JP2001269587A - 液体分注装置 - Google Patents

液体分注装置

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JP2001269587A JP2000084630A JP2000084630A JP2001269587A JP 2001269587 A JP2001269587 A JP 2001269587A JP 2000084630 A JP2000084630 A JP 2000084630A JP 2000084630 A JP2000084630 A JP 2000084630A JP 2001269587 A JP2001269587 A JP 2001269587A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダのシール圧力を効果的に高めること
ができ、長期間の繰返し使用においても液漏れが発生し
ない液体分注装置を提供する。 【解決手段】 シリンダとピストンで液体を分注する装
置であって、外周部がシリンダ3a内面と接する当該ピ
ストン10に、一方を開口にした凹部12を設け、該凹
部の開口は、分注する液体7側に位置させる。ピストン
に開口部を設け、開口部を分注する液体側に位置させシ
ール圧力を強化した液体分注装置が得られる。好適例で
は、凹部を有するピストンに加えて、凹部をもたないピ
ストンを一体的に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分析化学等に好適
に用いることを可能ならしめた液体分注装置に関するも
のであり、 特に、分注の液漏れ防止の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】分析化学等に用いる液体分注装置、たと
えば、臨床用生化学分析装置に使用される分注装置とし
て、以下の図8〜10に示すものを適用することができ
る。図8はピペッタと称されるものの、図9はデスペン
サと称されるものの、また図10はシッパと称されるも
のの、それぞれの例である。
【0003】ここに、図8に示すごとく、試料である血
清を試料容器1から反応容器2へ試薬(希釈液)7と共
に移し取るピペッタ、図9に示すごとく、定量の試薬7
を反応容器2へ添加するデスペンサ、図10に示すごと
く、反応終了後の反応液を検知器流通セル9に吸入する
シッパ、の3種の機能を有する。なお、図中、3はシリ
ンジ、4はマイクロシリンジ、5は弁(図中、A状態、
B状態のごとくに切り換えられる切換え弁)、6はチュ
ーブ、8はノズルを示し、また、10はシリンジ3の本
体(シリンダ)中を矢印のごとくに上昇、下降するピス
トン、21はマイクロシリンジ4の本体(シリンダ)中
を矢印のごとくに上昇、下降するプランジャである。
【0004】これらの動作について説明すれば、次のよ
うである。図8に示したピペッタでは、シリンジ3、マ
イクロリンジ4は、ピストン10およびフプランジャ2
0が上昇して液を吐出した状態から、 また弁5は図示し
たAの状態から動作を開始する。チューブ6内には試薬
7が満たされている。ノズル8が試料容器1の中に挿入
され、シリンジ3内のピストン10、 およびマイクロシ
リンジ4内のプランジャ20が下降すると、ノズル8の
先端部に、試料がマイクロシリンジ4のプランジャ20
の変位に伴う体積変化に相当する量だけ吸入され、一
方、試薬7はシリンジ3の中に吸入される。
【0005】次に、ノズル8は反応容器2の真上または
中に挿入され(図中破線状態参照)、弁5を、図中近傍
にその切り換わり状態を付記したBの状態に切換える。
最後に、シリンジ3内のピストン10、およびマイクロ
シリンジ4内のプランジャ20が上昇することによっ
て、ノズル8の先端部に吸入された微量の試料血清は、
シリンジ3の中に吸入された試薬7と共に反応溶器2の
中に吐き出されピペッティング動作を終了する。上記の
ようにして液体を分注することができる。
【0006】図9に示されるデスペンサは、基本的に図
8の場合と同様であるが、ノズル8の移動を必ずしも必
要とせず、反応容器2をノズル8の直下に輸送すること
