JP2001274434A - プラスチック基板太陽電池 - Google Patents

プラスチック基板太陽電池

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JP2001274434A
JP2001274434A JP2000086499A JP2000086499A JP2001274434A JP 2001274434 A JP2001274434 A JP 2001274434A JP 2000086499 A JP2000086499 A JP 2000086499A JP 2000086499 A JP2000086499 A JP 2000086499A JP 2001274434 A JP2001274434 A JP 2001274434A
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thin film
silicon
solar cell
film
plastic substrate
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JP2000086499A
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English (en)
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Michio Kondo
道雄 近藤
Akihisa Matsuda
彰久 松田
Toshihisa Kitagawa
敏久 北河
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
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Mitsui Chemicals Inc
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/545Microcrystalline silicon PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E10/546Polycrystalline silicon PV cells

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  • Photovoltaic Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ、稼働性の高くかつ軽量のプ
ラスチック基板太陽電池であり、携帯機器への搭載な
ど、様々な分野に適用できる太陽電池を提供することで
ある。 【手段】 融点もしくはガラス転移温度が130℃以上
のプラスチック基板上に、反射導電薄膜、シリコン結晶
系薄膜、透明導電薄膜の順に形成され、かつシリコン結
晶系薄膜が、シラン系のガスを5倍から200倍の条件
で水素で希釈したシラン系の混合ガスを用いて、通常の
プラズマCVD手法により形成したプラスチック太陽電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜シリコン太陽電池
に関するものであり、さらに詳しくは、融点もしくはガ
ラス転移温度のいずれかが130℃以上であるプラスチ
ック板上に形成されたシリコン結晶系薄膜プラスチック
太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックの有する軽量性、可橈性に
注目し、これまで様々なプラスチックフィルムおよびプ
ラスチック板を用いた薄膜シリコン系太陽電池が数多く
出願されている。それらのものを列挙すると、ポリイミ
ド基板を用いた非晶質シリコン薄膜太陽電池(特開昭5
4−149489)、ポリアリレート樹脂を基板に用い
た非晶質シリコン薄膜太陽電池(特開昭56−1693
71)、芳香族ポリアミド系樹脂を基板に用いた非晶質
シリコン薄膜太陽電池(特開昭56−169372)、
ポリエステルフィルムを基板に用いた非晶質シリコン薄
膜太陽電池(特開昭58−194377)、縮合系耐熱
性高分子を基板に用いた非晶質シリコン薄膜太陽電池
(特開昭59−16386)、縮合系耐熱性高分子を基
板に用いた非晶質シリコン薄膜太陽電池(特開昭59−
189684)、ポリエーテルサルホンフィルムを基板
に用いた非晶質シリコン薄膜太陽電池(特開昭60−1
95979)、ポリエチレンナフタレートフィルムを基
板に用いた非晶質シリコン薄膜太陽電池(特開昭62−
