JP2001277961A - 自動車用制御ユニット - Google Patents

自動車用制御ユニット

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JP2001277961A
JP2001277961A JP2001000237A JP2001000237A JP2001277961A JP 2001277961 A JP2001277961 A JP 2001277961A JP 2001000237 A JP2001000237 A JP 2001000237A JP 2001000237 A JP2001000237 A JP 2001000237A JP 2001277961 A JP2001277961 A JP 2001277961A
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control
unit
interface software
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JP2001000237A
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Toshimichi Minowa
利通 箕輪
Yoshiyuki Yoshida
義幸 吉田
Junichi Ishii
潤市 石井
Shigeki Morinaga
茂樹 森永
Hiroshi Katayama
博 片山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シングルチップマイコンを用いた場合でも、
入出力点数の増加や機能の追加を容易にし、また、制御
ユニットのプログラム変更を容易にする自動車用制御ユ
ニットを提供する。 【解決手段】 内部ROMにアプリケーションソフトと
OS(Operating System)の仲介を行うインターフェー
スソフトを内臓したインターフェースソフト 記憶手段
と、上記アプリケーションソフトとインターフェースソ
フトを演算実行するCPU(中央演算処理装置)と、演
算結果等をメモリするRAM(書換え可能なメモリ)及
び制御ユニット拡張用のI/Oと、メモリ等をバスある
いはLAN等を介して通信する拡張手段を有し、入出力
点数の増加や機能の追加に即対応可能な制御ユニットの
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用制御ユニット
に係り、特に、エンジン、変速機、ブレーキ及びサスペ
ンション等を制御する自動車用制御ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車制御にシングルチップマイ
コンを搭載した制御ユニットが用いられてきている。シ
ングルチップマイコンは、中央演算処理装置(CPU)
の演算に必要なメモリ(ROM、RAM等)及びA/D
変換器等を一括して内蔵している。そのため、全体とし
て小型化が図れるとともに、使い易さ、処理時間の速さ
などの点からも有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術においては、制御仕様の変更等によりソフトウェ
ア、ハードウェアが変更になった場合に、拡充の面でか
なり制限されるという問題点があった。また、自動車制
御にシングルチップマイコンを用いた場合、ハードウェ
アに制限を受けてソフトウェアを作成する必要が生じ、
特に、燃費向上、排気浄化等を行う場合は、入出力点数
の増加や機能の追加が必須となり、その都度新たに全て
のハードウェア、ソフトウェアを作り直す必要があると
いう問題点があった。
【0004】さらに、種々の制御を行うためにROMの
中に書き込まれた制御ソフトがアセンブラ言語で表現さ
れているため、そのプログラムの内容及び作成手法は専
門家にしか解読できないような、いわば属人的なもので
あった。そのため、特に、実際のアプリケーションソフ
トの作成段階において、最初のプログラマー以外の者に
は、ソフトウェア内容の詳細が理解できないのみなら
ず、別の機能のソフトを追加する場合には、始めから全
部作成し直す必要があった。
【0005】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的は、シングルチップマイコンを用い
た場合でも、入出力信号数の増加や機能の追加を容易に
し、しかも、制御ユニットのプログラム変更を容易にす
る自動車用制御ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係わる自動車用制御ユニットは、基本的に
は、内部ROMにアプリケーションソフトとOS(Oper
ating System)の仲介を行うインターフェースソフトを
内臓したインターフェースソフト記憶手段と、前記アプ
リケーションソフトとインターフェースソフトを演算実
行するCPU(中央演算処理装置)と、演算結果等をメ
モリするRAM(書換え可能なメモリ)及び制御ユニッ
ト拡張用のI/Oと、メモリ等をバスあるいはLAN等
を介して通信する拡張手段とを備えたことを特徴とし、
入出力点数の増加や機能の追加に即対応可能な制御ユニ
ットの構成とした。
【0007】
【作用】このように構成された本発明によれば、自動車
制御にシングルチップマイコンを用いた場合でも、入出
力点数の増加や機能の追加に対する対応が容易になり、
インターフェースソフトの書換えのみでアプリケーショ
ンソフトが永続的に使え、更にコアユニットの作り換え
が不必要となるため、プログラムを含めた制御ユニット
の開発を容易にすることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。なお、以下の実施例を説明するための図にお
いて、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰
り返しの説明は省略する。図1、2に本発明に係わる自
動車用制御ユニットの一実施例を示す。
【0009】図1にコアユニット1の概略の一例を示
す。コアユニット1は、アプリケーションソフトとOS
(Operating System)を接続するインターフェースソフ
トが、第1のメモリである内部ROM2に内蔵されたイ
ンターフェースソフト記憶手段、前記アプリケーション
ソフトとインターフェースソフトを演算実行する中央演
算処理装置(CPU)3、演算結果等をメモリする第2
のメモリであるRAM(書換え可能なメモリ)4及び制
御ユニット拡張用のI/O(Input/Output)、メモリ等
をバスあるいはLAN等を介して通信する拡張手段5か
ら構成されている。
【0010】内部ROM2内のインターフェースソフト