によって、試薬7の分注が可能である。図9において、
弁5は、図8の場合と同様、図9に示したAの切り換わ
り状態でシリンジ3のピストン10が摺動下降して試薬
7を吸入し、次に、弁5が図中近傍にその切り換わり状
態を付記したBの切り換わり状態で、シリンジ3のピス
トン10が摺動上昇して試薬7を反応容器2内へ吐出分
注する。このようにして、本分注装置では定量の試薬7
を反応容器2へ添加することができる。
【0007】図10に示されるシッパにあっては、反応
容器2の中で反応が終了した液を、流通セル9の中に気
泡を導入することなく、かつ、前試料液の汚染のないよ
うに流通セル9内を反応液で共洗いし、正確な吸光度測
定を行うべく吸入しなければならないことが要請され
る。同図において、ノズル8が反応容器2の中に挿人さ
れ、弁5が図示したAの状態でシリンジ3のピストン1
0が摺動下降し、 反応液を流通セル9内に導入する(吸
引時)。流通セル内の内容積は0.3ml程度であり、
通常、約10倍の3mlが吸引され、前記の正確な比色
測定が実現される。本分注装置では、上記のごとくに、
反応終了後の反応液を検知器流通セル9に吸入すること
ができる。
【0008】なお、前試料液との間に空気層が介在して
いると、共洗いの効果が大きく汚染が少ない。導入され
た反応液の比色測定が行われている間に、弁5が、図中
近傍にその切り換わり状態を付記したBの状態になり、
シリンジ3内のピストン10が摺動上昇してシリンジ3
内の前試料液や共洗い液を吐出廃棄する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】(イ)上述のいずれの
分注装置にも共通に要求される事項は、摺動部分の液漏
れ防止機能とその耐久性である。液漏れや、気泡の混入
は、 分析装置にとって直接分析装置に影響する事項であ
り致命的である。また、分注装置周辺の構成部品の耐薬
品性的配慮からも液漏れは許容できないものである。摺
動部分の液漏れ防止構造は、 従来から苦心している個所
であり、特に、液体分注装置の摺動部分は、たとえばピ
ストンの上昇時に液漏れ、下降時に気泡の浸入するおそ
れがあり、液体と大気の分子量の違いから、気泡浸入が
より発生しやすい。
【0010】(ロ)さらには、本発明者による考察に基
づけば、液漏れ防止構造には、 使用する液体に対して
錆、変形などを発生させない、液体の温度変化および使
用環境の温度変化に対してもシール圧力が変化しにく
い、 さらに長期的な使用に耐えられる耐久性が要求さ
れ、殊に、耐久性は、被摺動体側のシリンダと上下動す
る摺動体(ピストン)が互いに接触して摺動するため
に、摺動部が時間経過とともに磨耗し、シール性能が低
下する傾向がある。一方、これらの現象はまた、保守点
検すべき保守点検間隔の短期化にもつながり、頻繁な保
守点検の必要性をももたらすことともなる。
【0011】(ハ)しかして、従来、前述のような自動
分析装置における液体分注装置の機能、および使用条件
を考慮して、多数の液漏れ防止の構造が考えられ、実用
化されているが、特に、シリンジ3とピストン10の、
従来の液漏れ防止構造として以下に述べるものにあって
は、それぞれ次のような点が指摘できる。図11に示し
たものは、使い捨てを目的としたシリンジ3であるが、
ピストン10の摺動部分(本体シリンダ内面と接し、分
注する使用液体と接するピストンヘッド)の材質がゴム
なので、 たとえば使用試薬が限定される。図12に示し
たものは、図11のピストンヘッドの材質を耐薬品性の
良い四弗化エチレン(たとえばテフロン(登録商標))
で構成した例である。 かかる場合は、酸性からアルカリ
性までの全ての試薬に対して安定であるが、ピストンヘ
ッドの外径が温度変化によって変化し、低温側で液漏れ
しやすく、高温側で負荷(摺動)抵抗が大きくなる傾向
がある。しかもまた、いずれの場合も、分注動作を繰り
返すに従いピストン10の摺動部分は磨耗するが、その
磨耗量を補足する手段がなく、この点でも耐久性にも乏
しいという欠点がある。
【0012】(ニ)よって、望ましいのは、前述したよ
うな欠点、不利等を除去でき、シリンダとピストンで液
体を分注する場合において、上述のごとき耐久性の要求
