JP2001268966A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2001268966A
JP2001268966A JP2000077593A JP2000077593A JP2001268966A JP 2001268966 A JP2001268966 A JP 2001268966A JP 2000077593 A JP2000077593 A JP 2000077593A JP 2000077593 A JP2000077593 A JP 2000077593A JP 2001268966 A JP2001268966 A JP 2001268966A
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JP2000077593A
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Hideki Morozumi
英樹 両角
Kazuhiko Asada
和彦 麻田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機をインバータ回路により駆動する装置
において、電動機の動作領域を簡単な回路構成、制御方
式で拡大するとともに安定した出力性能を確保する。 【解決手段】 スイッチング手段1、4からなる直列回
路を複数設けたインバータ回路10と、電動機11を構
成する固定子巻線12u、12v、12wと、開閉手段
21と、制御手段22と、固定子巻線12u、12v、
12wに流れる電流に相当する値を検知する電流検知手
段27とを有し、制御手段22は電流検知手段27の出
力と電流設定値をうけてスイッチング手段1、4の導通
比を制御するようにしたので、開閉手段21のオン、オ
フ状態に応じて固定子巻線12u、12v、12wに流
れる電流を制御でき、出力トルクの安定性を確保でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭で使用さ
れる電気機器に使用される、電動機を駆動するインバー
タ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインバータ装置の構成を図12に
示す。
【0003】スイッチング手段1、2、3、4、5、6
は各々IGBTと逆接続ダイオードの並列回路で構成さ
れている。
【0004】直列回路7は、高電位側のスイッチング手
段1と低電位側のスイッチング手段4が直列接続されて
構成されている。直列回路8は、高電位側のスイッチン
グ手段2と低電位側のスイッチング手段5が直列接続さ
れて構成されている。直列回路9は、高電位側のスイッ
チング手段3と低電位側のスイッチング手段6が直列接
続されて構成されている。
【0005】インバータ回路10は直列回路7、8、9
が並列接続されて構成されている。つまり、インバータ
回路10はスイッチング手段1、2、3、4、5、6が
三相ブリッジされて構成されている。
【0006】電動機11は三相結線された固定子巻線1
2u、12v、12wを有する固定子12と永久磁石を
備えた回転子13により構成されている。
【0007】直流電源14は交流電源15を整流回路1
6により整流し、直流電圧を得るように構成される。整
流回路16はダイオードブリッジ17と平滑コンデンサ
18により全波整流されるように構成されている。
【0008】直流電源14の高電位側の端子は整流素子
であるダイオード19のアノードに接続し、ダイオード
19のカソードはコンデンサ20の高電位側の端子に接
続することで、ダイオード19を通じて直流電源14よ
りコンデンサ20に電力供給をしている。
【0009】コンデンサ20はインバータ回路10に接
続し、インバータ回路10に直流電源を出力する。
【0010】開閉手段21は固定子巻線12u、12
v、12wの中性点とダイオード19のアノード間に設
けられており、リレーで構成され、オンオフすることで
直流電源14の出力を前記中性点に接続したり、切り離
したりしている。
【0011】制御手段91は、マイクロコンピュータや
複数の論理回路などで構成され、制御手段91は位置検
知手段23の出力論理に応じて所定のスイッチング手段
1〜6をオンオフ制御する。同時に制御手段91は、ス
イッチング手段1〜6のオン期間中の導通比を制御す
る。つまり、図12のインバータ装置ではパルス幅変調
(PWM)を行うことで、固定子巻線12u、12v、
12wへの印加電圧の平均値を制御している。なお、図
12に示したインバータ装置では、パルス幅変調を行う
ためのキャリア周波数を約15.625kHzにしてい
る。
【0012】位置検知手段23は、回転子13の永久磁
石の磁極を検知する三つのホールIC24、25、26
により構成され、ホールIC24〜26は前記永久磁石
の磁極に応じてハイまたはローを制御手段91に出力す
る。なお、ホールIC24〜26は電気角で約120度
間隔になるように固定子12に配設されている。
【0013】図12に示した従来のインバータ装置の動
作について説明する。
【0014】制御手段91は、開閉手段21がオン状態
のときとオフ状態のときそれぞれに対応したスイッチン
グ手段のオンオフ制御を行う。開閉手段21がオフ状態
のときには、位置検知手段23の出力論理に応じて、1
20度通電形の全波駆動で電動機11を駆動する。この
とき、固定子巻線12u、12v、12wへの印加電圧
の最大値は全波駆動になるので、直流電源14の出力電
圧の約1/2になる。
【0015】開閉手段21がオン状態のときには、位置
検知手段23の出力論理に応じて、120度通電形の半
波で電動機11を駆動する。このとき、固定子巻線12
u、12v、20wへの印加電圧の最大値は直流電源1
4の出力電圧になる。図12に示したような回転子に永
