして220℃、2
3.2×10Paの条件で30分間飽和水蒸気処理を
行い、次いで前記容器を大気圧に一挙に解放して爆砕を
起こさせた。その結果、得られた爆砕物である繊維再生
品は約0.1mm〜70mmの長さであり、実施例2と
比較すると細分化の度合がより低く繊維長の大きいもの
が含まれている。この相違は実施例2の場合、紡績糸を
使用した製品であり何回も紡績工程を経ているために表
面が多少とも損傷しているので破砕されやすくほぼ完全
細分化されているのに対して、実施例3の場合はそうい
う工程がないことによるものと考えられる。しかしなが
ら、前記の比較的繊維長の長い爆砕繊維の強度は両手で
軽く引っ張るか又は揉むだけで直ぐ切れて細かくなる程
度の脆さであるので、さらに機械的に破砕さえすれば簡
単に細分化されうる。
【0041】〔実施例4〕上記実施例2で得られた繊維
状再生品を補強材として用いてゴム複合体のガスケット
を以下の通り製作した。まず配合材料として、ケブラー
再生品約10重量部、ロックウール約10重量部、硫酸
バリウム約17重量部、酸化マグネシウム約10重量
部、カタルポ約25重量部、シリカER約10重量部、
NBR(アクリロニトリル−ブタジエン)約15重量
部、加硫促進剤約3重量部、群青約1重量部を用い、混
練を容易にするため適量のトルエンを加えてMTIミキ
サー混練機により混練した。次いで、その配合物をロー
ル温度約150℃のカレンダーロールを通過させて、加
硫するとともに厚さ1.5mmのジョイントシートに成
型した。このシートからガスケット打ち抜き型で打ち抜
いて、青色のガスケットを製作した。このものの強度を
インストロン型引張試験機でJIS K 6301に従
って測定したところ、実用上何ら問題がなかった。
【0042】〔実施例5〕サンプルとして、上記実施例
1と同じ手袋の新品1双70gを用いて、実施例2と同
じく爆砕処理前に70gの酢酸に15分浸漬後、耐圧密
閉容器内で温度225℃、圧力約25.7×10Pa
の条件に設定して30分間処理した。その後の手順は実
施例1と同様であり、爆砕弁を一挙に解放して瞬間的に
大気圧に急降下させたところ、完全に細分化した繊維状
爆砕物が得られた。この繊維状物の繊維長を、カヤーニ
社製繊維長分析器で測定した結果、算術平均繊維長が
0.20mm、長さ加重平均繊維長が0.41mm、重
さ加重平均繊維長が0.65mmであり、ほぼすべて1
mm以下である。
【0043】〔実施例6〕上記実施例5で得られた「ケ
ブラー」の微小繊維状物をJIS P 8207に従っ
て、繊維長50μm〜500μmの範囲のものに篩い分
け、篩い分けた繊維長50μm〜500μmの繊維を溶
融しているナイロン6樹脂80重量部に対して20重量
部の割合で混練し、直径3mm程度の棒状に押し出し、
約5mm程度に切断して混合物のチップを作製した。作
製したチップは、微小繊維状物と樹脂が均一に混ざった
ものであった。次いで、該チップを220℃の温度で各
種形状の金型に押し出し、成型品の作製をしたところ、
問題なく成型品を作製することができた。
【0044】〔比較例1〕サンプルとして、上記実施例
1と同じ手袋の廃物1双70gを用いて、耐圧密閉容器
内で温度225℃、圧力約25.7×10Paの条件
に設定して30分間処理した。次いで、該耐圧密閉容器
を約5分間かけて常圧にした後、サンプルを取り出し
た。取り出したサンプルは、高温高圧飽和水蒸気処理す
る前と外観上変化がなく、手袋の形状を留めていた。
【0045】〔比較例2〕上記実施例5で得られた「ケ
ブラー」の微小繊維状物をJIS P 8207に従っ
て、繊維長2mm以上のものに篩い分け、篩い分けた繊
維長2mm以上の繊維を溶融しているナイロン6樹脂8
0重量部に対して20重量部の割合で混練し、直径3m
m程度の棒状に押し出し、約5mm程度に切断して混合
物のチップの作製を試みたものの、微小繊維状物と樹脂
が均一に混ざらず、所々に気泡が入り途中で切断するな
ど、チップを得るまでにいたらなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る組成物は、従来得られるこ
とのできなかった耐熱高機能高分子または/およびPV
Aの微細粉状物または微小繊維状物の組成物であって、
例えばFRPまたは繊維強化型コンクリートなどの複合
体の、例えば補強材や充填材などの混和材として用いる
ことにより、耐熱高機能高分子または/およびPVAが
均一に分散した、または充填密度が高い従来にない複合
体を得ることが可能となる。
【0047】本耐熱高機能高分子製品の再生処理方法
は、ゴミとして廃棄処分するしかない大量の使用済み耐
熱高機能繊維製手袋等の廃物をリサイクル処理する途が
初めて開けることになったものであり、再生処理によっ
て強化プラスチック、セメント、コンクリートなどの補
強材或いは混和材として有用な材料に転換することが可
能となった。従って、ゴミの減量およびその処理費用の
節減に資するとともに、同種新品のコストに比して大幅
に安価に使用できる代替材料を提供することにもなる。
またその再生処理方法は短時間で低コストで実施できる
ので実用上の利点も多大である。また、本発明に係る再
生処理方法は、PVA系繊維製品やPVA樹脂成型品の
廃物に対しても適用でき、上記耐熱高機能高分子製品の
再生処理方法と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の再生処理により得られたポリパラフ
ェニレンテレフタラミド繊維再生品の細分化された繊維
形態を表わす顕微鏡写真である。