や、磨耗に伴うシール性能の低下の軽減ないし抑制ある
いは保守点検間隔の点に対しても、適切に対応可能で、
シリンダのシール圧力を高めることができ、長期間の繰
返し使用においても液漏れが発生しない液体分注装置を
実現できることであり、望ましいのはまた、分注液体を
押し出す時(たとえば図8〜10のピストン上昇時)に
シリンダ内の圧力を有効に活用し得て、シール圧力を高
めるのに効果的に機能させることができ、シリンダの耐
久性を飛躍的に高められて、保守点検間隔も長くなり、
長期的に安定した分析装置の稼働が可能になることであ
る。
【0013】(ホ)より望ましいのは、さらに加えて、
吸引時(たとえば図8〜10のピストン下降時)にも高
いシール圧を得るのに効果を発揮させ得て、吸引時に空
気を引き込まないようにしつつ、上記(ニ)のことを達
成することができる装置を実現できることである。
【0014】本発明は、したがって、上述のような考察
に基づき,また後記する考察にも基づき、液体分注装置
における液漏れ防止の改良、改善を図り、耐久性等に対
してもこれに適切に対応可能でシール圧力を高めること
ができるようにしようというものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
液体分注装置が提供される。すなわち、本発明は、シリ
ンダとピストンで液体を分注する装置であって、外周部
がシリンダ内面と接する当該ピストンに、一方を開口に
した凹部を設け、該凹部の開口は、分注する液体側に位
置させてなることを特徴とするものである(請求項
1)。
【0016】さらにまた、前記凹部を有するピストンに
加えて、凹部をもたないピストンを一体的に構成したこ
とを特徴とするものである(請求項2)。
【0017】
【発明の効果】本発明においては、長期間の繰返し使用
においても液漏れが発生しないかこれを良好に防止ない
し抑制できる液体分注装置を提供することができる。請
求項1では、該請求項記載の構成のごとくの液体分注装
置を得ることができ、よって、本発明によれば、シリン
ダのシール圧力を高めることができる。特に、開口部を
分注液体側に設置することにより、ピストンが上昇する
時、すなわち分注液体を押し出す時にシリンダ内の圧力
が凹部形状の開口部内に作用して、ピストン外径部をシ
リンダ内面璧に押す圧力を発生させ、ピストンの形状・
材質で決定される押圧力に液体を押し出す時の圧力の作
用で発生する押圧力を加算した押圧力が得られ、結果、
分注時に液体を押出す圧力が、シリンダとピストンのシ
ール効果を高めるように作用し、シリンダのシール効果
を飛躍的に改善させることになる。かくして当該シール
圧力を高めるのに効果的に機能させることができ、さら
にシリンダの耐久性を飛躍的に高めることができること
から、保守点検間隔も長くなり、長期的に安定した分析
装置の稼働が可能になる。
【0018】さらに、請求項1の構成に加え、請求項2
記載のごとくの構成すると、吸引時にも高いシール圧を
得るのに効果を発揮させ得て、吸引時に空気を引き込ま
ないようにしつつ、上記のことを達成することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1〜図7は、本発明に実施例を示
すもので、図1は、本発明に従う液体分注装置の一実施
例の説明に供する図、図2は、他の実施例の説明に供す
る図、図3〜図7は、それぞれ、さらに他の実施例の説
明に供する図である。ここに、いずれも、たとえば図8
〜10の液体分注装置におけるシリンジ3に適用した場
合の構成の例として示してある。
【0020】〔第1実施例〕:図1において、シリンジ
3は、シリンダ3aとピストン10とを有し、そのピス
トン10の図中下端部の中央部分には、たとえばロッド
先端部を螺合(または螺合と接着材による接着の併用)
により取り付けたロッド部11を備えて、これによりピ
ストン10をシリンダ3a内で上下動させて、対象とす
る液体(適用液体)の分注を行うことができる。
【0021】上記のごとくシリンダ3aとピストン10
で液体を分注する構成において、シール圧力を強化すべ
く、本発明に従って、ピストン10に開口部を設け、開