久磁石を備える電動機では、永久磁石の回転により固定
子巻線12u〜12wに生じる誘導起電力の最大値が、
開閉手段21がオン状態のときと開閉手段21がオフ状
態のときとでは約2倍変化する。従って、開閉手段21
がオン状態のときには、オフ状態の時の約2倍の速度ま
で速度領域を広げることができる。
【0016】しかし、開閉手段21がオン状態のときに
は、電動機11を半波で駆動することになるので、同じ
トルクを出力するためには固定子巻線12u、12v、
12wに供給する電流も約2倍になる。
【0017】ダイオード19は、開閉手段21がオン状
態の時に固定子巻線12u〜12wに生じる誘導起電力
が短絡状態になるのを防止するものであり、この短絡電
流により電動機11の回転方向とは逆方向のトルクが生
じることを防止している。
【0018】コンデンサ20は、スイッチング手段オフ
時に生じる回生電流を平滑コンデンサ18に代わって吸
収するもので、この回生電流を吸収してもインバータ回
路10の最大電圧定格まで電圧が上がらないような容量
のものを設けている。
【0019】図13に、開閉手段21をオフした状態に
おけるスイッチング手段、ホールICの動作波形を示
す。(a)はホールIC24の出力波形、(b)はホー
ルIC25の出力波形、(c)はホールIC26の出力
波形を示している。(d)はスイッチング手段1のオン
オフ状態、(e)はスイッチング手段2のオンオフ状
態、(f)はスイッチング手段3のオンオフ状態、
(g)はスイッチング手段4のオンオフ状態、(h)は
スイッチング手段5のオンオフ状態、(i)はスイッチ
ング手段6のオンオフ状態を示している。(j)は固定
子巻線12uの電流波形、(k)は固定子巻線12vの
電流波形、(l)は固定子巻線12wの電流波形を示し
ている。
【0020】(j)、(k)、(l)の固定子巻線に流
れる電流波形は高電位側のスイッチング手段1、2、3
がオンしたときに流れる方向を正にしている。スイッチ
ング手段1〜6はいずれも電気角120度の期間オンす
るようにしている。制御手段91を構成するマイクロコ
ンピュータのROMには、ホールIC24〜26の出力
信号の論理に対応したスイッチング手段1〜6のオンオ
フの組み合わせが記憶されている。この組み合わせは電
動機11の回転方向に応じてそれぞれ記憶されている。
【0021】図14に、開閉手段21をオンした状態に
おけるスイッチング手段、ホールICの動作波形を示
す。(a)はホールIC24の出力波形、(b)はホー
ルIC25の出力波形、(c)はホールIC26の出力
波形を示している。(d)はスイッチング手段1のオン
オフ状態、(e)はスイッチング手段2のオンオフ状
態、(f)はスイッチング手段3のオンオフ状態、
(g)はスイッチング手段4のオンオフ状態、(h)は
スイッチング手段5のオンオフ状態、(i)はスイッチ
ング手段6のオンオフ状態を示している。(j)は固定
子巻線12uの電流波形、(k)は固定子巻線12vの
電流波形、(l)は固定子巻線2wの電流波形を示して
いる。
【0022】図13と同様に(j)(k)(l)の固定
子巻線に流れる電流波形は高電位側のスイッチング手段
1、2、3がオンしたときに流れる方向を正にしてい
る。高電位側のスイッチング手段1、2、3は全てオフ
状態となっているため、固定子巻線12u、12v、1
2wの正方向には電流が流れていない。低電位側のスイ
ッチング手段4〜6はいずれも電気角120度の期間オ
ンするようにしている。制御手段91を構成するマイク
ロコンピュータのROMには、ホールIC24〜26の
出力信号の論理に対応したスイッチング手段4〜6のオ
ンオフの組み合わせが記憶されている。この組み合わせ
は電動機11の回転方向に応じてそれぞれ記憶されてい
る。スイッチング手段1〜3については回転方向に関係
なく全てオフするように記憶されている。
【0023】図15に、開閉手段21のオフ状態とオン
状態それぞれにおける電動機11の速度と出力トルクの
関係を示す。(a)は開閉手段21のオフ状態での特性
を示している。(b)は開閉手段21のオン状態での特
性を示している。図15に示すように、低トルク時に
は、(b)の開閉手段21がオン状態の時の方が、
(a)の開閉手段21がオフ状態の時に比べ高速まで駆
動できる。同時に、低速時には(a)の方が(b)に比
べ高トルクまで駆動できる。
【0024】図16に、開閉手段21のオフ状態とオン
状態それぞれにおける固定子巻線12u〜12wに流れ
る電流と電動機11の出力トルクの関係を示す。(a)
は開閉手段21のオフ状態での特性を示している。
(b)は開閉手段21がオン状態での特性を示してい
る。図16に示すように、(a)の開閉手段オン時と
(b)の開閉手段オフ時とでは電流に対する出力トルク
の割合が約2倍と異なっている。
【0025】図15と図16に示した特性の違いは、前
述したように開閉手段21をオン、オフすることで、固
定子巻線12u、12v、12wへの印加電圧の最大値
を約2倍に切り替えるとともに、電動機11の駆動方式
を、開閉手段21のオン時には三相半波駆動、開閉手段
21のオフ時には三相全波駆動にするためである。
【0026】以上のように、開閉手段21をオン、オフ
して、固定子巻線12u、20v、20wへの印加電圧
の最大値を切り替えるとともに、電動機11の駆動方法
を三相全波と三相半波に切り替えるので、電動機11の
速度−トルク特性すなわち動作領域を広げるものであっ
た。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
インバータ装置は開閉手段21をオン、オフするととも
に電動機11の駆動方法を三相全波と三相半波に切り替
えることで、電動機11の動作領域を広げることができ
るが、同時に固定子巻線12u、12v、12wに流れ
る電流と電動機11の出力トルクの比も変わってしまう
ので、開閉手段21のオン、オフを切り替えた時に出力