は、割込み処理、タスクディスパッチャ、デバッグ機
能、学習制御等の自動マッチング機能、ポート割付機能
及び標準自動車I/O処理等(後述する)が含まれてい
る。また、内部ROM2には自動車メーカ等で作成する
アプリケーションソフトも書き込むことができる。拡張
手段5は入出力点数の増加や機能の追加に伴う外付けの
I/O(後述する)、ROM等のためのものである。
【0011】図2は拡張した場合のユニット構成図の一
例である。図2において、図1で示したコアユニット1
の拡張手段5に、バスあるいはLAN(Local Arear Ne
twork )等の通信線を介して自動車用拡張I/O6及び
外付けROM7が付加的に連結されている。この拡張I
/O6には、ソフトウェア的タイマあるいはハードウェ
ア的タイマが存在する。そして、ハードウェア的タイマ
は、例えば点火時期制御や燃料制御のように、時間を精
密に合わせる場合等の高精度制御に用いられ、ソフトウ
ェアタイマはメータのようなラフな制御に用いることが
できる。また、前記拡張I/O6は、例えばプログラム
可能な入出力装置であり、コアユニット1内のCPU3
でデータをレジスタに書き込み、パルス幅変調(PW
M:PulseWidth Modulation)等の信号を出力すること
が可能なものである。なお、内部ROM、外付けROM
は電気的に書換え可能なメモリ(フラッシュメモリ、E
EPROM)を用いることもできる。
【0012】このようにして、図1に示したコアユニッ
ト1のバージョンが例えば4気筒エンジンに対応したも
のであって、次に、例えば6気筒エンジンに対応すべく
制御を増加させる場合には、外付けROM7に制御内容
を入力し、かつ、増加した制御量を拡張I/O6を介し
てアクチュエータ(図示せず)に信号を出力するように
なっている。
【0013】次に、図3、4に本発明の他の実施例を示
す。図3は拡張なしの場合の具体的ユニット構成図の一
例である。図3において、拡張なしの場合は、コアユニ
ット1がそのまま標準ユニット8となる。拡張手段5は
I/Oポートの一部であり、したがって、拡張手段5
も、センサA、B及びアクチュエータA、B等のI/O
ポートとして使用できる。また、制御ユニット9はコア
ユニット1、センサ信号の処理を行うHard Filter10
及びアクチュエータ信号の増幅を行うパワー回路11か
ら成る。
【0014】図4は拡張あり場合の具体的ユニット構成
図の一例である。図4において、拡張した場合は、コア
ユニット1の拡張手段5がコントロールバス、アドレス
バス及びデータバスとして用いられる。上記3つのバス
によって自動車用拡張I/O6及び外付けROM7がコ
アユニット1と接続され、標準ユニット12が構成され
ている。この場合、I/Oポートとして用いていた拡張
手段5が拡張用に使用されるため、センサA、B及びア
クチュエータA、BのI/Oポートがなくなってしま
う。そこで、拡張I/O6は上記コアユニット1で減っ
た分のI/Oポートの数を含めたポート数とする必要が
ある。ここで、一例として、センサC、D及びアクチュ
エータCが増えたとすると、上記3つのポートとセンサ
A、B及びアクチュエータA、Bを加えたI/Oポート
数が用意されることになる。制御ユニット13は、標準
ユニット12、センサC、D及びアクチュエータC用の
HardFilter14及びパワー回路15、センサA、B及び
アクチュエータA、B用のHard Filter10及びパワー
回路11から構成される。
【0015】図5はコアユニット1自体の拡張構成図の
一例である。コアユニット1内には、CPU3、内部R
OM2、RAM4、拡張手段5を含んだI/O16、A
/D17、タイマ18、自動車用拡張I/O6及び外付
けROM7等の外部メモリからアクセスを高速に実行す
るためのキャッシュメモリ19が設けられている。すな
わち、このキャッシュメモリ19は、次に読み込まれる
外付けROM7からのデータを予めメモリさせるもの
で、CPU3はわざわざ外付けROM7までアクセスし
なくても、キャッシュメモリ19から次に読み込まれる
データにアクセスすることができるため、外付けROM
7の内容を読み込むのに要する時間を節約することがで
き、応答性を向上させることができる。また、これらは
全てバス20で接続される。
【0016】図6〜8は各仕様に応じた拡張構成図の一
例を示す。図6は、例えば4又は6気筒エンジンに用い
る場合の標準ユニット構成の例である。図6において、
適用対象車における制御対象が4又は6気筒エンジン制
御のみである場合には、制御項目やI/O数等がさほど
多くないため、コアユニット1のみで対応することがで
き、コアユニット1がそのまま標準ユニットとなる。こ
の場合、内部ROM2にアプリケーションソフトとイン
ターフェースソフトを書き込んで制御を行う。
【0017】図7は、図6の構成に故障診断を加えた6
気筒エンジン、あるいは自動変速機制御を加えた6気筒
エンジンの場合の標準ユニット構成の一例を示す。図7
において、適用対象車が故障診断を加えた6気筒エンジ
ン、あるいは自動変速機制御を加えた6気筒エンジンの
場合は、コアユニット1に自動車用拡張I/O21及び
外付けROM7(a)を拡張して設け(拡張部1)、当
該6気筒エンジンの仕様で必要なポート数の確保、並び
に、制御項目増加に伴うメモリの確保を行う。この場
合、ソフトは、追加分を外付けROM7(a)に記憶さ
せるか、あるいは内部ROM2にインターフェースソフ
トを、外付けROM7(a)にアプリケーションソフト
を記憶させることもできる。
【0018】図8に6気筒統合制御を行う場合の標準ユ
ニット構成の一例を示す。適用対象車が、例えば、故障
診断、自動変速機、定速走行制御、計器類等のインパネ
制御などの多数の制御を付加した6気筒エンジンを搭載
した車両、すなわち6気筒統合制御の追加機能を増大さ
せた車両の場合には、図8に示すように、図7の構成に
加え、更に拡張I/O22及び外付けROM7を拡張し
て対処する(拡張部2)。なお、図8の場合も図7と同
様に、外付けROM7及び7(a)が拡張された場合
は、追加分を外付けROM7,7(a)に記憶させる
か、あるいは内部ROM2にインターフェースソフト
を、外付けROM7(a)及び外付けROM7にアプリ
ケーションソフトを記憶させることができる。後者の場
合は、インターフェースソフトとアプリケーションソフ
トが分離されているため、アプリケーションソフトのデ
バッグが容易になる。
【0019】このように、入出力点数の増加やソフトを
含めた機能の追加に対してすぐに対処できることもコア
ユニット1と拡張手段5の特徴である。図9はコアユニ
ットを用いた場合のエンジンAT(Automatic Transmis