口部を分注する液体側に位置させる。これがため、具体
的には、図示のごとくに、ピストン10がシリンダ3a
内面と接するピストン外周部とピストン中心部との間に
一方を開口にしたくり貫き形状をなす凹部12を設ける
ものとし、さらにその開口を、分注する液体7側に位置
させるようになす。
【0022】したがって、図1に示す実施例では、ピス
トン10の外径部13とピストン中心部の間に円柱状の
凹部12(くり貫き)があり、開口部を分注液体7側に
位置させてある。図示の状態は、ピストン10の図中上
側部分のシリンダ3a内部に液体7が吸入されていると
ともに、該吸入液7が、図示のごとくあらかじめ設定さ
れた所定厚のピストン外筒部を残して該ピストン内部に
至るまで開口端側から十分な深さにわたって形成され
た、かかる凹部12部分内にも吸入されて、当該凹部部
分をも満たしている状態を示してある。ここに、こうし
た形状を有するピストン10の材質、製作等について
は、好適には、たとえば耐薬品性の良い四弗化エチレン
を材料としたモールド成型などによって得ることができ
る。
【0023】上記のように、本実施例では、分注に用い
るシリンジ3として、ピストン10がシリンダ3a内面
と接する垂直壁状のピストン外周部が形成されるようピ
ストン中心部に一方を開口にした凹部12を設け、さら
にその凹部12の開口を分注する液体7側に位置させる
ように構成したシリンジ3とすることができ、本シリン
ジ3は、これを、たとえば前記した図8のような液体分
注装置におけるシリンジとして適用する場合を例とする
なら、本シリンジ3での分注動作や作用、機能等につい
ては、以下のようなものとすることができる。
【0024】すなわち、上記構成のシリンダ3aとピス
トン10で液体7(ここでは、試薬7)を分注する場
合、該ピストン10を下降させると、試薬7はシリンジ
3の中に吸入され、この場合、既に述べたように、上記
凹部12部分内にも試薬7は吸入されて、図1図示のよ
うに該凹部12部分内部をも満たす。しかして、吐出時
には、該ピストン10が上昇することによって、試薬7
が吐き出される。
【0025】このようにして分注動作を行わせることが
できるが、ここに、本実施例では、外周部がシリンダ3
a内面と接する当該ピストン10では、一方を開口にし
た凹部12を設けて該凹部開口を分注する試薬7側に位
置せしめることから、その円柱状の凹部12(くり貫き
形状)を設けることによって、ピストン外筒部の半径方
向の弾性範囲が広がり、シリンダ3a内径に対するピス
トン外筒寸法の設定許容範囲が広がる。さらに、ピスト
ン外筒がシリンダ3a内面を押圧する弾性の作用範囲が
広がる。このことは、分注動作を繰り返し行ってピスト
ンの外筒部が摩耗しても、弾性が作用することによって
ピストン外筒がシリンダ3a内面を押圧する圧力変化も
小さくなり、長期的に適切なシール圧力が確保すること
ができることに有効に機能する。
【0026】さらにまた、上記凹部12(くり貫き)の
開口部を分注液体7側に設置することにより、ピストン
10が図1中上昇する時、すなわち分注液体7を押し出
す時にシリンダ3a内の圧力(=陽圧)が上記凹部12
(くり貫き形状)内に作用して、ピストン外径部13を
シリンダ3a内面壁に押す圧力を発生させる。このこと
は、ピストン10の形状・材質で決定される押圧力に液
体7を押し出す時の圧力の作用で発生する押圧力を加算
した押圧力が得られることになることを意味する。言い
換えると、分注時に液体7を押し出す圧力が、シリンダ
3aとピストン10のシール効果を高めるように作用し
シリンダ3aのシール効果を飛躍的に改善させることに
なる。
【0027】かくして、本実施例によれば、シリンダ3
aのシール圧力を高めることができ、特に、上記凹部1
2の開口部を分注液体側に設置することで、ピストン上
昇時(分注液体7を押し出す時)にシリンダ内の圧力が
上記凹部12形状内に作用して、ピストン外径部をシリ
ンダ内面壁に押す圧力を発生させ得て、ピストンの形状
・材質で決定される押圧力に液体を押し出す時の圧力の
作用で発生する押圧力を加算した押圧力が得られ、分注
時に液体を押出す圧力が、シリンダとピストンのシール
効果を高めるように作用し、結果、シリンダのシール効