84568)、アラミド樹脂を基板に用いた非晶質シリ
コン薄膜太陽電池(特開平10−209476)等があ
る。これらの先行出願は全て、非晶質シリコン薄膜太陽
電池に関するものである。
【0003】またプラスチックの有する電気絶縁性の機
能を活かした太陽電池も提案されている。例えば、特開
平11−87745には、金属または金属箔膜上に可橈
性、耐熱性、電気絶縁性に優れたポリエーテルスルホン
樹脂を主成分とする基板を用いた太陽電池が開示されて
いる。
【0004】一方、薄膜シリコン系太陽電池である薄膜
多結晶シリコン太陽電池に関する報告も数多くなされて
いる。薄膜多結晶シリコン太陽電池は、非晶質シリコン
薄膜太陽電池よりも遥かに高い変換効率が期待できる
他、非晶質シリコン太陽電池において見られるような光
劣化の問題がなく、将来における高変換効率を有する低
価格の太陽電池が形成できるという期待がある。つい最
近では、ガラス基板上に形成された薄膜シリコン太陽電
池は、多結晶シリコン層厚み1μmでシングルセルに
て、9.5%変換効率を有しており、しかも光劣化が生
じないことが確認されている。しかも、薄膜多結晶シリ
コン太陽電池の理論変換効率は、12%近いとされてお
り、今後、さらに高い変換効率が近い将来に達成される
ものと期待されている。
【0005】さらに、特開平10−265212におい
ては、基板温度100℃の条件の下、ICP(誘導結合
型プラズマ)を用いて、微結晶シリコン薄膜もしくは多
結晶シリコン薄膜を形成する方法を開示している。そし
て、実際に石英基板を用いて微結晶シリコン薄膜を形成
しており、ラマンスペクトルも開示している。開示され
たラマンピークから判断されることは、確かに結晶シリ
コンのピークが確認できている。その上で、100℃と
いう低温度を鑑み、プラスチック基板上にも多結晶シリ
コン薄膜もしくは微結晶シリコン薄膜が形成できる可能
性を示唆している。
【従来の技術の問題点】
【0006】上記の従来の技術においても述べたよう
に、非晶質シリコン太陽電池の場合には、プラスチック
基板上に形成された太陽電池が数多く開示されている。
しかし、開示された内容は、非晶質薄膜及び非晶質薄膜
太陽電池に関するものであり、シリコン結晶系薄膜をプ
ラスチック基板上に形成されたものを報告しているもの
は殆どない。
【0007】ただし、例外として微結晶及び多結晶シリ
コン薄膜が誘導結合型プラズマ方式により、100℃に
て形成されたことが特開平10−265212において
開示されているが、通常太陽電池の形成に用いられる大
面積に均一な薄膜形成が容易な容量結合型プラズマを用
いていない。そのため、大面積に均一に多結晶シリコン
薄膜および微結晶シリコン薄膜を形成することは多くの
困難が伴うことが予想される。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】本発明の課題は、従来の薄膜シリコン太陽
電池の形成を、大面積に形成することが容易であり、か
つ汎用性ある、より低コストのプラスチック基板に構成
した太陽電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】すなわち、本発明の太陽電池は、融点もし
くはガラス転移温度のいずれかが130℃以上であるプ
ラスチック基板上に形成された、反射導電薄膜、シリコ
ン結晶系薄膜、透明導電薄膜からなるものであることを
特徴とするシリコン結晶系薄膜プラスチック基板太陽電
池に関する。
【0010】本発明の構成における太陽電池は、受光側
が透明導電膜側になり、プラスチック基板には太陽光な
どが直接照射されない構造である。さらに、プラスチッ
ク基板上には可視光を反射する反射導電薄膜が形成され
るので、光がプラスチック基板に入射することはない。
さらに、プラスチックの劣化の引き金となる紫外線は、
シリコン系薄膜まででほぼ完全に吸収されてしまうため
に、プラスチック基板に入射することはない。そのため
に、プラスチック基板には光劣化に対する対処を行なう
必要は基本的にはない。しかし、紫外線吸収剤を、プラス
チックに混入させることは差し支えない。
【0011】選択される反射導電薄膜は、アルミニウ
ム、銀、ステンレスなどの波長400nmから1000
nmの範囲において、高い反射率を有するものであるこ
とが好ましい。さらにこの反射導電薄膜は金属のみから
構成されている必要性はなく、反射金属薄膜の上に透明
な導電性薄膜が積層されたものであっても良い。この場
合の透明な導電性薄膜は、酸化錫薄膜、酸化シンジウム
錫薄膜、酸化インジウム薄膜などが選択される。
【0012】また、透明導電膜には、酸化錫薄膜、酸化
