JP2001267942A - 移動通信システム及び無線基地局装置 - Google Patents

移動通信システム及び無線基地局装置

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JP2001267942A JP2000080750A JP2000080750A JP2001267942A JP 2001267942 A JP2001267942 A JP 2001267942A JP 2000080750 A JP2000080750 A JP 2000080750A JP 2000080750 A JP2000080750 A JP 2000080750A JP 2001267942 A JP2001267942 A JP 2001267942A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線基地局装置の収容ユーザーが増加するこ
とに伴う干渉キャンセラ部の装置規模と信号処理規模と
の増加を軽減し、装置規模とコストとの削減を行いなが
らチャネル効率の低下を防止して高品質の通信を可能と
する。 【解決手段】 図は、無線基地局装置内に設けられる干
渉キャンセラ部の構成を示している。受信同期・パス検
出回路31−1〜31−k、相関器32−1〜32−k
は、受信入力信号の入力段にのみ配置されており、後段
の各干渉キャンセルステージ段には受信同期処理部、復
調処理部が不要である。相関器は、受信信号の逆拡散処
理を行い、得られた逆拡散信号を干渉キャンセルステー
ジ33−1〜33−nへ入力する。各干渉キャンセルス
テージ段に受信同期処理部、復調処理部が不要であるこ
とにより、装置規模と信号処理規模との増加を軽減する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、符号分割多元接続
方式を用いて複数の無線移動局装置と通信を行う移動通
信システム及び無線基地局装置に係り、特に、目的の復
調信号に含まれる他の無線移動局装置の信号による干渉
雑音成分の抑圧処理を行って復調処理を施した信号を有
線伝送路側へ伝送することによりチャネル使用効率を向
上させた移動通信システム及び無線基地局装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】符号分割多元接続方式を用いた無線通信
システムは、他のシステムからの相互干渉に強い、マル
チパスに強い、ハンドオフが容易、秘匿性に優れている
等の移動通信に適した特徴を持っている。しかし、符号
分割多元接続方式の通信システムは、他の多元接続方式
と異なり、同一の基地局セル内に存在している複数の端
末ユーザーが同時に同一の周波数と同一の周波数帯域と
を用いて通信を行っているため、チャネル使用の効率性
に対する問題点も持ち合わせている。この問題点は、遠
近問題存在下における基地局に近いユーザーの強い通信
信号が他の弱い通信信号を覆うことにより生じる干渉
や、自局からの不必要な送信電力により生じる他局への
干渉等がチャネルの使用効率の低下を招いてしまうため
に生じる。
【0003】チャネルの使用効率の低下を防止する対策
として、信号の広帯域化による広帯域利得の利用、相互
相関の小さい符号系列の使用、遠近問題の解決を行う電
力制御の採用等が行われている。特に、電力制御は、自
局からの不必要な送信電力を抑え、自局の送信電力を必
要最小に抑えることにより他局への干渉を最小限の抑え
るばかりでなく、遠近問題を解決するためにも有効であ
る。
【0004】しかし、これらの対策を用いても同時通信
を行っているユーザー数の増加による相互相関干渉の増
加(信号対雑音比の劣化)に伴う通信品質の低下を防ぐ
ことは困難である。
【0005】前述した問題点を解決するための手段とし
て、他のチャネルからの干渉の除去を行う干渉キャンセ
ル技術が有効であり、様々な方式の干渉キャンセル技術
が検討されている。他のユーザーからの干渉は受信機に
おいて予測可能であり、干渉を除去するための処理を行
うことが可能である。これらの干渉キャンセル方式のう
ち、復調の対象となる複数のユーザー信号情報を利用す
るマルチユーザー受信方式の干渉キャンセル方式が提案
されている。この方式を用いた干渉キャンセル装置は、
復調の対象となる複数のユーザー信号を復調処理し、復
調処理を施した信号から再拡散処理と合成処理とを施し
てレプリカ信号を作成し、多重波受信信号との減算処理
を行い復調処理を行うことによって干渉成分の抑圧を行
うものである。そして、干渉キャンセル処理をカスケー
ド接続された多段型の構成として行うことにより干渉成
分の抑圧効果を高めている。
【0006】なお、この種の干渉キャンセルに関する情
報として、例えば、特開平10−51353号公報、特
開平10−190494号公報等に記載された技術が知
られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したような符号分
割多元接続を用いた移動通信システムは、同時に通信を
行っているユーザー数の増加による相互相関干渉の増加
が避けられず、干渉キャンセル技術が必須の技術となっ
ている。これら干渉キャンセル方式のうち、マルチユー
ザー受信方式の干渉キャンセラ方式は、復調の対象とな
る複数のユーザー信号情報を利用するため、複数の相関
器や再拡散器などを含めた相互相関干渉成分の抑圧処理
を行う信号処理部を必要としている。この相互相関干渉
成分の抑圧処理を行う信号処理部は、相互相関干渉成分
の抑圧効果を高めるため多段構成となっているため装置
規模が大きくなってしまう。また、マルチユーザー受信
方式の干渉キャンセラ方式は、復調の対象となるユーザ
ー信号を利用し信号処理を行っているため、信号処理部
により処理が行われている各受信信号を適切に管理・制
御する必要がある。そのため、このような干渉キャンセ
ル方式を使用する通信システムは、基地局装置の装置規
模と信号処理規模とが大きくなってしまい、コストが増
大するという問題点を有するものとなっている。
【0008】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、装置規模と信号処理規模とが大きくなるこ
とがなく、しかも、チャネル使用効率の向上を図ること
のできる移動通信システム及び無線基地局装置を提供す
ることにある。
【0009】前述した目的を達成し、復調信号に含まれ
る干渉雑音成分の抑圧を行う干渉抑圧処理部を有する無
線基地局装置の開発を行うためには、装置規模、信号処
理規模、信号処理方法も含め、以下にあげるような問題
点の解決が必要である。すなわち、(1)装置規模と信
号処理規模とを大きくしないための複数のユーザー信号
と複数のステージ段とにより行われる信号処理部の構成
方法、(2)複数のステージ段の多段構成となっている
信号処理部において使用される拡散符号の生成方法、
(3)復調の対象となるユーザー信号を利用し信号処理
を行っているため、増減する通信ユーザーの信号に対す
る信号処理方法、(4)マルチパスやフェージングなど
通信環境により変動する受信パスの受信電力強度や受信
パス数などのパス情報管理方法と受信パスの信号処理方
