JP2001277511A - 液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出装置

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JP2001277511A
JP2001277511A JP2000095000A JP2000095000A JP2001277511A JP 2001277511 A JP2001277511 A JP 2001277511A JP 2000095000 A JP2000095000 A JP 2000095000A JP 2000095000 A JP2000095000 A JP 2000095000A JP 2001277511 A JP2001277511 A JP 2001277511A
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energy
discharge
head
inertance
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Katsuhiko Shinjo
克彦 新庄
Akira Asai
朗 浅井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体吐出ヘッドの吐出に関するエネルギ効率
を向上させ、安定した液滴の吐出を可能とする。 【解決手段】 液体吐出ヘッド31は、前方イナータン
スA1と、後方イナータンスA2と、外界の圧力P
ambと、吐出口38から吐出された液体の体積Vdと、気
泡が発生する際の初期発泡撃力によって液体が受ける単
位面積当たりの力積である発泡撃力Πと、抵抗B1とに
基づく無次元数αが0.5以下となるように作製された
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流路内の液体を加
熱して発泡させ、気泡が発生する際に生じる圧力を利用
して液体を吐出させる液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘ
ッドを用いた液体吐出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体を加熱して発泡させ、その時
に発生する高圧を利用して液体を吐出させる液体吐出方
法として、以下に示すような公知例が知られている。
【0003】特開昭55−59975号公報には、液体
の供給方向と吐出方向との角度を略90度とすることに
よって、吐出効率、吐出応答性、吐出安定性、長時間記
録性を向上させる装置が開示されている。特開昭55−
132270号公報には、吐出口の口径をdとしたと
き、ノズル内の発熱体の位置を吐出口からdないし50
dの位置に設けることにより熱効率、吐出応答性、吐出
安定性を向上させる装置が開示されている。特開昭55
−132276号公報には、発熱体の寸法、位置、液流
路長を所定の関係を満たすように構成することによって
エネルギ効率を向上させ、高速度で高品位の記録を行え
る装置が開示されている。特開昭56−46769号公
報には、液流路と発熱体とを所定の位置、寸法に構成す
ることによって、エネルギを液滴吐出のために効率よく
消費し、かつ、液滴形成が安定して行われる液体吐出ヘ
ッドが開示されている。特開昭61−40160号公報
には、流体の流れる方向によって抵抗係数の異なる抵抗
物体を発熱体に近接して配置し、液体は、液体が供給さ
れる側、すなわち、吐出口とは逆方向にはながれにく
く、一方、気泡は抵抗物体からの反力を受けて液体を吐
出口方向に押し出すように成長させる液体吐出ヘッドが
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
従来例では、液流路中の流体運動におけるエネルギ効率
が考慮されることで、それぞれの装置あるいは液体吐出
ヘッドについて良好なエネルギ効率が達成されるもの
の、液流路の寸法を設計変更した場合には、最終的に吐
出する流体の運動エネルギへの変換効率は低下してしま
い、安定した液滴の吐出ができなくなる場合が生じると
いう問題があった。
【0005】そこで本発明は、安定した液滴の吐出が可
能な液体吐出ヘッド及び該液体吐出ヘッドを用いた液体
