JP2001270825A - プラバスタチンナトリウム含有製剤 - Google Patents

プラバスタチンナトリウム含有製剤

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JP2001270825A
JP2001270825A JP2000085222A JP2000085222A JP2001270825A JP 2001270825 A JP2001270825 A JP 2001270825A JP 2000085222 A JP2000085222 A JP 2000085222A JP 2000085222 A JP2000085222 A JP 2000085222A JP 2001270825 A JP2001270825 A JP 2001270825A
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trimellitate
pravastatin sodium
hydroxypropylmethylcellulose
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JP2000085222A
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English (en)
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Fusao Usui
富佐雄 碓井
Shuichi Yada
修一 矢田
Kiyoshi Kawabata
清 川端
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラバスタチンナトリウムの異性化体が生成せ
ず、経時安定性に優れ、かつ薬物の吸収量が多い経口投
与製剤の開発。 【解決手段】ヒドロキシプロピルメチルセルローストリ
メリテートによりコーティングされたプラバスタチンナ
トリウムを含有した製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラバスタチンナ
トリウムの異性化体が生成せず、プラバスタチンナトリ
ウムの経時安定性に優れ、さらに、プラバスタチンナト
リウムの吸収性に優れたプラバスタチンナトリウム含有
製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】プラバスタチンナトリウムは、コレステ
ロール生合成系の律速酵素(HMG−CoAレダクターゼ)を
特異的に阻害し、かかる阻害活性に基づく抗高脂血症治
療化合物として知られている(特開昭57-2240号公報参
照)。
【0003】また、プラバスタチンナトリウム等の抗高
脂血症治療化合物を含有する製剤としては、該化合物に
腸溶性高分子を含むコーティング液により各種コーテイ
ングを施した製剤が報告されている(特開昭59−193831
号公報、特開昭59-193832号公報及び米国特許第5225202
号公報等参照)。
【0004】すなわち、特開昭59−193831号には、プラ
バスタチンナトリウムを含む未コート錠を、カルボシキ
メチルエチルセルロース等の腸溶性高分子物質にアルギ
ン酸ナトリウム等の崩壊促進のpH選択性を付与するポ
リアニオニックポリマーを添加し溶解開始pHを調整し
たコーティング液でコーティングした製剤が開示されて
おり、特開昭59-193832号には、プラバスタチンナトリ
ウムを含む未コート錠を、カルボシキメチルエチルセル
ロースに水酸化ナトリウム等の崩壊促進のpH選択性を
付与する塩基性物質を添加し溶解開始pHを調整したコ
ーティング液でコーティングした製剤が開示されてお
り、米国特許第5225202号には、プラバスタチンナトリ
ウムを含む未コート錠を、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースフタレートに水酸化ナトリウム等の崩壊促進の
pH選択性を付与する塩基性物質を添加し溶解開始pHを
調整したコーティング液でコーティングした製剤が開示
されている。
【0005】一方、プラバスタチンナトリウムの消化管
内での主な吸収部位は、十二指腸であり、それ以降の消
化管へ移行するほど吸収性が低下すること及びプラバス
タチンナトリウムのヘキサヒドロナフタレン環に結合し
た水酸基が酸により転移し、3α-ヒドロキシ−イソプ
ラバスタチンへと異性化することが知られている(J.Cl
in.Pharmacol.,1995年;35巻;142−144頁参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記課
題を解決するべく、プラバスタチンナトリウムの異性化
を低減化する製剤につき鋭意検討を行った。
【0007】その結果、プラバスタチンナトリウムの製
剤に、腸溶性高分子物質として周知であるヒドロキシプ
ロピルメチルセルローストリメリテート(特開平8−133
989号参照)を含むコーティング液によりコーテイング
を施した製剤が、プラバスタチンナトリウムの異性化体
を低減することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】なお、本発明のプラバスタチンナトリウム
含有製剤は、プラバスタチンナトリウムの異性化体が低
減する以外に、崩壊挙動が経時的に安定で(即ち、プラ
バスタチンの吸収量が経時的に安定である。)、さら
に、プラバスタチンナトリウムの吸収性に優れていると
の有利な効果も有する。
【0009】また、本発明のプラバスタチンナトリウム
含有製剤は、プラバスタチンナトリウムの放出挙動が均
一であり、コーティング基剤に崩壊促進のpH選択性を
付与する成分を加えることなく、コーティング液を調製
することができるため、製剤化の工程数が少ない。さら
にプラバスタチンナトリウムを徐放化させ、持続性が優
れている。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)プラバスタチンナトリウムを含有する製剤を、溶
解pHが3乃至5であるコーティング剤を含むコーティ
ング液によりコーティングした製剤、(2)プラバスタ
チンナトリウムを含有する製剤を、溶解pHが3.5乃
至4.5であるコーティング剤を含むコーティング液に
よりコーティングした製剤、(3)プラバスタチンナト
リウムを含有する製剤を、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテートを含むコーティング液によりコ
ーティングした製剤、(4)粒子径が300μm乃至1700μ
mであるプラバスタチンナトリウムを含有する丸剤又は
顆粒剤を、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメ
リテートを含むコーティング液によりコーティングし、
カプセルに充填したカプセル剤、(5)粒子径が300μm
乃至1700μmであるプラバスタチンナトリウムを含有す
る丸剤又は顆粒剤を、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ーストリメリテートを含むコーティング液によりコーテ
ィングし、添加剤を加え打錠した錠剤に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラバスタチンナトリウ
ム含有製剤の製造法を以下に記載する。
【0012】プラバスタチンナトリウムは、HMG−CoAレ
ダクターゼの特異的阻害剤として公知の化合物であり、
その製造法は特開昭57-2240号公報に記載されている。
【0013】本発明に用いられるヒドロキシプロピルメ
チルセルローストリメリテートは1グルコース環当たり
1.1乃至2.1個のメトキシ基を有するヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースに、1グルコース環あたり0.