法、(5)複数のステージ段の多段構成となっている信
号処理部を通信ユーザー数や干渉雑音量に合わせステー
ジ段数を可変させるための装置構成方法などの問題点を
解決する必要がある。
【0010】そして、本発明の目的は、符号分割多元接
続を用いた移動通信システムの複数の無線移動局装置と
同時通信を行っている無線基地局装置とにおいて、通信
ユーザー数の増加により生じる相互相関干渉によるチャ
ネル効率の低下を防止するための干渉キャンセル部の開
発において、前述した問題点についての解決方法を提案
し、干渉キャンセラ部の装置規模と信号処理規模との増
加を軽減し、無線基地局装置の装置規模とコストの削減
を行いながらチャネル効率の低下を防止して高品質の通
信を行うことを可能とした移動通信システム及び無線基
地局装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、無線移動局装置との通信を行い、複数の無線移動局
装置からのスペクトラム拡散信号が合成されている多重
波信号を入力信号とし、目的信号の復調に対して希望波
以外の干渉雑音成分抑圧処理を行う信号処理手段を有す
る無線基地局装置とを備える移動通信システム、また
は、無線基地局装置において、前記信号処理手段が、前
記入力信号について個々のスペクトラム拡散信号毎の復
調信号に含まれている希望信号以外の干渉雑音成分の抑
圧を行う複数の干渉キャンセルステージが多段に構成さ
れる干渉キャンセラ部と、該干渉キャンセラ部の初段の
干渉キャンセルステージの前段に設けられた受信同期処
理部及びパス検出部と、前記干渉キャンセラ部の最終段
の干渉キャンセルステージの出力段に設けられた信号の
復調処理を行う復調手段とを備え、前記複数の干渉キャ
ンセルステージのそれぞれは、前記受信同期処理部及び
パス検出部からの同期処理結果及びパス検出結果を、干
渉雑音成分の抑圧を行う信号処理のために使用して信号
処理を行うことにより達成される。
【0012】また、前記目的は、前記干渉キャンセラ部
に含まれる複数の干渉キャンセルステージの中間段の干
渉キャンセルステージの一部が、受信同期処理部及びパ
ス検出部と、復調手段とを備えることにより、また、前
記干渉キャンセラ部が、最終段の干渉キャンセルステー
ジの出力段に設けられた復調手段からの信号と前記中間
段の干渉キャンセルステージの出力段に設けられた復調
手段からの信号との一方を選択する選択手段を備えるこ
とにより達成される。
【0013】また、前記目的は、前記干渉キャンセラ部
に含まれる複数の干渉キャンセルステージのそれぞれ
が、逆拡散処理後の信号を個々の相関検出時に使用した
拡散符号を用いて再拡散処理を行う手段と、再拡散処理
を行った信号を加算・合成してレプリカ信号の生成を行
う手段と、該レプリカ信号を入力信号から減算する減算
処理手段と、減算処理後の信号について相関検出による
逆拡散を行う逆拡散手段と、減算処理後の逆拡散信号と
再拡散処理前の逆拡散信号との加算を行う加算処理手段
とを備えることにより達成される。
【0014】また、前記目的は、前記再拡散処理を行っ
た再拡散信号を加算・合成したレプリカ信号を受信信号
から減算する処理を行う前段に、通信を行っているユー
ザの多重数に応じて可変される“1”以下の重み係数を
乗じる手段を備えることにより、また、信号をフルナイ
キスト特性のフィルタを通過させ波形整形を行う手段を
備えることにより達成される。
【0015】また、前記目的は、前記干渉キャンセラ部
に含まれる複数の干渉キャンセルステージのそれぞれ
が、前記受信同期処理部で得られた同期処理結果を後段
の干渉キャンセルステージにおいて使用可能に伝送する
信号伝送手段を備えることにより達成される。
【0016】さらに、前記目的は、前記干渉キャンセラ
部に含まれる複数の干渉キャンセルステージのそれぞれ
はが前記パス検出部で得られたパス検出結果のパス情報
を収集する手段と、収集したパス情報について条件判定
処理を行う手段とを備え、条件判定処理を行った結果に
より干渉雑音成分の抑圧のための信号処理を行うか否か
を各パス毎に選択することにより、また、前記干渉雑音
成分の抑圧のための信号処理を行わないパスの信号を何
の処理も行わずに後段にスルーに出力する手段を備える
ことにより達成される。
【0017】本発明の無線基地局装置の受信部における
干渉キャンセラ部は、受信信号の受信同期処理を行う同
期処理部と干渉キャンセル処理を行う干渉キャンセル処
理部と干渉キャンセル後の信号について同期検波、RA
KE合成などの復調処理を行う復調処理部とにより構成
され、受信した複数の無線移動局装置からのスペクトラ
ム拡散信号が合成されている多重波信号について、ベー
スバンド受信部の入力初段にて個々のスペクトラム拡散
信号毎に受信同期処理が行われる。受信部入力初段の受
信同期処理部により受信同期処理が行われた信号は、受
信同期処理結果をもとに個々のスペクトラム拡散信号毎
に逆拡散処理が施され、逆拡散処理が行われた後の信号
に対して干渉キャンセル処理が行われる。
【0018】干渉キャンセル処理部は、逆拡散信号の再
拡散処理を行う再拡散器と、再拡散信号の合成処理を行
う合成処理部と、合成信号と受信信号の減算処理を行う
減算器と、減算信号の逆拡散処理を行う相関器とにより
構成される。この干渉キャンセル処理部は、前述した課
題1を解決し、装置規模と信号処理規模とを大きくしな
いための装置構成として、干渉キャンセル処理を行うた
めに必要な機能である再拡散処理や逆拡散処理などの信
号処理部のみを持つ構成とし、同期処理部や信号処理に
必要とされる拡散符号生成部を持たない構成となってい
る。このため、本発明は、一連の干渉キャンセル処理を
行う信号処理部を干渉キャンセルステージとすると、1
つの干渉キャンセルステージので回路規模が小さくする
ことができ、ステージの多段構成も容易となる。
【0019】また、前述した課題2を解決するため、各
干渉キャンセルステージは、拡散符号生成部を持たない
構成とし、そのため、拡散符号の生成を受信部入力初段
の受信同期処理部により行われる同期処理結果を用いる
構成とし、受信同期結果により得られる拡散符号を干渉
キャンセル処理を行う各干渉キャンセル処理部に伝送し
て使用できるような構成とした。
【0020】さらに、干渉キャンセルステージにより行
われる再拡散信号の合成処理を行う合成処理部は、干渉
成分の抑圧処理を行うための手段として、通信を行って
いるユーザー数に応じて動的に可変される“1”以下の
係数の係数乗算とナイキストフィルタ処理を行う構成を
備えて構成される。この係数乗算とナイキストフィルタ
処理とは、前述の課題1に挙げた装置規模と信号処理規
模とを大きくしないための装置構成として、個々の再拡
散信号について乗算処理とフィルタ処理を行うのではな
く、再拡散信号の合成処理が行われた後の信号について
乗算処理とフィルタ処理とを行うようにされている。こ
のような構成にすることにより個々の再拡散信号に対し
て係数の乗算とナイキストフィルタ処理部とを設ける必
要がなくなり装置規模・信号処理規模を軽減することが
を可能となる。
【0021】本発明の無線基地局装置受信部の干渉キャ
ンセラ部は、受信信号の受信同期処理と、パス検出を行