吐出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の液体吐出ヘッドは、液体が吐出される吐出口
と、液体が供給される供給口と、前記吐出口と前記供給
口とを連通する液流路と、前記液流路内の液体に伝熱面
から熱エネルギを与えて気泡を発生させ、前記気泡の発
泡撃力を利用して前記吐出口から液体を吐出させる、前
記液流路内に設けられたエネルギ発生手段とを有する液
体吐出ヘッドにおいて、前記気泡が発泡する際の発泡エ
ネルギを1としたとき、前記発泡エネルギのうちの、液
体を吐出するための前記液体の運動エネルギに寄与しな
いエネルギの総和を表す無次元数が0.5以下である。
【0007】上記の通りの本発明の液体吐出ヘッドは、
気泡が発泡する際の発泡エネルギを1としたとき、発泡
エネルギのうちの、液体を吐出するための運動エネルギ
に寄与しないエネルギの総和を表す無次元数が0.5以
下である液体吐出ヘッドとすることで液体の吐出に関す
るエネルギ効率を高められる。
【0008】また、無次元数は、第1のイナータンス
と、第2のイナータンスと、外界の圧力と、吐出口から
吐出された液体の体積と、気泡が発生する際の初期発泡
撃力によって液体が受ける単位面積当たりの力積と、抵
抗とに基づいた値であってもよい。
【0009】また、無次元数は、 α=A1/(A1+A2)+2・A1・Pamb・Vd/Π2+2・
1・Vd/Π α:無次元数 A1:第1のイナータンス A2:第2のイナータンス Pamb:外界の圧力 Vd:吐出口から吐出された液体の体積 Π:力積 B1:抵抗 で表されるものであってもよい。
【0010】また、エネルギ発生手段は、熱エネルギを
発生させるための電気熱変換体を備えているものであっ
てもよい。
【0011】本発明の液体吐出装置は、本発明の液体吐
出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドから吐出された液体を
受ける被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段とを有
する。
【0012】また、本発明の液体吐出装置は、液体吐出
ヘッドからインクを吐出し、被記録媒体にインクを付着
させることで記録を行うものであってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0014】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態の液体吐出ヘッド1の模式的側断面図であ
る。
【0015】液体吐出ヘッド1は、ノズル2内の液体3
に気泡4を発生させるための伝熱面5を有する発熱体6
がノズル2内に設けられており、また、液体の吐出方向
(図1中右側)には液体を吐出する吐出口8と、その反
対側には液体が供給される供給口7とが形成されてい
る。液体3は供給口7から供給され、伝熱面5上の液体
を急激に加熱して液体3に膜沸騰を生じさせ、これによ
り発生した気泡の成長に伴う圧力によって液体を吐出口
8から吐出させる。
【0016】ここで、図1に示した液体吐出ヘッド1
は、以下に示す式(1)で表される無次元数αが0.5
以下となるように、各部の寸法が設計されている。無次
元数αは液体吐出ヘッド1の液体3の吐出に関するエネ
ルギ効率を規定するものであり、液体吐出ヘッド1に固
有の値である。 α=A1/(A1+A2)+2・A1・Pamb・Vd/Π2+2・B1・Vd/Π …(1)
【0017】式(1)において、A1は前方イナータン
スであり、A2は後方イナータンスであり、Pambは外界
の圧力であり、Vdは最終的に吐出する液滴の体積であ
り、Πは初期発泡撃力によって受ける単位面積当たりの
力積(発泡撃力)であり、B1は前方抵抗である。
【0018】以下に、無次元数αによって、如何にエネ
ルギ効率が規定されるかについて詳細に説明する。
【0019】まず、液体吐出ヘッド1のノズル2から液
体が吐出される状況を示す図2及び、図2に示す液体3
の吐出時における気泡内圧力と時間の関係を示すグラフ
である図3を用いて、液体3が発熱体6の伝熱面5の発
熱により発生した気泡4をどのように利用して、吐出口
8から吐出されるかを説明する。
【0020】なお、図3に示す気泡内圧力と時間の関係
は、本発明に関与する気泡4の発生から液滴9の吐出ま
での関係のみを示したものである。
【0021】時刻t=0において発熱体6を駆動する
と、伝熱面5上の液体3が発泡し、気泡内圧力は非常に