果を飛躍的に改善させ得て、当該シール圧力を高めるこ
とに効果的に機能し、さらにシリンダの耐久性を飛躍的
に高めることができることから、保守点検間隔も長くな
り、長期的に安定した分析装置の稼働を可能になる。
【0028】ここに、たとえば特開平51−11138
9号公報(文献1)によるものと対比しても、該文献で
は上記のような作用、効果、機能につき記載がないのに
対して、本構成に従えば、効果的にシール圧力を強化が
図れ、長期的使用によるピストンなどの磨耗によるシー
ル効果の低下とそれに伴なう液漏れの発生、また使用環
境、使用液体の温度変化などによるピストンとシリンダ
の線膨張係数の差によって生じるシール効果の低下とそ
れに伴なう液漏れ発生などに対して効果を発揮しシリン
ダの寿命を著しく延期することができ、明細書冒頭で述
べた事項、特に(イ)および(ロ)〜(ニ)の考察事項
からの良好な解決策となり、既述したような欠点を除去
し得る液体分注装置を実現することができる。
【0029】次に、以下に例をもって示すものは、上記
構成をさらに拡張、発展させたものである。基本的な構
成についは図1の場合と同様であってよく、したがっ
て、図1と同様の部分、要素には同一の符号を付し、以
下、各例の要部について説明する。
【0030】〔第2実施例〕:図2は、実用的なピスト
ン形状に本発明を適応した例である。同図に示すよう
に、本実施例では、ピストン外筒部に図示のごとくのた
とえば断面三角形の切込み14を入れることで、シリン
ダ3a内面と接する複数の三角形状の部分(14,14
・・・)の個々が独立的に弾性対応できる。また、三角
形状の切込み部14がピストン10の摩耗片を貯めるこ
とができ(該切り込み部が、「摩耗片(ゴミ)よけ」と
して作用する)、摩耗片がピストン10とシリンダ3a
内面に介在してシールを損ねる等の悪影響を軽微にする
ことができる。
【0031】本実施例においても、前記第1実施例で述
べたのと同様の作用効果を奏するほか、これに加えて、
さらに上記のごとく切込み14によって得れる作用効果
を奏することができる。
【0032】本発明の実施に際しては、ピストン10の
凹部12形状(内部のくり貫き形状)は、液体7を押し
出す圧力、ピストン10の材質、適用液体、耐久性など
によって最適な形状を選択することになる。したがっ
て、本発明思想に従い、そのようにして実施することが
できる。以下に示すのはそのような場合の例でもある。
【0033】〔第3実施例〕:図3の実施例は、図1の
場合の上記凹部12内面(ピストン中心軸方向と平行な
内面形状)とは異なり、凹部12(くり貫き形状)内面
を連続的に変化させた例であり、この場合において、く
り貫き形状(凹部内壁斜面形状)の変化方向は任意であ
る。尚、図3に示すようなくり貫き形状を形成した場合
は凹部の低部に行くにつれて太い部材で形成しているの
で、凹部部材の低部付近を材料的に補強する効果を有す
る。本実施例は、図2の第2実施例の変形例でもあり、
また、図1の第1実施例の変形例でもあると捉えること
もできる。本実施例においても、前記第1実施例で述べ
たのと同様の作用効果を奏するとともに、前記第2実施
例で述べたのと同様の作用効果を奏することができる。
【0034】〔第4実施例〕:また、図4の実施例は、
ピストン10の凹部12(くり貫き形状)に凹部部分
(肉薄部分)15を設けるなどの部分的に形状変化をさ
せたものである。このような構成をも加味すると、摩耗
によって内側のピストンヘッドの外径とシリンダ3aの
内径が近くなったときに上部のピストンヘッドの可動部
分を増す(凹部12の根元部分に、より可撓性をもたら
すことができる)。本実施例も、図2の第2実施例の変
形例でもあり、また、図1の第1実施例の変形例でもあ
ると捉えることもできるものである。
【0035】本実施例においても、前記第1実施例で述
べたのと同様の作用効果を奏し、かつまた、前記第2実
施例で述べたのと同様の作用効果を奏するほか、これら
に加えて、さらに上記のごとくの凹部部分15によって
得れる作用効果を奏することができる。
【0036】〔第5実施例〕:さらに、図5、図6に示
す実施例のものは、ピストン10を輪切り状に断面にし