トルクが変動し、動作が不安定になったり、あるいは過
電流が流れ、電動機11やインバータ回路10の発熱が
大になるという第一の課題を有していた。
【0028】また、開閉手段21が故障した場合には、
開閉手段21のオン状態時の特性または開閉手段21の
オフ状態時の特性のいずれかの状態でしか駆動できなく
なるという第二の課題を有していた。
【0029】本発明は上記従来の第一の課題を解決する
もので、電動機の固定子巻線に流れる電流を検知し、制
御することにより開閉手段のオンオフに関わらず安定し
た出力を得られるようにすることを目的にしている。
【0030】また、本発明は上記従来の第二の課題を解
決するもので、比較的簡単な制御で開閉手段の故障を判
定し、インバータ装置の修理を容易することを目的にし
ている。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、二つのスイッチング手段からなる直列回路
を複数設けたインバータ回路と、前記インバータ回路の
出力に接続した電動機と、前記インバータ回路の入力端
子に接続したコンデンサと、直流電源と、前記直流電源
の一端と前記コンデンサの間に接続した整流素子と、前
記直流電源と前記整流素子の接続部と前記電動機を構成
する固定子巻線どうしの接続部との間に接続した開閉手
段と、前記スイッチング手段を制御する制御手段と、前
記固定子巻線に流れる電流に相当する値を検知する電流
検知手段とを有し、前記制御手段は前記電流検知手段の
出力と電流設定値をうけて前記スイッチング手段の導通
比を制御するようにしたものである。
【0032】これにより、前記固定子巻線への印加電圧
を制御できるので、前記固定子巻線に流れる電流を制御
できるようになる。従って、前記開閉手段のオンオフ状
態に応じて、前記固定子巻線に流れる電流を制御できる
ので、出力トルクの安定性を確保したインバータ装置を
実現できる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
二つのスイッチング手段からなる直列回路を複数設けた
インバータ回路と、前記インバータ回路の出力に接続し
た電動機と、前記インバータ回路の入力端子に接続した
コンデンサと、直流電源と、前記直流電源の一端と前記
コンデンサの間に接続した整流素子と、前記直流電源と
前記整流素子の接続部と前記電動機を構成する固定子巻
線どうしの接続部との間に接続した開閉手段と、前記ス
イッチング手段を制御する制御手段と、前記固定子巻線
に流れる電流に相当する値を検知する電流検知手段とを
有し、前記制御手段は前記電流検知手段の出力と電流設
定値をうけて前記スイッチング手段の導通比を制御する
ようにしたものであり、前記固定子巻線への印加電圧を
制御できるので、前記固定子巻線に流れる電流を制御で
きることになり、前記開閉手段のオンオフ状態に応じて
前記固定子巻線に流れる電流を制御して、出力トルクの
安定性を確保できる。
【0034】また、本発明の請求項2記載の発明は、請
求項1記載の発明に加えて、制御手段は開閉手段がオフ
状態においては電流設定値が第一の電流制限値を越えな
いようにし、前記開閉手段がオン状態においては前記電
流設定値が第二の電流制限値を越えないようにしたもの
であり、前記開閉手段のオン、オフ状態に対応した最大
の電流値を設定できるので、電動機の動作領域を充分に
利用することができる。また、過大なトルクを出力し
て、前記電動機の出力軸が破損するのを防止することが
できる。
【0035】また、本発明の請求項3記載の発明は、請
求項1または2に記載の発明に加えて、制御手段は電動
機の運転中に開閉手段がオフ状態からオン状態になると
電流設定値を大きくするようにしたものであり、前記開
閉手段がオフ状態からオン状態になった直後に出力トル
クが半減して、前記電動機が停止したり、低速運転にな
るのを防止して、確実に目標速度まで駆動することがで
きる。
【0036】また、本発明の請求項4記載の発明は、請
求項1または2に記載の発明に加えて、電動機の速度を
検知する速度検知手段を有し、前記速度検知手段の出力
が所定値を越えると、制御手段は電流検知手段の出力と
電流設定値をうけて開閉手段の導通比を制御するように
したものであり、前記開閉手段の導通比のみで固定子巻
線への印加電圧を制御できるので、前記開閉手段オン直
後に固定子巻線に過大な電流が流れるのを防止すること
ができる。また、スイッチング手段の発熱を防止するこ
とができる。
【0037】また、本発明の請求項5記載の発明は、請
求項1〜4のいずれか1項に記載の発明に加えて、制御
手段は、スイッチング手段のオン、オフ状態と電流検知
手段の出力により開閉手段の故障判定を行うようにした
ものであり、簡単にインバータ装置の異常を検知でき、
また前記開閉手段を取り替えることにより、インバータ
装置を修理できる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0039】(実施例1)図1に本発明の第1の実施例
であるインバータ装置の主要部回路構成図を示す。
【0040】スイッチング手段1、2、3、4、5、6
は各々、高周波スイッチングと大電流容量に対応できる
IGBTと逆接続ダイオードの並列回路で構成されてい
る。しかし、これに限定するものではなく、IGBTの
代わりにトランジスタやMOSFETを使用してもよ
い。
【0041】直列回路7は、高電位側のスイッチング手
段1と低電位側のスイッチング手段4が直列接続されて
構成されている。直列回路8は、高電位側のスイッチン
グ手段2と低電位側のスイッチング手段5が直列接続さ
れて構成されている。直列回路9は、高電位側のスイッ
チング手段3と低電位側のスイッチング手段6が直列接
続されて構成されている。
【0042】インバータ回路10は直列回路7、8、9
が並列接続されて構成されている。つまり、インバータ