sion)制御ユニット構成図の一例である。図9におい
て、コアユニット1内の内部ROM2には、エンジン及
びAT制御で高速演算が必要なアプリケーションソフト
(例えば、点火燃料制御等のハード的割り込み処理)と
インターフェースソフトが書き込まれている。また、コ
アユニット1には、A/D17の有効利用のため、複数
のアナログ信号を状況に応じて選択するマルチプレクサ
(MPX)23が備えられており、スロットル開度TV
O、空気流量信号Qa、水温Tw等の信号処理を行う。
さらには、スイッチ信号(アイドルSW)及び車速Vs
p等のパルス信号が入力される。コアユニット1でのA
T制御の出力信号として、変速機の油圧を制御するライ
ン圧PL、変速位置を制御するソレノイド信号sol
A、solBが出力される。また、エンジン制御はタイ
マを数多く用いるのでエンジン制御用拡張I/O24が
必要となる。エンジン制御用拡張I/O24は、多くの
タイマを内蔵したものである。そこで、エンジンの回転
信号POS及び気筒判別信号REFを拡張I/O24に
入力し、燃料噴射量INJ、点火時期IGN、アイドル
制御ISCを出力する。また、外部ROM7にはエンジ
ンAT制御の低速演算で十分なアプリケーションソフト
(例えば、変速点制御、ロックアップ制御)を書き込む
ようにする。
【0020】図10はコアユニットを用いた場合のAB
S(Antiskid Brake System )トラクション制御ユニッ
ト構成図の一例である。コアユニット1内の内部ROM
2にはABS制御用のアプリケーションソフトと、AB
S制御とトラクション制御で必要なインターフェースソ
フトが書き込まれている。また、A/D17の有効利用
のため、複数のアナログ信号を状況に応じて選択するM
PX(マルチプレクサ)23が備えられており、自動車
の絶対車速を求めるためのG(加速度)センサ等の信号
処理を行う。さらに、駆動輪側の速度である車速Vs
p、非駆動輪側の速度である車輪速(右前)及び車輪速
(左前)等のパルス信号が入力される。また、コアユニ
ット1でのABS制御の出力信号として、ブレーキ圧を
制御するPWM信号Doutが出力される。また、トラ
クション制御の機能を付加する場合は、トラクション制
御用拡張I/O25を用いて、エンジントルクを低減す
るためのスロットル開度、点火時期リタード量を出力す
る。また、外部ROM7にはトラクション制御のアプリ
ケーションソフトを書き込むようにする。このように、
本図示例では、ABS制御のユニットを作成して標準化
を行い、それに拡張してトラクション制御を行うように
したものである。
【0021】次に、制御ユニット間をLAN(Local Ar
ea Network)で連結させた場合の実施例について説明す
る。図11は、エンジンAT制御ユニット及びABSト
ラクション制御ユニットの両方のユニットを使用する車
両において、両ユニットをLANで連結させた場合のシ
ステム構成図の一例である。図7、図8で示したエンジ
ンAT制御ユニット27、ABSトラクション制御ユニ
ット28等がLAN(データ通信線)26で連結されて
いる。LAN26と制御ユニット27のバス129は通
信コネクタ130、通信回路131でデータ通信を行
う。また、LAN26と制御ユニット28のバス132
は通信コネクタ133、通信回路134でデータ通信を
行う。例えば、エンジンAT制御ユニット27で演算し
たエンジントルク等のデータをABSトラクション制御
ユニット28に送信し、車輪空転時のエンジントルク低
減制御(スロットル開度減少,点火時期リタード及び燃
料量減少等)をエンジントルクフィードバックで実行し
制御精度を向上させる。
【0022】図12は演算ユニット33とI/Oユニッ
ト32とを分割し、これら相互間をLAN126で通信
した場合の構成図の一例である。I/Oユニット32は
CPU3、内部ROM2、RAM4、拡張手段5を含ん
だI/O16、A/D17、タイマ18、MPX23及
びエンジンAT制御用拡張I/O124から成る。I/
Oユニット32ではセンサから入力された信号をフィル
タ処理,A/D変換処理等を実行し、その処理データを
LAN126を介して演算ユニット33に送信する。そ
して、エンジンAT演算ユニット33では送信されたデ
ータを用いて燃料噴射幅INJ、点火時期IGN、アイ
ドル制御量ISC、変速機のライン圧PL等が演算さ
れ、その演算結果をLAN126を介してI/Oユニッ
ト32に送信する。そして、インターフェースソフトを
含むコアユニット1内のI/O16及びエンジンAT制
御用拡張I/O124より上記出力信号が出力される。
この場合、演算ユニット33はI/Oユニット32と同
じコアユニット1を用いているため、同様の機能を持っ
ている。しかし、演算ユニット33の内部ROM2には
演算で用いるアプリケーションソフトのみが書き込まれ
ている。LAN126とユニット32、33との通信は
それぞれ通信コネクタ136,139、通信回路13
7,140で実行する。また、上記通信コネクタ13
6,139、通信回路137,140は各制御ユニット
のCPUの命令で動作する。
【0023】このように、本図示例では、インターフェ
ースソフトというI/O処理ソフトを内部ROM2に書
き込み、一つのユニットでI/Oユニット32を構成し
たものであり、したがって、例えばABSトラクション
制御ユニットやエンジンAT制御ユニット等に入力され
る、同じ信号(オーバーラップ信号)をI/Oユニット
32に一本化して入力することができ、I/Oの共用化
を図り、部品点数の削減を可能とする。
【0024】以下、前述のインターフェースソフトの概
略を実施例により説明する。前述したように、インター
フェースソフトとは、OSとアプリケーションソフトと
の仲介をなすソフトである。そのため、アプリケーショ
ンソフト提供メーカはOSを考慮することなくアプリケ
ーションソフトを作成することができ、ソフト開発が容
易になる。
【0025】図13から図17に制御ユニットによる入
力信号処理の比較を示す。図13及び図14は従来の空
気流量センサ信号の処理構成である。図13は空気流量
Qaを検出及び演算する際にホットワイヤ(HW)式空
気流量計を用いた場合である。上記空気流量計の信号
は、まず 制御ユニット38に設けられたハードフィル
タ138で信号のノイズ除去を行い、シングルチップマ
イコン140のA/D変換器240に入力される。そし
て、A/D変換器240で変換された信号は関数A40
で空気流量Qaに変換される。また、図14のように吸
気管内圧力計を用いた場合は、制御ユニット39に設け
られたホットワイヤ(HW)式空気流量計とは異なるハ
ードフィルタ139で信号のノイズ除去を行い、シング
ルチップマイコン141のA/D変換器241に入力さ