2乃至1.0個のトリメリチル基(トリメリット酸から
誘導される1価の基)が置換されているヒドロキシプロ
ピルメチルセルローストリメリテートである。
【0014】(i)これらのヒドロキシプロピルメチル
セルローストリメリテートの好適な態様の一つとして
は、1グルコース環あたり1.1乃至1.6個のメトキ
シ基を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースに、
1グルコース環あたり0.2乃至1.0個のトリメリチ
ル基が置換されているヒドロキシプロピルメチルセルロ
ーストリメリテートである。
【0015】好適には、1グルコース環あたり1.3乃
至1.5個のメトキシ基を有するヒドロキシプロピルメ
チルセルロースに、1グルコース環あたり0.4乃至
0.8個(特に好適には0.5個乃至0.7個)のトリ
メリチル基が置換されているヒドロキシプロピルメチル
セルローストリメリテートである。
【0016】該ヒドロキシプロピルメチルセルロースト
リメリテートの溶解開始pHは3.5乃至4.5であ
り、それ以下のpHでは溶解しない。
【0017】ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメ
トキシ基が1.1個未満の場合、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースは有機溶剤へ溶解しにくくなり、コーテ
ィング液の調整が困難になる。一方、メトキシ基が1.
6個を越え、かつトリメリチル基が0.5個以上の場合
には、溶解開始pHが4.5以上になる。更にトリメリチ
ル基が0.2個未満の場合、トリメリチル基による疎水
化が不十分となるので水分が浸透しやすくなり、コーテ
ィング用基剤としての耐酸性が不足する。一方、トリメ
リチル基が1.0個を越える場合は、溶解開始pHが
4.5以上になる。
【0018】(ii)本発明に用いられるコーティング
用基剤のヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリ
テートの好適な別の態様は、1グルコース環あたり1.
7乃至2.1個のメトキシ基を有する水溶性ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースに、1グルコース環あたり
0.2乃至0.5個のトリメリチル基が置換されている
ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテートで
ある。
【0019】好適には、1グルコース環あたり1.8乃
至2.0個のメトキシ基を有する水溶性ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースに1グルコース環あたり0.3乃
至0.4個のトリメリチル基が置換されているヒドロキ
シプロピルメチルセルローストリメリテートである。
【0020】該ヒドロキシプロピルメチルセルロースト
リメリテートの溶解開始pHは3.5乃至4.5であ
り、それ以下のpHでは溶解しない。
【0021】ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメ
トキシ基の含有量が2.1個より多いと、医療用の使用
には適切でなくなる。更に、トリメリチル基が0.2個
未満の場合はトリメリチル基による疎水化が不十分とな
るので水分が浸透しやすくなり、コーティング用基剤と
しての耐酸性が不足する。またトリメリチル基の含有量
が0.5個を越える場合は溶解開始pHが4.5以上と
なる。
【0022】上述した(i)および(ii)の態様にお
いて、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのヒドロシ
プロポキシ基の数は1グルコースあたり0.03個以上
が好ましい。0.03個未満の場合、トリメリット酸エ
ステル基が加水分解されやすくなる。
【0023】これらのヒドロキシプロピルメチルセルロ
ーストリメリテートにおいて、特に好適には、1グルコ
ース環あたり1.3乃至1.5個(最適には1.4個)
のメトキシ基)を有するヒドロキシプロピルメチルセル
ロースに、1グルコース環あたり0.4乃至0.6個
(最適には0.5個)のトリメリチル基が置換されてお
り、その溶解開始pHが3.5乃至4.5であるヒドロ
キシプロピルメチルセルローストリメリテートである。
【0024】上述のヒドロキシプロピルメチルセルロー
ストリメリテートに用いられる原料の、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースの2重量%水溶液の粘度は、20
℃で3乃至10cPが好ましい。3cP未満では最終的に
得られるコーティング膜の強度が不足する。一方、10
cPを越える場合には、溶剤に溶解して反応するときの
粘度が高すぎ、取り扱いが不便となる。
【0025】ここに、上記の、「溶解開始pH」とは、
溶解用溶剤のpHを低いpHから順次上げていった時、
溶解用溶剤にコーティング膜がはじめて溶解する溶解用
溶剤のpHのことをいう。また溶解開始pHは以下に述
べる方法で測定する。コーティング用基剤を有機溶剤等
に溶解しコーティング液とし、ガラス板上にキャストし
て厚さ100μmのフィルムを作る。このフィルムを1
cm×1cmに切断し、日本薬局方第13改正の崩壊試
験法に準じ補助筒を用い、フィルムを溶解用溶剤に入れ
て、フィルムを溶かすことのできる溶剤のpHを測定す
る。溶解用溶剤には、pHの異なるマクヴァリン緩衝液
を数種類使用する。
【0026】ヒドロキシプロピルメチルセルローストリ
メリテートの製造法は、特開平8−133989号公報に記載
されている方法またはそれに準ずる方法で製造すること
ができる。
【0027】即ち、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ストリメリテートは、まずヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースに、無水トリメリット酸を特定の割合で反応さ
せる。この反応物に精製水を加えて冷却し、置換反応を
停止させる。反応終了後、必要に応じて、酸(例えば、
塩酸または硫酸等の鉱酸が挙げられる。)を加え、反応