回路10はスイッチング手段1、2、3、4、5、6が
三相ブリッジされて構成されている。
【0043】電動機11は三相結線された固定子巻線1
2u、12v、12wを有する固定子12と永久磁石を
備えた回転子13により構成されている。
【0044】直流電源14は交流電源15を整流回路1
6により整流し、直流電圧を得るように構成される。整
流回路16はダイオードブリッジ17と平滑コンデンサ
18により全波整流されるように構成されている。な
お、これは一例であり、例えば電池で直流電源を構成し
てもよいし、整流回路の構成を倍電圧整流できるように
してもよい。
【0045】直流電源14の高電位側の端子は整流素子
であるダイオード19のアノードに接続し、ダイオード
19のカソードはコンデンサ20の高電位側の端子に接
続している。ダイオード19は、開閉手段21がオン状
態の時に固定子巻線12u〜12wに生じる誘導起電力
が短絡状態になるのを防止するものであり、この短絡電
流により電動機11の回転方向とは逆方向のトルクが生
じることを防止している。
【0046】コンデンサ20はインバータ回路10に接
続し、インバータ回路10に直流電源を出力する。コン
デンサ20は、スイッチング手段オフ時に生じる回生電
流を平滑コンデンサ18に代わって吸収するもので、こ
の回生電流を吸収してもインバータ回路の最大電圧定格
まで電圧が上がらないような容量のものを設けている。
【0047】開閉手段21は固定子巻線12u、12
v、12wの中性点とダイオード19のアノード間に設
けられており、リレーで構成される。このリレーは制御
手段22の出力信号をうけてオン、オフすることで直流
電源14と固定子巻線12u〜12wの中性点を接続し
たり、切り離したりする。なおリレーの代わりに、パワ
ー半導体素子であるIGBTやMOSFETや双方向ス
イッチング素子であるトライアックを用いてもよいし、
メカニカルラッチ方式のスイッチを用いてもよい。
【0048】制御手段22は、マイクロコンピュータや
複数の論理回路、オペアンプなどのアナログICなどで
構成されている。制御手段22は位置検知手段23の出
力論理に応じて所定のスイッチング手段1〜6をオンオ
フ制御する。同時に制御手段22はスイッチング手段4
〜6の導通比をパルス幅変調(PWM)で制御して、固
定子巻線12u〜12wへの印加電圧の平均値を制御し
ている。本実施例では電動機11の低騒音化のために、
PWMのキャリア周波数を15.625kHzにしてい
る。
【0049】スイッチング手段4〜6の導通比は、電流
検知手段27の出力値が、電流設定手段28の設定する
電流設定値IsになるようにPI(比例積分)制御によ
り設定する。つまり、電流設定値Isと電流検知手段2
7の出力値の偏差と、この偏差の積分値により、スイッ
チング手段4〜6の導通比を設定している。開閉手段2
1であるリレーのオンオフについては、電動機11の目
標速度もしくは速度検知手段29の出力する検知速度に
より制御する。しかしながら、これは一例であり、高電
位側のスイッチング手段1〜3の導通比を制御するよう
にしてもよいし、導通比の設定をPI制御ではなく、フ
ァジー制御や、データテーブルなどで設定してもよい
し、PWMのキャリア周波数を可変にしてもよい。
【0050】位置検知手段23は、回転子13の永久磁
石の磁極を検知する三つのホールIC24、25、26
により構成され、ホールIC24〜26は前記永久磁石
の磁極に応じてハイまたはローを制御手段22に出力す
る。なお、ホールIC24〜26は電気角で約120度
間隔になるように固定子12に配設されている。なお、
これは一例で固定子巻線12u、12v、12wに生じ
る誘導起電力を検知して、回転子13の位置を検知して
もよいし、ロータリエンコーダを用いてもよい。
【0051】電流検知手段27は直流電源14の低電位
側の端子とコンデンサ20の低電位側の端子間に接続さ
れた大電力対応で低抵抗値の電流検知抵抗と、前記電流
検知抵抗の両端電圧を増幅するオペアンプにより構成さ
れた反転増幅回路と、前記反転増幅回路の出力値をピー
クホールドするダイオードおよびコンデンサで構成され
たピークホールド回路により構成されている。つまり、
本実施例において、電流検知手段27はインバータ入力
電流のピーク値を検知していることになる。図2および
図3でも示すが、インバータ入力電流のピーク値を検知
することにより、固定子巻線12u、12v、12wに
流れる電流を全て検知することができるので、固定子巻
線12u、12v、12wにそれぞれ電流トランスなど
を設けるより簡単かつ低コストで構成できる。
【0052】また、本実施例のように回転子13が永久
磁石を有するような直流ブラシレスモータにおいては、
電動機11の速度に関係なく、固定子巻線12u〜12
wに流れる電流と電動機11の出力トルクは比例関係に
なるので、電流検知手段27により固定子巻線12u〜
12wの電流に相当する値を検知することで、出力トル
クも検知することができる。ただし、これは一例であ
り、前述したように固定子巻線12u〜12wにそれぞ
れ電流トランスを設けても良いし、直流成分まで測定で
きるホール素子などを用いた構成にしても良い。
【0053】電流設定手段28は制御手段22と同様の
マイクロコンピュータにより構成される。マイクロコン
ピュータ内のROMには予め電動機11の出力トルクと
固定子巻線12u〜12wに流れる電流の関係式が記憶
されており、トルク設定値Tsを入力することで、これ
に対応した電流設定値Isを制御手段22に出力する。
なお、この関係式は開閉手段21がオン状態の時と、オ
フ状態の時では異なるので、本実施例では、それぞれに
対応した関係式をROMに記憶している。なお、電動機
11の出力トルクと固定子巻線12u〜12wに流れる
電流の関係については図5で説明する。
【0054】速度検知手段29は所定期間内に生じるホ
