JP2001270701A - 水の分解方法 - Google Patents

水の分解方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 600℃前後の温度領域で鉄酸化物の合成反
応の結果として水を分解して水素を製造し、ついで合成
された鉄酸化物の分解反応から酸素を発生させる。 【解決手段】 金属亜鉛と、マグネタイトとを水と反応
させ、下式(1)にしたがって、 3Zn+2Fe34+4H2O=3ZnFe24+4H2
(1) 反応生成物として、ZnFe24が合成し、水素を発生
させる。次に、合成されたZnFe24を式(2)にし
たがって、 3ZnFe24=3Zn+2Fe34+2O2
(2) 分解し、分解反応の生成物として酸素を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を分解させる方
法、特に鉄酸化物の合成反応によって水素を生じさせ、
さらにその合成物の分解反応から酸素を発生させる水の
分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水素は、燃料、特に液体燃料またはガス
燃料の原料あるいは物質製造の原料として重要である。
また、化石燃料に依存しないクリーンエネルギーシステ
ムを実現するうえにも重要な意味を有している。
【0003】水素エネルギーシステムによれば、水を原
料として水素を製造することにより、水素が燃料として
再び水に帰るという自然サイクルの枠内でエネルギーを
利用することができる。
【0004】現在水素の大部分は、主にナフサから水蒸
気改質法を用いて製造されている。この方法は、 2CnHm+4nH2O→2nCO2+(m+n)H2・・・・(1) なる反応で化石炭化水素CnHmから水素を製造する方
法であるが、化石炭化水素を水素製造の原料として使用
する限り、水素を一次エネルギー源として利用する意義
はない。水を原料として水素を製造する方法としては既
に幾つかの方法が知られており、その中でも、熱化学サ
イクル法、光化学サイクル法などが革新的な方法である
といわれている(商品大辞典 東洋経済新報社 P8
4,昭51参照)。
【0005】熱化学サイクル法の最も簡単な方法には、
酸化還元法がある。この方法は、酸化しやすい金属を水
蒸気の中に入れて酸化物を作り、水素を発生させ、次に
酸化物を加熱還元してもとの金属とする方法である。こ
の方法によるときには、第二段の還元プロセスに多量の
エネルギーが入用である。そのほか、金属酸化物を還元
処理し、これを水蒸気と作用させて水素を発生させる方
法がある。この方法を反応式で示せば式(2),式
(3)のとおりである。 MOox = MOred + 1/2O2 ・・・・・(2) MOred + H2O = MOox + H2・・・・・(3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、式(2)の
反応には、1200〜2300℃の高温雰囲気が必要で
あり、また、反応後、反応がもとに戻らないようにクエ
ンチ処理が必要であることから、そのエネルギー損失は
大きい。
【0007】光化学サイクル法は、分子分解やイオン分
離反応を熱の代りに光を用いて反応を進めようとするも
ので、太陽エネルギーを利用しようというソーラケミス
トリーの試みの一つであるが、エネルギーの利用効率に
問題がある。これに対して、近年、高温ソーラケミスト
リーに関する技術開発の試みに注目されるようになって
きている。
【0008】高温ソーラケミストリーとは、太陽光を集
光し、高温において熱化学反応を進行させる技術であ
る。高温ソーラケミストリーには、太陽集光による高温
化学反応による太陽/化学エネルギー変換という従来の
高温ソーラケミストリーとは異なる新しい研究分野が開
かれつつあり、国際エネルギー機構の太陽エネルギープ
ログラムの重要な位置を占めつつある。
【0009】高温ソーラケミストリー技術を用いて水素
製造熱化学サイクル法を実施できれば、まさしく水素経