【図2】 同再生品の繊維長分布・積算図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/03 C08L 67/03 77/10 77/10 79/06 79/06 (72)発明者 波多野 武 東京都中央区日本橋本町1丁目5番6号 東レ・デュポン株式会社本社内 (72)発明者 小菅 一彦 東京都中央区日本橋本町1丁目5番6号 東レ・デュポン株式会社本社内 (72)発明者 棚橋 光彦 岐阜県岐阜市白山町3丁目2番地3号 藤 和シティホームズ新岐阜1002 (72)発明者 中林 伊織 滋賀県大津市大江1丁目1番1号 東レ株 式会社瀬田工場内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱高機能高分子または/およびポリビ
    ニルアルコールからなり、(a)長径が0.1μm〜1
    00μmの微細粉状物、もしくは(b)繊維の長さ方向
    に直角の断面の長径が0.1μm〜100μm、かつ算
    術平均繊維長が0.01mm〜1mmの微小繊維状物、
    または(c)それらの混合物を含むことを特徴とする組
    成物。
  2. 【請求項2】 耐熱高機能高分子が、アラミド、全芳香
    族ポリエステルおよびポリパラフェニレンベンゾビスオ
    キサゾールからなる群から選ばれる少なくとも一種類の
    高分子であることを特徴とする請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 (a)耐熱高機能繊維もしくは/および
    ポリビニルアルコール系繊維を含む繊維製品、または
    (b)耐熱高機能高分子もしくは/およびポリビニルア
    ルコールを含む樹脂成型品を、耐圧容器内で高温高圧水
    蒸気処理に付した後、前記容器を瞬間的に一挙に大気圧
    に解放することにより前記繊維製品または樹脂成型品を
    爆砕せしめることを特徴とする微細粉状物または/およ
    び微小繊維状物の組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 (a)長径が0.1μm〜100μmの
    微細粉状物、もしくは(b)繊維の長さ方向に直角の断
    面の長径が0.1μm〜100μm、かつ算術平均繊維
    長が0.01mm〜1mmの微小繊維状物、または
    (c)それらの混合物を生成することを特徴とする請求
    項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 耐熱高機能繊維を含む繊維製品または耐
    熱高機能高分子を含む樹脂成型品が、アラミド系、全芳
    香族ポリエステル系もしくはポリパラフェニレンベンゾ
    ビスオキサゾール系の繊維または樹脂を含むものである
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 (a)耐熱高機能繊維もしくは/および
    ポリビニルアルコール系繊維を含む繊維製品、または
    (b)耐熱高機能高分子もしくは/およびポリビニルア
    ルコールを含む樹脂成型品の廃物を、耐圧容器内で高温
    高圧水蒸気処理に付した後、前記容器を瞬間的に一挙に
    大気圧に解放することにより前記廃物を爆砕させて微細
    粉状物または微小繊維状物を生成することを特徴とする
    前記廃物の再生処理方法。
  7. 【請求項7】 (a)繊維の長さ方向に直角の断面の長
    径が約0.1μm〜100μmである微細粉状物、また
    は/および(b)算術平均繊維長が約0.01mm〜1
    00mmである微小繊維状物を生成することを特徴とす
    る請求項6に記載の再生処理方法。
  8. 【請求項8】 耐熱高機能繊維を含む繊維製品または耐
    熱高機能高分子を含む樹脂成型品の廃物が、アラミド
    系、全芳香族ポリエステル系もしくはポリパラフェニレ
    ンベンゾビスオキサゾール系の繊維または樹脂を含む使
    用済み廃棄物あるいは加工時発生する屑ゴミである請求
    項6又は7に記載の再生処理方法。
  9. 【請求項9】 高温高圧水蒸気処理が、180℃〜25
    0℃の温度で、かつ10×10Pa〜40×10
    aの圧力の条件下に行われることを特徴とする請求項3
    〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 高温高圧水蒸気処理が、加水分解を助
    長する助剤の存在下に行われることを特徴とする請求項
    3〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 加水分解助剤が酢酸であることを特徴
    とする請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 請求項3〜11のいずれかに記載の方
    法で得られる(a)耐熱高機能繊維もしくは/およびポ
    リビニルアルコール系繊維を含む繊維製品、もしくは
    (b)耐熱高機能高分子もしくは/およびポリビニルア
    ルコールを含む樹脂成型品、または(c)それらの廃物
    の爆砕物。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の組成物、または、請求
    項3記載の製造方法もしくは請求項6記載の再生処理方
    法で得られる微細粉状物または/および微小繊維状物の
    組成物を含有することを特徴とする複合体製造用の混和
    材。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の混和材を含有してな
    る複合体。
  15. 【請求項15】 ガスケット又はパッキング類である請
    求項14記載の複合体。
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