高圧となり、液体3は瞬間的に前方である吐出口8側に
押されるとともに、後方である供給口7にも押し戻され
る。そして、急峻に立ち上がった気泡内圧力は、時刻t
=dtまでに急激に低下し、時刻t=dtにおいて0と
なる。
【0022】時刻t=dt以降は、気泡4の圧力が外部
の圧力Pambよりも小さくなり、負圧(外圧との差はほ
とんど−Pamb)の状態となるが液体3は慣性により運
動を続け、気泡4はさらに大きくなる。そして、気泡4
の負圧及び液体3の粘性の影響により、液体3の運動速
度は減速してゆき、時刻t=t1において液滴9が形成
され、吐出口8より吐出される。
【0023】その後、液滴9に取り込まれずにノズル2
内に残った液体3は最終的に供給口7から供給される液
体3と合体し、初期状態へと戻る。
【0024】すなわち、気泡4の発泡による瞬間的な撃
力を受けた液体3がその直後から気泡4による負圧及び
液体3の粘性で減速されながら運動してゆき、最終的に
液滴9が形成され、吐出口8から外界へと吐出される。
【0025】ここで、初期の撃力によって受ける単位面
積当たりの力積であるΠを発泡撃力と呼ぶ(〜P0・dt
/2:ここで、P0は初期発泡圧力)こととする。ま
た、ここではP0>>Pambとした。
【0026】次に液体吐出ヘッド1内の液体の運動を数
式的に示すモデルについて説明する。
【0027】液体吐出ヘッド1は図4に示すように、伝
熱面S1と、吐出口S2と、供給口S 3とを開口とした3
開口の流体系と考え、また、液体3の吐出現象を、液体
3の慣性が支配的である初期(発泡直後)と、液体3の
粘性が支配的となる後期とに分けて考える。
【0028】液滴9の吐出現象の初期(発泡直後)にお
いては、液体3の圧縮性、対流、粘性は無視でき、液体
3の慣性の効果がメインであるので、伝熱面5にかかる
圧力P1、吐出口8にかかる圧力P2、供給口7にかかる
圧力P3、伝熱面5での液体3の体積変化V1、吐出口8
での液体3の体積変化V2、供給口7での液体3の体積
変化V3とすると、これらの関係式は
【0029】
【数1】 で表される。ただし、各体積変化は外向きを正としてい
る。また、前方イナータンスA1、後方イナータンス
2、A3はノズルの形状のみで定まる量であり、
【0030】
【数2】 である。ここで、ρは液体3の密度、φ1はラプラス方
程式
【0031】
【数3】 の解である。ただし、伝熱面S1上でφ1=1、吐出口S
2、供給口S3上でφ1=0、壁面上でφ1の法線方向微分
=0である。また、φ2はラプラス方程式
【0032】
【数4】 の解であり、n2、n3はそれぞれ吐出口S2、供給口S3
から液体3へ向かう法線単位ベクトルである。ただし、
吐出口S2上でφ2=1、供給口S3、伝熱面S1上でφ2
=0、壁面上でφ2の法線方向微分=0である。
【0033】一方、吐出現象の後期においては、液体3
の粘性の影響がメインとなり、また、流体3の速度変化
は初期に比べ小さくなるので、定常ストークス流で近似
して、
【0034】
【数5】 と表せる。ここで、B1(前方抵抗)、B2、B3は粘度
μに比例する量で、液体3の圧力をp、速度ベクトルを
vとして、方程式
【0035】
【数6】 及び連続の式からp、vを求め、吐出口S2上で速度ベ
クトルの法線成分を積分する(dV2/dtを計算す
る)ことによって決定できる。B2、B3についても同様
である。
【0036】以上のように、吐出現象の初期の液体3の
体積変位加速度は、開口部の圧力とイナータンスにより
表され、吐出現象の後期の液体3の体積変位加速度は、
開口部の圧力と抵抗により表される。さらに、初期と後
期の両者を総合的に扱うのであれば、3開口系の問題は
近似的に図5に示す等価回路で考えてもよい。表1に図
5に示した等価回路と3開口系との対応関係をまとめ
る。
【0037】
【表1】
【0038】これにより、前述のように伝熱面S1上で
発泡撃力Πを受けた後、吐出口S2、供給口S3にかかる
圧力がPambで、伝熱面S1がほとんど負圧状態で吐出口
に向かう液体の運動は、 A1・d22/dt2+B1・dV2/dt=−Pamb …(10) という方程式で記述できる。t=0での初期条件として
は、 dV2/dt=Π/A1 …(11) である。また、t=0において液体3に投入される発泡
エネルギは、 Ein=(A1+A2)/(2・A1・A2)・Π2 …(12) である。この方程式において、V2=Vd(液滴体積)と