液を大過剰の水に投入しヒドロキシプロピルメチルセル
ローストリメリテートを十分に析出させる。精製水を用
いて洗液が酸性を示さなくなるまでヒドロキシプロピル
メチルセルローストリメリテートを洗浄した後、流動層
乾燥機等で乾燥するとpH3乃至5以上の溶剤に溶解す
るコーティング用基剤が得られる。必要に応じて粉砕
(粉砕した場合は、以下「微細品」という。)、篩い分
けを行なってもよい。
【0028】次に、上記ヒドロキシプロピルメチルセル
ローストリメリテートを含むコーティング液は次の様に
して得られる。即ち、上記製造方法により得られたヒド
ロキシプロピルメチルセルローストリメリテートをアセ
トン、塩化メチレン/アルコール、アルコール/水等の
有機溶剤に溶解するか、またはヒドロキシプロピルメチ
ルセルローストリメリテートを水に分散する。
【0029】有機溶剤に溶解する場合、好適にはヒドロ
キシプロピルメチルセルローストリメリテートを30%
乃至80%エタノール水に溶解してコーティング液とす
る。
【0030】水に分散したコーティング液の場合、ヒド
ロキシプロピルメチルセルローストリメリテートを平均
粒子径を10μm以下、好適には2μm乃至7μmの微細
品として水に分散してコーティング液とする。上記微細
品において平均粒子径が10μmを越えると、皮膜を形
成するためには多量のコーティング液が必要となる。ま
た、平均粒子径の下限は特に制限はないが、2μm未満で
あると通常の攪拌条件下では実質上1次粒子に分散させ
ることが困難となり均一のコーティング液とならない場
合がある。
【0031】上記の水に分散したコーティング液の場
合、分散液中にヒドロキシプロピルメチルセルロースト
リメリテートを3乃至15重量%、好適には5乃至10
重量%含むことが望ましい。ヒドロキシプロピルメチル
セルローストリメリテートが3重量%未満であるとコー
ティングに長時間を要し、15重量%を超えると、分散
液中のヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテ
ート粒子の凝集に伴うスプレーガンの閉塞などの弊害が
生じ易くなる。
【0032】上記の水に分散させたコーティング液に
は、必要に応じて可塑剤(皮膜形成補助剤)を添加して
もよい。添加する可塑剤としてはクエン酸トリエチル、
トリアセチン、ポリエチレングリコール、グリセリンの
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、またはフタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチルおよびフタル酸ジブチル
等のフタル酸エステル等があげられる。可塑剤の添加量
としては、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメ
リテートに対して20乃至60重量%、好適には25乃
至50重量%であることが望ましい。可塑剤の添加量が
20重量%以下では、コーティング膜の形成が困難とな
る。また、可塑剤の添加量が60重量%を超えるとコー
ティング操作中の製剤同士の粘着が生じたり、保存中に
粘着が生じる可能性がある。
【0033】上記の水に分散させたコーティング液を得
るには、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリ
テートの微細品を、可塑剤等を含む水溶液に通常の攪拌
下で分散すれば良い。また必要に応じて可塑剤を、ヒド
ロキシプロピルメチルセルローストリメリテートの微細
品を水に分散した後に添加してもよい。
【0034】また、本発明で使用するコーティング液
に、必要に応じて、ポリソルべート80等の界面活性
剤、酸化チタン、三二酸化鉄等の遮光剤、着色剤、顔
料、粘着防止剤、タルク、懸濁剤および/または抗酸化
剤等を含有させることができる。
【0035】コーティング方法としては散布法、スプレ
ー法、塗布法または浸漬法等いずれかの方法においても
適用され、コーティングする装置はパンを用いる方法、
流動層装置を用いる方法、攪拌流動層コーティング装置
を用いる方法、転動コーティング装置を用いる方法また
は通気回転ドラムを用いる方法等が適用できる。コーテ
ィングの前に、後述の下掛けを含め、あらかじめ他のコ
ーティング用基剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はポリビ
ニルピロリドン)でコーティングを行なうこと、および
/またはコーティングの後に艶出しを行なったり糖衣が
けや他のコーティング用基剤によるコーティングを行な
ってもよい。
【0036】また本発明で用いるヒドロキシプロピルメ
チルセルローストリメリテートに他のコーティング用基
剤を添加して使用してもよい。
【0037】本発明におけるヒドロキシプロピルメチル
セルローストリメリテートのコーティング量は、単位製
剤当たり、好適には5乃至50重量%、更に好適には、
5乃至30重量%である。本発明における製剤のコーテ
ィング膜の厚みは、好適には5μm乃至50μmであ
り、更に好適には10μm乃至30μmである。
【0038】なお、本発明で得られる製剤には、例えば
(イ)プラバスタチンナトリウムを含有する製剤に、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルローストリメリテートを含
むコーティング液でコーティングを施した錠剤、カプセ
ル剤、丸剤、顆粒剤もしくは細粒剤、(ロ)プラバスタ
チンナトリウムを含有する製剤に、ヒドロキシプロピル
メチルセルローストリメリテートを含むコーティング液
でコーティングを施した丸剤又は顆粒剤をカプセルに詰
めたカプセル剤又は(ハ)プラバスタチンナトリウムを
含有する製剤に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
トリメリテートを含むコーティング液でコーティングを
施した丸剤又は顆粒剤に添加剤を加え打錠した錠剤が挙
げられる。
【0039】また、上記丸剤又は顆粒剤の粒子径は、好
適には300μm乃至1700μmであり、更に好適には
500μm乃至1000μmである。
【0040】上記粒子径を有する丸剤又は顆粒剤は日本
工業規格の標準ふるい等を用いて得ることが。