済あるいは水素エネルギーシステムを実現して省エネル
ギー、無公害エネルギー工業の実現が約束される。
【0010】しかし、現在の高温ソーラケミストリーに
よる水素製造熱化学サイクル法は、式(2)の反応を太
陽炉反応に用いるために、極めて高温(1200℃〜2
300℃)が必要であり、かつクエンチを必要とするた
めにエネルギー損失が大きく、実用レベルには程遠いの
が実情である。
【0011】本発明の目的は、600℃前後の温度領域
で鉄酸化物の合成反応の結果として水を分解して水素を
製造する方法並びに合成された鉄酸化物の分解反応から
酸素を発生させる水の分解方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による水分解方法においては、金属亜鉛と、
マグネタイトとを水と反応させ、その反応生成物として
水素を発生させる方法である。
【0013】また、金属亜鉛とマグネタイトとをモル比
1.5で混合して600℃で水蒸気と反応させるもので
ある。
【0014】また、金属亜鉛と、マグネタイトとを水と
反応させる反応は、化学式、 3Zn+2Fe34+4H2O=3ZnFe24+4H2 にしたがって進行し、反応生成物として、ZnFe24
が合成される反応である。
【0015】また、前記反応によって生ずる水素は、Z
nの酸化から生成する水素に加え、さらに、Feイオン
がすべて3価に酸化されることによって生じる水素であ
る。
【0016】また、合成されたZnFe24を分解し、
分解反応の生成物として酸素を発生させるものである。
【0017】また、合成されたZnFe24は、式 3ZnFe24=3Zn+2Fe34+2O2 にしたがって分解し、Fe3+の還元と共に解放される酸
素原子に伴って、ZnFe24中のZn原子が単独で揮
発する反応である。
【0018】また、合成されたZnFe24の分解反応
のエネルギーは、太陽エネルギーを熱源として供給する
ものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を示す。
本発明においては、金属Znと、マグネタイト(Fe3
4)を水蒸気に反応させてZnFe24を合成し、H2
ガスを発生させる。その反応のメカニズムは、以下の通
りである。すなわち、
【0020】一般に固気反応を用いてZnFe24を合
成するには、新たにスピネル構造を形成するための要件
として酸化亜鉛とヘマタイトとの定比混合物を空気中で
900℃以上に焼成することが必要であるといわれてい
る。
【0021】ところが、金属亜鉛(Zn)は、水のよう
な酸素源とともに加熱すると、容易に反応し、式4の反
応により、水素を生成してZnOになる。 Zn+H2O=ZnO+H2・・・・・(4)
【0022】また、マグネタイトは、構成イオンである
Fe2+がFe3+に酸化されることで酸素を受け入れうる
が、例えば600℃程度では水とは反応しない。しか
し、金属亜鉛とマグネタイトとをモル比1.5で混合し
て600℃で水蒸気と反応させると、ZnFe34が生
成し、式5に示した反応が進行する。 3Zn+2Fe34+4H2O=3ZnFe24+4H2・・・(5) その結果、Znの酸化から生成する水素に加え、さら
に、Feイオンがすべて3価に酸化されることによって
生じる水素を得ることができる。
【0023】次に、式5の反応によって合成されたZn
Fe24は、これを熱分解させることによって、酸素を
発生させることができる。そのメカニズムは、以下の通
りである。
【0024】酸化亜鉛、例えばZnOは、約1300℃
から徐々に昇華する物質である。このため、式6、 ZnO=Zn+1/2O2・・・・(6) のように酸化亜鉛を熱分解するにはかなりの高温が必要
である。このため、酸化亜鉛を金属亜鉛に還元するとき
には、H2ガス中のような還元性雰囲気下で加熱する手
法が用いられる。
【0025】しかし、水の分解反応の一環で、水素還元
を用いることはできないので、水分解にZn/ZnO系
を用いるには、高温反応の壁を乗り越えなければならな