なる時刻τは、 τ〜A1・Vd/Π …(13 ) であり、その時、体積変位速度dV2/dtは、 dV2/dt〜Π/A1・{1−(A1・Pamb・Vd/Π2)−(B1・Vd/Π) } …(14) となる。したがって、最終的に吐出される液滴9の運動
エネルギは、 Edrop=A1・(dV2/dt)2/2 〜Π2/(2・A2)・{1−(A1・Pamb・Vd/Π2)−(B1・Vd /Π)2} …(15 ) と、見積もることができる。
【0039】以上より、発泡エネルギから液滴9の運動
エネルギに変換される効率ξは、 ξ=Edrop/Ein=(1−α1)・(1−α2−α32〜1−(α1+2・α2+2・ α3)=1−α …(16) となる。ここで、無次元数α、α1、α2、α3は、 α=α1+2・α2+2・α3 …(17 ) α1=A1/(A1+A2) …(18) α2=A1・Pamb・Vd/Π2 …(19) α3=B1・Vd/Π …(20) であり、液体吐出ヘッド1に固有の無次元数αにより、
エネルギ効率を評価することができる。
【0040】ここで、図6を用いて無次元数α1、α2
α3について説明する。
【0041】気泡4の発泡エネルギは、大きく分けて、
吐出口3方向に液体を運動させる前方運動エネルギと、
供給口7側に液体3を押し戻す後方運動エネルギとに分
けられる。このうち、前方運動エネルギは、さらに液滴
9を吐出させるために用いられるエネルギである液滴運
動エネルギと、液体3の粘性により消費される粘性ロス
と、大気圧に対する仕事とに分けられる。
【0042】α1は、後方運動エネルギ/発泡エネルギ
であり、2α2は外圧(大気圧)に対する仕事/発泡エ
ネルギであり、2α3は、粘性ロス/発泡エネルギであ
る。
【0043】すなわち、本実施形態の液体吐出ヘッド1
は、発泡エネルギを1としたとき、液滴9を吐出するた
めの運動エネルギに寄与しないエネルギの総和を表す無
次元数αを0.5以下、すなわち、運動エネルギに寄与
しないエネルギの総和を発泡エネルギの半分以下とする
ものである。
【0044】次に、発泡衝撃Π、及び液滴体積Vdの測
定方法に関して説明する。
【0045】これらは、液体吐出ヘッド1の上方あるい
は側方からストロボ、レーザ、LED等のパルス状に発
光できる光源によって液体吐出ヘッドを照射し、顕微鏡
により観察を行うことで測定可能である。すなわち、液
体吐出ヘッド1のノズル2内の発熱体6に与える駆動パ
ルスに同期させてパルス光源を発光させ、発泡開始から
十分小さい時間刻みで発光までの遅延時間を変化させ、
吐出口8から吐出されようとしている液体3の体積変位
量を観察し、これらを基に時刻0(発泡時刻)での体積
変位速度を求めることにより、発泡衝撃Πを算出する。
また、液滴体積Vdに関しては、上記測定方法と同様に
パルス光源を照射して観察することで液滴体積Vdを見
積もる。
【0046】以上説明したように、液体吐出ヘッド1に
固有の無次元数αを0.5以下とした液体吐出ヘッド1
とすることで、液滴9を吐出するための運動エネルギに
寄与しないエネルギを減少させることとなり、よって、
液滴9の吐出に関するエネルギ効率を高め、安定した液
滴9の吐出を実現することができる。
【0047】(第2の実施形態)次に、図7(a)及び
図7(b)に本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッド
31の模式的な平面図及び側断面図をそれぞれ示す。
【0048】本実施形態の液体吐出ヘッド31は発熱体
36の伝熱面35に実質的に平行に対面する様に吐出口
38が配された、いわゆるサイドシュータタイプのヘッ
ドであるが、吐出方向が第1の実施形態の液体吐出ヘッ
ド1と異なるだけで、それ以外の液体33が供給口37
から供給され、伝熱面35上の液体を急激に加熱して膜
沸騰を生じさせ、これにより発生した気泡の成長に伴う
圧力によって液体33を吐出口38から吐出させるとい
った、液体33の吐出方法は第1の実施形態と同様であ
るため、詳細の説明は省略する。また、エネルギ効率の
評価は、第1の実施形態の液体吐出ヘッド1と本実施形
態の液体吐出ヘッド31とは形状が異なるものの、無次
元数αにより液体33の吐出に関するエネルギ効率の評
価を行うため、第1の実施形態と同様の取り扱いが可能
である。
【0049】すなわち、本実施形態も第1の実施形態と
同様に、液体吐出ヘッド31に固有の無次元数αを0.