れる。そして、A/D変換器241で変換された信号は
関数B41で空気流量Qaに変換される。
【0026】図15はインターフェースソフト内蔵の内
部ROM143を搭載した標準ユニット42の入力信号
処理構成の一例である。標準ユニット42を用いた場合
は、図13及び14で示した吸気管内圧力計あるいはH
W式空気流量計のいずれのセンサにも対応可能となる。
つまり、内部ROM143のインターフェースソフトが
上記2つのセンサのフィルタリング及び関数処理を実行
するからである。まず、入力される信号は標準ユニット
42のA/D変換器142でディジタル化され、内部R
OM143のインターフェースソフトによる処理が行わ
れる。次に、上記ハードフィルタ138,139の代わ
りにディジタルフィルタ243を用い、ソフト的にそれ
ぞれのセンサ信号に対応したカットオフ周波数を設定す
るようにしておく。更に、各センサ信号によって異なる
特性を持つ関数の代わりに高次関数43(Qa=ΣKi
*V Ki:次数,V:ディジタル化した電圧信号)を
用いて各信号に対応した次数Kiを設定し、それぞれに
対応した関数を作り、演算して空気量Qaの算出を行
う。これにより各種のセンサ信号入力をソフト的に切り
替えることが可能となる。すなわち、インターフェース
ソフトにより、前記関数A及びBの特性を高次関数43
で作出することができ、Qaは同一のポートでどのよう
な方式でも算出することができる。
【0027】図16は可変式ハードフィルタを用いた入
力信号処理構成の一例である。制御ユニット144に
は、センサ信号の種類によって可変抵抗等を変化させる
とともに、カットオフ周波数を変えて信号に対応したフ
ィルタリングを実行する可変式ハードフィルタ44、A
/D変換器147、インターフェースソフト(関数A,
B等)から成る標準ユニット244が設けられている。
まず、入力される信号を上記可変式ハードフィルタ44
でノイズ除去を実行し、標準ユニット244に入力す
る。そして、標準ユニット244内にそれぞれのセンサ
信号に対応した関数、例えばHW式空気流量計式なら関
数A45、吸気管内圧力計式ならば関数B46というよ
うな演算関数が備えられており、セレクタ47により入
力センサ信号に対応した関数を選択して空気量Qaが算
出される。
【0028】図17は使用センサ分にハードフィルタを
備えた入力信号処理構成の一例である。制御ユニット1
48において、各種のセンサ(HW式空気流量計,吸気
管内圧力計)に対する入力端子及びそれぞれに固有のハ
ードフィルタ48,49を備えておき、標準ユニット1
49内に備えた関数A45,関数B46,セレクタ47
により空気量Qaを算出する。
【0029】図18はインターフェースソフトによるポ
ート割当機能の一例を示す概略図である。図18(a)
は標準ユニット50を用いたHW式空気流量計式の6気
筒エンジン制御、図18(b)は吸気管内圧力計式の4
気筒エンジン制御の入出力ポート割当構成の一例を示
す。図18(a)の場合、HW式空気流量信号Qa,エ
ンジン回転数信号Ne,水温信号Tw,酸素センサ信号
O2等の信号が入力ポート、また、6気筒分の燃料噴射
信号INJ,DIST(Distributor )方式の点火信号
IGN及びISC(Idle Speed Control)等の信号が出
力ポートとして割り当てられる。この標準ユニット50
を図18(b)仕様の4気筒エンジンに用いる場合は、
INJパルス信号が6気筒の6本から4気筒の4本に減
少するため、2本のポートが余る。しかし、吸気管内圧
力計を使用するエンジン制御では、空気流量を演算する
際、吸気温補正、排圧補正が必要となる。そこで、出力
ポートで余った2本を上記吸気温及び排圧の入力ポート
として用いれば有効な標準ユニット50使用が実現でき
る。なお、図18(b)では、空気流量信号Qaに代え
て、吸気管内圧力信号Pmが入力ポートに割り当てられ
ている。このような、ポート割当機能を標準ユニット5
0のインターフェースソフトに持たせることによりユニ
ットの有効利用が実現できる。また上記吸気温及び排圧
の信号取り込みに関しては、マルチプレクサ等を標準ユ
ニット50との間にハード的に組み込み、切り替えるこ
とで柔軟性を持たせる。このようにエンジン仕様及びセ
ンサ仕様が違った場合でもインターフェースソフトのポ
ート割当機能により効率の良い入出力信号変更が可能に
なる。
【0030】図19はインターフェースソフトによる入
力信号の組み合わせ処理の構成図の一例である。組み合
わせ処理とは、センサ等からの入力信号の組み合わせに
より別の信号を生成する処理であり、この処理をインタ
ーフェースソフト57で実行する。例えば、エンジン回
転51と車速52から処理Aを介してギヤ比信号53
を、また、エンジン回転51とタービン回転54から処
理Bを介してタービントルク55及び出力軸トルク56
を演算する。このような処理機能をインターフェースソ
フト57に持たせることにより、ユーザーつまりアプリ
ケーションソフト開発側がRAMの各アドレスに格納さ
れた、前記ギヤ比信号等のデータにアクセスすれば、何
時でも自由にその内容をみることが可能となる。このよ
うな組み合わせ処理の実行により、今後の制御項目増大
による必要パラメータの増加が生じた場合でも新たなセ
ンサの追加なしで対応が可能となる。
【0031】図20はインターフェースソフトによるセ
ンサ入力時の演算処理機能の一例を示す。現状のエンジ
ン制御では、空気量センサ,水温センサ,スロットル開
度センサ及びクランク角センサの信号A/D変換あるい
はパルス数計測等の信号処理を施した値が直接アプリケ
ーションソフトで用いられるわけではない。例えば、空
気量センサからの信号は、一度テーブルを参照し補間計
算を施して、初めてアプリケーションソフトで使用可能
な吸入空気量指数QAを求めることができる。このよう
に、アプリケーションソフトで必要な信号、すなわち吸
入空気量指数QA,吸入空気量定数QS,水温TWN,
水温格子検索用TWK,スロットル開度ADTVO,T
VO1S及びエンジン回転数LNRPM,HNRPM,
MNRPMの演算をインターフェースソフト58に設け
ておくことによりソフト開発が容易になる。また、前記
吸入空気量指数QA,吸入空気量定数QS,水温TW
N,水温格子検索用TWK,スロットル開度ADTV
O,TVO1S及びエンジン回転数LNRPM,HNR
PM,MNRPMの各データをRAMに格納しておくこ
とにより、これらアプリケーションのデータは、RAM
にアクセスすれば何時でもみることができる。
【0032】次に、インターフェースソフトの記述方
法、つまりソースリストのフローの実施例を示す。図2
1はインターフェースソフトによる時間割付の一例を示
す概略図である。自動車制御にはさまざまなタイミング
