JP3803245B2 - 自動変速機制御ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用制御ユニットに係り、特に、エンジン、変速機、ブレーキ及びサスペンション等を制御する自動車用制御ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、自動車制御にシングルチップマイコンを搭載した制御ユニットが用いられてきている。シングルチップマイコンは、中央演算処理装置(CPU)の演算に必要なメモリ(ROM、RAM等)及びA/D変換器等を一括して内蔵している。そのため、全体として小型化が図れるとともに、使い易さ、処理時間の速さなどの点からも有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術においては、制御仕様の変更等によりソフトウェア、ハードウェアが変更になった場合に、拡充の面でかなり制限されるという問題点があった。また、自動車制御にシングルチップマイコンを用いた場合、ハードウェアに制限を受けてソフトウェアを作成する必要が生じ、特に、燃費向上、排気浄化等を行う場合は、入出力点数の増加や機能の追加が必須となり、その都度新たに全てのハードウェア、ソフトウェアを作り直す必要があるという問題点があった。
【0004】
さらに、種々の制御を行うためにROMの中に書き込まれた制御ソフトがアセンブラ言語で表現されているため、そのプログラムの内容及び作成手法は専門家にしか解読できないような、いわば属人的なものであった。そのため、特に、実際のアプリケーションソフトの作成段階において、最初のプログラマー以外の者には、ソフトウェア内容の詳細が理解できないのみならず、別の機能のソフトを追加する場合には、始めから全部作成し直す必要があった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、シングルチップマイコンを用いた場合でも、入出力信号数の増加や機能の追加を容易にし、しかも、制御ユニットのプログラム変更を容易にする自動車用制御ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明に係わる自動変速機制御ユニットは、基本的には、スロットル開度を検出するセンサからの情報、空気流量を検出するセンサからの情報、水温を検出するセンサからの情報のうちの何れか1つ以上の情報が入力される入力部と、自動変速機の油圧を制御するアクチュエータ、変速位置を制御するソレノイドのうちの何れか1つ以上のアクチュエータを制御する信号を出力する出力部と、前記アクチュエータを制御して自動変速機を制御するためのプログラムが格納されたメモリと、前記プログラムを演算実行する中央演算処理部と、を備え、前記プログラムは、インターフェースソフト及びアプリケーションソフトを有し、前記アプリケーションソフトは、前記アクチュエータを制御する演算を行うための機能を有し、前記インターフェースソフトは、前記アプリケーションソフトと前記入力部との間の信号を授受する演算を行うための機能を有し、前記インターフェースソフトから前記アプリケーションソフトへの信号の授受は、関数を用いて行なわれ、前記メモリ及び中央演算処理部はシングルチップマイコンとして構成されることを特徴とし、入出力点数の増加や機能の追加に即対応可能な制御ユニットの構成とした。
【0007】
【作用】
このように構成された本発明によれば、自動車制御にシングルチップマイコンを用いた場合でも、入出力点数の増加や機能の追加に対する対応が容易になり、インターフェースソフトの書換えのみでアプリケーションソフトが永続的に使え、更にコアユニットの作り換えが不必要となるため、プログラムを含めた制御ユニットの開発を容易にすることができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例を説明するための図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1、2に本発明に係わる自動車用制御ユニットの一実施例を示す。
【0009】
図1にコアユニット1の概略の一例を示す。コアユニット1は、アプリケーションソフトとOS(Operating System)を接続するインターフェースソフトが、第1のメモリである内部ROM2に内蔵されたインターフェースソフト記憶手段、前記アプリケーションソフトとインターフェースソフトを演算実行する中央演算処理装置(CPU)3、演算結果等をメモリする第2のメモリであるRAM(書換え可能なメモリ)4及び制御ユニット拡張用のI/O(Input/Output)、メモリ等をバスあるいはLAN等を介して通信する拡張手段5から構成されている。
【0010】
内部ROM2内のインターフェースソフトは、割込み処理、タスクディスパッチャ、デバッグ機能、学習制御等の自動マッチング機能、ポート割付機能及び標準自動車I/O処理等(後述する)が含まれている。また、内部ROM2には自動車メーカ等で作成するアプリケーションソフトも書き込むことができる。拡張手段5は入出力点数の増加や機能の追加に伴う外付けのI/O(後述する)、ROM等のためのものである。
【0011】