くなる。
【0026】一方、ZnFe24格子中にはZn2+より
還元されやすいFe3+イオンが存在する。Fe3+からな
る酸化物Fe34が還元される条件下であれば、式7、 3ZnFe24=3Zn+2Fe34+2O2・・・・(7) のように、1200〜1600℃の温度のもとで、Fe
3+の還元と共に解放される酸素原子に伴って、ZnFe
24中のZn原子が単独で揮発することが期待できる。
【0027】もっとも、この温度範囲であれば、太陽炉
内で充分に実現が可能であり、上記反応を太陽炉内で行
なうことによって、太陽エネルギーを酸化物還元体(Z
n)の化学エネルギーに変換することができる。
【0028】本発明において、ZnとFe34との混合
物からのZnフェライトの生成は、反応機構として次の
反応Aの一段階反応と、反応Bと、反応Cによる二段階
反応が考えられる(△Gはそれそれ1000Kでの
値)。
【0029】 3Zn+2Fe34+4H2O=3ZnFe24+4H2 △G=−108.5kJ/mol (反応A) 3Zn+3H2O=3ZnO+3H2 △G=−159.8kJ/mol (反応B) 3ZnO+2Fe34+H2O=3ZnFe24+H2 △G=+51.4kJ/mol (反応C)
【0030】反応Aの△Gは反応Bよりも高いが、10
00Kでは十分に反応が進行し得る。しかし、反応Cは
600℃(=973K)では熱力学的に進行しない。実
際には、起きる反応は、反応速度によって決定される。
もし、反応Bが反応Aより早い場合、ZnOは生成する
が、反応Cに示されているようにFe34との反応が起
きないため、ZnFe24は生成しない。従って反応A
の3分子反応の反応速度が反応Bよりも早ければ反応A
が進行し得る。このような早い反応側で進行する反応A
の機構は次のように進行するものと考えられる。
【0031】反応Aは、3分子反応であるので、2分子
反応のB,Cに比べ反応が起こり難いと考えられるが、
実際に反応Aが進行することが見出されたので、熱力学
的には3分子反応で進行するものと考えざるを得ない。
このような3分子反応を可能にしているのはZnの融点
が419℃と低いことではないかと思われる。
【0032】すなわち、融解したZnはマグネタイトの
粒子の表面に数原子オーダーの厚みで薄く広がり、その
金属界面へ水蒸気がとけ込んで中間体薄膜(ZnO)
[無定形であり、熱力学的には反応Cとは異なる化学
種])が形成され(3モルの水素発生)、同時に、マグ
ネタイト中のFe2+イオンが中間体薄膜中のZnO[無
定形]をA格子としてスピネル型格子を組むようにカチ
オン移動を起こし、その時に熱力学的に安定な(熱力学
的データーから3分子反応ではZnフェライト(ZnF
24)が最終安定化合物)化合物であるZnフェライ
トが形成されるので、カチオン移動を起こしたFe2+
オンはさらにFe3+イオンに酸化される。
【0033】この時にZnO[無定形]が再び金属亜鉛
に変化することになるが、この還元ポテンシャルは水を
分解することによって補われ得るので、金属亜鉛を形成
することなく、ZnO[無定形]がZnフェライトのス
ピネル構造を形成すると同時に水の分解が起こり(1モ
ルの水素発生)、トータルとして4モルの水素が発生す
ると共に、Znフェライトが形成される。
【0034】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0035】(実施例1)試料1として、Zn粉末とF
34(共に和光純薬工業製)をモル比1.5に調整し
た。この試料1を、先を細くした直径25mmφの石英
管に詰め、赤外炉で200℃/minの昇温速度で60
0℃(550〜650℃)まで加熱した。ついでこの石
英管内に、300℃に予熱した水蒸気を導入し、試料1
を反応させた。
【0036】水蒸気発生には、300℃に加熱した電気
炉に、アルミナビースを詰めた12mmφのステンレス
管を置き、その中に炉の中央部までキャピラリーを差込
み、蒸留水をマイクロポンプで0.1ml/min
(0.03〜1.5ml/min)で石英管内に送りこ