【0041】以下に、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ーストリメリテートを含むコーティング液のコーティン
グ対象となる未コート製剤および下掛け製剤について説
明する。
【0042】すなわち、未コート製剤には、プラバスタ
チンナトリウム以外に、慣用される1種以上の添加剤を
含む。添加剤としては、例えば乳糖、白糖、マンニッ
ト、デンプン、結晶セルロース等の各種賦形剤;ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースまたはポリビニルピロリドン等の各種結合剤;
トウモロコシデンプン、カルボキシメチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒド
ロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリ
ウム、カルボキシメチルスターチナトリウムまたは架橋
ポリビニルピロリドン等の各種崩壊剤;およびステアリ
ン酸金属塩、ステアリン酸またはタルク等の各種滑沢
剤;が挙げられる(例えば、廣川書店刊「医薬品の開
発」第12巻参照。)。
【0043】なお、前記「ヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテートを含むコーティング液でコーテ
ィングを施した丸剤又は顆粒剤に添加剤を加え打錠した
錠剤」における添加剤も上述の添加剤と同意義を示す。
【0044】上記添加剤に加え、プラバスタチンナトリ
ウムを含む未コート製剤中には、該製剤の水性分散液の
pHが7以上になるように、1種以上の塩基性化剤を含
むことができ、本発明において好適な製剤は塩基性化剤
が含まれた製剤である。塩基性化剤の配合量は、組成物
全量中約1乃至75%、好適には2乃至70%の範囲で
選定する。塩基性化剤として、好適には酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物;水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化ア
ルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシ
ウムなどの水酸化アルカリ土類金属化合物;メタケイ酸
アルミン酸マグネシウム;水酸化アンモニウム;水酸化
アルミニウム;および/またはマガルドレート;等が挙
げられる。更に好適には酸化マグネシウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マ
グネシウム、水酸化アンモニウム、水酸化アルミニウム
および/またはマガルドレートである。最適には酸化マ
グネシウム、水酸化ナトリウムおよび/またはメタケイ
酸アルミン酸マグネシウムである。
【0045】本発明のプラバスタチンナトリウムを含む
未コート製剤は、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤また
は細粒剤等の経口投与できる剤型であればコーティング
を施される製剤の形態は問わないが、好適には丸剤又は
顆粒剤である。
【0046】これらの製剤は慣用の方法で製造すること
ができる。例えば、丸剤の場合、常法に従ってプラバス
タチンナトリウムと上記添加剤から選ばれる賦形剤、結
合剤、崩壊剤又はその他の適当な賦形剤を加えて均等に
混和した後、適当な方法で球状に成形する。(例えば、
「第13改正日本薬局方」製剤総則等参照。)。
【0047】本発明の製剤においては、上述したヒドロ
キシプロピルメチルセルローストリメリテートのコーテ
ィング膜と未コート製剤の間に更にコーティング(以
後、「下掛け」という。)をすることができ、本発明に
おいて好適な製剤は下掛けした製剤である。下掛けは水
溶液または水性分散液のpHが中性または塩基性の水溶
性高分子を用いる。下掛けは、該水溶性高分子を有機溶
剤または水性溶剤(水または水と有機溶剤の均一な混合
液)に溶解または分散させ下掛け液を作り、次いで上述
したコーティング方法に準じてコーティングして行な
う。下掛け液には、可塑剤等の添加物を加えても良い。
下掛けに用いられる水溶性高分子としては、好適にはヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、オパドライ(商品名:日本カラコン社)
および/またはポリビニルピロリドンが挙げられ、さら
に好適にはヒドロキシプロピルメチルセルロースまたは
オパドライ(商品名:日本カラコン社)が挙げられる。
下掛けする量は、未コート製剤の崩壊時間と下掛けした
製剤の崩壊時間がほぼ同じになる量とする。
【0048】本発明の製剤で使用するプラバスタチンナ
トリウムの含有量としては、単位製剤当たり0.1mg
乃至500mgであり、好適には単位製剤当たり1mg
乃至100mgである。
【0049】
【実施例】以下に、実施例等を挙げて本発明について具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0050】[製造例1]ヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテートの製造 2重量%水溶液の粘度が20℃で7.0cPであるヒド
ロキシプロピルメチルセルロース(メトキシ基23.0
重量%、ヒドロキシプロポキシ基5.5重量%:信越化
学工業(株)製)660gと、酢酸2310gを5L双
軸ニーダーに投入し70℃で溶解した。溶解終了後、エ
ステル化剤として無水トリメリット酸528gを加え、
さらに触媒として酢酸ナトリウム208gを加えて85
乃至90℃で反応させた。5時間後、反応溶液を冷却し
精製水1400gを加えて反応を停止させた。この溶液
を大過剰の精製水中に、攪拌下投入し生成物を析出させ
た。生成物を精製水で洗浄し洗液が酸性を示さなくなっ
た後、流動層乾燥機にて60℃で生成物を2時間乾燥し
てヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテート
を得た。
【0051】得られたヒドロキシプロピルメチルセルロ
ーストリメリテートの置換度はメトキシ基がDS=1.