シンジウム錫薄膜、酸化インジウム薄膜などが選択され
る。さらに、500Åに満たない金属薄膜を用いてもよ
く、また積層してもよい。これらの薄膜の厚みは、太陽電
池の受光側の透明導電膜として、500Å以上1000
0Å以下の厚みを有するものであることが望ましい。
【0013】本発明は、必要とするプラスチック基板
が、融点もしくはガラス転移温度のいずれかが130℃
以上である高分子化合物であることを特徴とするシリコ
ン結晶系薄膜プラスチック基板太陽電池である。基板と
しては、シートとして十分な強度を発揮する0.1mm
以上5mm以下の厚みものが選択される。より好ましく
は、加熱を行なった時にも十分な強度を有する0.5m
m以上の厚みを有することが望ましい。但し、プラスチ
ック基板の厚みとして、5mmよりも厚い基板を用いる
ことが特殊な用途の場合にはあってもよい。
【0014】さらに、太陽電池形成に必要な工程は、プ
ラスチック内の水分を除去する第1の工程から始まる。
プラスチック内に水分を含んだままで製膜を実施する
と、その水分が金属層を劣化させたりする原因となるた
め、必要な工程である。これは、後の工程が真空蒸着の
工程を繰り返し行なうことを鑑み、真空加熱により行な
うことが望ましい。続く第2の工程は、反射導電膜のプ
ラスチック基板上の形成である。反射金属層の形成は、
スパッタ法、真空蒸着法、EB蒸着法、イオンプレーテ
ィング法がある。但し、第1の工程は、続く第2の工程
と同時に行なうこともできる。このとき、真空中の水分
濃度を測定することにより、その状況を把握することが
できる。
【0015】さらに第3の工程として、プラズマCVD
法によるシリコン薄膜の形成工程である。本工程が、太
陽電池として良質のシリコン薄膜を形成することにおい
て、本来最も高い温度を必要とする工程である。本発明
において、この第3の工程であるシリコン系薄膜を従来
より低い温度にて形成することにより、プラスチック基
板上に形成することに成功したのである。
【0016】そして、第4の工程として、透明導電膜を
形成する。第4の工程は、酸素ガスおよびアルゴンガス
雰囲気中でのスパッタ法、イオンプレーティング法、E
B蒸着法が用いられる。
【0017】また、この太陽電池を集積化のためにパタ
ーニングを行なうためには、通常用いられるレーザーパ
ターニングを施すこともできる。レーザーパターニング
法を用いる場合には、局所的に極めて温度が高い場所が
発生するが、プラスチック基板全体を加熱するまでには
至らず、融点もしくはガラス転移温度のいずれかが13
0℃以上のプラスチック基板であれば、変形するもので
はない。なお、このレーザースクライブの工程は、第1
の工程である反射導電膜形成後、第2の工程であるシリ
コン系薄膜形成後、そして第3の工程である透明導電膜
形成後に実施される。これらの工程は、レーザースクラ
イブを用いないマスクパターンによるエッチングと併用
して行なう方法にて行なうことも可能である。
【0018】本発明で使用するプラスチック基板は、融
点もしくはガラス転移温度のいずれかが130℃以上で
あればよい。これは、太陽電池の形成時に薄膜形成に必
要な高温度に曝される時間は、せいぜい数時間であり、製
造に必要な耐熱温度という意味においては、比較的短時
間であり、プラスチック基板の融点またはガラス転移温
度のいずれかが130℃以上であれば全く問題がない。
【0019】融点もしくはガラス転移温度のいずれかが
130℃以上の高分子化合物は、環状ポリオレフィンコ
ポリマー、ポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
チオエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リメチルペンテン、芳香族ポリエステル、ポリアリレー
ト、フェノール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミド等がある。
【0020】さらに本発明によって与えられる太陽電池
の構造をなすシリコン系薄膜は、平行平板式の容量結合
型プラズマCVDを用いて形成されるものである。太陽
電池の製造に用いられるプラズマCVD方式は、大面積
に均一な厚みにて薄膜形成の可能な平行平板式の容量結
合型プラズマを用いることが通常であり、逆にこの方法
でないと大面積製膜が困難になってしまうのである。
【0021】さらに、本発明によって与えられるシリコ
ン薄膜は結晶性を有していることが重要な要件である。
このシリコン結晶系薄膜は多結晶シリコン薄膜もしくは
微結晶シリコン系薄膜である。このシリコン系薄膜に