ールIC26のパルス数を8ビットカウンタがカウント
し、この8ビット値に対応した速度の値をマイクロコン
ピュータ内のROMに記憶しておき、制御手段22に出
力している。
【0055】図1に示したインバータ装置の動作につい
て図2および図3を用いて説明する。
【0056】図2は開閉手段21がオフ状態におけるス
イッチング手段1〜6、ホールIC24〜26、固定子
巻線12u〜12wに流れる電流、電流検知手段27が
検知するインバータ入力電流の動作波形を示している。
(a)はホールIC24の出力波形、(b)はホールI
C25の出力波形、(c)はホールIC26の出力波形
を示している。(d)はスイッチング手段1のオン、オ
フ状態、(e)はスイッチング手段2のオン、オフ状
態、(f)はスイッチング手段3のオン、オフ状態、
(g)はスイッチング手段4のオン、オフ状態、(h)
はスイッチング手段5のオン、オフ状態、(i)はスイ
ッチング手段6のオン、オフ状態を示している。(j)
は固定子巻線12uの電流波形、(k)は固定子巻線1
2vの電流波形、(l)は固定子巻線12wの電流波
形、(m)は電流検知手段27が検知するインバータ入
力電流波形を示している。
【0057】(j)、(k)、(l)の固定子巻線に流
れる電流波形は高電位側のスイッチング手段1、2、3
がオンしたときに流れる方向を正にしている。(m)の
インバータ入力電流波形はコンデンサ20から直流電源
14へ流れる方向を正にしている。スイッチング手段1
〜6はいずれも電気角120度の期間オンするようにし
ている。制御手段22を構成するマイクロコンピュータ
のROMには、ホールIC24〜26の出力信号の論理
に対応したスイッチング手段1〜6のオンオフの組み合
わせが記憶されている。この組み合わせは電動機11の
回転方向に応じてそれぞれ記憶されている。
【0058】また、本実施例では低電位側のスイッチン
グ手段4〜6のオン期間中の導通比をPWM制御して、
固定子巻線12u〜12wへの印加電圧の平均値を制御
している。(m)に示したインバータ入力電流は、スイ
ッチング手段4〜6がオンの時に流れるものである。従
って、インバータ入力電流のピーク値を検知することに
より固定子巻線12u〜12wに流れる電流のピーク値
を検知することができる。
【0059】図3に、開閉手段21がオン状態における
スイッチング手段1〜6、ホールIC24〜26、固定
子巻線12u〜12wに流れる電流、電流検知手段27
が検知するインバータ入力電流の動作波形の一例を示
す。(a)はホールIC24の出力波形、(b)はホー
ルIC25の出力波形、(c)はホールIC26の出力
波形を示している。(d)はスイッチング手段1のオ
ン、オフ状態、(e)はスイッチング手段2のオン、オ
フ状態、(f)はスイッチング手段3のオン、オフ状
態、(g)はスイッチング手段4のオン、オフ状態、
(h)はスイッチング手段5のオン、オフ状態、(i)
はスイッチング手段6のオン、オフ状態を示している。
(j)は固定子巻線12uの電流波形、(k)は固定子
巻線12vの電流波形、(l)は固定子巻線12wの電
流波形、(m)は電流検知手段27が検知するインバー
タ入力電流波形を示している。
【0060】(j)、(k)、(l)の固定子巻線12
u〜12wに流れる電流は図2と同様に高電位側のスイ
ッチング手段1〜3がオンしたときに流れる方向を正に
している。(m)の電流検知手段27が検知するインバ
ータ入力電流はコンデンサ20から直流電源14に流れ
る方向を正にしている。制御手段22を構成するマイク
ロコンピュータのROMには、図2と同様のホールIC
24〜26の出力信号の論理に対応したスイッチング手
段1〜6のオンオフの組み合わせが記憶され、スイッチ
ング手段1〜6がそれぞれ120度の期間オンするよう
にしている。
【0061】図3においては、開閉手段21を通じて、
直流電源14と固定子巻線12u〜12wの中性点が接
続されるため、高電位側のスイッチング手段1〜3をオ
ンしても、固定子巻線12u〜12wの両端の電圧が同
じなので電流は流れない。従って、低電位側のスイッチ
ング手段4〜6がオンしたときだけ直流電源14より電
力が供給される三相半波の駆動方式で電動機11を駆動
することになる。この時、高電位側のスイッチング手段
1〜3をオンするのは、低電位側のスイッチング手段4
〜6がオフしたときに生じる回生電流を高電位側のスイ
ッチング手段1〜3を通じて、別の固定子巻線に流すこ
とにより、コンデンサ20が回生電流により過大な電圧
まで充電されることを防止するものである。
【0062】また、本実施例では低電位側のスイッチン
グ手段4〜6のオン期間中の導通比をPWM制御して、
固定子巻線12u〜12wへの印加電圧の平均値を制御
している。(m)に示したインバータ入力電流は、スイ
ッチング手段4〜6がオンの時に流れるものである。従
って、インバータ入力電流のピーク値を検知することに
より固定子巻線12u〜12wに流れる電流のピーク値
を検知することができる。
【0063】図4に開閉手段21のオフ状態とオン状態
それぞれにおける電動機11の速度と出力トルクの関係
を示す。(a)は開閉手段21のオフ状態での特性を示
している。(b)は開閉手段21のオン状態での特性を
示している。Ns1は後で説明するが、開閉手段21の
オン、オフを切り替える速度である。Ns2は電動機1
1の目標速度を示している。図4に示しているように、
低トルク時には(b)の開閉手段21がオン状態の時の
方が、(a)の開閉手段21がオフ状態の時に比べ高速
まで駆動できる。同時に、低速時には(a)の方が
(b)に比べ高トルクまで駆動できる。
【0064】図5に、開閉手段21のオフ状態とオン状
態それぞれにおける固定子巻線12u〜12wに流れる
電流と電動機11の出力トルクの関係を示す。(a)は
開閉手段21のオフ状態での特性を示している。(b)
は開閉手段21がオン状態での特性を示している。Ts