41(14.9%)、ヒドロキシプロポキシ基がMS=
0.14(3.7%)、トリメリチル基がDS=0.5
4(35.4%)であった。ここでいうDSはdegr
ee of substitution(置換度)であ
り、MSはmolar substitution(分
子置換)である。DSおよびMSが示す値は共に1グル
コースユニット当たりに導入された置換基の数である。
【0052】[製造例2]ヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテート微細品の製造 製造例1と同様の方法で製造したヒドロキシプロピルメ
チルセルローストリメリテートを、気流式粉砕機(ID
S−2型、日本ニューマチック工業(株)製)を用い、
粉砕を行ないヒドロキシプロピルメチルセルローストリ
メリテートの微細品を得た。
【0053】得られた、ヒドロキシプロピルメチルセル
ローストリメリテートの微細品の置換度はメトキシ基が
DS=1.44(14.9%)、ヒドロキシプロポキシ
基がMS=0.18(4.6%)、トリメリチル基がD
S=0.56(35.9%)であり、平均粒子径は約
4.5μmであった。なお、平均粒子径は乾式レーザー
光回折装置(Helos&Rodos、日本分光(株)
製)を用いて測定した。
【0054】[製造例3]プラバスタチンナトリウムを
含む下掛け錠の製造 プラバスタチンナトリウム10部と乳糖74.2部と低
置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH21、信越
化学工業(株)製)20部と結晶セルロース(アビセルP
H101、旭化成工業(株)製)15部とメタケイ酸アル
ミン酸マグネシウム(ノイシリンFL2、富士化学工業
(株)製)7部をヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)
製)で混合した後、この混合物に10%ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース(TC5R、信越化学工業(株)
製)水溶液28部と適量の水を加えてヘンシェルミキサ
ーで練合した。得られた練合物を通気乾燥機で60℃、
1時間乾燥した。この乾燥物をφ1mmのスクリーンを
装着したパワーミル(ダルトン社製)で整粒した。得ら
れた顆粒129部、クロスポビドン(Kollidon
CL、BASF社製)10部およびステアリン酸マグ
ネシウム(日本油脂(株)製)1.0部をV型ミキサー
(徳寿製作所(株)製)で混合した。この混合物を打錠
して、径7.0mm2重R面を有する未コート錠を製造
した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC5M
W、信越化学工業(株)製)8部を殺菌精製水92部に
溶解したコーティング液を調製し、通気回転ドラムコー
ティング装置を用いて、入風温度60℃、スプレー速度
約9g/分、スプレー圧2kg/cm2の条件で、未コ
ート錠(1錠重量約140mg)1錠あたりの実質固形
分増加量として約5mgとなるようにコーティングし、
標記下掛け錠を得た。
【0055】[製造例4]プラバスタチンナトリウムを
含む下掛け錠の製造 プラバスタチンナトリウム20部と乳糖74.4部とク
ロスポビドン35部とメタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム(ノイシリンFL2、富士化学工業(株)製)7部を
ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)で混合した
後、この混合物に10%ヒドロキシプロピルセルロース
水溶液28部と適量の水を加えてヘンシェルミキサーで
練合した。得られた練合物を通気乾燥機で60℃、1時
間乾燥した。この乾燥物をφ1mmのスクリーンを装着
したパワーミル(ダルトン社製)で整粒した。得られた
顆粒139.2部、クロスポビドン10部およびステア
リン酸マグネシウム(日本油脂(株)製)0.8部をV
型ミキサー(徳寿製作所(株)製)で混合した。この混
合物を打錠して、径7.5mm2重R面を有する未コー
ト錠を製造した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(TC5MW、信越化学工業(株)製)8部を殺菌精製
水92部に溶解したコーティング液を調製し、通気回転
ドラムコーティング装置を用いて、入風温度60℃、ス
プレー速度約9g/分、スプレー圧2kg/cm2の条
件で、未コート錠(1錠重量約150mg)1錠あたり
の実質固形分増加量として約5mgとなるようにコーテ
ィングし、標記下掛け錠を得た。
【0056】[製造例5]プラバスタチンナトリウムを
含む下掛け丸剤の製造 プラバスタチンナトリウム20部と結晶セルロース(ア
ビセルPH101、旭化成工業(株)製)69部と低置
換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH21、信越化
学工業(株)製)20部とメタケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム(ノイシリンFL2、富士化学工業(株)製)6部
をヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)で混合し、
この混合物に10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶
液50部と適量の水を加えてヘンシェルミキサーで練合
した。得られた練合物をφ1mmのスクリーンを装着し
たドームグラン(不二パウダル製)で押し出し造粒した
後、マルメライザー(不二電気工業(株)製)を用いて