図2は拡張した場合のユニット構成図の一例である。図2において、図1で示したコアユニット1の拡張手段5に、バスあるいはLAN(Local Arear Network )等の通信線を介して自動車用拡張I/O6及び外付けROM7が付加的に連結されている。この拡張I/O6には、ソフトウェア的タイマあるいはハードウェア的タイマが存在する。そして、ハードウェア的タイマは、例えば点火時期制御や燃料制御のように、時間を精密に合わせる場合等の高精度制御に用いられ、ソフトウェアタイマはメータのようなラフな制御に用いることができる。また、前記拡張I/O6は、例えばプログラム可能な入出力装置であり、コアユニット1内のCPU3でデータをレジスタに書き込み、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)等の信号を出力することが可能なものである。なお、内部ROM、外付けROMは電気的に書換え可能なメモリ(フラッシュメモリ、EEPROM)を用いることもできる。
【0012】
このようにして、図1に示したコアユニット1のバージョンが例えば4気筒エンジンに対応したものであって、次に、例えば6気筒エンジンに対応すべく制御を増加させる場合には、外付けROM7に制御内容を入力し、かつ、増加した制御量を拡張I/O6を介してアクチュエータ(図示せず)に信号を出力するようになっている。
【0013】
次に、図3、4に本発明の他の実施例を示す。
図3は拡張なしの場合の具体的ユニット構成図の一例である。図3において、拡張なしの場合は、コアユニット1がそのまま標準ユニット8となる。拡張手段5はI/Oポートの一部であり、したがって、拡張手段5も、センサA、B及びアクチュエータA、B等のI/Oポートとして使用できる。また、制御ユニット9はコアユニット1、センサ信号の処理を行うHard Filter10及びアクチュエータ信号の増幅を行うパワー回路11から成る。
【0014】
図4は拡張あり場合の具体的ユニット構成図の一例である。図4において、拡張した場合は、コアユニット1の拡張手段5がコントロールバス、アドレスバス及びデータバスとして用いられる。上記3つのバスによって自動車用拡張I/O6及び外付けROM7がコアユニット1と接続され、標準ユニット12が構成されている。この場合、I/Oポートとして用いていた拡張手段5が拡張用に使用されるため、センサA、B及びアクチュエータA、BのI/Oポートがなくなってしまう。そこで、拡張I/O6は上記コアユニット1で減った分のI/Oポートの数を含めたポート数とする必要がある。ここで、一例として、センサC、D及びアクチュエータCが増えたとすると、上記3つのポートとセンサA、B及びアクチュエータA、Bを加えたI/Oポート数が用意されることになる。制御ユニット13は、標準ユニット12、センサC、D及びアクチュエータC用のHardFilter14及びパワー回路15、センサA、B及びアクチュエータA、B用のHard Filter10及びパワー回路11から構成される。
【0015】
図5はコアユニット1自体の拡張構成図の一例である。コアユニット1内には、CPU3、内部ROM2、RAM4、拡張手段5を含んだI/O16、A/D17、タイマ18、自動車用拡張I/O6及び外付けROM7等の外部メモリからアクセスを高速に実行するためのキャッシュメモリ19が設けられている。すなわち、このキャッシュメモリ19は、次に読み込まれる外付けROM7からのデータを予めメモリさせるもので、CPU3はわざわざ外付けROM7までアクセスしなくても、キャッシュメモリ19から次に読み込まれるデータにアクセスすることができるため、外付けROM7の内容を読み込むのに要する時間を節約することができ、応答性を向上させることができる。また、これらは全てバス20で接続される。
【0016】
図6〜8は各仕様に応じた拡張構成図の一例を示す。
図6は、例えば4又は6気筒エンジンに用いる場合の標準ユニット構成の例である。図6において、適用対象車における制御対象が4又は6気筒エンジン制御のみである場合には、制御項目やI/O数等がさほど多くないため、コアユニット1のみで対応することができ、コアユニット1がそのまま標準ユニットとなる。この場合、内部ROM2にアプリケーションソフトとインターフェースソフトを書き込んで制御を行う。
【0017】
図7は、図6の構成に故障診断を加えた6気筒エンジン、あるいは自動変速機制御を加えた6気筒エンジンの場合の標準ユニット構成の一例を示す。図7において、適用対象車が故障診断を加えた6気筒エンジン、あるいは自動変速機制御を加えた6気筒エンジンの場合は、コアユニット1に自動車用拡張I/O21及び外付けROM7(a)を拡張して設け(拡張部1)、当該6気筒エンジンの仕様で必要なポート数の確保、並びに、制御項目増加に伴うメモリの確保を行う。この場合、ソフトは、追加分を外付けROM7(a)に記憶させるか、あるいは内部ROM2にインターフェースソフトを、外付けROM7(a)にアプリケーションソフトを記憶させることもできる。
【0018】
図8に6気筒統合制御を行う場合の標準ユニット構成の一例を示す。適用対象車が、例えば、故障診断、自動変速機、定速走行制御、計器類等のインパネ制御などの多数の制御を付加した6気筒エンジンを搭載した車両、すなわち6気筒統合制御の追加機能を増大させた車両の場合には、図8に示すように、図7の構成に加え、更に拡張I/O22及び外付けROM7を拡張して対処する(拡張部2)。なお、図8の場合も図7と同様に、外付けROM7及び7(a)が拡張された場合は、追加分を外付けROM7,7(a)に記憶させるか、あるいは内部ROM2にインターフェースソフトを、外付けROM7(a)及び外付けROM7にアプリケーションソフトを記憶させることができる。後者の場合は、インターフェースソフトとアプリケーションソフトが分離されているため、アプリケーションソフトのデバッグが容易になる。
【0019】