う同期処理部と、パス検出結果を収集しパスの管理と信
号処理部への通知を行う制御部と、各干渉キャンセル処
理部に設けたセレクタSWにより信号処理を行う信号の
選択を可能とした構成を備えている。干渉キャンセラ部
の同期処理部は、受信信号の同期処理とパス検出処理と
を行う。同期処理は、受信信号のタイミング検出を行
い、パス検出処理は、受信信号の畳み込み処理による遅
延プロファイルの測定を行い、マルチパスによるフェー
ジングにより時間差を持って受信される複数の遅延信号
をRAKE合成部により受信する複数のパスとして検出
を行う。
【0022】パス検出処理部で検出されたパス検出結果
は、パス検出結果の収集・管理を行う制御部に送られパ
スの条件判定と選択処理が行われる。制御部におけるパ
スの条件判定は、初期時に外部より設定された閾値をも
とに判定処理が行われ、判定結果は、各信号処理部に通
知される。パスの判定結果が通知される各信号処理部に
は、再拡散処理や相関器などの信号処理部間に信号の選
択を行うセレクタSWが設けられており、パスの判定結
果通知によりセレクタSWの開閉処理が行われる。この
セレクタSWは、通常OFF状態とし、そのままでは信
号処理が行われないようになっており、このセレクタS
Wの開閉処理により前述の課題3の増減するユーザー信
号の信号処理を可能にしている。
【0023】また、信号処理部に設けられているセレク
タSWは、パス検出処理部で検出された複数のパスの選
択処理が可能となっており、パス選択の情報管理は、パ
ス検出結果の収集を行う制御部によって行われ、受信処
理を開始した各ユーザー信号のそれぞれのパスに対して
選択処理が行われる。そのため、各信号処理部に設けら
れているセレクタSWは、制御部からの制御情報によ
り、マルチパスやフェージングなどにより増減するそれ
ぞれのパスについてセレクタSWの開閉制御を行い、前
述した課題4の受信パスの選択処理を可能にしている。
【0024】本発明の無線基地局受信部の干渉キャンセ
ラ部は、干渉キャンセル処理を行う信号処理部を複数段
備え、繰り返し処理を行う構成としており、同様の信号
処理を繰り返し行うことにより相互相関干渉成分の抑圧
効果を高めている。しかし、受信ユーザー数が少ない場
合などでは、復調信号に含まれている干渉成分が少ない
ため、干渉キャンセル処理を行うステージ数が少なくて
良い場合などがある。そのような場合、干渉キャンセル
ステージ数を減少させ、少ない処理で信号の復調処理を
行う方がよい。そのため、干渉キャンセラ部は、前述の
セレクタSWにより信号の選択処理を行い干渉キャンセ
ルステージ段数を可変させることが可能とする構成とな
っている。信号の選択を行うセレクタSWの開閉処理を
行うことにより、各信号処理部に入力される信号を信号
処理を行わずに通過させることができ、前述の課題の課
題5の通信ユーザー数や干渉雑音成分量に合わせたステ
ージ数の可変を可能にしている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明による移動通信シス
テム及び無線基地局装置の実施形態を図面により詳細に
説明する。
【0026】図1は本発明の一実施形態による符号分割
多元接続を用いる通信システムの構成を示すブロック
図、図2は干渉キャンセラ装置を有する無線基地局装置
の構成を示すブロック図であり、まず、本発明の実施形
態による通信システムと無線基地局との構成の概略を説
明する。図1、図2において、11は無線移動局装置
(MS)、12は無線基地局装置(BTS)、13は無
線制御部(BSC)、14は交換制御部(MSC)、1
5は公衆通信網、21はアンテナ部、22は送受信増幅
部、23は無線部、24はベースバンド処理部、25は
有線伝送路インタフェース部、26は無線基地局制御部
である。
【0027】本発明が適用される動通信システムは、図
1に示すように、無線移動局装置11と、複数の無線移
動局装置11と符号分割多元接続方式を用いて通信を行
う無線基地局装置12と、複数の無線基地局装置12と
接続され通信信号と制御信号との選択合成処理や分配処
理を行い無線移動局装置11に対してダイバーシチハン
ドオーバ処理を行う無線制御部13と、複数の無線制御
部13や他の通信設備と接続され通信信号の交換処理を
行う交換制御部14とからなり公衆通信網15に接続さ
れて構成されている。
【0028】無線移動局装置11と無線基地局装置12
とは、その通信方式として符号分割多元接続方式を用い
無線基地局装置12の無線エリア内に存在している複数
の移動端末ユーザーと同じ周波数と周波数帯域を用いて
通信を行っており、個々の通信はそれぞれ異なった符合
を用いることにより通信の分離を行っている。また、無
線基地局装置12に近い移動端末ユーザーの強い通信信
号が他の移動端末ユーザーの弱い通信信号を覆う事によ
り生じる遠近問題を解決するため電力制御等の処理が行
われている。
【0029】無線制御部13は、複数の無線基地局装置
12と接続されており、それぞれの無線基地局装置12
からの通信信号と制御信号との選択合成処理、及び、そ
れぞれの無線基地局装置12に対して通信信号と制御信
号との分配処理を行っている。また、無線制御部13
は、それらの通信しに対して無線移動局装置11が1つ
の無線基地局装置12がカバーしている無線エリアから
移動し、他の無線基地局装置がカバーしている無線エリ
アへ移っていった場合に、無線基地局装置間の通信信号
の切り替えを行うダイバーシチハンドオーバ処理をも行
っている。
【0030】無線基地局装置12は、図2に示すよう
に、アンテナ部21と、送受信増幅部22と、無線部2
3と、ベースバンド信号処理部24と、有線伝送路イン
ターフェース部25と、無線基地局制御部26とにより
構成されている。
【0031】無線信号の送受信を行うアンテナ部21
は、ダイバーシチ受信を行うため1つの通信エリアに対
し2系統の送受信アンテナを持ち、無線基地局装置が複
数セクタ処理対応した無線基地局の場合、セクタ数に応
じた複数のアンテナを備えている。
【0032】送受信増幅部22は、送信無線信号を増幅
する送信アンプと受信無線信号を増幅する低雑音アンプ
とを装備しており、無線送信信号と無線受信信号との分
離多重を行っている。
【0033】無線部23は、ベースバンド信号処理が施
された送信信号をD/A変換し直交変調後に無線周波数
信号に変換し送受信増幅部21の送信アンプに送る無線
送信部と、送受信増幅部22の受信アンプからの受信信
号をベースバンド信号周波数に変換し準同期検波後にA
/D変換してベースバンド信号処理部24に伝送を行う
無線受信部とからなっている。
【0034】ベースバンド信号処理部24は、送信デー
タの誤り訂正符号化、フレーム化、データ変調、拡散変
調等の信号処理を行うベースバンド送信部と、干渉キャ
ンセラ装置を備え、無線部23からの受信信号の受信同
期、逆拡散、干渉抑圧処理、誤り訂正復号、データの多
重分離、セクタ間ダイバーシチハンドオーバ時の最大比
合成等の信号処理を行うベースバンド受信部とからなっ
ている。
【0035】有線伝送路インターフェース部25は、無
線基地局装置12と無線制御部13との間の局間伝送路
のインターフェース部であり、無線制御部13との通信
