JP2001275412A - 牽引式の苗移植装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラクタ等の走行車体に装着した機体１に、
圃場面２に溝３を掘る溝堀体４、この溝３内に苗５を落
とし込むシュート６、前記溝３を左右両側から埋め戻す
左右一対の覆土輪体７，８を取付け、更に、前記シュー
ト６に、前記苗５が素通りする開口部９を設けて成る苗
移植装置において、前記溝３内に落とし込んだ苗５の植
えつけ姿勢を安定化する。 【解決手段】 両覆土輪体７，８のうちいずれか一方又
は両方に、その回転中に前記開口部９の位置したときに
おいてこの開口部９を横切る姿勢になるように構成した
苗支持片１０を設けて、この苗支持片１０にて苗５の後
方側をガイド又は支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の走行
車体にて牽引されながら、圃場面に適宜間隔で野菜等の
苗植えつけを行うようにした牽引式の苗移植装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、こ
の種の牽引式苗移植装置は、トラクタ等の走行車体に装
着された機体に、前方から圃場面に対する溝堀体と、こ
の溝堀体にて掘った溝に苗を落とし込む略パイプ状のシ
ュータと、前記圃場面における溝を左右両側から埋め戻
すための左右一対の覆土輪体とを設けた構成にしている
ことは周知の通りである。

【０００３】しかし、この従来における牽引式苗移植装
置においては、苗を、圃場面に掘った溝内に略パイプ状
のシュートを介して落とし込むようにしているが、前記
シュートのうち走行方向に対して後ろ側の側面には、開
口部を設けて、前記溝に落とし込んだ苗が、この開口部
を素通りするという構成にしなければならないから、以
下に述べるような問題があった。

【０００４】すなわち、シュートを介して溝に落とし込
まれる苗は、その前方及び左右両側が前記シュートにて
ガイドされているものの、前記シュートに設けた開口部
の側ではガイドされないので、苗は、溝内に落ち込んだ
瞬間後方の開口部に向かって傾くことになり、しかも、
この後方への傾きは、植えつけ速度に比例して増大する
から、苗の植えつけ姿勢が不安定であるばかりか、苗の
植えつけ速度を遅くしなければならないのであった。

【０００５】本発明は、この問題を解消した苗移植装置
を提供することを技術的課題とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「トラクタ等の走行車体に装着した機
体に、前から順番に、圃場面に対する溝堀体、この溝堀
体に掘った溝内に苗を落とし込むシュート、前記溝を左
右両側から埋め戻すための左右一対の覆土輪体を取付
け、更に、前記シュートのうち走行方向に対して後ろ側
の側面に、前記苗が素通りする開口部を設けて成る苗移
植装置において、前記両覆土輪体のうちいずれか一方又
は両方に、当該覆土輪体の回転中に前記開口部の位置し
たときにおいてこの開口部を横切る姿勢になるように構
成した苗支持片を、当該覆土輪体における円周上の複数
箇所に設ける。」という構成にした。

【０００７】

【発明の作用・効果】この構成において、走行車体の牽
引により、圃場面には先ず溝堀体にて溝が掘られ、次い
で、この溝内に、前記溝堀体の後方に位置するシュート
を介して苗が落とし込まれ、そして、その後方に位置す
る左右一対の両覆土輪体が圃場面に接触した状態で連れ
回転することにより、この両覆土輪体にて前記溝が埋め
戻されることになって、所定の苗植えつけが行われる。

【０００８】この苗植えつけに際して、前記両覆土輪体
の連れ回転中に、この両覆土輪体のちういずれか一方又
は両方に設けた各苗支持片のうち一つの苗支持片が前記
シュートの開口部の位置にきて、この開口部を横切る姿
勢になったとき、苗を前記シュートを介して落とし込む
ようにタイミングを設定することにより、前記シュート
を介して溝内に落とし込まれた苗は、その後方側が前記
シュートの開口部を横切る姿勢の前記苗支持片にてガイ
ド又は支持されることになるから、この苗が、前記開口
部に向かって後方に傾くことを、前記苗支持片にて確実
に阻止できるのである。

【０００９】従って、本発明によると、苗植えつけに際
して苗が後方側に傾斜することを確実に阻止することが
できるから、苗植えつけの姿勢を安定化した状態のもと
で、苗植えつけの速度を向上できる効果を有する。

【００１０】特に、請求項２に記載したように、前記覆
土輪体における各苗支持片を、覆土輪体の内側面から内
向きに突出する起立した姿勢と、この起立した姿勢から
横向きに倒れた姿勢とに変更できるよう構成すると共
に、弾性力にて前記起立した姿勢に保持するように構成
したことにより、各苗支持片を、覆土輪体の回転中にお
いてシュートの開口部の位置にきた時点で開口部を横切
る姿勢にすることを、簡単な構成で達成することができ
る利点を有する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
１及び図２の図面について説明する。