て見た図であり、これらの図に符号12a,12b,1
2c,12dを付して示すように、凹部12(くり貫き
形状)は部分的に凹部(くり貫き)12a,12b,1
2c,12dが形成されてもその効果は得られる。ここ
に、連結部分16は、これを弾性体とし、あるいは図6
に示すごとくに連結部分16を形成して構造を弾性的に
する構成を採用することができる。
【0037】本実施例も、図2の第2実施例の変形例と
も、また、図1の第1実施例の変形例でもあるとも捉え
ることができるものである。本実施例においても、前記
第1実施例で述べたのと同様の作用効果を奏するととも
に、前記第2実施例で述べたのと同様の作用効果を奏す
ることができ、図1〜図4の態様のほか、こうした態様
で本発明は実施してもよい。
【0038】これらの凹部12形状(くり貫き形状)
は、ピストン外径部13がシリンダ3a内面を押圧する
圧力分布をコントロールし、シール圧力、耐久性の特性
を決める要素となる。よって、本発明に従い、液体7を
押し出す圧力、ピストン10の材質、適用液体、耐久性
などによって最適な形状を選択することができ、種々の
変形、組み合わせが可能である。
【0039】〔第6実施例〕:上記で説明してきた各実
施例は、シリンダ3aとピストン10で液体7を分注す
る装置において、ピストン10に開口部を設け、開口部
を分注する液体7側に位置させシール圧力を強化するも
のの例であったが、次に示すものは、さらに前記ピスト
ン形状において、凹部12(くり貫き形状)を具備させ
たピストンに加えて凹部(くり貫き形状)を有しないピ
ストン部分を一体的に形成しようというものである。
【0040】図7は、かかる態様の一実施例であって、
図示のごとくに、凹部12(くり貫き形状)をもつピス
トン10に加えて、かかる凹部(くり貫き形状)をもた
ないピストン10′を一体的に構成した例である。な
お、本実施例は、ピストン10′が付加されている点で
図1の第1実施例の変形例でもあり、また、図2〜図4
の第2〜第4の各実施例における特徴部分、要素がそれ
ぞれ組み合わされてもいる点で、それぞれの変形例と捉
えることもできる。
【0041】本実施例においては、図7図示のごとくの
ピストン10′部分は、吸引時(液吸引の場合に、ピス
トン10の図中上側部分のシリンダ3a内部、すなわち
液側は負圧傾向になる)に空気を引き込まないようにせ
きをつくる機能を果たすものとなる。この場合、くり貰
き形状をなす凹部12をもたないピストン10′部は、
ピストン10部分に比べると、弾性範囲の許容範囲が狭
く、ピストン形状寸法、材質の選定等が難しくはなるも
のの、特に、吸引時の高いシール圧を向上させるための
効果が大きい。 したがって、かかるピストン10部分と
ピストン10′部分のとの併用は、有利である。
【0042】以上、図1〜図7に例をもって示したよう
に、本発明の各実施例によれば、長期的使用によるピス
トン10などの磨耗によるシール効果の低下とそれに伴
なう液漏れの発生、また使用環境、使用液体の温度変化
などによるピストン10とシリンダ3aの線膨張係数の
差によって生じるシール効果の低下とそれに伴なう液漏
れ発生などに対して効果を発揮し、シリンダ3aの寿命
を著しく延期することができ、シリンダ3aのシール圧
力を高めることができ、さらにシリンダの耐久性を飛躍
的に高めることができることから、保守点検間隔も長く
なり、長期的に安定した分析装置の稼働を可能になる。
かつまた、これに加えて、吸引時の高いシール圧を向上
させることのできる図7の第6実施例の場合は、明細書
冒頭で述べた、特に(ホ)の考察事項からの良好な解決
策ともなり、ピストンによる液吐出時のシール効果を高
めるのみならず、吸引時にも高いシール圧を得るのに効
果を発揮させ得て、吸引時に空気を引き込まないように
しつつ、上記のことを達成することのできる装置を得る
ことができる。
【0043】なお、本発明は、以上の実施の形態に限定
されるものではない。たとえば、図1〜図7に例示の構
成に限らず、以下の組み合わせ、すなわち、(1)第1
実施例(図1)と第3実施例の要部(図3)との組み合
わせ、(2)第1実施例(図1)と第4実施例の要部