信号の送受信を行っている。
【0036】無線基地局制御部26は、無線制御部13
との制御信号の送受信を行い、無線回線管理、無線回線
の設定開放等を行っている。
【0037】次に、無線基地局装置12内の干渉キャン
セラの詳細な構成と動作とを図面により説明する。
【0038】図3はベースバンド信号処理部内の受信部
の一機能である干渉キャンセラ部の構成例を示すブロッ
ク図である。図3において、31−1〜31−kは受信
同期・パス検出回路、32−1〜32−kは相関器、3
3−1〜33−nは干渉キャンセルステージ、34−1
〜34−kは再拡散器/相関器、35は合成処理部、3
6は減算処理部、37−1〜37−3は遅延回路、38
−1〜38−kは復調処理部である。
【0039】無線基地局装置12のベースバンド信号処
理部24内に設けられる干渉キャンセラ部は、図3に示
すように、受信同期・パス検出回路31−1、31−
2、……、31−k、相関器32−1、32−2、…
…、32−k、干渉キャンセルステージ33−1、33
−2、33−3、……、33−n、遅延回路37−1、
37−2、37−3、……、復調処理部38−1、38
−2、……、38−kを備えて構成されている。また、
各干渉キャンセルステージは、主に再拡散器/相関器3
4−1、34−2、……、34−k、合成処理部35、
減算処理部36から構成されている。
【0040】受信同期・パス検出回路31−1、31−
2、……、31−kは、受信入力信号の入力段にのみ配
置されており、後段の各干渉キャンセルステージ段には
受信同期処理部が設けられていない。このため、受信同
期・パス検出回路31−1、31−2、……、31−k
のそれぞれは、受信した複数のスペクトラム拡散信号が
合成されている受信信号39について、個々のスペクト
ラム拡散信号毎に受信同期処理を行い得られた受信同期
結果と、パス検出処理部で遅延プロファイルの測定によ
り得られた複数パスの検出結果とを多段の干渉キャンセ
ルステージにより構成される干渉キャンセル処理部が使
用可能に出力するように構成されている。また、受信同
期処理を行った受信同期結果は、その後の信号処理部に
より使用され、パス検出結果は、信号処理を行うパスの
選択に使用される。
【0041】相関器32−1、32−2、……、32−
kのそれぞれは、受信同期処理により得られた受信同期
結果をもとに、受信信号の逆拡散処理を行う。得られた
逆拡散信号は、干渉キャンセルステージ33−1、33
−2、33−3、……、33−nへ入力される。各干渉
キャンセルステージは、入力された逆拡散信号を各ユー
ザー信号CH毎に再拡散器/相関器34−1、34−
2、……、34−kにより再拡散処理を行う。再拡散処
理後の信号は、合成処理部35により合成され、レプリ
カ信号を生成した後に減算処理部36により受信した多
重波信号39との減算処理が行われる。減算処理後の信
号は、再拡散器/相関器34−1、34−2、……、3
4−kにより相関検出処理が行われた後、次の干渉キャ
ンセルステージへ送られる。各干渉キャンセルステージ
間には、信号処理遅延を考慮した多重波信号39に対す
る遅延回路37−1、37−2、37−3、……が設け
られており、干渉キャンセルステージの最終段に復調処
理部38−1、38−2、……、38−kが接続されて
いる。そして、これらの復調処理部は、同期検波、RA
KE合成、ダイバーシチ合成などの処理を行う。
【0042】図4はベースバンド信号処理部内の受信部
の一機能である干渉キャンセラ部の他の構成例を示すブ
ロック図である。図4において、41−iは干渉キャン
セルステージ、42−1、42−2、……、42−kは
受信同期・パス検出部、43−1、43−2、……、4
3−kは復調処理部、44−1、44−2、……、44
−kはセレクタSWであり、他の符号は図3の場合と同
一である。
【0043】図4に示す干渉キャンセラ部は、受信同期
・パス検出部31−1、31−2、……、31−k、相
関器32−1、32−2、……、32−k、干渉キャン
セルステージ33−1、……、41−i、……、33−
n、遅延回路37−1、復調処理部38−1、38−
2、……、38−k、セレクタSW44−1、44−
2、……、44−kを備えて構成されている。また、干
渉キャンセルステージ41−i以外の干渉キャンセルス
テージ、図示例における干渉キャンセルステージ33−
1、33−nは、図3の場合と同様に、再拡散器/相関
器34−1、34−2、……、34−k、合成処理部3
5、減算処理部36を備えて構成されている。そして、
干渉キャンセルステージ41−iは、再拡散器/相関器
34−1、34−2、……、34−k、合成処理部3
5、減算処理部36、受信同期・パス検出部42−1、
42−2、……、42−k、復調処理部43−1、43
−2、……、43−kを備えて構成されている。
【0044】受信信号の入力段に配置された受信同期・
パス検出回路31、31−1、31−2、31−kのそ
れぞれは、受信した複数のスペクトラム拡散信号が合成
されている受信信号39について、個々のスペクトラム
拡散信号毎に受信同期信号処理を行い得られた受信同期
結果と、パス検出処理部で遅延プロファイルの測定によ
り得られた複数パスの検出結果とを多段の干渉キャンセ
ルステージにより構成される干渉キャンセル処理部が使
用可能に出力するように構成されている。また、受信同
期処理を行った受信同期結果は、その後の信号処理部に
より使用され、パス検出結果は、信号処理を行うパスの
選択に使用される。
【0045】相関器32−1、32−2、……、32−
kのそれぞれは、受信同期処理により得られた受信同期
結果をもとに、受信信号の逆拡散処理を行う。得られた
逆拡散信号は、干渉キャンセルステージ33−1へ入力
される。干渉キャンセルステージ41−iは、減算処理
を行った信号について受信同期・パス検出部42−1、
42−2、……、42−kにより、個々のスペクトラム
拡散信号毎に受信同期処理を行い、得られた受信同期結
果とパスの検出結果とを干渉キャンセル処理部により使
用するように構成されており、逆拡散処理に必要な同期
処理とパス検出処理とを行っている。逆拡散処理後の信
号は、復調処理部43−1、43−2、……、43−k
と次のステージとに伝送される。
【0046】復調処理部43−1、43−2、……、4
3−kへ伝送された信号は、復調処理部43−1、43
−2、43−kに同期検波、RAKE合成、ダイバーシ
ーチ合成などの処理が行われる。復調処理後の信号は、
セレクタSW44−1、44−2、……、44−kへ伝
送される。セレクタSW44−1、44−2、……、4
4−kは、i段の干渉キャンセルステージ44−i内の
復調処理部からの信号と、最終段の干渉キャンセルステ
ージ33−nに接続されている復調処理部からの信号と
のいずれかを選択して出力する。この選択は、制御部2
6により行われ、例えば、接続されているユーザ数が多
いとき干渉量が多いので最終段の干渉キャンセルステー
ジ33−nに接続されている復調処理部からの信号を選
択して、通信品質の低下を抑えるようにし、また、接続
されているユーザ数が少ないとき干渉量が少ないので中
間段であるi段のキャンセルステージ41−1内の復調