このように、入出力点数の増加やソフトを含めた機能の追加に対してすぐに対処できることもコアユニット1と拡張手段5の特徴である。
図9はコアユニットを用いた場合のエンジンAT(Automatic Transmission)制御ユニット構成図の一例である。図9において、コアユニット1内の内部ROM2には、エンジン及びAT制御で高速演算が必要なアプリケーションソフト(例えば、点火燃料制御等のハード的割り込み処理)とインターフェースソフトが書き込まれている。また、コアユニット1には、A/D17の有効利用のため、複数のアナログ信号を状況に応じて選択するマルチプレクサ(MPX)23が備えられており、スロットル開度TVO、空気流量信号Qa、水温Tw等の信号処理を行う。さらには、スイッチ信号(アイドルSW)及び車速Vsp等のパルス信号が入力される。コアユニット1でのAT制御の出力信号として、変速機の油圧を制御するライン圧PL、変速位置を制御するソレノイド信号solA、solBが出力される。また、エンジン制御はタイマを数多く用いるのでエンジン制御用拡張I/O24が必要となる。エンジン制御用拡張I/O24は、多くのタイマを内蔵したものである。そこで、エンジンの回転信号POS及び気筒判別信号REFを拡張I/O24に入力し、燃料噴射量INJ、点火時期IGN、アイドル制御ISCを出力する。また、外部ROM7にはエンジンAT制御の低速演算で十分なアプリケーションソフト(例えば、変速点制御、ロックアップ制御)を書き込むようにする。
【0020】
図10はコアユニットを用いた場合のABS(Antiskid Brake System )トラクション制御ユニット構成図の一例である。コアユニット1内の内部ROM2にはABS制御用のアプリケーションソフトと、ABS制御とトラクション制御で必要なインターフェースソフトが書き込まれている。また、A/D17の有効利用のため、複数のアナログ信号を状況に応じて選択するMPX(マルチプレクサ)23が備えられており、自動車の絶対車速を求めるためのG(加速度)センサ等の信号処理を行う。さらに、駆動輪側の速度である車速Vsp、非駆動輪側の速度である車輪速(右前)及び車輪速(左前)等のパルス信号が入力される。また、コアユニット1でのABS制御の出力信号として、ブレーキ圧を制御するPWM信号Doutが出力される。また、トラクション制御の機能を付加する場合は、トラクション制御用拡張I/O25を用いて、エンジントルクを低減するためのスロットル開度、点火時期リタード量を出力する。また、外部ROM7にはトラクション制御のアプリケーションソフトを書き込むようにする。このように、本図示例では、ABS制御のユニットを作成して標準化を行い、それに拡張してトラクション制御を行うようにしたものである。
【0021】
次に、制御ユニット間をLAN(Local Area Network)で連結させた場合の実施例について説明する。
図11は、エンジンAT制御ユニット及びABSトラクション制御ユニットの両方のユニットを使用する車両において、両ユニットをLANで連結させた場合のシステム構成図の一例である。図7、図8で示したエンジンAT制御ユニット27、ABSトラクション制御ユニット28等がLAN(データ通信線)26で連結されている。LAN26と制御ユニット27のバス129は通信コネクタ130、通信回路131でデータ通信を行う。また、LAN26と制御ユニット28のバス132は通信コネクタ133、通信回路134でデータ通信を行う。例えば、エンジンAT制御ユニット27で演算したエンジントルク等のデータをABSトラクション制御ユニット28に送信し、車輪空転時のエンジントルク低減制御(スロットル開度減少,点火時期リタード及び燃料量減少等)をエンジントルクフィードバックで実行し制御精度を向上させる。
【0022】
図12は演算ユニット33とI/Oユニット32とを分割し、これら相互間をLAN126で通信した場合の構成図の一例である。I/Oユニット32はCPU3、内部ROM2、RAM4、拡張手段5を含んだI/O16、A/D17、タイマ18、MPX23及びエンジンAT制御用拡張I/O124から成る。I/Oユニット32ではセンサから入力された信号をフィルタ処理,A/D変換処理等を実行し、その処理データをLAN126を介して演算ユニット33に送信する。そして、エンジンAT演算ユニット33では送信されたデータを用いて燃料噴射幅INJ、点火時期IGN、アイドル制御量ISC、変速機のライン圧PL等が演算され、その演算結果をLAN126を介してI/Oユニット32に送信する。そして、インターフェースソフトを含むコアユニット1内のI/O16及びエンジンAT制御用拡張I/O124より上記出力信号が出力される。この場合、演算ユニット33はI/Oユニット32と同じコアユニット1を用いているため、同様の機能を持っている。しかし、演算ユニット33の内部ROM2には演算で用いるアプリケーションソフトのみが書き込まれている。LAN126とユニット32、33との通信はそれぞれ通信コネクタ136,139、通信回路137,140で実行する。また、上記通信コネクタ136,139、通信回路137,140は各制御ユニットのCPUの命令で動作する。
【0023】
このように、本図示例では、インターフェースソフトというI/O処理ソフトを内部ROM2に書き込み、一つのユニットでI/Oユニット32を構成したものであり、したがって、例えばABSトラクション制御ユニットやエンジンAT制御ユニット等に入力される、同じ信号(オーバーラップ信号)をI/Oユニット32に一本化して入力することができ、I/Oの共用化を図り、部品点数の削減を可能とする。
【0024】