はトルク設定値でIs1は開閉手段21がオフ状態での
電流設定値、Is2は開閉手段21がオン状態での電流
設定値である。Tmaxはトルク制限値で、過大トルク
により電動機11の出力軸が破損することを防止するた
めに設けている。Imax1は第一の電流制限値で開閉
手段21がオフ状態での電流制限値である。Imax2
は第二の電流制限値で開閉手段21がオン状態での電流
制限値である。
【0065】図4と図5に示した特性の違いは、前述し
たように開閉手段21をオン、オフすることで、固定子
巻線12u、12v、12wへの印加電圧の最大値を約
2倍に切り替えるとともに、電動機11の駆動方式を、
開閉手段21のオン時には三相半波駆動、開閉手段21
のオフ時には三相全波駆動にするためである。
【0066】図6に、図1のインバータ装置の駆動フロ
ーチャートを示す。
【0067】電動機11の運転が開始されると、ステッ
プ31で電動機11の出力トルクTsと目標速度Ns2
が設定される。その後、ステップ32で三相全波駆動サ
ブルーチンを行う。ステップ33では速度検知手段29
が電動機11の速度を検知し、所定速度Ns1を検知す
ると、ステップ34で三相半波駆動サブルーチンを行い
目標速度Ns2で電動機11を駆動する。
【0068】図7は三相全波駆動サブルーチンのフロー
チャートである。三相全波駆動サブルーチンが開始され
ると、ステップ41で開閉手段21であるリレーをオフ
する。これにより電動機11の固定子巻線12u〜12
wの中性点は非接続となる。ステップ42では、電流設
定手段28が、図5に示した電動機11の出力トルクと
固定子巻線12u〜12wの電流の関係式に基づいてト
ルク設定値Tsに対応した電流設定値Is1を設定す
る。ステップ43では、制御手段22が図2に示したよ
うにホールIC24〜26の出力論理の組み合わせに対
応してスイッチング手段1〜6をオンオフ制御すること
で、電動機11を三相全波で駆動するとともに電流設定
値Is1と電流検知手段27の出力値によりPI制御で
スイッチング手段1〜6の導通比を設定する。ステップ
44で速度検知手段29の出力値が所定速度Ns1以上
であるかを判定し、Ns1以上であるならば三相全波駆
動サブルーチンを終了する。
【0069】図8は三相半波駆動サブルーチンのフロー
チャートである。三相半波駆動サブルーチンが開始され
ると、ステップ51で開閉手段21であるリレーをオン
する。これにより固定子巻線12u〜12wの中性点と
直流電源14が接続する。ステップ52では、電流設定
手段28が、図5に示した電動機11の出力トルクと固
定子巻線12u〜12wの電流の関係式に基づいてトル
ク設定値Tsに対応した電流設定値Is2を設定する。
ステップ53では、制御手段22が図3に示したように
ホールIC24〜26の出力論理の組み合わせに対応し
てスイッチング手段1〜6をオンオフ制御することで、
電動機11を三相半波で駆動するとともに電流設定値I
s2と電流検知手段27の出力値によりPI制御でスイ
ッチング手段4〜6の導通比を設定し、この導通比でス
イッチング手段4〜6をPWM制御しながら、目標速度
Ns2まで電動機11を駆動する。ステップ54では電
動機11の負荷が大きくなるなどにより電動機11の速
度が所定速度Ns1以下になるかを検知しており、Ns
1より低ければ三相半波駆動サブルーチンを終了し、再
び三相全波駆動サブルーチンを開始する。
【0070】以上のように、図1〜8で示したインバー
タ装置においては、回転子13に永久磁石を有している
ので、電動機11の出力トルクと固定子巻線12u〜1
2wに流れる電流が比例関係になる。そこで、電動機1
1の出力トルクを設定し、開閉手段21のオンオフ状態
に応じて、図5に示したトルクと電流の関係式からそれ
ぞれに対応した電流設定値を設定すれば、開閉手段21
のオン、オフに関係なく安定した出力トルクで電動機1
1を駆動できる。これは本発明の請求項1、3の一実施
例にあたる。なお、図6〜7で示したように所定速度N
s1で開閉手段21をオンオフのは、電動機11をでき
るだけ高効率で駆動するためである。しかしながら、こ
れは一例であり、別の条件で開閉手段21をオンオフし
てもよい。
【0071】また、図5に示したように、開閉手段21
のオンオフ状態に応じて第一の電流制限値Imax1と
第二の電流制限値Imax2を設けることにより、電動
機11の出力トルクを最大限に利用することができ、開
閉手段21を設けたことにより拡大した動作領域を充分
に利用することができる。これは本発明の請求項2の一
実施例にあたる。
【0072】(実施例2)図9に本発明の第2の実施例
であるインバータ装置の主要部回路構成図を示す。
【0073】開閉手段61は高周波スイッチングと大電
流容量に対応可能なIGBT62とIGBT62と直列
接続したダイオード63で構成され、IGBT62とダ
イオード63の接続点と固定子巻線12u〜12wの中
性点が接続している。
【0074】制御手段64はIGBT62をパルス幅変
調(PWM)によりオンオフ制御する。つまり、電動機
11を低電位側のスイッチング手段4〜6で三相半波で
駆動する場合には、IGBT62をPWMすることで、
固定子巻線12u〜12wへの印加電圧の平均値を制御
し、電流検知手段27の出力が電流設定値になるように
している。PWMのキャリア周波数は図1のインバータ
装置と同様に15.625kHzとする。
【0075】なお、その他の構成については実施例1と
同じであるので、説明を省略する。
【0076】以上のように、開閉手段61の導通比を制
御すれば、三相半波で駆動する場合においてはインバー
タ回路を構成するスイッチング手段4〜6を高周波スイ
ッチングする必要がないので、スイッチング手段4〜6
の発熱を抑えることができる。開閉手段61を構成する
IGBT62の発熱は大きくなるが、一つだけなので、