処理部からの信号を選択するように行われる。
【0047】前述した例では、干渉キャンセラ部の複数
段の干渉キャンセルステージの中間段1つに受信同期・
パス検出部を備えるとして説明したが、干渉キャンセル
ステージ41−iのような干渉キャンセルステージを全
ての段に配置すると装置規模が大きくなってしまうの
で、ところどころに配置するとよく、これにより装置規
模の削減を行うことができる。
【0048】図5は干渉キャンセラ部の合成処理部の構
成を示すブロック図である。図5において、51は合成
器、52は乗算器、53は乗算係数テーブル、54はナ
イキストフィルタである。
【0049】干渉キャンセラ部で使用される合成処理部
35は、合成器51、乗算器52、乗算係数テーブル5
3、ナイキストフィルタ54を備えて構成されている。
乗算器52、乗算係数テーブル53、ナイキストフィル
タ54は、合成器41の前段の各再拡散信号に対して配
置されるのではなく、合成器41の後段の合成後の信号
に対して配置されており、これにより、各干渉キャンセ
ルステージは、乗算器52、乗算係数テーブル53、ナ
イキストフィルタ54をそれぞれ1つだけ備えるだけで
構成することができ、装置規模、信号処理規模の削減を
行うことができる。
【0050】合成処理部35は、再拡散器/相関器34
−1、34−2、……、34−kにより相関検出処理が
行われた再拡散信号55を合成器51により合成処理
し、その合成信号と、乗算係数テーブル43に設定され
ている“1”以下の固定または動的に変化する係数とを
乗算器42により乗算する処理を行い、さらに、ナイキ
ストフィルタ44によりフルナイキスト特性のフィルタ
処理を行って波形整形を施してレプリカ信号56の生成
を行う。レプリカ信号56は、減算処理部36により、
受信信号39との減算処理が行われて減算信号57に生
成される。
【0051】なお、前述において、乗算係数テーブル4
3に設定されている“1”以下の係数は、通信を行って
いる移動局の数の変動に対して選択可能に設定されてお
り、制御部26からの指示により、その1つの係数が乗
算器52に与えられる。また、乗算係数テーブル43に
設定されている“1”以下の係数を乗算器42により乗
算する処理と、ナイキストフィルタ44により行われる
フルナイキスト特性のフィルタ処理とは、どちらの処理
が先であってもよい。
【0052】図6はキャンセルステージ内の再拡散器/
相関器により構成される干渉キャンセラ部の構成と拡散
符号の伝達方法とについて説明する図である。図6にお
いて、61は再拡散器、62は相関器であり、31、3
2、34は前述までに説明したそれぞれ複数の受信同期
・パス検出回路、相関器、再拡散器/相関器を代表して
示す符号である。
【0053】図6に示す再拡散器/相関器34により構
成される干渉キャンセラ部は、受信同期・パス検出回路
31により受信信号39について個々のスペクトラム拡
散信号毎に受信同期処理が行われ、受信同期処理部から
得られた拡散符号63を、後段の相関器32や干渉キャ
ンセル処理部で使用するように構成されている。受信同
期・パス検出回路31で得られた拡散符号63を、後段
の干渉キャンセル処理部内の再拡散器61や相関器62
で使用させるようにすることにより、各干渉キャンセル
処理部は、符号生成部を必要とせずに構成することが可
能となり、これにより、システム全体の装置規模と信号
処理量との削減を行うことができる。
【0054】受信信号39は、受信同期・パス検出回路
31により得られた拡散符号63と共に相関器32へ入
力されて逆拡散処理が行われる。この結果得られた逆拡
散信号64は、相関器32により使用された拡散符号6
3と共に再拡散器/相関器34の再拡散器61へ入力さ
れる。再拡散器61は、逆拡散信号64に対して再拡散
処理を行って再拡散信号55を生成する。再拡散信号5
5は、他の再拡散信号と共に合成処理と減算処理が施さ
れ減算信号57に生成される。減算信号57は、再拡散
器61で使用された拡散符号63と共に相関器62に入
力され、逆拡散処理が行われて逆拡散信号65に生成さ
れる。相関器52により使用された拡散符号63は、逆
拡散信号65と共に次の干渉キャンセルステージへ入力
されて信号処理が続けられる。
【0055】図7は本発明の干渉キャンセラ部における
信号処理を行うパスの選択制御方法について説明する
図、図8はパス選択のためのパスを検出する遅延プロフ
ァイル測定波形例を説明する図、図9は干渉キャンセル
ステージ内の再拡散器/相関器のパス選択制御方法につ
いて説明する図である。図7、図9において、91、9
2、95はセレクタSW、93は加算器、94は遅延回
路であり、他の符号は図3、図6の場合と同一である。
【0056】干渉キャンセラ部で行われるパスの選択制
御は、図6に示すように、受信信号39について個々の
スペクトラム拡散信号毎に受信同期・パス検出回路31
−1、31−2、……、31−kにおいてパス検出処理
を行い、検出された各パス情報72を制御部26により
収集し、制御部26が閾値判定などによるパスの選択処
理を行った後に各干渉キャンセルステージ33−1、3
3−2、33−3、……にセレクタSW制御情報73に
よる通知を行うように構成されている。
【0057】受信同期・パス検出回路31−1、31−
2、……、31−kは、受信信号39について受信同期
処理を行った後に遅延プロファイル測定を行い、得られ
た遅延プロファイル測定結果から有効パスの選択処理を
行う。有効パスの選択は、初期時に外部より設定された
閾値により判定が行われる。図8の遅延プロファイル測
定波形例の中に示すように、初期時に設定される閾値に
は、第1閾値と第2閾値とが設定されている。そして、
受信同期・パス検出回路は、第1閾値以上の振幅強度を
持ったパスを有効パス81とみなし、また、第2閾値に
より第1閾値以上の振幅強度を持ったパスを有効パス8
1を干渉キャンセルパス82とRAKE合成パス83と
に振り分ける処理を行う。第2閾値以上の振幅強度を持
ったパスを干渉キャンセルパス82とし、第1閾値以
上、第2閾値未満の振幅強度を持ったパスをRAKE合
成パス83とする。
【0058】前述において、干渉キャンセルパス82
は、干渉キャンセル処理を行うため再拡散処理によるレ
プリカ信号の生成を行うパスであり、RAKE合成パス
83は、再拡散処理を行わずレプリカ信号の生成を行わ
ないが、復調処理部38において行われるRAKE合成
処理を行うパスである。干渉キャンセルパスとRAKE
合成パスとに振り分けられた有効パス81の情報は、周
期的に制御部26に通知され、制御部26により各干渉
キャンセルステージ33−1、33−2、33−3にセ
レクタSW制御情報63として通知され、各信号処理部
において信号処理が行われる。
【0059】次に、図9を参照して、干渉キャンセラに
おけるパス選択制御の動作を説明する。
【0060】このパス選択制御は、干渉キャンセルステ
ージ内の再拡散器/相関器34内に設けられるセレクタ
SWを制御することにより行われるものである。このた
め、干渉キャンセルステージ内の再拡散器/相関器34
は、図9に示すように、複数のセレクタSWが備えら
れ、選択されたパスの信号をスルーとすることができる