は、シリコン以外に含まれる元素として、ボロン、アル
ミニウム、ガリウムなどの周期律表第III族の典型元
素、炭素、ゲルマニウムなどの周期律表第IV族の典型元
素、また窒素、燐、ヒ素などの周期律表第V族の典型元
素、酸素、硫黄などの周期律表第VI族の典型元素、さら
に、フッ素、塩素などの周期律VII族のハロゲン元素を
含むものであっても良い。
【0022】その作成のために、シラン系ガスと該シラ
ン系ガスに対して5倍から200倍のモル量の希釈比率
で水素ガスと混合された混合ガスをベースとして用いて
形成することを特徴とする。なお、この希釈率について
は、より好ましくは10倍から100倍の範囲内にある
ことが好ましく、さらに好ましくは13倍から50倍の
範囲である。そして最も好ましくは15倍から30倍の
範囲内にある。この範囲外にある希釈率を用いた場合、
本発明におけるシリコン結晶性薄膜を得ることができな
くなってしまう。例えば、希釈率が5倍に満たないシラ
ン・水素混合ガスを用いた場合、プラズマCVD法によ
って得られる薄膜は結晶性を有さない。また希釈率が2
00倍を超える範囲にて製膜を行った場合、結晶性薄膜
を得ることはできるものの、その製膜速度は極めて遅
く、実際の太陽電池の製造に供するためには非現実的な
ものになってしまう。また、このような高い希釈率条件
にてシリコン結晶系薄膜の形成を行なう場合、製膜より
も逆にエッチングが進行する場合があり、その結果、製
膜が進行しなくなってしまう恐れもある。
【0023】成膜のためのシラン系原料ガスとして、一
般式 Si2n+2 (式中、nは1〜4の整数である)で表されるモノシラ
ン、ジシラン、トリシラン、テトラシランなどシラン化
合物が用いられる。また必要により、弗化シラン、有機
シラン等の原料ガスを用いることも可能である。さら
に、第1または第3のシリコン系薄膜及び第2のシリコ
ン結晶系薄膜が炭素、ゲルマニウムなどの周期律表第IV
族の典型元素を含む場合には、炭化水素、ゲルマン化合
物などの原料ガスを用いることも可能である。また必要
に応じ、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリ
プトン等の不活性ガスを導入することも可能である。ボ
ロン、アルミニウム、ガリウムなどの周期律表第III族
の典型元素を含む場合には、ジボランなどのホウ素化合
物、三弗化ホウ素等のハロゲン化ホウ素、トリメチルホ
ウ素等の有機ホウ素等III族元素や塩化アルミニウムな
どのガスを適宣、混入することにより行なうことができ
る。これらのIII族元素を含むガスは、通常、容積比率
にて、10ppmから20%、より好ましくは、200
ppm〜5%の範囲に混合させる。窒素、燐、ヒ素など
の周期律表第V族の典型元素をシリコン系薄膜中への導
入するためには、窒素、アンモニア、ホスフィン、アル
シン、ハロゲン化リン、ハロゲン化ヒ素、アルキルリン
等の原料ガスを、あるいはトリメチルガリウム、トリエ
チルガリウムなどの有機金属原料をキャリアガスに同伴
して用いることができる。これらのV族元素を含むガス
は、通常、容積比率にて、10ppmから20%、より
好ましくは、200ppm〜5%の範囲に混合させる。
さらに、酸素、硫黄などの周期律表第VI族の典型元素を
含むシリコン系薄膜とする場合には、酸素、二硫化硫黄
などのガスを用いることができる。さらに、フッ素、塩
素などの周期律表第VII族のフッ素、塩素、フッ酸水素
ガス、塩化水素ガス等のハロゲンガスを原料ガスととも
に導入することにより達成することができる。これらの
ガスを用いる場合には、シラン系の原料ガスに対して、
0.01〜100%(容積比率)の範囲で用いると効果
的であり、成膜速度や膜特性を考慮して適宜選択される
ものである。
【0024】本発明において、好ましいシリコン結晶系
薄膜およびシリコン系薄膜は、V族元素を不純物として
含む第1のシリコン系薄膜、真性の第2のシリコン結晶
系薄膜、III族元素を不純物として含む第3のシリコン
系薄膜の順に形成された構成を有しているものであり、
また、III族元素を不純物として含む第1のシリコン系
薄膜、真性の第2のシリコン結晶系薄膜、V族元素を不
純物として含む第3のシリコン系薄膜の順に形成された
構成を有しているものであってもかまわない。ここで重
要なことは、第1のシリコン系薄膜に含まれる不純物元
素と第3のシリコン系薄膜に含まれる不純物元素の族が
異なる構成であることが重要な要件である。但し、光受
光側である第3のシリコン系薄膜にIII族元素を不純物
として有するシリコン系薄膜を用いることにより、移動
速度に劣る正孔の移動をより効率たらしめる結果、より