電流定格の大きなものを用いても、低コストにすること
ができる。これは本発明の請求項4の一実施例にあた
る。
【0077】(実施例3)図10に本発明の第3の実施
例であるインバータ装置の故障判定のフローチャートを
示す。インバータ装置の構成は図1と同様である。
【0078】電動機11の運転を開始すると、ステップ
71で故障判定サブルーチンを行い、開閉手段21の短
絡および断線の判定を行う。異常がなければ、ステップ
72で電動機11の出力トルクTsの設定および目標速
度Ns2を設定する。ステップ73では三相全波駆動サ
ブルーチンを行い、ステップ74で速度検知手段29が
電動機11の速度を検知し、所定速度Ns1を検知する
と、ステップ75で三相半波駆動サブルーチンを行い、
電動機11を目標速度Ns2で駆動する。ステップ73
の三相全波駆動サブルーチンとステップ75の三相半波
駆動サブルーチンは図7に示した三相全波駆動サブルー
チンおよび図8に示した三相半波駆動サブルーチンと同
様である。
【0079】図11は故障判定サブルーチンのフローチ
ャートを示している。故障判定サブルーチンがスタート
すると、ステップ81で制御手段22が開閉手段21で
あるリレーにオン信号を出力する。従って、直流電源1
4と固定子巻線12u〜12wの中性点が接続されてい
るはずなので、低電位側のスイッチング手段4〜6をオ
ンした場合は直流電源14より電流が供給されるはずで
ある。ステップ82では、低電位側のスイッチング手段
4〜6を同時に所定の導通比でオンする。この導通比は
固定子巻線12u〜12wおよびスイッチング手段4〜
6に過電流が流れるのを防止するため小さい方がよい。
【0080】ステップ83では電流検知手段27が電流
を検知したかどうかを制御手段22が判定し、電流を検
知できていなければ、開閉手段21の断線故障と考えら
れるので、ステップ84で電動機11の動作を停止す
る。電流が検知できた場合は、ステップ85で制御手段
22は開閉手段21にオフ信号を出力する。従って、開
閉手段21はオフしているはずなので、低電位側スイッ
チング手段4〜6をオンしても直流電源14より電流は
供給されないはずである。ステップ86では、低電位側
のスイッチング手段4〜6を同時に所定の導通比でオン
する。この導通比は、ステップ82と同じ値にしてい
る。ステップ87では電流検知手段27が電流を検知し
たかどうかを制御手段22が判定し、電流を検知した場
合は、開閉手段21が短絡故障していると考えられるの
で、ステップ84で電動機11の動作を停止する。電流
が検知されなかった場合は、正常であると判断し、故障
判定サブルーチンを終了する。
【0081】以上のように、スイッチング手段4〜6の
オンオフ制御と電流検知手段27の出力の関係により開
閉手段21の故障判定ができるので、開閉手段21の異
常を確認でき、部品の交換が可能になる。従って、低速
駆動中に充分なトルクが出力されないとか、電動機の速
度が目標値まで駆動されないといった異常状態を対策す
ることができる。
【0082】なお、これは一例であり、スイッチング手
段のオンオフ状態と電流検知手段の出力で判定を行うの
であればその他の方法で故障判定を行っても構わない。
例えば、図2、図3の動作波形より三相全波駆動と三相
半波駆動ではインバータ入力電流の包絡線の周期が異な
ることがわかるので、電流検知手段が電流の周期を検知
できるようにしておき、開閉手段にオフ信号を出力して
いるにも関わらず、電流の周期が三相半波駆動と同じで
あれば、開閉手段は短絡故障していると判定してもよ
い。この場合は電動機の駆動中に開閉手段が故障しても
すぐ検知することができる。これは本発明の請求項5の
一実施例にあたる。
【0083】なお、本実施例では示していないが、電動
機の構成を誘導電動機やスイッチトリラクタンスモータ
にしてもよい。この場合についても、開閉手段のオン、
オフにより、巻線への最大印加電圧を切り替えるととも
に電動機の駆動方法を全波駆動または半波駆動に切り替
えるので、固定子巻線に流れる電流と出力トルクの関係
が変化する。この関係をマイクロコンピュータ内のRO
Mなどに記憶しておけば、開閉手段のオン、オフに対応
して電流設定値を代えることが可能になり、安定したト
ルクで駆動することができる。
【0084】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
発明によれば、二つのスイッチング手段からなる直列回
路を複数設けたインバータ回路と、前記インバータ回路
の出力に接続した電動機と、前記インバータ回路の入力
端子に接続したコンデンサと、直流電源と、前記直流電
源の一端と前記コンデンサの間に接続した整流素子と、
前記直流電源と前記整流素子の接続部と前記電動機を構
成する固定子巻線どうしの接続部との間に接続した開閉
手段と、前記スイッチング手段を制御する制御手段と、
前記固定子巻線に流れる電流に相当する値を検知する電
流検知手段とを有し、前記制御手段は前記電流検知手段
の出力と電流設定値をうけて前記スイッチング手段の導
通比を制御するようにしたので、前記固定子巻線への印
加電圧を制御できるので、前記固定子巻線に流れる電流
を制御できることになり、前記開閉手段のオン、オフ状
態に応じて前記固定子巻線に流れる電流を制御して、前
記開閉手段のオン、オフに関わりなく出力トルクの安定
性を確保できる。
【0085】また、本発明の請求項2記載の発明によれ
ば、請求項1記載の発明に加えて、制御手段は開閉手段
がオフ状態においては電流設定値が第一の電流制限値を
越えないようにし、前記開閉手段がオン状態においては
前記電流設定値が第二の電流制限値を越えないようにし
たので、前記開閉手段のオンオフ状態に対応した最大の
電流値を設定でき、電動機の動作領域を充分に利用する
ことができる。また、過大なトルクを出力して、前記電
動機の出力軸が破損するのを防止できる。