5以下とした液体吐出ヘッド31とすることで、液体3
3を吐出するための運動エネルギに寄与しないエネルギ
を減少させることとなり、よって、液体33の吐出に関
するエネルギ効率を高め、安定した液体33の吐出を実
現することができる。
【0050】以上、第1及び第2の実施形態を例に挙げ
て本発明の液体吐出ヘッド1、31について説明した
が、以下に、本発明の液体吐出ヘッド1、31が適用さ
れた液体吐出装置200について、その一例の外観図を
示す図8を用いて説明する。
【0051】なお、以下の説明に用いる記号は、代表と
して第1の実施形態で用いられた記号を用いる。
【0052】本発明の液体吐出ヘッド1は、駆動モータ
201の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア202、2
03を介して回転するリードスクリュー204の螺旋溝
221に対して係合するキャリッジ212上に搭載され
ており、駆動モータ201の動力によってキャリッジ2
12とともにガイド219に沿って矢印a、b方向に往
復移動される。不図示の記録媒体給送装置によってプラ
テン206上に搬送される記録用紙P用の紙押さえ板2
05は、キャリッジ212の移動方向にわたって記録用
紙をプラテン206に対して押圧する。
【0053】フォトカプラ207、208は、キャリッ
ジ212のレバー209のこの域での存在を確認して駆
動モータ201の回転方向切り替え等を行うためのホー
ムポジション検知手段である。支持部材223は液体吐
出ヘッド1の全面をキャップするキャップ部材211を
支持するものであり、また、吸引手段230はキャップ
部材211内を吸引するものであり、キャップ内開口2
13を介して液体吐出ヘッド1の吸引回復を行う。
【0054】移動部材215は、クリーニングブレード
214を前後方向に移動可能にするものであり、本体支
持板216にこれらは支持されている。なお、クリーニ
ングブレード214は、この形態でなく周知のクリーニ
ングブレードが本体に適用できることは言うまでもな
い。
【0055】また、レバー217は、吸引回復の吸引を
開始するためのもので、キャリッジ212と係合するカ
ム218の移動に伴って移動し、駆動モータ201から
の駆動力がクラッチ切り替え等の公知の伝達手段で移動
制御される。液体吐出ヘッド1に設けられた発熱部(不
図示)に信号を付与したり、上述した各機構の駆動制御
を司ったりする記録制御部は、液体吐出装置200本体
側に設けられている(不図示)。
【0056】上述したような構成の液体吐出装置200
は、前記記録媒体給送装置によってプラテン206上に
搬送される記録用紙Pに対し、液体吐出ヘッド1が前記
記録用紙Pの全幅にわたって往復移動しながら記録を行
うものである。
【0057】なお、液体吐出ヘッド1はキャリッジ21
2と一体となったものでもよいし、着脱可能に搭載され
ているものでもよい。また、液体吐出ヘッド1に対して
供給されるインクを貯溜するためのインク貯溜部(不図
示)と液体吐出ヘッド1とは、お互いが一体となったも
のでもよいし、それぞれが互いに別体として取り外し可
能に組み合わせた形態のものであってもよい。
【0058】さらに、本発明において称する液体吐出装
置200は、ワードプロセッサ、コンピュータ等の情報
処理機器の出力端末として一体的に、また別体として設
けられるものの他、情報読み取り機器等と組合わされた
複写装置、情報送受信機能を有するファクシミリ装置、
布への捺染を行う機械等の種々の形態を包含するものを
意味する。
【0059】
【実施例】次に、上記の実施形態の実施例について以下
に説明する。
【0060】本実施例では、上述の第2の実施形態で示
したサイドシュータタイプと同形式の液体吐出ヘッド4
1を設計、製作した。
【0061】図9に液体吐出ヘッド41の各部寸法を示
す。ただし、図9中に示す各寸法の単位はμmである。
【0062】液体吐出ヘッド41は、液体の流路となる
液流路49と、発熱体46の設けられた液室49と、液
体が吐出される吐出口48とからなるノズル55を有す
る。
【0063】供給口47の寸法は幅30[μm]、高さ
12[μm]であり、供給口47と液室50とを連通す
る液流路49は、長さが100[μm]で、供給口47
と同寸法の幅30[μm]、高さ12[μm]である。
液室50と液流路49との境界には高さ2[μm]の段
差52が形成されており、液室50の高さは10[μ
m]である。また、液室50は、段差52のところで液
流路49と同じ幅の30[μm]で、そこから奥行き2
5[μm]のところの奥壁53の幅が15[μm]であ
る。すなわち、液室50の平面形状は台形形状を呈して
いる。液室50の下壁に設けられた伝熱面45を有する
13[μm]角の発熱体46の上方の投影された位置
に、13[μm]角の吐出口48が形成されている。す
なわち、吐出口48は、段差52の稜線に平行な吐出口
48の2つの辺が、段差52から液室50の方に10
[μm]の位置と、液室50の奥壁53から液室50の
方に2[μm]の位置にそれぞれ形成され、また、液流
路49の側壁54に平行な吐出口48の2つの辺が、液
流路49の両側壁54からそれぞれ液流路49側に8.