以下、前述のインターフェースソフトの概略を実施例により説明する。
前述したように、インターフェースソフトとは、OSとアプリケーションソフトとの仲介をなすソフトである。そのため、アプリケーションソフト提供メーカはOSを考慮することなくアプリケーションソフトを作成することができ、ソフト開発が容易になる。
【0025】
図13から図17に制御ユニットによる入力信号処理の比較を示す。
図13及び図14は従来の空気流量センサ信号の処理構成である。図13は空気流量Qaを検出及び演算する際にホットワイヤ(HW)式空気流量計を用いた場合である。上記空気流量計の信号は、まず 制御ユニット38に設けられたハードフィルタ138で信号のノイズ除去を行い、シングルチップマイコン140のA/D変換器240に入力される。そして、A/D変換器240で変換された信号は関数A40で空気流量Qaに変換される。また、図14のように吸気管内圧力計を用いた場合は、制御ユニット39に設けられたホットワイヤ(HW)式空気流量計とは異なるハードフィルタ139で信号のノイズ除去を行い、シングルチップマイコン141のA/D変換器241に入力される。そして、A/D変換器241で変換された信号は関数B41で空気流量Qaに変換される。
【0026】
図15はインターフェースソフト内蔵の内部ROM143を搭載した標準ユニット42の入力信号処理構成の一例である。標準ユニット42を用いた場合は、図13及び14で示した吸気管内圧力計あるいはHW式空気流量計のいずれのセンサにも対応可能となる。つまり、内部ROM143のインターフェースソフトが上記2つのセンサのフィルタリング及び関数処理を実行するからである。まず、入力される信号は標準ユニット42のA/D変換器142でディジタル化され、内部ROM143のインターフェースソフトによる処理が行われる。次に、上記ハードフィルタ138,139の代わりにディジタルフィルタ243を用い、ソフト的にそれぞれのセンサ信号に対応したカットオフ周波数を設定するようにしておく。更に、各センサ信号によって異なる特性を持つ関数の代わりに高次関数43(Qa=ΣKi*V Ki:次数,V:ディジタル化した電圧信号)を用いて各信号に対応した次数Kiを設定し、それぞれに対応した関数を作り、演算して空気量Qaの算出を行う。これにより各種のセンサ信号入力をソフト的に切り替えることが可能となる。すなわち、インターフェースソフトにより、前記関数A及びBの特性を高次関数43で作出することができ、Qaは同一のポートでどのような方式でも算出することができる。
【0027】
図16は可変式ハードフィルタを用いた入力信号処理構成の一例である。制御ユニット144には、センサ信号の種類によって可変抵抗等を変化させるとともに、カットオフ周波数を変えて信号に対応したフィルタリングを実行する可変式ハードフィルタ44、A/D変換器147、インターフェースソフト(関数A,B等)から成る標準ユニット244が設けられている。まず、入力される信号を上記可変式ハードフィルタ44でノイズ除去を実行し、標準ユニット244に入力する。そして、標準ユニット244内にそれぞれのセンサ信号に対応した関数、例えばHW式空気流量計式なら関数A45、吸気管内圧力計式ならば関数B46というような演算関数が備えられており、セレクタ47により入力センサ信号に対応した関数を選択して空気量Qaが算出される。
【0028】
図17は使用センサ分にハードフィルタを備えた入力信号処理構成の一例である。制御ユニット148において、各種のセンサ(HW式空気流量計,吸気管内圧力計)に対する入力端子及びそれぞれに固有のハードフィルタ48,49を備えておき、標準ユニット149内に備えた関数A45,関数B46,セレクタ47により空気量Qaを算出する。
【0029】
図18はインターフェースソフトによるポート割当機能の一例を示す概略図である。図18(a)は標準ユニット50を用いたHW式空気流量計式の6気筒エンジン制御、図18(b)は吸気管内圧力計式の4気筒エンジン制御の入出力ポート割当構成の一例を示す。
図18(a)の場合、HW式空気流量信号Qa,エンジン回転数信号Ne,水温信号Tw,酸素センサ信号O2等の信号が入力ポート、また、6気筒分の燃料噴射信号INJ,DIST(Distributor )方式の点火信号IGN及びISC(Idle Speed Control)等の信号が出力ポートとして割り当てられる。この標準ユニット50を図18(b)仕様の4気筒エンジンに用いる場合は、INJパルス信号が6気筒の6本から4気筒の4本に減少するため、2本のポートが余る。しかし、吸気管内圧力計を使用するエンジン制御では、空気流量を演算する際、吸気温補正、排圧補正が必要となる。そこで、出力ポートで余った2本を上記吸気温及び排圧の入力ポートとして用いれば有効な標準ユニット50使用が実現できる。なお、図18(b)では、空気流量信号Qaに代えて、吸気管内圧力信号Pmが入力ポートに割り当てられている。このような、ポート割当機能を標準ユニット50のインターフェースソフトに持たせることによりユニットの有効利用が実現できる。また上記吸気温及び排圧の信号取り込みに関しては、マルチプレクサ等を標準ユニット50との間にハード的に組み込み、切り替えることで柔軟性を持たせる。このようにエンジン仕様及びセンサ仕様が違った場合でもインターフェースソフトのポート割当機能により効率の良い入出力信号変更が可能になる。
【0030】