(図4)との組み合わせ、(3)第1実施例(図1)と
第5実施例の要部(図5,6)との組み合わせ、(4)
第1実施例(図1)と第6実施例の要部(図7)との組
み合わせ、も可能であり、あるいはまた、たとえば、
(5)第4実施例の要部(図4)と第6実施例の要部
(図7)との組み合わせなど、種々の変形、変更例も本
発明に従って可能である。
【0044】また、たとえば、本発明は、図8〜10で
説明した臨床用生化学分析装置に使用される分注装置
(ピペッタ、デスペンサ、シッパ)におけるシリンジに
適用できることは勿論のこと、これ以外の分析化学等に
用いる液体分注装置その他の液体分注装置に広く適用可
能で、シリンダとピストンで液体を分注する装置におい
て、ピストンに開口部を設け、開口部を分注する液体側
に位置させ、シール圧力を強化した液体分注装置とする
ことができる。
【0045】また、以上に記載してきた内容は、以下の
発明として捉えることもできる。
【0046】〔付記項1〕 シリンダとピストンで液体
を分注する装置において、ピストンがシリンダ内面と接
するピストン外径部とピストン中心部との間に一方を開
口にしたくり貫き形状をなし、さらにそのくり貫き形状
の開口を分注する液体側に位置させたことを特徴とする
液体分注装置。
【0047】〔付記項2〕 前記ピストン形状におい
て、くり貫き形状を持つピストンに加えてくり貫き形状
を持たないピストン部分を一体的に構成したことを特徴
とする液体分注装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液体分注装置の一実施例の説明に供
する図で、シリンジに適用した場合の構成を示す図あ
る。
【図2】 同じく、他の実施例の説明に供する構成図で
ある。
【図3】 同じく、さらに他の実施例の説明に供する構
成図である。
【図4】 同じく、さらに他の実施例の説明に供する構
成図である。
【図5】 同じく、さらに他の実施例の説明に供する構
成図である。
【図6】 同じく、さらに他の実施例の説明に供する構
成図であって、図5の変形例を示す図でもある。
【図7】 本発明の液体分注装置のさらに他の実施例の
説明に供する図で、同様にシリンジに適用した場合の構
成を示す図ある。
【図8】 ピペッタと称される液体分注装置の例を示す
図である。
【図9】 デスペンサと称される液体分注装置の例を示
す図である。
【図10】 シッパと称される液体分注装置の例を示す
図である。
【図11】 液漏れ防止構造の従来例を示す図である。
【図12】 同じく、他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 試料容器 2 反応容器 3 シリンジ 3a シリンダ 4 マイクロシリンジ 5 弁 6 チューブ 7 試薬(液体) 8 ノズル 9 検知器流通セル 10 ピストン 10′ ピストン(凹部を設けないピストン部分) 11 ロッド部(ピストンロッド) 12 凹部 12a,12b,12c,12d 凹部 13 外径部(ピストン外径部) 14 切込み(ピストン外筒部切り込み部) 15 凹部部分(肉薄部分) 16 連結部分 20 プランジャ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 孝之 静岡県駿東郡長泉町下土狩128 三島オリ ンパス株式会社内 Fターム(参考) 2G058 EA03 EB08 4G057 AB16 AB37 AB38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダとピストンで液体を分注する装
    置であって、外周部がシリンダ内面と接する当該ピスト
    ンに、一方を開口にした凹部を設け、該凹部の開口は、
    分注する液体側に位置させてなることを特徴とする液体
    分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記凹部を有するピストンに加えて、凹部をもたないピ
    ストンを一体的に構成したことを特徴とする液体分注装
    置。
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