5[μm]の位置に形成されているものである。この吐
出口48の吐出方向長さは4[μm]である。
【0064】以上のような形状の液体吐出ヘッド41に
おける本実施例での計算領域は、吐出されるべき液体が
存在するノズル56内を計算領域とした。この計算領域
を1ミクロン立方のメッシュで分割し、第1及び第2の
実施形態で示した方程式を有限要素法により解き、前方
イナータンスA1と、後方イナータンスA2と、前方抵抗
1とを求めた。すなわち、 A1=0.0433[ng/μm4] A2=0.510[ng/μm4] B1=0.00564[ng/(μm4・μs)] を得た。なお、実際に使用するインクにあわせ、液体の
密度は1.0[g/cm 3]、粘度を2.2[cP]と
して計算した。
【0065】また、第1及び第2の実施形態で示した方
法により発泡衝撃Πを見積もるため、発熱体46の加熱
のためのパルスを印加して実際に気泡を発泡させ、スト
ロボ顕微鏡により観察したところ、 Π=250[ng/(μm・μs)] を得た。また、液滴体積Vdは、 Vd=2.01×103[μm3] を得た。
【0066】なお、外部の(吐出口48、供給口47の
外)圧力は大気圧 Pamb=101[kPa] とした。
【0067】以上の値を第1の実施形態で示した方程式
(17)〜方程式(20)に代入することにより得られ
た無次元数αはα=0.45となった。すなわち、無次
元数αが0.5以下の液体吐出ヘッドを作製した。
【0068】一方、比較のために、液体吐出ヘッド41
の吐出口48及び発熱体46の寸法を13[μm]角か
ら、11[μm]角へと小さくした比較用液体吐出ヘッ
ドを、液体吐出ヘッド41と同様の作製方法及び材料を
用いて作製した。この比較用液体吐出ヘッドの前方イナ
ータンスA1と、後方イナータンスA2と、前方抵抗B 1
として、 A1=0.0563[ng/μm4] A2=0.487[ng/μm4] B1=0.0174[ng/(μm4・μs)] を得た。
【0069】また、発泡衝撃Π及び液滴体積Vdとし
て、 Π=250[ng/(μm・μs)] Vd=1.50×103[μm3] を得た。
【0070】これらの値を用いて、この比較用液体吐出
ヘッド無次元数αを求めたところ α=0.59 を得た。すなわち、無次元数αが0.5より大きい比較
用液体吐出ヘッドを作製した。
【0071】以上、無次元数αが0.5以下の液体吐出
ヘッド41と、無次元数αが0.5より大きい比較用液
体吐出ヘッドとの2つの液体吐出ヘッドを実際に使用
し、液滴の連続吐出、及びインターバルをおいての液滴
の吐出の試験を行ったところ、無次元数αが0.5以下
の液体吐出ヘッド41の場合、全ての試験条件下におい
て、液滴の体積、速度にばらつきのない、安定した液滴
の吐出が可能であった。一方、無次元数αが0.5より
大きい比較用液体吐出ヘッドの場合、吐出の繰り返し周
波数を変えると、液滴の体積、速度にばらつきが見ら
れ、安定した吐出ができなかった。これは、吐出に関す
るエネルギ変換効率が低いことで液滴のもつ運動エネル
ギが小さくなり、液滴が外乱あるいはヘッド自体の温度
変化等の影響を受けやすくなったことが原因の一つとし
て考えられる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、気泡が発
泡する際の発泡エネルギを1としたとき、発泡エネルギ
のうちの、液体を吐出するための液体の運動エネルギに
寄与しないエネルギの総和を表す無次元数が0.5以下
である液体吐出ヘッドとすることで液体の吐出に関する
エネルギ効率を高め、安定した液体の吐出が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの模
式的側断面図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドのノズルから液体
が吐出される状況を示す図である。
【図3】図2に示す液体の吐出時における気泡内圧力と
時間の関係を示すグラフである。
【図4】伝熱面と、吐出口と、供給口とを開口とした3
開口の流体系のモデル図である。
【図5】図4に示した3開口系との等価回路を示す図で
ある。
【図6】本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドに固
有の各無次元数を説明する図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの模