んだ。試料の反応生成物として発生した水素は、水上置
換で回収してガスクロマトグラフィーで定量し、固相は
化学分析(比色分析、原子吸光法)と粉末X線回折法
(XRD)、メスバウアー分光法で同定した。
【0037】以上、Zn粉末とFe34を用いた水分解
反応による水素発生反応においては、水蒸気中、600
℃で亜鉛フェライトが生成した。質量分析法で測定した
2発生の様子を図1に示す。図1に明らかなとおり、
水素発生反応の反応速度は速く、10分以内に、反応は
ほぼ終了している。
【0038】発生水素量から導かれた収率は600℃で
90%以上を示し、また、固相からはZnフェライトが
確認された。図2は、水素発生後のX線回折図である。
図2によれば、ZnOにピークが見られたため、これ
は、ZnFe24,Fe34,ZnOの混合物ではない
かと、推測される。
【0039】粉末X線回折法(XRD)では、マグネタ
イトと、Znフェライトとを見分けることは難しいが、
ヒピリジル錯体の吸光度から得たFe2+総Feイオン比
がマグネタイトの0.33より小さい0.09〜0.2
3であることと、メスバウアースぺクトルでZnフェラ
イト特有の二本組のピークが確認されたことから、Zn
フェライトが生成していることがわかる。
【0040】反応の温度依存性を調べたところ、550
℃では金属Znが残り(XRD)、収率も39%と低か
った。ZnOとFe34の混合物(モル比1.5)を同
じ条件で反応させたところ、水素の発生はほとんど見ら
れなかった。
【0041】Znのみの反応に関して、亜鉛粉末のみで
反応を行ったところ、焼結が起き、収率は47%であっ
た。また焼結させないために石英ガラス粉末を混合して
も同様(51%)であった。水蒸気の流量を減少させる
と収率は低くなった。合成された反応生成物は黒色で強
い磁性を帯びている。ちなみにZnFe24は、通常磁
性を持っていない。
【0042】これを空気中500℃で30min加熱す
ると、さらに酸化され、重量が増加し、ZnFe24
特有の茶色を呈するが、磁性は残る。ところが、600
℃を越える高温下では、磁性が失われることがわかっ
た。
【0043】(実施例2)次に、実施例1によって生成
された合成物(実施例1の水素発生によるZnFe24
(黒色)試料)からの酸素発生反応をキセノンランプ及
び熱天秤を用いて調べた。石英管内に差し込まれた皿付
き熱電対に実施例1の水素発生によるZnFe24(黒
色)試料(試料2)をのせ、不活性ガス気流中でキセノ
ンランプの集光を照射して酸素を放出させた。
【0044】また、試料2の分解と同時に生成して気化
する亜鉛を反応管壁に蒸着させて回収した。試料2は、
不活性ガス気流中において、昇温速度50℃/minで
1300℃まで加熱し、4時間保持した。図3に、酸素
発生時の試料2の重量変化を示す。試料2の比較実験の
ための試料として、焼成ZnFe24(戸田工業製)
(焼成試料)、共沈法で合成したZnFe24(共沈試
料)、及びこれをさらに酸化したもの(赤色酸化試
料)、ZnO(酸化亜鉛試料)(和光純薬工業製)を使
用した。
【0045】各試料2(試料2とその比較試験のための
試料)の表面積は、共沈≫ZnO≒焼成>水素発生後の
順に大きかった。石英管にキセノンランプの光を照射し
たところ、石英管壁の照射部分にZnOの白い蒸着物が
生成して光線を遮り、照射開始後数分で温度降下が起き
てしまい、長時間(1時間以上)の反応を行なうことが
できないが、傾向は後述の熱分析と同様になっている。
【0046】金属Znを用いた照射実験でのZn蒸気の
管壁への蒸着による回収率は90%以上であり、ZnO
からZn蒸気を生成できれは、金属Znを高収率で回収
できることがわかった。
【0047】熱重量分析(TG) 各試料2は、いずれも1250℃付近から急速に重量が
減少し、減少曲線はなめらかに平衡に達した。減少量は
重量で30−35%(理論量36%)であり、Znは高
効率で揮発している。生成物は黒色の磁性のある固体に
なり、粉末X線回折からマグネタイトと同定された。