図19はインターフェースソフトによる入力信号の組み合わせ処理の構成図の一例である。組み合わせ処理とは、センサ等からの入力信号の組み合わせにより別の信号を生成する処理であり、この処理をインターフェースソフト57で実行する。例えば、エンジン回転51と車速52から処理Aを介してギヤ比信号53を、また、エンジン回転51とタービン回転54から処理Bを介してタービントルク55及び出力軸トルク56を演算する。このような処理機能をインターフェースソフト57に持たせることにより、ユーザーつまりアプリケーションソフト開発側がRAMの各アドレスに格納された、前記ギヤ比信号等のデータにアクセスすれば、何時でも自由にその内容をみることが可能となる。このような組み合わせ処理の実行により、今後の制御項目増大による必要パラメータの増加が生じた場合でも新たなセンサの追加なしで対応が可能となる。
【0031】
図20はインターフェースソフトによるセンサ入力時の演算処理機能の一例を示す。現状のエンジン制御では、空気量センサ,水温センサ,スロットル開度センサ及びクランク角センサの信号A/D変換あるいはパルス数計測等の信号処理を施した値が直接アプリケーションソフトで用いられるわけではない。例えば、空気量センサからの信号は、一度テーブルを参照し補間計算を施して、初めてアプリケーションソフトで使用可能な吸入空気量指数QAを求めることができる。このように、アプリケーションソフトで必要な信号、すなわち吸入空気量指数QA,吸入空気量定数QS,水温TWN,水温格子検索用TWK,スロットル開度ADTVO,TVO1S及びエンジン回転数LNRPM,HNRPM,MNRPMの演算をインターフェースソフト58に設けておくことによりソフト開発が容易になる。また、前記吸入空気量指数QA,吸入空気量定数QS,水温TWN,水温格子検索用TWK,スロットル開度ADTVO,TVO1S及びエンジン回転数LNRPM,HNRPM,MNRPMの各データをRAMに格納しておくことにより、これらアプリケーションのデータは、RAMにアクセスすれば何時でもみることができる。
【0032】
次に、インターフェースソフトの記述方法、つまりソースリストのフローの実施例を示す。
図21はインターフェースソフトによる時間割付の一例を示す概略図である。自動車制御にはさまざまなタイミングで起動する各制御のタスク及びサブルーチンがあり、それぞれがある一定周期で動作している。C言語記述では時間管理及びタイミング割付が困難であるため、自動的割当て機能をインターフェースソフトにもたせた。エンジン制御アプリケーションソフトにはクランク角度割り込み、点火パルス発生、インターバル割り込み、エンジン回転数取り込み処理といった各種の起動タスクが存在しており、それぞれが固有の要求タイミングを持ち、それに見合った回転または時間周期で起動している。また他のAT制御やABS制御アプリケーションソフトに対しても同様である。このようにさまざまな要求タイミングがある各アプリケーションソフト及び内部の各タスクをインターフェースソフトの自動的割当て処理機能においてそれぞれの要求タイミングを判断してマイコンの起動周期設定に必要なタイマ等の初期設定さらに要求タイミングでの処理内容としてベクタアドレスの割付を自動的に行うようにしている。
【0033】
図22は図21の詳細な制御フローチャートの一例である。たとえばC言語記述アプリケーションソフトにおいて、タスク起動タイミングの記述形式を例としてJOB=要求タイミングとした場合に、JOBの内容が何であるかを各起動タスクごとに判別プログラムを動作させ、JOB=A(59)ならマイコンへ2ms周期処理タイミングの初期設定を行い、さらに2ms周期処理としてベクタアドレスの割付60をする。JOB=B(61)なら上記と同様にマイコンへ4ms周期処理タイミングの初期設定を行い、また4ms周期処理としてベクタアドレスの割付62を行い、JOB=REF(65)ならば回転周期処理の初期設定をマイコンに行い、起動タスクのベクタアドレスを割り付ける(66)。また、JOB=X(63)ならばユーザが要求した独自のタイミングたとえば20ms周期とするとそれに応じたマイコンへの初期設定及びベクタアドレスの割付64を行うようにしている。このような機能をインターフェースソフトに持たせておくことで自動車制御ソフトがC言語記述に移行した際の時間管理及びタイミング割付の問題を回避することができる。
【0034】
図23はインターフェースソフトによる割り込みレベル割付のフローチャートの一例である。基本的には時間割付のフローと同様に、各制御内の起動タスクからの要求割り込みレベルのラベルが何であるか判別して、そのラベルに応じて優先順位を各タスクへ割当て、マイコンへの優先順位の初期設定を自動的に行うようにしている。要求レベルがL7かを判断67し、yesならば各対象JOBを割り込みレベル7として優先順位設定68を行う。以下同様に、要求レベルを判別(69,71,73)し、各レベル設定(70,72,74)を行う。各制御アプリケーションソフトにおいて、数多くのタスクが個々のタイミングで起動する中で、各タスクの割り込みレベルの設定は、リアルタイム性が重視される自動車制御では重要な役割をもち、C言語記述化を図った場合には不可能な割り込みレベルの記述が可能となる。
【0035】
表1はタイミング及び優先順位割付のためのC言語記述仕様である。自動車制御に必要な大体のタスク起動タイミングをピックアップして予め仕様化しておき、それを各制御のソフトを開発するときにタスクに要求するタイミング及び優先順位を仕様の中から選択し、タスクの先頭に例えば2ms周期のタスクで優先順位7ならばラベルA,L7を、4ms周期のタスクで優先順位5ならばラベルB,L5を記述すればよい。また回転周期のラベルも数個設けておく。さらに、ユーザ(アプリケーションソフト開発側)設定用のラベルも備えることで要求タイミングを自由に設定できる。このように、アプリケーションソフトはそのままで、インターフェースソフトにおいてマイコンへの初期設定値の決定及び割付を行うこと、つまりインターフェースソフトの改良を行うだけで各種マイコン(CPU)への対応が容易に行うことができる。