で起動する各制御のタスク及びサブルーチンがあり、そ
れぞれがある一定周期で動作している。C言語記述では
時間管理及びタイミング割付が困難であるため、自動的
割当て機能をインターフェースソフトにもたせた。エン
ジン制御アプリケーションソフトにはクランク角度割り
込み、点火パルス発生、インターバル割り込み、エンジ
ン回転数取り込み処理といった各種の起動タスクが存在
しており、それぞれが固有の要求タイミングを持ち、そ
れに見合った回転または時間周期で起動している。また
他のAT制御やABS制御アプリケーションソフトに対
しても同様である。このようにさまざまな要求タイミン
グがある各アプリケーションソフト及び内部の各タスク
をインターフェースソフトの自動的割当て処理機能にお
いてそれぞれの要求タイミングを判断してマイコンの起
動周期設定に必要なタイマ等の初期設定さらに要求タイ
ミングでの処理内容としてベクタアドレスの割付を自動
的に行うようにしている。
【0033】図22は図21の詳細な制御フローチャー
トの一例である。たとえばC言語記述アプリケーション
ソフトにおいて、タスク起動タイミングの記述形式を例
としてJOB=要求タイミングとした場合に、JOBの
内容が何であるかを各起動タスクごとに判別プログラム
を動作させ、JOB=A(59)ならマイコンへ2ms
周期処理タイミングの初期設定を行い、さらに2ms周
期処理としてベクタアドレスの割付60をする。JOB
=B(61)なら上記と同様にマイコンへ4ms周期処
理タイミングの初期設定を行い、また4ms周期処理と
してベクタアドレスの割付62を行い、JOB=REF
(65)ならば回転周期処理の初期設定をマイコンに行
い、起動タスクのベクタアドレスを割り付ける(6
6)。また、JOB=X(63)ならばユーザが要求し
た独自のタイミングたとえば20ms周期とするとそれ
に応じたマイコンへの初期設定及びベクタアドレスの割
付64を行うようにしている。このような機能をインタ
ーフェースソフトに持たせておくことで自動車制御ソフ
トがC言語記述に移行した際の時間管理及びタイミング
割付の問題を回避することができる。
【0034】図23はインターフェースソフトによる割
り込みレベル割付のフローチャートの一例である。基本
的には時間割付のフローと同様に、各制御内の起動タス
クからの要求割り込みレベルのラベルが何であるか判別
して、そのラベルに応じて優先順位を各タスクへ割当
て、マイコンへの優先順位の初期設定を自動的に行うよ
うにしている。要求レベルがL7かを判断67し、ye
sならば各対象JOBを割り込みレベル7として優先順
位設定68を行う。以下同様に、要求レベルを判別(6
9,71,73)し、各レベル設定(70,72,7
4)を行う。各制御アプリケーションソフトにおいて、
数多くのタスクが個々のタイミングで起動する中で、各
タスクの割り込みレベルの設定は、リアルタイム性が重
視される自動車制御では重要な役割をもち、C言語記述
化を図った場合には不可能な割り込みレベルの記述が可
能となる。
【0035】表1はタイミング及び優先順位割付のため
のC言語記述仕様である。自動車制御に必要な大体のタ
スク起動タイミングをピックアップして予め仕様化して
おき、それを各制御のソフトを開発するときにタスクに
要求するタイミング及び優先順位を仕様の中から選択
し、タスクの先頭に例えば2ms周期のタスクで優先順
位7ならばラベルA,L7を、4ms周期のタスクで優
先順位5ならばラベルB,L5を記述すればよい。また
回転周期のラベルも数個設けておく。さらに、ユーザ
(アプリケーションソフト開発側)設定用のラベルも備
えることで要求タイミングを自由に設定できる。このよ
うに、アプリケーションソフトはそのままで、インター
フェースソフトにおいてマイコンへの初期設定値の決定
及び割付を行うこと、つまりインターフェースソフトの
改良を行うだけで各種マイコン(CPU)への対応が容
易に行うことができる。
【0036】
【表1】
【0037】さらに、インターフェースソフトの処理機
能として対応マイコンで最適と考えられる入出力ポート
の割付けを行う。標準ユニットを用いて制御対象の異な
った自動車制御を行う場合には、入出力ポートは標準ユ
ニットにより数が限られており、4気筒と6気筒の制御
には別々の入出力ポートの割当てが要求される。そのた
め、最適入出力ポートの割当てのパターンを設定してお
き、自動車制御ソフトが、どのタイプを制御しようとし
ているかを判断してポート割当てのパターンを自動的に
選択し、マイコンへの入出力信号を決定するようにす
る。制御対象に対応した最適な入出力ポートの割当てを
それぞれパターン化して備えておく。
【0038】図24は最適入出力ポート割当のパターン
決定のフローチャートの一例である。まず、制御対象が
4気筒エンジン制御ならば、次に空気量測定の方式を判
別して空気流量計式ならばパターンAを、吸気管内圧力
計式ならばパターンBを割当て、6気筒エンジンの制御
においてもパターンC,パターンD等をそれぞれの測定
方式のタイプを判別し、それに応じて割当てを行う。こ
れにより共通ユニットを用いての有限である入出力ポー
トの割当てをパターン化することで、自動的に制御対象
に対応した割当てが可能となる。
【0039】図25はRAM領域内における多用データ
一括集団配置の一例である。RAM領域には独自開発さ
れたエンジン,AT,ABS制御用のデータがそれぞれ
確保されるが、その中で2つ以上の制御内で使われる使
用頻度の高いデータを多用データとして集団配置する。
これによりベースレジスタを活用することでプログラム
のROM容量を減らすことができる。また、各制御アプ
リケーションソフト間同志での通信いわゆるデータ提供
を行うにしても多用データとして一括配置しておいた方
が1ブロックでデータ参照が可能となる。
【0040】図26は多用データ一括配置のフローチャ
ートの一例である。独自に開発されたエンジン制御、A
T制御、ABS制御のC言語記述アプリケーションソフ
トを用いて、その流れを説明する。図26において、ま
ず、エンジン制御に使用するために宣言された変数が宣
言の順番にRAM領域に割り付けられる75。ここでR
AM領域内の多用データ割当て領域の先頭アドレスを#
ADDとしておき、AT制御で宣言されている変数にエ
ンジン制御変数と同一変数がないか検索76する。同一
変数が見つかればそのデータをADD番地に格納し、ア
ドレスADDをインクリメントする。すべてのAT制御
の宣言変数をエンジン制御変数と照らし合わせ終わるま
で繰り返す。
【0041】AT制御変数中を検索終了後77、次に、
ABS制御において宣言した変数についてエンジン制御
及びAT制御変数に同一変数がないか検索78を行い、
見つかれば、まず多用データ割当て領域にすでに多用デ