【0048】重量減少開始点の接線の傾きから、反応の
初速度を算出したところ、 水素発生後>共沈≒ZnO>酸化後>焼成 の順に速かった。
【0049】水素発生後の試料2(実施例1の水素発生
によるZnFe24(黒色)試料)は表面積が小さいに
も関わらず、分解速度がとても速いという特性を持って
いることがわかった。この特性は、酸化することによっ
て鈍化することから、おそらく格子欠陥濃度が高く、水
素発生後の試料が酸素不足であることが分解速度に関わ
っているものと伺える。
【0050】また、水素発生時に生成する副生成物であ
るZnOが初速を担っているようにも考えることはでき
るが、含まれるZnO分以上の減少までなめらかに反応
が進むことから、この寄与は少ないと推察される。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属亜鉛
と、マグネタイトとを水と反応させ、600℃程度の比
較的低い温度で水素を発生させることができ、さらに、
反応の結果、合成されたZnFe24は、これを高温で
分解処理することにより、亜鉛と、マグネタイトと、酸
素を生じさせることができ、その分解反応を太陽炉内で
行い、太陽エネルギーを熱源として供給することによっ
て有効に酸素をとりだすことができる。
【0052】本発明によれば、水素の発生に、金属亜鉛
と、マグネタイトのようなありふれた材料を出発原料と
して使用し、さらに、金属亜鉛と、マグネタイトと水蒸
気との反応によって合成された合成物は、これを分解処
理することによって再び金属亜鉛と、マグネタイトとに
戻るため、廃棄物が生ぜず、水素製造熱サイクルの完全
クローズドサイクルシステムを実現できる効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Zn粉末とFe34を用いた水分解反応による
水素発生反応における質量分析法で測定したH2発生の
様子を示す図である。
【図2】水素発生後のX線回折図である。
【図3】酸素発生時の試料2の重量変化を示す図であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属亜鉛と、マグネタイトとを水と反応
    させ、反応生成物として水素を発生させることを特徴と
    する水の分解方法。
  2. 【請求項2】 金属亜鉛とマグネタイトとをモル比1.
    5で混合して600℃で水蒸気と反応させることを特徴
    とする請求項1に記載の水の分解方法。
  3. 【請求項3】 金属亜鉛と、マグネタイトとを水と反応
    させる反応は、化学式 3Zn+2Fe34+4H2O=3ZnFe24+4H2 にしたがって進行し、反応生成物として、ZnFe24
    が合成される反応であることを特徴とする請求項2に記
    載の水の分解方法。
  4. 【請求項4】 前記反応によって生ずる水素は、Znの
    酸化から生成する水素に加え、さらに、Feイオンがす
    べて3価に酸化されることによって生じる水素であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の水の分解方法。
  5. 【請求項5】 合成されたZnFe24を分解し、分解
    反応の生成物として酸素を発生させることを特徴とする
    請求項3に記載の水の分解方法。
  6. 【請求項6】 合成されたZnFe24は、式、 3ZnFe24=3Zn+2Fe34+2O2 にしたがって分解し、Fe3+の還元と共に解放される酸
    素原子に伴って、ZnFe24中のZn原子が単独で揮
    発する反応であることを特徴とする請求項5に記載の水
    の分解方法。
  7. 【請求項7】 合成されたZnFe24の分解反応のエ
    ネルギーは、太陽エネルギーを熱源として供給するもの
    であることを特徴とする請求項6に記載の水の分解方
    法。
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