【0036】
【表1】
Figure 0003803245
【0037】
さらに、インターフェースソフトの処理機能として対応マイコンで最適と考えられる入出力ポートの割付けを行う。標準ユニットを用いて制御対象の異なった自動車制御を行う場合には、入出力ポートは標準ユニットにより数が限られており、4気筒と6気筒の制御には別々の入出力ポートの割当てが要求される。そのため、最適入出力ポートの割当てのパターンを設定しておき、自動車制御ソフトが、どのタイプを制御しようとしているかを判断してポート割当てのパターンを自動的に選択し、マイコンへの入出力信号を決定するようにする。制御対象に対応した最適な入出力ポートの割当てをそれぞれパターン化して備えておく。
【0038】
図24は最適入出力ポート割当のパターン決定のフローチャートの一例である。まず、制御対象が4気筒エンジン制御ならば、次に空気量測定の方式を判別して空気流量計式ならばパターンAを、吸気管内圧力計式ならばパターンBを割当て、6気筒エンジンの制御においてもパターンC,パターンD等をそれぞれの測定方式のタイプを判別し、それに応じて割当てを行う。これにより共通ユニットを用いての有限である入出力ポートの割当てをパターン化することで、自動的に制御対象に対応した割当てが可能となる。
【0039】
図25はRAM領域内における多用データ一括集団配置の一例である。RAM領域には独自開発されたエンジン,AT,ABS制御用のデータがそれぞれ確保されるが、その中で2つ以上の制御内で使われる使用頻度の高いデータを多用データとして集団配置する。これによりベースレジスタを活用することでプログラムのROM容量を減らすことができる。また、各制御アプリケーションソフト間同志での通信いわゆるデータ提供を行うにしても多用データとして一括配置しておいた方が1ブロックでデータ参照が可能となる。
【0040】
図26は多用データ一括配置のフローチャートの一例である。独自に開発されたエンジン制御、AT制御、ABS制御のC言語記述アプリケーションソフトを用いて、その流れを説明する。図26において、まず、エンジン制御に使用するために宣言された変数が宣言の順番にRAM領域に割り付けられる75。ここでRAM領域内の多用データ割当て領域の先頭アドレスを#ADDとしておき、AT制御で宣言されている変数にエンジン制御変数と同一変数がないか検索76する。同一変数が見つかればそのデータをADD番地に格納し、アドレスADDをインクリメントする。すべてのAT制御の宣言変数をエンジン制御変数と照らし合わせ終わるまで繰り返す。
【0041】
AT制御変数中を検索終了後77、次に、ABS制御において宣言した変数についてエンジン制御及びAT制御変数に同一変数がないか検索78を行い、見つかれば、まず多用データ割当て領域にすでに多用データとして配置されていないかを判別し、なければADD番地にそのデータを格納して、上記と同様にADDをインクリメントしながら全ての変数の照合が終了するまで繰り返す。
【0042】
このような手順を経ることにより、RAM領域内に多用データとして一括して配置することが可能となる。また、エンジン制御だけをみても数多くの起動タスクから構成されており、各タスクにおいて数個の使用変数が宣言されている。このように、1つの制御中にも使用頻度の高いデータが多く含まれている可能性があり、同様の簡単なフロー構成を用いることにより、制御間のみならず各制御内のタスク間における多用データの探索及び一括配置をも行うことができる。
【0043】
次に、監視プログラムにより異常な制御箇所を発見するための一実施例について説明する。
図27は監視プログラムを利用した異常箇所発見のフローチャートの概略図の一例である。図27において、自動車制御の各制御部並びに各タスクには、特有のエラーコードが設定してある。監視プログラムは、エラーコードが発生した時にコード識別により、エンジン制御部か、AT制御部か、あるいはABS制御部かを判別して、それぞれの制御部に設定されたフェール対策を起動するようにしてフェールセーフを行う。また、このようなエラーコードを各制御部とその中の各タスクに設定しておくことにより、1つにした自動車制御の膨大なアプリケーションソフトのデバッグを行う際に、エラーコードを識別すれば、どの制御アプリケーションソフトにおける、どのタスクにおいて異常が発生したか等のバグ要因の発見を容易に行うことが可能となる。
【0044】
さらに、インターフェースソフトにおいて独自開発した各制御アプリケーションソフトの各々のタスクには、タスク起動時に起動フラグをたてるフラグ操作プログラムが付設されている。また、インターフェースソフトには、フラグ操作プログラムによる起動フラグをある一定周期で監視する監視プログラムが設けられている。この監視プログラムは、各タスクの処理時間を演算及び管理を行うとともに、CPU負荷率の診断をも行う。そうして監視プログラム内に設定された各タスクの規定処理時間内にタスク処理が終了しなかったり、あるいは各制御に割り当てられたCPU負荷率を越えた場合に、予め設定された識別可能なエラーコードを出力させてフェールセーフ対策やデバッグ処理に活用する。 監視プログラムを利用して異常箇所を発見するための手法としては、例えば、ソフトウェアタイマを引用したフェールセーフソフト、監視内容を拡張した起動タスク監視プログラム、ウォッチドッグタイマを用いたマクロ処理時間監視の方式などが考えられる。