式的平面図及び側断面図である。
【図8】本発明の液体吐出ヘッドが適用された液体吐出
装置の一例の外観図である。
【図9】本発明の実施例の液体吐出ヘッドの模式的平面
図及び側断面図である。
【符号の説明】
1、31、41 液体吐出ヘッド 2、55 ノズル 3、33 液体 4、34 気泡 5、35、45 伝熱面 6、36、46 発熱体 7、37、47 供給口 8、38、48 吐出口 9 液滴 15 第1のノード 17 第2のノード 18 第3のノード 49 液流路 50 液室 52 段差 53 奥壁 54 側壁 200 液体吐出装置 201 駆動モータ 202、203 駆動伝達ギア 204 リードスクリュー 205 紙押さえ板 206 プラテン 207、208 フォトカプラ 209、217 レバー 211 キャップ部材 212 キャリッジ 213 キャップ内開口 214 クリーニングブレード 215 移動部材 216 本体支持板 218 カム 219 ガイド 220 液体吐出ヘッド 221 螺旋溝 223 支持部材 230 吸引手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が吐出される吐出口と、液体が供給
    される供給口と、前記吐出口と前記供給口とを連通する
    液流路と、前記液流路内の液体に伝熱面から熱エネルギ
    を与えて気泡を発生させ、前記気泡の発泡撃力を利用し
    て前記吐出口から液体を吐出させる、前記液流路内に設
    けられたエネルギ発生手段とを有する液体吐出ヘッドに
    おいて、 前記気泡が発泡する際の発泡エネルギを1としたとき、
    前記発泡エネルギのうちの、液体を吐出するための前記
    液体の運動エネルギに寄与しないエネルギの総和を表す
    無次元数が0.5以下であることを特徴とする液体吐出
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記無次元数が、 第1のイナータンスと、 第2のイナータンスと、 外界の圧力と、 前記吐出口から吐出された液体の体積と、 前記気泡が発生する際の初期発泡撃力によって液体が受
    ける単位面積当たりの力積と、 抵抗とに基づいた値である請求項1に記載の液体吐出ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 前記無次元数が、 α=A1/(A1+A2)+2・A1・Pamb・Vd/Π2+2・
    1・Vd/Π α:無次元数 A1:第1のイナータンス A2:第2のイナータンス Pamb:外界の圧力 Vd:吐出口から吐出された液体の体積 Π:力積 B1:抵抗 である請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記エネルギ発生手段は、熱エネルギを
    発生させるための電気熱変換体を備えている請求項1な
    いし3のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドから吐出され
    た液体を受ける被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手
    段とを有する液体吐出装置。
  6. 【請求項6】 前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
    し、被記録媒体にインクを付着させることで記録を行う
    請求項5に記載の液体吐出装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008055630A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Canon Inc 液体吐出方法および液体吐出ヘッド
JPWO2019244984A1 (ja) * 2018-06-22 2021-07-01 国立大学法人東京農工大学 液体ジェット射出装置

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JP7079944B2 (ja) 2018-06-22 2022-06-03 国立大学法人東京農工大学 液体ジェット射出装置

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