【0086】また、本発明の請求項3記載の発明によれ
ば、請求項1または2に記載の発明に加えて、制御手段
は電動機の運転中に開閉手段がオフ状態からオン状態に
なると電流設定値を大きくするようにしたので、前記開
閉手段がオフ状態からオン状態になった直後に出力トル
クが半減して、前記電動機が停止したり、低速運転にな
るのを防止でき、確実に目標速度まで駆動することがで
きる。
【0087】また、本発明の請求項4記載の発明によれ
ば、請求項1または2に記載の発明に加えて、電動機の
速度を検知する速度検知手段を有し、前記速度検知手段
の出力が所定値を越えると、制御手段は電流検知手段の
出力と電流設定値をうけて開閉手段の導通比を制御する
ようにしたので、前記開閉手段の導通比のみで固定子巻
線への印加電圧を制御できるので、前記開閉手段オン直
後に固定子巻線に過大な電流が流れるのを防止できる。
また、スイッチング手段の発熱を低く抑えることができ
る。
【0088】また、本発明の請求項5記載の発明によれ
ば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明に加え
て、制御手段は、スイッチング手段のオンオフ状態と電
流検知手段の出力により開閉手段の故障判定を行うよう
にしたので、簡単にインバータ装置の異常を検知でき、
また前記開閉手段を取り替えることにより、インバータ
装置を修理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるインバータ装置の主
要部回路構成図
【図2】同インバータ装置の開閉手段オフ時の主要部動
作波形図
【図3】同インバータ装置の開閉手段オン時の主要部動
作波形図
【図4】同インバータ装置の電動機の速度と出力トルク
の特性図
【図5】同インバータ装置の電動機の出力トルクと固定
子巻線電流の特性図
【図6】同インバータ装置の駆動フローチャート
【図7】同インバータ装置の三相全波駆動サブルーチン
のフローチャート
【図8】同インバータ装置の三相半波駆動サブルーチン
のフローチャート
【図9】本発明の実施例2におけるインバータ装置の主
要部回路構成図
【図10】本発明の実施例3におけるインバータ装置の
駆動フローチャート
【図11】同インバータ装置の故障判定サブルーチンの
フローチャート
【図12】従来のインバータ装置の主要部回路構成図
【図13】同インバータ装置の開閉手段オフ時の主要部
動作波形図
【図14】同インバータ装置の開閉手段オン時の主要部
動作波形図
【図15】同インバータ装置の電動機の出力トルクと速
度の特性図
【図16】同インバータ装置の電動機の出力トルクと固
定子巻線電流の特性図
【符号の説明】
1、2、3、4、5、6 スイッチング手段 7、8、9 直列回路 10 インバータ回路 11 電動機 12 固定子 12u、12v、12w 固定子巻線 13 回転子 14 直流電源 19 ダイオード(整流素子) 20 コンデンサ 21 開閉手段 22 制御手段 23 位置検知手段 27 電流検知手段 28 電流設定手段 29 速度検知手段 61 開閉手段 64 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 AA10 BB04 BB07 BB12 DA02 DA19 DB02 DC12 EB01 EC09 EC10 GG04 JJ01 JJ19 RR05 RR10 SS07 TT07 TT12 TT15 TT20 UA05 UA06 XA02 XA12 5H576 BB06 BB07 CC02 CC05 DD02 DD04 DD07 EE11 EE12 EE14 GG01 GG02 GG04 HA03 HA04 HA08 HB02 JJ03 JJ17 JJ24 LL10 LL22 LL41 LL55 MM01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つのスイッチング手段からなる直列回路
    を複数設けたインバータ回路と、前記インバータ回路の
    出力に接続した電動機と、前記インバータ回路の入力端
    子に接続したコンデンサと、直流電源と、前記直流電源
    の一端と前記コンデンサの間に接続した整流素子と、前
    記直流電源と前記整流素子の接続部と前記電動機を構成
    する固定子巻線どうしの接続部との間に接続した開閉手
    段と、前記スイッチング手段を制御する制御手段と、前
    記固定子巻線に流れる電流に相当する値を検知する電流
    検知手段とを有し、前記制御手段は前記電流検知手段の
    出力と電流設定値をうけて前記スイッチング手段の導通
    比を制御するインバータ装置。
  2. 【請求項2】制御手段は開閉手段がオフ状態においては
    電流設定値が第一の電流制限値を越えないようにし、前
    記開閉手段がオン状態においては前記電流設定値が第二
    の電流制限値を越えないようにした請求項1に記載のイ
    ンバータ装置。
  3. 【請求項3】制御手段は電動機の運転中に開閉手段がオ
    フ状態からオン状態になると電流設定値を大きくする請
    求項1または2に記載のインバータ装置。
  4. 【請求項4】電動機の速度を検知する速度検知手段を有
    し、前記速度検知手段の出力が所定値を越えると、制御
    手段は電流検知手段の出力と電流設定値をうけて開閉手
    段の導通比を制御する請求項1または2に記載のインバ
    ータ装置。
  5. 【請求項5】制御手段は、スイッチング手段のオンオフ
    状態と電流検知手段の出力により開閉手段の故障判定を
    行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のインバータ装
    置。
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