変換効率の高い太陽電池を構成し得る可能性がある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図をまじえて本発明の実施
の形態を詳しく説明する。本発明の太陽電池の構成を図
1に示す。すなわち、本発明の太陽電池は、プラスチッ
ク基板100、反射導電薄膜110、シリコン系薄膜1
20、透明導電薄膜130、プラスチックフィルム14
0の構成からなるものである。プラスチック基板100
に選択されるべきものは、該プラスチック基板が、13
0℃以上の融点もしくはガラス転移温度のいずれかを有
する高分子化合物からなるものである。
【0026】以下に選択されるべき高分子化合物の構造
式、融点およびまたはガラス転移温度、また名称と略称
を示す。構造式(1)で示される高分子化合物はガラス
転移温度が、145℃を有する環状ポリオレフィンコポ
リマーの1つである。
【化1】 なお、環状ポリオレフィンコポリマーに関しては、開環
重合体、付加重合体及びその水添化合物や、ビニル芳香
族系重合体やそれと共重合可能な単量体を共重合し、水
添した重合体が挙げられる。
【0027】構造式(2)で示される高分子化合物は、
ガラス転移温度が、140℃であるポリサルホン(略称
PSF)である。
【化2】
【0028】構造式(3)で示される高分子化合物は、
ガラス転移温度が、230℃であるポリエーテルスルホ
ン(略称PES)である。
【化3】
【0029】構造式(4)で示される高分子化合物は、
融点が、285℃以上であるポリフェニレンスルフィド
(略称PPS)である。
【化4】
【0030】構造式(5)で示される高分子化合物は、
融点が220℃以上であり、かつガラス転移温度が15
0℃であるポリカーボネート(略称PC)である。
【化5】
【0031】構造式(6)で示される高分子化合物は、
融点が270℃であるポリエチレンナフタレート(略称
PEN)である。
【化6】
【0032】構造式(7)で示される高分子化合物は、
融点が、267℃であるポリエチレンテレフタレート
(略称PET)である。
【化7】
【0033】構造式(8)で示される高分子化合物は、
融点が225℃であるポリブチレンテレフタレート(略
称PBT)である。
【化8】
【0034】構造式(9)で示される高分子化合物は、
融点が240℃であるポリメチルペンテン(略称TP
X)である。
【化9】
【0035】構造式(10)で示される高分子化合物
は、融点またはガラス転移温度が、140℃を有する芳
香族ポリエステルである。
【化10】
【0036】構造式(11)で示される高分子化合物
は、ガラス転移温度が175℃であるポリアリレート
(略称PAR)である。
【化11】
【0037】構造式(12)で示される高分子化合物
は、融点が334℃であり、ガラス転移温度が143℃
であるポリエーテルエーテルケトン(略称PEEK)で
ある。
【化12】
【0038】構造式(13)で示される高分子化合物
は、融点が373℃であり、かつガラス転移温度が16
0℃であるポリエーテルケトン(略称PEK)である。
【化13】
【0039】構造式(14)で示される高分子化合物
は、ガラス転移温度が350℃以上であるポリイミド
(略称PI)である。
【化14】
【0040】構造式(15)で示される高分子化合物
は、融点が338℃、ガラス転移温度が250℃である
熱可塑性ポリイミド(略称PI)である。
【化15】
【0041】構造式(16)で示される高分子化合物
は、融点が228℃以上であるナイロン−6である。
【化16】
【0042】構造式(17)で示される高分子化合物
は、融点が264℃であるナイロン−66である。
【化17】 なお、構造式(1)〜(17)において、nは重合度を
示す。
【0043】これら構造式(1)から(17)で示され
る構造単位を有する高分子化合物は、全て融点もしくは
ガラス転移温度のいずれかが130℃以上である。これ
らのうちのいずれかの高分子化合物を基板として選択
し、140℃まで昇温可能で、かつ1×10−3Paま
で真空引きが可能な装置で、プラスチック基板の真空状
態での加熱を行なう。加熱は、特に製膜を行なう面(こ
ちら側を表面とする)からのガス抜きが重要となるの
で、ヒーターなどに裏面を密着させて加熱しながら、ラ
ンプなどを用いて基板表面を加熱することが好ましい。
加熱の時間は30分も行なえば十分である。
【0044】続いて、プラスチック基板表面に、金属薄
膜の膜形成を行なう。金属薄膜の厚みは、3000Å程
度あれば十分であるが、さらに厚く形成しても良い。し
かし、500Åを下回る形成厚みの場合には、電気抵抗