ように構成されている。すなわち、再拡散器/相関器3
4は、制御部26からのセレクタSW制御情報73によ
り再拡散器/相関器34内に配置したセレクタSW_A
91、セレクタSW_B92、セレクタSW_C95の
制御を行うことによりパスの選択制御を行うように構成
されている。
【0061】再拡散器/相関器34内で行われる信号選
択と信号処理手順とは、以下のように行われる。前段か
ら入力された逆拡散信号96は、セレクタSW_A91
の開閉により再拡散器61に入力されるパスの選択が行
われることにより、セレクタSW_A選択信号97とさ
れて再拡散器61に入力されて再拡散処理が行われる。
再拡散処理後の信号は合成処理回路へと送られ、減算処
理後の信号は、相関器62により逆拡散処理が行われ
る。再拡散処理後の信号は、セレクタSW_B92の開
閉により加算器97に入力されるパスの選択が行われ、
選択されたパスのセレクタSW_B選択信号98は加算
器93に入力される。
【0062】また、逆拡散信号96は、遅延回路94に
よりタイミング調整の遅延を行った後にセレクタSW_
C95の開閉により加算器93に入力されるパスの選択
が行われることにより加算器93に入力される。セレク
タSW_B92を通って送られてきたセレクタSW_B
選択信号98とセレクタSW_C95を通って送られて
きたセレクタSW_C選択信号99とは、加算器93に
より加算処理が行われた後に次のステージ処理部に送ら
れる。
【0063】このとき、セレクタSW制御情報73によ
り選択されるパスは、干渉キャンセルパスとRAKE合
成パスとに振り分けられており、各セレクタSWにおけ
るパスの選択方法として、以下に説明するような選択方
法をとることができる。
【0064】第1のパス選択方法は、セレクタSW_A
91により選択されるセレクタSW_A選択信号97と
して干渉キャンセルパスを選択し、セレクタSW_B9
2により選択されるセレクタSW_B選択信号98とし
て干渉キャンセルパスを選択し、セレクタSW_C85
により選択されるセレクタSW_C選択信号99として
RAKE合成パスを選択するという方法である。
【0065】第2のパス選択方法は、セレクタSW_A
91により選択されるセレクタSW_A選択信号97と
して干渉キャンセルパスを選択し、セレクタSW_B9
2により選択されるセレクタSW_B選択信号98とし
てRAKE合成パスを選択し、セレクタSW_C85に
より選択されるセレクタSW_C選択信号99として干
渉キャンセルパスを選択するという方法である。
【0066】第3のパス選択方法は、セレクタSW_A
91により選択されるセレクタSW_A選択信号97と
して干渉キャンセルパスを選択し、セレクタSW_B9
2により選択されるセレクタSW_B選択信号98とし
てRAKE合成パスを選択し、セレクタSW_C95に
より選択されるセレクタSW_C選択信号99としても
RAKE合成パスを選択するという方法である。
【0067】また、別のパス選択方法として、パス1つ
1つの制御ではなく干渉キャンセル処理は行わないがR
AKE合成だけ行いたいというユーザー信号の信号選択
処理を行うことも可能である。このとき、セレクタSW
制御情報73により選択される各セレクタSWのパスの
選択方法として、以下に説明するような選択方法をとる
ことができる。
【0068】この方法は、セレクタSW_A91を全て
開いた状態にしてセレクタSW_A選択信号97を再拡
散器61に入力せずにレプリカ信号の生成には係わらな
いようにし、入力されてくる逆拡散信号96の選択を行
うセレクタSW_C95も全て開いた状態にしてセレク
タSW_C選択信号99が加算器93に入力されないよ
うにし、さらに、レプリカ信号との減算処理を行った減
算処理後の信号の逆拡散処理を行う相関器62から入力
される逆拡散信号をセレクタSW_B92により選択し
てセレクタSW_B選択信号98として通過させ復調処
理部38によりRAKE合成処理を行う方法である。
【0069】図10は干渉キャンセラ部の干渉キャンセ
ルステージの段数を可変に制御する方法について説明す
る図である。この例は、通信中の移動局の数等に応じ
て、干渉キャンセラ部の干渉キャンセルステージの段数
を動的に変更可能とするものであり、図の符号は図9の
場合と同一である。
【0070】図10に示す干渉キャンセラ部で行われる
干渉キャンセルステージ段数の可変制御は、干渉キャン
セルステージ33内の再拡散器/相関器34において制
御部26からのセレクタSW制御情報73により、セレ
クタSW_A91、セレクタSW_B92、セレクタS
W_C95の制御を行うことにより行われる。すなわ
ち、この制御は、再拡散器/相関器34での信号処理を
行わずに信号を後段にパスさせるか否かにより、干渉キ
ャンセルステージ段数を減少させステージ段数を可変に
制御するものである。
【0071】この場合の1つの再拡散器/相関器34を
パスさせる制御は、図示のセレクタSW_A91とセレ
クタSW_B92とを全て開いた状態にし、セレクタS
W_A選択信号97を再拡散器61に入力せずにレプリ
カ信号の生成には係わらないようにし、減算処理後の信
号の逆拡散処理を行う相関器62から入力される逆拡散
信号についても、セレクタSW_B92を全て開いた状
態にしてセレクタSW_B選択信号98についても加算
器93に入力されないようにし、さらに、入力されてく
る逆拡散信号96の選択を行うセレクタSW_C95の
みにより信号の選択を行い、この信号のみをセレクタS
W_C選択信号99として通過させるものである。これ
により、入力された信号を干渉キャンセル処理を行うこ
となく干渉キャンセルステージ処理を通過させることが
可能となりステージ段数を動的に変更することができ
る。
【0072】前述した本発明の実施形態によれば、符号
分割多元接続方式を用いた移動通信システムの複数の無
線移動局装置と通信を行う無線基地局装置において、通
信ユーザー数の増加により生じる相互相関干渉によるチ
ャネル効率の低下を防ぐための干渉キャンセル部が、無
線基地局装置における収容ユーザーが多くなるほど装置
規模、信号処理規模が大きくなるという従来技術の問題
点を、以下に説明するようにして解決することができ
る。
【0073】(1)受信信号の同期処理を入力の初段で
行い、拡散符号として入力の初段の同期処理結果により
得られた拡散符号を各干渉キャンセルステージで用いる
構成とすることにより、各干渉キャンセルステージに同
期処理部、符号生成器等を設ける必要をなくし装置規模
の削減を行うことができた。
【0074】(2)通信を行っているユーザー数に応じ
て動的に可変とされる“1”以下の係数の係数乗算とナ
イキストフィルタ処理とを再拡散信号の合成処理が行わ
れた後の信号に対して行う構成とすることにより、個々
の再拡散信号に対して係数の乗算とナイキストフィルタ
処理手段とを設ける必要をなくし装置規模の削減を行う
ことができた。
【0075】(3)干渉キャンセルステージにより行わ
れる信号処理に対して、再拡散処理や相関器等の信号処
理部に信号の選択を行うセレクタSWを設け、パス検出
処理部で検出を行った複数のパスの選択を可能とし、制
御部からの制御情報によってセレクタSWの開閉制御を