【0045】
前記ソフトウェアタイマを引用したフェールセーフソフトは、たとえば、その処理時間監視タスクにおいて、複数のタスクを優先順位が高い順に並べておき、実行中のタスクの処理時間監視用のタイマをインクリメントする動作を行い、次に実行中のタスクが規定の処理時間内に終了しているかを調べるもので、予め設定しておいた規定処理時間とタイマのデータを比較して、規定時間を超過していれば各タスク特有のエラーコードを出力するようにしたものである。なお、前記規定処理時間は監視プログラムの起動周期をもとにしてその整数倍で決まるため、起動周期を可変させることにより何msにでも設定することができる。
【0046】
監視内容を拡張した起動タスク監視プログラムは、たとえば、1つのソフト上に各制御のプログラムがあり、それらのタスクを実行した際に監視プログラムが実行タスクの処理時間の演算及び管理、並びに各制御によるCPU負荷率の監視を行えるようにしたものである。この起動タスク監視プログラムには、例えばエンジン制御、AT制御、共通制御等の各制御によるCPU負荷率を監視するためのプログラムが備えられている。このプログラムは、CPUに対する各制御の負荷をカウントし、CPU負荷率の過占有として各制御関係のタスク(仕事)が全体の70%を越えるとエラーとするような負荷率エラーの取り決めを行っておき、各制御部に用意されたカウンタが70以上かを診断して、異常があればその制御部中の各タスクの優先順位の高いほうから処理時間を診断し、異常タスクを指すエラーコードを出力する。負荷率エラーが発生しなくてもCPU負荷率は、ENGINE,AT,COMMON等の各制御部のカウンタから知ることができる。
【0047】
ウォッチドッグタイマを用いたマクロ処理時間監視の方式は、たとえば、処理に異常が生じてウォッチドッグタイマのオーバーフロー設定時間内にタイマがクリアされないと、オーバーフローにより強制割り込み(NMI)が発生して監視プログラムが動きだし、異常発生の直前のスタックポインタ(SP)をもとに各プログラムの格納されているアドレスとで比較し、異常発生のタスクを指すエラーコードを出力するものである。このように、ウォッチドッグタイマ方式は、プログラム規模は小さくて済むが、各タスクの状態を大雑把にしか監視できない。しかし、バグの発生しにくさではウォッチドッグタイマ方式の方が望ましい。
【0048】
次に、インターフェースソフトに記述されるリストに係わる実施例について説明する。
図28はインターフェースソフトに基本処理プログラムの組み込み関数化の一構成例である。エンジン回転取り込み90,車速演算91,タービン回転数92,スロットル開度取り込みプログラム93及びさまざまな周波数で使用される各フィルタの演算プログラム94を関数化し、さらにLAN等の通信用の組み込みソフト95も関数化してインターフェースソフトに持たせた。
【0049】
図29は一般的自動車制御用変数の定義及び宣言の関数化の一例である。膨大なフラグ変数や入出力信号等のI/O変数をインターフェースソフトに定義及び宣言してヘッダファイルとして関数化させる。フラグ変数等は最適C言語となるように、型宣言さらにビットフィールドを考慮して定義しておく。
図30は組み込み関数の仕様の一例である。仕様化しておくことで制御ソフト開発側がヘッダファイルをインクルードし、定義済みの変数を利用して制御を構成することができ、また制御工程で信号取り込みや演算が生じた場合には、先に述べた基本処理関数の中から必要な処理関数を呼び出すようにすれば良い。これらの基本処理プログラムの関数化,一般的自動車制御用のI/O,変数を定義したヘッダファイルの関数化により、自動車制御ソフトの開発を簡略化することができる。すなわち、I/O処理等によりソフトウェアを標準化し、それを仕様書としてアプリケーションソフト開発側(ユーザー)に提示すれば、ユーザー側は、その仕様書を基に必要な機能ソフトをサブルーチン等により追加または変更することができ、機能アップを図ることができる。
【0050】
図31は基本処理関数の処理選択機能の手段の一例である。各制御のアプリケーションソフトからの基本処理関数の呼出しをする時に、引数により処理条件を選択する例を示す。例えば、エンジン回転取り込み関数には、回転数演算方式や取り込みサンプリング時間さらにパルス測定センサに関しても各種の手段が存在する。これらの手段に対応したプログラムをインターフェースソフトに持たせておき、開発側が引数により手段を選択し、これを記述することで開発側の要求を達成することができ、基本処理関数の汎用性が向上する。同様に、フィルタの演算においても引数にフィルタタイプ,カットオフ周波数,次数等をわたせばそれに対応したフィルタを設定できる。
【0051】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、自動車制御にシングルチップマイコンを用いた場合でも、入出力点数の増加や機能の追加に対する対応が容易になり、インターフェースソフトの書換えのみでアプリケーションソフトが永続的に使用可能となり、しかも、コアユニットの作り換えが不必要となるため、プログラムを含めた制御ユニットの開発が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コアユニットの概略図。
【図2】拡張した場合のユニット構成図。
【図3】拡張なしの場合の具体的ユニット構成図。
【図4】拡張あり場合の具体的ユニット構成図。
【図5】コアユニット自体の拡張構成図。
【図6】4,6気筒エンジンに用いる場合の標準ユニット構成図。