がやや高めになる恐れがあり、500Åは必要である。
照射光の透過なども考えられるため、できるだけ厚く形
成することが好ましい。
【0045】なお、プラスチック基板の予備加熱は同じ
装置にて行なっても良いが、生産速度を向上させるため
には、別々の装置にてプラスチック基板の加熱と、金属
薄膜の形成の形成を行なう方法もある。なお、金属薄膜
の上に、光学計算を基にさらに透明導電膜を形成するこ
とで光の反射率を高めることもまた可能である。
【0046】続いて、図2に示す装置図は薄膜太陽電池
の形成に用いた装置の概略図である。薄膜太陽電池を形
成するには、基本的に5室が必要となる。夫々の5室
は、210が基板セッティングのローディング室、22
0が第1のシリコン系薄膜形成室、230が第2の真性
のシリコン結晶系薄膜形成室、240が第3のシリコン
系薄膜形成室、そして最後の250室が基板取り出しの
ためのアンローディング室である。基板201は上側設
置であり、高周波印可電極222、232、242、高周波
対向電極223、233、243により構成されており、
これらの製膜室は、ゲートバルブ214、224、234、
244によって隔てられている。さらに、高周波印可電極
に電力を印可する高周波電源は、225、235、245
に設置されている。
【0047】図3は、図2の薄膜太陽電池の形成装置を
用いて形成した、好ましいシリコン結晶系薄膜プラスチ
ック太陽電池の構成図を、図1に示す構成図よりもさら
に詳しく記載したものである。図1に示す構成図のシリ
コン系薄膜120が3つに区分され、121が第1のシ
リコン系薄膜、122が第2の真性のシリコン結晶系薄
膜、123が第3のシリコン系薄膜に示している。ま
た、111は反射導電膜の光線反射促進に用いる導電性
の透明薄膜である。さらに、図2の構成図における131
は、透明でかつ導電性を向上させる極薄膜である。
【0048】まず、操作手順を説明すると、ローディン
グ室210に基板をセットし、ヒータ温度を200℃に
維持するようにしながら、30分間、1×10−3Pa
以下の圧力条件になるように真空引きを行なう。つい
で、220室、230室、240室で、それぞれ第1の
シリコン系薄膜、第2の真性のシリコン結晶系薄膜、第
3のシリコン系薄膜を形成する。
【0049】シリコン系薄膜を形成した後、スパッタ法
により透明導電膜を形成する。透明導電膜は、酸化錫薄
膜、酸化インジウム−錫薄膜、酸化インジウム薄膜を適
宣選択することが可能である。
【0050】
【実施例】実施例1 プラスチック基板に厚み2mmの環状オレフィンコポリ
マー(商品名:三井化学製アペル APL6015T)
を選択し、スパッタリング法により厚み2000Åの銀
薄膜および厚み500Åの酸化亜鉛膜を製膜した。スパ
ッタ源として用いたものは、直径100mmの銀カソー
ド電極および酸化亜鉛カソード電極である。
【0051】この酸化亜鉛薄膜付きのプラスチック基板
を図2に示すプラズマCVD装置のローディング室に設
置し、1×10−4Paになるまで真空引きすると同時
に、温度コントーラーによりヒータ温度を200℃に温
度調節を行ないながら、30分加熱を継続した。その
後、第1のシリコン薄膜としてPHガス(V族元素を
含むガス)を少量シランガスに混入して作製した、N型
微結晶シリコン薄膜を形成した。さらに第2の真性の微
結晶シリコン薄膜を、シランガスのみを用いて形成し、
さらにP型のシリコン薄膜をBガス(III族元素
を含むガス)をシランガスに混入して形成した。
【0052】その後、プラスチック基板を十分に冷却し
た後に、2.15mmの面積のみが露出したマスクを
かけて、スパッタ法にて厚み700ÅのITO(酸化イ
ンジウム−錫)薄膜を製膜し、さらに、Ag薄膜を30
0Å形成した。その後、グリッド形状のマスクを被せ、
スパッタリング法により銀ターゲットを用いて厚み30
00Åの銀薄膜を製膜した。このようにして得られた微
結晶シリコン薄膜太陽電池を、ウシオのソーラーミュレ
ーターにて1.5SUNの条件の元で測定したところ、
変換効率2.38%、曲線因子0.56を得た。
【0053】
【発明の効果】軽量でかつ可橈性が高い低コストのプラ
スチック基板を用いることにより、薄膜シリコン系太陽
電池を従来よりも低温度で形成し、製造できるようにな
り、携帯用途等への幅広い展開が期待できる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコン結晶系薄膜プラスチック基板太陽電池
の断面図である。
【図2】本発明の太陽電池を形成するための製造装置の
一例を示す図である。
【図3】シリコン結晶系薄膜プラスチック基板太陽電池