ータとして配置されていないかを判別し、なければAD
D番地にそのデータを格納して、上記と同様にADDを
インクリメントしながら全ての変数の照合が終了するま
で繰り返す。
【0042】このような手順を経ることにより、RAM
領域内に多用データとして一括して配置することが可能
となる。また、エンジン制御だけをみても数多くの起動
タスクから構成されており、各タスクにおいて数個の使
用変数が宣言されている。このように、1つの制御中に
も使用頻度の高いデータが多く含まれている可能性があ
り、同様の簡単なフロー構成を用いることにより、制御
間のみならず各制御内のタスク間における多用データの
探索及び一括配置をも行うことができる。
【0043】次に、監視プログラムにより異常な制御箇
所を発見するための一実施例について説明する。図27
は監視プログラムを利用した異常箇所発見のフローチャ
ートの概略図の一例である。図27において、自動車制
御の各制御部並びに各タスクには、特有のエラーコード
が設定してある。監視プログラムは、エラーコードが発
生した時にコード識別により、エンジン制御部か、AT
制御部か、あるいはABS制御部かを判別して、それぞ
れの制御部に設定されたフェール対策を起動するように
してフェールセーフを行う。また、このようなエラーコ
ードを各制御部とその中の各タスクに設定しておくこと
により、1つにした自動車制御の膨大なアプリケーショ
ンソフトのデバッグを行う際に、エラーコードを識別す
れば、どの制御アプリケーションソフトにおける、どの
タスクにおいて異常が発生したか等のバグ要因の発見を
容易に行うことが可能となる。
【0044】さらに、インターフェースソフトにおいて
独自開発した各制御アプリケーションソフトの各々のタ
スクには、タスク起動時に起動フラグをたてるフラグ操
作プログラムが付設されている。また、インターフェー
スソフトには、フラグ操作プログラムによる起動フラグ
をある一定周期で監視する監視プログラムが設けられて
いる。この監視プログラムは、各タスクの処理時間を演
算及び管理を行うとともに、CPU負荷率の診断をも行
う。そうして監視プログラム内に設定された各タスクの
規定処理時間内にタスク処理が終了しなかったり、ある
いは各制御に割り当てられたCPU負荷率を越えた場合
に、予め設定された識別可能なエラーコードを出力させ
てフェールセーフ対策やデバッグ処理に活用する。 監
視プログラムを利用して異常箇所を発見するための手法
としては、例えば、ソフトウェアタイマを引用したフェ
ールセーフソフト、監視内容を拡張した起動タスク監視
プログラム、ウォッチドッグタイマを用いたマクロ処理
時間監視の方式などが考えられる。
【0045】前記ソフトウェアタイマを引用したフェー
ルセーフソフトは、たとえば、その処理時間監視タスク
において、複数のタスクを優先順位が高い順に並べてお
き、実行中のタスクの処理時間監視用のタイマをインク
リメントする動作を行い、次に実行中のタスクが規定の
処理時間内に終了しているかを調べるもので、予め設定
しておいた規定処理時間とタイマのデータを比較して、
規定時間を超過していれば各タスク特有のエラーコード
を出力するようにしたものである。なお、前記規定処理
時間は監視プログラムの起動周期をもとにしてその整数
倍で決まるため、起動周期を可変させることにより何m
sにでも設定することができる。
【0046】監視内容を拡張した起動タスク監視プログ
ラムは、たとえば、1つのソフト上に各制御のプログラ
ムがあり、それらのタスクを実行した際に監視プログラ
ムが実行タスクの処理時間の演算及び管理、並びに各制
御によるCPU負荷率の監視を行えるようにしたもので
ある。この起動タスク監視プログラムには、例えばエン
ジン制御、AT制御、共通制御等の各制御によるCPU
負荷率を監視するためのプログラムが備えられている。
このプログラムは、CPUに対する各制御の負荷をカウ
ントし、CPU負荷率の過占有として各制御関係のタス
ク(仕事)が全体の70%を越えるとエラーとするよう
な負荷率エラーの取り決めを行っておき、各制御部に用
意されたカウンタが70以上かを診断して、異常があれ
ばその制御部中の各タスクの優先順位の高いほうから処
理時間を診断し、異常タスクを指すエラーコードを出力
する。負荷率エラーが発生しなくてもCPU負荷率は、
ENGINE,AT,COMMON等の各制御部のカウ
ンタから知ることができる。
【0047】ウォッチドッグタイマを用いたマクロ処理
時間監視の方式は、たとえば、処理に異常が生じてウォ
ッチドッグタイマのオーバーフロー設定時間内にタイマ
がクリアされないと、オーバーフローにより強制割り込
み(NMI)が発生して監視プログラムが動きだし、異
常発生の直前のスタックポインタ(SP)をもとに各プ
ログラムの格納されているアドレスとで比較し、異常発
生のタスクを指すエラーコードを出力するものである。
このように、ウォッチドッグタイマ方式は、プログラム
規模は小さくて済むが、各タスクの状態を大雑把にしか
監視できない。しかし、バグの発生しにくさではウォッ
チドッグタイマ方式の方が望ましい。
【0048】次に、インターフェースソフトに記述され
るリストに係わる実施例について説明する。図28はイ
ンターフェースソフトに基本処理プログラムの組み込み
関数化の一構成例である。エンジン回転取り込み90,
車速演算91,タービン回転数92,スロットル開度取
り込みプログラム93及びさまざまな周波数で使用され
る各フィルタの演算プログラム94を関数化し、さらに
LAN等の通信用の組み込みソフト95も関数化してイ
ンターフェースソフトに持たせた。
【0049】図29は一般的自動車制御用変数の定義及
び宣言の関数化の一例である。膨大なフラグ変数や入出
力信号等のI/O変数をインターフェースソフトに定義
及び宣言してヘッダファイルとして関数化させる。フラ
グ変数等は最適C言語となるように、型宣言さらにビッ
トフィールドを考慮して定義しておく。図30は組み込
み関数の仕様の一例である。仕様化しておくことで制御
ソフト開発側がヘッダファイルをインクルードし、定義
済みの変数を利用して制御を構成することができ、また
制御工程で信号取り込みや演算が生じた場合には、先に
述べた基本処理関数の中から必要な処理関数を呼び出す
ようにすれば良い。これらの基本処理プログラムの関数
化,一般的自動車制御用のI/O,変数を定義したヘッ
ダファイルの関数化により、自動車制御ソフトの開発を
簡略化することができる。すなわち、I/O処理等によ
りソフトウェアを標準化し、それを仕様書としてアプリ
ケーションソフト開発側(ユーザー)に提示すれば、ユ
ーザー側は、その仕様書を基に必要な機能ソフトをサブ
ルーチン等により追加または変更することができ、機能
アップを図ることができる。