【図7】故障診断を加えた6気筒エンジンあるいは自動変速機制御を加えた6気筒エンジンの場合の標準ユニット構成図。
【図8】6気筒統合制御の場合の標準ユニット構成図。
【図9】コアユニットを用いた場合のエンジン・AT制御ユニット構成図。
【図10】コアユニットを用いた場合のABS・トラクション制御ユニット構成図。
【図11】LAN(Local Area Network)を用いた場合のシステム構成図。
【図12】演算ユニットとI/OユニットをLANで通信した場合の構成図。
【図13】従来の空気流量(HW式)センサ信号の処理構成図。
【図14】従来の空気流量(吸気管内圧力式)センサ信号の処理構成図。
【図15】インターフェースソフト内蔵内部ROM搭載した標準ユニットの入力信号処理構成図。
【図16】可変式ハードフィルタを用いた入力信号処理構成図。
【図17】使用センサ分にハードフィルタを備えた入力信号処理構成図。
【図18】インターフェースソフトによるポート割当機能の概略図。
【図19】インターフェースソフトによる入力信号の組み合わせ処理の構成図。
【図20】インターフェースソフトによるセンサ入力時の演算処理機能を示す図。
【図21】インターフェースソフトによる時間割付の概略図。
【図22】時間割付の詳細制御フローチャート。
【図23】インターフェースソフトによる割り込みレベル割付プログラムのフローチャート。
【図24】最適入出力ポート割当のパターン決定のフローチャート。
【図25】RAM領域内における多用データ一括集団配置図。
【図26】多用データ一括配置のフローチャート。
【図27】監視プログラムを利用した異常箇所発見の簡単なフローチャート。
【図28】基本処理プログラムの組み込み関数化の構成図。
【図29】一般的自動車制御用変数の定義及び宣言の関数化の図。
【図30】組み込み関数の仕様を示す図。
【図31】基本処理関数の処理選択機能の手段を示す図。
【符号の説明】
1…コアユニット、2…内部ROM、3…CPU(中央演算処理装置)、4…RAM(書き換え可能なメモリ)、5…拡張手段、6…拡張I/O、7…外付けROM

Claims (5)

  1. スロットル開度を検出するセンサからの情報、空気流量を検出するセンサからの情報、水温を検出するセンサからの情報のうちの何れか1つ以上のアナログ情報が入力される入力部と、
    前記入力部から入力されたアナログ情報の処理を行うハードフィルタと、
    自動変速機の油圧を制御するアクチュエータ、変速位置を制御するソレノイドのうちの何れか1つ以上のアクチュエータを制御する信号を出力する出力部と、
    前記アクチュエータを制御して自動変速機を制御するためのプログラムが格納されたメモリと、
    前記プログラムを演算実行する中央演算処理部と、を備え、
    前記プログラムは、インターフェースソフト及びアプリケーションソフトを有し、
    前記アプリケーションソフトは、前記アクチュエータを制御する演算を行うための機能を有し、
    前記インターフェースソフトは、前記アプリケーションソフトとOS(オペレーティングシステム)の仲介を行うための機能を有し、
    前記インターフェースソフトから前記アプリケーションソフトへの信号の授受は、関数を用いて行なわれ、
    前記メモリ及び中央演算処理部は、シングルチップマイコンとして構成される自動変速機制御ユニット。
  2. 請求項1記載の自動変速機制御ユニットにおいて、
    前記関数は仕様書において標準化された関数であることを特徴とする自動変速機制御ユニット。
  3. 自動変速機を制御する為に、スロットル開度、空気流量、水温、アイドルスイッチ、車速を検出するセンサのうちの何れか1つ以上のアナログ情報の処理を行うハードフィルタと、
    前記ハードフィルタを通った前記アナログ情報のうちから何れか1つ以上を選択するマルチプレクサと、
    前記マルチプレクサの出力をディジタル信号に変換するA/Dコンバータと、
    前記A/Dコンバータからのディジタル信号に基づいて、自動変速機の油圧を制御するアクチュエータ、変速位置を制御するソレノイドのうちの何れか1つ以上のアクチュエータに送る情報を演算するアプリケーションソフトと、
    前記アプリケーションソフトとの間で相互に信号の授受を行うインターフェースソフトであって、スロットル開度、空気流量、水温、アイドルスイッチ、車速のうちの何れか1つ以上の情報に基づいて前記アプリケーションソフトへ送る信号を演算するインターフェースソフトと、
    が書き込まれたメモリと、
    前記アプリケーションソフトと前記インターフェースソフトとを演算実行する1つの中央演算処理装置とを有し、
    前記アプリケーションソフト及び/又は前記インターフェースソフトは互いに独立に修正可能であり、前記インターフェースソフトから前記アプリケーションソフトへの信号の授受が仕様書において標準化された関数を用いて行われる構成で作成された自動変速機制御ユニット。
  4. 請求項1からのいずれか1項記載の自動変速機制御ユニットにおいて、
    前記アプリケーションソフトが、変速点制御又はロックアップ制御を行うものであることを特徴とする自動変速機制御ユニット。
  5. 請求項1からのいずれか1項記載の自動変速機制御ユニットにおいて、
    前記アプリケーションソフト及び/又は前記インターフェースソフトはC言語を用いて記述されたことを特徴とする自動変速機制御ユニット。
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