行い、受信信号と受信パスとの選択処理を可能とするこ
とにより、信号処理規模の削減を行うことができた。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、無
線基地局装置の収容ユーザーが増加することに伴う干渉
キャンセラ部の装置規模と信号処理規模との増加を軽減
し、無線基地局装置の装置規模とコストとの削減を行い
ながらチャネル効率の低下を防止して高品質の通信を行
う移動通信システム及び無線基地局装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による符号分割多元接続を
用いる通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】干渉キャンセラ装置を有する無線基地局装置の
構成を示すブロック図である。
【図3】ベースバンド信号処理部内の受信部の一機能で
ある干渉キャンセラ部の構成例を示すブロック図であ
る。
【図4】ベースバンド信号処理部内の受信部の一機能で
ある干渉キャンセラ部の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図5】干渉キャンセラ部の合成処理部の構成を示すブ
ロック図である。
【図6】キャンセルステージ内の再拡散器/相関器によ
り構成される干渉キャンセラ部の構成と拡散符号の伝達
方法とについて説明する図である。
【図7】本発明の干渉キャンセラ部における信号処理を
行うパスの選択制御方法について説明する図である。
【図8】パス選択のためのパスを検出する遅延プロファ
イル測定波形例を説明する図である。
【図9】干渉キャンセルステージ内の再拡散器/相関器
のパス選択制御方法について説明する図である。
【図10】干渉キャンセラ部の干渉キャンセルステージ
の段数を可変に制御する方法について説明する図であ
る。
【符号の説明】
11 無線移動局装置(MS) 12 無線基地局装置(BTS) 13 無線制御部(BSC) 14 交換制御部(MSC) 15 公衆通信網 21 アンテナ部 22 送受信増幅部 23 無線部 24 ベースバンド処理部 25 有線伝送路インタフェース部 26 無線基地局制御部 31、31−1〜31−k 受信同期・パス検出回路 32、32−1〜32−k、62 相関器 33−1〜33−n、41−i 干渉キャンセルステー
ジ 34、34−1〜34−k 再拡散器/相関器 35 合成処理部 36 減算処理部 37−1〜37−3、93 遅延回路 38−1〜38−k、43−1〜43−k 復調処理部 42−1〜42−k 受信同期・パス検出部 44−1〜44−k、91、92、95 セレクタSW 51 合成器 52 乗算器 53 乗算係数テーブル 54 ナイキストフィルタ 61 再拡散器 93 加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 成人 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所通信事業部内 (72)発明者 石田 雄爾 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所通信事業本内 (72)発明者 椿 直樹 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所通信事業部内 (72)発明者 鈴木 利則 埼玉県上福岡市大原二丁目1番15号 株式 会社ケイディディ研究所内 (72)発明者 武内 良男 埼玉県上福岡市大原二丁目1番15号 株式 会社ケイディディ研究所内 (72)発明者 新井田 統 埼玉県上福岡市大原二丁目1番15号 株式 会社ケイディディ研究所内 Fターム(参考) 5K022 EE02 EE32 EE35 EE36 5K052 AA01 AA12 BB02 CC06 DD03 DD04 EE12 EE38 FF29 FF31 GG19 GG42 5K059 CC03 DD35 5K067 AA02 AA03 AA05 AA41 AA42 CC10 CC24 DD25 EE02 EE10 EE22 GG11 HH21 KK03

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線移動局装置との通信を行い、複数の
    無線移動局装置からのスペクトラム拡散信号が合成され
    ている多重波信号を入力信号とし、目的信号の復調に対
    して希望波以外の干渉雑音成分抑圧処理を行う信号処理
    手段を有する無線基地局装置とを備える移動通信システ
    ムにおいて、前記信号処理手段は、前記入力信号につい
    て個々のスペクトラム拡散信号毎の復調信号に含まれて
    いる希望信号以外の干渉雑音成分の抑圧を行う複数の干
    渉キャンセルステージが多段に構成される干渉キャンセ
    ラ部と、該干渉キャンセラ部の初段の干渉キャンセルス
    テージの前段に設けられた受信同期処理部及びパス検出
    部と、前記干渉キャンセラ部の最終段の干渉キャンセル
    ステージの出力段に設けられた信号の復調処理を行う復
    調手段とを備え、前記複数の干渉キャンセルステージの
    それぞれは、前記受信同期処理部及びパス検出部からの
    同期処理結果及びパス検出結果を、干渉雑音成分の抑圧
    を行う信号処理のために使用して信号処理を行うことを
    特徴とする移動通信システム。
  2. 【請求項2】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数の
    干渉キャンセルステージの中間段の干渉キャンセルステ
    ージの一部が、受信同期処理部及びパス検出部と、復調
    手段とを備えること特徴とする請求項1記載の移動通信
    システム。
  3. 【請求項3】 前記干渉キャンセラ部は、最終段の干渉
    キャンセルステージの出力段に設けられた復調手段から
    の信号と前記中間段の干渉キャンセルステージの出力段
    に設けられた復調手段からの信号との一方を選択する選
    択手段を備えることを特徴とする請求項2記載の移動通
    信システム。
  4. 【請求項4】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数の
    干渉キャンセルステージのそれぞれは、逆拡散処理後の
    信号を個々の相関検出時に使用した拡散符号を用いて再
    拡散処理を行う手段と、再拡散処理を行った信号を加算
    ・合成してレプリカ信号の生成を行う手段と、該レプリ
    カ信号を入力信号から減算する減算処理手段と、減算処
    理後の信号について相関検出による逆拡散を行う逆拡散
    手段と、減算処理後の逆拡散信号と再拡散処理前の逆拡
    散信号との加算を行う加算処理手段とを備えることを特
    徴とする請求項1、2または3記載の移動通信システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記再拡散処理を行った再拡散信号を加