【0050】図31は基本処理関数の処理選択機能の手
段の一例である。各制御のアプリケーションソフトから
の基本処理関数の呼出しをする時に、引数により処理条
件を選択する例を示す。例えば、エンジン回転取り込み
関数には、回転数演算方式や取り込みサンプリング時間
さらにパルス測定センサに関しても各種の手段が存在す
る。これらの手段に対応したプログラムをインターフェ
ースソフトに持たせておき、開発側が引数により手段を
選択し、これを記述することで開発側の要求を達成する
ことができ、基本処理関数の汎用性が向上する。同様
に、フィルタの演算においても引数にフィルタタイプ,
カットオフ周波数,次数等をわたせばそれに対応したフ
ィルタを設定できる。
【0051】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設
計変更を行うことが可能である。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明によれば、自動車制御にシングルチップマイコンを用
いた場合でも、入出力点数の増加や機能の追加に対する
対応が容易になり、インターフェースソフトの書換えの
みでアプリケーションソフトが永続的に使用可能とな
り、しかも、コアユニットの作り換えが不必要となるた
め、プログラムを含めた制御ユニットの開発が容易にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】コアユニットの概略図。
【図2】拡張した場合のユニット構成図。
【図3】拡張なしの場合の具体的ユニット構成図。
【図4】拡張あり場合の具体的ユニット構成図。
【図5】コアユニット自体の拡張構成図。
【図6】4,6気筒エンジンに用いる場合の標準ユニッ
ト構成図。
【図7】故障診断を加えた6気筒エンジンあるいは自動
変速機制御を加えた6気筒エンジンの場合の標準ユニッ
ト構成図。
【図8】6気筒統合制御の場合の標準ユニット構成図。
【図9】コアユニットを用いた場合のエンジン・AT制
御ユニット構成図。
【図10】コアユニットを用いた場合のABS・トラク
ション制御ユニット構成図。
【図11】LAN(Local Area Network)を用いた場合
のシステム構成図。
【図12】演算ユニットとI/OユニットをLANで通
信した場合の構成図。
【図13】従来の空気流量(HW式)センサ信号の処理
構成図。
【図14】従来の空気流量(吸気管内圧力式)センサ信
号の処理構成図。
【図15】インターフェースソフト内蔵内部ROM搭載
した標準ユニットの入力信号処理構成図。
【図16】可変式ハードフィルタを用いた入力信号処理
構成図。
【図17】使用センサ分にハードフィルタを備えた入力
信号処理構成図。
【図18】インターフェースソフトによるポート割当機
能の概略図。
【図19】インターフェースソフトによる入力信号の組
み合わせ処理の構成図。
【図20】インターフェースソフトによるセンサ入力時
の演算処理機能を示す図。
【図21】インターフェースソフトによる時間割付の概
略図。
【図22】時間割付の詳細制御フローチャート。
【図23】インターフェースソフトによる割り込みレベ
ル割付プログラムのフローチャート。
【図24】最適入出力ポート割当のパターン決定のフロ
ーチャート。
【図25】RAM領域内における多用データ一括集団配
置図。
【図26】多用データ一括配置のフローチャート。
【図27】監視プログラムを利用した異常箇所発見の簡
単なフローチャート。
【図28】基本処理プログラムの組み込み関数化の構成
図。
【図29】一般的自動車制御用変数の定義及び宣言の関
数化の図。
【図30】組み込み関数の仕様を示す図。
【図31】基本処理関数の処理選択機能の手段を示す
図。
【符号の説明】
1…コアユニット、2…内部ROM、3…CPU(中央
演算処理装置)、4…RAM(書き換え可能なメモ
リ)、5…拡張手段、6…拡張I/O、7…外付けRO
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月5日(2001.2.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係わる自動変速機制御ユニットは、基本的
には、スロットル開度を検出するセンサからの情報,空
気流量を検出するセンサからの情報,水温を検出するセ
ンサからの情報,クランク角センサからの情報のうちの
何れか1つ以上の情報が入力される入力部と、燃料噴射
量を制御するアクチュエータ,点火時期を制御するアク
チュエータ,アイドルスピードを制御するアクチュエー
タのうちの何れか1つ以上のアクチュエータを制御する
信号を出力する出力部と、前記アクチュエータを制御し
てエンジンを制御するためのプログラムが格納されたメ
モリと、前記プログラムを演算実行する中央演算処理部
と、を備え、前記プログラムは、インターフェースソフ
トおよびアプリケーションソフトを有し、前記アプリケ
ーションソフトは、前記アクチュエータを制御する演算
を行うための機能を有し、前記インターフェースソフト
は、前記アプリケーションソフトと前記入力部、および
前記アプリケーションソフトと前記出力部との間の信号
を授受する演算を行うための機能を有し、前記インター
フェースソフトと前記アプリケーションソフトとの間の
信号の授受は、関数を用いて行なわれ、前記メモリおよ
び中央演算処理部はシングルチップマイコンとして構成
されるエンジン制御ユニットであることを特徴とし、入
出力点数の増加や機能の追加に即対応可能な制御ユニッ
トの構成とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 潤市 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 森永 茂樹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 片山 博 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロコンピュータにより各種制御を
    行うようにした自動車用制御ユニットにおいて、 アプリケーションソフトとオペレーティングシステムと
    を接続するインターフェースソフトが第1のメモリに内
    蔵されたインターフェースソフト記憶手段と、前記アプ
    リケーションソフト及び前記インターフェースソフトを
    演算実行する中央演算処理装置と、演算結果等のデータ
    を格納する第2のメモリと、を備えた自動車用制御ユニ
    ット。
  2. 【請求項2】 マイクロコンピュータにより各種制御を
    行うようにした自動車用制御ユニットにおいて、 アプリケーションソフトとオペレーティングシステムと