球形化したものを通気乾燥機で60℃、1時間乾燥し、
未コート丸剤を得た。ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース(TC5MW、信越化学工業(株)製)8部を殺菌
精製水92部に溶解したコーティング液を調製し、ワル
スターコーティング装置を用いて、入風温度60℃、ス
プレー速度約8g/分、スプレー圧1.5kg/cm2
の条件で、未コート丸剤120部あたりの実質固形分増
加量として約4.8部となるようにコーティングし、標
記下掛け丸剤を得た。
【0057】[製造例6]プラバスタチンナトリウムを
含む下掛け丸剤の製造 プラバスタチンナトリウム10部と乳糖50部とクロス
ポビドン(Kollidon CL、BASF社製)3
0部とメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ノイシリン
FL2、富士化学工業(株)製)6部をヘンシェルミキ
サー(三井鉱山(株)製)で混合し、この混合物に10
%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液40部と適量の
水を加えてヘンシェルミキサーで練合した。得られた練
合物をφ1mmのスクリーンを装着したドームグラン
(不二パウダル製)で押し出し造粒した後、マルメライ
ザー(不二電気工業(株)製)を用いて球形化したもの
を通気乾燥機で60℃、1時間乾燥し、未コート丸剤を
得た。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC5M
W、信越化学工業(株)製)8部を殺菌精製水92部に
溶解したコーティング液を調製し、ワルスターコーティ
ング装置を用いて、入風温度80℃、スプレー速度約2
0g/分、スプレー圧2.5kg/cm2の条件で、未
コート丸剤100部あたりの実質固形分増加量として約
8部となるようにコーティングし、標記下掛け丸剤を得
た。
【0058】[実施例1]ヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテートでコーティングをした錠剤の製
製造例1で製造したヒドロキシプロピルメチルセルロー
ストリメリテート8部およびクエン酸トリエチル(シト
ロフレックス、森村商事(株)製)0.8部を70%エ
タノール水91.2部に溶解し、コーティング液を調製
した。通気回転ドラムコーティング装置(ドリアコータ
―DRC−200)を用いて、入風温度70℃、風量3
0m3/時、スプレー速度約3g/分、スプレー圧0.
8kg/cm2の条件で、製造例3の下掛け錠(1錠重
量約145mg)1錠あたりの実質固形分増加量が約1
0mgとなるように、上記コーティング液でコーティン
グし、標記コーティング錠を得た。
【0059】[実施例2]ヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテートでコーティングをした錠剤の製
製造例1で製造したヒドロキシプロピルメチルセルロー
ストリメリテート8部およびクエン酸トリエチル(シト
ロフレックス、森村商事(株)製)0.8部を70%エ
タノール水91.2部に溶解し、コーティング液を調製
した。通気回転ドラムコーティング装置(ドリアコータ
―DRC−200)を用いて、入風温度70℃、風量4
0m3/時、スプレー速度約3g/分、スプレー圧0.
8kg/cm2の条件で、製造例4の下掛け錠(1錠重
量約155mg)1錠あたりの実質固形分増加量が約1
0mgとなるように、上記コーティング液でコーティン
グし、標記コーティング錠を得た。
【0060】[実施例3] ヒドロキシプロピルメチル
セルローストリメリテートの水分散コーティング液でコ
ーティングをした錠剤の製造 クエン酸トリエチル1.75部(ヒドロキシプロピルメ
チルセルローストリメリテートに対して35重量%に相
当)を精製水91.75部に氷冷下で攪拌して溶解し
た。ここに製造例2で製造したヒドロキシプロピルメチ
ルセルローストリメリテートの微細品5部及びタルク
1.5部を攪拌下分散して、コーティング液を調製し
た。通気回転ドラムコーティング装置(ドリアコータ−
DRC200)を用いて、入風温度60℃、風量30m
3/時、スプレー速度約6g/分、スプレー圧0.8k
g/cm2の条件で、この水分散コーティング液を製造
例3の下掛け錠(1錠約145mg)1錠あたりの実質
固形分増加量が約15mgとなるように上記コーティン
グ液でコーティングし、標記コーティング錠を得た。
【0061】[実施例4] ヒドロキシプロピルメチル
セルローストリメリテートの水分散コーティング液でコ
ーティングをした丸剤に添加剤を加え打錠した錠剤の製
クエン酸トリエチル2.8部(ヒドロキシプロピルメチ
ルセルローストリメリテートに対して40重量%に相
当)を精製水88.1部に氷冷下で攪拌して溶解した。
ここに製造例2で製造したヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテートの微細品7部及びタルク2.1
部を攪拌下分散して、コーティング液を調製した。ワル
スターコーティング装置を用いて、入風温度60℃、ス
プレー速度約18g/分、スプレー圧1.5kg/cm
2の条件で、この水分散コーティング液を製造例5の下
掛け丸剤124.8部あたりの実質固形分増加量が約2
3.2部となるように上記コーティング液でコーティン
グし、コーティングをした丸剤を得た。得られたコーテ
ィングをした丸剤148部、結晶セルロース(アビセル
PH101、旭化成工業(株)製)283.01部、クロ
スポビドン24.37部、ヒドロキシプロピルセルロー
ス(日本曹達(株)製)14.62部、ケイ酸カルシウ
ム(フローライトRE、徳山曹達(株)製)25部およ