【００１２】この図において、符号１は、図示しないト
ラクタ等の走行車体に連結した機体を示し、この機体１
には、その前方から順番に、圃場面２に対して溝３を掘
る溝堀体４と、この溝堀体４にて掘った溝３内に苗５を
落とし込むための略パイプ状のシュート６と、前記溝３
を左右両側から埋め戻すための左右一対の覆土輪体７，
８とが取付けられている。

【００１３】矢印Ａへの牽引により、先ず、圃場面２に
は溝堀体４にて溝３が順次掘られ、次いで、この溝３内
には、シュート６を介して苗５が落とし込まれる。そし
て、その後方に位置する左右一対の両覆土輪体７，８が
圃場面２に接触した状態で矢印Ｂ方向に連れ回転するこ
とにより、この両覆土輪体７，８にて前記溝３が埋め戻
されることになり、これにより、所定の苗植えつけが行
われる。

【００１４】この場合において、前記シュート６のうち
後ろ側の側面には、前記溝３内に落とし込んだ苗５が通
過するための開口部９が設けられている。

【００１５】そして、前記両覆土輪体７，８のうち一方
の覆土輪体７には、その内側面における円周等分箇所に
棒状に構成した苗支持片１０を内側面から内向きに突出
する起立した姿勢にして設ける。

【００１６】この各苗支持片１０を、ゴム等の軟質弾性
体製にすることにより、前記内側面から内向きに突出す
る起立した姿勢と、この起立した姿勢から横向きに倒れ
た姿勢とに変更できるよう構成すると共に、弾性力にて
前記起立した姿勢に保持するように構成する。

【００１７】この構成において、両覆土輪体７，８のう
ち一方の覆土輪体７における各苗支持片１０は、当該覆
土輪体７の回転に伴って前記シュート６の箇所を通過す
るときには、このシュート６の側面に接触することで、
その弾性力に抗して横向きに倒れ、この倒れた姿勢で前
記シュート６の箇所を通過し、やがて、前記シュート６
における開口部９の箇所にきたとき、前記シュート６の
箇所から離れることにより、その弾性力により起立した
姿勢に復帰して、前記開口部９に横切る姿勢になる。

【００１８】そこで、このように、各苗支持片１０のう
ち一つの苗支持片１０がシュート６の開口部９を横切る
姿勢になったとき、苗５を前記シュート６を介して溝３
内に落とし込むようにタイミングを設定することによ
り、前記シュート６を介して溝３内に落とし込まれた苗
５は、その後方側が前記シュート６の開口部９を横切る
姿勢の前記苗支持片１０にてガイド又は支持されること
になるから、この苗５が、前記開口部９に向かって後方
に傾くことを、前記苗支持片１０にて確実に阻止できる
のである。

【００１９】なお、前記各苗支持片１０は、ばね線材を
コイル状に巻いたコイルばねの形態にするか、付け根部
において屈曲自在にピン連結し、且つ、ばねにて直線状
の状態に保持した形態等にすることにより、覆土輪体の
内側面から内向きに突出する起立した姿勢と、この起立
した姿勢から横向きに倒れた姿勢とに変更できるよう構
成すると共に、弾性力にて前記起立した姿勢に保持する
ように構成しても良い。

【００２０】また、前記各苗支持片は、覆土輪体の内側
面に対して出没自在に構成し、この各苗支持片を、覆土
輪体の回転に連動して、その内側面から突出した状態
と、内側面に突出しない状態とに往復動するように構成
しても良い。

【００２１】更にまた、前記各種構成の各苗支持片は、
前記実施の形態のように一方の覆土輪体７側に設けるこ
とに限らず、他方の覆土輪体８側に設けるか、或いは、
両覆土輪体７，８の両方に設けるように構成しても良
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す縦断正面図である。

【図２】図１のII−II視断面図である。

【符号の説明】

１ 機体 ２ 圃場面 ３ 溝 ４ 溝堀体 ５ 苗 ６ シュート ７，８ 覆土輪体 ９ 開口部 １０ 苗支持片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トラクタ等の走行車体に装着した機体に、
   前から順番に、圃場面に対する溝堀体、この溝堀体に掘
   った溝内に苗を落とし込むシュート、前記溝を左右両側
   から埋め戻すための左右一対の覆土輪体を取付け、更
   に、前記シュートのうち走行方向に対して後ろ側の側面
   に、前記苗が素通りする開口部を設けて成る苗移植装置
   において、 前記両覆土輪体のうちいずれか一方又は両方に、当該覆
   土輪体の回転中に前記開口部の位置したときにおいてこ
   の開口部を横切る姿勢になるように構成した苗支持片
   を、当該覆土輪体における円周上の複数箇所に設けたこ
   とを特徴とする牽引式の苗移植装置。
2. 【請求項２】前記請求項１の記載において、前記覆土輪
   体における各苗支持片を、覆土輪体の内側面から内向き
   に突出する起立した姿勢と、この起立した姿勢から横向
   きに倒れた姿勢とに変更できるよう構成すると共に、弾
   性力にて前記起立した姿勢に保持するように構成したこ
   とを特徴とする牽引式の苗移植装置。