    を接続するインターフェースソフトが第1のメモリに内
    蔵されたインターフェースソフト記憶手段と、前記アプ
    リケーションソフト及び前記インターフェースソフトを
    演算実行する中央演算処理装置と、演算結果等のデータ
    を格納する第2のメモリと、制御ユニット拡張用のI/
    Oと、演算処理されたデータを通信手段を介して通信す
    る拡張手段と、を備えた自動車用制御ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の自動車用制御ユニット
    に、拡張用のI/O処理装置を設けたことを特徴とする
    自動車用制御ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の自動車用制御ユニット
    に、拡張用の外付け記憶手段を設けたことを特徴とする
    自動車用制御ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の自動車用制御ユニット
    に、拡張用のI/O処理装置および拡張用の外付け記憶
    手段を設けたことを特徴とする自動車用制御ユニット。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の自動車用制御ユニット
    に、タイマと、I/Oと、A/D変換器を設けたことを
    特徴とする自動車用制御ユニット。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の自動車用制御ユニット
    に、キャッシュメモリを設けたことを特徴とする自動車
    用制御ユニット。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の拡張用のI/O処理装置
    は、拡張用のI/O処理装置及び拡張用の外付け記憶手
    段を請求項2記載の制御ユニットに拡張する際に減少す
    るポート数以上のポート数を有することを特徴とする自
    動車用制御ユニット。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の自動車用制御ユニットに
    おいて、前記拡張用の外付け記憶手段にアプリケーショ
    ンソフトを記憶したことを特徴とする自動車用制御ユニ
    ット。
  10. 【請求項10】 少なくとも2つの機能を実行するアプ
    リケーションソフトを備えた制御ユニットにおいて、オ
    ペレーティングシステムとアプリケーションソフトを接
    続するインターフェースソフト及びアプリケーションソ
    フトを内部記憶手段に記憶させるとともに、拡張用の外
    付け記憶手段に前記アプリケーションソフト以外のアプ
    リケーションソフトを記憶させたことを特徴とする自動
    車用制御ユニット。
  11. 【請求項11】 少なくとも、アプリケーションソフト
    とオペレーティングシステムとを接続するインターフェ
    ースソフトが第1のメモリに内蔵されたインターフェー
    スソフト記憶手段と、前記アプリケーションソフト及び
    前記インターフェースソフトを演算実行する中央演算処
    理装置と、演算結果等のデータを格納する第2のメモリ
    と、制御ユニット拡張用のI/Oと、演算処理されたデ
    ータを通信手段を介して通信する拡張手段と、からなる
    複数個の制御ユニットを備えた自動車用制御ユニットに
    おいて、 前記少なくとも2つの自動車用制御ユニット間に通信回
    路を設けるとともに、該通信回路を介してLANで通信
    することを特徴とする自動車用制御ユニット。
  12. 【請求項12】 少なくとも、アプリケーションソフト
    とオペレーティングシステムとを接続するインターフェ
    ースソフトが第1のメモリに内蔵されたインターフェー
    スソフト記憶手段と、前記アプリケーションソフト及び
    前記インターフェースソフトを演算実行する中央演算処
    理装置と、演算結果等のデータを格納する第2のメモリ
    と、制御ユニット拡張用のI/Oと、演算処理されたデ
    ータを通信手段を介して通信する拡張手段と、からなる
    少なくとも2個の制御ユニットを備えるとともに、該制
    御ユニット間をLANで接続する通信回路を設けた自動
    車用制御ユニットにおいて、 1つの制御ユニットは、内部ROMにインターフェース
    ソフトを記憶させたI/O処理専用のユニットとし、他
    の制御ユニットは、内部ROMにアプリケーションソフ
    トを記憶させた演算専用のユニットとしたことを特徴と
    する自動車用制御ユニット。
  13. 【請求項13】 請求項1又は2記載のインターフェー
    スソフトに、A/D変換処理された信号をフィルタリン
    グするディジタルフィルタ手段と、前記フィルタリング
    された信号をアプリケーションソフトで使用可能な関数
    に変換するI/O処理手段を設けたことを特徴とする自
    動車用制御ユニット。
  14. 【請求項14】 請求項13項記載のディジタルフィル
    タ手段が可変式のハードフィルタであることを特徴とす
    る自動車用制御ユニット。
  15. 【請求項15】 第13項請求範囲のディジタルフィル
    タ手段が入力本数分のハードフィルタであることを特徴
    とする自動車用制御ユニット。
  16. 【請求項16】 請求項1又は2記載のインターフェー
    スソフトに、少なくとも2つのセンサの信号から新たな
    信号を作り出す処理ソフトを設けたことを特徴とする自
    動車用制御ユニット。
  17. 【請求項17】 I/O変数を定義及び宣言して関数化
    された基本処理関数を、アプリケーションソフトの開発
    又は変更に供される仕様書としてインターフェースソフ
    トに備えたことを特徴とする自動車用制御ユニット。
  18. 【請求項18】 少なくとも2個以上のアクチュエータ
    により同一の制御を行うようにした自動車用制御ユニッ
    トにおいて、少なくとも2つ以上のアクチュエータ制御
    信号のうち同一の制御信号は、同一のタイマから出力す
    るようにしたことを特徴とする自動車用制御ユニット。
  19. 【請求項19】 請求項2記載の拡張用のI/Oはソフ
    トウェア的タイマあるいはハードウェア的タイマとから
    構成したことを特徴とする自動車用制御ユニット。
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