びステアリン酸マグネシウム(日本油脂(株)製)5部
をV型ミキサー(徳寿製作所(株)製)で混合した。こ
の混合物を打錠して、長径15.0mm、短径6.8m
mを有する、標記錠剤を得た。
【0062】[実施例5] 下掛け丸剤にヒドロキシプ
ロピルメチルセルローストリメリテートの水分散コーテ
ィング液でコーティングをした丸剤をカプセルに充填し
たカプセル剤の製造 クエン酸トリエチル2.8部(ヒドロキシプロピルメチ
ルセルローストリメリテートに対して40重量%に相
当)を精製水88.1部に氷冷下で攪拌して溶解した。
ここに製造例2で製造したヒドロキシプロピルメチルセ
ルローストリメリテートの微細品7部及びタルク2.1
部を攪拌下分散して、コーティング液を調製した。ワル
スターコーティング装置を用いて、入風温度60℃、ス
プレー速度約18g/分、スプレー圧1.5kg/cm
2の条件で、この水分散コーティング液を製造例5の下
掛け丸剤124.8部あたりの実質固形分増加量が約1
4.9部となるように上記コーティング液でコーティン
グし、コーティングをした丸剤を得た。得られたコーテ
ィングをした丸剤139.7部を3号カプセルに充填
し、標記カプセル剤を得た。
【0063】[実施例6] 下掛け丸剤にヒドロキシプ
ロピルメチルセルローストリメリテートの水分散コーテ
ィング液でコーティングをした丸剤をカプセルに充填し
たカプセル剤の製造 製造例1で製造したヒドロキシプロピルメチルセルロー
ストリメリテート8部およびクエン酸トリエチル(シト
ロフレックス、森村商事(株)製)0.8部を50%エ
タノール水91.2部に溶解し、コーティング液を調製
した。ワルスターコーティング装置を用いて、入風温度
80℃、スプレー速度約20g/分、スプレー圧2.5
kg/cm2の条件で、このコーティング液を製造例6
の下掛け丸剤108部あたりの実質固形分増加量が約1
9部となるように上記コーティング液でコーティング
し、コーティングをした丸剤を得た。得られたコーティ
ングをした丸剤127部を3号カプセルに充填し、標記
カプセル剤を得た。
【0064】[試験例1] 経時安定性試験(1) 本発明の温度および湿度に対する経時安定性を見るた
め、実施例1の錠剤を50℃および40℃、相対湿度7
5%条件下で経時試験を行ない、50℃では最長3ヶ月
まで、また40℃、相対湿度75%では最長6ヶ月まで
経時試験を行なった。経時試験後の錠剤を日本薬局方第
13改正の崩壊試験に準じて、第1液(pH1.2、以
下JP1液という。)、またはpH4.5の緩衝液(S
φrensen緩衝液)を用いて崩壊試験を行なった。崩壊試
験の結果を表1に示す。
【0065】
【表1】 実施例1の錠剤は、プラバスタチンの崩壊挙動が経時的
に安定した製剤であった。即ち、プラバスタチンの吸収
量が経時的に安定な製剤であることが確認された。
【0066】[試験例2] 経時安定性試験(2) 実施例4の錠剤につき、日本薬局方第13改正の溶出試
験に準じて、第1液(pH1.2、以下JP1液とい
う。)、またはpH4.5の緩衝液(Sφrensen緩衝
液)を用いて溶出試験を行なうと、プラバスタチンの溶
出挙動が経時的に安定した製剤である。即ち、プラバス
タチンの吸収量が経時的に安定な製剤であることが確認
される。
【0067】[試験例3] 経時安定性試験(3) 実施例5のカプセル剤につき、日本薬局方第13改正の
溶出試験に準じて、第1液(pH1.2、以下JP1液
という。)、またはpH4.5の緩衝液(Sφrensen緩
衝液)を用いて溶出試験を行なうと、プラバスタチンの
溶出挙動が経時的に安定した製剤である。即ち、プラバ
スタチンの吸収量が経時的に安定な製剤であることが確
認される。
【0068】[試験例4] ビーグル犬の血漿中のプラ
バスタチンのAUC及び3α−ヒドロキシ−イソプラバ
スタチン(異性化体)の測定(1) 実施例2の錠剤を、雄性ビーグル犬(絶食下、体重1
0.4 ±1.0Kg(Mean±S.D.:n=5))
にプラバスタチンナトリウムを20mg/bodyで1
7日間反復経口投与した。投与30分前および投与直前
にテトラガストリン(5μg/kg)を筋肉内投与し胃内
を酸性(およそ、pH2以下)とした。採血日は第17
日目、採血時間は投与直後及び0.5,1,2,3,
4,6,8,10,12,14,24時間で行った。採
血は各時点で1回に4mlの静脈血をヘパリン処理した
シリンジを用い行い、その後直ちに遠心分離(4℃,30
00rpm,15分間)し、得られた血漿を測定時まで−
20℃で凍結保存した。血漿中のプラバスタチン及び3
α−ヒドロキシ−イソプラバスタチンの測定は液体クロ
マトグラフィー質量分析計(LC/MS/MS)を用い
て下記条件で測定した。AUC(0−∞:血中濃度曲線
下面積)の値は薬物体内動態解析ソフトであるWinN
onlin(登録商標、Scientific Con
sultingINC.製)のモデル非依存的解析法を
用いて算出した。 液体クロマトグラフ(LC)の条件 カラム:Inertsil ODS-3(150mmX4.6mm I.D.,5μm) ( GLsciences Inc.製) 移動相 :アセトニトリル/0.02%ギ酸/0.06%トリエチルアミン /酢酸アンモニウム/水 =400ml/0.2ml/ 0.6ml/0.77g/600ml カラム温度:40℃ 流量:1.0ml/分。 保持時間: プラバスタチン 約2.1分、 3α−ヒドロキシ−イソプラバスタチン 約2.5分、 内部標準物質 約4.2分 質量分析計(MS/MS)の条件 イオンモード:大気圧化学イオン化法(陰イオンモード) モニタリングイオン(m/z) : プラバスタチン m/z [M-H]- 423.2 → m/z 321 3α−ヒドロキシ−イソプラバスタチン m/z [M-H]- 423.2 → m/z 321 内部標準物質 m/z [M-H]- 465.2 → m/z 321 なお、内部標準物質は下記式:
【0069】
【化1】 で示される化合物を用いた。
【0070】
【表2】 表2から実施例2の錠剤はプラバスタチンナトリウムの
大きな吸収量が得られ、異性化体である、3α−ヒドロ
キシ−イソプラバスタチンは検出されなかった。
【0071】[試験例5] ビーグル犬の血漿中のプラ
バスタチンのAUC及び3α−ヒドロキシ−イソプラバ
スタチン(異性化体)の測定(2) 実施例6のカプセル剤を、雄性ビーグル犬(絶食下、体
重11.3 ±0.6Kg(Mean±S.D.:n=
6))にプラバスタチンナトリウムを10mg/bod
yで経口投与した。投与30分前、投与直前および投与
30分後にテトラガストリン(5μg/kg)を筋肉内投
与し胃内を酸性(およそ、pH2以下)とした。採血時
間は投与直後,0.5,1,1.5,2,4,6,8,
10,24時間で行った。採血は各時点で1回に4ml
の静脈血をヘパリン処理したシリンジを用い行い、その
後直ちに遠心分離(4℃,3000rpm,15分間)し、
得られた血漿を測定時まで−20℃で凍結保存した。血
漿中のプラバスタチン及び3α−ヒドロキシ−イソプラ
バスタチンの測定は液体クロマトグラフィー質量分析計
(LC/MS/MS)を用いて下記条件で測定した。A
UC(0−∞:血中濃度曲線下面積)の値は薬物体内動
態解析ソフトであるWinNonlin(登録商標、S
cientific Consulting INC.
製)のモデル非依存的解析法を用いて算出した。液体ク
ロマトグラフ(LC)の条件及び質量分析計(MS/M
S)の条件は試験例4と同じ条件で行なった。結果を表
3に示す。
【0072】
【表3】 表3から実施例6のカプセル剤はプラバスタチンナトリ
ウムの大きな吸収量が得られ、異性化体である3α−ヒ
ドロキシ−イソプラバスタチンは検出されなかった。
【0073】[試験例6] ビーグル犬の血漿中のプラ
バスタチンのAUC及び3α−ヒドロキシ−イソプラバ
スタチン(異性化体)の測定(3) 実施例4の錠剤につき、上記試験例5と同様の試験を行
なうと、プラバスタチンナトリウムの大きな吸収量が得
られ、異性化体である3α−ヒドロキシ−イソプラバス
タチンは検出されない。
【0074】
【発明の効果】プラバスタチンナトリウムを含む製剤に
ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテートで
コーティングした製剤は、プラバスタチンナトリウムの
異性化体が生成せず、崩壊挙動が経時的に安定で(即
ち、プラバスタチンの吸収量が経時的に安定であ
る。)、さらにプラバスタチンナトリウムの吸収性に優
れた製剤である。
【0075】また、本発明のプラバスタチンナトリウム
含有製剤は、プラバスタチンナトリウムの放出挙動が均
一であり、コーティング基剤に崩壊促進のpH選択性を
付与する成分を加えることなく、コーティング液を調製
することができるため、製剤化の工程数が少ない。さら
に、プラバスタチンナトリウムを徐放化させ、持続性が
優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/06 A61P 3/06 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 川端 清 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA31 AA36 AA54 BB06 CC21 DD28 DD37 DD47 EE31 EE32J FF25 FF64 4C206 AA01 AA02 DB03 DB56 KA04 MA01 MA05 MA55 MA57 MA72 NA03 NA10 ZC20 ZC35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラバスタチンナトリウムを含有する製剤
    を、ヒドロキシプロピルメチルセルローストリメリテー
    トを含むコーティング液によりコーティングした製剤。
  2. 【請求項2】粒子径が300μm乃至1700μmであるプラバ
    スタチンナトリウムを含有する丸剤又は顆粒剤を、ヒド
    ロキシプロピルメチルセルローストリメリテートを含む
    コーティング液によりコーティングし、カプセルに充填
    したカプセル剤。
  3. 【請求項3】粒子径が300μm乃至1700μmであるプラバ
    スタチンナトリウムを含有する丸剤又は顆粒剤を、ヒド
    ロキシプロピルメチルセルローストリメリテートを含む
    コーティング液によりコーティングし、添加剤を加え打
    錠した錠剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003192579A (ja) * 2001-10-17 2003-07-09 Takeda Chem Ind Ltd 酸に不安定な薬物の高含量顆粒
KR100514590B1 (ko) * 2001-12-18 2005-09-14 주식회사 대웅 프라바스타틴나트륨 및 안정화제로서의 코폴리비돈을함유하는 약제 조성물
CN1331476C (zh) * 2005-07-05 2007-08-15 凌沛学 一种辅酶a舌下含片及其制备方法
BG934U1 (bg) * 2006-12-14 2007-11-30 "Софарма" Ад Състав за твърда лекарствена форма, съдържащ правастатин

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