の好ましい例を示す断面図である。
【符号の説明】
100 プラスッチック基板 110 反射導電膜 111 透明導電膜 120 シリコン系薄膜 121 第1のシリコン系薄膜 122 真性の第2のシリコン系薄膜 123 第3のシリコン系薄膜 130 透明導電膜 131 金属極薄膜 140 プラスチックフィルム 201 製造中のプラスチック基板太陽電池 222、232、242 印可電極 223、233、234 対向電極 214、224、234、244 ゲート弁 225、235、235 高周波電源 210 ローディング室 220 第1のシリコン系薄膜製造の真空チャンバー 230 第2の真性のシリコン結晶系薄膜製造の真空チ
ャンバー 240 第3のシリコン系薄膜製造の真空チャンバー 250 アンローディング室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000005887 三井化学株式会社 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 (74)上記3名の代理人 100075247 弁理士 最上 正太郎 (72)発明者 近藤 道雄 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院 電子技術総合研究所内 (72)発明者 松田 彰久 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 工業技 術院 電子技術総合研究所内 (72)発明者 北河 敏久 千葉県袖ヶ浦市長浦町580番32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 貞本 満 千葉県袖ヶ浦市長浦町580番32 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA17 BA29 BB03 BB04 BB13 CA07 CA12 FA03 LA16 5F045 AA08 AB03 AC01 AF07 AF16 BB07 BB08 CA13 DA52 DQ15 EB08 EB14 EE12 EH14 HA25 5F051 AA03 AA04 CB12 CB29 FA06 FA18 FA23 GA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜太陽電池が、融点もしくはガラス転
    移温度のいずれかが130℃以上のプラスチック基板上
    に、反射導電薄膜、シリコン結晶系薄膜、透明導電薄膜
    の順に形成されたものであることを特徴とするシリコン
    結晶系薄膜プラスチック基板太陽電池。
  2. 【請求項2】 該シリコン結晶系薄膜が、平行平板式の
    容量結合型プラズマCVDを用いて形成されるものであ
    り、かつシラン系ガスと該シラン系ガスに対して5倍か
    ら200倍のモル量の水素ガスにて希釈された混合ガス
    を用いて形成される結晶性シリコン薄膜であることを特
    徴とする請求項1に記載のシリコン結晶系薄膜プラスチ
    ック基板太陽電池。
  3. 【請求項3】 該シリコン結晶系薄膜が、V族元素もし
    くはIII族元素のどちらかのみを不純物として含む第1
    のシリコン系薄膜、真性の第2のシリコン結晶系薄膜、
    III族元素もしくはV族元素のどちらかのみを不純物と
    して含む第3のシリコン系薄膜の順に形成された構成を
    有しており、かつ第1のシリコン系薄膜と第3のシリコ
    ン系薄膜の不純物元素は異なる族に属するものであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のシリコン結晶系薄膜プ
    ラスチック基板太陽電池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002261311A (ja) * 2001-03-02 2002-09-13 Mitsui Chemicals Inc 薄膜太陽電池基材およびそれを用いた薄膜太陽電池
WO2008026322A1 (fr) 2006-08-31 2008-03-06 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Substrat à électrode transparente pour une cellule solaire

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