    算・合成したレプリカ信号を受信信号から減算する処理
    を行う前段に、通信を行っているユーザの多重数に応じ
    て可変される“1”以下の重み係数を乗じる手段を備え
    ることを特徴とする請求項4記載の移動通信システム。
  6. 【請求項6】 前記再拡散処理を行った再拡散信号を加
    算・合成したレプリカ信号を受信信号から減算する処理
    を行う前段に、信号をフルナイキスト特性のフィルタを
    通過させ波形整形を行う手段を備えることを特徴とする
    請求項4または5記載の移動通信システム。
  7. 【請求項7】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数の
    干渉キャンセルステージのそれぞれは、前記受信同期処
    理部で得られた同期処理結果を後段の干渉キャンセルス
    テージにおいて使用可能に伝送する信号伝送手段を備え
    ることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1
    記載の移動通信システム。
  8. 【請求項8】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数の
    干渉キャンセルステージのそれぞれは、前記パス検出部
    で得られたパス検出結果のパス情報を収集する手段と、
    収集したパス情報について条件判定処理を行う手段とを
    備え、条件判定処理を行った結果により干渉雑音成分の
    抑圧のための信号処理を行うか否かを各パス毎に選択す
    ることを特徴とする請求項1ないし7うち1記載の移動
    通信システム。
  9. 【請求項9】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数の
    干渉キャンセルステージのそれぞれは、前記干渉雑音成
    分の抑圧のための信号処理を行わないパスの信号を何の
    処理も行わずに後段にスルーに出力する手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項8記載の移動通信システム。
  10. 【請求項10】 無線移動局装置との通信を行い、複数
    の無線移動局装置からのスペクトラム拡散信号が合成さ
    れている多重波信号を入力信号とし、目的信号の復調に
    対して希望波以外の干渉雑音成分抑圧処理を行う信号処
    理手段を有する無線基地局装置とを備える移動通信シス
    テムにおける無線基地局装置において、前記信号処理手
    段は、前記入力信号について個々のスペクトラム拡散信
    号毎の復調信号に含まれている希望信号以外の干渉雑音
    成分の抑圧を行う複数の干渉キャンセルステージが多段
    に構成される干渉キャンセラ部と、該干渉キャンセラ部
    の初段の干渉キャンセルステージの前段に設けられた受
    信同期処理部及びパス検出部と、前記干渉キャンセラ部
    の最終段の干渉キャンセルステージの出力段に設けられ
    た信号の復調処理を行う復調手段とを備え、前記複数の
    干渉キャンセルステージのそれぞれは、前記受信同期処
    理部及びパス検出部からの同期処理結果及びパス検出結
    果を、干渉雑音成分の抑圧を行う信号処理のために使用
    して信号処理を行うことを特徴とする無線基地局装置。
  11. 【請求項11】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数
    の干渉キャンセルステージの中間段の干渉キャンセルス
    テージの一部が、受信同期処理部及びパス検出部と、復
    調手段とを備えること特徴とする請求項10記載の無線
    基地局装置。
  12. 【請求項12】 前記干渉キャンセラ部は、最終段の干
    渉キャンセルステージの出力段に設けられた復調手段か
    らの信号と前記中間段の干渉キャンセルステージの出力
    段に設けられた復調手段からの信号との一方を選択する
    選択手段を備えることを特徴とする請求項11記載の無
    線基地局装置。
  13. 【請求項13】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数
    の干渉キャンセルステージのそれぞれは、逆拡散処理後
    の信号を個々の相関検出時に使用した拡散符号を用いて
    再拡散処理を行う手段と、再拡散処理を行った信号を加
    算・合成してレプリカ信号の生成を行う手段と、該レプ
    リカ信号を入力信号から減算する減算処理手段と、減算
    処理後の信号について相関検出による逆拡散を行う逆拡
    散手段と、減算処理後の逆拡散信号と再拡散処理前の逆
    拡散信号との加算を行う加算処理手段とを備えることを
    特徴とする請求項10、11または12記載の無線基地
    局装置。
  14. 【請求項14】 前記再拡散処理を行った再拡散信号を
    加算・合成したレプリカ信号を受信信号から減算する処
    理を行う前段に、通信を行っているユーザの多重数に応
    じて可変される“1”以下の重み係数を乗じる手段を備
    えることを特徴とする請求項13記載の無線基地局装
    置。
  15. 【請求項15】 前記再拡散処理を行った再拡散信号を
    加算・合成したレプリカ信号を受信信号から減算する処
    理を行う前段に、信号をフルナイキスト特性のフィルタ
    を通過させ波形整形を行う手段を備えることを特徴とす
    る請求項13または14記載の無線基地局装置。
  16. 【請求項16】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数
    の干渉キャンセルステージのそれぞれは、前記受信同期
    処理部で得られた同期処理結果を後段の干渉キャンセル
    ステージにおいて使用可能に伝送する信号伝送手段を備
    えることを特徴とする請求項10ないし19のうちいず
    れか1記載の無線基地局装置。
  17. 【請求項17】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数
    の干渉キャンセルステージのそれぞれは、前記パス検出
    部で得られたパス検出結果のパス情報を収集する手段
    と、収集したパス情報について条件判定処理を行う手段
    とを備え、条件判定処理を行った結果により干渉雑音成
    分の抑圧のための信号処理を行うか否かを各パス毎に選
    択することを特徴とする請求項1ないし16うち1記載
    の無線基地局装置。
  18. 【請求項18】 前記干渉キャンセラ部に含まれる複数
    の干渉キャンセルステージのそれぞれは、前記干渉雑音
    成分の抑圧のための信号処理を行わないパスの信号を何
    の処理も行わずに後段にスルーに出力する手段を備える
    ことを特徴とする請求項17記載の無線基地局装置。
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